JP2004054884A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【効果】エッジが鈍るのを防止しつつ、S/Nを改善することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像処理装置に関し、特にたとえばディジタルカメラに適用され、撮影手段から出力された画像信号に含まれるかつ所定色の色情報を有する複数の画素信号に信号処理を施す、画像処理装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来のこの種の画像処理装置では、画像信号に重畳されたノイズをLPFによって除去するようにしていた。
なお、関連する先行技術は、下記の特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−23173号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術ではLPFのカットオフ周波数が固定であったため、ノイズ除去を重視してカットオフ周波数を低くするとエッジが鈍化してしまい、エッジを重視してカットオフ周波数を高くするとノイズを十分に除去できないという問題があった。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、エッジを鈍らせることなくノイズを除去することができる、画像処理装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、画像信号に含まれるかつ所定色の色情報を有する複数の画素信号に信号処理を施す画像処理装置は、重み付け加算によって注目画素信号を補正する補正手段、および注目画素信号を含む部分領域に属する画素信号のばらつきが大きいほど注目画素信号に対する重み付けを大きくする重み付け制御手段を備えることを特徴とする。
【0007】
【作用】
画像信号に含まれるかつ所定色の色情報を有する複数の画素信号に信号処理を施すとき、補正手段は、重み付け加算によって注目画素信号を補正する。ここで、注目画素信号に対する重み付けは、重み付け制御手段によって制御される。具体的には、注目画素信号を含む部分領域に属する画素信号のばらつきが大きいほど、注目画素信号に対する重み付けが大きくされる。
【0008】
つまり、ばらつきが大きいときは、部分領域の画像は輝度変化が大きいエッジ画像であるとみなされ、重み付け加算にあたって注目画素信号が重視される。これに対して、ばらつきが小さいときは、部分領域の画像は輝度変化が小さい平坦画像であるとみなされ、重み付け加算にあたって注目画素信号が軽視される。
【0009】
補正手段は、好ましくは、注目画素信号と部分領域に属する複数の画素信号の平均値とに重み付け加算を施す。
【0010】
また、重み付け制御手段は、好ましくは、部分領域内において注目画素信号の周辺に存在する周辺画素信号と閾値との差分平均値を算出し、算出された差分平均値に基づいて注目画素信号に対する重み付け量を決定する。なお、閾値は、周辺画素信号の平均値であってもよい。
【0011】
注目画素信号を含む複数の部分領域が存在する場合、好ましくは、ばらつきが最も小さい部分領域が重み付け制御のために有効化される。有効化された部分領域は、複数の部分領域のうちで、周縁が画像のエッジに沿っている可能性が最も高い領域と言える。かかる部分領域に注目して上述の重み付け処理を行うことで、注目画素信号に適切な補正を施すことができる。
【0012】
画像信号は、好ましくは撮影手段から出力された信号である。
【0013】
【発明の効果】
この発明によれば、重み付け加算によって注目画素信号を補正するとき、部分領域に属する画素信号のばらつきが大きいほど、注目画素信号に対する重み付けを大きくするようにしたため、エッジを鈍らせることなくノイズを除去することができる。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0015】
【実施例】
図1を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、光電変換によって電荷を生成するイメージセンサ14を含む。イメージセンサ14の受光面には図2に示すような原色ベイヤ配列の色フィルタが装着され、被写界の光学像はこのような色フィルタ12を通してイメージセンサ14の受光面に入射される。したがって、各々の受光素子で生成される電荷量は、R(Red),G(Green)またはB(Blue)の光量を反映する。
【0016】
被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)をモニタ24に表示するとき、CPU30は、間引き読み出しをTG(Timing Generator)28に命令する。TG28は、イメージセンサ14を間引き方式で駆動すべく、対応するタイミング信号をイメージセンサ14に与える。これによって、各画素がR,GまたはBの色情報を有する低解像度の生画像信号がラスタスキャン態様でイメージセンサ14から読み出される。
【0017】
読み出された生画像信号は、CDS/AGC回路16およびA/D変換器18を経てフィルタ回路20に与えられる。生画像信号に含まれる高周波ノイズは、当該フィルタ回路20によって除去される。信号処理回路22は、フィルタ回路20から出力された生画像信号に色分離,白バランス調整,YUV変換およびNTSCエンコードの一連の処理を施し、NTSC方式のコンポジットビデオ信号を生成する。生成されたコンポジットビデオ信号はモニタ24に与えられ、この結果、被写界のスルー画像がモニタ24に表示される。
【0018】
シャッタボタン32が押されると、CPU30は、全画素読み出しをTG28に命令する。TG28はイメージセンサ14を全画素読み出し方式で駆動し、これによって高解像度の生画像信号がラスタスキャン態様でイメージセンサ14から読み出される。読み出された生画像信号は、上述と同様に各画素がR,GまたはBの色情報を有する信号であり、CDS/AGC回路16,A/D変換器18およびフィルタ回路20を介して信号処理回路22に与えられる。信号処理回路22は、被写体のフリーズ画像をモニタ24に表示すべく、上述の一連の処理(色分離→白バランス調整→YUV変換→NTSCエンコード)を実行する。信号処理回路22はさらに、YUV変換によって得られたYUV信号にJPEG圧縮を施し、圧縮画像信号を記録媒体26に記録する。
【0019】
フィルタ回路20は、具体的には図3に示すように構成される。A/D変換器18から出力された生画像信号は、G抽出回路20a,B抽出回路20bおよびR抽出回路20cに与えられる。生画像信号は各々の画素がR,GおよびBのいずれか1つの色情報のみを有する信号であるため、Gの色情報を有する生画素信号(G画素信号)はG抽出回路20aで抽出され、Bの色情報を有する生画素信号(B画素信号)はB抽出回路20bで抽出され、そしてRの色情報を有する生画素信号(R画素信号)はR抽出回路20cで抽出される。
【0020】
B抽出回路20bおよびR抽出回路20cで抽出されたB画素信号およびR画素信号は、そのままフィルタ回路20から出力される。これに対して、G抽出回路20aで抽出されたG生画素信号は、以下で述べるようなフィルタ処理を施される。このとき、図4に示すように中心にG画素が存在する3画素×3画素のマトリクスが注目される。なお、このマトリクスの中心に存在するG画素を特に“G0画素”と定義し、“G0画素”の周辺に存在する4つのG画素を特に“G1画素”,“G2画素”,“G3画素”および“G4画素”と定義する。
【0021】
平均値算出回路20dは、G1画素信号,G2画素信号,G3画素信号およびG4画素信号のレベルに数1に従う演算を施す。これによって、平均値G_aveが得られる。
【0022】
【数1】
【0023】
偏差算出回路20eは、G抽出回路20aから出力されたG1画素信号,G2画素信号,G3画素信号およびG4画素信号のレベルと平均値算出回路20dで算出された平均値G_aveとに数2に従う演算を施す。
【0024】
【数2】
【0025】
数2によれば、平均値G_aveとG1画素信号レベルとの差分絶対値,平均値G_aveとG2画素信号レベルとの差分絶対値,平均値G_aveとG3画素信号レベルとの差分絶対値および平均値G_aveとG4画素信号レベルとの差分絶対値の平均値が、偏差G_dとして算出される。算出された偏差G_dによって、周辺に存在するG画素信号のばらつき、つまり周辺に存在するG画素信号のレベルが平均値(閾値)からどの程度ずれているかが判明する。
【0026】
係数算出回路20fは、偏差算出回路20eによって算出された偏差G_dを閾値Gthと比較して係数Kを決定する。具体的には、G_d≧Gthのとき係数Kを“0.0”とし、G_d<Gthのとき数3に従って係数Kを決定する。
【0027】
【数3】
【0028】
ただし、係数Kの上限は“1.0”であり、係数算出回路20fは、数3の演算結果が“1.0”を超えるときに係数Kを“1.0”とする。これによって、係数Kは、偏差G_dとの間で図5に示すグラフを描く。
【0029】
加重加算回路20gは、平均値算出回路20dから出力された平均値G_aveならびにG抽出回路20aから出力されたG0画素信号レベルに対して、係数算出回路20fによって算出された係数Kに従う加重加算を行う。具体的には、数4に従う演算を実行する。
【0030】
【数4】
【0031】
したがって、係数Kが大きいほど平均値G_aveが重視され、係数Kが小さいほどG0画素信号レベルが重視される。加重加算回路20gからは、加重加算値G_outを示す補正G画素信号が出力される。
【0032】
図6に示すように、被写界の左半分のエリアLが高輝度で、被写界の右半分のエリアRが低輝度である場合、エリアLから抽出したマトリクスM1に含まれるG0画素信号〜G4画素信号はいずれも高レベルとなり、エリアRから抽出したマトリクスM3に含まれるG0画素信号〜G4画素信号はいずれも低レベルとなる。これに対して、エリアLおよびRの境界線を跨ぐマトリクスM2においては、G1画素信号およびG3画素信号が高レベルとなり、G0画素信号,G2画素信号およびG4画素信号が低レベルとなる。
【0033】
これより、図6に示す被写界像を水平方向(ラスタスキャン方向)に眺めると、G画素信号レベルつまり輝度レベルは図7に示すように段階的に変化することが分かる。また、偏差G_dは、図8に示すように、輝度レベルが変化する部分で急峻に立ち上がり、輝度レベルが変化しない部分で低い数値を示す。
【0034】
係数Kは偏差G_dとの間で図5に示すようなグラフを描き、G3画素信号レベルおよび平均値G_aveは数4に従う演算を施されるため、輝度レベルの変化が大きい部分ではG0画素信号に対する重み付けが大きくなり、輝度レベルの変化が小さい部分では平均値G_aveに対する重み付けが大きくなる。
【0035】
これによって、エッジ部分でフィルタ回路20から出力される補正G画素信号はG0画素信号(つまり生画素信号)の影響を強く受け、フラット部分でフィルタ回路20から出力される補正G画素信号は平均値G_ave(つまり平坦化画素信号)の影響を強く受ける。したがって、エッジが鈍るのを防止しつつ、S/Nを改善することが可能となる。
【0036】
他の実施例のディジタルカメラ10では、フィルタ回路20は図9に示すように構成される。
【0037】
A/D変換器18から出力された生画像信号は、G抽出回路20a,B抽出回路20bおよびR抽出回路20cに与えられる。図3に示すフィルタ回路20と同様、G画素信号はG抽出回路20aで抽出され、B画素信号はB抽出回路20bで抽出され、そしてR画素信号はR抽出回路20cで抽出される。
【0038】
B抽出回路20bおよびR抽出回路20cで抽出されたB画素信号およびR画素信号は、そのままフィルタ回路20から出力される。これに対して、G抽出回路20aで抽出されたG生画素信号は、次のようなフィルタ処理を施される。このときも、図10(A)〜図10(D)に示すように中心にG0画素が存在し、周辺にG1画素〜G4画素が存在する3画素×3画素のマトリクスが注目される。
【0039】
平均値算出回路201dは、図10(A)に示す領域1に属するG0画素,G1画素,G2画素およびG3画素に注目し、これらの画素の信号レベルに数5に従う演算を施す。これによって、平均値G_ave[1]が得られる。
【0040】
【数5】
【0041】
平均値算出回路202dは、図10(B)に示す領域2に属するG0画素,G1画素,G2画素およびG4画素に注目し、これらの画素の信号レベルに数6に従う演算を施す。これによって、平均値G_ave[2]が得られる。
【0042】
【数6】
【0043】
平均値算出回路203dは、図10(C)に示す領域3に属するG0画素,G1画素,G3画素およびG4画素に注目し、これらの画素の信号レベルに数7に従う演算を施す。これによって、平均値G_ave[3]が得られる。
【0044】
【数7】
【0045】
平均値算出回路204dは、図10(D)に示す領域4に属するG0画素,G2画素,G3画素およびG4画素に注目し、これらの画素の信号レベルに数8に従う演算を施す。これによって、平均値G_ave[4]が得られる。
【0046】
【数8】
【0047】
偏差算出回路201eは、G抽出回路20aから出力されたG0画素信号,G1画素信号,G2画素信号およびG3画素信号のレベルと平均値算出回路201dで算出された平均値G_ave[1]とに数9に従う演算を施す。算出された偏差G_d[1]によって、領域1に属するG画素信号のばらつき、つまり領域1に属するG画素信号のレベルが平均値(閾値)からどの程度ずれているかが判明する。
【0048】
【数9】
【0049】
偏差算出回路202eは、G抽出回路20aから出力されたG0画素信号,G1画素信号,G2画素信号およびG4画素信号のレベルと平均値算出回路202dで算出された平均値G_ave[2]とに数10に従う演算を施す。算出された偏差G_d[2]によって、領域2に属するG画素信号のばらつき、つまり領域2に属するG画素信号のレベルが平均値(閾値)からどの程度ずれているかが判明する。
【0050】
【数10】
【0051】
偏差算出回路203eは、G抽出回路20aから出力されたG0画素信号,G1画素信号,G3画素信号およびG4画素信号のレベルと平均値算出回路203dで算出された平均値G_ave[3]とに数11に従う演算を施す。算出された偏差G_d[3]によって、領域3に属するG画素信号のばらつき、つまり領域3に属するG画素信号のレベルが平均値(閾値)からどの程度ずれているかが判明する。
【0052】
【数11】
【0053】
偏差算出回路204eは、G抽出回路20aから出力されたG0画素信号,G2画素信号,G3画素信号およびG4画素信号のレベルと平均値算出回路204dで算出された平均値G_ave[4]とに数12に従う演算を施す。算出された偏差G_d[4]によって、領域4に属するG画素信号のばらつき、つまり領域4に属するG画素信号のレベルが平均値(閾値)からどの程度ずれているかが判明する。
【0054】
【数12】
【0055】
領域判別回路20iは、偏差算出回路201e〜204eによって算出された偏差G_d[1]〜G_d[4]を取り込み、このうち数値が最も小さい偏差に対応する領域を平坦領域と判別し、そして判別された平坦領域に対応する制御信号をセレクタ201h〜202hに与える。
【0056】
セレクタ201hは、平均値算出回路201d〜204dから出力された平均値G_ave[1]〜G_ave[4]を取り込み、領域判別回路20iから与えられた制御信号に対応する平均値をG_ave_sとして出力する。また、セレクタ202hは、偏差算出回路201e〜204eから出力された偏差G_d[1]〜G_d[4]を取り込み、領域判別回路20iから与えられた制御信号に対応する偏差をG_d_sとして出力する。
【0057】
したがって、偏差G_d[1]が最小値のときは領域1が平坦領域として特定され、平均値G_ave[1]および偏差G_d[1]がセレクタ201hおよび202hからそれぞれ出力される。また、偏差G_d[2]が最小値のときは領域2が平坦領域として特定され、平均値G_ave[2]および偏差G_d[2]がセレクタ201hおよび202hからそれぞれ出力される。さらに、偏差G_d[3]が最小値のときは領域3が平坦領域として特定され、平均値G_ave[3]および偏差G_d[3]がセレクタ201hおよび202hからそれぞれ出力される。さらにまた、偏差G_d[4]が最小値のときは領域4が平坦領域として特定され、平均値G_ave[4]および偏差G_d[4]がセレクタ201hおよび202hからそれぞれ出力される。
【0058】
係数算出回路20fは、セレクタ202hから出力された偏差G_d_sを閾値THと比較して係数Kを決定する。具体的には、G_d_s<THのとき係数Kを初期値INIとし、TH≦G_d_s<TH+INI/SLPのとき数13に従って係数Kを決定し、そしてTH+INI/SLP≦G_d_sのとき係数Kを“0.0”とする。これによって、係数Kは、偏差G_d_sとの間で図11に示すグラフを描く。
【0059】
【数13】
【0060】
加重加算回路20gは、セレクタ201hから出力された平均値G_ave_sならびにG抽出回路20aから出力されたG0画素信号レベルに対して、係数算出回路20fによって算出された係数Kに従う加重加算を行う。具体的には、数14に従う演算を実行する。
【0061】
【数14】
【0062】
したがって、係数Kが大きいほど平均値G_ave_sが重視され、係数Kが小さいほどG0画素信号レベルが重視される。加重加算回路20gからは、加重加算値G_outを示す補正G画素信号が出力される。
【0063】
偏差G_d[1]〜G_d[4]のうち偏差G_d[1]が最小値であれば、図10(A)に示すG0画素,G1画素,G2画素およびG3画素が平坦領域に属し、G2画素,G0画素およびG3画素が画像のエッジに接しているとみなすことができる。また、偏差G_d[1]〜G_d[4]のうち偏差G_d[2]が最小値であれば、図10(B)に示すG0画素,G1画素,G2画素およびG4画素が平坦領域に属し、G1画素,G0画素およびG4画素が画像のエッジに接しているとみなすことができる。
【0064】
さらに、偏差G_d[1]〜G_d[4]のうち偏差G_d[3]が最小値であれば、図10(C)に示すG0画素,G1画素,G3画素およびG4画素が平坦領域に属し、G1画素,G0画素およびG4画素が画像のエッジに接しているとみなすことができる。さらにまた、偏差G_d[1]〜G_d[4]のうち偏差G_d[1]が最小値であれば、図10(D)に示すG0画素,G2画素,G3画素およびG4画素が平坦領域に属し、G2画素,G0画素およびG3画素が画像のエッジに接しているとみなすことができる。
【0065】
この実施例では、画素信号レベルのばらつきが最も少ない領域が、領域判別回路20iによって平坦領域として特定される。G0画素信号のレベルは、特定された平坦領域に対応する偏差G_d_sおよび平均値G_ave_sに基づいて補正される。したがって、G0画素が斜め方向に延びるエッジに接するときでも適切なレベル補正が行われ、エッジの鈍化を防止することができる。
【0066】
この実施例では、3画素×3画素のマトリクスに含まれるいずれか1つのG画素が評価対象から除外されるため、垂直方向または水平方向に延びるエッジの鈍化を有効に防止できないという懸念が生じる。そこで、垂直方向に延びるエッジが現れる画像に図3実施例によってフィルタ処理を施した場合の平均値および偏差の変化と、同じく垂直方向に延びるエッジが現れる画像に図9実施例によってフィルタ処理を施した場合の平均値および偏差の変化とについて、以下に説明する。
【0067】
なお、水平方向に延びるエッジに対する処理は、垂直方向に延びるエッジに対する処理と大差ないため、説明を省略する。
【0068】
まず、図12(A)に示すマトリクスMに属するG0画素とその左側に隣接する画素との境界で、図12(B)に示すように信号レベルが立ち上がる場合を想定する。この場合、図3実施例に従って求められた平均値G_aveが図12(C)に破線で示すように変化するのに対して、図9実施例に従って求められた平均値G_ave_sは図12(C)に実線で示すように変化する。また、図3実施例に従って求められた偏差G_dが図12(D)に破線で示すように変化するのに対して、図9実施例に従って求められた偏差G_d_sは図12(D)に実線で示すように変化する。
【0069】
次に、図13(A)に示すマトリクスMに属するG0画素とその右側に隣接する画素との境界で、図13(B)に示すように信号レベルが立ち上がる場合を想定する。この場合、図3実施例に従って求められた平均値G_aveが図13(C)に破線で示すように変化するのに対して、図9実施例に従って求められた平均値G_ave_sは図13(C)に実線で示すように変化する。また、図3実施例に従って求められた偏差G_dが図13(D)に破線で示すように変化するのに対して、図9実施例に従って求められた偏差G_d_sは図13(D)に実線で示すように変化する。
【0070】
図12(C)および図13(C)のいずれにおいても、図9実施例に従って求められた平均値G_ave_sの方が、G0画素の信号レベルに近い。これは、図12(C)に示す平均値G_ave_sの算出に際して領域2または領域4が選択され、図13(C)に示す平均値G_ave_sの算出に際して領域1または領域3が選択され、いずれの場合も4画素のうち3画素の信号レベルがG0画素と一致するからである。なお、図3実施例に従う平均値G_aveの算出に用いられる4画素に注目すると、この4画素のうち2画素の信号レベルのみがG0画素と一致する。
【0071】
この実施例では、平均値G_ave_sに基づいてG0画素信号のレベルが補正される。具体的には、平均値G_ave_sとG0画素信号レベルとに係数Kに従う重み付け加算が施される(数13参照)。すると、平均値G_ave_sがG0画素信号のレベルに近いほど、補正G画素信号レベルもG0画素信号レベルに近い値を示す。このとき、係数Kの値は重要ではなく、係数Kの算出に用いられる偏差G_d_sの値もまた重要ではない。
【0072】
つまり、この実施例のように、領域1〜4のいずれかに属するG画素信号に基づいてG0画素信号にレベル補正を施すことによって、斜め方向に延びるエッジだけでなく、垂直方向または水平方向に延びるエッジについても鈍化を防止することができる。なお、平坦部におけるノイズ除去の効果については、有効化されるG画素の数が図3実施例と図9実施例とで同じであることから、両者に大差はないと思われる。
【0073】
なお、上述のいずれの実施例においても、緑色が輝度を大きく反映する点に着目して、G画素信号にフィルタ処理を施すようにしている。ここで、G画素信号は、原色フィルタを用いた場合だけでなく、補色フィルタ(色要素:Ye,Cy,Mg,G)を用いた場合でも得られる。したがって、この発明は、補色フィルタが装着されたディジタルカメラにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1実施例に適用される色フィルタの一例を示す図解図である。
【図3】図1実施例に適用されるフィルタ回路の一例を示すブロック図である。
【図4】注目画素がG画素であるときの周辺画素の分布状態を示す図解図である。
【図5】偏差と重み付け係数との関係を示すグラフである。
【図6】図1実施例の動作の一部を示す図解図である。
【図7】図6に示す被写界に対するG画素信号の変化を示すグラフである。
【図8】図6に示す被写界に対する偏差G_dの変化を示すグラフである。
【図9】この発明の他の実施例に適用されるフィルタ回路の一例を示すブロック図である。
【図10】図9実施例の動作の一部を示す図解図である。
【図11】偏差と重み付け係数との関係を示すグラフである。
【図12】(A)は色フィルタの配置の一部を示す図解図であり、(B)は画素信号のレベル変化の一例を示す波形図であり、(C)は平均値の変化の一例を示す波形図であり、(D)は偏差の変化の一例を示す波形図である。
【図13】(A)は色フィルタの配置の一部を示す図解図であり、(B)は画素信号のレベル変化の他の一例を示す波形図であり、(C)は平均値の変化の他の一例を示す波形図であり、(D)は偏差の変化の他の一例を示す波形図である。
【符号の説明】
10…ディジタルカメラ
12…色フィルタ
14…イメージセンサ
20…フィルタ回路
22…信号処理回路
Claims (6)
- 画像信号に含まれるかつ所定色の色情報を有する複数の画素信号に信号処理を施す画像処理装置において、
重み付け加算によって注目画素信号を補正する補正手段、および
前記注目画素信号を含む部分領域に属する画素信号のばらつきが大きいほど前記注目画素信号に対する重み付けを大きくする重み付け制御手段を備えることを特徴とする、画像処理装置。 - 前記補正手段は前記注目画素信号と前記部分領域に属する複数の画素信号の平均値とに重み付け加算を施す、請求項1記載の画像処理装置。
- 前記重み付け制御手段は、前記部分領域内において前記注目画素信号の周辺に存在する周辺画素信号と閾値との差分平均値を算出する算出手段、および前記差分平均値に基づいて前記注目画素信号に対する重み付け量を決定する決定手段を含む、請求項1または2記載の画像処理装置。
- 前記閾値は前記周辺画素信号の平均値である、請求項3記載の画像処理装置。
- 前記部分領域は複数存在し、
複数の部分領域の中から前記ばらつきが最も小さい部分領域を重み付け制御のために有効化する有効化手段をさらに備える、請求項1または2記載の画像処理装置。 - 前記画像信号は撮影手段から出力された信号である、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置。
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- 2002-11-25 JP JP2002340306A patent/JP2004054884A/ja active Pending
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