JP2004055593A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体の集積回路や各種電子機器に用いられる回路に使用される配線基板であって、配線パターンの高密度化に伴い顕在化した、高温多湿下における基板からの配線層の剥離という問題を抑制した配線基板を提供する。
【解決手段】ガラス製の絶縁性基板20に対し、250℃以上で且つ絶縁性基板20の耐熱温度未満の温度で加熱処理を行った後、接着層30としてクロム層を形成し、さらにその上に配線層40として銅層の形成を行うが、この2層の形成の際、各層および絶縁性基板20は各々前記加熱処理温度を保持する。この後配線層40を所定の厚みに形成してから、接着層30および配線層40へ配線パターンを形成しエッチングして、所望の配線パターンが形成された配線基板10を製造した。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス製の絶縁性基板20に対し、250℃以上で且つ絶縁性基板20の耐熱温度未満の温度で加熱処理を行った後、接着層30としてクロム層を形成し、さらにその上に配線層40として銅層の形成を行うが、この2層の形成の際、各層および絶縁性基板20は各々前記加熱処理温度を保持する。この後配線層40を所定の厚みに形成してから、接着層30および配線層40へ配線パターンを形成しエッチングして、所望の配線パターンが形成された配線基板10を製造した。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体の集積回路や各種電子機器の電気回路に用いられる配線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体の集積回路や各種電子機器に用いられる回路に使用される配線基板として、絶縁性基板上に銅などの導電性の金属配線パターンが形成されたものが知られている。近年は、回路の高密度化および小型化に伴い、それに使用される配線基板として、基板の片面に金属配線を有するもののみならず、例えば、特開2001−44639号公報に示すように、基板の両面に配線を有するもの、さらには配線が多層化されたものが使用されるようになってきている。
【0003】
ところが、上述したような配線パターンの高密度化に伴い、微細な配線パターンが要求されるようになり、配線基板が高温高湿環境にさらされた場合、基板から配線層が剥離するという問題が顕在化してきている。そして、このような配線層の剥離を抑制するため、従来より、絶縁性基板と金属配線層との間に、絶縁性基板との密着性の良いクロム膜等を接着層として形成することが知られている。
【0004】
さらに、接着層と配線層との界面に合金層又は混合層を形成し、接着層と配線層の密着性を向上することが提案され、たとえば特開平3−82188号公報には、接着層と配線層とを成膜後に加熱処理による界面での相互拡散によって両層の間に合金層を形成する方法が開示され、特開平9−104969号公報には、2種のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法等により合金層を形成する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した接着層と配線層の密着性の向上方法において、加熱処理により合金層の形成を行う場合は、配線層と接着層との間に十分な密着性を得るため、一般には約600℃あるいはそれ以上の高温での長時間の加熱が必要である。すなわちこの加熱処理を行うためには、当該絶縁性基板に600℃の耐熱性が要求されるため、基板の種類によってはこのような高温の加熱処理を行えない場合がある。
【0006】
一方、2種のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング等の成膜工程による合金層を形成する方法では、膜厚方向および平面方向に均一な合金層を得ることが難しい。このため、後工程の配線パターン形成時において合金層のエッチング速度にバラツキが発生するため、高密度化に対応した微細パターン形成が困難となる。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために案出されたものであり、配線層の剥離が抑制された配線基板、および高温の加熱処理や合金層を用ることなく配線層の剥離が抑制された配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するための第1の手段は、絶縁性基板上に導電用金属を含む配線層を有し、前記絶縁性基板と配線層との間に、接着用金属を含む接着層を備えた配線基板であって、
前記接着層は、その平均粒径が40nm以上の金属多結晶膜であることを特徴とする配線基板である。
【0009】
この構成を有する配線基板は、高温高湿下において絶縁性基板から配線層が剥離することが抑制される。
【0010】
第2の手段は、前記接着用金属が、クロムであることを特徴とする第1の手段に記載の配線基板である。
【0011】
接着用金属としてクロムを用いると、絶縁性基板と配線層との密着性を上げることができる。
【0012】
第3の手段は、前記導電用金属が、銅であることを特徴とする第1又は第2の手段に記載の配線基板である。
【0013】
導電用金属として銅を用いると、配線基板の導電性を高くすることができる。
【0014】
第4の手段は、前記絶縁性基板を厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔を介して、前記絶縁性基板の両面に配置された前記配線層が電気的に接続されていることを特徴とする第1から第3の手段のいずれかに記載の配線基板である。
【0015】
貫通孔を介して絶縁性基板の両面に配置された配線層を電気的に接続することで、回路配線の高密度化が可能となる。
【0016】
第5の手段は、前記絶縁性基板が、感光性を有するガラス基板又は結晶化ガラス基板であることを特徴とする第1から第4の手段のいずれかに記載の配線基板である。
【0017】
絶縁性基板として感光性を有するガラス基板又は結晶化ガラス基板を用いることで、貫通孔を所望の位置に複数同時に形成することができる。
【0018】
第6の手段は、絶縁性基板上に導電用金属を含む配線層を有し、前記絶縁性基板と配線層との間に、接着用金属を含む接着層を備えた配線基板の製造方法であって、
前記絶縁性基板の予熱を行う予熱工程と、
前記予熱した絶縁性基板に前記接着層を形成する接着層形成工程とを有し、
前記予熱工程および接着層形成工程の際、絶縁性基板の温度を、250℃以上、且つ前記絶縁性基板の耐熱温度未満の温度に保持することを特徴とする配線基板の製造方法である。
【0019】
この構成を有する製造方法を採ることによって、絶縁性基板を変形させることなく、絶縁性基板と接着層との間に、高温高湿下において絶縁性基板から配線層が剥離するのを抑制する接着層を形成することができる。
【0020】
第7の手段は、前記接着層形成工程をスパッタリング法により行うことを特徴とする第6の手段に記載の配線基板の製造方法である。
【0021】
接着層形成工程をスパッタリング法により行うことで、後工程の配線層形成を連続的におこなうことが可能となる。
【0022】
第8の手段は、第6又は第7の手段に記載の配線基板の製造方法であって、
前記接着層形成工程の後、さらに前記接着層上へ前記配線層を形成する配線層形成工程を有し、
前記予熱工程、接着層形成工程および配線層形成工程の際、絶縁性基板の温度を、250℃以上、且つ前記絶縁性基板の耐熱温度未満の温度に保持することを特徴とする配線基板の製造方法である。
【0023】
この構成をとることにより、絶縁性基板および配線層と接着層との密着性をより上げることができる。
【0024】
第9の手段は、前記予熱工程から接着層形成工程において、前記絶縁性基板の予熱を30分以上行った後に接着層形成工程を行うことを特徴とする第6から第8の手段のいずれかに記載の配線基板の製造方法である。
【0025】
この構成をとることにより、絶縁性基板および配線層と接着層との密着性をより上げることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態例について、絶縁性基板の上下両面に配線層および接着層が設けられた両面配線基板を例とし、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態に係る両面配線基板の断面図例であり、図2はこの両面配線基板における接着層の縦断面の電子顕微鏡写真の模式図例であり、図3はこの両面配線基板における接着層の横断面の電子顕微鏡写真の模式図例である。
【0027】
図1において、配線基板10は、絶縁性基板20の上面および下面に、配線層40、および配線層40と絶縁性基板20との密着性を向上させるための接着層30が設けられている。絶縁性基板20には、これを厚み方向に貫通するように、貫通孔であるスルーホール50が設けられている。そしてスルーホール50の内壁に形成された導体層51により、絶縁性基板20の両面に設けられた配線層が互いに電気的に接続されるようになっている。このようにして、絶縁性基板20の両面に設けられた、スパッタ配線層41とめっき配線層42とを有する配線層40と、スルーホール50内に形成された導体層51とにより、回路配線が形成される。
【0028】
この結果、絶縁性基板20の両面に設けられた配線層40が互いに自在に接続可能となるので、回路配線の高密度化が可能となる。尚、スルーホール50内の導体層51以外の部分は封止層52にて充填されることがある。配線層40の中で外部との電気的接続がなされる領域には、例えばニッケル層61と金層62とを有する表面処理層60が設けられている。それ以外の部分はカバーコート70にて被覆保護されることがある。尚、このカバーコート70を設ける際は、絶縁性基板20上であって配線層40が設けられておらず露出した部分をアッシングにより粗化23しておく。
【0029】
次に、配線基板を構成する、接着層を始めとする各層および絶縁性基板について、さらに詳細に説明する。
【0030】
(接着層)
図1に示すように、接着層30は、絶縁性基板20と配線層との密着性を向上させるため、両者の間に設けられる。この接着層30は金属多結晶膜であるが、その構造の一例について図2、図3を用いて説明する。
図2に示すように、絶縁性基板20と配線層の下層であるスパッタ配線層41との間に設けられた接着層30は柱状単結晶31の集合体を含む金属多結晶膜であり、この柱状単結晶31の一端は絶縁性基板20と接し、他端はスパッタ配線層41と接している。尚、絶縁性基板20とスパッタ配線層41との間隔は、20nm以上であれば剥離抑制の効果は確認できるが、膜応力,配線加工性、結晶成長を考慮すれば、50〜100nmが適宜と考えられる。
【0031】
一方、図3に示すように、柱状単結晶31の横断面形状は不定型な略多角形である。本実施の形態例において、金属多結晶膜の粒径Rとは、この柱状単結晶31の前記横断面形状の最長部のことで、このRを直径とする円形とみなして測定を行い、粒径分布およびその標準偏差の算出は、200nm四方のエリアに存在する柱状単結晶31の粒径の最長部Rを測定しておこなった。そして柱状単結晶31の粒径分布と、配線層40および接着層30との密着性とについて検討したところ、平均粒径の増加と伴に密着性も増加し平均粒径が40nmを超えると、高温高湿下における絶縁性基板20と配線層40との剥離試験の評価に合格する接着層30を得ることができた。
【0032】
そして、接着層30の形成前に、絶縁性基板20の予熱を行うと共に、接着層30形成の際の基板加熱温度を所定の範囲に制御することにより、絶縁性基板20の耐熱温度である軟化点未満の温度範囲において、接着層30を構成する柱状単結晶31の粒径が制御可能であることを見出した。
尚、接着層30と配線層40とは、所定の配線パターンに従って、絶縁性基板20の上下両面にパターン状に形成されている。
【0033】
ここで接着層30の材料として、例えばクロム、タンタル、チタン、モリブデン等の金属を用いることができるが、基板との接着性が高く絶縁性基板20と配線層40との密着性を上げることができる点および、配線パターン形成の容易さの点で、クロムを用いるのが好ましい。
【0034】
(配線層)
図1に示す配線層40は、後述する導体層51と共に回路配線を形成する層であり、接着層30上に設けられる。本実施の形態に係る配線層40は、接着層30側に位置するスパッタリング法で形成されたスパッタ配線層41と、その上に積層され、めっき法により形成されためっき配線層42の2層構造を有している。スパッタ配線層41とめっき配線層42とは、通常同じ材料で形成される。スパッタ配線層41を設けることで、接着層30との密着性が改善され、さらに、上層をめっき配線層42とすることで、詳細は後述するが、スルーホール50内への導体層51の形成と同時に行えると共に、配線層40形成時のコスト上のメリットが得られる。
【0035】
スパッタ配線層41の膜厚は、その上に形成されるめっき配線層42と下層の接着層30とに十分な密着性が得られる範囲で、0.2μm以上の厚みに形成すればよい。薄すぎると、めっき配線層42の形成における前処理時に、ダメージを受けやすくなるので注意が必要である。スパッタ配線層41と接着層30との合計膜厚は、薄いほうが微細な配線パターン形成のために好ましいが、続くめっき配線層42形成の際の前処理を考慮し、概ね2μm程度が好ましい。
【0036】
めっき配線層42の厚みも、接着層30等の場合と同様に、微細加工におけるサイドエッチング量を考慮すると、極力薄く形成されることが望ましい。しかし、その使用環境により、配線基板10の温度変化が繰り返された場合、配線層40の熱膨張係数と絶縁性基板20の熱膨張係数との差が、配線層40の金属疲労を引き起こす結果となる。そのため、この金属疲労に対する配線層40の接続信頼性を確保するために、配線層40をある程度の厚みにしておく必要がある。そこで、めっき配線層42の厚みを1μm〜20μm程度とすることが望ましい。
【0037】
めっき配線層42の厚みが1μm以上あれば、上述した金属疲労による配線層40の断線が生じる危険性が減り、一方、めっき配線層42の厚みを20μm以下とすれば配線層のパターンの微細化を図ることが容易となるからである。この理由は、配線層40および接着層30に後述するエッチングによるパターン形成を行う場合、レジストが配置されている上面付近では、ほぼレジストパターン通りのエッチングが可能となるが、このエッチング部が深くなりレジストから離れれば離れるほど、そのレジストパターンとエッチングにより形成される配線パターンの形状誤差が大きくなっていくことによる。すなわちエッチングする金属層の膜厚が厚ければ厚いほど、その金属層の下層付近におけるエッチング形状の誤差が大きくなっていく。そこで配線パターンの微細化のためには、この誤差を小さく抑える必要があり、誤差を小さくするためには、できるだけ金属層の厚みを小さく抑える必要がある。絶縁性基板として銅と熱膨張係数の近い材料を用いれば、めっき配線層42を1〜20μm程度に薄く形成でき、結果として、最下層の配線パターンをも微細化することが可能となる。
【0038】
配線層40としては、導電性の良い金属、例えば、銅、アルミニウム、などを用いることができるが、導電性が高い点で銅を用いるのが好ましい。
【0039】
(絶縁性基板)
絶縁性基板20としては、平滑性、硬質性、絶縁性の観点よりガラスや結晶化ガラスが好ましく用いられる。そして、本実施の形態のように貫通孔を有する配線基板の場合では、感光性を有するガラス又は結晶化ガラスを用いることで、フォトリソグラフィの手法を用いて、微細な貫通孔を容易に形成することができ好ましい。さらには、絶縁抵抗値が大きく誘電正接が小さく、さらに加えて、熱膨張係数が105×10−7程度であって、配線基板10上に設置されるシリコンチップと配線層40との中間の熱膨張係数を有するという観点から、感光性を有するガラス基板からなる結晶化ガラス基板を用いるのが好ましい。
【0040】
感光性を有するガラスを基板として用いたフォトリソグラフィーによるスルーホール形成では、アスペクト比30程度のスルーホール50を所望の数だけ同時に形成することが可能である。例えば、絶縁性基板20として、厚み0.3mm程度の結晶化ガラスの初期状態である感光性を有するガラスを用いた場合、小径のスルーホール50を所望の位置に複数同時に形成することができる。これにより、配線パターンの微細化、スルーホール形成工程に時間の短縮を図ることができ好ましい。
【0041】
さらに、絶縁性基板20として熱膨張係数が、配線層40の熱膨張係数と近いものを選択することは、絶縁性基板20からの配線層40の剥離、および高密度配線パターンの断線などの欠陥発生を抑制する観点より好ましい。
【0042】
尚、絶縁性基板20としてアルカリ金属イオン等を含む材料、例えば感光性を有するガラス又は結晶化ガラスなどを用いる場合には、アルカリ金属イオンの配線層40への拡散を防止するため、あらかじめ、ガラス基板の一面又は両面上へ特開2001−44639号に開示されているようなイオンブロッキング層を形成した後、これを絶縁性基板20とすることも好ましい。
【0043】
上述したガラス基板としては、ソーダライムガラス等の化学強化ガラス、感光性を有するガラス又は結晶化ガラス基板、無アルカリガラス、アルミノシリケートガラス、その他の結晶性ガラス等を用いることができる。
【0044】
(導体層)
導体層51は、絶縁性基板20に設けられた貫通孔であるスルーホール50の内壁に形成される。微細な貫通孔内に導体層51を形成する方法としては、めっき法が好ましく用いられる。さらに、導体層51の材料として、上述しためっき配線層42と同じ材料を選択すると上述した配線層40のめっき配線層42の形成時に、同時かつ連続的かつ一様にスルーホール50内に導体層51が形成でき好ましい。導体層51は、基板両面に形成された配線層40との電気的接続を十分に得られる厚さに形成すればよい。
【0045】
導体層51としては、絶縁性基板20の上下両面に形成された配線層40を電気的に接続することができる導電性の金属を用いることができ、例えば、銅、アルミニウム等が挙げられるが、導電性が高い点で、銅を用いるのが好ましい。
【0046】
(封止層)
封止層52は、スルーホール50内部の導体層51を被覆する保護層である。封止層52は導体層51の形成後、スルーホール50内壁面の導体層51に囲まれた内部に形成される。封止層52を形成することにより、めっき配線層42と導体層51とを同時形成により薄く形成した場合であっても、その封止層52の保護によって十分な接続信頼性を確保できる。そして接続信頼性を確保出来るため、めっき配線層42を薄くすることができ、この結果、配線パターンの微細化を図ることが可能となる。
【0047】
封止層52の材料としては、例えば、エポキシ樹脂にシリカを分散させたもの等が好ましく用いられる。
【0048】
(表面処理層)
表面処理層60は、配線基板10上に設けられた外部との電気的接続部となる部分上に形成される。従って、この表面処理層60は導電性が高いことが求められ、例えばめっき法により形成されるので、例えば半田、耐熱プリフラックス、水溶性プリフラックス、ニッケル、金めっき等が好ましく用いられる。
【0049】
(カバーコート)
カバーコート70は、配線基板10の表面の導通部以外を被覆するもので、フォトリソグラフィなどの手法を用いて、パターン状に形成される。カバーコート70としては、絶縁性を有するものが使用されるが、このような材料として一般的なソルダーレジスト等が好ましく使用できる。
【0050】
次に、本実施の形態に係る配線基板10の製造工程について、図4〜図8を参照しながら説明する。配線基板10の製造工程は、図4に示す絶縁性基板へのスルーホール形成工程、図5に示す接着層、配線層および導体層形成工程、図6に示す配線層へのパターン形成工程、さらに必要に応じ、図7に示すカバーコート形成工程、および図8に示す表面処理工程を有する。これらの工程について、絶縁性基板20として感光性を有するガラスを用いた場合を例にとり、工程順に説明する。
【0051】
(絶縁性基板へのスルーホール形成工程)
図4(a)〜(d)は、感光性を有するガラスからなる絶縁性基板20へのスルーホール形成後、基板の結晶化を行う工程を示した断面図である。基板へのスルーホールの形成は、フォトリソグラフィ法を使用する。
【0052】
まず、図4(a)に示すように形成すべきスルーホールの配置、大きさ、数に応じた開口パターンを有する第1のマスク25を介して、感光性を有するガラス基板21へ選択的に紫外線等の露光を行う。すると、図4(b)に示すようにガラス基板21中の露光を受けた部分が露光結晶化部22となる。ここで、露光結晶化部22を有するガラス基板21をエッチング液に浸漬すると、図4(c)に示すように露光結晶化部22がエッチング除去され、基板の厚さ方向に貫通したスルーホール50が形成される。さらに、スルーホール50が形成されたガラス基板21全体に紫外線等の露光を行ってこれを結晶化し、図4(d)に示す絶縁性基板20を得る。
【0053】
このように、感光性を有するガラス基板を用い、スルーホール形成部へ選択的に紫外線等を照射し、その照射による露光部をエッチング除去することによりスルーホールを形成すれば、小径のスルーホールを形成することが可能であり、その径に対応するランドも小さくすることが可能となるため、配線パターンの密度を向上させることができる。
【0054】
(接着層、配線層および導体層形成工程)
図5(a)〜(d)は、スルーホール50が形成された絶縁性基板20の上下両面に接着層30、配線層40および導体層51を形成し、さらにスルーホール50の封止を行う工程を示す断面図である。
【0055】
まず、図5(a)に示すように、スルーホール50が形成された絶縁性基板20上に、接着層30の形成を行う。上述したように、このとき接着層30を予熱することで、配線層と接着層30との界面における剥離を有効に抑制することができる。
【0056】
すなわち、接着層30形成時の絶縁性基板20を予熱して温度を制御することで、絶縁性基板20の上に接着層30として柱状単結晶の平均粒径が40nm以上である多結晶金属膜を得ることが出来る。具体的には、接着層30を絶縁性基板20上に形成する際に、絶縁性基板20をあらかじめ加熱しておき、この加熱温度を保った状態で接着層30を形成すればよい。平均粒径40nm以上の柱状単結晶を含む接着層を得るためには、この絶縁性基板20の加熱温度を250℃以上、さらに好ましくは300℃以上とする。しかし絶縁性基板20の軟化点温度を超えて加熱すると絶縁性基板20が変形してしまう可能性があるので、これを考慮し250℃以上で、且つ基板材料の軟化点以下の範囲に保持するのが好ましい。加えてプロセス温度を低く抑える観点より、さらに好ましい加熱温度範囲は250℃〜350℃である。
【0057】
接着層30の形成にはスパッタ、真空蒸着、CVD、イオンプレーティング法等が適用できるが、後工程の配線層形成を連続的に行える点、配線層と接着層30との密着性が向上する点、および製造法の簡略化の点、等より、スパッタリング法を用いるのが好ましい。さらに予熱及び接着層30の形成は真空中で行うのが好ましい。また、絶縁性基板20の予熱を15分間以上行うと耐剥離性が発現するが、好ましくは30分間以上であり、さらに好ましくは60分間程度である。
【0058】
ここで例えば、絶縁性基板20を予め300℃で60分程度予熱し、その温度を保持したまま接着層30を形成する本発明に係る処理を実施すると、絶縁性基板20の予熱を全く行わないか、又は絶縁性基板20上の水分などを除去するために100℃30分程度の加熱を行った後に接着層30を形成する従来の技術に係る処理を実施した場合に比較して、接着層30に含まれる柱状単結晶の平均粒径は約2倍以上に大きくなり、平均粒径の分布のバラツキを示す標準偏差の値も約2倍に大きくなることが判明した。この結果、本発明に係る処理を実施した場合、 接着層30に含まれる柱状単結晶の平均粒径が大きくなるとともに、大きな径を有する柱状単結晶の粒界に小径の柱状単結晶が充填されるため、接着層30の緻密性が向上して耐剥離性が向上するものと考えられる。
【0059】
接着層30の形成後、導電性の高い金属を接着層30の上に配線層として形成する。本実施の形態においては、導電性の高い金属として銅を選択し、配線層の形成方法としてスパッタ法とめっき法とを併用した場合を例とし図5(b)を用いて説明する。
【0060】
まず接着層30の上に、スパッタ法により銅薄膜を形成しスパッタ配線層41とする。このスパッタ配線層41の形成において、絶縁性基板20の温度を上述した接着層30の形成時の温度である250℃以上で、且つ基板材料の軟化点以下の範囲に保持して行うことが好ましい。さらに、絶縁性基板20の予熱、接着層30の形成、スパッタ配線層41の形成を同一のチャンバ内で連続的に行うのが好ましい。本実施の形態においては、接着層30及びスパッタ配線層41は、絶縁性基板20の上下両面に形成される。
【0061】
さらに図5(c)に示すように、めっき法により、めっき配線層42をスパッタ配線層41上に形成して配線層40とすると伴に、めっき配線層42と連続するように、スルーホール50の内壁へ導体層51を形成する。
【0062】
めっき配線層42の形成は、電解めっき法および/又は無電解めっき法等により行うのが好ましい。例えば、無電解めっき法によって1μm以下のめっき配線層を形成し、その上に電解めっきによりさらに、めっき配線層を厚付けする方法が好個に適用できる。
【0063】
一方、めっき配線層42の形成は、上述したスパッタ法とめっき法の併用のみではなく、他の方法、例えば、CVD法等で形成されたものでも良い。また、スパッタ配線層41は必要に応じて設ければよく、接着層30と配線層40との間で十分な密着性が得られるのであれば、省略することも可能である。
【0064】
尚、本実施の形態では、スルーホール50の内壁面の導体層51とめっき配線層42とを一つながりに形成することとしたが、それぞれを不連続に形成することとしてもよい。
【0065】
導体層51およびめっき配線層42形成後、必要に応じて、図5(d)に示すように樹脂をスルーホール50内に充填する等してスルーホール50内を封止することも好ましい。尚、本実施の形態では、スルーホール50の内部を完全に充填するように封止層52を形成したが、封止層52を完全な充填とせず導体層51を被覆する程度としてもよく、さらには封止層52を全く形成しないこととしても良い。
【0066】
(配線層へのパターン形成工程)
図6(a)〜(c)は、配線層40および接着層30に所定のエッチングを施して、これをパターンに形成する方法を示す断面図である。
【0067】
まず、図6(a)に示すように、配線層40上へ感光性のレジスト80を塗布し、所望の配線パターンに対応する開口部を有する第2のマスク71を用いて露光する。ここで用いられるレジスト80は、液状レジストでもドライフィルムレジストでも電着レジストでもよい。また、レジストタイプとしては、ポジ型、ネガ型どちらでもかまわないが、ポジ型レジストのほうが一般的に解像性が高いため、微細配線パターンの形成に適している。
【0068】
レジスト80への露光が完了したら、図6(b)に示すようにレジスト80を現像しポストベークを施す。
【0069】
レジスト80へのポストベークが完了したら、図6(c)に示すようにレジスト80のパターンに従って、配線層40を形成しているめっき配線層42、スパッタ配線層41、および接着層30を順次エッチングし、所望の配線パターン状に形成された接着層30および配線層40を得る。本実施の形態では、絶縁性基板20の両面に対し同様の方法で所望の配線パターンを形成する。
【0070】
ここで、全てのスルーホール50が封止層52により封止されているなら、接着層30および配線層40のエッチングは、ドライエッチング、ウエットエッチングのいずれを用いても良い。配線層40が銅の場合には、塩化第2鉄によるエッチングを行うことができる。接着層30がクロムの場合には、塩素ガスによるドライエッチング、フェリシアン化カリを主成分とする薬品によるエッチングなどを使用することができる。以上のようにして、配線層40へ所望の配線パターンが形成された配線基板10が得られる。
【0071】
(カバーコート形成工程)
図7(a)〜(d)は、配線層へのパターン形成工程で得られた配線基板10に、カバーコート形成を施す工程を示した断面図である。
【0072】
まず、図7(a)に示すように、絶縁性基板20面上であって配線層40が設けられておらず露出した部分にアッシングを施して表面を粗化23しておく。
【0073】
表面粗化の完了した配線基板10へ、図7(b)に示すように配線基板10の両面を覆うように絶縁性材料であるソルダーレジスト等を塗布し、カバーコート70を形成する。
【0074】
形成されたカバーコート70に対し、図7(c)に示すように所望の開口パターンを有する第3のマスク72を介して紫外線露光を行う。
【0075】
露光されたカバーコート70を現像すると、図7(d)に示す所望のパターンが形成されたカバーコート70を得る。
【0076】
(表面処理工程)
図8は、配線基板10を外部と接続するための接点を形成する表面処理工程を示す断面図である。図8に示したように、配線基板10上のカバーコート70が形成されていない領域にNi/Auなどの導電性材料層からなる表面処理層60をめっきにより形成する。本実施の形態では、表面処理層60としてめっき配線層42上にニッケル層61、さらにその上に金層62を設けた。以上のようにして、本実施の形態に係る配線基板10が得られる。尚、本実施の形態では、絶縁性基板20にスルーホール50を有する両面配線基板について説明したが、本発明は、絶縁性基板20の片面のみに配線層40を有する配線基板10にも適用可能である。
【0077】
(配線層の剥離試験評価)
以上詳述した、絶縁性基板20の耐熱温度を超える高温の処理プロセスを用いずに製造した本実施の形態に係る配線基板10に、線幅50μmの配線パターンを設けた後、温度85℃湿度85%の高温高湿条件下に保持した。すると、接着層30を構成する金属多結晶膜の平均粒径が40nm以上であると、2000時間を経過しても絶縁性基板20と配線層40との剥離が生じないことが確認された。
【0078】
以下、実施例を用いて、本発明をさらに説明する。
(実施例)
本実施例においては、製造条件を変えて配線基板試料を製造し、これらの配線基板試料に対し配線層の剥離試験評価をおこなった。この内容について、図9に示す各配線基板試料の製造条件および剥離試験評価結果の一覧表を参照しながら、工程毎に説明する。
【0079】
(絶縁性基板へのスルーホール形成工程)
絶縁性基板として、厚み0.3mmの感光性を有するガラス基板(商品名:HOYA株式会社製PEG3)を用いた。このガラス基板へ、所定の開口を有する第1のマスクを介して紫外線を照射してスルーホールを形成する領域を結晶化させ、この露光結晶化部をエッチングにより除去してガラス基板に径が100μmであるスルーホールを複数個形成した。更に、ガラス基板全体に紫外線を照射させて結晶化させ、スルーホールが形成された絶縁性基板を13枚製造した。
【0080】
(接着層、配線層および導体層形成工程)
次に、この13枚の絶縁性基板に超音波洗浄を行い乾燥させた後、スパッタ法により接着層としてのクロム層を50nmの厚さに形成し、さらにクロム層上に、スパッタ配線層であるスパッタ銅層を2000nmの厚さに形成した。このとき、クロム層およびスパッタ銅層の形成は、基板加熱予備室を有するマグネトロンスパッタ装置を用いた。そして、13枚の基板の各々に真空中で、図9に示すように、絶縁性基板を100〜300℃で5〜120分間の13条件にて加熱処理を行った後、引き続き、同一真空中でCrターゲットを用いてスパッタリング法によりクロム層を形成し、さらに、同一真空中でCuターゲットを用いてクロム層上にスパッタ銅層の形成を行った。このスパッタ銅層の形成の際、スパッタ銅層および絶縁性基板の温度は、各々前記加熱処理温度を保持した。
【0081】
ここで、前記13条件の内、100℃で30分間、および300℃で60分間の2条件で加熱処理をおこなった絶縁性基板について、形成された200nm四方のクロム層に含まれる柱状単結晶の平均粒径を測定し、およびその平均粒径のバラツキの標準偏差を算定した。その結果は図9に示すように、100℃で30分間において粒径は約20nm、標準偏差σは8nmであり、300℃で60分間において粒径は約40nm、標準偏差σは16nmであった。
【0082】
次に、スパッタ銅層上に、めっき銅膜を含むめっき配線層を形成した。このとき、めっき銅層の形成は、スパッタ銅層上に無電解銅めっきを0.3μm析出させ、その後電気銅めっきで3μmの銅層を析出させておこない、めっき配線層の合計膜厚は3.3μmとなった。めっき配線層の形成後、スルーホール開口部へ樹脂充填を行い、封止層を形成した。
【0083】
(配線層へのパターン形成工程)
めっき配線層を設けた絶縁性基板の接着層および配線層へ、フォトリソグラフィを用いて所定の配線パターンを形成した。このとき、まず、スピンナーを用いてポジ型の液状レジスト(東京応化工業社製TFR−Hポジ型レジスト)を約3μmの厚さで配線層上に塗布し、その後、第2のマスクを被せ、平行光露光機を用いて200mj/cm2露光を行い、露光後に現像液(東京応化工業社製 現像液OFPR−NMD−3)を用いて1分間室温でディップ現像し、配線層上に線幅50μm、間隙50μm、スルーホールランド250μmのレジストパターンを形成した。
【0084】
レジストパターン形成された配線層へ、40ボーメの塩化第二鉄液をスプレーし、配線層に含まれる銅層のエッチングを行い、レジストパターンに従ってパターン状に形成した後、レジストをアセトンにより除去した。次に、パターン状に形成された銅層を金属レジストとし、接着層であるクロム層を、フェリシアン化カリを主成分としたエッチング液を用いてクロム層をエッチングした。この結果、絶縁性基板の配線層および接着層へ線幅50μm、間隙50μm、スルーホールランド250μmの配線パターンが形成された配線基板試料を得た。
【0085】
(配線層の剥離試験評価)
得られた配線基板試料へ、温度85℃、湿度85%の環境加速試験をおこない、各時間毎に光学顕微鏡で表面の配線パターンの状態を観察した。この観察の際、1箇所でも剥離が観察された時点で「剥離を確認」として評価した。この評価結果を図9に示した。
【0086】
図9の評価結果より、温度100℃、時間30minの条件で加熱処理をおこなった配線基板試料では、100hr迄に剥離が確認された。また、温度150℃、時間60minおよび120minの条件においても、100〜200hrの間に剥離が確認された。さらに温度200℃、時間30min、45minおよび60minの条件では500hr迄に剥離を確認した。次いで、温度250℃、時間30minおよび60minの条件、および温度300℃、時間5minおよび15minの条件では500hr以降に剥離を確認し、少なくとも500hrまでは剥離が抑制されることが判明した。
【0087】
一般的に信頼性試験において、評価の基準時間が500時間であることより、処理温度として250℃が好ましいことが判明した。さらに、温度300℃、時間30min、45minおよび60minの条件では2000hrまで剥離が発生しないことが判明した。したがって、高信頼性の観点からは、処理温度として300℃、時間30min以上がより好ましいことも判明した。
また、図9評価結果より、接着層を構成す柱状単結晶の粒径の平均値が40nm以上あれば、2000hrまで剥離が発生しないことが判明した。したがって、高信頼性の観点からも、柱状単結晶の粒径の平均値が40nm以上であることが好ましいことも判明した。
【0088】
【発明の効果】
以上詳述したように、絶縁性基板上に導電用金属を含む配線層を有し、前記絶縁性基板と配線層との間に、接着用金属を含む接着層を備えた配線基板であって、
前記接着層は、その平均粒径が40nm以上である金属多結晶膜である配線基板を製造したが、この構成を有する配線基板は、高温高湿下において絶縁性基板から配線層が剥離することが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る両面配線基板の断面図である。
【図2】両面配線基板における接着層の縦断面の電子顕微鏡写真の模式図である。
【図3】両面配線基板における接着層の横断面の電子顕微鏡写真の模式図である。
【図4】絶縁性基板へのスルーホール形成工程を示す図である。
【図5】絶縁性基板への接着層、配線層および導体層形成工程を示す図である。
【図6】配線層へのパターン形成工程を示す図である。
【図7】配線基板へのカバーコート形成工程を示す図である。
【図8】配線基板への表面処理工程を示す図である。
【図9】各配線基板試料の製造条件および剥離試験評価結果の一覧表である。
【符号の説明】
10.配線基板
20.絶縁性基板
30.接着層
40.配線層
50.スルーホール(貫通孔)
R.金属多結晶膜の粒径
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体の集積回路や各種電子機器の電気回路に用いられる配線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体の集積回路や各種電子機器に用いられる回路に使用される配線基板として、絶縁性基板上に銅などの導電性の金属配線パターンが形成されたものが知られている。近年は、回路の高密度化および小型化に伴い、それに使用される配線基板として、基板の片面に金属配線を有するもののみならず、例えば、特開2001−44639号公報に示すように、基板の両面に配線を有するもの、さらには配線が多層化されたものが使用されるようになってきている。
【0003】
ところが、上述したような配線パターンの高密度化に伴い、微細な配線パターンが要求されるようになり、配線基板が高温高湿環境にさらされた場合、基板から配線層が剥離するという問題が顕在化してきている。そして、このような配線層の剥離を抑制するため、従来より、絶縁性基板と金属配線層との間に、絶縁性基板との密着性の良いクロム膜等を接着層として形成することが知られている。
【0004】
さらに、接着層と配線層との界面に合金層又は混合層を形成し、接着層と配線層の密着性を向上することが提案され、たとえば特開平3−82188号公報には、接着層と配線層とを成膜後に加熱処理による界面での相互拡散によって両層の間に合金層を形成する方法が開示され、特開平9−104969号公報には、2種のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法等により合金層を形成する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した接着層と配線層の密着性の向上方法において、加熱処理により合金層の形成を行う場合は、配線層と接着層との間に十分な密着性を得るため、一般には約600℃あるいはそれ以上の高温での長時間の加熱が必要である。すなわちこの加熱処理を行うためには、当該絶縁性基板に600℃の耐熱性が要求されるため、基板の種類によってはこのような高温の加熱処理を行えない場合がある。
【0006】
一方、2種のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング等の成膜工程による合金層を形成する方法では、膜厚方向および平面方向に均一な合金層を得ることが難しい。このため、後工程の配線パターン形成時において合金層のエッチング速度にバラツキが発生するため、高密度化に対応した微細パターン形成が困難となる。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために案出されたものであり、配線層の剥離が抑制された配線基板、および高温の加熱処理や合金層を用ることなく配線層の剥離が抑制された配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するための第1の手段は、絶縁性基板上に導電用金属を含む配線層を有し、前記絶縁性基板と配線層との間に、接着用金属を含む接着層を備えた配線基板であって、
前記接着層は、その平均粒径が40nm以上の金属多結晶膜であることを特徴とする配線基板である。
【0009】
この構成を有する配線基板は、高温高湿下において絶縁性基板から配線層が剥離することが抑制される。
【0010】
第2の手段は、前記接着用金属が、クロムであることを特徴とする第1の手段に記載の配線基板である。
【0011】
接着用金属としてクロムを用いると、絶縁性基板と配線層との密着性を上げることができる。
【0012】
第3の手段は、前記導電用金属が、銅であることを特徴とする第1又は第2の手段に記載の配線基板である。
【0013】
導電用金属として銅を用いると、配線基板の導電性を高くすることができる。
【0014】
第4の手段は、前記絶縁性基板を厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔を介して、前記絶縁性基板の両面に配置された前記配線層が電気的に接続されていることを特徴とする第1から第3の手段のいずれかに記載の配線基板である。
【0015】
貫通孔を介して絶縁性基板の両面に配置された配線層を電気的に接続することで、回路配線の高密度化が可能となる。
【0016】
第5の手段は、前記絶縁性基板が、感光性を有するガラス基板又は結晶化ガラス基板であることを特徴とする第1から第4の手段のいずれかに記載の配線基板である。
【0017】
絶縁性基板として感光性を有するガラス基板又は結晶化ガラス基板を用いることで、貫通孔を所望の位置に複数同時に形成することができる。
【0018】
第6の手段は、絶縁性基板上に導電用金属を含む配線層を有し、前記絶縁性基板と配線層との間に、接着用金属を含む接着層を備えた配線基板の製造方法であって、
前記絶縁性基板の予熱を行う予熱工程と、
前記予熱した絶縁性基板に前記接着層を形成する接着層形成工程とを有し、
前記予熱工程および接着層形成工程の際、絶縁性基板の温度を、250℃以上、且つ前記絶縁性基板の耐熱温度未満の温度に保持することを特徴とする配線基板の製造方法である。
【0019】
この構成を有する製造方法を採ることによって、絶縁性基板を変形させることなく、絶縁性基板と接着層との間に、高温高湿下において絶縁性基板から配線層が剥離するのを抑制する接着層を形成することができる。
【0020】
第7の手段は、前記接着層形成工程をスパッタリング法により行うことを特徴とする第6の手段に記載の配線基板の製造方法である。
【0021】
接着層形成工程をスパッタリング法により行うことで、後工程の配線層形成を連続的におこなうことが可能となる。
【0022】
第8の手段は、第6又は第7の手段に記載の配線基板の製造方法であって、
前記接着層形成工程の後、さらに前記接着層上へ前記配線層を形成する配線層形成工程を有し、
前記予熱工程、接着層形成工程および配線層形成工程の際、絶縁性基板の温度を、250℃以上、且つ前記絶縁性基板の耐熱温度未満の温度に保持することを特徴とする配線基板の製造方法である。
【0023】
この構成をとることにより、絶縁性基板および配線層と接着層との密着性をより上げることができる。
【0024】
第9の手段は、前記予熱工程から接着層形成工程において、前記絶縁性基板の予熱を30分以上行った後に接着層形成工程を行うことを特徴とする第6から第8の手段のいずれかに記載の配線基板の製造方法である。
【0025】
この構成をとることにより、絶縁性基板および配線層と接着層との密着性をより上げることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態例について、絶縁性基板の上下両面に配線層および接着層が設けられた両面配線基板を例とし、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態に係る両面配線基板の断面図例であり、図2はこの両面配線基板における接着層の縦断面の電子顕微鏡写真の模式図例であり、図3はこの両面配線基板における接着層の横断面の電子顕微鏡写真の模式図例である。
【0027】
図1において、配線基板10は、絶縁性基板20の上面および下面に、配線層40、および配線層40と絶縁性基板20との密着性を向上させるための接着層30が設けられている。絶縁性基板20には、これを厚み方向に貫通するように、貫通孔であるスルーホール50が設けられている。そしてスルーホール50の内壁に形成された導体層51により、絶縁性基板20の両面に設けられた配線層が互いに電気的に接続されるようになっている。このようにして、絶縁性基板20の両面に設けられた、スパッタ配線層41とめっき配線層42とを有する配線層40と、スルーホール50内に形成された導体層51とにより、回路配線が形成される。
【0028】
この結果、絶縁性基板20の両面に設けられた配線層40が互いに自在に接続可能となるので、回路配線の高密度化が可能となる。尚、スルーホール50内の導体層51以外の部分は封止層52にて充填されることがある。配線層40の中で外部との電気的接続がなされる領域には、例えばニッケル層61と金層62とを有する表面処理層60が設けられている。それ以外の部分はカバーコート70にて被覆保護されることがある。尚、このカバーコート70を設ける際は、絶縁性基板20上であって配線層40が設けられておらず露出した部分をアッシングにより粗化23しておく。
【0029】
次に、配線基板を構成する、接着層を始めとする各層および絶縁性基板について、さらに詳細に説明する。
【0030】
(接着層)
図1に示すように、接着層30は、絶縁性基板20と配線層との密着性を向上させるため、両者の間に設けられる。この接着層30は金属多結晶膜であるが、その構造の一例について図2、図3を用いて説明する。
図2に示すように、絶縁性基板20と配線層の下層であるスパッタ配線層41との間に設けられた接着層30は柱状単結晶31の集合体を含む金属多結晶膜であり、この柱状単結晶31の一端は絶縁性基板20と接し、他端はスパッタ配線層41と接している。尚、絶縁性基板20とスパッタ配線層41との間隔は、20nm以上であれば剥離抑制の効果は確認できるが、膜応力,配線加工性、結晶成長を考慮すれば、50〜100nmが適宜と考えられる。
【0031】
一方、図3に示すように、柱状単結晶31の横断面形状は不定型な略多角形である。本実施の形態例において、金属多結晶膜の粒径Rとは、この柱状単結晶31の前記横断面形状の最長部のことで、このRを直径とする円形とみなして測定を行い、粒径分布およびその標準偏差の算出は、200nm四方のエリアに存在する柱状単結晶31の粒径の最長部Rを測定しておこなった。そして柱状単結晶31の粒径分布と、配線層40および接着層30との密着性とについて検討したところ、平均粒径の増加と伴に密着性も増加し平均粒径が40nmを超えると、高温高湿下における絶縁性基板20と配線層40との剥離試験の評価に合格する接着層30を得ることができた。
【0032】
そして、接着層30の形成前に、絶縁性基板20の予熱を行うと共に、接着層30形成の際の基板加熱温度を所定の範囲に制御することにより、絶縁性基板20の耐熱温度である軟化点未満の温度範囲において、接着層30を構成する柱状単結晶31の粒径が制御可能であることを見出した。
尚、接着層30と配線層40とは、所定の配線パターンに従って、絶縁性基板20の上下両面にパターン状に形成されている。
【0033】
ここで接着層30の材料として、例えばクロム、タンタル、チタン、モリブデン等の金属を用いることができるが、基板との接着性が高く絶縁性基板20と配線層40との密着性を上げることができる点および、配線パターン形成の容易さの点で、クロムを用いるのが好ましい。
【0034】
(配線層)
図1に示す配線層40は、後述する導体層51と共に回路配線を形成する層であり、接着層30上に設けられる。本実施の形態に係る配線層40は、接着層30側に位置するスパッタリング法で形成されたスパッタ配線層41と、その上に積層され、めっき法により形成されためっき配線層42の2層構造を有している。スパッタ配線層41とめっき配線層42とは、通常同じ材料で形成される。スパッタ配線層41を設けることで、接着層30との密着性が改善され、さらに、上層をめっき配線層42とすることで、詳細は後述するが、スルーホール50内への導体層51の形成と同時に行えると共に、配線層40形成時のコスト上のメリットが得られる。
【0035】
スパッタ配線層41の膜厚は、その上に形成されるめっき配線層42と下層の接着層30とに十分な密着性が得られる範囲で、0.2μm以上の厚みに形成すればよい。薄すぎると、めっき配線層42の形成における前処理時に、ダメージを受けやすくなるので注意が必要である。スパッタ配線層41と接着層30との合計膜厚は、薄いほうが微細な配線パターン形成のために好ましいが、続くめっき配線層42形成の際の前処理を考慮し、概ね2μm程度が好ましい。
【0036】
めっき配線層42の厚みも、接着層30等の場合と同様に、微細加工におけるサイドエッチング量を考慮すると、極力薄く形成されることが望ましい。しかし、その使用環境により、配線基板10の温度変化が繰り返された場合、配線層40の熱膨張係数と絶縁性基板20の熱膨張係数との差が、配線層40の金属疲労を引き起こす結果となる。そのため、この金属疲労に対する配線層40の接続信頼性を確保するために、配線層40をある程度の厚みにしておく必要がある。そこで、めっき配線層42の厚みを1μm〜20μm程度とすることが望ましい。
【0037】
めっき配線層42の厚みが1μm以上あれば、上述した金属疲労による配線層40の断線が生じる危険性が減り、一方、めっき配線層42の厚みを20μm以下とすれば配線層のパターンの微細化を図ることが容易となるからである。この理由は、配線層40および接着層30に後述するエッチングによるパターン形成を行う場合、レジストが配置されている上面付近では、ほぼレジストパターン通りのエッチングが可能となるが、このエッチング部が深くなりレジストから離れれば離れるほど、そのレジストパターンとエッチングにより形成される配線パターンの形状誤差が大きくなっていくことによる。すなわちエッチングする金属層の膜厚が厚ければ厚いほど、その金属層の下層付近におけるエッチング形状の誤差が大きくなっていく。そこで配線パターンの微細化のためには、この誤差を小さく抑える必要があり、誤差を小さくするためには、できるだけ金属層の厚みを小さく抑える必要がある。絶縁性基板として銅と熱膨張係数の近い材料を用いれば、めっき配線層42を1〜20μm程度に薄く形成でき、結果として、最下層の配線パターンをも微細化することが可能となる。
【0038】
配線層40としては、導電性の良い金属、例えば、銅、アルミニウム、などを用いることができるが、導電性が高い点で銅を用いるのが好ましい。
【0039】
(絶縁性基板)
絶縁性基板20としては、平滑性、硬質性、絶縁性の観点よりガラスや結晶化ガラスが好ましく用いられる。そして、本実施の形態のように貫通孔を有する配線基板の場合では、感光性を有するガラス又は結晶化ガラスを用いることで、フォトリソグラフィの手法を用いて、微細な貫通孔を容易に形成することができ好ましい。さらには、絶縁抵抗値が大きく誘電正接が小さく、さらに加えて、熱膨張係数が105×10−7程度であって、配線基板10上に設置されるシリコンチップと配線層40との中間の熱膨張係数を有するという観点から、感光性を有するガラス基板からなる結晶化ガラス基板を用いるのが好ましい。
【0040】
感光性を有するガラスを基板として用いたフォトリソグラフィーによるスルーホール形成では、アスペクト比30程度のスルーホール50を所望の数だけ同時に形成することが可能である。例えば、絶縁性基板20として、厚み0.3mm程度の結晶化ガラスの初期状態である感光性を有するガラスを用いた場合、小径のスルーホール50を所望の位置に複数同時に形成することができる。これにより、配線パターンの微細化、スルーホール形成工程に時間の短縮を図ることができ好ましい。
【0041】
さらに、絶縁性基板20として熱膨張係数が、配線層40の熱膨張係数と近いものを選択することは、絶縁性基板20からの配線層40の剥離、および高密度配線パターンの断線などの欠陥発生を抑制する観点より好ましい。
【0042】
尚、絶縁性基板20としてアルカリ金属イオン等を含む材料、例えば感光性を有するガラス又は結晶化ガラスなどを用いる場合には、アルカリ金属イオンの配線層40への拡散を防止するため、あらかじめ、ガラス基板の一面又は両面上へ特開2001−44639号に開示されているようなイオンブロッキング層を形成した後、これを絶縁性基板20とすることも好ましい。
【0043】
上述したガラス基板としては、ソーダライムガラス等の化学強化ガラス、感光性を有するガラス又は結晶化ガラス基板、無アルカリガラス、アルミノシリケートガラス、その他の結晶性ガラス等を用いることができる。
【0044】
(導体層)
導体層51は、絶縁性基板20に設けられた貫通孔であるスルーホール50の内壁に形成される。微細な貫通孔内に導体層51を形成する方法としては、めっき法が好ましく用いられる。さらに、導体層51の材料として、上述しためっき配線層42と同じ材料を選択すると上述した配線層40のめっき配線層42の形成時に、同時かつ連続的かつ一様にスルーホール50内に導体層51が形成でき好ましい。導体層51は、基板両面に形成された配線層40との電気的接続を十分に得られる厚さに形成すればよい。
【0045】
導体層51としては、絶縁性基板20の上下両面に形成された配線層40を電気的に接続することができる導電性の金属を用いることができ、例えば、銅、アルミニウム等が挙げられるが、導電性が高い点で、銅を用いるのが好ましい。
【0046】
(封止層)
封止層52は、スルーホール50内部の導体層51を被覆する保護層である。封止層52は導体層51の形成後、スルーホール50内壁面の導体層51に囲まれた内部に形成される。封止層52を形成することにより、めっき配線層42と導体層51とを同時形成により薄く形成した場合であっても、その封止層52の保護によって十分な接続信頼性を確保できる。そして接続信頼性を確保出来るため、めっき配線層42を薄くすることができ、この結果、配線パターンの微細化を図ることが可能となる。
【0047】
封止層52の材料としては、例えば、エポキシ樹脂にシリカを分散させたもの等が好ましく用いられる。
【0048】
(表面処理層)
表面処理層60は、配線基板10上に設けられた外部との電気的接続部となる部分上に形成される。従って、この表面処理層60は導電性が高いことが求められ、例えばめっき法により形成されるので、例えば半田、耐熱プリフラックス、水溶性プリフラックス、ニッケル、金めっき等が好ましく用いられる。
【0049】
(カバーコート)
カバーコート70は、配線基板10の表面の導通部以外を被覆するもので、フォトリソグラフィなどの手法を用いて、パターン状に形成される。カバーコート70としては、絶縁性を有するものが使用されるが、このような材料として一般的なソルダーレジスト等が好ましく使用できる。
【0050】
次に、本実施の形態に係る配線基板10の製造工程について、図4〜図8を参照しながら説明する。配線基板10の製造工程は、図4に示す絶縁性基板へのスルーホール形成工程、図5に示す接着層、配線層および導体層形成工程、図6に示す配線層へのパターン形成工程、さらに必要に応じ、図7に示すカバーコート形成工程、および図8に示す表面処理工程を有する。これらの工程について、絶縁性基板20として感光性を有するガラスを用いた場合を例にとり、工程順に説明する。
【0051】
(絶縁性基板へのスルーホール形成工程)
図4(a)〜(d)は、感光性を有するガラスからなる絶縁性基板20へのスルーホール形成後、基板の結晶化を行う工程を示した断面図である。基板へのスルーホールの形成は、フォトリソグラフィ法を使用する。
【0052】
まず、図4(a)に示すように形成すべきスルーホールの配置、大きさ、数に応じた開口パターンを有する第1のマスク25を介して、感光性を有するガラス基板21へ選択的に紫外線等の露光を行う。すると、図4(b)に示すようにガラス基板21中の露光を受けた部分が露光結晶化部22となる。ここで、露光結晶化部22を有するガラス基板21をエッチング液に浸漬すると、図4(c)に示すように露光結晶化部22がエッチング除去され、基板の厚さ方向に貫通したスルーホール50が形成される。さらに、スルーホール50が形成されたガラス基板21全体に紫外線等の露光を行ってこれを結晶化し、図4(d)に示す絶縁性基板20を得る。
【0053】
このように、感光性を有するガラス基板を用い、スルーホール形成部へ選択的に紫外線等を照射し、その照射による露光部をエッチング除去することによりスルーホールを形成すれば、小径のスルーホールを形成することが可能であり、その径に対応するランドも小さくすることが可能となるため、配線パターンの密度を向上させることができる。
【0054】
(接着層、配線層および導体層形成工程)
図5(a)〜(d)は、スルーホール50が形成された絶縁性基板20の上下両面に接着層30、配線層40および導体層51を形成し、さらにスルーホール50の封止を行う工程を示す断面図である。
【0055】
まず、図5(a)に示すように、スルーホール50が形成された絶縁性基板20上に、接着層30の形成を行う。上述したように、このとき接着層30を予熱することで、配線層と接着層30との界面における剥離を有効に抑制することができる。
【0056】
すなわち、接着層30形成時の絶縁性基板20を予熱して温度を制御することで、絶縁性基板20の上に接着層30として柱状単結晶の平均粒径が40nm以上である多結晶金属膜を得ることが出来る。具体的には、接着層30を絶縁性基板20上に形成する際に、絶縁性基板20をあらかじめ加熱しておき、この加熱温度を保った状態で接着層30を形成すればよい。平均粒径40nm以上の柱状単結晶を含む接着層を得るためには、この絶縁性基板20の加熱温度を250℃以上、さらに好ましくは300℃以上とする。しかし絶縁性基板20の軟化点温度を超えて加熱すると絶縁性基板20が変形してしまう可能性があるので、これを考慮し250℃以上で、且つ基板材料の軟化点以下の範囲に保持するのが好ましい。加えてプロセス温度を低く抑える観点より、さらに好ましい加熱温度範囲は250℃〜350℃である。
【0057】
接着層30の形成にはスパッタ、真空蒸着、CVD、イオンプレーティング法等が適用できるが、後工程の配線層形成を連続的に行える点、配線層と接着層30との密着性が向上する点、および製造法の簡略化の点、等より、スパッタリング法を用いるのが好ましい。さらに予熱及び接着層30の形成は真空中で行うのが好ましい。また、絶縁性基板20の予熱を15分間以上行うと耐剥離性が発現するが、好ましくは30分間以上であり、さらに好ましくは60分間程度である。
【0058】
ここで例えば、絶縁性基板20を予め300℃で60分程度予熱し、その温度を保持したまま接着層30を形成する本発明に係る処理を実施すると、絶縁性基板20の予熱を全く行わないか、又は絶縁性基板20上の水分などを除去するために100℃30分程度の加熱を行った後に接着層30を形成する従来の技術に係る処理を実施した場合に比較して、接着層30に含まれる柱状単結晶の平均粒径は約2倍以上に大きくなり、平均粒径の分布のバラツキを示す標準偏差の値も約2倍に大きくなることが判明した。この結果、本発明に係る処理を実施した場合、 接着層30に含まれる柱状単結晶の平均粒径が大きくなるとともに、大きな径を有する柱状単結晶の粒界に小径の柱状単結晶が充填されるため、接着層30の緻密性が向上して耐剥離性が向上するものと考えられる。
【0059】
接着層30の形成後、導電性の高い金属を接着層30の上に配線層として形成する。本実施の形態においては、導電性の高い金属として銅を選択し、配線層の形成方法としてスパッタ法とめっき法とを併用した場合を例とし図5(b)を用いて説明する。
【0060】
まず接着層30の上に、スパッタ法により銅薄膜を形成しスパッタ配線層41とする。このスパッタ配線層41の形成において、絶縁性基板20の温度を上述した接着層30の形成時の温度である250℃以上で、且つ基板材料の軟化点以下の範囲に保持して行うことが好ましい。さらに、絶縁性基板20の予熱、接着層30の形成、スパッタ配線層41の形成を同一のチャンバ内で連続的に行うのが好ましい。本実施の形態においては、接着層30及びスパッタ配線層41は、絶縁性基板20の上下両面に形成される。
【0061】
さらに図5(c)に示すように、めっき法により、めっき配線層42をスパッタ配線層41上に形成して配線層40とすると伴に、めっき配線層42と連続するように、スルーホール50の内壁へ導体層51を形成する。
【0062】
めっき配線層42の形成は、電解めっき法および/又は無電解めっき法等により行うのが好ましい。例えば、無電解めっき法によって1μm以下のめっき配線層を形成し、その上に電解めっきによりさらに、めっき配線層を厚付けする方法が好個に適用できる。
【0063】
一方、めっき配線層42の形成は、上述したスパッタ法とめっき法の併用のみではなく、他の方法、例えば、CVD法等で形成されたものでも良い。また、スパッタ配線層41は必要に応じて設ければよく、接着層30と配線層40との間で十分な密着性が得られるのであれば、省略することも可能である。
【0064】
尚、本実施の形態では、スルーホール50の内壁面の導体層51とめっき配線層42とを一つながりに形成することとしたが、それぞれを不連続に形成することとしてもよい。
【0065】
導体層51およびめっき配線層42形成後、必要に応じて、図5(d)に示すように樹脂をスルーホール50内に充填する等してスルーホール50内を封止することも好ましい。尚、本実施の形態では、スルーホール50の内部を完全に充填するように封止層52を形成したが、封止層52を完全な充填とせず導体層51を被覆する程度としてもよく、さらには封止層52を全く形成しないこととしても良い。
【0066】
(配線層へのパターン形成工程)
図6(a)〜(c)は、配線層40および接着層30に所定のエッチングを施して、これをパターンに形成する方法を示す断面図である。
【0067】
まず、図6(a)に示すように、配線層40上へ感光性のレジスト80を塗布し、所望の配線パターンに対応する開口部を有する第2のマスク71を用いて露光する。ここで用いられるレジスト80は、液状レジストでもドライフィルムレジストでも電着レジストでもよい。また、レジストタイプとしては、ポジ型、ネガ型どちらでもかまわないが、ポジ型レジストのほうが一般的に解像性が高いため、微細配線パターンの形成に適している。
【0068】
レジスト80への露光が完了したら、図6(b)に示すようにレジスト80を現像しポストベークを施す。
【0069】
レジスト80へのポストベークが完了したら、図6(c)に示すようにレジスト80のパターンに従って、配線層40を形成しているめっき配線層42、スパッタ配線層41、および接着層30を順次エッチングし、所望の配線パターン状に形成された接着層30および配線層40を得る。本実施の形態では、絶縁性基板20の両面に対し同様の方法で所望の配線パターンを形成する。
【0070】
ここで、全てのスルーホール50が封止層52により封止されているなら、接着層30および配線層40のエッチングは、ドライエッチング、ウエットエッチングのいずれを用いても良い。配線層40が銅の場合には、塩化第2鉄によるエッチングを行うことができる。接着層30がクロムの場合には、塩素ガスによるドライエッチング、フェリシアン化カリを主成分とする薬品によるエッチングなどを使用することができる。以上のようにして、配線層40へ所望の配線パターンが形成された配線基板10が得られる。
【0071】
(カバーコート形成工程)
図7(a)〜(d)は、配線層へのパターン形成工程で得られた配線基板10に、カバーコート形成を施す工程を示した断面図である。
【0072】
まず、図7(a)に示すように、絶縁性基板20面上であって配線層40が設けられておらず露出した部分にアッシングを施して表面を粗化23しておく。
【0073】
表面粗化の完了した配線基板10へ、図7(b)に示すように配線基板10の両面を覆うように絶縁性材料であるソルダーレジスト等を塗布し、カバーコート70を形成する。
【0074】
形成されたカバーコート70に対し、図7(c)に示すように所望の開口パターンを有する第3のマスク72を介して紫外線露光を行う。
【0075】
露光されたカバーコート70を現像すると、図7(d)に示す所望のパターンが形成されたカバーコート70を得る。
【0076】
(表面処理工程)
図8は、配線基板10を外部と接続するための接点を形成する表面処理工程を示す断面図である。図8に示したように、配線基板10上のカバーコート70が形成されていない領域にNi/Auなどの導電性材料層からなる表面処理層60をめっきにより形成する。本実施の形態では、表面処理層60としてめっき配線層42上にニッケル層61、さらにその上に金層62を設けた。以上のようにして、本実施の形態に係る配線基板10が得られる。尚、本実施の形態では、絶縁性基板20にスルーホール50を有する両面配線基板について説明したが、本発明は、絶縁性基板20の片面のみに配線層40を有する配線基板10にも適用可能である。
【0077】
(配線層の剥離試験評価)
以上詳述した、絶縁性基板20の耐熱温度を超える高温の処理プロセスを用いずに製造した本実施の形態に係る配線基板10に、線幅50μmの配線パターンを設けた後、温度85℃湿度85%の高温高湿条件下に保持した。すると、接着層30を構成する金属多結晶膜の平均粒径が40nm以上であると、2000時間を経過しても絶縁性基板20と配線層40との剥離が生じないことが確認された。
【0078】
以下、実施例を用いて、本発明をさらに説明する。
(実施例)
本実施例においては、製造条件を変えて配線基板試料を製造し、これらの配線基板試料に対し配線層の剥離試験評価をおこなった。この内容について、図9に示す各配線基板試料の製造条件および剥離試験評価結果の一覧表を参照しながら、工程毎に説明する。
【0079】
(絶縁性基板へのスルーホール形成工程)
絶縁性基板として、厚み0.3mmの感光性を有するガラス基板(商品名:HOYA株式会社製PEG3)を用いた。このガラス基板へ、所定の開口を有する第1のマスクを介して紫外線を照射してスルーホールを形成する領域を結晶化させ、この露光結晶化部をエッチングにより除去してガラス基板に径が100μmであるスルーホールを複数個形成した。更に、ガラス基板全体に紫外線を照射させて結晶化させ、スルーホールが形成された絶縁性基板を13枚製造した。
【0080】
(接着層、配線層および導体層形成工程)
次に、この13枚の絶縁性基板に超音波洗浄を行い乾燥させた後、スパッタ法により接着層としてのクロム層を50nmの厚さに形成し、さらにクロム層上に、スパッタ配線層であるスパッタ銅層を2000nmの厚さに形成した。このとき、クロム層およびスパッタ銅層の形成は、基板加熱予備室を有するマグネトロンスパッタ装置を用いた。そして、13枚の基板の各々に真空中で、図9に示すように、絶縁性基板を100〜300℃で5〜120分間の13条件にて加熱処理を行った後、引き続き、同一真空中でCrターゲットを用いてスパッタリング法によりクロム層を形成し、さらに、同一真空中でCuターゲットを用いてクロム層上にスパッタ銅層の形成を行った。このスパッタ銅層の形成の際、スパッタ銅層および絶縁性基板の温度は、各々前記加熱処理温度を保持した。
【0081】
ここで、前記13条件の内、100℃で30分間、および300℃で60分間の2条件で加熱処理をおこなった絶縁性基板について、形成された200nm四方のクロム層に含まれる柱状単結晶の平均粒径を測定し、およびその平均粒径のバラツキの標準偏差を算定した。その結果は図9に示すように、100℃で30分間において粒径は約20nm、標準偏差σは8nmであり、300℃で60分間において粒径は約40nm、標準偏差σは16nmであった。
【0082】
次に、スパッタ銅層上に、めっき銅膜を含むめっき配線層を形成した。このとき、めっき銅層の形成は、スパッタ銅層上に無電解銅めっきを0.3μm析出させ、その後電気銅めっきで3μmの銅層を析出させておこない、めっき配線層の合計膜厚は3.3μmとなった。めっき配線層の形成後、スルーホール開口部へ樹脂充填を行い、封止層を形成した。
【0083】
(配線層へのパターン形成工程)
めっき配線層を設けた絶縁性基板の接着層および配線層へ、フォトリソグラフィを用いて所定の配線パターンを形成した。このとき、まず、スピンナーを用いてポジ型の液状レジスト(東京応化工業社製TFR−Hポジ型レジスト)を約3μmの厚さで配線層上に塗布し、その後、第2のマスクを被せ、平行光露光機を用いて200mj/cm2露光を行い、露光後に現像液(東京応化工業社製 現像液OFPR−NMD−3)を用いて1分間室温でディップ現像し、配線層上に線幅50μm、間隙50μm、スルーホールランド250μmのレジストパターンを形成した。
【0084】
レジストパターン形成された配線層へ、40ボーメの塩化第二鉄液をスプレーし、配線層に含まれる銅層のエッチングを行い、レジストパターンに従ってパターン状に形成した後、レジストをアセトンにより除去した。次に、パターン状に形成された銅層を金属レジストとし、接着層であるクロム層を、フェリシアン化カリを主成分としたエッチング液を用いてクロム層をエッチングした。この結果、絶縁性基板の配線層および接着層へ線幅50μm、間隙50μm、スルーホールランド250μmの配線パターンが形成された配線基板試料を得た。
【0085】
(配線層の剥離試験評価)
得られた配線基板試料へ、温度85℃、湿度85%の環境加速試験をおこない、各時間毎に光学顕微鏡で表面の配線パターンの状態を観察した。この観察の際、1箇所でも剥離が観察された時点で「剥離を確認」として評価した。この評価結果を図9に示した。
【0086】
図9の評価結果より、温度100℃、時間30minの条件で加熱処理をおこなった配線基板試料では、100hr迄に剥離が確認された。また、温度150℃、時間60minおよび120minの条件においても、100〜200hrの間に剥離が確認された。さらに温度200℃、時間30min、45minおよび60minの条件では500hr迄に剥離を確認した。次いで、温度250℃、時間30minおよび60minの条件、および温度300℃、時間5minおよび15minの条件では500hr以降に剥離を確認し、少なくとも500hrまでは剥離が抑制されることが判明した。
【0087】
一般的に信頼性試験において、評価の基準時間が500時間であることより、処理温度として250℃が好ましいことが判明した。さらに、温度300℃、時間30min、45minおよび60minの条件では2000hrまで剥離が発生しないことが判明した。したがって、高信頼性の観点からは、処理温度として300℃、時間30min以上がより好ましいことも判明した。
また、図9評価結果より、接着層を構成す柱状単結晶の粒径の平均値が40nm以上あれば、2000hrまで剥離が発生しないことが判明した。したがって、高信頼性の観点からも、柱状単結晶の粒径の平均値が40nm以上であることが好ましいことも判明した。
【0088】
【発明の効果】
以上詳述したように、絶縁性基板上に導電用金属を含む配線層を有し、前記絶縁性基板と配線層との間に、接着用金属を含む接着層を備えた配線基板であって、
前記接着層は、その平均粒径が40nm以上である金属多結晶膜である配線基板を製造したが、この構成を有する配線基板は、高温高湿下において絶縁性基板から配線層が剥離することが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る両面配線基板の断面図である。
【図2】両面配線基板における接着層の縦断面の電子顕微鏡写真の模式図である。
【図3】両面配線基板における接着層の横断面の電子顕微鏡写真の模式図である。
【図4】絶縁性基板へのスルーホール形成工程を示す図である。
【図5】絶縁性基板への接着層、配線層および導体層形成工程を示す図である。
【図6】配線層へのパターン形成工程を示す図である。
【図7】配線基板へのカバーコート形成工程を示す図である。
【図8】配線基板への表面処理工程を示す図である。
【図9】各配線基板試料の製造条件および剥離試験評価結果の一覧表である。
【符号の説明】
10.配線基板
20.絶縁性基板
30.接着層
40.配線層
50.スルーホール(貫通孔)
R.金属多結晶膜の粒径
Claims (9)
- 絶縁性基板上に導電用金属を含む配線層を有し、前記絶縁性基板と配線層との間に、接着用金属を含む接着層を備えた配線基板であって、
前記接着層は、その平均粒径が40nm以上の金属多結晶膜であることを特徴とする配線基板。 - 前記接着用金属が、クロムであることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
- 前記導電用金属が、銅であることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。
- 前記絶縁性基板を厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔を介して、前記絶縁性基板の両面に配置された前記配線層が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の配線基板。
- 前記絶縁性基板が、感光性を有するガラス基板又は結晶化ガラス基板であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の配線基板。
- 絶縁性基板上に導電用金属を含む配線層を有し、前記絶縁性基板と配線層との間に、接着用金属を含む接着層を備えた配線基板の製造方法であって、
前記絶縁性基板の予熱を行う予熱工程と、
前記予熱した絶縁性基板に前記接着層を形成する接着層形成工程とを有し、
前記予熱工程および接着層形成工程の際、絶縁性基板の温度を、250℃以上、且つ前記絶縁性基板の耐熱温度未満の温度に保持することを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記接着層形成工程をスパッタリング法により行うことを特徴とする請求項6に記載の配線基板の製造方法。
- 請求項6又は7に記載の配線基板の製造方法であって、
前記接着層形成工程の後、さらに前記接着層上へ前記配線層を形成する配線層形成工程を有し、
前記予熱工程、接着層形成工程および配線層形成工程の際、絶縁性基板の温度を、250℃以上、且つ前記絶縁性基板の耐熱温度未満の温度に保持することを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記予熱工程から接着層形成工程において、前記絶縁性基板の予熱を30分以上行った後に接着層形成工程を行うことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
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2002
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