JP2004053503A - 偏向角検出装置 - Google Patents

偏向角検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004053503A
JP2004053503A JP2002213551A JP2002213551A JP2004053503A JP 2004053503 A JP2004053503 A JP 2004053503A JP 2002213551 A JP2002213551 A JP 2002213551A JP 2002213551 A JP2002213551 A JP 2002213551A JP 2004053503 A JP2004053503 A JP 2004053503A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
deflection angle
optical
detection
deflection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002213551A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiyunko Takahashi
高橋 潤子
▲高▼橋 浩一
Koichi Takahashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2002213551A priority Critical patent/JP2004053503A/ja
Priority to US10/609,635 priority patent/US7151596B2/en
Publication of JP2004053503A publication Critical patent/JP2004053503A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】コンパクトで、かつ、高精度の偏向角検出が可能な偏向角検出装置を提供する。
【解決手段】光偏向素子の偏向角を検出する偏向角検出装置であって、前記偏向素子に光を放射するための光源1と、光源1の中心を通る光軸に対して所定の角度傾いて配置された、前記光偏向素子に備えられた検出用反射面4と、検出用反射面4で反射した光を集光するための正のパワーを有する反射光集光用光学素子3と、反射光集光用光学素子3からの光を受光し、その受光位置により前記光偏向素子の偏向角を検出する光検出器5とを備えている。また、光源1の中心を通る光軸を通る光線の検出用反射面4への入射角をθとするとき、次の条件式を満たしている。
10°<θ<70°
さらに、反射光集光用光学素子3の面3bが非回転対称面に形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップに用いられるトラッキング検出手段や、光通信に用いられる光ファイバーの光スイッチング手段等としての偏向角検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光情報通信、光情報記録の技術の発展が著しく、情報伝送密度や情報記録密度が飛躍的に高まっている。これらの分野では、例えば、光ファイバー回線を中継地などで光学的に切り替える光信号スイッチや、光学式情報記録再生システムの光ピックアップのトラッキング制御など、光偏向ミラー素子の偏向状態を高精度に検知してその姿勢を制御する技術の向上が不可欠である。そのため、従来、種々の偏向角検出装置が提案されている。
【0003】
従来のこの種の偏向角検出装置としては、例えば、特公平7−66554号公報、特開平8−227552号公報、特開平11−144273号公報、特開平11−114274号公報及び特開平11−195236号公報に記載されているものがある。
【0004】
特公平7−66554号公報に記載されている偏向角検出装置は、光ピックアップの記録媒体への出射ビームの光軸と記録媒体の記録面とのなす相対角度を検出するものである。この装置は、拡散光を記録面へ照射する発光素子と、発光素子の両側に配置され、記録面からの反射光を検出する2つの受光素子とからなる。そして、この装置は、2つの受光素子が検出する反射光量の差分をとることにより、記録媒体に偏向が生じたときの偏向量を検出するようになっている。
【0005】
また、特開平8−227552号公報に記載されている偏向角検出装置は、同様に、光ピックアップの記録媒体への出射ビームの光軸と記録媒体の記録面とのなす相対角度を検出するものである。この装置は、記録媒体からの反射光を4分割された受光面で受光し、それらの受光量の差分をとることによって2方向の偏向量を検出するようになっている。
【0006】
また、特開平11−144273号公報や特開平11−144274号公報に記載されている偏向角検出装置は、偏向ミラーからの反射光を、入射角により反射率が変わるビームスプリッタを通して光検出器で光量を検出することにより偏向量を検出するようになっている。
【0007】
また、特開平11−195236号公報に記載されている偏向角検出装置は、光情報再生装置における偏向ミラーの回転位置を検出するもので、レーザ光源からの光束を偏向ミラー上で線状光束に集光させることで、1方向の測定精度を上げて偏向角を検出するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の偏向角検出装置には、以下のような問題があった。
【0009】
特公平7−66554号公報に記載されている偏向角検出装置では、光ピックアップのヘッドと記録媒体との間で往復する反射光を発光素子の両側の受光素子で検出するため、微小の偏向量しか検出できない。そして、偏向量の検出範囲を広げようとすれば、発光素子と記録媒体との間の距離を広げ、受光素子を大きくしなければならず、コンパクトな偏向角検出装置が得られない。このように、上記偏向角検出装置では、検出器の大きさに限界があるため広範囲な検出ができないという問題があった。また、2つの受光素子を用いるので、1次元の傾き検出しかできないという問題があった。
【0010】
また、特開平8−227552号公報に記載されている偏向角検出装置では、2次元の傾きを検出できるものの、検出範囲を広げようとすれば、発光素子と記録媒体との距離を広げ、受光素子を大きくしなければならない。このように、広範囲な検出をする場合には、検出器が大きくなり、全体のメカレイアウトも大きくなってしまい、特公平7−66554号と同様に、コンパクトな偏向角検出装置が得られないという問題があった。
【0011】
また、特開平11−144273号公報や特開平11−144274号公報に記載されている偏向角検出装置では、ビームスプリッタの反射膜の特性が直接的に検出精度に影響するため、反射膜の特性を良くしないと検出精度が悪くなるという問題があった。また、これらの偏向角検出装置では、検出光を重畳させることなくコの字状に折り曲げる構成を用いるので、配置面積が大きくなり、検出範囲を広げようとすれば、ビームスプリッタのビームスプリッタ面を大きくしなければならず、全体のメカレイアウトが大きくなってしまい、コンパクトな偏向角検出装置が得られないという問題があった。
【0012】
また、特開平11−195236号公報に記載されている偏向角検出装置では、検出範囲を広くした場合、メカ的な干渉や全体のメカレイアウトが大きくなってしまう。また、この偏向角検出装置では、線状光束を用いて偏向角検出精度を上げているが、これは1次元方向にのみ有効な手段である。
【0013】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、コンパクトで、かつ、高精度の偏向角検出が可能な偏向角検出装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による偏向角検出装置は、光偏向素子の偏向角を検出する偏向角検出装置であって、前記光偏向素子に光を放射するための光源と、前記光源から放射される光の光軸に対して所定の角度傾いて配置された、前記光偏向素子に備えられた検出用反射面と、前記検出用反射面で反射した光を集光するための正のパワーを有する反射光集光用光学素子と、前記反射光集光用光学素子からの光を受光し、その受光位置により前記光偏向素子の偏向角を検出する光検出器とを備えたことを特徴としている。
なお、本明細書中では、光偏向素子の偏向角は、光偏向素子の反射面の傾き角を意味するものとする。
【0015】
また、本発明による偏向角検出装置は、前記光源から放射される光の光軸を通る光線の前記検出用反射面への入射角をθとするとき、次の条件式を満たすのが好ましい。
10°<θ<70°
【0016】
また、本発明による偏向角検出装置は、前記反射光集光用光学素子の光学作用面のうち、少なくとも1面が非回転対称面であるのが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のように、検出用反射面を光源から放射される光の光軸に対して所定の角度傾いて配置すると、ハーフミラー、ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタなどの光路切り替え手段を設ける必要がなくなる。このため、部品点数が減り、コストや組立て工数を削減することができる。また、メカ的な配置の自由度も増える。さらに、光路切り替え手段を設けないことにより、光検出器で受光される光の光量損失がないので、ハーフミラー、ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタを設けた構成に比べて検出精度が上がる。
なお、具体的な作用効果の説明については、後述する実施例の説明で行うこととする。
【0018】
以下、本発明の実施例につき図面を用いて説明する。
なお、本発明に係る偏向角検出装置は、光を偏向する光偏向素子に別の光を照射して偏向角を検出するものである。したがってそのような光偏向素子を備える種々のシステムに適用することが可能である。
なお以下では、光偏向素子で偏向される光と区別するために、偏向角を検出するために照射する光を検出光と呼ぶことにする。
【0019】
そのような光偏向素子の例としては、例えば、光を偏向するためのミラーが電磁コイルなどの回動手段で回動可能に保持されたガルバノミラー、光を偏向するための複数のミラー面をモータ軸に取り付けた回転多面鏡、光を偏向するためのミラーをアクチュエータで保持して設置角度を変更する可動ミラー、または光を偏向するためにプリズムやホログラムを可動に設けた素子などがある。
【0020】
またそのような光偏向素子を備えるシステムとしては、例えば、光信号スイッチシステムや情報記録再生システム(光情報記録再生システム)などがある。
【0021】
以下では、本発明の偏向角検出装置を用いた光信号スイッチシステム、情報記録再生システムの構成例を説明する。
【0022】
まず、本発明の実施例に係る偏向角検出装置について説明する。
第1実施例
図1は本発明の第1実施例に係る偏向角検出装置の概略構成図であり、(a)はミラー回転角が0度の状態、(b)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに10度回転した状態、(c)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに−10度回転した状態を示している。図中に表示したxyz座標系は、x方向が紙面に直交する方向、y方向及びz方向が紙面に平行な面内にあって、y方向が図示の上側、z方向が図示の右側をそれぞれ正方向とする直角座標系である。また、図中の矢印は検出用反射面の傾斜方向を示している。なお、この座標系は後述の各実施例において共通である。
【0023】
本実施例の偏向角検出装置は、光源1と、カバーガラスと、光学素子2と、検出用反射面4と、光学素子3と、光検出器5とを備えている。
光源は、レーザ光束(検出光)を、光偏向素子に備えられた検出用反射面4に向けて出射する半導体レーザ(半導体レーザ素子)である。符号Aは半導体レーザの中心を通る光軸である。
【0024】
光軸A上には、レーザ光束の透過範囲を規制して、例えば円形などの所定の形状に整形するための絞り(図示省略)が配置されている。なお、レーザ光束の大きさによっては光学的には絞りが設けられたのと同様となるので、絞りは必須の構成ではない。
【0025】
光学素子2は、正のパワーを有しており、光源からの光束の広がりを抑えている。
検出用反射面4は、図示省略した回動ミラーに備えられており、光源1からの軸上主光線の入射角θが10°<θ<70°となる範囲で、光軸Aに対して傾いて配置されている。なお、検出用反射面4は、軸上主光線の入射角θが25°<θ<70°の範囲となるようにするのが良く、35°<θ<60°の範囲となるようにすればさらに良い。
光学素子3は、面3aと、反射面3bと、射出面3cを有している。面3a、射出面3cは平面に形成されている。また、面3aは、異なる部位において、それぞれ入射面と反射面としての作用を備えている。反射面3bは、正のパワーを有する非回転対称な面形状に形成されている。また、反射面3bは、反射膜がコートされた裏面反射面として構成されている。また、反射面3bは、検出用反射面4で反射された軸上主光線を光源1方向に反射するように傾いて配置されている。
また、本実施例の偏光角検出装置では、反射面3bに入射する軸上主光線と反射面3bで反射した軸上主光線とのなす角αが20°<α<110°の範囲内となるように構成されている。
光検出器5は、光源1の近傍に配置されている。符号6は光検出器5のセンサ受光面である。センサ受光面6は光源1の射出側に向けられている。
【0026】
なお、半導体レーザ1としては、どのような半導体レーザを用いてもよいが、光検出器5の検出感度との関係から適切な波長を備えたものを選択することは当然である。また、周知のいかなる手段を用いてもよいため、図示していないが、半導体レーザ1を適宜発光させるための電源や変調駆動回路を含む駆動手段に接続されていることはいうまでもない。
【0027】
光検出器5としては、センサ受光面6上にレーザ光束のスポットが照射されたときに、スポットの光強度の中心位置に対応した電圧を出力して、そのスポットの位置を検知する位置検出受光器(Position Sensitive Detector、所謂PSD)を採用することができる。PSDは、多数のフォトダイオードが配列して構成されており、例えば、図2に示すように、光束が所定部分に照射された場合、四方の端子T1,T2,T3,T4から、PSDの角部から光束の重心までの距離D1,D2,D3,D4に応じた電圧が出力され、この出力値を演算することで、位置検出(X方向、Y方向の傾き)を行うようになっている。
光検出器5としては、検出用反射面4の傾斜する方向が1次元(X方向又はY方向)か2次元(X方向及びY方向)かに合わせて、それぞれ1次元または2次元の位置検出を行うものを採用する。また、光検出器5は、その動作のため、電源を始め、適宜の駆動手段を備えていることはいうまでもないが、周知のことなのでその説明は省略する。
【0028】
このように構成された本実施例の偏向角検出装置では、図1(a)に示すように、光源である半導体レーザ1から出射されたレーザ光は、カバーガラスを通過し、光学素子2を介して光束の広がりを抑えられて検出用反射面4に入射し、検出用反射面4で反射する。検出用反射面4で反射した光は、光学部材3の面3aに入射し、面3aを屈折透過して反射面3bで反射する。反射面3bで反射した光は正パワーの作用を受けて集光される。そして、再び面3aに入射し、面3aで全反射し、射出面3cを屈折透過して光学素子3から射出し、光検出器5に入射して、センサ受光面6上に光スポットを形成する。
【0029】
光検出器5は検出用反射面4がX,Y方向に傾いたときに、センサ受光面6上のスポットの位置を検出することにより傾き量を検出する。
図3は検出用反射面4が1次元方向(X方向、またはY方向)に傾いたときの光検出器5のセンサ受光面6上にスポット7aが結像された様子を示す説明図である。また、図4は検出用反射面4の傾き量と光検出器5の出力との関係を示すグラフである。
【0030】
検出用反射面4が1次元方向に傾いたときに、光検出器5の受光面6上のスポット7aの位置が移動する。このとき光検出器5の出力は図4のグラフに示すように、ほぼ線形に変化する。また図5は検出用反射面4が2次元方向に傾いたときの光検出器5のセンサ受光面6上にスポット7bが結像された様子を示す説明図である。検出用反射面4がそれぞれX,Y方向に動いたときに、受光面6上のスポット7bは2次元方向に移動する。このときそれぞれの方向の出力は同様に図5のグラフに示すようになり、検出用反射面4の傾き量(角度)と出力とは直線性が良くなる。本実施例の構成では、検出用反射面4の傾きは±10度程度の範囲の検出が可能である。
したがって、本実施例の構成では、検出用反射面の傾きの広範囲な検出が必要とされる光ピックアップの光路切り替え、及びトラッキング手段や、光通信の光スイッチング手段としての使用が可能となる。
【0031】
なお、本発明の実施例において、光検出器として、位置検出受光器(PSD)のかわりに、4分割受光器(4分割PD)を採用することによって偏向角を検出することも可能である。
図6は4分割受光器(4分割PD)を採用した光検出器5のセンサ受光面6上にスポット7が結像された様子を示す説明図である。
4分割受光器(4分割PD)を採用した光検出器5に集光するレーザ光Aのスポット径は通常のPSDを採用した光検出器に集光するレーザ光のスポットよりも大きくなるようになされている。また、光検出器5の受光面8は4つの受光面に分割されている(それぞれ8a,8b,8c,8dとする)。検出用反射面4がX,Y方向の2次元に傾いたとき、受光面8上のスポット7は2次元方向に移動する。このとき受光面8a,8b,8c,8dに照射された面積に応じた出力をそれぞれ、A、B、C、Dとすると、X方向の位置に対応する出力は、(A+D−B−C)/(A+B+C+D)、Y方向の位置に対応する出力は、(A+B−C−D)/(A+B+C+D)、をそれぞれ演算することにより得られる。それぞれの方向の演算出力はスポット形状が均一である限り、それぞれほぼ線形に変化する。
【0032】
このように構成された本実施例の偏向角検出装置によれば、次のような利点がある。
本実施例の偏向角検出装置によれば、検出用反射面4を光源から放射される光の光軸に対して所定の角度傾けて配置したので、ビームスプリッタや偏光ビームスプリッタなどの光路切り替え手段を設ける必要がなくなる。このため、部品点数が減り、コストや組立て工数を削減することができる。また、メカ的な配置の自由度も増える。
【0033】
また、光路切り替え手段を設けないことにより、光検出器で受光される光の光量損失がないので、ビームスプリッタや偏光ビームスプリッタを設けた構成に比べて検出精度が上がる。
本実施例の偏向角検出装置では、反射面3bで光束は全て反射し、面3aでも全反射するので光量損失がない。このため、光検出器での検出誤差の割合が小さくなり、検出精度が高くなる。
【0034】
また、光源からのレーザ光の集光を透過面に集光パワーを持つ正レンズで行う場合、スポット形成のためには大きな像面湾曲が生じ、スポット径の大きさが中心と端部で大きな変化を持つことになる。これに対し、本実施例の偏向角検出装置によれば、光学素子3の反射面3bを正のパワーを有する面とし、この面に集光のための主なパワーを持たせたので、凸レンズのような透過面に正のパワーを有する場合に比べて、パワーを有する面の曲率を小さくすることができ、収差を抑えることができる。したがって、光検出器5の中心と端部でのスポット径の大きさの変化が小さく、光検出器5での読み取り精度を高くすることができる。
【0035】
また、本実施例の偏光角検出装置によれば、検出用反射面4を光源から放射される光の光軸に対して所定の角度傾けて配置したことに加えて、光学素子3に反射面を2つ(3a,3b)設けたので、光路を折り畳む方向の自由度が多くなり、よりコンパクトなメカレイアウトが可能となる。
【0036】
なお、本実施例の偏向角検出装置のように、光学素子3における正のパワーを有する反射面3bを傾けて配置すると、偏心による特殊な収差が発生する。例えば、軸上において非点収差、コマ収差が発生し、ディストーション(像歪み)も偏心収差特有の台形や弓形の形状になる。
そこで、本実施例の偏向角検出装置では、光学素子3の反射面3bを非回転対称な面に構成している。このため、有効径内で曲率や傾きに違いをだすことで、偏心収差を良好に補正することができる。
なお、非回転対称な面としては、偏心した回転対称面も含み、他にアナモフィック面、トーリック面、自由曲面等がある。
なお、光学素子3に設ける非回転対称な面を自由曲面で構成すれば、より良好に偏心収差を補正できる。
【0037】
また、非回転対称な面を含んだ偏心光学系の場合は、組立て性や位置調整が非常に難しく重要な課題となるが、本実施例の偏向角検出装置では、光学素子3の光学作用面のうち2面(3a,3c)を平面に構成したので、平面3a,3cを基準として組み立てることができるため、組立時の位置調整が容易になり、組立て性の効率と精度がアップする。また、光学部材3は1面(3b)のみ加工すれば足りるので、加工の工程を少なく抑えることができる。
【0038】
また、本実施例の偏向角検出装置では、光源と検出用反射面4との間に光学素子2を配置したので、一定のNA作用を持った光源の光束が集光作用を受けて、検出用反射面4や光学素子3の光学作用面における光束径が小さくなる。このため、光学系をコンパクトに構成することが可能となる。
また、一般的に光学収差は、像高の大きい方が収差補正の量が大きくなるので、本実施例の偏向角検出装置のように、光学素子2を介して光束径を小さくしてから検出用反射面4に入射するようにすると、収差の発生も抑えることができる。
さらに、集光作用を光学素子2と光学素子3とに分配して、光学素子3のパワーを小さく設定することで、光学収差、特に偏心収差の発生量を少なくすることができる。
また、光学素子2を配置したことで、光学系のサイズや収差発生を大きくすることなく光源のNAを大きくすることができるので、光検出器5への光量が増加し、測定精度を上げることができる。
【0039】
また、本実施例の偏向角検出装置によれば、光検出器5を、センサS受光面6を光源1の射出側に向けて、光源1の近傍に配置したので、光検出器5の背後に空間ができ、その空間に電気的、メカ的機構を配置することができ、より一層のコンパクト化が可能となる。
また、光源の近傍に光検出器5を配置し、光検出器5のセンサ受光面6と光源の射出側面とを略同じ方向に向けることで、両者の電気機構、メカ機構をまとめて近傍に配置でき、メカレイアウトがシンプルになり、組立て時の作業性も向上する。さらに、メカと電気の部品や機構を共通化したり一体化することもでき、部品点数を減らしてコスト削減ができる。さらにまた、装置のレイアウトにおいて、電気機構及びメカ機構と、光学機構とを分けて配置することができ、埃に敏感な光学機構をまとめてシールドすることも可能となり、そのための生産性を向上することができる。
なお、メカ機構と電気機構とを出来るだけまとめて配置すれば、生産性が向上するので望ましいが、光検出器と光源の隣接や、光学機構の完全シールドは必ずしも必要ではない。
【0040】
第2実施例
図7は本発明の第2実施例に係る偏向角検出装置の概略構成図であり、(a)はミラー回転角が0度の状態、(b)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに10度回転した状態、(c)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに−10度回転した状態を示している。
本実施例の偏向角検出装置は、光学素子3が、2つの平面3a,3cと、2つの正のパワーを有する非回転対称な形状の反射面3b,3dとを有する光学部材で構成されている点、及び光検出器5のセンサ受光面6が光源1の射出側に向けられていない点が第1実施例と異なる。その他の構成は第1実施例とほぼ同じである。
【0041】
このように構成された本実施例の偏向角検出装置では、図7(a)に示すように、光源である半導体レーザ1から出射されたレーザ光は、カバーガラスを通過し、光学素子2を介して光束の広がりを抑えられて検出用反射面4に入射し、検出用反射面4で反射する。検出用反射面4で反射した光は、光学部材3の入射面3aに入射し、面3aを屈折透過して反射面3bで反射する。反射面3bで反射した光は正パワーの作用を受けて集光される。そして、再び面3aに入射し、面3aで全反射し、次いで、反射面3dに入射し、反射面3dで全反射し、射出面3cを屈折透過して光学素子3から射出し、光検出器5に入射して、センサ受光面6上に光スポットを形成する。なお、光検出器5は第1実施例と同様にPSD等で構成されている。
【0042】
本実施例の偏向角検出装置によれば、検出用反射面4を光源から放射される光の光軸に対して所定の角度傾けて配置したことに加えて、光学素子3に反射面を3つ(3a,3b,3d)設けたので、光路を折り畳む方向の自由度がより一層多くなり、より一層コンパクトなメカレイアウトが可能となる。
ただし、本実施例の偏向角検出装置では、光検出器5のセンサ受光面6が光源1の射出側に向けられていないため、光検出器5の背後の空間を多く取ることができず、電気的、メカ的機構を配置することが難しい。
その他の作用効果については、第1実施例の偏向角検出装置とほぼ同様である。
【0043】
第3実施例
図8は本発明の第3実施例に係る偏向角検出装置の概略構成図であり、(a)はミラー回転角が0度の状態、(b)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに10度回転した状態、(c)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに−10度回転した状態を示している。
本実施例の偏向角検出装置は、光学素子3が、2つの平面3a,3cと、1つの正のパワーを有する非回転対称な形状の反射面3bとで構成されている点で第1実施例と同じであるが、面3aが入射面としてのみ作用し、反射面としての作用を兼ねていない点で第1実施例の構成と異なる。その他の構成は第1実施例とほぼ同じである。
【0044】
このように構成された本実施例の偏向角検出装置では、図8(a)に示すように、光源である半導体レーザ1から出射されたレーザ光は、カバーガラスを通過し、光学素子2を介して光束の広がりを抑えられて検出用反射面4に入射し、検出用反射面4で反射する。検出用反射面4で反射した光は、光学部材3の面3aに入射し、面3aを屈折透過して反射面3bで反射する。反射面3bで反射した光は正パワーの作用を受けて集光される。次いで、射出面3cを屈折透過して光学素子3から射出し、光検出器5に入射して、センサ受光面6上に光スポットを形成する。
【0045】
本実施例の偏向角検出装置によれば、光学素子3の面3aを入射面としてのみ作用するようにしたので、第1実施例に比べて、面3aが小さくて済み、光学素子3をコンパクト化して、装置全体をより一層コンパクト化することができる。その他の作用効果については、第1実施例の偏向角検出装置とほぼ同様である。
【0046】
第4実施例
図9は本発明の第4実施例に係る偏向角検出装置の概略構成図であ、(a)はミラー回転角が0度の状態、(b)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに10度回転した状態、(c)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに−10度回転した状態を示している。
本実施例の偏向角検出装置は、光束の広がりを抑える作用と、集光作用とを兼ねる光学素子3’を、第1実施例〜第3実施例における光束の広がりを抑える光学素子2、集光作用を有する光学素子3に替えて配置したことを特徴としている。
光学素子3’は、光学作用面が面3’aと、面3’bの2面で構成されている。面3’a,3’bは、異なる部位において、それぞれ入射面と射出面としての作用を備えている。面3’aは、正のパワーを有する非回転対称な面形状に形成されている。面3’aの入射面となる部位では、光源からの光束が広がらないように作用し、射出面となる部位では集光作用が働くようになっている。面3’bは平面に形成されている。
その他の構成は第1実施例とほぼ同じである。
【0047】
このように構成された本実施例の偏向角検出装置では、図9(a)に示すように、光源である半導体レーザ1から出射されたレーザ光は、カバーガラスを通過し、光学部材3’の面3’aに入射し、面3’aを屈折透過し、正パワーの作用を受けて光束の広がりを抑えられる。次いで、面3’bを屈折透過して光学素子3から射出し、検出用反射面4に入射し、検出用反射面4で反射する。検出用反射面4で反射した光は、光学部材3’の面3’bに入射し、面3’bを屈折透過して面3’aを屈折透過して光学素子3’から射出する。面3’aを透過した光は正パワーの作用を受けて集光される。光学素子3’から射出した光束は、光検出器5に入射して、センサ受光面6上に光スポットを形成する。
【0048】
本実施例の偏向角検出装置によれば、第1実施例〜第3実施例における光学素子2による光束の広がりを抑える作用と、光学素子3の集光作用を、1つの光学素子3’に共有させたので、部品点数を少なくすることができる。このため、コストを削減でき、組立て性を向上させることができる。
また、光学素子3’の光学作用面を2つの面で構成し、それぞれの面で入射面と射出面としての作用を兼ね備えるようにしたので、2つの面で光束に4回の光学的作用を与えることができる。このため、パワーを効率的に与えることができ、また、パワーを分散させることができるので、面に形成する曲率を小さく抑えることができ、収差も抑えることができる。
【0049】
また、本実施例の偏向角検出装置においても、検出用反射面4を光源から放射される光の光軸に対して所定の角度傾けて配置したので、光路を折り畳む方向の自由度が多く、コンパクトなメカレイアウトが可能となる。
【0050】
また、本実施例の偏向角検出装置によれば、光学素子3’の面3’aを非回転対称な面に構成している。このため、有効径内で曲率や傾きに違いをだすことで、検出用反射面4を光源から放射される光の光軸に対して所定の角度傾けて配置したことにより生じる偏心収差を良好に補正することができる。
なお、光学素子3’に設ける非回転対称な面を自由曲面で構成すれば、より良好に偏心収差を補正できる。
【0051】
また、本実施例の偏向角検出装置では、光源と検出用反射面4との間に光学素子3’を配置したので、一定のNA作用を持った光源の光束が集光作用を受けて、検出用反射面4における光束径や光学素子3’の光学作用面における検出用反射面4で反射した光の光束径が小さくなる。このため、光学系をコンパクトに構成することが可能となる。
また、一般的に光学収差は、像高の大きい方が収差補正の量が大きくなるので、本実施例の偏向角検出装置のように、光学素子3’を介して光束径を小さくしてから検出用反射面4に入射するようにすると、収差の発生も抑えることができる。
さらに、集光作用を光学素子3’の面3’aと面3’bに分配し、かつ、それぞれの面で2度集光作用が働くようにして、光学素子3’のパワーを小さく設定することで、光学収差、特に偏心収差の発生量を少なくすることができる。
また、光学素子3’を配置したことで、光学系のサイズや収差発生を大きくすることなく光源のNAを大きくすることができるので、光検出器5への光量が増加し、測定精度を上げることができる。
【0052】
また、本実施例の偏向角検出装置によれば、第1,第3実施例と同様に、光検出器5を、センサS受光面6を光源1の射出側に向けて、光源1の近傍に配置したので、光検出器5の背後に空間ができ、その空間に電気的、メカ的機構を配置することができ、より一層のコンパクト化が可能となる。
【0053】
第5実施例
図10は本発明の第5実施例に係る偏向角検出装置の概略構成図であり、(a)はミラー回転角が0度の状態、(b)はミラー回転角がYZ面内でX軸回りに10度回転した状態、(c)はミラー回転角がYZ面内でX軸回りに−10度回転した状態を示している。
本実施例の偏向角検出装置は、光束の広がりを抑える作用と、集光作用とを兼ねる光学素子3”を、第1実施例〜第3実施例における光束の広がりを抑える光学素子2、集光作用を有する光学素子3に替えて配置したことを特徴としている。
光学素子3”は、面3”aと、面3”bと、面3”cの3面で構成されている。面3”a,3”b,3”cは、非回転対称な面形状に形成されている。面3”aは、異なる部位において、入射面と反射面としての作用を備えている。また、面3”aは正のパワーを有しており、入射面となる部位では、光源からの光束が広がらないように作用し、反射面となる部位では集光作用が働くようになっている。面3”bは、異なる部位において、射出面と入射面としての作用を備えている。また、面3”bは正のパワーを有しており、射出面となる部位では、面3”aの入射面となる部位における光源からの光束が広がらないようにする作用を分担し、入射面となる部位では、面3”aの反射面となる部位における集光作用を分担している。面3”cは、射出面としての作用を備えている。また面3”cは、正のパワーを有しており、面3”aの反射面となる部位や、面3”bの入射面となる部位における集光作用を分担している。
なお、本実施例の偏向角検出装置では、光学素子3”の反射面3”bが検出用反射面4で反射された軸上主光線を光源とは反対の方向に反射するように傾いて配置されている。また、光検出器5のセンサ受光面6が光源1の射出側とは反対側に向けられて光源1から離れて配置されている。
【0054】
このように構成された本実施例の偏向角検出装置では、図10(a)に示すように、光源である半導体レーザ1から出射されたレーザ光は、カバーガラスを通過し、光学部材3”の面3”aに入射し、面3”a,面3”bを屈折透過し、それぞれの面が持つ正パワーの作用を受けて光束の広がりを抑えられて、光学素子3から射出する。射出した光束は、検出用反射面4に入射し、検出用反射面4で反射する。検出用反射面4で反射した光は、光学部材3”の面3”bに入射し、面3”bを屈折透過し、面3”aで反射し、面3”cを透過し、それぞれの面が持つ正パワーの作用を受けて集光されて、光学素子3”から射出する。光学素子3”から射出した光束は、光検出器5に入射して、センサ受光面6上に光スポットを形成する。
【0055】
本実施例の偏向角検出装置によれば、第1実施例〜第3実施例における光学素子2による光束の広がりを抑える作用と、光学素子3の集光作用を、1つの光学素子3”に共有させたので、部品点数を少なくすることができる。このため、コストを削減でき、組立て性を向上させることができる。
【0056】
また、光学素子3”の光学作用面を3つの面で構成し、面3”aに入射面と反射面としての作用を兼ね備え、面3”bに出射面と入射面としての作用を兼ね備えるようにしたので、2つの面3”a,3”bで光束に4回の光学的作用を与えることができる。このため、パワーを効率的に与えることができ、また、パワーを分散させることができるので、面に形成する曲率を小さく抑えることができ、収差も抑えることができる。
【0057】
また、本実施例の偏向角検出装置においても、検出用反射面4を光源から放射される光の光軸に対して所定の角度傾けて配置したので、光路を折り畳む方向の自由度が多く、コンパクトなメカレイアウトが可能となる。
【0058】
また、本実施例の偏向角検出装置によれば、光学素子3”の面3”a,3”b3”cを非回転対称な面に構成している。このため、有効径内で曲率や傾きに違いをだすことで、検出用反射面4を光源から放射される光の光軸に対して所定の角度傾けて配置したことにより生じる偏心収差を良好に補正することができる。なお、光学素子3”に設ける非回転対称な面を自由曲面で構成すれば、より良好に偏心収差を補正できる。
【0059】
また、本実施例の偏向角検出装置では、光学素子3”の面3”aが入射面と反射面とを兼ねているので、反射面3”aによる反射は臨界角以上で入射した光を全反射することで行うようにしている。このため、面3”aには反射膜をコーティングする必要がない。
【0060】
また、本実施例の偏向角検出装置では、光源と検出用反射面4との間に光学素子3”を配置したので、一定のNA作用を持った光源の光束が集光作用を受けて、検出用反射面4における光束径や光学素子3”の光学作用面における検出用反射面4で反射した光の光束径が小さくなる。このため、光学系をコンパクトに構成することが可能となる。
また、一般的に光学収差は、像高の大きい方が収差補正の量が大きくなるので、本実施例の偏向角検出装置のように、光学素子3”を介して光束径を小さくしてから検出用反射面4に入射するようにすると、収差の発生も抑えることができる。
さらに、集光作用を光学素子3”の面3”aと面3”bと面3”cとに分配し、かつ、面3”aと面3”bとで2度集光作用が働くようにして、光学素子3”のパワーを小さく設定することで、光学収差、特に偏心収差の発生量を少なくすることができる。
また、光学素子3”を配置したことで、光学系のサイズや収差発生を大きくすることなく光源のNAを大きくすることができるので、光検出器5への光量が増加し、測定精度を上げることができる。
【0061】
次に、上記第1実施例〜第5実施例の偏向角検出装置を構成する光学系の構成パラメータを数値データとして示す。
各数値データ中、“FFS”は自由曲面である。
【0062】
また、各実施例における自由曲面は、次式で示される。尚、この式のZ軸が自由曲面の軸となる。
Figure 2004053503
但し、上記式の第1項は球面項、第2項は自由曲面項である。また、球面項中、cは頂点の曲率、kはコーニック定数(円錐定数)、r=(X2+Y2)1/2である。
自由曲面項は、次式のように展開することができる。但し、Cj(jは2以上の整数)は係数である。
Figure 2004053503
また、屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。
長さの単位はmmである。
【0063】
また、各実施例の数値データでは、設計の利便性を考慮して検出用反射面から後述する回動ミラー15の反射面までの距離を0とし、検出用反射面の光軸位置に回転軸があるものとしている。
なお、実際には、検出用反射面と後述する回動ミラー15の反射面との間には所定の距離があるが、検出用反射面上に回転軸を設けることにより、回動により回動ミラー15の反射面の位置にズレを生じるが、回転角度を電気的に制御することにより補正できるので、検出用反射面から後述する回動ミラー15の反射面までの距離を0としても、本発明の本質に影響を与えない。
また、以下の各数値データ中の絞り面は仮想絞り面であり、そこに実際に絞りがあることを示したものではない。さらに、有害光を除去するフレア絞りは必要により各面間隔中に設置することが可能である。
【0064】
Figure 2004053503
【0065】
Figure 2004053503
【0066】
Figure 2004053503
【0067】
Figure 2004053503
【0068】
Figure 2004053503
【0069】
Figure 2004053503
【0070】
Figure 2004053503
【0071】
Figure 2004053503
【0072】
Figure 2004053503
【0073】
Figure 2004053503
【0074】
条件式の値
Figure 2004053503
ただし、θは各実施例における光源から放射される光の光軸を通る光線の検出用反射面4への入射角、αは第1〜第3実施例のそれぞれにおける反射面3dに入射する軸上主光線と反射面3dで反射した軸上主光線とのなす角、及び第5実施例における反射面3”aに入射する軸上主光線と反射面3”aで反射した軸上主光線とのなす角、α2は第2実施例における反射面3dに入射する軸上主光線と反射面3dで反射した軸上主光線とのなす角である。
【0075】
次に、上記実施例を用いて説明した本発明の偏向角検出装置を用いたシステムの例について説明する。
図11は本発明の偏向角検出装置を用いた光信号スイッチシステム106の一例の概略構成を示す説明図である。
本システムは、情報信号に応じて、例えば強度・パルス幅・周波数などが変調されたレーザ光束103…(光信号)が内部に伝送されてくる光ファイバーケーブルなどの光伝送用ケーブルを束ねた入力側ケーブルユニット100と、光ファイバーケーブルなどの光伝送用ケーブルを束ねて、レーザ光束103…を内部に伝送させる出力側ケーブルユニット105と、それらのユニットの間に設けられたレーザ光束103…を選択的に偏向するための光スイッチングデバイス108,108からなる。
【0076】
入力側ケーブルユニット100は、例えば紡糸されたガラスファイバーをプラスチックで保護被覆した光ファイバーケーブルなどから構成される光伝送用ケーブルの端部に、内部を伝送されてきたレーザ光束103を外部に出射させる出射口101aを備えた入力側ケーブル101を複数本、束ねたものである。それぞれの出射口101aの光軸上にレーザ光束103を平行光束とするよう機能するコリメータユニット102が配置されている。入力側ケーブル101は、それぞれの出射口101a…が出射方向を揃えられ、それぞれ所定の間隔をあけて規則正しく配列されている。出射口101a…は、その個数に応じて、例えば2×2、64×64などの格子マトリクス状に配列されている。
【0077】
出力側ケーブルユニット105は、同様に前記光伝送用ケーブルの端部に、レーザ光束103を入射させる入射口109aを備えた出力側ケーブル109を複数本、束ねたものである。それぞれの入射口109aの光軸上に、レーザ光束103を結像するよう機能する結像ユニット107が配置されている。出力側ケーブル109は、それぞれの入射口109a…が入射方向を揃えられ、それぞれ所定の間隔があけて規則正しく配列されている。入射口109a…は、その個数に応じて、例えば2×2、64×64などの格子マトリクス状に配列されている。
【0078】
入力側ケーブルユニット100および出力側ケーブルユニット105の、レーザ光束103の出入射方向には、それぞれ光スイッチングデバイス108が配置されている。光スイッチングデバイス108は、1次元または2次元にそれぞれ独立に傾くことができる回動ミラー15(光偏向素子)…と、それらの中立位置からの傾き角(偏向角)をそれぞれ検出する本発明の偏向角検出装置60…と、偏向角検出装置60からの出力により回動ミラー15…の偏向角を制御する偏向角制御手段61’とからなる。
【0079】
光スイッチングデバイス108,108は、それらの回動ミラー15…がそれぞれ出射口101a…、入射口109a…に対応するように配置されるとともに、回動ミラー15…が中立位置の傾きとされた状態で、所定の出射口101aから出射されたレーザ光束103がそれぞれの回動ミラー15,15で反射されて所定の入射口109aに入射する位置関係に配置されている。
【0080】
図12は回動ミラー15の反射面に直角な断面とそのまわりの構成を示す説明図である。
図12の回動ミラー15は、ガルバノミラーを採用した例である。例えば電磁コイルなどの周知のアクチュエータ15dによって、傾き角を任意に調整できるように支持された板状の支持部材15bの表裏面に、表面反射平面ミラーを埋め込むことにより、支持部材15bの表面側にレーザ光束103を反射するための偏向ミラー面15aを、支持部材15bの裏面側に検出用反射面15cをそれぞれ形成したものである。
なお、本発明においては、上述のように検出用反射面15cの面上に回転軸を設け、偏向ミラー面15aの位置ズレによる誤差を電気的に補正してもよいし、2つの面(15a,15c)に回転軸を設け、リンク機構などを介して2つの面を同じ回転角で回転させるようにすることもできる。
【0081】
偏向ミラー面15aと検出用反射面15cは、平行である必要はないが、偏向ミラー面15aの偏向角に対応して検出用反射面15cが傾斜するように接合されている。図示の例では、偏向ミラー面15aと検出用反射面15cが、それぞれ支持部材15bに固定されている。したがって、偏向ミラー面15aと検出用反射面15cは回動中心を共有している。またそれぞれの面精度、反射率は適宜反射すべき検出光、レーザ光束103に対して適切となるように個別に設定される。
【0082】
回動ミラー15は、レーザ光束103…が入射する方向に偏向ミラー面15a…が配され、背面側の検出用反射面15c…には、偏向角を検出するための偏向角検出装置60…が対向するように設けられている。
【0083】
偏向角制御手段61’は、回動ミラー15とその偏向角を特定する偏向角制御信号201と電源電圧200を外部から受け取り、アクチュエータ15dと偏向角検出装置60にそれぞれ電気的に接続され、アクチュエータ15dを駆動する駆動信号202を出力し、回動ミラー15の偏向角を検出する偏向角検出装置60から検出レベル信号203が入力されるように構成されている。
【0084】
このように構成された光信号スイッチシステム106では、まず、通常の伝送路の中継状態では、1つの入力側ケーブル101において内部を伝送されたレーザ光束103は、格子マトリクス状に規則正しく配列された出射口101a…の1つに到達して、そこから入力側ケーブル101の外部に放射される。そしてコリメータユニット102によりその放射光が集光され、ゴミなどによるけられが発生しないように適宜太さの平行ビームとされて光スイッチングデバイス108の方向に出射される。
【0085】
ここでコリメータユニット102のそれぞれの後段に設けられた、中立位置の回動ミラー15…は、それぞれ、特定のレーザ光束103を、もう一方の光スイッチングデバイス108の中立位置にある特定の回動ミラー15に向けて反射して、規則正しく配列された出力側ケーブルユニット105の特定の入射口109a…に対応する結像ユニット107…の1つに入射させている。そして入射した結像ユニット107を透過して、出力側ケーブルユニット105中の、所定の光ケーブル101の入射口109aに結像されて、その内部にレーザ光束103が入射され、伝送されていく。
【0086】
本例による光信号スイッチシステム106では、回動ミラー15,15を中立位置から所定の偏向角だけ傾斜させ、レーザ光束103の到達位置を変更することにより行う。例えば、図11において、特定の入力側ケーブル101Aから出射されるレーザ光束103Aを通常の中継状態からスイッチングして出力側ケーブル109Bに切り換える場合、まず回動ミラー15Aの偏向角を変えてレーザ光束103Aを回動ミラー15Bに向けて偏向する。回動ミラー15Bは、通常の中継状態では別のレーザ光束103を中立位置で出力側ケーブル109Bに入射させるが、この場合レーザ光束103Aの入射角に対応して、レーザ光束103Aが出力側ケーブル109Bに入射するように回動ミラー15Bの偏向角が変更される。
【0087】
出射口101a…と入射口109a…はそれぞれ規則正しく配列されているので、それぞれの出射口101aと入射口109aを対応させる回動ミラー15,15の偏向角は、光スイッチングデバイス108,108の位置関係によってあらかじめ決まっている。そこで、特定の回動ミラー15,15を所定の偏向角に傾斜させることにより、光信号スイッチングを行うことができる。
そのため、回動ミラー15,15の偏向角を上述した偏向角検出装置60で検出して図13に示す偏向角制御手段61’を介してアクチュエータ15dをフイードバック制御することになる。
【0088】
次に本発明による偏向角検出装置を用いた装置の他の例として、回動ミラー15を傾斜させて光信号スイッチング制御を行うための偏向角制御手段61’について説明する。図13はその制御ブロック図である。
偏向角制御手段61’は、詳しくは、偏向角を特定する偏向角制御信号201をデコードし、回動ミラー15の目標偏向角に対応した目標レベル信号204を発生させるデコード手段61’aと、偏向角検出装置60からの検出レベル信号203と目標レベル信号204の偏差を受け取ってアクチュエータ5dの駆動信号202を発生させる制御部61’bとからなる。
【0089】
次に光信号スイッチング方法について、図11および図13を中心に説明する。
まず、スイッチングするレーザ光束103Aの入力側ケーブル101Aと出力側ケーブル109Bが特定される。そして、それぞれの情報が、偏向角制御信号201によって外部から、各光スイッチングデバイス108の偏向角制御手段61’に入力され、デコード手段61’aに入力される。
【0090】
デコード手段61’aにより回動ミラー15の目標偏向角に対応する目標レベル信号204が発生される。目標レベル信号204は、検出された偏向角による検出レベル信号203との偏差が取られて制御部61’bに入力される。制御部61’bでは、この偏差を、例えば増幅、微分、積分などして、回動ミラー15の偏向角を目標偏向角に近づけるように駆動信号202を調節してアクチュエータ15dへフイードバックして出力する。
【0091】
このように、偏向角検出装置60を検出手段としてフイードバック制御が行われるので、回動ミラー15の偏向角が目標偏向角に修正される。したがって、例えば外乱が生じて偏向角が目標偏向角からずれても、そのずれ量に応じてただちに目標偏向角に修正されるものである。すなわち、偏向角制御手段61’と、偏向角検出装置60とを備えた光スイッチングデバイス108により、リアルタイムのフイードバック制御が実現されている。
【0092】
さらに、本発明の偏向角検出装置60がコンパクトに構成されているために、光スイッチングデバイス108を小型化・省スペース化することができる。また、回動ミラー15…の背後に配置される偏向角検出装置60…がコンパクトであるために、回動ミラー15の配列間隔を狭めることができるから、入力側ケーブルユニット100、出力側ケーブルユニット105の光ケーブル101…の配列間隔もつめることができて、それぞれコンパクト化される。またその結果、回動ミラー15の偏向角を大きくすることなく、切り替え可能な伝送路の数を増やすことができるという利点がある。
【0093】
このような効果は、従来の光信号スイッチシステムにおいては採用されることのなかった光源中心を通る光軸に対して所定の角度傾いて配置された検出用反射面とこの検出用反射面で反射した光を集光するための正のパワーを有する光学素子とを用いて光路を集光させながらコンパクトに折り畳むという本発明の特徴によって可能となったものである。
【0094】
なお、上記の説明では、入力側ケーブルユニット100の出射口101a…に対してそれぞれ1つの回動ミラー15を備える例で説明した。しかし伝送路の切り替えの用途には、レーザ光束103を個々に切り替える場合以外の用途もある。例えば伝送路のメンテナンスなどの際にバックアップのための回線に切り替える場合である。この場合、所定の入力側ケーブルユニット100の全体を、ある出力側ケーブルユニット105から別の出力側ケーブルユニット105へ切り替える。このような場合には、入力側ケーブルユニット100の配列をそのまま保ちながら切り替えるので、回動ミラー15は入力側ケーブルユニット100に対して1つでもよい。
【0095】
次に、本発明の偏向角検出装置を備えたピックアップ装置などの情報記録再生システムの例を説明する。図14は本発明による偏向角検出装置を用いた情報記録再生システム110の概略構成を示す平面図である。
【0096】
本システムは、情報信号を記録再生するための、例えば光ディスクや光磁気ディスクなどの記録ディスク112(記録媒体)と、情報信号に応じて例えば強度・パルス幅などが変調されたレーザ光束115(光束)を照射する半導体レーザ1(光源)と、レーザ光束115を結像する結像レンズ116および結像レンズユニット114と、レーザ光束115を偏向し結像レンズユニット114への入射位置を可変して微動トラッキング制御を行うためアクチュエータ(不図示)で偏向駆動される回動ミラー15と、本発明の偏向角検出装置60とからなる光学系と、それらの光学系を設置して記録ディスク112の記録面の平行方向と垂直方向に移動させることができるアーム113とを備える。
半導体レーザ1は、情報信号によって半導体レーザ1を変調するためのレーザ駆動手段1bに接続されている。
回動ミラー15は、図12に示した構成を採用することができる。偏向角検出装置60も上述したいずれの実施例をも採用することができる。
【0097】
符号111は筐体であって、その中に例えばDC制御モータなどで回転駆動される駆動軸112aに記録ディスク112が配置されている。記録ディスク112は駆動軸112a回りに回転可能に保持されている。
【0098】
記録ディスク112は、少なくともいずれかの表面に光信号の記録または再生の一方または両方が可能な記録面を備えている。フォーマットされた記録ディスク112は、記録面の周方向にトラック信号が形成され、情報信号の記録位置を径方向に論理的に分割している。
【0099】
アーム113は、記録面の上方に配置され、記録ディスク112に対して上下方向に弾性的に支持されている。アーム113は、回転軸113aによって、記録ディスク112の記録面に平行方向に回転可能に支持されており、電磁コイルなどからなる駆動コイル117によって回転軸113a回りに回転駆動可能とされている。
【0100】
結像レンズ116は、半導体レーザ1から出射されたレーザ光束115を、例えば平行ビームなどに適宜整形するよう構成されている。結像レンズユニット114は、レーザ光束115を受けて記録面上に結像するとともに、記録面からの反射光を受光して、情報信号に対応する信号光と、フォーカス制御を行うためのフォーカス検出光と、トラッキング制御を行うためのトラッキング検出光をそれぞれの受光素子に受光させるように構成されている。
【0101】
結像レンズ116と結像レンズユニット114の間には、レーザ光束115の結像レンズユニット114への入射位置を可変して微動トラッキング制御を行うための回動ミラー15が偏向角検出装置60とともに配置されている。回動ミラー15の構成は、図12に示した構成を採用することができる。偏向角検出装置60も上述したいずれの実施例をも採用することができる。
【0102】
このように構成された本システムでは、まず、レーザ光束115を記録ディスク112の記録面に照射し、反射光を結像レンズユニット114で受光してトラッキング信号を拾い、トラックの位置、トラックからのずれ量などの情報を収集する。その情報に基づき、駆動コイル117によってアーム113の回動位置を粗動制御し、トラック間の移動や、トラックへの追従を行う。
【0103】
さらに、より厳密なトラッキングを行うため、回動ミラー15を傾斜させ、レーザ光束115を偏向させて、その結像レンズユニット114への入射位置をずらし、記録面上の径方向の結像位置を微動させる。その際、偏向角検出装置60により回動ミラー15の偏向角を検出してフイードバック制御する。フイードバック制御は、図13を用いて説明した光信号スイッチング方法と同様の方法を採用することができる。
【0104】
このように、本発明の偏向角検出装置60を用いて情報記録再生システムを構成すると、第1に偏向角検出装置60をコンパクトに構成することができるから、アーム113を小さく軽く構成することができる。したがって、その機械的な応答特性を高めることができるという利点がある。第2に偏向角検出装置60の検出範囲が広くとることができるので、より大きな偏向角を取ることができ、回動ミラー15から結像レンズユニット114までの距離が短くても所定の入射位置を得ることができ、その結果、アーム113上の光学系の光路長を短くすることができる。そのことによって、アーム113を小型化でき、よりコンパクトで機械的な応答特性に優れる情報記録再生システムを得ることができるという利点がある。
【0105】
以上説明したように、本発明の偏向角検出装置は、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次に示すような特徴も備えている。
【0106】
(1)前記反射光集光用光学素子が、正のパワーを有する反射面を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏向角検出装置。
【0107】
(2)前記光源の中心から前記光検出器の受光位置の中心を通る光線を軸上主光線とするとき、前記反射光集光用光学素子の前記正のパワーを有する反射面は、前記検出用反射面で反射された軸上主光線を光源方向に向けて反射するように傾いて配置されていることを特徴とする上記(1)に記載の偏向角検出装置。
【0108】
(3)前記反射光集光用光学素子の光学作用面が、入射面と射出面を有し、前記正のパワーを有する反射面が、裏面反射面であることを特徴とする上記(2)に記載の偏向角検出装置。
【0109】
(4)前記反射光集光用光学素子の前記正のパワーを有する反射面が、非回転対称な面で形成されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の偏向角検出装置。
【0110】
(5)前記反射光集光用光学素子の前記正のパワーを有する反射面に入射する軸上主光線と、前記反射光集光用光学素子の前記正のパワーを有する反射面で反射した軸上主光線とのなす角をαとするとき、次の条件式を満たすことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の偏向角検出装置。
20°<α<110°
【0111】
(6)前記光検出器が、受光面を前記光源の射出側に向けて、前記光源の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1〜3、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の偏向角検出装置。
【0112】
(7)前記反射光集光用光学素子は、光学作用面のうち2つの面が反射面で構成されていることを特徴とする請求項1〜3、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の偏向角検出装置。
【0113】
(8)前記反射光集光用光学素子は、光学作用面のうち3つ以上の面が反射面で構成されていることを特徴とする請求項1〜3、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の偏向角検出装置。
【0114】
(9)前記反射光集光用光学素子の入射面と反射面とを共通の面で構成したことを特徴とする請求項1〜3、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の偏向角検出装置。
【0115】
(10)前記光源と前記検出用反射面との間に、正のパワーを有する入射光集光用光学素子を配置したことを特徴とする請求項1〜3、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の偏向角検出装置。
【0116】
(11)前記入射光集光用光学素子の光学作用面が、回転対称な面であることを特徴とする請求項1〜3、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の偏向角検出装置。
【0117】
(12)前記入射光集光用光学素子と前記反射光集光用光学素子とが一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜3、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の偏向角検出装置。
【0118】
(13)請求項1〜3、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の偏向角検出装置を用いた光信号スイッチシステム。
【0119】
(14)請求項1〜3、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の偏向角検出装置と、前記偏向角検出装置からの出力により前記光偏向素子の偏向角を制御する偏向角制御手段とを有することを特徴とする光信号スイッチシステム。
【0120】
(15)請求項1〜3、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の偏向角検出装置を用いた情報記録再生システム。
【0121】
(16)請求項1〜3、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の偏向角検出装置と、光を照射することにより情報信号の記録または再生あるいはその両方が可能な記録面を有する記録媒体と、該記録媒体に前記情報信号を記録または再生あるいはその両方を行う光束を照射する光源と、前記光束を前記記録媒体の記録面に結像する光学系と、該光学系内に配置され、前記光束を前記記録面に平行な面内で偏向し、偏向角に連動して傾斜角が変わる前記検出用反射面を有する前記光偏向素子と備えたことを特徴とする情報記録再生システム。
【0122】
【発明の効果】
本発明の偏向角検出装置によれば、光路切り替え手段を設ける必要がなくなるため、部品点数が減り、コストや組立て工数を削減することができる。また、メカ的な配置の自由度も増え、コンパクト化できる。さらに、光路切り替え手段を設けないことにより、光検出器で受光される光の光量損失がないため、高精度の偏向角検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る偏向角検出装置の概略構成図であり、(a)はミラー回転角が0度の状態、(b)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに10度回転した状態、(c)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに−10度回転した状態を示している。
【図2】本発明の偏向角検出装置における光検出器に採用することができるPSDの概念図である。
【図3】検出用反射面4が1次元方向(X方向、またはY方向)に傾いたときの光検出器5のセンサ受光面6上にスポット7aが結像された様子を示す説明図である。
【図4】検出用反射面の傾き量と光検出器5の出力との関係を示すグラフである。
【図5】検出用反射面4が2次元方向に傾いたときの光検出器5のセンサ受光面6上にスポット7bが結像された様子を示す説明図である。
【図6】分割受光器(4分割PD)を採用した光検出器5のセンサ受光面6上にスポット7が結像された様子を示す説明図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る偏向角検出装置の概略構成図であり、(a)はミラー回転角が0度の状態、(b)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに10度回転した状態、(c)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに−10度回転した状態を示している。
【図8】本発明の第3実施例に係る偏向角検出装置の概略構成図であり、(a)はミラー回転角が0度の状態、(b)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに10度回転した状態、(c)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに−10度回転した状態を示している。
【図9】本発明の第4実施例に係る偏向角検出装置の概略構成図であり、(a)はミラー回転角が0度の状態、(b)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに10度回転した状態、(c)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに−10度回転した状態を示している。
【図10】本発明の第5実施例に係る偏向角検出装置の概略構成図であり、(a)はミラー回転角が0度の状態、(b)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに10度回転した状態、(c)はミラー回転角がyz面内でx軸回りに−10度回転した状態を示している。
【図11】本発明の偏向角検出装置を用いた光信号スイッチシステム106の一例の概略構成を示す説明図である。
【図12】回動ミラー15の反射面に直角な断面とそのまわりの構成を示す説明図である。
【図13】本発明による偏向角検出装置を用いた装置の他の例として、回動ミラー15を傾斜させて光信号スイッチング制御を行うための偏向角制御手段61’の制御ブロック図である。
【図14】本発明による偏向角検出装置を用いた情報記録再生システム110の概略構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1     半導体レーザ
1b    レーザ駆動手段
2     光学素子(入射光集光用光学素子)
3,3’,3”     光学素子(反射光集光用光学素子)
3a    面(入射面及び射出面、又は入射面)
3’a,3’b       面(入射面及び射出面)
3”a   面(入射面及び反射面)
3”b   面(射出面及び入射面)
3b    反射面
3c,3c 射出面
3d    反射面
4     検出用反射面
5     光検出器
6     光検出面(センサ受光面)
7,7a,7b           スポット
8,8a,8b,8c,8d  受光面
15,15A,15B     回動ミラー
15a    偏向ミラー面
15b    支持部材
15c    検出用反射面
15d    アクチュエータ
60     偏向角検出装置
61’    偏向角制御手段
61’a   デコード手段
61’b   制御部
101,101A     入力側ケーブル
102    コリメータユニット
103、103A     レーザ光束(光信号)
105    出力側ケーブルユニット
106    光信号スイッチシステム
107    結像ユニット
108    光スイッチングデバイス
109、109B      出力側ケーブル
109a   入射口
110    記録情報再生システム
111    筐体
112    記録ディスク
112a   駆動軸
113a   回転軸
114    結像レンズユニット
115    レーザ
116    結像レンズ
117    駆動コイル

Claims (3)

  1. 光偏向素子の偏向角を検出する偏向角検出装置であって、
    前記光偏向素子に光を放射するための光源と、
    前記光源から放射される光の光軸に対して所定の角度傾いて配置された、前記光偏向素子に備えられた検出用反射面と、
    前記検出用反射面で反射した光を集光するための正のパワーを有する反射光集光用光学素子と、
    前記反射光集光用光学素子からの光を受光し、その受光位置により前記光偏向素子の偏向角を検出する光検出器とを備えたことを特徴とする偏向角検出装置。
  2. 前記光源から放射される光の光軸を通る光線の前記検出用反射面への入射角をθとするとき、次の条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の偏向角検出装置。
    10°<θ<70°
  3. 前記反射光集光用光学素子の光学作用面のうち、少なくとも1面が非回転対称面であることを特徴とする請求項2に記載の偏向角検出装置。
JP2002213551A 2002-07-05 2002-07-23 偏向角検出装置 Pending JP2004053503A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002213551A JP2004053503A (ja) 2002-07-23 2002-07-23 偏向角検出装置
US10/609,635 US7151596B2 (en) 2002-07-05 2003-07-01 Deflection angle detecting device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002213551A JP2004053503A (ja) 2002-07-23 2002-07-23 偏向角検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004053503A true JP2004053503A (ja) 2004-02-19

Family

ID=31936117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002213551A Pending JP2004053503A (ja) 2002-07-05 2002-07-23 偏向角検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004053503A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103163641A (zh) * 2011-12-09 2013-06-19 中国科学院西安光学精密机械研究所 一种实现多光程及变化光程数的多光程方法及装置
CN103163641B (zh) * 2011-12-09 2016-12-14 中国科学院西安光学精密机械研究所 一种实现多光程及变化光程数的多光程方法及装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103163641A (zh) * 2011-12-09 2013-06-19 中国科学院西安光学精密机械研究所 一种实现多光程及变化光程数的多光程方法及装置
CN103163641B (zh) * 2011-12-09 2016-12-14 中国科学院西安光学精密机械研究所 一种实现多光程及变化光程数的多光程方法及装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7151596B2 (en) Deflection angle detecting device
JP2003279337A (ja) 偏向角検出装置、光信号スイッチシステム、情報記録再生システム、偏向角検出方法および光信号スイッチング方法
JP2004212209A (ja) 角度検出装置、光信号スイッチシステムおよび情報記録再生システム
JP2004212205A (ja) 角度検出装置、光信号スイッチシステムおよび情報記録再生システム
US4804835A (en) Optical head having guide means with first and second polarizing surfaces
JPH0421935B2 (ja)
JPH1064103A (ja) 光ピックアップ装置
JP2002517777A (ja) 光学的スキャナーに用いられる読み取り/書き込みヘッドの焦点を制御するための方法及び装置
JP2003077154A (ja) ミラーの角度検出装置、光信号スイッチシステム及び光信号スイッチング方法
KR970001372B1 (ko) 광정보 처리 장치
JP3271995B2 (ja) 光学装置
JP2004037384A (ja) 偏向角検出装置
JP2004053503A (ja) 偏向角検出装置
JPS62200541A (ja) 情報記録再生装置
JP2004061127A (ja) 偏向角検出装置
JP2004170499A (ja) 偏向角検出装置、これを備えた光偏向装置およびシステム
TWI240262B (en) Optical pickup and compact disk drive system
JP4096746B2 (ja) 光ピックアップ装置のフォーカス及びトラッキング制御方法
JPH09259458A (ja) 光学装置及びこの光学装置を用いた光ピックアップ装置
JP3836569B2 (ja) 光ディスク装置の光学系及びその光学系の調整方法
KR100636115B1 (ko) 광픽업장치
JP2585761B2 (ja) 光ヘッド
WO2003076873A1 (fr) Detecteur d'angle de miroir, systeme de commutation de signaux optiques, et procede de commutation de signaux optiques
KR970000083Y1 (ko) 광픽업용 스캐닝 장치
KR20060107815A (ko) 로터리 암 액추에이터를 갖춘 광학 픽업

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050524

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070703