JP2004055681A - 屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置内部に取り込んだ空気をファンを介して効率良く排気するとともに、雨水が吸気口および排気口から装置内部に浸入するのを防止し、さらにはファンのメンテナンス時の作業性に優れた屋外設置パワーコンディショナ装置を提供する。
【解決手段】屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造は、吸気口5と排気口6とを有する外箱2と、外箱2内に設けられた電力変換部14と、外箱2内に設けられて、電力変換部14を冷却するファン15とを備える。このファン15は、吸気口5から取り入れられた気体を電力変換部14を介して排気口6へ流れるように送風する。ファン15から送り出される気体の流れる方向である矢印46が示す方向と、排気口6から排出される気体の流れる方向である矢印47が示す方向とが鋭角をなすように、ファン15が排気口6に対して傾斜している。
【選択図】 図3
【解決手段】屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造は、吸気口5と排気口6とを有する外箱2と、外箱2内に設けられた電力変換部14と、外箱2内に設けられて、電力変換部14を冷却するファン15とを備える。このファン15は、吸気口5から取り入れられた気体を電力変換部14を介して排気口6へ流れるように送風する。ファン15から送り出される気体の流れる方向である矢印46が示す方向と、排気口6から排出される気体の流れる方向である矢印47が示す方向とが鋭角をなすように、ファン15が排気口6に対して傾斜している。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的には屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造に関し、より特定的には、屋外設置パワーコンデショナ装置の内部に導入する冷却用気体を効率良く循環させる機構を備えた屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池または燃料電池などは、2次電池などの他のエネルギ源を介在しなくても直流電源として動作し直流電力を出力するため、有害な物質を排出しないシンプルでクリーンなエネルギ源として知られている。そして、このような独立した直流電源から発生した直流電力を交流電力に変換し、一般交流負荷または既存の商用電力系統に電力を供給する装置として屋外設置パワーコンディショナ装置が用いられている。図6は、従来技術の屋外設置パワーコンディショナ装置の外観を示す斜視図である。
【0003】
図6を参照して、屋外設置パワーコンディショナ装置101は、外箱102と、外箱102の正面側に設けられている開口部を塞ぐ蓋104と、取付け板103とを備える。取付け板103が建造物外壁に取付けられて、屋外設置パワーコンディショナ装置101が屋外に設置される。外箱102の底面102aには吸気口105が、外箱102の背面102bには排気口106が設けられている。吸気口105は、矩形の孔が複数列にわたって形成されて設けられている。取付け板103は、外箱102の背面102b側に排気口106と連通して設けられており、その側面にはスリット部107が設けられている。
【0004】
図7は、図6中のVII−VII線上に沿った断面図である。図7を参照して、外箱102の内部には、太陽電池などから出力された直流電力を交流電力に変換する電力変換部135が設けられている。この電力変換部135の中で最も発熱するパワー素子114が、外箱102の底面102a上に取付けられたヒートシンク111の表面に接するように設けられている。
【0005】
外箱102の上方では、ファン支持部117がねじ118によって外箱102の背面102bに止め付けられている。ファン支持部117とヒートシンク111との間に位置するように、ファン116がねじ115aおよび115bによってファン支持部117に止め付けられている。ファン116内部には回転羽根が設けられており、矢印131に示す方向に空気が送風される。ファン116によってファン支持部117内に導入された空気は、矢印132に示す方向に流れて排気口106から排出される。ファン116は、矢印131に示す方向と矢印132に示す方向とで形成される角度βが90°となるように設けられている。
【0006】
外箱102の背面102bには、上部引っ掛け部120、中央部引っ掛け部133および下部ねじ止め部119が設けられており、これらの部分を取付け板103の対向する部分に係止およびねじ止めして、外箱102を取付け板103に固定する。
【0007】
図8は、図6中のVIII−VIII線上に沿った断面図である。図8を用いて、従来技術の屋外設置パワーコンディショナ装置101の冷却構造について説明する。
【0008】
図8を参照して、ファン116内の回転羽根129を稼働させることによって、外箱102の底面102aに設けられた吸気口105から外部の冷たい空気がヒートシンク111内に取り込まれる。ヒートシンク111の内部は上下方向に延びる羽根部によって複数の部屋に分かれており、このように形成された各々の部屋を空気が通過する。パワー素子114で発生する熱はヒートシンク111の羽根部に伝導しているため、ヒートシンク111内の羽根部と接触しながら空気が通過することによって、その羽根部が有する熱が奪われる。その結果、電力変換部135が冷却されることとなる。
【0009】
ヒートシンク111内の羽根部との熱交換により熱せられた空気は、ヒートシンク111の上方に移動し、ファン116の底面に設けられた孔123、およびファン支持部117の底面に設けられた孔124を通過してファン支持部117内に送られる。ファン支持部117内に送られた空気は、一旦ファン支持部117の上面に当たる。上面に当たった空気の約50%が、排気口106側の矢印126に示す方向に流れ、残りの約50%が排気口106とは反対側の矢印127に示す方向に流れてファン支持部117内を循環する。
【0010】
排気口106から排出された空気は、取付け板103によって形成される空間を通過してスリット部107より排出される。この際、空気は矢印128に示す方向に流れるため、一旦取付け板103に当たってスリット部107より屋外設置パワーコンディショナ装置101の外部に排出される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように外部の冷たい空気を積極的に取り込みこの空気によって内部の空冷を行なう冷却構造においては、熱交換を行なった空気をスムーズに装置外部に排出することが必要である。また、屋外設置パワーコンディショナ装置の筐体は、雨水や埃といった外的要因から筐体内部に設けられた電子機器を保護しなければならない。さらに、外部の空気を取り込むファンはモータ駆動であって消耗品であるため寿命がくると交換する。このため、ファンのメンテナンスが容易に行なえなければならない。
【0012】
しかし、従来技術の屋外設置パワーコンディショナ装置101では、ファン116によって送り出される空気の流れる方向と、排気口106から排出される空気の流れる方向とが相対的に垂直の関係にあったため、ファン116に吸い込まれた空気が効率良く外箱102の外部に排出されない。また、取付け板103の内部においても空気は一旦取付け板103に当たるため、スリット部107から屋外設置パワーコンディショナ装置101の外部に効率良く排出されない。以上のような理由により、ヒートシンク111における電力変換部135の冷却効率が低下し、電力変換部135の温度上昇を十分に抑えることができないおそれがある。
【0013】
また、吸気口105および排気口106の開口面積を大きくすることによって、外箱102内部により多くの空気を取り込み冷却効率を向上させようとした場合、暴風雨時などに吸気口105および排気口106から外箱102内に雨水が浸入するというおそれがある。
【0014】
さらに、ファン116のメンテナンスのためファン116を外箱102から取り外そうとすると、ねじ115aおよび115bをはずす際にヒートシンク111および電力変換部135との干渉が問題となる。このため、まずねじ118を緩めてファン支持部117を外箱102から取り外し、その後さらにねじ115aおよび115bを緩めて、ファン支持部117からファン116を取り外す必要がある。このような作業を行なうことは手間がかかり、ファン116のメンテナンス時の作業性が損なわれる。
【0015】
そこで、この発明の目的は、上記の課題を解決することであり、装置内部に取り込んだ空気をファンを介して効率良く排気するとともに、雨水が吸気口および排気口から装置内部に浸入するのを防止し、さらにはファンのメンテナンス時の作業性に優れた屋外設置パワーコンディショナ装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造は、吸気口と第1の排気口とを有する筐体と、筐体内に設けられた電力変換部と、筐体内に設けられて、電力変換部を冷却するファンとを備える。このファンは、吸気口から取り入れられた気体を電力変換部を介して第1の排気口へ流れるように送風する。ファンから送り出される気体の流れる方向と、第1の排気口から排出される気体の流れる方向とが鋭角をなすように、ファンが第1の排気口に対して傾斜している。
【0017】
このように構成された屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造によれば、ファンによって吸気口から取り入れられた気体は屋外設置パワーコンディショナ装置の熱源体としての電力変換部を冷却する。ファンから送り出される気体の流れる方向と、第1の排気口から排出される気体が流れる方向とが鋭角をなすようにして、ファンと第1の排気口との相対的な位置が決定されているため、電力変換部と熱交換が行なわれた空気が第1の排気口から筐体の外部に効率良く排出される。これにより、筐体内に設けられた電力変換部の温度上昇を抑えることができる。
【0018】
また好ましくは、屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造は、第1の排気口と連通し、かつ筐体と隣接して設けられた排気路形成部材をさらに備える。排気路形成部材は、第1の排気口から排出された気体を屋外設置パワーコンディショナ装置の外部に排出するための第2の排気口を含む。このように形成された屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造によれば、筐体と隣接して第1の排気口を覆うように排気路形成部材を設けているため、外部の雨水が直接第1の排気口から筐体内に浸入することを防止できる。これにより、筐体内に設けられた電力変換部などの電子機器を雨水から保護することができる。
【0019】
また好ましくは、筐体は、第1の排気口から第2の排気口に向けて気体を案内する排気ガイドを含む。このように構成された屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造によれば、第1の排気口から排出された気体が排気ガイドによって第2の排気口に導かれるため、気体を効率良く屋外設置パワーコンディショナ装置の外部に排出することができる。これにより、筐体内に設けられた電力変換部の温度上昇をさらに抑えることができる。
【0020】
また好ましくは、屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造は、筐体の内部側で、吸気口を覆うように形成された防水部材をさらに備える。防水部材は、吸気口から電力変換部に向けて気体を案内する吸気ガイドを含む。このように構成された屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造によれば、暴風雨時などに雨水が吸気口から筐体の内部に浸入することを防止できる。これにより、筐体内に設けられた電力変換部などの電子機器を雨水から保護することができる。また、防水部材は吸気ガイドを有しているため、吸気口から筐体内に取り込んだ空気を熱源体としての電力変換部に向けて導くことができる。このように外部の冷たい空気を電力変換部に向けて効率良く導くことによって、電力変換部の温度上昇をさらに抑えることができる。
【0021】
また好ましくは、ファンは、筐体から直接脱着可能に取り付けられている。このように構成された屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造によれば、ファンと連結しているモータが寿命となった場合などに、ファンを筐体から容易に取り外すことができる。これにより、ファンの交換が容易となりファンのメンテナンス時の作業性が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
(実施の形態)
図1は、この発明の実施の形態における屋外設置パワーコンディショナ装置の外観を示す斜視図である。
【0024】
図1を参照して、屋外設置パワーコンディショナ装置1は、外箱2と、外箱2の正面側に設けられている開口部を覆う蓋4と、四面を壁面で構成する取付け板3とを備える。取付け板3が建造物外壁に取付けられて、屋外設置パワーコンディショナ装置1が屋外に設置される。外箱2の底面2aには吸気口5が、外箱2の背面2bには排気口6が設けられている。吸気口5は、矩形の孔が複数列にわたって形成されて設けられている。取付け板3は、外箱2の背面2b側に排気口6と連通して設けられており、その側面には長孔形状のスリット部7が設けられている。
【0025】
図2は、図1中のII−II線上に沿った断面図である。図2を参照して、外箱2の底面2aの内部側には、吸気口5を覆うようにして防水カバー11が形成されている。防水カバー11の上面には、開口部12が設けられている。防水カバー11の上方では、外箱2の背面2bにヒートシンク13が設けられている。ヒートシンク13内は、上下に延びる複数の羽根部21によって複数に分割されている。ヒートシンク13上には、太陽電池などから出力された直流電力を交流電力に変換する電力変換部14が設けられている。
【0026】
外箱2の上面2cには、ファン支持部18が設けられており、その底面には孔19が複数形成されている。なお、ファン支持部18の底面は傾斜している。ファン支持部18は、外箱2の背面2bに設けられた排気口6と連通している。ヒートシンク13に面したファン支持部18の傾斜している底面にはファン15a、15bおよび15cが設けられており、それぞれがファン支持部18に形成された孔19と連通している。ファン15の底面には孔17が形成されている。ファン15の内部には回転羽根16が設けられており、回転羽根16はファン15内の図示しないモータと連結されている。
【0027】
図3は、図1中のIII−III線上に沿った断面図である。図3を参照して、防水カバー11の上面には、ヒートシンク13の下方に向って延びる吸気ガイド33が形成されている。電力変換部14の中で最も発熱するパワー素子34がヒートシンク13の表面に接するように設けられている。ファン支持部18の底面は傾斜しており、その底面とファン15のファン接続部分35とが、底面前方にある凸部20とファン接続部分35にある図示しないスリット部とを嵌合させ、ねじ36aによって止め付けられている。ねじ36aはねじ頭が外箱2の開口部31に向くように設けられている。このためファン15のメンテナンスを行なう場合、外箱2の蓋4を取り外し、外箱2の開口部31側からねじ36aを緩めることで、ファン15を外箱2から直接取り外すことができる。また新しいファンを外箱2に取付ける場合は、上述の手順を逆の順番で行えばよい。
【0028】
ファン15内で回転羽根16の回転軸がファン支持部18の底面に垂直に交わるように回転羽根16が設けられている。ファン15内の回転羽根16が稼働することによって、矢印46に示す方向に空気が送風される。ファン15によってファン支持部18内に導入された空気は、排気口6から外箱2の外部に矢印47に示す方向に流れて排出される。この場合、ファン15とヒートシンク13との位置関係から矢印46に示す方向と矢印47に示す方向とで形成される角度αが70°となるように、ファン支持部18の底面の傾斜が形成されている。これにより、外箱2内部の空気を効率良く排気口6に送ることができる。
【0029】
なお、本実施の形態では、矢印46に示す方向と矢印47に示す方向とで形成される角度αを70°としたが、構造的に可能であれば角度αは直角よりも小さい角度、つまり鋭角としても良い。
【0030】
外箱2の背面2bには、上部引っ掛け部37、中央部引っ掛け部40および下部ねじ止め部38が設けられており、これらの部分を取付け板3の対向する部分に係止およびねじ止めして、外箱2を取付け板3に固定する。このように外箱2を取付け板3に固定することで、屋外設置パワーコンディショナ装置1が暴風雨などにより取付け板3から脱落することを防止できる。
【0031】
外箱2の背面2bには、外箱2の外部側であって排気口6の近傍に、排気ガイド39が設けられている。排気ガイド39は、排気口6が長手方向に延びている間にわたって形成されている。排気ガイド39には、排気口6と向い合う位置に傾斜部39aが設けられており、傾斜部39aの端部から下方に延びて形成されている。
【0032】
図4は、本実施の形態における屋外設置パワーコンディショナ装置を用いたシステムの回路図である。図4を用いて、屋外設置パワーコンディショナ装置を用いたシステムについて簡単に説明する。
【0033】
図4を参照して、電力変換部14が外箱2の内部に設けられている。電力変換部14は、スイッチング素子などの主回路部品、およびマイコンなどの制御回路部品から構成されている。外箱2の外部には、直流電源55、商用電力系統57および家庭内電気負荷56が形成されている。電力変換部14には、直流電源55、商用電力系統57および家庭内電気負荷56からの配線が接続されている。
【0034】
このように構成された屋外設置パワーコンディショナ装置を用いたシステムでは、直流電源55から出力された直流電力を、電力変換部14を介して周波数50/60Hzの交流電力に変換することができる。そしてその交流電力を商用電力系統57または家庭内電気負荷56に供給することができる。
【0035】
図5は、図1中のV−V線上に沿った断面図である。図5を用いて、屋外設置パワーコンディショナ装置1の冷却構造について説明する。
【0036】
図5を参照して、防水カバー11は断面が長方形の箱型形状を有しており、ヒートシンク13の下方近傍に位置するように開口部12が形成されている。また、吸気口5には、外箱2の内部側に向けて傾斜板5aが形成されており、これにより暴風雨時などに吸気口5から外箱2内に雨水が浸入することをある程度防止することができる。
【0037】
ファン15内の回転羽根16を稼働させることによって、外部の冷たい空気が、吸気口5から外箱2の内部に取り入れられる。取り入れられた空気は防水カバー11の内部に形成された空間を通り開口部12から排出される。このとき空気は、防水カバー11に形成された吸気ガイド33に案内されて、ヒートシンク13内に形成された空間63へと進む。
【0038】
空間63はヒートシンク13内に形成された上下に延びる羽根部21(図2を参照のこと)によって複数に分かれており、空気はこの各々の空間63を通過する。パワー素子34で発生する熱はヒートシンク13の羽根部21に伝導しているため、ヒートシンク13内の羽根部21に接触しながら空気が通過することによって、その羽根部21の熱が奪われる。その結果、電力変換部14は冷却されることとなる。
【0039】
ヒートシンク13内の空間63を通過した空気はヒートシンク13の羽根部21上方から、ファン15の孔17およびファン支持部18の孔19を通過し、ファン支持部18内の空間64に導かれる。このとき、ファン15を通過した空気は回転羽根16の軸方向に沿って進む。上述のようにファン15は傾斜して設けられているため、角度α=70°の場合ではファン支持部18の上面に当たった空気の約60%が、排気口6側の矢印67に示す方向に流れ、残りの約40%が排気口6とは反対側の矢印66に示す方向に流れてファン支持部18内を循環する。これにより、外箱2内部の空気を効率良く排気口6に送ることができる。
【0040】
排気口6から排出された空気は、排気ガイド39に沿って進みスリット部7から屋外設置パワーコンディショナ装置1の外部に排出される。
【0041】
この発明の実施の形態に従った屋外設置パワーコンディショナ装置1の冷却構造は、吸気口5と第1の排気口としての排気口6とを有する筐体としての外箱2と、外箱2内に設けられた電力変換部14と、外箱2内に設けられて、電力変換部14を冷却するファン15とを備える。このファン15は、吸気口5から取り入れられた気体を電力変換部14を介して排気口6へ流れるように送風する。ファン15から送り出される気体の流れる方向としての矢印46が示す方向と、排気口6から排出される気体が流れる方向としての矢印47が示す方向とが鋭角をなすように、ファン15が排気口6に対して傾斜している。
【0042】
屋外設置パワーコンディショナ装置1の冷却構造は、排気口6と連通し、かつ外箱2と隣接して設けられた排気路形成部材としての取付け板3をさらに備える。取付け板3は、排気口6から排出された気体を屋外設置パワーコンディショナ装置1の外部に排出するためのスリット部7を含む。外箱2は、排気口6からスリット部7に向けて気体を案内する排気ガイド39を含む。屋外設置パワーコンディショナ装置1の冷却構造は、外箱2の内部側で、吸気口5を覆うように形成された防水部材としての防水カバー11をさらに備える。防水カバー11は、吸気口5から電力変換部14に向けて気体を案内する吸気ガイド33を含む。ファン15は、外箱2から直接脱着可能に取り付けられている。
【0043】
このように形成された屋外設置パワーコンディショナ装置1の冷却構造によれば、ファン15から送り出される気体の流れる方向としての矢印46が示す方向と、排気口6から排出される気体が流れる方向としての矢印47が示す方向とが鋭角をなしているため、ファン15から送り出された空気が効率良く排気口6から外箱2の外部に排出される。また、防水カバー11に設けた吸気ガイド33により、吸気口5からヒートシンク13内に外部の冷たい空気が効率良く導かれる。さらに、取付け板3が形成する空間内に設けた排気ガイド39により、排気口6から排出された空気がスリット部7に効率良く導かれる。これらの理由により、屋外設置パワーコンディショナ装置1内で冷却用の空気を効率良く循環させ電力変換部14の強制空冷を行なうことにより、電力変換部14の温度上昇を抑えることができる。
【0044】
また、吸気口5を覆うように設けられた防水カバー11により、吸気口5から電力変換部14などの電子機器が設けられた空間に雨水が浸入することを防止できる。特に暴風雨時などに雨水が地面に当たり上方へ跳ね返り外箱2の底面2aから吹き上がるような条件においても、雨水の浸入を有効に防止することができる。これにより、外箱2の内部に設けられた電子機器をより確実に雨水から保護することができる。さらに、排気ガイド39の傾斜部39aが排気口6を覆うようにして設けられているため、スリット部7から浸入した雨水が風にあおられて排気口6から浸入することも防止できる。
【0045】
さらに、ねじ36aを緩めることによって、ファン15を直接外箱2から脱着することができるので、ファン15のメンテナンス時の作業性を向上させることができる。
【0046】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に従えば、装置内部に取り込んだ空気をファンを介して効率良く排気するとともに、雨水が吸気口および排気口から装置内部に浸入するのを防止し、さらにはファンのメンテナンス時の作業性に優れた屋外設置パワーコンディショナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態における屋外設置パワーコンディショナ装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1中のII−II線上に沿った断面図である。
【図3】図1中のIII−III線上に沿った断面図である。
【図4】本実施の形態における屋外設置パワーコンディショナ装置を用いたシステムの回路図である。
【図5】図1中のV−V線上に沿った断面図である。
【図6】従来技術の屋外設置パワーコンディショナ装置の外観を示す斜視図である。
【図7】図6中のVII−VII線上に沿った断面図である。
【図8】図6中のVIII−VIII線上に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 屋外設置パワーコンディショナ装置、2 外箱、3 取付け板、5 吸気口、6 排気口、7 スリット部、11 防水カバー、14 電力変換部、15
ファン、33 吸気ガイド、39 排気ガイド、46,47 矢印。
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的には屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造に関し、より特定的には、屋外設置パワーコンデショナ装置の内部に導入する冷却用気体を効率良く循環させる機構を備えた屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池または燃料電池などは、2次電池などの他のエネルギ源を介在しなくても直流電源として動作し直流電力を出力するため、有害な物質を排出しないシンプルでクリーンなエネルギ源として知られている。そして、このような独立した直流電源から発生した直流電力を交流電力に変換し、一般交流負荷または既存の商用電力系統に電力を供給する装置として屋外設置パワーコンディショナ装置が用いられている。図6は、従来技術の屋外設置パワーコンディショナ装置の外観を示す斜視図である。
【0003】
図6を参照して、屋外設置パワーコンディショナ装置101は、外箱102と、外箱102の正面側に設けられている開口部を塞ぐ蓋104と、取付け板103とを備える。取付け板103が建造物外壁に取付けられて、屋外設置パワーコンディショナ装置101が屋外に設置される。外箱102の底面102aには吸気口105が、外箱102の背面102bには排気口106が設けられている。吸気口105は、矩形の孔が複数列にわたって形成されて設けられている。取付け板103は、外箱102の背面102b側に排気口106と連通して設けられており、その側面にはスリット部107が設けられている。
【0004】
図7は、図6中のVII−VII線上に沿った断面図である。図7を参照して、外箱102の内部には、太陽電池などから出力された直流電力を交流電力に変換する電力変換部135が設けられている。この電力変換部135の中で最も発熱するパワー素子114が、外箱102の底面102a上に取付けられたヒートシンク111の表面に接するように設けられている。
【0005】
外箱102の上方では、ファン支持部117がねじ118によって外箱102の背面102bに止め付けられている。ファン支持部117とヒートシンク111との間に位置するように、ファン116がねじ115aおよび115bによってファン支持部117に止め付けられている。ファン116内部には回転羽根が設けられており、矢印131に示す方向に空気が送風される。ファン116によってファン支持部117内に導入された空気は、矢印132に示す方向に流れて排気口106から排出される。ファン116は、矢印131に示す方向と矢印132に示す方向とで形成される角度βが90°となるように設けられている。
【0006】
外箱102の背面102bには、上部引っ掛け部120、中央部引っ掛け部133および下部ねじ止め部119が設けられており、これらの部分を取付け板103の対向する部分に係止およびねじ止めして、外箱102を取付け板103に固定する。
【0007】
図8は、図6中のVIII−VIII線上に沿った断面図である。図8を用いて、従来技術の屋外設置パワーコンディショナ装置101の冷却構造について説明する。
【0008】
図8を参照して、ファン116内の回転羽根129を稼働させることによって、外箱102の底面102aに設けられた吸気口105から外部の冷たい空気がヒートシンク111内に取り込まれる。ヒートシンク111の内部は上下方向に延びる羽根部によって複数の部屋に分かれており、このように形成された各々の部屋を空気が通過する。パワー素子114で発生する熱はヒートシンク111の羽根部に伝導しているため、ヒートシンク111内の羽根部と接触しながら空気が通過することによって、その羽根部が有する熱が奪われる。その結果、電力変換部135が冷却されることとなる。
【0009】
ヒートシンク111内の羽根部との熱交換により熱せられた空気は、ヒートシンク111の上方に移動し、ファン116の底面に設けられた孔123、およびファン支持部117の底面に設けられた孔124を通過してファン支持部117内に送られる。ファン支持部117内に送られた空気は、一旦ファン支持部117の上面に当たる。上面に当たった空気の約50%が、排気口106側の矢印126に示す方向に流れ、残りの約50%が排気口106とは反対側の矢印127に示す方向に流れてファン支持部117内を循環する。
【0010】
排気口106から排出された空気は、取付け板103によって形成される空間を通過してスリット部107より排出される。この際、空気は矢印128に示す方向に流れるため、一旦取付け板103に当たってスリット部107より屋外設置パワーコンディショナ装置101の外部に排出される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように外部の冷たい空気を積極的に取り込みこの空気によって内部の空冷を行なう冷却構造においては、熱交換を行なった空気をスムーズに装置外部に排出することが必要である。また、屋外設置パワーコンディショナ装置の筐体は、雨水や埃といった外的要因から筐体内部に設けられた電子機器を保護しなければならない。さらに、外部の空気を取り込むファンはモータ駆動であって消耗品であるため寿命がくると交換する。このため、ファンのメンテナンスが容易に行なえなければならない。
【0012】
しかし、従来技術の屋外設置パワーコンディショナ装置101では、ファン116によって送り出される空気の流れる方向と、排気口106から排出される空気の流れる方向とが相対的に垂直の関係にあったため、ファン116に吸い込まれた空気が効率良く外箱102の外部に排出されない。また、取付け板103の内部においても空気は一旦取付け板103に当たるため、スリット部107から屋外設置パワーコンディショナ装置101の外部に効率良く排出されない。以上のような理由により、ヒートシンク111における電力変換部135の冷却効率が低下し、電力変換部135の温度上昇を十分に抑えることができないおそれがある。
【0013】
また、吸気口105および排気口106の開口面積を大きくすることによって、外箱102内部により多くの空気を取り込み冷却効率を向上させようとした場合、暴風雨時などに吸気口105および排気口106から外箱102内に雨水が浸入するというおそれがある。
【0014】
さらに、ファン116のメンテナンスのためファン116を外箱102から取り外そうとすると、ねじ115aおよび115bをはずす際にヒートシンク111および電力変換部135との干渉が問題となる。このため、まずねじ118を緩めてファン支持部117を外箱102から取り外し、その後さらにねじ115aおよび115bを緩めて、ファン支持部117からファン116を取り外す必要がある。このような作業を行なうことは手間がかかり、ファン116のメンテナンス時の作業性が損なわれる。
【0015】
そこで、この発明の目的は、上記の課題を解決することであり、装置内部に取り込んだ空気をファンを介して効率良く排気するとともに、雨水が吸気口および排気口から装置内部に浸入するのを防止し、さらにはファンのメンテナンス時の作業性に優れた屋外設置パワーコンディショナ装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造は、吸気口と第1の排気口とを有する筐体と、筐体内に設けられた電力変換部と、筐体内に設けられて、電力変換部を冷却するファンとを備える。このファンは、吸気口から取り入れられた気体を電力変換部を介して第1の排気口へ流れるように送風する。ファンから送り出される気体の流れる方向と、第1の排気口から排出される気体の流れる方向とが鋭角をなすように、ファンが第1の排気口に対して傾斜している。
【0017】
このように構成された屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造によれば、ファンによって吸気口から取り入れられた気体は屋外設置パワーコンディショナ装置の熱源体としての電力変換部を冷却する。ファンから送り出される気体の流れる方向と、第1の排気口から排出される気体が流れる方向とが鋭角をなすようにして、ファンと第1の排気口との相対的な位置が決定されているため、電力変換部と熱交換が行なわれた空気が第1の排気口から筐体の外部に効率良く排出される。これにより、筐体内に設けられた電力変換部の温度上昇を抑えることができる。
【0018】
また好ましくは、屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造は、第1の排気口と連通し、かつ筐体と隣接して設けられた排気路形成部材をさらに備える。排気路形成部材は、第1の排気口から排出された気体を屋外設置パワーコンディショナ装置の外部に排出するための第2の排気口を含む。このように形成された屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造によれば、筐体と隣接して第1の排気口を覆うように排気路形成部材を設けているため、外部の雨水が直接第1の排気口から筐体内に浸入することを防止できる。これにより、筐体内に設けられた電力変換部などの電子機器を雨水から保護することができる。
【0019】
また好ましくは、筐体は、第1の排気口から第2の排気口に向けて気体を案内する排気ガイドを含む。このように構成された屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造によれば、第1の排気口から排出された気体が排気ガイドによって第2の排気口に導かれるため、気体を効率良く屋外設置パワーコンディショナ装置の外部に排出することができる。これにより、筐体内に設けられた電力変換部の温度上昇をさらに抑えることができる。
【0020】
また好ましくは、屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造は、筐体の内部側で、吸気口を覆うように形成された防水部材をさらに備える。防水部材は、吸気口から電力変換部に向けて気体を案内する吸気ガイドを含む。このように構成された屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造によれば、暴風雨時などに雨水が吸気口から筐体の内部に浸入することを防止できる。これにより、筐体内に設けられた電力変換部などの電子機器を雨水から保護することができる。また、防水部材は吸気ガイドを有しているため、吸気口から筐体内に取り込んだ空気を熱源体としての電力変換部に向けて導くことができる。このように外部の冷たい空気を電力変換部に向けて効率良く導くことによって、電力変換部の温度上昇をさらに抑えることができる。
【0021】
また好ましくは、ファンは、筐体から直接脱着可能に取り付けられている。このように構成された屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造によれば、ファンと連結しているモータが寿命となった場合などに、ファンを筐体から容易に取り外すことができる。これにより、ファンの交換が容易となりファンのメンテナンス時の作業性が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
(実施の形態)
図1は、この発明の実施の形態における屋外設置パワーコンディショナ装置の外観を示す斜視図である。
【0024】
図1を参照して、屋外設置パワーコンディショナ装置1は、外箱2と、外箱2の正面側に設けられている開口部を覆う蓋4と、四面を壁面で構成する取付け板3とを備える。取付け板3が建造物外壁に取付けられて、屋外設置パワーコンディショナ装置1が屋外に設置される。外箱2の底面2aには吸気口5が、外箱2の背面2bには排気口6が設けられている。吸気口5は、矩形の孔が複数列にわたって形成されて設けられている。取付け板3は、外箱2の背面2b側に排気口6と連通して設けられており、その側面には長孔形状のスリット部7が設けられている。
【0025】
図2は、図1中のII−II線上に沿った断面図である。図2を参照して、外箱2の底面2aの内部側には、吸気口5を覆うようにして防水カバー11が形成されている。防水カバー11の上面には、開口部12が設けられている。防水カバー11の上方では、外箱2の背面2bにヒートシンク13が設けられている。ヒートシンク13内は、上下に延びる複数の羽根部21によって複数に分割されている。ヒートシンク13上には、太陽電池などから出力された直流電力を交流電力に変換する電力変換部14が設けられている。
【0026】
外箱2の上面2cには、ファン支持部18が設けられており、その底面には孔19が複数形成されている。なお、ファン支持部18の底面は傾斜している。ファン支持部18は、外箱2の背面2bに設けられた排気口6と連通している。ヒートシンク13に面したファン支持部18の傾斜している底面にはファン15a、15bおよび15cが設けられており、それぞれがファン支持部18に形成された孔19と連通している。ファン15の底面には孔17が形成されている。ファン15の内部には回転羽根16が設けられており、回転羽根16はファン15内の図示しないモータと連結されている。
【0027】
図3は、図1中のIII−III線上に沿った断面図である。図3を参照して、防水カバー11の上面には、ヒートシンク13の下方に向って延びる吸気ガイド33が形成されている。電力変換部14の中で最も発熱するパワー素子34がヒートシンク13の表面に接するように設けられている。ファン支持部18の底面は傾斜しており、その底面とファン15のファン接続部分35とが、底面前方にある凸部20とファン接続部分35にある図示しないスリット部とを嵌合させ、ねじ36aによって止め付けられている。ねじ36aはねじ頭が外箱2の開口部31に向くように設けられている。このためファン15のメンテナンスを行なう場合、外箱2の蓋4を取り外し、外箱2の開口部31側からねじ36aを緩めることで、ファン15を外箱2から直接取り外すことができる。また新しいファンを外箱2に取付ける場合は、上述の手順を逆の順番で行えばよい。
【0028】
ファン15内で回転羽根16の回転軸がファン支持部18の底面に垂直に交わるように回転羽根16が設けられている。ファン15内の回転羽根16が稼働することによって、矢印46に示す方向に空気が送風される。ファン15によってファン支持部18内に導入された空気は、排気口6から外箱2の外部に矢印47に示す方向に流れて排出される。この場合、ファン15とヒートシンク13との位置関係から矢印46に示す方向と矢印47に示す方向とで形成される角度αが70°となるように、ファン支持部18の底面の傾斜が形成されている。これにより、外箱2内部の空気を効率良く排気口6に送ることができる。
【0029】
なお、本実施の形態では、矢印46に示す方向と矢印47に示す方向とで形成される角度αを70°としたが、構造的に可能であれば角度αは直角よりも小さい角度、つまり鋭角としても良い。
【0030】
外箱2の背面2bには、上部引っ掛け部37、中央部引っ掛け部40および下部ねじ止め部38が設けられており、これらの部分を取付け板3の対向する部分に係止およびねじ止めして、外箱2を取付け板3に固定する。このように外箱2を取付け板3に固定することで、屋外設置パワーコンディショナ装置1が暴風雨などにより取付け板3から脱落することを防止できる。
【0031】
外箱2の背面2bには、外箱2の外部側であって排気口6の近傍に、排気ガイド39が設けられている。排気ガイド39は、排気口6が長手方向に延びている間にわたって形成されている。排気ガイド39には、排気口6と向い合う位置に傾斜部39aが設けられており、傾斜部39aの端部から下方に延びて形成されている。
【0032】
図4は、本実施の形態における屋外設置パワーコンディショナ装置を用いたシステムの回路図である。図4を用いて、屋外設置パワーコンディショナ装置を用いたシステムについて簡単に説明する。
【0033】
図4を参照して、電力変換部14が外箱2の内部に設けられている。電力変換部14は、スイッチング素子などの主回路部品、およびマイコンなどの制御回路部品から構成されている。外箱2の外部には、直流電源55、商用電力系統57および家庭内電気負荷56が形成されている。電力変換部14には、直流電源55、商用電力系統57および家庭内電気負荷56からの配線が接続されている。
【0034】
このように構成された屋外設置パワーコンディショナ装置を用いたシステムでは、直流電源55から出力された直流電力を、電力変換部14を介して周波数50/60Hzの交流電力に変換することができる。そしてその交流電力を商用電力系統57または家庭内電気負荷56に供給することができる。
【0035】
図5は、図1中のV−V線上に沿った断面図である。図5を用いて、屋外設置パワーコンディショナ装置1の冷却構造について説明する。
【0036】
図5を参照して、防水カバー11は断面が長方形の箱型形状を有しており、ヒートシンク13の下方近傍に位置するように開口部12が形成されている。また、吸気口5には、外箱2の内部側に向けて傾斜板5aが形成されており、これにより暴風雨時などに吸気口5から外箱2内に雨水が浸入することをある程度防止することができる。
【0037】
ファン15内の回転羽根16を稼働させることによって、外部の冷たい空気が、吸気口5から外箱2の内部に取り入れられる。取り入れられた空気は防水カバー11の内部に形成された空間を通り開口部12から排出される。このとき空気は、防水カバー11に形成された吸気ガイド33に案内されて、ヒートシンク13内に形成された空間63へと進む。
【0038】
空間63はヒートシンク13内に形成された上下に延びる羽根部21(図2を参照のこと)によって複数に分かれており、空気はこの各々の空間63を通過する。パワー素子34で発生する熱はヒートシンク13の羽根部21に伝導しているため、ヒートシンク13内の羽根部21に接触しながら空気が通過することによって、その羽根部21の熱が奪われる。その結果、電力変換部14は冷却されることとなる。
【0039】
ヒートシンク13内の空間63を通過した空気はヒートシンク13の羽根部21上方から、ファン15の孔17およびファン支持部18の孔19を通過し、ファン支持部18内の空間64に導かれる。このとき、ファン15を通過した空気は回転羽根16の軸方向に沿って進む。上述のようにファン15は傾斜して設けられているため、角度α=70°の場合ではファン支持部18の上面に当たった空気の約60%が、排気口6側の矢印67に示す方向に流れ、残りの約40%が排気口6とは反対側の矢印66に示す方向に流れてファン支持部18内を循環する。これにより、外箱2内部の空気を効率良く排気口6に送ることができる。
【0040】
排気口6から排出された空気は、排気ガイド39に沿って進みスリット部7から屋外設置パワーコンディショナ装置1の外部に排出される。
【0041】
この発明の実施の形態に従った屋外設置パワーコンディショナ装置1の冷却構造は、吸気口5と第1の排気口としての排気口6とを有する筐体としての外箱2と、外箱2内に設けられた電力変換部14と、外箱2内に設けられて、電力変換部14を冷却するファン15とを備える。このファン15は、吸気口5から取り入れられた気体を電力変換部14を介して排気口6へ流れるように送風する。ファン15から送り出される気体の流れる方向としての矢印46が示す方向と、排気口6から排出される気体が流れる方向としての矢印47が示す方向とが鋭角をなすように、ファン15が排気口6に対して傾斜している。
【0042】
屋外設置パワーコンディショナ装置1の冷却構造は、排気口6と連通し、かつ外箱2と隣接して設けられた排気路形成部材としての取付け板3をさらに備える。取付け板3は、排気口6から排出された気体を屋外設置パワーコンディショナ装置1の外部に排出するためのスリット部7を含む。外箱2は、排気口6からスリット部7に向けて気体を案内する排気ガイド39を含む。屋外設置パワーコンディショナ装置1の冷却構造は、外箱2の内部側で、吸気口5を覆うように形成された防水部材としての防水カバー11をさらに備える。防水カバー11は、吸気口5から電力変換部14に向けて気体を案内する吸気ガイド33を含む。ファン15は、外箱2から直接脱着可能に取り付けられている。
【0043】
このように形成された屋外設置パワーコンディショナ装置1の冷却構造によれば、ファン15から送り出される気体の流れる方向としての矢印46が示す方向と、排気口6から排出される気体が流れる方向としての矢印47が示す方向とが鋭角をなしているため、ファン15から送り出された空気が効率良く排気口6から外箱2の外部に排出される。また、防水カバー11に設けた吸気ガイド33により、吸気口5からヒートシンク13内に外部の冷たい空気が効率良く導かれる。さらに、取付け板3が形成する空間内に設けた排気ガイド39により、排気口6から排出された空気がスリット部7に効率良く導かれる。これらの理由により、屋外設置パワーコンディショナ装置1内で冷却用の空気を効率良く循環させ電力変換部14の強制空冷を行なうことにより、電力変換部14の温度上昇を抑えることができる。
【0044】
また、吸気口5を覆うように設けられた防水カバー11により、吸気口5から電力変換部14などの電子機器が設けられた空間に雨水が浸入することを防止できる。特に暴風雨時などに雨水が地面に当たり上方へ跳ね返り外箱2の底面2aから吹き上がるような条件においても、雨水の浸入を有効に防止することができる。これにより、外箱2の内部に設けられた電子機器をより確実に雨水から保護することができる。さらに、排気ガイド39の傾斜部39aが排気口6を覆うようにして設けられているため、スリット部7から浸入した雨水が風にあおられて排気口6から浸入することも防止できる。
【0045】
さらに、ねじ36aを緩めることによって、ファン15を直接外箱2から脱着することができるので、ファン15のメンテナンス時の作業性を向上させることができる。
【0046】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に従えば、装置内部に取り込んだ空気をファンを介して効率良く排気するとともに、雨水が吸気口および排気口から装置内部に浸入するのを防止し、さらにはファンのメンテナンス時の作業性に優れた屋外設置パワーコンディショナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態における屋外設置パワーコンディショナ装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1中のII−II線上に沿った断面図である。
【図3】図1中のIII−III線上に沿った断面図である。
【図4】本実施の形態における屋外設置パワーコンディショナ装置を用いたシステムの回路図である。
【図5】図1中のV−V線上に沿った断面図である。
【図6】従来技術の屋外設置パワーコンディショナ装置の外観を示す斜視図である。
【図7】図6中のVII−VII線上に沿った断面図である。
【図8】図6中のVIII−VIII線上に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 屋外設置パワーコンディショナ装置、2 外箱、3 取付け板、5 吸気口、6 排気口、7 スリット部、11 防水カバー、14 電力変換部、15
ファン、33 吸気ガイド、39 排気ガイド、46,47 矢印。
Claims (5)
- 吸気口と第1の排気口とを有する筐体と、
前記筐体内に設けられた電力変換部と、
前記筐体内に設けられて、前記吸気口から取り入れられた気体を前記電力変換部を介して前記第1の排気口へ流れるように送風して前記電力変換部を冷却するファンとを備え、
前記ファンから送り出される気体の流れる方向と、前記第1の排気口から排出される気体が流れる方向とが鋭角をなすように、前記ファンが前記第1の排気口に対して傾斜している、屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造。 - 前記第1の排気口と連通し、かつ前記筐体と隣接して設けられた排気路形成部材をさらに備え、前記排気路形成部材は、前記第1の排気口から排出された気体を屋外設置パワーコンディショナ装置の外部に排出するための第2の排気口を含む、請求項1に記載の屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造。
- 前記筐体は、前記第1の排気口から前記第2の排気口に向けて気体を案内する排気ガイドを含む、請求項2に記載の屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造。
- 前記筐体の内部側で、前記吸気口を覆うように形成された防水部材をさらに備え、前記防水部材は、前記吸気口から前記電力変換部に向けて気体を案内する吸気ガイドを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造。
- 前記ファンは、前記筐体から直接脱着可能に取り付けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載の屋外設置パワーコンディショナ装置の冷却構造。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050526 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20070116 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A521 | Written amendment |
Effective date: 20070302 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070515 |