JP2004053368A - 電磁誘導式回転検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケース内に収納したコイル部材のコアを確実に固定できるようにすること。
【解決手段】コイル5が巻回されている中空のボビン4の中空孔4a内にコア2を挿入して成るコイル部材が有底円筒状のハウジング6内に収容されており、ボビン4とコア2とハウジング6との間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器1において、中空孔4aの内周面41Aaに、コア2を内周面41Aaから所定の間隔をあけて中空孔4a内に位置決めするための突条体11を形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】コイル5が巻回されている中空のボビン4の中空孔4a内にコア2を挿入して成るコイル部材が有底円筒状のハウジング6内に収容されており、ボビン4とコア2とハウジング6との間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器1において、中空孔4aの内周面41Aaに、コア2を内周面41Aaから所定の間隔をあけて中空孔4a内に位置決めするための突条体11を形成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の電磁誘導式回転検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用エンジンの回転数等を検出するために用いられる従来の電磁誘導式回転検出器として、棒状マグネットの先端面にそれより細い棒状のコアを取り付けた磁芯にボビンを被せ、該ボビンであってコアに対応する部分に線材を巻回して成るコイル部材を有底筒状のハウジング内に収納した形態のものが広く用いられている。この形態の回転検出器にあっては、ハウジング内にコイル部材を収容した後、ハウジング内に熱硬化性の樹脂等を充填することによりコイル部材をハウジング内の所要の位置にしっかりと固定するようにしている。
【0003】
ここで、ハウジング内にコイル部材を収納して固定する際には、ハウジング内でボビン、コア、マグネットの各部品間に樹脂充填のために適宜の隙間が形成されるよう、治具を用いてコイル部材をハウジング内の所要の位置に位置決めしている。したがって、位置決め後、ハウジング内に樹脂が注入されると、各部品間にまんべんなく樹脂を行き渡らせることができ、行き渡った樹脂が硬化することによってコイル部材がハウジング内で所定の位置にしっかりと固定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来においては、上述の如く、治具を用いてボビンを位置決めすることで樹脂を各部品間に充填するための隙間を確保しているが、コアとコイルとの間やマグネットとボビンとの間等は元々大変狭く設計されているため、治具の点検や圧入力の管理を怠ると、各部品間に所要の間隙が確保できない場合が生じることがある。このような不具合が生じると樹脂の充填が不充分となり、特にコアの先端部の固定が予定通り行われず、このような検出器が車両に搭載され車両の走行等により該検出器に振動が加えられると、検出器内で検出部を形成しているコアがハウジング内でがたつくこととなり、このため検出部からの出力にノイズが乗る等してその出力が不安定になってしまい、検出精度の低下を招く等の問題が生じている。
【0005】
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解決することができる電磁誘導式回転検出器を提案することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明によれば、コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、前記中空孔の内周面に、前記コアを該内周面から所定の間隔をあけて前記中空孔内に位置決めするための突部が形成されていることを特徴とする電磁誘導式回転検出器が提案される。
【0007】
この構成によると、ボビンの中空孔とコアの間に所定の隙間が確保されるので、樹脂をボビンの中空孔とコアの間にまんべんなく充填でき、コイル部材をケース内にしっかりと固定できる。
【0008】
請求項2の発明によれば、コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと、前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、前記中空孔の内周面に、前記中空ボビンの軸線方向に沿って延びる樹脂案内溝を設けたことを特徴とする電磁誘導式回転検出器が提案される。
【0009】
この構成によるとケース内に樹脂を充填したとき、充填した樹脂が樹脂案内溝を通ってケースの奥深くその先端にまで到達することができる。
【0010】
請求項3の発明によれば、コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと、前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、前記ケースの底部に前記コアの先端部を受け入れるためのへこみ部が形成されており、該先端部が該へこみ部内に圧入されて固定されていることを特徴とする電磁誘導式回転検出器が提案される。
【0011】
請求項4の発明によれば、コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと、前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、前記ケースの底部において前記コアの先端部を位置決めするための円環状部材を前記コアの先端部に設けたことを特徴とする電磁誘導式回転検出器が提案される。
【0012】
請求項5の発明によれば、コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、前記中空ボビンのコイル巻装部の両側面の各外面上に、前記中空ボビンと前記コア及び前記ケースとの間に所定の間隙を確保するための突部を形成したことを特徴とする電磁誘導式回転検出器が提案される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2は図1のA−A線断面図、図3は図2の要部斜視図である。電磁誘導式回転検出器1は、例えば車両に搭載されてエンジンの回転数等を検出するための回転センサとして用いられるものであり、2は磁性材料から成るコア、3はコア2と同軸に設けられるマグネット、4はボビン、5はコイルである。
【0015】
コア2の基部21は太径となっていて肩部21aが形成されており、マグネット3の径は基部21と略同じ大きさの径に形成されている。
【0016】
コア2とマグネット3とは筒体のボビン4の中空孔4a内に貫入され、コア2とマグネット3とボビン4とが同軸となるように配置され、これによりコイル部材を形成している。マグネット3とボビン4との間には間隙G1が、基部21の肩部21aとボビン4との間には間隙G2が形成されている。
【0017】
ボビン4の先端部には線材を巻回してコイル5を設けるためのコイル巻装部41が形成されており、コア2の先端部22はコイル巻装部41から突出する構成となっている。
【0018】
コイル巻装部41は、コア2の外周面と対向する底部41Aと、内側部41Bと外側部41Cとから成っており、これにより形成される環状凹部に線材を巻装できるように形成されている。コイル巻装部41の底部41Aの内径寸法は、コア2の外径寸法より若干大きい程度となっており、底部41Aとコア2との間には間隙G3が形成されている。
【0019】
上述の如くコイル巻装部41に線材が巻装されてコイル5が形成されており、中空孔4a内にコア2とマグネット3とが貫入されているボビン4が、コイル部材として有底円筒状のケースであるハウジング6内に収容されている。
【0020】
ハウジング6は、円筒状の本体部61と、本体部61の先端を塞ぐように設けられたシールプレート62とを備えて成っており、本体部61の内径寸法はボビン4の外径寸法より若干大きくなっており、本体部61とボビン4とは同軸に配置される。
【0021】
シールプレート62の中央部には外側に突出した形状に形成された凹部63が設けられており、凹部63内にはボビン4から突出しているコア2の先端部22が収容されており、シールプレート62とコイル巻装部41の外側部41Cとの間には間隙G4が形成されている。
【0022】
ハウジング6内にボビン4を上述の如く収容した状態で各部品の位置を固定するため、ハウジング6内にその後端側から樹脂を注入して硬化させようとする際、コイル巻装部41の外側部41Cとシールプレート62との間の間隙G4まで樹脂を行き渡らせることができるようにするため、コイル巻装部41の底部41Aの内周面41Aaには、突条体11がボビン4の軸線方向に延びるようにしてボビン4と一体に形成されている(図2参照)。
【0023】
本実施の形態では、突条体11は底部41Aの一端から他端まで延びており、その周方向に120°間隔で設けられている。
【0024】
各突条体11は、間隙G3の半径方向寸法と略同じ寸法の高さに形成されており、これらの突条体11が等間隔に3つ内周面41Aa上に形成されていることにより、コア2は突条体11に支持されてコイル巻装部41の内周面41Aaと間隙G3を保持した状態でコイル巻装部41と同軸となるように位置決めされる。同時に、コア2と同軸に一体化して接着されているマグネット3は、ボビン4の中空孔4aのいずれの箇所にも接触することなくマグネット3とボビン4との間の間隙G1を保持した状態で、その軸の位置が固定される。
【0025】
電磁誘導式回転検出器1は上述の如く構成されているので、ハウジング6内に樹脂を注入して充填した場合、樹脂はボビン4とマグネット3との間において障害物等に何ら妨げられることなく間隙G1を通ってコア2の肩部21aとボビン4との間の間隙G2まで辿り着くことができ、間隙G2に辿り着いた樹脂は、コイル巻装部41の底部41Aとコア2との間の突条体11によってその寸法が保持されている間隙G3を通ってハウジング6のシールプレート62とコイル巻装部41の外側部41Cとの間の間隙G4まで容易に到達し、これらの間隙G1〜G4に樹脂を確実に充填することができる。
【0026】
このようにして、各間隙G1、G2、G3、G4内に充填された樹脂が自然放置によって、又は加熱することによって硬化すると、ハウジング6内でコア2、マグネット3、ボビン4のそれぞれの位置が固定される。その際、間隙G4内に充填されて硬化した樹脂によってコア2の先端部22がシールプレート62の凹部63内に収まった所定の状態で固定される。このように、コイル巻装部41に突条体11を設けるだけで、樹脂を注入する際に治具の点検や圧入力の管理等に特に注意を払う必要なく、コア2の先端部22をハウジング6内の所要の位置に固定することができる。この結果、電磁誘導式回転検出器1に振動が加えられても、出力信号に悪影響が出るのを有効に防止でき、正確な回転検出が可能となる。
【0027】
本実施の形態では、コイル巻装部41の内周面41Aaに突条体11を等間隔で3つ設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、樹脂が間隙G1、G2、G3、G4に行き渡ることができるのであれば突条体11はいくつであってもよいほか、等間隔配置でなくともよい。
【0028】
また、ここでは、突条体11はコイル巻装部41の内周面41Aa上に設けられているが、間隙G1を形成しているボビン4の中空孔4aの内面上に突条を設けるようにし、この突条によりマグネット3を位置決めして中空孔4a内で所要の寸法を有する間隙G1を形成し、これによりマグネット3と同軸に接着されて設けられているコア2の先端部付近で全外周面に亘ってコイル巻装部41の内周面41Aaと所要の間隙を有するようにし、この結果、ハウジング6内に樹脂を注入した場合、シールプレート62と外側部41Cとの間の間隙G4まで樹脂が充填されるようにしてもよい。
【0029】
図4は、本発明の他の実施の形態を示す要部断面図であり、図5は図4の一部を断面した斜視図である。図4では電磁誘導式回転検出器1A内のボビン4Aとコア2のみが示されており、図5ではボビン4Aのみが示されている。ボビン4Aは半球状の複数の突起12をコイル巻装部41Aの内周面421A上に形成するようにした点において図1〜図3に示したボビン4と異なっている。したがって、図4の各部のうち、図1〜図3の各部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
【0030】
3つの半球状の突起12は、それぞれ内周面421A上で同一円周上に等間隔で設けられており、これによりコア2は内周面421Aと間隙G3を形成するように保持され、また、コア2と同軸に設けられているマグネット3(図示せず)もその全外周に亘ってボビン4Aと所定の間隙を有するように構成される。
【0031】
ボビン4Aは上述の如く構成されているので、図1〜図3に示した場合と同様の効果を得ることができるほか、各突起12は図1〜図3に示した突条体11と比べて小さい形状であるため、図1〜図3に示した場合と比べてコストと手間を抑えて所期の目的を達成することができる。
【0032】
本実施の形態では、3つの突起12を同一円周上で等間隔に設けた場合について説明したが、突起12によってコア2がコイル巻装部41Aの内周面421Aと間隙G3を形成するように保持され、これによりコア2と同軸に設けられているマグネット3もボビン4A内で所定の間隙を保持して位置決めされて樹脂が各部品間の間隙に行き渡ることができるのであればいくつであってもよく、また、適宜の位置に設けるようにしてもよい。
【0033】
また、本実施の形態では、3つの突起12はコイル巻装部41Aの内周面421A上に設けられているが、ボビン4Aの中空部(図示せず)の面上に突起を設けるようにし、この突起によりマグネット(図示せず)を中空部の面のいずれの箇所にも接触させずに所要の寸法を有する間隙を形成し、これによりマグネットと同軸に接着されて設けられているコア2の先端部付近で全外周面に亘ってコイル巻装部41Aの内周面421Aと間隙G3を有するようにし、この結果、ハウジング内に樹脂を注入した場合、ハウジングのシールプレートとの間の間隙(図示せず)まで樹脂が充填されるようにしてもよい。
【0034】
図6を参照して本発明の別の実施の形態について説明する。図6は図示しないハウジング内のボビン4B、及びコア2のみが示されている断面図であり、図6に示したボビン4Bは、コイル巻装部41Bの内周面421Bと、ボビン4Bの図示しない内周面とに樹脂を案内するための溝13を設けるようにした点において図4及び図5に示した場合と異なっている。図6ではコイル巻装部41Bの内周面421Bに溝13が設けられている部分のみが示されているが、実際にはボビン4Bの図示しない中空部の面にも図に示した場合と同様に溝が形成されている。図6の各部のうち、図4及び図5の各部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0035】
溝13はボビン4Bの内周面421Bに断面半円状に等間隔で3つ形成されていると共に、ボビン4Bの中空部の面にも同様に溝が形成されているので、コア2が内周面421Bのいずれかの箇所に接触し、コア2と同軸に設けられた図示しないマグネットがボビン4Bの中空部面のいずれかの箇所に接触するようにして設けられた場合であっても、ハウジング内に樹脂を注入した際、樹脂は、ボビン4Bの中空部面に形成されている3つの溝のうちのいずれかと、内周面421Bに形成されている3つの溝13のうちのいずれかを通ることができるので、図示しないハウジングのシールプレートとボビン4Bの一側面(図示せず)との間の間隙まで樹脂を行き渡らせることができる。
【0036】
本実施の形態では、3つの溝13を断面半円状で等間隔に設けた場合について説明したが、コア2がコイル巻装部41Bの内周面421Bに接触するように設けられた場合であっても、ハウジング内に樹脂を注入した際、注入された樹脂が溝13を通ってシールプレートとボビン4Bの一側面との間の間隙まで行き渡ることができるのであれば溝13はいくつであってもよく、また適宜の位置に適当な断面形状で設けられるようにしてもよい。ボビン4Bの中空部面に形成されている溝も同様に、ハウジング内に樹脂が注入された際、この溝により樹脂が注入方向から奥の方へ行き渡るものであれば、溝の数はいくつでもよく、また適宜の位置に適宜の断面形状で設けられたものであってよい。
【0037】
図7は本発明の別の実施の形態の要部を断面して示す要部断面図である。図7に示した電磁誘導式回転検出器1Dは、図1に示した電磁誘導式回転検出器1のコイル巻装部41の内周面41Aaに突条体11を形成したのに代えて、コイル巻装部41Dの一側面43Dと他側面44Dとにそれぞれ突起15、16を設けるようにした点において図1に示した場合と異なっている。したがって、図7の各部のうち、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
【0038】
間隙G4を形成する一側面43Dの外面上には、図7では突起15は1つしか見えていないが実際には3つの突起15が設けられており、同様に、間隙G2を形成する他側面44Dの外面上には3つの突起16が設けられている。
【0039】
電磁誘導式回転検出器1Dは上述の如く構成されているので、間隙G2と間隙G4とはそれぞれ少なくとも突起16及び突起15の高さ寸法分の空隙が確保されるので、ハウジング6内に樹脂を注入した場合、間隙G2及び間隙G4に樹脂が充填される。したがって一定時間が経過して間隙G2及び間隙G4に充填されている樹脂が硬化すると、コア2の先端23の位置が固定される。
【0040】
図8を参照して本発明のさらに別の実施の形態について説明する。図8に示した電磁誘導式回転検出器1Eは、図1に示した電磁誘導式回転検出器1のコイル巻装部41の内周面41Aaに突条体11を形成したのに代えて、コア2Eの先端部24Eに円環状のプレート部材17を設けた点において図1に示した場合と異なっている。したがって、図8の各部のうち、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
【0041】
プレート部材17は、内径がコア2Eの先端部24Eの外径と略同じ大きさの孔部17aを有しており、プレート部材17の外径はハウジング6の本体部61の内径寸法と略同じ大きさに形成されている。プレート部材17は、コア2Eの先端部24Eに嵌め込まれ、ボビン4Eの一側面43Eとハウジング6のシールプレート62と本体部61とに挟まれて固設されている。
【0042】
電磁誘導式回転検出器1Eは上述の如く構成されているので、ハウジング6内に樹脂を注入した際、ハウジング6内の間隙は袋小路であるため各部品間の間隙内すべてに樹脂が廻りきれない虞があるが、このような場合であっても、ボビン4Eの一側面43Eとハウジング6のシールプレート62と本体部61とによって固設されているプレート部材17によってコア2Eの先端部24Eをハウジング6内の所要の位置に固定することができる。
【0043】
図9には、本発明のさらに別の実施の形態の断面図が示されている。図9に示した電磁誘導式回転検出器1Fは、図8に示した電磁誘導式回転検出器1Eのコア2Eの先端部24Eに円環状のプレート部材17を設けたのに代えて、コア2Fの先端23Fをハウジング6のシールプレート62の凹部63に圧入するようにした点において図8に示した場合と異なっている。したがって、図9の各部のうち、図8の各部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
【0044】
コア2Fの先端23Fはシールプレート62の凹部63に圧入されているため、図8に示した場合と同様の効果を得ることができるほか、新たな部材を使用しないため、図8に示した場合と比べてコストを抑えることができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、上述の如く、各部品間において樹脂充填のために必要な所要の間隙が確保されるので、各間隙内に樹脂を確実に充填することができ、間隙内に充填された樹脂が硬化すると、ハウジング内でコア、マグネット、ボビンのそれぞれの位置が固定される。その際、硬化した樹脂によってコアの先端がシールプレートの凹部内に収まった所定の状態で固定されるので、樹脂を注入する際に治具の点検や圧入力の管理等に特に注意を払う必要なく、新たな部材を使用せず手間やコストをかけずにコアの先端をハウジング内の所要の位置に固定することができる。この結果、車両の運転中等に電磁誘導式回転検出器に振動が加えられても、ハウジング内でコアががたつくのを防止することができる。
【0046】
また、本発明の電磁誘導式回転検出器によれば、ハウジング内に樹脂を注入した際、ハウジング内の各部品間の間隙が袋小路であるため各部品間の間隙内すべてに樹脂が廻りきれない場合であってもコアの先端部を固定することができるので、この場合にも樹脂を注入する際に治具の点検や圧入力の管理等に特に注意を払う必要なく、手間やコストを大きくかけずにコアの先端をハウジング内の所要の位置に固定することができ、電磁誘導式回転検出器に振動が加えられても、ハウジング内でコアががたつくのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図。
【図2】図1に示したA−A線要部断面図。
【図3】図2の要部斜視図。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す要部断面図。
【図5】図4の一部斜視図。
【図6】本発明の別の実施の形態を示す断面図。
【図7】本発明のさらに別の実施の形態を示す断面図。
【図8】本発明のさらに別の実施の形態を示す断面図。
【図9】本発明のさらに別の実施の形態を示す断面図。
【符号の説明】
1 電磁誘導式回転検出器
2 コア
3 マグネット
4 ボビン
5 コイル
11 突条体
12、15、16 突起
13 溝
17 プレート部材
22 先端部
63 凹部
G1、G2、G3、G4 間隙
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の電磁誘導式回転検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用エンジンの回転数等を検出するために用いられる従来の電磁誘導式回転検出器として、棒状マグネットの先端面にそれより細い棒状のコアを取り付けた磁芯にボビンを被せ、該ボビンであってコアに対応する部分に線材を巻回して成るコイル部材を有底筒状のハウジング内に収納した形態のものが広く用いられている。この形態の回転検出器にあっては、ハウジング内にコイル部材を収容した後、ハウジング内に熱硬化性の樹脂等を充填することによりコイル部材をハウジング内の所要の位置にしっかりと固定するようにしている。
【0003】
ここで、ハウジング内にコイル部材を収納して固定する際には、ハウジング内でボビン、コア、マグネットの各部品間に樹脂充填のために適宜の隙間が形成されるよう、治具を用いてコイル部材をハウジング内の所要の位置に位置決めしている。したがって、位置決め後、ハウジング内に樹脂が注入されると、各部品間にまんべんなく樹脂を行き渡らせることができ、行き渡った樹脂が硬化することによってコイル部材がハウジング内で所定の位置にしっかりと固定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来においては、上述の如く、治具を用いてボビンを位置決めすることで樹脂を各部品間に充填するための隙間を確保しているが、コアとコイルとの間やマグネットとボビンとの間等は元々大変狭く設計されているため、治具の点検や圧入力の管理を怠ると、各部品間に所要の間隙が確保できない場合が生じることがある。このような不具合が生じると樹脂の充填が不充分となり、特にコアの先端部の固定が予定通り行われず、このような検出器が車両に搭載され車両の走行等により該検出器に振動が加えられると、検出器内で検出部を形成しているコアがハウジング内でがたつくこととなり、このため検出部からの出力にノイズが乗る等してその出力が不安定になってしまい、検出精度の低下を招く等の問題が生じている。
【0005】
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解決することができる電磁誘導式回転検出器を提案することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明によれば、コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、前記中空孔の内周面に、前記コアを該内周面から所定の間隔をあけて前記中空孔内に位置決めするための突部が形成されていることを特徴とする電磁誘導式回転検出器が提案される。
【0007】
この構成によると、ボビンの中空孔とコアの間に所定の隙間が確保されるので、樹脂をボビンの中空孔とコアの間にまんべんなく充填でき、コイル部材をケース内にしっかりと固定できる。
【0008】
請求項2の発明によれば、コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと、前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、前記中空孔の内周面に、前記中空ボビンの軸線方向に沿って延びる樹脂案内溝を設けたことを特徴とする電磁誘導式回転検出器が提案される。
【0009】
この構成によるとケース内に樹脂を充填したとき、充填した樹脂が樹脂案内溝を通ってケースの奥深くその先端にまで到達することができる。
【0010】
請求項3の発明によれば、コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと、前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、前記ケースの底部に前記コアの先端部を受け入れるためのへこみ部が形成されており、該先端部が該へこみ部内に圧入されて固定されていることを特徴とする電磁誘導式回転検出器が提案される。
【0011】
請求項4の発明によれば、コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと、前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、前記ケースの底部において前記コアの先端部を位置決めするための円環状部材を前記コアの先端部に設けたことを特徴とする電磁誘導式回転検出器が提案される。
【0012】
請求項5の発明によれば、コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、前記中空ボビンのコイル巻装部の両側面の各外面上に、前記中空ボビンと前記コア及び前記ケースとの間に所定の間隙を確保するための突部を形成したことを特徴とする電磁誘導式回転検出器が提案される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2は図1のA−A線断面図、図3は図2の要部斜視図である。電磁誘導式回転検出器1は、例えば車両に搭載されてエンジンの回転数等を検出するための回転センサとして用いられるものであり、2は磁性材料から成るコア、3はコア2と同軸に設けられるマグネット、4はボビン、5はコイルである。
【0015】
コア2の基部21は太径となっていて肩部21aが形成されており、マグネット3の径は基部21と略同じ大きさの径に形成されている。
【0016】
コア2とマグネット3とは筒体のボビン4の中空孔4a内に貫入され、コア2とマグネット3とボビン4とが同軸となるように配置され、これによりコイル部材を形成している。マグネット3とボビン4との間には間隙G1が、基部21の肩部21aとボビン4との間には間隙G2が形成されている。
【0017】
ボビン4の先端部には線材を巻回してコイル5を設けるためのコイル巻装部41が形成されており、コア2の先端部22はコイル巻装部41から突出する構成となっている。
【0018】
コイル巻装部41は、コア2の外周面と対向する底部41Aと、内側部41Bと外側部41Cとから成っており、これにより形成される環状凹部に線材を巻装できるように形成されている。コイル巻装部41の底部41Aの内径寸法は、コア2の外径寸法より若干大きい程度となっており、底部41Aとコア2との間には間隙G3が形成されている。
【0019】
上述の如くコイル巻装部41に線材が巻装されてコイル5が形成されており、中空孔4a内にコア2とマグネット3とが貫入されているボビン4が、コイル部材として有底円筒状のケースであるハウジング6内に収容されている。
【0020】
ハウジング6は、円筒状の本体部61と、本体部61の先端を塞ぐように設けられたシールプレート62とを備えて成っており、本体部61の内径寸法はボビン4の外径寸法より若干大きくなっており、本体部61とボビン4とは同軸に配置される。
【0021】
シールプレート62の中央部には外側に突出した形状に形成された凹部63が設けられており、凹部63内にはボビン4から突出しているコア2の先端部22が収容されており、シールプレート62とコイル巻装部41の外側部41Cとの間には間隙G4が形成されている。
【0022】
ハウジング6内にボビン4を上述の如く収容した状態で各部品の位置を固定するため、ハウジング6内にその後端側から樹脂を注入して硬化させようとする際、コイル巻装部41の外側部41Cとシールプレート62との間の間隙G4まで樹脂を行き渡らせることができるようにするため、コイル巻装部41の底部41Aの内周面41Aaには、突条体11がボビン4の軸線方向に延びるようにしてボビン4と一体に形成されている(図2参照)。
【0023】
本実施の形態では、突条体11は底部41Aの一端から他端まで延びており、その周方向に120°間隔で設けられている。
【0024】
各突条体11は、間隙G3の半径方向寸法と略同じ寸法の高さに形成されており、これらの突条体11が等間隔に3つ内周面41Aa上に形成されていることにより、コア2は突条体11に支持されてコイル巻装部41の内周面41Aaと間隙G3を保持した状態でコイル巻装部41と同軸となるように位置決めされる。同時に、コア2と同軸に一体化して接着されているマグネット3は、ボビン4の中空孔4aのいずれの箇所にも接触することなくマグネット3とボビン4との間の間隙G1を保持した状態で、その軸の位置が固定される。
【0025】
電磁誘導式回転検出器1は上述の如く構成されているので、ハウジング6内に樹脂を注入して充填した場合、樹脂はボビン4とマグネット3との間において障害物等に何ら妨げられることなく間隙G1を通ってコア2の肩部21aとボビン4との間の間隙G2まで辿り着くことができ、間隙G2に辿り着いた樹脂は、コイル巻装部41の底部41Aとコア2との間の突条体11によってその寸法が保持されている間隙G3を通ってハウジング6のシールプレート62とコイル巻装部41の外側部41Cとの間の間隙G4まで容易に到達し、これらの間隙G1〜G4に樹脂を確実に充填することができる。
【0026】
このようにして、各間隙G1、G2、G3、G4内に充填された樹脂が自然放置によって、又は加熱することによって硬化すると、ハウジング6内でコア2、マグネット3、ボビン4のそれぞれの位置が固定される。その際、間隙G4内に充填されて硬化した樹脂によってコア2の先端部22がシールプレート62の凹部63内に収まった所定の状態で固定される。このように、コイル巻装部41に突条体11を設けるだけで、樹脂を注入する際に治具の点検や圧入力の管理等に特に注意を払う必要なく、コア2の先端部22をハウジング6内の所要の位置に固定することができる。この結果、電磁誘導式回転検出器1に振動が加えられても、出力信号に悪影響が出るのを有効に防止でき、正確な回転検出が可能となる。
【0027】
本実施の形態では、コイル巻装部41の内周面41Aaに突条体11を等間隔で3つ設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、樹脂が間隙G1、G2、G3、G4に行き渡ることができるのであれば突条体11はいくつであってもよいほか、等間隔配置でなくともよい。
【0028】
また、ここでは、突条体11はコイル巻装部41の内周面41Aa上に設けられているが、間隙G1を形成しているボビン4の中空孔4aの内面上に突条を設けるようにし、この突条によりマグネット3を位置決めして中空孔4a内で所要の寸法を有する間隙G1を形成し、これによりマグネット3と同軸に接着されて設けられているコア2の先端部付近で全外周面に亘ってコイル巻装部41の内周面41Aaと所要の間隙を有するようにし、この結果、ハウジング6内に樹脂を注入した場合、シールプレート62と外側部41Cとの間の間隙G4まで樹脂が充填されるようにしてもよい。
【0029】
図4は、本発明の他の実施の形態を示す要部断面図であり、図5は図4の一部を断面した斜視図である。図4では電磁誘導式回転検出器1A内のボビン4Aとコア2のみが示されており、図5ではボビン4Aのみが示されている。ボビン4Aは半球状の複数の突起12をコイル巻装部41Aの内周面421A上に形成するようにした点において図1〜図3に示したボビン4と異なっている。したがって、図4の各部のうち、図1〜図3の各部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
【0030】
3つの半球状の突起12は、それぞれ内周面421A上で同一円周上に等間隔で設けられており、これによりコア2は内周面421Aと間隙G3を形成するように保持され、また、コア2と同軸に設けられているマグネット3(図示せず)もその全外周に亘ってボビン4Aと所定の間隙を有するように構成される。
【0031】
ボビン4Aは上述の如く構成されているので、図1〜図3に示した場合と同様の効果を得ることができるほか、各突起12は図1〜図3に示した突条体11と比べて小さい形状であるため、図1〜図3に示した場合と比べてコストと手間を抑えて所期の目的を達成することができる。
【0032】
本実施の形態では、3つの突起12を同一円周上で等間隔に設けた場合について説明したが、突起12によってコア2がコイル巻装部41Aの内周面421Aと間隙G3を形成するように保持され、これによりコア2と同軸に設けられているマグネット3もボビン4A内で所定の間隙を保持して位置決めされて樹脂が各部品間の間隙に行き渡ることができるのであればいくつであってもよく、また、適宜の位置に設けるようにしてもよい。
【0033】
また、本実施の形態では、3つの突起12はコイル巻装部41Aの内周面421A上に設けられているが、ボビン4Aの中空部(図示せず)の面上に突起を設けるようにし、この突起によりマグネット(図示せず)を中空部の面のいずれの箇所にも接触させずに所要の寸法を有する間隙を形成し、これによりマグネットと同軸に接着されて設けられているコア2の先端部付近で全外周面に亘ってコイル巻装部41Aの内周面421Aと間隙G3を有するようにし、この結果、ハウジング内に樹脂を注入した場合、ハウジングのシールプレートとの間の間隙(図示せず)まで樹脂が充填されるようにしてもよい。
【0034】
図6を参照して本発明の別の実施の形態について説明する。図6は図示しないハウジング内のボビン4B、及びコア2のみが示されている断面図であり、図6に示したボビン4Bは、コイル巻装部41Bの内周面421Bと、ボビン4Bの図示しない内周面とに樹脂を案内するための溝13を設けるようにした点において図4及び図5に示した場合と異なっている。図6ではコイル巻装部41Bの内周面421Bに溝13が設けられている部分のみが示されているが、実際にはボビン4Bの図示しない中空部の面にも図に示した場合と同様に溝が形成されている。図6の各部のうち、図4及び図5の各部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0035】
溝13はボビン4Bの内周面421Bに断面半円状に等間隔で3つ形成されていると共に、ボビン4Bの中空部の面にも同様に溝が形成されているので、コア2が内周面421Bのいずれかの箇所に接触し、コア2と同軸に設けられた図示しないマグネットがボビン4Bの中空部面のいずれかの箇所に接触するようにして設けられた場合であっても、ハウジング内に樹脂を注入した際、樹脂は、ボビン4Bの中空部面に形成されている3つの溝のうちのいずれかと、内周面421Bに形成されている3つの溝13のうちのいずれかを通ることができるので、図示しないハウジングのシールプレートとボビン4Bの一側面(図示せず)との間の間隙まで樹脂を行き渡らせることができる。
【0036】
本実施の形態では、3つの溝13を断面半円状で等間隔に設けた場合について説明したが、コア2がコイル巻装部41Bの内周面421Bに接触するように設けられた場合であっても、ハウジング内に樹脂を注入した際、注入された樹脂が溝13を通ってシールプレートとボビン4Bの一側面との間の間隙まで行き渡ることができるのであれば溝13はいくつであってもよく、また適宜の位置に適当な断面形状で設けられるようにしてもよい。ボビン4Bの中空部面に形成されている溝も同様に、ハウジング内に樹脂が注入された際、この溝により樹脂が注入方向から奥の方へ行き渡るものであれば、溝の数はいくつでもよく、また適宜の位置に適宜の断面形状で設けられたものであってよい。
【0037】
図7は本発明の別の実施の形態の要部を断面して示す要部断面図である。図7に示した電磁誘導式回転検出器1Dは、図1に示した電磁誘導式回転検出器1のコイル巻装部41の内周面41Aaに突条体11を形成したのに代えて、コイル巻装部41Dの一側面43Dと他側面44Dとにそれぞれ突起15、16を設けるようにした点において図1に示した場合と異なっている。したがって、図7の各部のうち、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
【0038】
間隙G4を形成する一側面43Dの外面上には、図7では突起15は1つしか見えていないが実際には3つの突起15が設けられており、同様に、間隙G2を形成する他側面44Dの外面上には3つの突起16が設けられている。
【0039】
電磁誘導式回転検出器1Dは上述の如く構成されているので、間隙G2と間隙G4とはそれぞれ少なくとも突起16及び突起15の高さ寸法分の空隙が確保されるので、ハウジング6内に樹脂を注入した場合、間隙G2及び間隙G4に樹脂が充填される。したがって一定時間が経過して間隙G2及び間隙G4に充填されている樹脂が硬化すると、コア2の先端23の位置が固定される。
【0040】
図8を参照して本発明のさらに別の実施の形態について説明する。図8に示した電磁誘導式回転検出器1Eは、図1に示した電磁誘導式回転検出器1のコイル巻装部41の内周面41Aaに突条体11を形成したのに代えて、コア2Eの先端部24Eに円環状のプレート部材17を設けた点において図1に示した場合と異なっている。したがって、図8の各部のうち、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
【0041】
プレート部材17は、内径がコア2Eの先端部24Eの外径と略同じ大きさの孔部17aを有しており、プレート部材17の外径はハウジング6の本体部61の内径寸法と略同じ大きさに形成されている。プレート部材17は、コア2Eの先端部24Eに嵌め込まれ、ボビン4Eの一側面43Eとハウジング6のシールプレート62と本体部61とに挟まれて固設されている。
【0042】
電磁誘導式回転検出器1Eは上述の如く構成されているので、ハウジング6内に樹脂を注入した際、ハウジング6内の間隙は袋小路であるため各部品間の間隙内すべてに樹脂が廻りきれない虞があるが、このような場合であっても、ボビン4Eの一側面43Eとハウジング6のシールプレート62と本体部61とによって固設されているプレート部材17によってコア2Eの先端部24Eをハウジング6内の所要の位置に固定することができる。
【0043】
図9には、本発明のさらに別の実施の形態の断面図が示されている。図9に示した電磁誘導式回転検出器1Fは、図8に示した電磁誘導式回転検出器1Eのコア2Eの先端部24Eに円環状のプレート部材17を設けたのに代えて、コア2Fの先端23Fをハウジング6のシールプレート62の凹部63に圧入するようにした点において図8に示した場合と異なっている。したがって、図9の各部のうち、図8の各部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
【0044】
コア2Fの先端23Fはシールプレート62の凹部63に圧入されているため、図8に示した場合と同様の効果を得ることができるほか、新たな部材を使用しないため、図8に示した場合と比べてコストを抑えることができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、上述の如く、各部品間において樹脂充填のために必要な所要の間隙が確保されるので、各間隙内に樹脂を確実に充填することができ、間隙内に充填された樹脂が硬化すると、ハウジング内でコア、マグネット、ボビンのそれぞれの位置が固定される。その際、硬化した樹脂によってコアの先端がシールプレートの凹部内に収まった所定の状態で固定されるので、樹脂を注入する際に治具の点検や圧入力の管理等に特に注意を払う必要なく、新たな部材を使用せず手間やコストをかけずにコアの先端をハウジング内の所要の位置に固定することができる。この結果、車両の運転中等に電磁誘導式回転検出器に振動が加えられても、ハウジング内でコアががたつくのを防止することができる。
【0046】
また、本発明の電磁誘導式回転検出器によれば、ハウジング内に樹脂を注入した際、ハウジング内の各部品間の間隙が袋小路であるため各部品間の間隙内すべてに樹脂が廻りきれない場合であってもコアの先端部を固定することができるので、この場合にも樹脂を注入する際に治具の点検や圧入力の管理等に特に注意を払う必要なく、手間やコストを大きくかけずにコアの先端をハウジング内の所要の位置に固定することができ、電磁誘導式回転検出器に振動が加えられても、ハウジング内でコアががたつくのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図。
【図2】図1に示したA−A線要部断面図。
【図3】図2の要部斜視図。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す要部断面図。
【図5】図4の一部斜視図。
【図6】本発明の別の実施の形態を示す断面図。
【図7】本発明のさらに別の実施の形態を示す断面図。
【図8】本発明のさらに別の実施の形態を示す断面図。
【図9】本発明のさらに別の実施の形態を示す断面図。
【符号の説明】
1 電磁誘導式回転検出器
2 コア
3 マグネット
4 ボビン
5 コイル
11 突条体
12、15、16 突起
13 溝
17 プレート部材
22 先端部
63 凹部
G1、G2、G3、G4 間隙
Claims (5)
- コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、
前記中空孔の内周面に、前記コアを該内周面から所定の間隔をあけて前記中空孔内に位置決めするための突部が形成されていることを特徴とする電磁誘導式回転検出器。 - コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと、前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、
前記中空孔の内周面に、前記中空ボビンの軸線方向に沿って延びる樹脂案内溝を設けたことを特徴とする電磁誘導式回転検出器。 - コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと、前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、
前記ケースの底部に前記コアの先端部を受け入れるためのへこみ部が形成されており、該先端部が該へこみ部内に圧入されて固定されていることを特徴とする電磁誘導式回転検出器。 - コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと、前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、
前記ケースの底部において前記コアの先端部を位置決めするための円環状部材を前記コアの先端部に設けたことを特徴とする電磁誘導式回転検出器。 - コイルが巻回されている中空ボビンの中空孔内にコアを挿入して成るコイル部材が有底円筒状のケース内に収容されており、前記ボビンと前記コアと前記ケースとの間が充填樹脂によって固定されている電磁誘導式回転検出器において、
前記中空ボビンのコイル巻装部の両側面の各外面上に、前記中空ボビンと前記コア及び前記ケースとの間に所定の間隙を確保するための突部を形成したことを特徴とする電磁誘導式回転検出器。
Priority Applications (1)
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JP2002210122A JP2004053368A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 電磁誘導式回転検出器 |
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Publications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010199515A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Otowa Denki Kogyo Kk | バリスタ装置およびその製造方法 |
CN110417205A (zh) * | 2019-07-30 | 2019-11-05 | 江门市法斯特智能装备科技有限公司 | 一种内绕线机的定子固定机构 |
-
2002
- 2002-07-18 JP JP2002210122A patent/JP2004053368A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010199515A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Otowa Denki Kogyo Kk | バリスタ装置およびその製造方法 |
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