JP2004053866A - 電子楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】手などの動きに応じて非接触で容易に演奏可能で、多彩な音楽的表現が可能な楽器を得ることを目的とする。
【解決手段】発光ユニット10、複数の受光ユニットからなる受光ユニット列20、受光ユニットが受信した信号の中から音の選択を行う信号処理ユニット30、音源ユニット40、スピーカ50からなる。信号処理ユニットは、受光ユニット列の受信した信号パターンとレベルから音高、音量を決定し、決定した音を逐次音源ユニットから出力する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は電子楽器に関し、特にその表現可能な音の多様性の向上と、操作の容易性の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
キーボードなどに演奏者が接触することなく演奏を行うことの可能な楽器として、米国特許1661058号が知られている(第1の従来例)。この楽器は、演奏者の手の位置を検出し、これに基づいて、音の周波数(音高)および音の強度(音量)を変化するようにしている。
【0003】
この楽器は、アンテナを有しており、アンテナに対する操作者の手の位置を両者間の静電容量によって検出している。第1のアンテナと右手との間の静電容量に基づいて音高を決定し、第2のアンテナと左手との間の静電容量に基づいて音量を決定するようにしている。
【0004】
手の位置の変化は自由度が高いので、多彩な音高を表現できる。また、音量も連続的に変えることができるので、音のエンベロープを自由に表現ができる。
【0005】
この第1の従来技術では、音高を変化させる手段として演奏者の手や体とアンテナとの間に形成される静電容量の変化を捉えている。したがって、手の位置だけではなく手の形や体のわずかな位置変化によって音高が変化し、演奏が極めて困難であるという問題を有している。
【0006】
また、一つの音を出すために、右手によって音の高さを制御しつつ、同時に左手によって音量やエンベロープを制御しなければならないという問題も有している。
【0007】
この2つの難しさを克服するため、演奏者は多くの練習時間を費やす必要があった。
【0008】
第2の従来技術として、特開平07−098583号公報に、測距センサを利用した電子楽器が開示されている。これは、距離計測センサによって、操作者の手までの距離を計測し、当該距離に応じて、音高または音量を制御するものである。
【0009】
この楽器は、距離に応じた制御を行っているため、静電容量を用いた第1の従来技術と比べると演奏が容易である。しかし、距離センサに対する手の位置を演奏者自身が把握することが困難であり、演奏者が所望する演奏を行うにはかなりの熟練が必要であった。また、音高と音量を同時に変化させることはできなかった。
【0010】
第3の従来技術として、特開2001−117561号公報に、測距センサを複数ならべて、いずれのセンサの上に操作者の手があるかによって、音高を制御する楽器が開示されている。さらに、各センサから手までの距離を計測し、距離レンジごとに予め定めた音色やエンベロープを選択するようにしている。
【0011】
この楽器では、複数のセンサのそれぞれに所定の音高が割り当てられている。したがって、第1、第2の従来技術に比べると、音高の操作が容易である。しかし、複数のセンサが同時に手を検出した場合には、複数の音が出てしまうことになる。これを避けるためには、センサ間の距離を大きく取る必要があるが、装置の大型化を招くという問題を生じる。さらに、この従来技術では、各センサに割り当てられた音階しか出すことができず、各音階間の任意の音高を出せなかった。
【0012】
また、距離レンジごとに予め定めたエンベロープを出せるようになっているが、演奏者自身が自由にエンベロープを制御できず、多彩な表現を行うことができなかった。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
(1)この発明の電子楽器は、演奏者によりその放射を操作することができるように配置された放射ユニットと、放射ユニットからの放射を受けて放射強度を検出する少なくとも2以上のセンサを、各センサに対応づけられた音階の順に、列状に配置したセンサ列と、各センサに対応づけられた音階と、各センサにおいて検出された放射強度パターンとに基づいて、生成すべき音信号の音高を決定する制御手段と、制御手段の決定に基づいて、決定された音高の音信号を生成する音源手段と、音源手段によって生成された音信号を音として出力する音出力手段とを備えている。
【0014】
すなわち、複数の音階に対応する複数のセンサを設け、センサ列において検出された放射強度パターンに基づいて、音高を決定するようにしている。したがって、複数のセンサが同時に放射を検出した場合であっても、所望の音信号を出すようにすることができ、演奏が容易である。
【0015】
また、放射ユニットからの放射を演奏者が手などで直接操作するようにしている。したがって、放射ユニットの方向をわずかに変えるなどの操作により音高を変えることができる。
【0016】
(4)この発明の電子楽器は、制御手段が、前記センサ列のうちから局所的に最も強い放射を検出したセンサに対応づけられた音階を、音信号の音高として選択することを特徴としている。
【0017】
したがって、演奏者が、意図する音高が出るように操作することができ、演奏が容易である。また、操作者が、局所的に最も強い放射を複数箇所生成するようにすれば、同時に複数の音を出すこともできる。
【0018】
(5)この発明の電子楽器は、制御手段が、局所的に最も強い放射を検出したセンサの検出した放射量に基づいて、音信号の音量を決定することを特徴としている。
【0019】
したがって、演奏者は音量を自由に操作することができ、所望のエンベロープを持つ音を得ることができる。また、音高と音量とを同時に操作することができる。
【0020】
(6)この発明の電子楽器は、制御手段が、前記センサ列のうちから局所的に最も強い放射を検出したセンサおよびその近傍のセンサに対応付けられた音階およびこれら各センサが検出した放射量に基づいて、音階と音階との間の音高を、音信号の音高として決定することを特徴としている。
【0021】
したがって、演奏者は、連続的な音高の操作をも行うことができる。
【0022】
(7)この発明の電子楽器は、制御手段が、前記センサ列のうちから局所的に最も強い放射を検出したセンサおよびその近傍のセンサの検出した放射量に基づいて、音信号の音量を決定することを特徴としている。
【0023】
したがって、演奏者は、音量をより微妙に操作することが可能となる。
【0024】
(8)この発明の電子機器は、制御手段が、前記センサ列のうちから局所的に最も強い放射を検出したセンサに対応づけられた音階を、音信号の音高として選択する音高固定モードと、センサ列のうちから局所的に最も強い放射を検出したセンサおよびその近傍のセンサに対応付けられた音階およびこれら各センサが検出した放射量に基づいて、音階と音階との間の音高を、音信号の音高として決定する音高可変モードとを備えていることを特徴としている。
【0025】
したがって、両モードを切り換えることにより、演奏者の希望する演奏を行うことができる。
【0026】
(9)この発明の電子機器は、放射ユニットからの放射が非可視光であることを特徴としている。
【0027】
したがって、外部の可視光照明によるノイズの影響を受けにくい機器を提供することができる。
【0028】
(10)この発明の電子機器は、放射ユニットからの放射が可視光であることを特徴としている。
【0029】
したがって、演奏者が放射を目視することができ、操作が容易である。
【0030】
(11)この発明の電子機器は、放射ユニットが演奏者の手に装着され、演奏者が当該放射ユニットを前記センサ列上で移動させることにより、各センサにおいて検出される放射量を変えるようにしたことを特徴としている。
【0031】
したがって、演奏者が手を動かすだけでなく、角度を変えるだけでも、音高や音量を操作することができる。
【0032】
(12)この発明の電子機器は、放射ユニットからの放射が、演奏者の手において反射して前記センサ列のセンサに与えられ、演奏者が手を動かすことにより、各センサにおいて検出される放射量を変えるようにしたことを特徴としている。
【0033】
したがって、演奏者が放射ユニットを装着する必要がなく、より自由に手を動かすことができる。
【0034】
(13)この発明の音制御方法は、放射ユニットからの放射を受けて放射強度を検出する少なくとも2以上のセンサを、各センサに対応づけられた音階の順に列状に配置し、各センサに対応づけられた音階と、各センサにおいて検出された放射強度パターンとに基づいて、生成すべき音信号の音高を決定し、決定された音高を有する音を出力する音制御方法であって、演奏者により、放射ユニットからセンサに与えられる放射を操作することによって、音信号の音高を変えるようにしている。
【0035】
すなわち、複数の音階に対応する複数のセンサを設け、センサ列において検出された放射強度パターンに基づいて、音高を決定するようにしている。したがって、複数のセンサが同時に放射を検出した場合であっても、所望の音信号を出すようにすることができ、演奏が容易である。
【0036】
また、放射ユニットからの放射を演奏者が手などで直接操作するようにしている。したがって、放射ユニットの方向をわずかに変えるなどの操作により音高を変えることができる。
【0037】
この発明において、「センサ」とは、放射の強度を検出するものをいう。下記の実施形態では、受光ユニットがこれに該当する。
【0038】
「放射」とは、赤外線などの非可視光、赤色光などの可視光、超音波などの狭義の放射だけでなく、磁束、電気力線などの広義の放射を含む概念である。
【0039】
「制御手段」とは、センサの出力に基づいて、発音すべき音の特性(音高や音量など)を制御するものをいう。下記実施形態においては、図3、図4のフローチャートがこれに対応する。
【0040】
「極大」とは、センサ出力を順に並べた場合の局所的な最大をいうものであり、最大を含む概念である。
【0041】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【0042】
【発明の実施の形態】
図1に、第1の実施形態による電子楽器のブロック図を示す。この電子楽器は、演奏者の手に装着するための1個ないしそれ以上の数の発光ユニット10、一定方向に一列に配置された複数の受光ユニットを有する受光ユニット列20、受光ユニットが受信した信号に基づいて音を決定する信号処理ユニット30、音源ユニット40、スピーカ50を備えている。
【0043】
発光ユニット10は、LEDおよびLED駆動回路を備えており、所定強度の光(定常光)を発する。発光ユニット10の電源は、内蔵した電池から得てもよいし、信号処理ユニット30から得るようにしてもよい。
【0044】
受光ユニット列20は概同一平面状に並べられ、各受光ユニットは、受光面が上を向きその上方に位置する発光ユニットからの光信号を受信する。各受光ユニットには、それぞれ、所定の音階が対応づけられている。また、各受光ユニットは、その音階順に並べられている。信号処理ユニットは、受光ユニット列の受光強度分布から音高を決める処理と、その受信信号強度レベルから音量を決める処理を行う。
【0045】
受信ユニット列20と信号処理ユニット30の詳細を、図2に示す。受光ユニット列20内の個々の受光ユニット20〜20は、フォトダイオード、フォトトランジスタなどの光センサとアンプを有しており、受信光強度に応じ、電圧などの電気信号を出力する。フォトダイオードやフォトトランジスタを用いることにより、感度が高く、ノイズの小さい信号を得ることができる。
【0046】
受光ユニット20〜20の出力は、アナログマルチプレクサ31、A/D変換器32を介して、マイクロプロセッサのI/Oポート35に与えられる。マイクロプロセッサのROM38には、制御プログラムが記録されている。また、ROM38には、受光ユニット20〜20とこれらに対応づけられた音階との関係が記録されている。CPU36は、制御プログラムにしたがって各部の制御を行う。
【0047】
図3、図4に、制御プログラムをフローチャートにて示す。CPU36は、まず、kを1とする(ステップS1)。次に、I/Oポート35を介して、マルチプレクサ31を制御し、受光ユニット20からの信号を選択する(ステップS2)。
【0048】
受光ユニット20からの信号は、A/D変換器32によってデジタルデータに変換される。CPU36は、この受光量を表すデジタルデータを、I/Oポート35を介して取り込み、メモリ37に記録する(ステップS3)。この際、kの値も併せて記録する。これにより、どの位置の受光ユニットの受光量であるかを判断することができる。
【0049】
次に、kをインクリメントする(ステップS4)。さらに、kがNを越えているか否かを判断する(ステップS5)。ここで、Nは、受光ユニットの個数である。
【0050】
kがNを越えていなければ、ステップS2以下を繰り返し、受光ユニット20の受光量データを、メモリ37に記録する。以下、ステップS2〜S5を繰り返して、全ての受光ユニット20〜20からの受光量データを、メモリ37に記録する。全ての受光ユニット20〜20の受光量データを記録し終えると(つまりkがiを越えると)、ステップS6に進む。
【0051】
ステップS6においては、記録した受光量データのうちから、所定のしきい値を越える受光量データのみを抽出する(ステップS6)。これは、ノイズ等による誤動作を防止するためである。
【0052】
次に、抽出した受光量データについて、極大のものを見いだす(ステップS7)。CPU36は、この極大の受光量を受けた受光ユニットを特定し、この受光ユニットに対応づけられた音階を音高として決定する(ステップS8)。なお、極大部が2以上存在する場合には、それぞれの極大部に対応する2つの音階を出力するようにする。
【0053】
さらに、当該受光ユニットの受光量(すなわち極大の受光量)に基づいて、音量を決定する(ステップS9)。CPU36は、このようにして決定した音高と音量を出すように音源ユニット40に対して、I/Oポート35を介して制御信号を出力する。
【0054】
音源ユニット40は、この制御信号にしたがって音信号を生成してスピーカ50に与える。スピーカ50は、当該音高と音量とを持つ音信号を出力する。
【0055】
なお、CPU36は、上記の処理を終えると、再び、ステップS1に戻って、受光量データの記録、音高、音量決定、制御信号出力の上記処理を繰り返す。したがって、演奏者が、発光ユニット10を動かして、各受光ユニット20〜20における受光量を変化させることにより、音高、音量を変化させて演奏することができる。
【0056】
たとえば図5のようにn番目の受光ユニット20の受信光入力が極大値となる場合、n番目の受光ユニット20にアサインされた音階に対応した音高信号を出力する。また、その受信光の入力レベルに応じた音量信号をリアルタイムに出力する。
【0057】
両手に発光ユニットを装着して演奏する場合など、複数の発光ユニットからの受信光入力がある場合には、それぞれの受信信号の極大値の位置とレベルに応じ、音源選択信号とともに複数の音高信号と音量信号を出力する。
【0058】
音源の実施方法として、VCO(電圧制御発振器)とVCA(電圧制御アンプ)を使用する方法を図6に示す。この場合、信号処理ユニットから出力されたデジタル音高信号41、デジタル音量信号42が、それぞれDA変換器43,44に入力され、DA変換器のアナログ出力がVCO45およびVCA46にそれぞれ印加される。VCO45は、与えられた電圧に応じた周波数を有する音を生成するものである。VCO45により所望の周波数の音が出力され、VCO出力は次にVCA46に入力され発音の音量が決定される。受信光入力の変化に応じて逐次周波数および音量が決定されるため、受光ユニットを装着した手の動きにより音の周波数や、音量の時間変化であるところのエンベローブをコントロールすることができる。
【0059】
複数の発音数が可能な構成にしたいときには、発音数分の音源ユニット40を設置する。CPU36は、それぞれの音源ユニットに対する制御信号を生成する。各制御信号には、音源ユニット選択信号を付加し、対象となる音源ユニットを選択するようにすればよい。
【0060】
音源の実施方法としては、信号処理ユニットから出力されるデジタル信号により周波数と音量を逐次高速に制御できる方法であればなんでも良く、たとえば音高を制御するためには基準発振器とデジタル可変分周器の組み合わせ、PLLなどが使用可能であり、音量を制御するためにデジタル可変減衰器とアンプの組み合わせ、プログラマブル利得増幅器などが利用可能である。また、発振周波数と出力レベルが逐次制御可能な音源ICなどを使用することもできるし、信号処理ユニットからの出力をシリアル出力としてMIDI信号を出力し、MIDI楽器を制御する構成も可能である。
【0061】
以上の構成によれば、演奏者の手の受光ユニットからの距離を変えることはもちろん、演奏者の手の角度を受光ユニット列に直交する方向に変えることにより、受光ユニット20のレベルが変化し、音量が変化する。しかし、最も強い光を受信する受光ユニットは変わらないので、音高は変わらない。このように、手の角度の変化による、音量の微妙な調整が可能になる。
【0062】
また、演奏者の手の角度を受光ユニット列に平行の方向に変えることにより、最も強い光を受信する受光ユニットが交替し、音高を変えることができる。そのため、音高を連続して素早く変えるトリルなどの表現が容易に実現できる。
【0063】
上記の構成によれば、手の位置により音高が決定されるため非熟練者でも容易に曲の演奏が可能であり、かつ手の高さ、手首の角度など多彩な手段で音量をリアルタイムで変更でき、音のエンベローブをコントロールできるため、豊富な表現が可能である。
【0064】
上記実施形態では、極大の受光量を示した受光ユニットに与えられた音階と、当該受光ユニットの受光量とに基づいて、音高、音量を決定している。しかし、極大の受光量を示した受光ユニットの近傍の受光ユニットに与えられた音階、受光量も考慮して、音高、音量を決定してもよい。このようにして音高、音量を決定する第2の実施形態を次に示す。
【0065】
第2の実施形態では、たとえば図5のようにn番目の受光ユニット20の受信光入力が最も強い場合、n番目の受光ユニット近傍の受光ユニットの受信光強度を加味して音高を連続的に決定する。
【0066】
受光ユニット20n−1すなわち低音側の受信光強度が、受光ユニット20n+1すなわち高音側の受信光強度より強い場合、音高を20の受光ユニットにアサインされた音高より低くする。逆の場合には音高を受光ユニット20にアサインされた音高より高くする。
【0067】
なお、受光ユニット20n−2やそれ以下の受光ユニットの受信強度、受光ユニット20n+2やそれ以上の受光ユニットの受信強度を考慮しても良い。音高を決定するアルゴリズムとしては、上記の条件を満たすのであればどんな方法でも良く、たとえば以下のような重心演算の式を用いる方法を用いる。
【0068】
【数1】
Figure 2004053866
ここで、fは発音する音の周波数、fnはn番目の受光ユニットがアサインされている音の周波数、Pnはn番目の受光ユニットが受信した信号の強度である。この式は前後合計5つの受光ユニットを考慮にいれた場合の式である。
【0069】
第2の実施形態は、信号処理の方法を除き他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0070】
第2の実施形態によれば、音量だけでなく、音高も微妙にコントロールできる。すなわち、演奏者の手を目的の音がアサインされている受光ユニットの上部から、受光ユニット列の方向に少しずらすことにより、音高を微妙にずらすことができるため、ギターでいうところのチョーキングのような効果が容易に可能になる。また、早い速度で受光ユニット列の方向にスイングしたり、早い速度で手の角度を受光ユニット列の方向に揺らしたりすることでビブラートの効果が容易に可能になる。
【0071】
このように、第2の実施形態によれば第1の実施例に比べてさらに多彩な音楽表現が可能になる。
【0072】
第2の実施形態では、各受光ユニットは各音階にひとつずつアサインしていたが、受光ユニットと音階は必ずしも1対1対応している必要はない。第3の実施形態では、受光ユニットをたとえば2つだけにし、両者をそれぞれ音域の最低音と最高音にアサインする。そして、中間の音は第2の実施例と同じように重心演算等の方法で実現する。
【0073】
あるいは、受光ユニットをピアノの白鍵の音にアサインする、オクターブごとにアサインするなど、とびとびの音階にアサインし、さらに、重心演算等による中間の音を出す手段を具備することにより、すべての音高を発音することができる。
【0074】
第3の実施形態によれば、受光ユニット列に使用する受光ユニットの個数を減らすことができ、コスト低減、および信号処理ユニットの負荷低減が可能になる。
【0075】
上記各実施形態では、受光ユニットを同一平面状に並べ、各受光ユニットは、受光面が上を向くように配置されていたが、必ずしもこのような配置にする必要はない。たとえば、同一平面内に並べた受光ユニットの受光面を横方向ないし下方向に向けて使用することもできる。特に、下方向に向ける場合には、上部に配置される照明の影響を受けにくい利点がある。受光ユニットを垂直に並べ、受光面を横方向に向ける配置も可能である。受光ユニットが低音から高音へ順に並べられていれば、列の方向はどちらでもよく、曲線状、ジグザグ状であっても構わない。受光ユニットの指向方向も、列の方向から概直交方向であればどの方向でもよい。
【0076】
上記各実施形態では、手に発光ユニットを装着し、その発光ユニットを受光ユニットの受光面に相対する位置に置くことで光受信信号を検知した。しかし、ひとつないし数個の発光ユニットを受光ユニットの検知範囲外におき、その発光ユニットの放射方向が受光面の方向とほぼ同じ方向に向くよう設置することができる。この第4の実施形態を図7に示す。
【0077】
この例では、発光ユニットからの光を、その上にかざした手または反射物により反射させ、その反射光を受光ユニットにより受信させる。受信光の処理は上記第1から第3の実施形態と同一である。この構成によれば、手の位置によって受光ユニット列の光信号受信プロファイルが変化し、音高をコントロールすることができる。発光ユニットや受光ユニットと手の間の距離によって、受信光強度が変化し、エンベローブをコントロールすることができる。また、手の角度や形を変えることによって、光の反射強度や反射方向を変えることもできるので、それによっても音高、エンベローブをコントロールすることができる。
【0078】
上記各実施形態では、受光ユニットを直線状に配置しているが、円弧状などの曲線状に配置するようにしてもよい。
【0079】
また、上記各実施形態では、所定のしきい値に達しなかった受光量データを除外して極大部を見いだすようにしている。これは、微弱なノイズなどの影響によって、わずかな極大部が生じた場合に誤動作を防止するためである。しかし、たとえそのような誤動作があったとしても、微弱なノイズによる極大部の受光量は小さいので、音が出されたとしても極めて小さい音である。よって、所定のしきい値に達しなかった受光量データを除外することなく、全ての受光量データについて極大部を見いだすようにしてもよい。
【0080】
また、上記各実施形態では、発光ユニットからの光出力を定常光としている。しかし、「トランジスタ技術編集部編、光エレクトロニクスの基礎と活用法、CQ出版社(1999)」に示されているように、発光ユニットから変調光を出し、受光ユニットにおいて検波して受光量を得るようにしてもよい。
【0081】
なお、上記各実施形態では、マルチプレクサ31を用いているが、受光ユニットの数に対応したA/D変換器32を設けるようにしてもよい。このようにすれば、演奏者の手の動きに対して、より反応の早い電子楽器を得ることができる。
【0082】
また、上記各実施形態では、受光ユニットの検出素子によって光を直接的に受けている。しかし、光ファイバーによって受光した光を、受光ユニットに導くようにしてもよい。これにより、発光ユニットからの光を受ける部分を自由度高く配置することができる。たとえば、光ファイバーなら、極めて近接して配置することが可能である。
【0083】
上記実施形態では、発光ユニットとしてLEDを用いている。したがって、強力な放射光が容易に得られる。しかし、発光ユニットとしては、ランプなど光を発する物であれば使用可能である。
【0084】
また、上記各実施形態では、発光ユニットから可視光を出し、受光ユニットにおいてその強度を検出するようにしている。したがって、演奏者が光を見ることができ、操作が容易である。しかし、可視光に代えて、赤外線等の非可視光を用いてもよい。これにより、外部の可視光光源からの影響を少なくすることができる。なお、赤外線を用いる場合には、センサとして、焦電センサなどの赤外線レベル検出器を用いることができる。
【0085】
また、発光ユニットからは、可視光と非可視光の双方を出し、受光ユニットにおいて非可視光だけを検出するようにしてもよい。これにより、可視光によって光の位置を確かめることを可能としつつ、外部の可視光光源からの影響を少なくすることができるという効果を得ることができる。
【0086】
また、光に代えて、超音波や赤外線などの放射を用いてもよい。超音波を用いる場合には、発光ユニットに代えて超音波発生器を用い、受光ユニットに代えて超音波レベル検出器を用いればよい。さらに、発光ユニットに代えて磁石を用い、受光ユニットに代えてホール素子などの磁気検出器を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】受信ユニット列および信号処理ユニットのブロック構成を示す図である。
【図3】ROM38に格納されている制御プログラムのフローチャートである。
【図4】ROM38に格納されている制御プログラムのフローチャートである。
【図5】受光ユニット列が受信した信号強度分布から音高、音量を決定する処理を説明する図である。
【図6】音源ユニット40の例を示す図である。
【図7】他の実施形態の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 発光ユニット
20 受光ユニット列
20 n番目の受光ユニット
30 信号処理ユニット
31 アナログマルチプレクサ
32 AD変換器
33 マイコン
40 音源ユニット
41 音高信号入力端子
42 音量信号入力端子
43 音高信号変換用DA変換器
44 音量信号変換用DA変換器
45 VCO
46 VCA
47 音出力端子

Claims (13)

  1. 演奏者によりその放射を操作することができるように配置された放射ユニットと、
    放射ユニットからの放射を受けて放射強度を検出する少なくとも2以上のセンサを、各センサに対応づけられた音階の順に、列状に配置したセンサ列と、
    各センサに対応づけられた音階と、各センサにおいて検出された放射強度パターンとに基づいて、生成すべき音信号の音高を決定する制御手段と、
    制御手段の決定に基づいて、決定された音高の音信号を生成する音源手段と、
    音源手段によって生成された音信号を音として出力する音出力手段と
    を備えた電子楽器。
  2. 放射ユニットからの放射を受けて放射強度を検出する少なくとも2以上のセンサを、各センサに対応づけられた音階の順に、列状に配置したセンサ列と、
    各センサに対応づけられた音階と、各センサにおいて検出された放射強度パターンとに基づいて、生成すべき音信号の音高を決定する制御手段と、
    制御手段の決定に基づいて、決定された音高の音信号を生成する音源手段と、
    を備えた音源制御回路。
  3. 各センサに対応づけられた音階の順に、列状に配置したセンサ列からの検出信号に基づいて、音源を制御する処理をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
    各センサに対応づけられた音階と、各センサにおいて検出された放射強度パターンとに基づいて、生成すべき音信号の音高を決定する処理をコンピュータに行わせるためのプログラム。
  4. 請求項2の音源制御回路において、
    前記制御手段は、前記センサ列のうちから局所的に最も強い放射を検出したセンサに対応づけられた音階を、音信号の音高として選択することを特徴とするもの。
  5. 請求項4の音源制御回路において、
    前記制御手段は、局所的に最も強い放射を検出したセンサの検出した放射量に基づいて、音信号の音量を決定することを特徴とするもの。
  6. 請求項2の音源制御回路において、
    前記制御手段は、前記センサ列のうちから局所的に最も強い放射を検出したセンサおよびその近傍のセンサに対応付けられた音階およびこれら各センサが検出した放射量に基づいて、音階と音階との間の音高を、音信号の音高として決定することを特徴とするもの。
  7. 請求項6の音源制御回路において、
    前記制御手段は、前記センサ列のうちから局所的に最も強い放射を検出したセンサおよびその近傍のセンサの検出した放射量に基づいて、音信号の音量を決定することを特徴とするもの。
  8. 請求項2の音源制御回路において、
    前記制御手段は、前記センサ列のうちから局所的に最も強い放射を検出したセンサに対応づけられた音階を、音信号の音高として選択する音高固定モードと、前記センサ列のうちから局所的に最も強い放射を検出したセンサおよびその近傍のセンサに対応付けられた音階およびこれら各センサが検出した放射量に基づいて、音階と音階との間の音高を、音信号の音高として決定する音高可変モードとを備えていることを特徴とするもの。
  9. 請求項1〜8のいずれかの電子楽器、音源制御回路またはプログラムにおいて、
    前記放射ユニットからの放射は非可視光であることを特徴とするもの。
  10. 請求項1〜8のいずれかの電子楽器、音源制御回路またはプログラムにおいて、
    前記放射ユニットからの放射は可視光であることを特徴とするもの。
  11. 請求項1〜10のいずれかの電子楽器、音源制御回路またはプログラムにおいて、
    前記放射ユニットは演奏者の手に装着され、演奏者が当該放射ユニットを前記センサ列上で移動させることにより、各センサにおいて検出される放射量を変えるようにしたことを特徴とするもの。
  12. 請求項1〜10のいずれかの電子楽器、音源制御回路またはプログラムにおいて、
    前記放射ユニットからの放射は、演奏者の手において反射して前記センサ列のセンサに与えられ、演奏者が手を動かすことにより、各センサにおいて検出される放射量を変えるようにしたことを特徴とするもの。
  13. 放射ユニットからの放射を受けて放射強度を検出する少なくとも2以上のセンサを、各センサに対応づけられた音階の順に列状に配置し、
    各センサに対応づけられた音階と、各センサにおいて検出された放射強度パターンとに基づいて、生成すべき音信号の音高を決定し、
    決定された音高を有する音を出力する音制御方法であって、
    演奏者により、放射ユニットからセンサに与えられる放射を操作することによって、音信号の音高を変えるようにした音制御方法。
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