JP2004054565A - 健康管理方法と健康管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、健康管理システムにおいて、生体情報の取得日時の決定に用いられる時計の日時が誤って設定されたり次第にずれたりするのを防止すると共に、タイムゾーンが異なる複数の場所に配置された生体情報取得手段の時計を現地日時に正しく合わせることを課題とする。
【解決手段】生体情報の取得日時を、全地球測位システム用の衛星電波から算出した正確な日時に時差を加味して決定する。
【選択図】 図1
【解決手段】生体情報の取得日時を、全地球測位システム用の衛星電波から算出した正確な日時に時差を加味して決定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザの生体情報とその取得日時とを通信ネットワークを介してサーバに収集しユーザの健康状態を遠隔管理する健康管理方法および健康管理システムに関するものであり、特に生体情報の取得日時を正確に決定する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、日本では人口の急速な高齢化や医療の高度化に伴って、医療費の高騰と健康保険財政の逼迫が懸念され、従来推奨されてきた病気の早期発見、早期治療だけでなく、病気にならないための健康管理が、個人的には勿論、社会的にも求められつつある。
【0003】
一方、米国においては、病院で行うべき治療と自宅で可能な治療とが明確に区別され、手術を行った場合でも患者を数日で退院させ、訪問看護などにより経過を在宅管理することが広く行われている。
【0004】
これらの病気を未然に防ぐための健康管理や退院後の在宅管理を効率的に行う手段の一つとして、ユーザの体温、血圧や、家庭用血糖値センサで測定した血糖値などの生体情報を公衆回線やケーブルテレビ、インターネットなどの通信ネットワークを介してサーバに収集し、収集した生体情報を医師や管理栄養士など遠方に位置する専門家が参照して、必要に応じアドバイスをしたり通院を促したりする健康管理システムが提案されている。
【0005】
健康管理システムには、体温、血圧など、生体情報として取得される値に正確さが要求されるのは言うまでもないが、その取得日時も同様に正確であることが要求される。何故ならば、体温や血圧などの生体情報は人間の生活リズムに伴って変化するため、取得日時が曖昧だと生体情報の値だけをいくら正確に取得しても生理学的に正しく解釈することができないからである。
【0006】
取得日時の正確な記録を実現するには、生体情報の取得日時の決定に用いられる時計が正確である必要があるが、従来これを具現化する方法についてはあまり議論されてこなかった。
【0007】
例えば、特開平11−155824号公報には、生体情報取得手段において操作ボタンを極力削減し操作を容易にするという観点から、日時情報などを別途設けた補助手段で設定し、設定内容を生体情報取得手段に送信して内蔵された時計の日時を設定する技術が提案されているが、日時を正確に設定する方法や運用中に時計の日時が次第にずれたりするのを防止する方法については明言されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
生体情報が取得された日時を決定するのに用いられる時計の日時を設定する上で、大別して以下の2つの課題が存在する。
【0009】
第1に、時計の日時の初期設定をいかにして間違いなく行うか。また、運用中にずれが生じるのをいかにして防止するか。体温や血圧などの生体情報は人間の生活リズムに伴って変化するため、時計の日時設定を誤ると、ユーザの健康状態を誤解する原因となってしまう。例えば、時計の日時を午前と午後とを間違えて設定してしまうと、サーバに蓄積されるデータ上は、ユーザが体温を測定した日時が半日ずれて見える。このため、午後3時に体温を測定したとすると、あたかも深夜にわざわざ起きて体温を測定したかのように見える。そして、若干高くてしかるべき日中の体温が、通常なら体温が低下する深夜に測定されたものとして見えるので、何らかの体調不良が発生しているとの誤解を生じ、医療過誤につながる危険がある。また、万が一医療過誤が発生した場合の証拠能力を考慮すると、たとえ異常なデータであっても一旦取得された生体データとその取得日時とは安易に消去したり改変すべきではない。このため、取得日時を誤って記録してしまうと、その誤ったデータを後々までサーバで特別扱いして管理する必要が生じ、サーバにおけるデータ管理が煩雑になったり、煩雑さに伴ってソフトウェアバグの発生機会を増加させるという、別の課題をも誘発することにつながってしまう。こうした時計の設定間違いを防止するには、人為的ミスの排除が必要であり、時計の日時設定を自動的に行うか、本質的に日時設定を行う必要をなくすことが望ましい。また、特開平11−155824号公報で述べられているように、生体情報取得手段の操作をユーザにとって容易にするという観点も重要であり、その意味でも手作業による日時設定を排除することが望ましい。
【0010】
第2の課題は、時差がある複数の地域に配置された生体情報取得手段における取得日時をどのように管理するかである。健康管理システムを使用する場合には、ユーザが生体情報を取得する地域、サーバが配置されている地域、医師や管理栄養士が勤務する地域が離れており、それぞれの間に時差が存在する場合が発生する。なぜならば、ユーザにとっては、近隣に居住する医師や管理栄養士だけでなく、専門医のアドバイスを受けたいという需要が存在する。一方、健康管理システムを運用する側にも、広域的に事業を行いたいという需要が存在する。両者の需要に答えるには、近年における世界的な通信ネットワークの急速な発展を利用し、健康管理システムを国境を越えて、あるいは米国等における州の境界を越えて、世界規模で運営する場合が発生するからである。こうした場合でも、生体情報の変動リズムを考慮すると、生体情報の取得日時はユーザが生体情報を取得する地域における現地日時で表わすのが望ましい。従って、生体情報取得手段の所在地とサーバの所在地、医師や管理栄養士の勤務地間に時差がある場合や、複数存在する個々の生体情報取得手段の所在地間に時差がある場合でも、生体情報の取得日時は各生体情報取得手段の所在地における現地日時で表わすことが望ましい。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザの生体情報とその生体情報の取得日時とを通信ネットワークを介してサーバに収集し健康状態を遠隔管理する方法であって、前記生体情報の取得日時を全地球測位システム用の衛星電波で供給される日時情報と前記通信ネットワークを介して供給される時差情報とを用いて決定する健康管理方法としている。
【0012】
これにより、衛星電波を介して生体情報の取得日時を全地球測位システム用に運営されているセシウム時計が示す正確な日時を基準として決定するので、生体情報を世界中のどこで取得しても、人為的ミスにより生体情報の取得日時を誤って記憶してしまう危険を排除すると共に、記憶される取得日時が正しい日時から次第にずれてしまうのを防止することができる。さらに、時差情報を加味して生体情報の取得日時を決定するので、生体情報を時差が存在する世界中のどこで取得してもその取得日時を現地日時で正しく表わすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に係る健康管理方法は、ユーザの生体情報とその生体情報の取得日時とを通信ネットワークを介してサーバに収集し健康状態を遠隔管理する方法であって、前記生体情報の取得日時を衛星電波で供給される日時情報と前記通信ネットワークを介して供給される時差情報とを用いて決定する健康管理方法としている。
【0014】
そして、衛星電波を介して生体情報の取得日時を全地球測位システム用に運営されているセシウム時計が示す正確な日時を基準として決定するので、生体情報を世界中のどこで取得しても、人為的ミスにより生体情報の取得日時を誤って記憶してしまう危険を排除すると共に、記憶される取得日時が正しい日時から次第にずれてしまうのを防止することができる。さらに、時差情報を加味して生体情報の取得日時を決定するので、生体情報を時差が存在する世界中のどこで取得してもその取得日時を現地日時で正しく表わすことができる。
【0015】
本発明の請求項2に係る健康管理システムは、ユーザの生体情報とその生体情報の取得日時とを通信ネットワークを介してサーバに収集し健康状態を遠隔管理するシステムであって、前記生体情報の取得日時を衛星電波で供給される日時情報と前記通信ネットワークを介して供給される時差情報とを用いて決定する健康管理システムとしている。
【0016】
そして、衛星電波を介して生体情報の取得日時を全地球測位システム用に運営されているセシウム時計が示す正確な日時を基準として決定するので、生体情報を世界中のどこで取得しても、人為的ミスにより生体情報の取得日時を誤って記憶してしまう危険を排除すると共に、記憶される取得日時が正しい日時から次第にずれてしまうのを防止することができる。さらに、時差情報を加味して生体情報の取得日時を決定するので、生体情報を時差が存在する世界中のどこで取得してもその取得日時を現地日時で正しく表わすことができる。
【0017】
本発明の請求項3に係る健康管理システムは、ユーザの生体情報を取得しその生体情報の取得日時と共に一時的に保持する生体情報取得手段と、通信ネットワークと、前記生体情報取得手段により保持されている生体情報とその取得日時とを前記通信ネットワークを介して収集するサーバとを具備し、前記生体情報取得手段は、生体情報を取得する取得手段と、前記通信ネットワークを介して供給される時差情報を記憶する時差情報記憶手段と、全地球測位システム用の衛星電波を受信する衛星電波受信手段と、前記衛星電波受信手段により受信された衛星電波から日時を表わす情報を算出する日時算出手段と、前記日時算出手段により算出された日時と前記時差情報記憶手段に記憶されている時差情報とを用いて算出される当該生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時を前記取得手段により取得された生体情報と対応づけて一時的に保持する一時保持手段とを備えた請求項2記載の健康管理システムとしている。
【0018】
そして、時差情報記憶手段に通信ネットワークを介して時差情報を記憶させ、衛星電波受信手段により受信された衛星電波から日時算出手段が日時を表わす情報を算出し、時差情報記憶手段に記憶されている時差情報を加味して生体情報の取得日時を決定して一時保持手段に保持するので、一時保持手段に記憶される生体情報の取得日時が人為的ミスにより誤った日時になってしなう危険を排除し、正しい日時から次第にずれてしまうのを防止できると共に、生体情報を時差が存在する世界中のどこで取得してもその取得日時を現地日時で正しく表わすことができる。
【0019】
本発明の請求項4に係る健康管理システムは、時差情報記憶手段は生体情報取得手段が起動される度に時差情報を取得し記憶し直す構成とした請求項3記載の健康管理システムとしている。
【0020】
そして、時差情報記憶手段に記憶させる時差情報を生体情報取得手段が起動される度にネットワークから取得して記憶し直すことにより、生体情報取得手段がユーザ宅に初めて設置されたときにネットワークに接続した後に起動することにより、生体情報の取得日時がユーザ宅が存在する地域の現地日時で表わされるように自動的に設定できる。
【0021】
本発明の請求項5に係る健康管理システムは、生体情報取得手段は日時算出手段により算出された日時と時差情報記憶手段に記憶されている時差情報とを用いて算出される現地日時に設定可能な時計を有し、一時保持手段は生体情報の取得日時を前記時計を参照して決定する構成とした請求項3記載の健康管理システムとしている。
【0022】
そして、時計の日時を衛星電波と時差情報を用いて現地日時に設定し、生体情報の取得日時はその時計を参照して決定することにより、一時的な電波障害などで衛星電波を受信できない場合でも、生体情報の取得日時を正しい現地日時に決定することができる。
【0023】
本発明の請求項6に係る健康管理システムは、生体情報取得手段は、起動される度に時計の日時を設定する構成とした請求項5記載の健康管理システムとしている。
【0024】
そして、時計の日時を生体情報取得手段が起動される度に現地日時に再設定するので、生体情報取得手段がユーザ宅に初めて設置されたときにネットワークに接続した後に起動することにより、生体情報の取得日時がユーザ宅が存在する地域の現地日時で表わされるように自動的に設定できる。また、生体情報取得手段が起動される度に時計の日時を再設定するので、生体情報の取得日時決定に用いられる時計の日時が正しい日時から次第にずれるのを良好に防止することができる。
【0025】
本発明の請求項7に係る健康管理システムは、所定の周期で時計の日時を設定する構成とした請求項5記載の健康管理システムとしている。
【0026】
そして、生体情報取得手段が再起動されるか否かに関わらず、定期的に時計の日時を現地日時に再設定するので、生体情報取得手段を長期間に渡って再起動することなく連続使用する場合でも、生体情報の取得日時決定に用いられる時計の日時が正しい日時から次第にずれるのを良好に防止することができる。
【0027】
本発明の請求項8に係る健康管理システムは、生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時と日時算出手段により算出される日時との時差を表わす情報を時差情報記憶手段へと供給する時差情報供給手段を備えた請求項3記載の健康管理システムとしている。
【0028】
そして、生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時と日時算出手段により算出される日時との時差を表わす情報を、その生体情報取得手段を使用するユーザの情報と共にサーバで一元管理できるので、各生体情報取得手段の時差情報を誤りなく設定することができる。
【0029】
本発明の請求項9に係る健康管理システムは、生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時と日時算出手段により算出される日時との時差を表わす情報を各生体情報取得手段毎に記憶する生体情報取得手段別時差記憶手段を備えた請求項8記載の健康管理システムとしている。
【0030】
そして、生体情報取得手段別時差記憶手段に記憶している時差を表わす情報を読み出して複数の生体情報取得手段が個々に有する時差情報記憶手段へ個別に供給することにより、各生体情報取得手段の時差情報を誤りなく設定することができる。
【0031】
本発明の請求項10に係る健康管理システムは、日時算出手段はグリニッジ標準時で表わされる日時を算出し、時差情報供給手段は生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時とグリニッジ標準時との時差を表わす情報を各生体情報取得手段毎に記憶する生体情報取得手段別時差記憶手段を備えた請求項8記載の健康管理システムとしている。
【0032】
そして、日時算出手段により算出される日時をグリニッジ標準時に固定することにより生体情報取得手段別時差記憶手段に記憶させる時差情報を各生体情報取得手段が設置される地域のタイムゾーンに基づいて決定することができるので、時差情報供給手段に時差情報を設定する際に間違いをおかす危険を未然に低減させることができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0034】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の健康管理システムを示す構成図である。
【0035】
図1において、1−1はユーザ宅に配置され、ユーザの生体情報を取得し取得日時と共に一時的に保持する生体情報取得手段であり、内部に時差情報を記憶する時差情報記憶手段1aと、全地球測位システム用に人工衛星から送信されている衛星電波を受信する衛星電波受信手段1bと、衛星電波受信手段1bにより受信された衛星電波からグリニッジ標準時で表わした日時を算出する日時算出手段1cと、日時算出手段1cにより算出された日時と時差情報記憶手段1aに記憶されている時差情報とを用いて生体情報取得手段1−1が配置されている地域における現地日時を算出する現地日時算出手段1dと、生体情報を取得する取得手段1eと、取得手段1eにより取得された生体情報と現地日時算出手段1dにより算出された現地日時とを対応づけて一時的に保持する一時保持手段1fと、一時保持手段1fに記憶された生体情報とその取得日時を表示する表示手段1gと、生体情報取得手段1−1固有の識別子を記憶している識別子記憶手段1hとを有している。また、1−2〜1−Nは、生体情報取得手段1−1と同一の構造を持った生体情報取得手段である。生体情報取得手段1−1〜1−Nは、それぞれ異なるユーザの生体情報を取得すべく、各ユーザの家庭に置かれている。識別子記憶手段1hには、生体情報取得手段1−1〜1−Nでそれぞれ異なる識別子が記憶されている。また、2は通信ネットワークである。3はデータを収集するサーバであり、ユーザに関わるデータを記憶するデータベース3aと、時差情報を供給する時差情報供給手段3bを備えている。時差情報供給手段3bは、内部に、生体情報取得手段1−1〜1−Nそれぞれが配置されている地域における現地日時と日時算出手段1cにより算出される日時との時差を個別に記憶する生体情報取得手段別時差記憶手段3cを有している。また、4は医師や管理栄養士などが、データベース3aに記憶されている生体情報を参照し、必要に応じてメッセージを書き込む医師端末である。この医師端末4は、パーソナルコンピュータに専用ソフトウェアを搭載することにより実現されている。また、5−1〜5−Nは、それぞれ生体情報取得手段1−1〜1−Nと共にユーザの家庭に置かれた、ユーザの生体情報を測定する測定手段である。測定手段5−1〜5−Nは、測定値を赤外線で送信可能な体温計により実現されている。
【0036】
次に、動作、作用について説明する。ただし、生体情報取得手段1−1〜1−Nおよび測定手段5−1〜5−Nの動作についての説明は、特に必要な場合を除いて、生体情報取得手段1−1および測定手段5−1の動作で代表する。
【0037】
識別子記憶手段1hは、生体情報取得手段1−1〜1−Nそれぞれで異なる固有の識別子を記憶している。以下、説明の都合上、生体情報取得手段1−1中の識別子記憶手段1hが記憶している識別子をid1で、生体情報取得手段1−2中の識別子記憶手段1hが記憶している識別子をid2で表わす。
【0038】
サーバ3中の生体情報取得手段別時差記憶手段3cは、生体情報取得手段1−1〜1−Nそれぞれに対して、各生体情報取得手段1−1〜1−Nが配置されている地域における現地日時と日時算出手段1cにより算出される日時との時差を、各生体情報取得手段1−1〜1−N中の識別子記憶手段1hが記憶している識別子に対応づけて記憶している。
【0039】
例えば、生体情報取得手段1−1が日本に、生体情報取得手段1−2が中華民国に配置されている場合を例にとると、日時算出手段1cにより算出される日時はグリニッジ標準時で表わした日時であるので、生体情報取得手段別時差記憶手段3cには、表1に示すように、識別子id1には時差が日本のタイムゾーンに相当する時差である+9時間を示す値として+9:00を、識別子id2には時差が中華民国のタイムゾーンに相当する時差である+8時間を示す値として+8:00を対応づけて記憶している。
【0040】
【表1】
【0041】
生体情報取得手段1−1は、起動されたときに識別子記憶手段1hに記憶されている識別子を読み出し、時差情報要求信号と共に通信ネットワーク2を介してサーバ3へと供給する。
【0042】
サーバ3は、時差情報要求信号が供給されたとき、その時差情報要求信号と共に供給された識別子を読み込み、その識別子に対応する時差を生体情報取得手段別時差記憶手段3cから読み出して、生体情報取得手段1−1〜1−Nのうち識別子に対応するものへと供給する。
【0043】
例えば、生体情報取得手段別時差記憶手段3cに表1の情報が記憶されている場合を例にとると、時差情報要求信号と共に供給された識別子の値がid1である場合には時差+9:00を読み出して生体情報取得手段1−1へと供給し、識別子の値がid2である場合には時差+8:00を読み出して生体情報取得手段1−2へと供給することになる。
【0044】
時差情報記憶手段1aは、サーバ3から供給された時差を記憶する。
【0045】
この結果、生体情報取得手段1−1中の時差情報記憶手段1aは時差として+9:00を、生体情報取得手段1−2中の時差情報記憶手段1aは時差として+8:00をそれぞれ記憶することになる。
【0046】
衛星電波受信手段1bは、全地球測位システム用に地球を周回している衛星のうち4つの衛星から供給される電波を常時受信し、日時算出手段1cへと供給している。
【0047】
日時算出手段1cは、衛星電波受信手段1bより供給された衛星電波からグリニッジ標準時で表わした日時を常時算出して現地日時算出手段1dへと供給している。
【0048】
現地日時算出手段1dは、時差情報記憶手段1aに記憶されている時差情報を読み出し、日時算出手段1cにより算出された日時に加算して現地日時を常時算出している。
【0049】
例えば、日時算出手段1cにより算出されたグリニッジ標準時で表わした日時が2002年5月27日午前0時27分15秒である場合には、生体情報取得手段1−1中の現地日時算出手段1dにより算出される現地日時は2002年5月27日午前9時27分15秒となり、生体情報取得手段1−2中の現地日時算出手段1dにより算出される現地日時は2002年5月27日午前8時27分15秒となる。
【0050】
このようにして、生体情報取得手段1−1〜1−N中の現地日時算出手段1dは、各生体情報取得手段1−1〜1−Nが配置されている地域における現地日時を常時算出する。
【0051】
測定手段5−1は、ユーザの操作により生体情報のひとつである体温を測定する。測定手段5−1は、この測定された生体情報を赤外線に変換したディジタル信号として生体情報取得手段1−1へ送信する。
【0052】
生体情報取得手段1−1中の取得手段1eは、測定手段5−1から送信されてきたディジタル信号が表わす生体情報を自動的に読み込み、一時保持手段1fへと供給する。
【0053】
一時保持手段1fは、取得手段1eから生体情報が供給されたとき、現地日時算出手段1dにより算出された現地日時を読み込んで生体情報の取得日時とみなし、両者を対応づけて一時的に保持すると共に、保持した生体情報の値とその取得日時とを表示手段1gに表示する。
【0054】
生体情報取得手段1−1は、一時保持手段1fにより新たな生体情報とその取得日時が保持されたとき、通信ネットワーク2を介してサーバ3へと接続を試みる。接続が成功した場合には、生体情報取得手段1−1は識別子記憶手段1hに記憶されている識別子を読み出し、読み出した識別子と、一時保持手段1fに保持されている生体情報およびその取得日時とを通信ネットワーク2を介してサーバ3へと送信する。一方、接続が成功しなかった場合には、所定の時間待った後、再びサーバ3への接続と、識別子と生体情報およびその取得日時とをサーバ3へと送信する試みを繰り返す。再び接続が成功しなかった場合には、所定の時間待ち送信を試みる動作を接続が成功するまで繰り返す。
【0055】
サーバ3は、通信ネットワーク2を介して識別子と生体情報およびその取得日時が生体情報取得手段1−1〜1−Nから送信されてきたとき、その識別子と生体情報および取得日時とを対応づけてデータベース3aに記憶させる。
【0056】
医師や管理栄養士は、データベース3aに記憶されている生体情報を通信ネットワーク2を介して医師端末4で参照し、必要に応じてアドバイスや通院を促すメッセージをデータベース3aに書き込む。
【0057】
書き込まれたメッセージは通信ネットワーク2を介して生体情報取得手段1−1〜1−Nへと供給され、表示手段1gに表示される。
【0058】
本実施例によれば、時差情報記憶手段1aに時差情報を記憶し、衛星電波受信手段1bにより受信された衛星電波を介して日時算出手段1cが全地球測位システム用に運営されているセシウム時計が示す正確な日時を算出し、現地日時算出手段1dにより時差情報を加味して現地日時を常時算出して生体情報の取得日時の決定に用いるので、取得日時の決定に用いられる時計が人為的ミスで誤って設定されるのを良好に防止できるとともに、運用中に時計の日時にずれが生じるのも良好に防止することができる。
【0059】
また、生体情報取得手段1−1が起動されたときに生体情報取得手段別時差記憶手段3cから読み出した時差情報が時差情報記憶手段1aに記憶されるので、生体情報取得手段1−1を新たに設置する際にサーバ3と接続可能な状態で起動するだけで、タイムゾーンを気にすることなく生体情報取得手段1−1を世界中のどこに置いて健康管理システムを運営しても、生体情報取得手段1−1が設置された地域における現地日時に基づいて生体情報の取得日時を決定することができる。
【0060】
また、あるユーザが生体情報取得手段1−1の使用をやめたときには、消毒などの処置を施した後に生体情報取得手段1−1を別のユーザに使用してもらうことも十分考えられるが、生体情報取得手段1−1を最初に使っていたユーザの居住地と新たに使用するユーザの居住地の間に時差がある場合でも、サーバ3側において生体情報取得手段別時差記憶手段3cに記憶させる時差情報を変更するだけで、生体情報取得手段1−1側では再設定を行うことなく新たなユーザの居住地における現地日時に基づいて生体情報の取得日時を決定することができる。
【0061】
また、仮に生体情報取得手段別時差記憶手段3cに時差情報を誤って記憶させてしまった場合でも、サービス技術者がわざわざユーザ宅まで出向いたりユーザに時計の日時を合わせ直すよう要請したりすることなく、サーバ3側で正しい時差情報を生体情報取得手段別時差記憶手段3cに記憶させ直し、生体情報取得手段1−1を再起動するだけで容易に誤りを正すことができる。
【0062】
また、サーバ3において時差情報供給手段3bに記憶させる時差情報を決定することにより、ユーザとそのユーザが使用する生体情報取得手段に関する情報をサーバ3で一元管理して、各生体情報取得手段1−1〜1−Nの時差情報を誤りなく設定することができる。
【0063】
また、日時算出手段1cはグリニッジ標準時で表わされる日時を算出するので、生体情報取得手段別時差記憶手段3cには各生体情報取得手段1−1〜1−Nが配置されている地域における現地日時とグリニッジ標準時との時差を表わす情報を記憶させればよく、日時算出手段1cがグリニッジ標準時からずれた日時を算出する場合よりも生体情報取得手段別時差記憶手段3cに記憶させる時差情報を誤って設定してしまう危険を未然に低減できる。
【0064】
なお、測定手段5−1〜5−Nが測定する生体情報は血圧や血糖値など、体温以外のものであってもよいし、複数の測定器を組合わせ、様々な生体情報を測定できるようにしても構わない。また、測定手段5−1は体温計、測定手段5−2は血糖計というように、ユーザの症状に応じて測定する生体情報を個別に指定できるようにしても構わない。
【0065】
また、本実施例では測定手段5−1は測定結果を赤外線を用いて生体情報取得手段1−1へと送信するとしたが、測定手段5−1には家庭にある水銀体温計を用い、取得手段1eとしてはタッチパネルやキーボードを設け、ユーザがマニュアル操作で生体情報を入力できるようにしてもよい。ただし、操作間違いにより生体情報が誤って記録されるのを防止するためには、本実施例に述べたように、測定手段5−1の測定結果を自動的に生体情報取得手段1−1へと送信する方が望ましい。この送信方法は赤外線に限らず、無線電波や有線による通信を用いてもよいのは勿論である。
【0066】
(実施例2)
生体情報取得手段1−1を図2のように構成してもよい。
【0067】
図2において、10は水晶発信器を内蔵して日時を刻む時計である。その他、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0068】
次に、動作、作用について説明する。
【0069】
生体情報取得手段1−1は、起動されたときに識別子記憶手段1hに記憶されている識別子を読み出し、時差情報要求信号と共に通信ネットワーク2を介してサーバ3へと供給する。
【0070】
サーバ3は、時差情報要求信号が供給されたとき、その時差情報要求信号と共に供給された識別子を読み込み、その識別子に対応する時差を生体情報取得手段別時差記憶手段3cから読み出して、生体情報取得手段1−1〜1−Nのうち識別子に対応するものへと供給する。
【0071】
時差情報記憶手段1aは、サーバ3から供給された時差を記憶する。
【0072】
衛星電波受信手段1bは、全地球測位システム用に地球を周回している衛星のうち4つの衛星から供給される電波を受信し、日時算出手段1cへと供給する。
【0073】
日時算出手段1cは、衛星電波受信手段1bより供給された衛星電波からグリニッジ標準時で表わした日時を算出して現地日時算出手段1dへと供給する。
【0074】
現地日時算出手段1dは、時差情報記憶手段1aに記憶されている時差情報を読み出し、日時算出手段1cにより算出された日時に加算して現地日時を算出し、時計10へと供給する。
【0075】
時計10は、現地日時算出手段1dから現地日時が供給されたとき自らが刻む日時を供給された現地日時に設定する。この後、時計10は内蔵する水晶発信器を用いて日時を刻み続ける。
【0076】
以上説明した衛星電波受信手段1b、日時算出手段1c、現地日時算出手段1dは、生体情報取得手段1−1が起動された後時計10に現地日時が設定され終わるまでだけ操作し、その後は生体情報取得手段1−1から電源供給を絶たれて動作を停止する。
【0077】
測定手段5−1は、ユーザの操作により生体情報のひとつである体温を測定する。測定手段5−1は、この測定された生体情報を赤外線に変換したディジタル信号として生体情報取得手段1−1へ送信する。
【0078】
生体情報取得手段1−1中の取得手段1eは、測定手段5−1から送信されてきたディジタル信号が表わす生体情報を自動的に読み込み、一時保持手段1fへと供給する。
【0079】
生体情報取得手段1−1は、取得手段1eから生体情報が供給されたとき、時計10が刻む日時を読み込んで生体情報の取得日時とみなし、両者を対応づけて一時的に保持すると共に、保持した生体情報の値とその取得日時とを表示手段1gに表示する。
【0080】
生体情報取得手段1−1がサーバ3へと生体情報とその測定日時を送信する動作と、サーバ3、医師端末4の動作は実施例1と全く同じなので詳しい説明は省略する。
【0081】
本実施例によれば、生体情報取得手段1−1が起動されたときに時計10の日時を現地日時に自動的に設定するので、生体情報取得手段1−1を新たに設置する際にサーバ3と接続可能な状態で起動するだけで、タイムゾーンを気にすることなく国境や州境を越えて生体情報取得手段1−1を世界中のどこに置いて健康管理システムを運営しても、生体情報取得手段1−1が設置された地域における現地日時に基づいて生体情報の取得日時を決定することができる。また、システムの運用中に時計の日時にずれが生じるのを良好に防止できる。
【0082】
また、現地日時算出手段1dにより算出された現地日時に日時を設定された後は内蔵する水晶発信器を用いて日時を刻み、一時保持手段1fは時計10の日時を読み込んで生体情報の取得日時とするので、一時的な電波障害などで衛星電波受信手段1bが衛星電波を受信できない場合でも、一時保持手段1fが取得日時を正しく保持することができる。
【0083】
また、時計10に現地日時を設定した後は衛星電波受信手段1b、日時算出手段1c、現地日時算出手段1dの電源を断つので、生体情報取得手段1−1の消費電力を押さえることができる。
【0084】
なお、時計10の日時を設定する動作を生体情報取得手段1−1が起動されたときだけでなく、半日や1日など所定の時間間隔で周期的に繰り返し行うようにしてもよい。このようにすれば、生体情報取得手段1−1を長期間に渡り電源を落すことなく連続して使用しても、時計10の日時に狂いが生じるのを未然に防止することができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の健康管理方法および健康管理装置は、生体情報の取得日時を全地球測位システム用に運営されているセシウム時計が示す正確な日時を基準とし、さらに時差情報を加味して決定するので、人為的ミスによる日時の設定間違いや時計の日時がしだいにずれることを防止できるとともに、時差が存在する場合でも生体情報の取得日時をユーザの所在地における現地日時で容易に表わすことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における健康管理システムの構成図
【図2】本発明の実施例2における生体情報取得手段の構成図
【符号の説明】
1−1〜1−N 生体情報取得手段
1a 時差情報記憶手段
1b 衛星電波受信手段
1c 日時算出手段
1e 取得手段
1f 一時保持手段
2 通信ネットワーク
3 サーバ
3b 時差情報供給手段
3c 生体情報取得手段別時差記憶手段
10 時計
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザの生体情報とその取得日時とを通信ネットワークを介してサーバに収集しユーザの健康状態を遠隔管理する健康管理方法および健康管理システムに関するものであり、特に生体情報の取得日時を正確に決定する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、日本では人口の急速な高齢化や医療の高度化に伴って、医療費の高騰と健康保険財政の逼迫が懸念され、従来推奨されてきた病気の早期発見、早期治療だけでなく、病気にならないための健康管理が、個人的には勿論、社会的にも求められつつある。
【0003】
一方、米国においては、病院で行うべき治療と自宅で可能な治療とが明確に区別され、手術を行った場合でも患者を数日で退院させ、訪問看護などにより経過を在宅管理することが広く行われている。
【0004】
これらの病気を未然に防ぐための健康管理や退院後の在宅管理を効率的に行う手段の一つとして、ユーザの体温、血圧や、家庭用血糖値センサで測定した血糖値などの生体情報を公衆回線やケーブルテレビ、インターネットなどの通信ネットワークを介してサーバに収集し、収集した生体情報を医師や管理栄養士など遠方に位置する専門家が参照して、必要に応じアドバイスをしたり通院を促したりする健康管理システムが提案されている。
【0005】
健康管理システムには、体温、血圧など、生体情報として取得される値に正確さが要求されるのは言うまでもないが、その取得日時も同様に正確であることが要求される。何故ならば、体温や血圧などの生体情報は人間の生活リズムに伴って変化するため、取得日時が曖昧だと生体情報の値だけをいくら正確に取得しても生理学的に正しく解釈することができないからである。
【0006】
取得日時の正確な記録を実現するには、生体情報の取得日時の決定に用いられる時計が正確である必要があるが、従来これを具現化する方法についてはあまり議論されてこなかった。
【0007】
例えば、特開平11−155824号公報には、生体情報取得手段において操作ボタンを極力削減し操作を容易にするという観点から、日時情報などを別途設けた補助手段で設定し、設定内容を生体情報取得手段に送信して内蔵された時計の日時を設定する技術が提案されているが、日時を正確に設定する方法や運用中に時計の日時が次第にずれたりするのを防止する方法については明言されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
生体情報が取得された日時を決定するのに用いられる時計の日時を設定する上で、大別して以下の2つの課題が存在する。
【0009】
第1に、時計の日時の初期設定をいかにして間違いなく行うか。また、運用中にずれが生じるのをいかにして防止するか。体温や血圧などの生体情報は人間の生活リズムに伴って変化するため、時計の日時設定を誤ると、ユーザの健康状態を誤解する原因となってしまう。例えば、時計の日時を午前と午後とを間違えて設定してしまうと、サーバに蓄積されるデータ上は、ユーザが体温を測定した日時が半日ずれて見える。このため、午後3時に体温を測定したとすると、あたかも深夜にわざわざ起きて体温を測定したかのように見える。そして、若干高くてしかるべき日中の体温が、通常なら体温が低下する深夜に測定されたものとして見えるので、何らかの体調不良が発生しているとの誤解を生じ、医療過誤につながる危険がある。また、万が一医療過誤が発生した場合の証拠能力を考慮すると、たとえ異常なデータであっても一旦取得された生体データとその取得日時とは安易に消去したり改変すべきではない。このため、取得日時を誤って記録してしまうと、その誤ったデータを後々までサーバで特別扱いして管理する必要が生じ、サーバにおけるデータ管理が煩雑になったり、煩雑さに伴ってソフトウェアバグの発生機会を増加させるという、別の課題をも誘発することにつながってしまう。こうした時計の設定間違いを防止するには、人為的ミスの排除が必要であり、時計の日時設定を自動的に行うか、本質的に日時設定を行う必要をなくすことが望ましい。また、特開平11−155824号公報で述べられているように、生体情報取得手段の操作をユーザにとって容易にするという観点も重要であり、その意味でも手作業による日時設定を排除することが望ましい。
【0010】
第2の課題は、時差がある複数の地域に配置された生体情報取得手段における取得日時をどのように管理するかである。健康管理システムを使用する場合には、ユーザが生体情報を取得する地域、サーバが配置されている地域、医師や管理栄養士が勤務する地域が離れており、それぞれの間に時差が存在する場合が発生する。なぜならば、ユーザにとっては、近隣に居住する医師や管理栄養士だけでなく、専門医のアドバイスを受けたいという需要が存在する。一方、健康管理システムを運用する側にも、広域的に事業を行いたいという需要が存在する。両者の需要に答えるには、近年における世界的な通信ネットワークの急速な発展を利用し、健康管理システムを国境を越えて、あるいは米国等における州の境界を越えて、世界規模で運営する場合が発生するからである。こうした場合でも、生体情報の変動リズムを考慮すると、生体情報の取得日時はユーザが生体情報を取得する地域における現地日時で表わすのが望ましい。従って、生体情報取得手段の所在地とサーバの所在地、医師や管理栄養士の勤務地間に時差がある場合や、複数存在する個々の生体情報取得手段の所在地間に時差がある場合でも、生体情報の取得日時は各生体情報取得手段の所在地における現地日時で表わすことが望ましい。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザの生体情報とその生体情報の取得日時とを通信ネットワークを介してサーバに収集し健康状態を遠隔管理する方法であって、前記生体情報の取得日時を全地球測位システム用の衛星電波で供給される日時情報と前記通信ネットワークを介して供給される時差情報とを用いて決定する健康管理方法としている。
【0012】
これにより、衛星電波を介して生体情報の取得日時を全地球測位システム用に運営されているセシウム時計が示す正確な日時を基準として決定するので、生体情報を世界中のどこで取得しても、人為的ミスにより生体情報の取得日時を誤って記憶してしまう危険を排除すると共に、記憶される取得日時が正しい日時から次第にずれてしまうのを防止することができる。さらに、時差情報を加味して生体情報の取得日時を決定するので、生体情報を時差が存在する世界中のどこで取得してもその取得日時を現地日時で正しく表わすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に係る健康管理方法は、ユーザの生体情報とその生体情報の取得日時とを通信ネットワークを介してサーバに収集し健康状態を遠隔管理する方法であって、前記生体情報の取得日時を衛星電波で供給される日時情報と前記通信ネットワークを介して供給される時差情報とを用いて決定する健康管理方法としている。
【0014】
そして、衛星電波を介して生体情報の取得日時を全地球測位システム用に運営されているセシウム時計が示す正確な日時を基準として決定するので、生体情報を世界中のどこで取得しても、人為的ミスにより生体情報の取得日時を誤って記憶してしまう危険を排除すると共に、記憶される取得日時が正しい日時から次第にずれてしまうのを防止することができる。さらに、時差情報を加味して生体情報の取得日時を決定するので、生体情報を時差が存在する世界中のどこで取得してもその取得日時を現地日時で正しく表わすことができる。
【0015】
本発明の請求項2に係る健康管理システムは、ユーザの生体情報とその生体情報の取得日時とを通信ネットワークを介してサーバに収集し健康状態を遠隔管理するシステムであって、前記生体情報の取得日時を衛星電波で供給される日時情報と前記通信ネットワークを介して供給される時差情報とを用いて決定する健康管理システムとしている。
【0016】
そして、衛星電波を介して生体情報の取得日時を全地球測位システム用に運営されているセシウム時計が示す正確な日時を基準として決定するので、生体情報を世界中のどこで取得しても、人為的ミスにより生体情報の取得日時を誤って記憶してしまう危険を排除すると共に、記憶される取得日時が正しい日時から次第にずれてしまうのを防止することができる。さらに、時差情報を加味して生体情報の取得日時を決定するので、生体情報を時差が存在する世界中のどこで取得してもその取得日時を現地日時で正しく表わすことができる。
【0017】
本発明の請求項3に係る健康管理システムは、ユーザの生体情報を取得しその生体情報の取得日時と共に一時的に保持する生体情報取得手段と、通信ネットワークと、前記生体情報取得手段により保持されている生体情報とその取得日時とを前記通信ネットワークを介して収集するサーバとを具備し、前記生体情報取得手段は、生体情報を取得する取得手段と、前記通信ネットワークを介して供給される時差情報を記憶する時差情報記憶手段と、全地球測位システム用の衛星電波を受信する衛星電波受信手段と、前記衛星電波受信手段により受信された衛星電波から日時を表わす情報を算出する日時算出手段と、前記日時算出手段により算出された日時と前記時差情報記憶手段に記憶されている時差情報とを用いて算出される当該生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時を前記取得手段により取得された生体情報と対応づけて一時的に保持する一時保持手段とを備えた請求項2記載の健康管理システムとしている。
【0018】
そして、時差情報記憶手段に通信ネットワークを介して時差情報を記憶させ、衛星電波受信手段により受信された衛星電波から日時算出手段が日時を表わす情報を算出し、時差情報記憶手段に記憶されている時差情報を加味して生体情報の取得日時を決定して一時保持手段に保持するので、一時保持手段に記憶される生体情報の取得日時が人為的ミスにより誤った日時になってしなう危険を排除し、正しい日時から次第にずれてしまうのを防止できると共に、生体情報を時差が存在する世界中のどこで取得してもその取得日時を現地日時で正しく表わすことができる。
【0019】
本発明の請求項4に係る健康管理システムは、時差情報記憶手段は生体情報取得手段が起動される度に時差情報を取得し記憶し直す構成とした請求項3記載の健康管理システムとしている。
【0020】
そして、時差情報記憶手段に記憶させる時差情報を生体情報取得手段が起動される度にネットワークから取得して記憶し直すことにより、生体情報取得手段がユーザ宅に初めて設置されたときにネットワークに接続した後に起動することにより、生体情報の取得日時がユーザ宅が存在する地域の現地日時で表わされるように自動的に設定できる。
【0021】
本発明の請求項5に係る健康管理システムは、生体情報取得手段は日時算出手段により算出された日時と時差情報記憶手段に記憶されている時差情報とを用いて算出される現地日時に設定可能な時計を有し、一時保持手段は生体情報の取得日時を前記時計を参照して決定する構成とした請求項3記載の健康管理システムとしている。
【0022】
そして、時計の日時を衛星電波と時差情報を用いて現地日時に設定し、生体情報の取得日時はその時計を参照して決定することにより、一時的な電波障害などで衛星電波を受信できない場合でも、生体情報の取得日時を正しい現地日時に決定することができる。
【0023】
本発明の請求項6に係る健康管理システムは、生体情報取得手段は、起動される度に時計の日時を設定する構成とした請求項5記載の健康管理システムとしている。
【0024】
そして、時計の日時を生体情報取得手段が起動される度に現地日時に再設定するので、生体情報取得手段がユーザ宅に初めて設置されたときにネットワークに接続した後に起動することにより、生体情報の取得日時がユーザ宅が存在する地域の現地日時で表わされるように自動的に設定できる。また、生体情報取得手段が起動される度に時計の日時を再設定するので、生体情報の取得日時決定に用いられる時計の日時が正しい日時から次第にずれるのを良好に防止することができる。
【0025】
本発明の請求項7に係る健康管理システムは、所定の周期で時計の日時を設定する構成とした請求項5記載の健康管理システムとしている。
【0026】
そして、生体情報取得手段が再起動されるか否かに関わらず、定期的に時計の日時を現地日時に再設定するので、生体情報取得手段を長期間に渡って再起動することなく連続使用する場合でも、生体情報の取得日時決定に用いられる時計の日時が正しい日時から次第にずれるのを良好に防止することができる。
【0027】
本発明の請求項8に係る健康管理システムは、生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時と日時算出手段により算出される日時との時差を表わす情報を時差情報記憶手段へと供給する時差情報供給手段を備えた請求項3記載の健康管理システムとしている。
【0028】
そして、生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時と日時算出手段により算出される日時との時差を表わす情報を、その生体情報取得手段を使用するユーザの情報と共にサーバで一元管理できるので、各生体情報取得手段の時差情報を誤りなく設定することができる。
【0029】
本発明の請求項9に係る健康管理システムは、生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時と日時算出手段により算出される日時との時差を表わす情報を各生体情報取得手段毎に記憶する生体情報取得手段別時差記憶手段を備えた請求項8記載の健康管理システムとしている。
【0030】
そして、生体情報取得手段別時差記憶手段に記憶している時差を表わす情報を読み出して複数の生体情報取得手段が個々に有する時差情報記憶手段へ個別に供給することにより、各生体情報取得手段の時差情報を誤りなく設定することができる。
【0031】
本発明の請求項10に係る健康管理システムは、日時算出手段はグリニッジ標準時で表わされる日時を算出し、時差情報供給手段は生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時とグリニッジ標準時との時差を表わす情報を各生体情報取得手段毎に記憶する生体情報取得手段別時差記憶手段を備えた請求項8記載の健康管理システムとしている。
【0032】
そして、日時算出手段により算出される日時をグリニッジ標準時に固定することにより生体情報取得手段別時差記憶手段に記憶させる時差情報を各生体情報取得手段が設置される地域のタイムゾーンに基づいて決定することができるので、時差情報供給手段に時差情報を設定する際に間違いをおかす危険を未然に低減させることができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0034】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の健康管理システムを示す構成図である。
【0035】
図1において、1−1はユーザ宅に配置され、ユーザの生体情報を取得し取得日時と共に一時的に保持する生体情報取得手段であり、内部に時差情報を記憶する時差情報記憶手段1aと、全地球測位システム用に人工衛星から送信されている衛星電波を受信する衛星電波受信手段1bと、衛星電波受信手段1bにより受信された衛星電波からグリニッジ標準時で表わした日時を算出する日時算出手段1cと、日時算出手段1cにより算出された日時と時差情報記憶手段1aに記憶されている時差情報とを用いて生体情報取得手段1−1が配置されている地域における現地日時を算出する現地日時算出手段1dと、生体情報を取得する取得手段1eと、取得手段1eにより取得された生体情報と現地日時算出手段1dにより算出された現地日時とを対応づけて一時的に保持する一時保持手段1fと、一時保持手段1fに記憶された生体情報とその取得日時を表示する表示手段1gと、生体情報取得手段1−1固有の識別子を記憶している識別子記憶手段1hとを有している。また、1−2〜1−Nは、生体情報取得手段1−1と同一の構造を持った生体情報取得手段である。生体情報取得手段1−1〜1−Nは、それぞれ異なるユーザの生体情報を取得すべく、各ユーザの家庭に置かれている。識別子記憶手段1hには、生体情報取得手段1−1〜1−Nでそれぞれ異なる識別子が記憶されている。また、2は通信ネットワークである。3はデータを収集するサーバであり、ユーザに関わるデータを記憶するデータベース3aと、時差情報を供給する時差情報供給手段3bを備えている。時差情報供給手段3bは、内部に、生体情報取得手段1−1〜1−Nそれぞれが配置されている地域における現地日時と日時算出手段1cにより算出される日時との時差を個別に記憶する生体情報取得手段別時差記憶手段3cを有している。また、4は医師や管理栄養士などが、データベース3aに記憶されている生体情報を参照し、必要に応じてメッセージを書き込む医師端末である。この医師端末4は、パーソナルコンピュータに専用ソフトウェアを搭載することにより実現されている。また、5−1〜5−Nは、それぞれ生体情報取得手段1−1〜1−Nと共にユーザの家庭に置かれた、ユーザの生体情報を測定する測定手段である。測定手段5−1〜5−Nは、測定値を赤外線で送信可能な体温計により実現されている。
【0036】
次に、動作、作用について説明する。ただし、生体情報取得手段1−1〜1−Nおよび測定手段5−1〜5−Nの動作についての説明は、特に必要な場合を除いて、生体情報取得手段1−1および測定手段5−1の動作で代表する。
【0037】
識別子記憶手段1hは、生体情報取得手段1−1〜1−Nそれぞれで異なる固有の識別子を記憶している。以下、説明の都合上、生体情報取得手段1−1中の識別子記憶手段1hが記憶している識別子をid1で、生体情報取得手段1−2中の識別子記憶手段1hが記憶している識別子をid2で表わす。
【0038】
サーバ3中の生体情報取得手段別時差記憶手段3cは、生体情報取得手段1−1〜1−Nそれぞれに対して、各生体情報取得手段1−1〜1−Nが配置されている地域における現地日時と日時算出手段1cにより算出される日時との時差を、各生体情報取得手段1−1〜1−N中の識別子記憶手段1hが記憶している識別子に対応づけて記憶している。
【0039】
例えば、生体情報取得手段1−1が日本に、生体情報取得手段1−2が中華民国に配置されている場合を例にとると、日時算出手段1cにより算出される日時はグリニッジ標準時で表わした日時であるので、生体情報取得手段別時差記憶手段3cには、表1に示すように、識別子id1には時差が日本のタイムゾーンに相当する時差である+9時間を示す値として+9:00を、識別子id2には時差が中華民国のタイムゾーンに相当する時差である+8時間を示す値として+8:00を対応づけて記憶している。
【0040】
【表1】
【0041】
生体情報取得手段1−1は、起動されたときに識別子記憶手段1hに記憶されている識別子を読み出し、時差情報要求信号と共に通信ネットワーク2を介してサーバ3へと供給する。
【0042】
サーバ3は、時差情報要求信号が供給されたとき、その時差情報要求信号と共に供給された識別子を読み込み、その識別子に対応する時差を生体情報取得手段別時差記憶手段3cから読み出して、生体情報取得手段1−1〜1−Nのうち識別子に対応するものへと供給する。
【0043】
例えば、生体情報取得手段別時差記憶手段3cに表1の情報が記憶されている場合を例にとると、時差情報要求信号と共に供給された識別子の値がid1である場合には時差+9:00を読み出して生体情報取得手段1−1へと供給し、識別子の値がid2である場合には時差+8:00を読み出して生体情報取得手段1−2へと供給することになる。
【0044】
時差情報記憶手段1aは、サーバ3から供給された時差を記憶する。
【0045】
この結果、生体情報取得手段1−1中の時差情報記憶手段1aは時差として+9:00を、生体情報取得手段1−2中の時差情報記憶手段1aは時差として+8:00をそれぞれ記憶することになる。
【0046】
衛星電波受信手段1bは、全地球測位システム用に地球を周回している衛星のうち4つの衛星から供給される電波を常時受信し、日時算出手段1cへと供給している。
【0047】
日時算出手段1cは、衛星電波受信手段1bより供給された衛星電波からグリニッジ標準時で表わした日時を常時算出して現地日時算出手段1dへと供給している。
【0048】
現地日時算出手段1dは、時差情報記憶手段1aに記憶されている時差情報を読み出し、日時算出手段1cにより算出された日時に加算して現地日時を常時算出している。
【0049】
例えば、日時算出手段1cにより算出されたグリニッジ標準時で表わした日時が2002年5月27日午前0時27分15秒である場合には、生体情報取得手段1−1中の現地日時算出手段1dにより算出される現地日時は2002年5月27日午前9時27分15秒となり、生体情報取得手段1−2中の現地日時算出手段1dにより算出される現地日時は2002年5月27日午前8時27分15秒となる。
【0050】
このようにして、生体情報取得手段1−1〜1−N中の現地日時算出手段1dは、各生体情報取得手段1−1〜1−Nが配置されている地域における現地日時を常時算出する。
【0051】
測定手段5−1は、ユーザの操作により生体情報のひとつである体温を測定する。測定手段5−1は、この測定された生体情報を赤外線に変換したディジタル信号として生体情報取得手段1−1へ送信する。
【0052】
生体情報取得手段1−1中の取得手段1eは、測定手段5−1から送信されてきたディジタル信号が表わす生体情報を自動的に読み込み、一時保持手段1fへと供給する。
【0053】
一時保持手段1fは、取得手段1eから生体情報が供給されたとき、現地日時算出手段1dにより算出された現地日時を読み込んで生体情報の取得日時とみなし、両者を対応づけて一時的に保持すると共に、保持した生体情報の値とその取得日時とを表示手段1gに表示する。
【0054】
生体情報取得手段1−1は、一時保持手段1fにより新たな生体情報とその取得日時が保持されたとき、通信ネットワーク2を介してサーバ3へと接続を試みる。接続が成功した場合には、生体情報取得手段1−1は識別子記憶手段1hに記憶されている識別子を読み出し、読み出した識別子と、一時保持手段1fに保持されている生体情報およびその取得日時とを通信ネットワーク2を介してサーバ3へと送信する。一方、接続が成功しなかった場合には、所定の時間待った後、再びサーバ3への接続と、識別子と生体情報およびその取得日時とをサーバ3へと送信する試みを繰り返す。再び接続が成功しなかった場合には、所定の時間待ち送信を試みる動作を接続が成功するまで繰り返す。
【0055】
サーバ3は、通信ネットワーク2を介して識別子と生体情報およびその取得日時が生体情報取得手段1−1〜1−Nから送信されてきたとき、その識別子と生体情報および取得日時とを対応づけてデータベース3aに記憶させる。
【0056】
医師や管理栄養士は、データベース3aに記憶されている生体情報を通信ネットワーク2を介して医師端末4で参照し、必要に応じてアドバイスや通院を促すメッセージをデータベース3aに書き込む。
【0057】
書き込まれたメッセージは通信ネットワーク2を介して生体情報取得手段1−1〜1−Nへと供給され、表示手段1gに表示される。
【0058】
本実施例によれば、時差情報記憶手段1aに時差情報を記憶し、衛星電波受信手段1bにより受信された衛星電波を介して日時算出手段1cが全地球測位システム用に運営されているセシウム時計が示す正確な日時を算出し、現地日時算出手段1dにより時差情報を加味して現地日時を常時算出して生体情報の取得日時の決定に用いるので、取得日時の決定に用いられる時計が人為的ミスで誤って設定されるのを良好に防止できるとともに、運用中に時計の日時にずれが生じるのも良好に防止することができる。
【0059】
また、生体情報取得手段1−1が起動されたときに生体情報取得手段別時差記憶手段3cから読み出した時差情報が時差情報記憶手段1aに記憶されるので、生体情報取得手段1−1を新たに設置する際にサーバ3と接続可能な状態で起動するだけで、タイムゾーンを気にすることなく生体情報取得手段1−1を世界中のどこに置いて健康管理システムを運営しても、生体情報取得手段1−1が設置された地域における現地日時に基づいて生体情報の取得日時を決定することができる。
【0060】
また、あるユーザが生体情報取得手段1−1の使用をやめたときには、消毒などの処置を施した後に生体情報取得手段1−1を別のユーザに使用してもらうことも十分考えられるが、生体情報取得手段1−1を最初に使っていたユーザの居住地と新たに使用するユーザの居住地の間に時差がある場合でも、サーバ3側において生体情報取得手段別時差記憶手段3cに記憶させる時差情報を変更するだけで、生体情報取得手段1−1側では再設定を行うことなく新たなユーザの居住地における現地日時に基づいて生体情報の取得日時を決定することができる。
【0061】
また、仮に生体情報取得手段別時差記憶手段3cに時差情報を誤って記憶させてしまった場合でも、サービス技術者がわざわざユーザ宅まで出向いたりユーザに時計の日時を合わせ直すよう要請したりすることなく、サーバ3側で正しい時差情報を生体情報取得手段別時差記憶手段3cに記憶させ直し、生体情報取得手段1−1を再起動するだけで容易に誤りを正すことができる。
【0062】
また、サーバ3において時差情報供給手段3bに記憶させる時差情報を決定することにより、ユーザとそのユーザが使用する生体情報取得手段に関する情報をサーバ3で一元管理して、各生体情報取得手段1−1〜1−Nの時差情報を誤りなく設定することができる。
【0063】
また、日時算出手段1cはグリニッジ標準時で表わされる日時を算出するので、生体情報取得手段別時差記憶手段3cには各生体情報取得手段1−1〜1−Nが配置されている地域における現地日時とグリニッジ標準時との時差を表わす情報を記憶させればよく、日時算出手段1cがグリニッジ標準時からずれた日時を算出する場合よりも生体情報取得手段別時差記憶手段3cに記憶させる時差情報を誤って設定してしまう危険を未然に低減できる。
【0064】
なお、測定手段5−1〜5−Nが測定する生体情報は血圧や血糖値など、体温以外のものであってもよいし、複数の測定器を組合わせ、様々な生体情報を測定できるようにしても構わない。また、測定手段5−1は体温計、測定手段5−2は血糖計というように、ユーザの症状に応じて測定する生体情報を個別に指定できるようにしても構わない。
【0065】
また、本実施例では測定手段5−1は測定結果を赤外線を用いて生体情報取得手段1−1へと送信するとしたが、測定手段5−1には家庭にある水銀体温計を用い、取得手段1eとしてはタッチパネルやキーボードを設け、ユーザがマニュアル操作で生体情報を入力できるようにしてもよい。ただし、操作間違いにより生体情報が誤って記録されるのを防止するためには、本実施例に述べたように、測定手段5−1の測定結果を自動的に生体情報取得手段1−1へと送信する方が望ましい。この送信方法は赤外線に限らず、無線電波や有線による通信を用いてもよいのは勿論である。
【0066】
(実施例2)
生体情報取得手段1−1を図2のように構成してもよい。
【0067】
図2において、10は水晶発信器を内蔵して日時を刻む時計である。その他、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0068】
次に、動作、作用について説明する。
【0069】
生体情報取得手段1−1は、起動されたときに識別子記憶手段1hに記憶されている識別子を読み出し、時差情報要求信号と共に通信ネットワーク2を介してサーバ3へと供給する。
【0070】
サーバ3は、時差情報要求信号が供給されたとき、その時差情報要求信号と共に供給された識別子を読み込み、その識別子に対応する時差を生体情報取得手段別時差記憶手段3cから読み出して、生体情報取得手段1−1〜1−Nのうち識別子に対応するものへと供給する。
【0071】
時差情報記憶手段1aは、サーバ3から供給された時差を記憶する。
【0072】
衛星電波受信手段1bは、全地球測位システム用に地球を周回している衛星のうち4つの衛星から供給される電波を受信し、日時算出手段1cへと供給する。
【0073】
日時算出手段1cは、衛星電波受信手段1bより供給された衛星電波からグリニッジ標準時で表わした日時を算出して現地日時算出手段1dへと供給する。
【0074】
現地日時算出手段1dは、時差情報記憶手段1aに記憶されている時差情報を読み出し、日時算出手段1cにより算出された日時に加算して現地日時を算出し、時計10へと供給する。
【0075】
時計10は、現地日時算出手段1dから現地日時が供給されたとき自らが刻む日時を供給された現地日時に設定する。この後、時計10は内蔵する水晶発信器を用いて日時を刻み続ける。
【0076】
以上説明した衛星電波受信手段1b、日時算出手段1c、現地日時算出手段1dは、生体情報取得手段1−1が起動された後時計10に現地日時が設定され終わるまでだけ操作し、その後は生体情報取得手段1−1から電源供給を絶たれて動作を停止する。
【0077】
測定手段5−1は、ユーザの操作により生体情報のひとつである体温を測定する。測定手段5−1は、この測定された生体情報を赤外線に変換したディジタル信号として生体情報取得手段1−1へ送信する。
【0078】
生体情報取得手段1−1中の取得手段1eは、測定手段5−1から送信されてきたディジタル信号が表わす生体情報を自動的に読み込み、一時保持手段1fへと供給する。
【0079】
生体情報取得手段1−1は、取得手段1eから生体情報が供給されたとき、時計10が刻む日時を読み込んで生体情報の取得日時とみなし、両者を対応づけて一時的に保持すると共に、保持した生体情報の値とその取得日時とを表示手段1gに表示する。
【0080】
生体情報取得手段1−1がサーバ3へと生体情報とその測定日時を送信する動作と、サーバ3、医師端末4の動作は実施例1と全く同じなので詳しい説明は省略する。
【0081】
本実施例によれば、生体情報取得手段1−1が起動されたときに時計10の日時を現地日時に自動的に設定するので、生体情報取得手段1−1を新たに設置する際にサーバ3と接続可能な状態で起動するだけで、タイムゾーンを気にすることなく国境や州境を越えて生体情報取得手段1−1を世界中のどこに置いて健康管理システムを運営しても、生体情報取得手段1−1が設置された地域における現地日時に基づいて生体情報の取得日時を決定することができる。また、システムの運用中に時計の日時にずれが生じるのを良好に防止できる。
【0082】
また、現地日時算出手段1dにより算出された現地日時に日時を設定された後は内蔵する水晶発信器を用いて日時を刻み、一時保持手段1fは時計10の日時を読み込んで生体情報の取得日時とするので、一時的な電波障害などで衛星電波受信手段1bが衛星電波を受信できない場合でも、一時保持手段1fが取得日時を正しく保持することができる。
【0083】
また、時計10に現地日時を設定した後は衛星電波受信手段1b、日時算出手段1c、現地日時算出手段1dの電源を断つので、生体情報取得手段1−1の消費電力を押さえることができる。
【0084】
なお、時計10の日時を設定する動作を生体情報取得手段1−1が起動されたときだけでなく、半日や1日など所定の時間間隔で周期的に繰り返し行うようにしてもよい。このようにすれば、生体情報取得手段1−1を長期間に渡り電源を落すことなく連続して使用しても、時計10の日時に狂いが生じるのを未然に防止することができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の健康管理方法および健康管理装置は、生体情報の取得日時を全地球測位システム用に運営されているセシウム時計が示す正確な日時を基準とし、さらに時差情報を加味して決定するので、人為的ミスによる日時の設定間違いや時計の日時がしだいにずれることを防止できるとともに、時差が存在する場合でも生体情報の取得日時をユーザの所在地における現地日時で容易に表わすことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における健康管理システムの構成図
【図2】本発明の実施例2における生体情報取得手段の構成図
【符号の説明】
1−1〜1−N 生体情報取得手段
1a 時差情報記憶手段
1b 衛星電波受信手段
1c 日時算出手段
1e 取得手段
1f 一時保持手段
2 通信ネットワーク
3 サーバ
3b 時差情報供給手段
3c 生体情報取得手段別時差記憶手段
10 時計
Claims (10)
- ユーザの生体情報とその生体情報の取得日時とを通信ネットワークを介してサーバに収集し健康状態を遠隔管理する方法であって、前記生体情報の取得日時を全地球測位システム用の衛星電波で供給される日時情報と前記通信ネットワークを介して供給される時差情報とを用いて決定する健康管理方法。
- ユーザの生体情報とその生体情報の取得日時とを通信ネットワークを介してサーバに収集し健康状態を遠隔管理するシステムであって、前記生体情報の取得日時を全地球測位システム用の衛星電波で供給される日時情報と前記通信ネットワークを介して供給される時差情報とを用いて決定する健康管理システム。
- ユーザの生体情報を取得しその生体情報の取得日時と共に一時的に保持する生体情報取得手段と、通信ネットワークと、前記生体情報取得手段により保持されている生体情報とその取得日時とを前記通信ネットワークを介して収集するサーバとを具備し、前記生体情報取得手段は、生体情報を取得する取得手段と、前記通信ネットワークを介して供給される時差情報を記憶する時差情報記憶手段と、全地球測位システム用の衛星電波を受信する衛星電波受信手段と、前記衛星電波受信手段により受信された衛星電波から日時を表わす情報を算出する日時算出手段と、前記日時算出手段により算出された日時と前記時差情報記憶手段に記憶されている時差情報とを用いて算出される当該生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時を前記取得手段により取得された生体情報と対応づけて一時的に保持する一時保持手段とを備えた請求項2記載の健康管理システム。
- 時差情報記憶手段は生体情報取得手段が起動される度に時差情報を取得し記憶し直す構成とした請求項3記載の健康管理システム。
- 生体情報取得手段は日時算出手段により算出された日時と時差情報記憶手段に記憶されている時差情報とを用いて算出される現地日時に設定可能な時計を有し、一時保持手段は生体情報の取得日時を前記時計を参照して決定する構成とした請求項3記載の健康管理システム。
- 生体情報取得手段は、起動される度に時計の日時を設定する構成とした請求項5記載の健康管理システム。
- 生体情報取得手段は、所定の周期で時計の日時を設定する構成とした請求項5記載の健康管理システム。
- サーバは、生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時と日時算出手段により算出される日時との時差を表わす情報を時差情報記憶手段へと供給する時差情報供給手段を備えた請求項3記載の健康管理システム。
- 時差情報供給手段は、生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時と日時算出手段により算出される日時との時差を表わす情報を各生体情報取得手段毎に記憶する生体情報取得手段別時差記憶手段を備えた請求項8記載の健康管理システム。
- 日時算出手段はグリニッジ標準時で表わされる日時を算出し、時差情報供給手段は生体情報取得手段が配置されている地域における現地日時とグリニッジ標準時との時差を表わす情報を各生体情報取得手段毎に記憶する生体情報取得手段別時差記憶手段を備えた請求項8記載の健康管理システム。
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