JP2004053205A - 液化ガス容器への管理された液化ガス供給方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給方法及び装置の提供。
【解決手段】生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計6と1つ以上の内部温度計6を配設し、前記の管理している液化ガス容器3の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器3に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器3の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値に用いてタイマ−の設定時間とし、該タイマ−の設定時間に基づいて全ての液化ガス容器3に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴とする生物試料の凍結保存用への管理された液化ガス供給方法。
【選択図】図1
【解決手段】生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計6と1つ以上の内部温度計6を配設し、前記の管理している液化ガス容器3の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器3に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器3の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値に用いてタイマ−の設定時間とし、該タイマ−の設定時間に基づいて全ての液化ガス容器3に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴とする生物試料の凍結保存用への管理された液化ガス供給方法。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する大気圧開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための技術に関する。更に詳しくは、動物の繁殖、バイオ技術の研究開発などにおいて、生物細胞・生物標本・生体組織・動物の精液・卵子・受精卵・血液細胞・植物種子・植物培養細胞などの生物試料の凍結保存に使用される液化ガス容器内部の温度を極低温の凍結保存温度に保持し、貯蔵された液化ガスの液面レベル、容器内部の温度、及び液化ガスの補給頻度等を適切に維持管理するための管理方法及びそのための装置を提供することに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、生物試料の凍結保存は、極低温の液化ガスを貯蔵する大気圧開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)に液化ガスを貯蔵し、その液化ガスの液相の中に生物試料をアンプル等の小容器内に収納したものをさらに運搬用の小型ラック(キャニスタ−と呼ばれる)に入れた状態のまま沈めて行われている(液相での凍結保存)。また、保存する生物試料が液化ガスの液相と接触することが好ましくない場合は、液化ガス容器内の液面レベルが低い状態で液化ガスを貯蔵し、保存する生物試料には気化した低温ガスのみを接触させるようにして生物試料を極低温状態に保って凍結保存している(気相での凍結保存)。
いずれにしても、液化ガスの液面レベルの高低差が有るとしても、液化ガス容器の内部を極低温に保つために液化ガス容器内に液化ガスを貯蔵し、極低温の液化ガスの蒸発潜熱を利用して冷却している点においては同じである。
【0003】
ところで、生物試料が凍結保存されているこれらの液化ガス容器内に充填されている液化ガスが蒸発損失するので、液面が一定レベル以下に到達すると液化ガスを補給する必要がある。
液化ガス容器が単体であり液化ガスの蒸発量が少量の場合は、移動式の液化ガス貯蔵容器を液化ガス容器の近傍に配置し、そこから長さ数メ−トルの仮設の液化ガス供給用配管を通して供給されることもある。この場合、貯蔵している液化ガスの液面レベルを上下限の間で維持するように、液面制御器の液面レベル制御信号に基づいて液化ガス補給弁の開閉を制御することが行なわれる。
又、ある程度の大規模で生物試料の保管・貯蔵を行う細胞バンク等では、複数台の液化ガス容器を使用していて、液化ガスを補給する頻度も高く、補給する液化ガスの容量も多量となる。このため、複数台の液化ガス容器への一般的な液化ガスを補給方法としては、液化ガス容器の設置場所から離れた屋外に固定設置した液化ガス貯槽から液化ガス容器の保管場所まで配管された配管距離が数十メ−トルの長さの真空断熱配管を通して移送供給される。真空断熱配管で施工された主配管に付設した分岐枝管に複数台の液化ガス容器が接続されている。なお、屋外に設置された液化ガス貯槽に対する液化ガスの補給は、液化ガス輸送車(いわゆるロ−リ−車両)を用いて液化ガス貯蔵量が管理下限レベル値以下に達した時点で行われる。
【0004】
液化ガス容器内に液化ガスを補給する頻度に関係する要因としては次のことが挙げられる。
液化ガス容器の構造・寸法が同一であれば外部からの熱浸入量は同じであり、侵入熱量に相当する熱量が内部に貯蔵されている液化ガスの蒸発潜熱から奪われるので、同じ容量の液化ガスが蒸発して損失している。言い換えれば、液化ガス容器の内部に貯蔵している液化ガスの容量の多少が、液化ガスの補給頻度に影響していることになる。
【0005】
一般に、同じ構造・寸法の液化ガス容器を用いて生物試料を凍結保存する場合において、気相で凍結保存する場合の方が、液相で凍結保存する場合に比べて液化ガス容器の内部に貯蔵している液化ガスの容量が少ないため、所定の液化ガスの液面レベルに維持するための液化ガスを補給する頻度が多くなる。
液化ガス容器に貯蔵されている液化ガスが蒸発して損失する量は、液化ガスの補給頻度に影響する。
【0006】
複数台の液化ガス容器を使用している場合において、個々の液化ガス容器に貯蔵されている液化ガスが蒸発損失する時間当たりの量が、それぞれの液化ガス容器によって異なり一定値ではないことの原因として次のことが考えられる。
(1)液化ガス容器の内部構造・寸法は業界で規格統一されたものではなく、液化ガス容器の内容積が類似していても、製造者が異なると製造者の型式毎に液化ガス容器の内部構造・寸法は種々の相違がある。
(2)液相で凍結保存する場合において、凍結保存している生物試料を液化ガス容器へ出し入れすることにより、その結果として個々の液化ガス容器の内部に凍結保存されている生物試料の数量・容積が増減することになり、それに伴って個々の液化ガス容器内の生物試料の空隙を埋めている液化ガスの貯蔵量が変動する。
(3)液化ガス容器にキャニスタ−(収納ラック)を出し入れする頻度、液化ガス容器の開閉蓋の開放時間の長短などによっても、その作業時に蒸発損失する液化ガスの容量は個々に異なる。
(4)液化ガス容器が空調された室内に設置されていても、設置されている室内の位置により個々の液化ガス容器の周辺気温が完全には同じでないこと、又、液化ガス容器を製造した年月からの経年変化で個々の液化ガス容器の真空断熱性能が劣化することなどが原因で個々の液化ガス容器によって外部からの熱浸入量が異なる。
【0007】
以上のことから、種々の変動要因によって、個々の液化ガス容器の内部に貯蔵されている液化ガスの容積、一定時間毎に蒸発する液化ガスの蒸発量は時々刻々と変動していて一定値ではなく、複数台の液化ガス容器を使用している場合、個々の液化ガス容器によっての液化ガスの補給時期がずれることが容易に理解される。
【0008】
複数台の液化ガス容器を一箇所の設置場所に収容して同時に管理する場合においては、個々の液化ガス容器毎に液化ガスの液面レベルを上限レベルと下限レベルの間に維持するように、液面制御器の液面レベル制御信号に基づいて液補給弁の開閉を自動制御することで行われている。このため、設置されている複数台の液化ガス容器のうち、いずれかで液面下限の低下信号が発信すればその都度、屋外設置の液化ガス貯槽からの真空断熱配管で施工された主配管および分岐枝管を、常温から液化ガスの液化温度(液化ガスが窒素の場合は、−196℃)まで冷却する必要が生じる。この真空断熱配管の冷却工程において、冷却開始の当初は液化ガスの蒸発潜熱が配管を冷却するために費やされて窒素ガスになってしまう。真空断熱配管の冷却を開始してしばらくすると、蒸発する液化ガスの量が徐々に低減して液化ガスが真空断熱配管の終端近くで分岐した枝管まで到達できるようになり、初めて液化ガス容器に液化ガスを補給する準備が完了する。
【0009】
このため個々の液化ガス容器への液化ガスの補給を行う度に、屋外設置の液化ガス貯槽からの真空断熱配管で施工された主配管および分岐枝管を、常温から液化ガスの安定する温度(液化ガスが窒素の場合は、−196℃)まで冷却することは、配管冷却用の液化ガスをその度に損失するととになり不都合であった。特に屋外の液化ガス貯槽から液化ガス容器までの真空断熱配管の距離が長く、真空断熱配管の温度を常温から液化ガスの安定する温度まで冷却する熱容量が大きい場合は、相対的に液化ガス容器に補給する正味の有効量に比べて配管冷却用の液化ガスの損失割合が大きくなる不都合があった。
【0010】
この不都合を解決するための方策として、実用新案登録第2514529号公報には、どれか一つの液化ガス容器に液面下限の低下信号が発信すれば当該容器以外の液化ガス容器が液面下限に到達していなくても強制的に順次、液化ガスを補給することで液化ガスの補給頻度を低減させて配管冷却用の液化ガスの損失を低減させることに関する技術が開示されている。
【0011】
【解決しようとする課題】
しかしながら、実用新案登録第2514529号に開示された従来技術においては、配管冷却用の液化ガスの損失を低減させるこのみに着目しているので、上記のとおり複数台の液化ガス容器を管理する場合に、個々の液化ガスの液面はそれぞれ種々の外的・内的要因の影響を受けて、時々刻々と液面レベルを変化させているので、いつ、どの液化ガス容器が液面下限レベルに到達するのかが把握できない。つまり、個々の液化ガス容器に配設した液面レベル計の表示値を確認できたとしても、それぞれの液化ガス容器の液面が下限レベルに到達する日時、引いて複数台の液化ガス容器の内、どの液化ガス容器が最も早く下限の液面レベルに到達するかを知ることができない。あたかもブラックボックスからの制御信号に基づいて、気まぐれに液化ガスの自動補給作業を行っているようになってしまう。
【0012】
このため、場合によっては、ある液化ガス容器の蓋を開放して内部の凍結保存した生物試料を出し入れする作業を行っている途中で、どれか一つの液化ガス容器で液面下限の低下信号が発信すれば、液化ガスを補給するための配管冷却用液化ガスが突然に自動供給開始され、生物試料の管理作業を中断せざるを得ない事態となる。
【0013】
液化ガス容器に生物試料を凍結保存する場合、いきなり常温の生物試料を液化ガス容器に投入するのではなく、細胞バンク等では大量の生物試料を凍結させるため試料を例えば凍結ストロ−管に注入した後にプログラムフリーザーを用いた緩慢法により常温から−80℃まで冷却・冷凍を行い、なるべく早い時期に凍結ストロ−管をキャニスタ−(収納ラック)に取り付けて液化ガス容器に投入して最終的な凍結保存を行う。
【0014】
従って、突然の液化ガス容器への液化ガスの自動補給開始によって液化ガス容器への投入作業が中断され、生物試料をプログラムフリーザーで冷凍させる液化ガス容器に投入するための準備作業が完了したままで、例えば長期の連休期間中をプログラムフリーザー内に放置することは好ましくない。
【0015】
又、液化ガス容器内に凍結保存されている生物試料を取り出したり、液化ガス容器内の保存試料を実物確認する管理作業を行っている途中で、突然の液化ガス容器への液化ガスの自動補給開始となり数時間の作業中断が発生して待ち時間が生じる場合があり、作業者の労務費用が無駄となり経済的な損失となる。
このことは、最近の大規模な細胞バンク及びバイオ技術の研究所等で多数の液化ガス容器を使用して、凍結保存した生物試料を液化ガス容器から出し入れする業務を日常的なル−チン作業として行っている場合には、この突然の液化ガス容器への液化ガスの自動補給開始によって日常業務が中断され、計画的な日常業務を行えないという問題があった。
【0016】
本発明の技術課題は、複数台の液化ガス容器を管理する場合の上記の問題点を解決することである。すなわち、本発明の解決しょうとする課題は、複数台の液化ガス容器に液化ガスを補給する時に生じる次の3つの課題を同時に解決することにより、液化ガス容器から凍結保存した生物試料を出し入れする業務が計画的に実行できるようにすると共に無駄な費用の低減を図る点にある。
(a)液化ガスの補給に当たり、配管冷却用の液化ガスの損失を低減させること。(b)個々の液化ガス容器内の液面レベル、内部温度を把握し、個々の液化ガス容器についての液化ガスの補給が必要となる日時が分かるようにする。
(c)全ての液化ガス容器の内で、最も早く液化ガスの補給が必要となる予定日時を液化ガスの次回補給開始予定日時とし、事前に分かるようにする。又、必要であれば液化ガス補給開始予定日時を手動で変更可能とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の液化ガス容器の管理方法は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための方法であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間とし、該タイマ−の設定時間に採用した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴としている。
【0018】
さらに、別の実施態様においては、前記タイマ−の設定時間を、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)を算出し、前記の算出した液化ガスの補給間隔時間の代表値と当初設定した予測の補給間隔時間との差が大きい場合は、必要に応じて手動にて変更可能としたことを特徴としている。
【0019】
さらに、別の実施態様においては、前記タイマ−の設定時間を用いて、液化ガスの次回補給時刻の初期設定を行い、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する予測時間)から液化ガスの次回補給時刻の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの次回補給時刻)を算出し、該液化ガスの次回補給時刻の初期設定値を、前記の算出した液化ガスの次回補給時刻の代表値に自動的に更新し、該自動的に更新された次回補給時刻までの残存時間が所定時間以内に到達した時刻からは、液化ガスの次回補給時刻の自動更新を停止し、前記の液化ガスの次回補給時刻の自動更新が停止した場合でも、次回補給時刻を変更したい場合は手動にて変更可能としたことを特徴としている。
【0020】
又、上記目的を達成するため、本発明の液化ガス容器を管理するための装置は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための装置であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容の器内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給までの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)として設定するタイマ−と、該真空断熱配管からなる主管に配設した、該タイマ−にて設定した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、その予備冷却の完了を確認するための温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計と、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給するように制御するための制御装置を備えたことを特徴としている。
【0021】
さらに別の実施態様においては、前記制御装置が、前記タイマ−に設定された液化ガスの補給間隔時間を変更するため機能であって、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する推定の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)を算出して表示し、前記の表示された液化ガスの補給間隔時間の代表値と当初設定した予測の補給間隔との差が大きい場合は、必要に応じて手動にて設定変更できるようにした機能を備えたことを特徴としている。
【0022】
さらに別の実施態様においては、前記制御装置が、液化ガスの次回補給時刻を設定する機能であって、前記タイマ−の設定時間を用いて、液化ガスの次回補給時刻の初期設定を行い、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの次回補給時刻の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの次回補給時刻)を算出し、該液化ガスの次回補給時刻の初期設定値を、前記の算出した液化ガスの次回補給時刻の代表値に自動的に更新し、該自動的に更新された次回補給時刻までの残存時間が所定時間以内に到達した時刻からは、液化ガスの補給時刻の自動更新を停止し、前記の液化ガスの次回補給時刻の自動更新が停止した場合でも、次回補給時刻を変更したい場合は、必要に応じて手動にて変更できるようにした機能を備えたことを特徴としている。
【0023】
本件第1の発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための方法であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間とし、該タイマ−の設定時間に採用した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し,該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給方法に関する。
【0024】
本件第2の発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための方法であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間(t)とし、さらに、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)を算出し、前記の算出した液化ガスの補給間隔時間の代表値と当初設定した予測の補給間隔時間(t)との差が大きい場合は、必要に応じて手動にて当初設定した設定時間(t)を変更し、該タイマ−の設定時間に採用した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し,該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給方法に関する。
【0025】
本件第3の発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための方法であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間とし、前記タイマ−の設定時間を用いて、液化ガスの次回補給時刻の初期設定を行い、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する予測時間)から液化ガスの次回補給時刻の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの次回補給時刻)を算出し、該液化ガスの次回補給時刻の初期設定値を、前記の算出した液化ガスの次回補給時刻の代表値に自動的に更新し、該自動的に更新された次回補給時刻までの残存時間が所定時間以内に到達した時刻からは、液化ガスの次回補給時刻の自動更新を停止し、前記の液化ガスの次回補給時刻の自動更新が停止した場合でも、次回補給時刻を変更したい場合は手動にて変更し、該タイマ−の設定時間に採用した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し,該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給方法に関する。
【0026】
本件第4の発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための装置であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容の器内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給までの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)として設定するタイマ−と、該真空断熱配管からなる主管に配設した、該タイマ−にて設定した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、その予備冷却の完了を確認するための温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計と、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給するように制御するための制御装置を備えたことを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給装置に関する。
【0027】
本件第5の発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための装置であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容の器内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給までの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(T)(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)として設定するタイマ−と、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する推定の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)を算出して表示し、前記の表示された液化ガスの補給間隔時間の代表値と当初設定した予測の補給間隔(T)との差が大きい場合は、必要に応じて手動にて設定変更できるようにした機能を備え、該タイマ−にて設定した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、その予備冷却の完了を確認するための温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計と、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給するように制御するための制御装置を備えたことを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給装置に関する。
【0028】
本件第6の発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための装置であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容の器内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給までの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)として設定するタイマ−と、前記タイマ−の設定時間を用いて、液化ガスの次回補給時刻の初期設定を行い、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの次回補給時刻の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの次回補給時刻)を算出し、該液化ガスの次回補給時刻の初期設定値を、前記の算出した液化ガスの次回補給時刻の代表値に自動的に更新し、該自動的に更新された次回補給時刻までの残存時間が所定時間以内に到達した時刻からは、液化ガスの補給時刻の自動更新を停止し、前記の液化ガスの次回補給時刻の自動更新が停止した場合でも、次回補給時刻を変更したい場合は、必要に応じて手動にて変更できるようにした機能を備え、該タイマ−にて設定した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、その予備冷却の完了を確認するための温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計と、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給するように制御するための制御装置を備えたことを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給装置に関する。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施例を示す、生物試料の凍結保存設備の全体系統図である。この設備は、屋外に設置された液体窒素の貯蔵された液化ガス貯槽1から、真空断熱配管で施工された液化ガスの移送配管の主管2により、屋内に設置された液化ガス容器群に対して、液化ガスを移送して補給するようになっている。液化ガスの移送配管の主管2は2つの系統に分岐していて、1つの系統に5台の液化ガス容器3が分岐して繋がっている。液化ガスの移送配管の主管7、および8の末端は、主管の予冷時に蒸発した窒素ガスを屋外に大気放出できるように、屋外の安全な場所まで配管施工された排気管に接続されている。
【0030】
主管2は、分岐弁4(CV−1、CV−2)にて2つの主管7及び8に分岐している。主管7,8の下流には、主管を液体窒素温度まで冷却する予備冷却時において蒸発した窒素ガスを放出するために使用する予冷弁5(PV−1、PV−2)が配設されている。分岐弁4および予冷弁5は、制御信号により空気圧にて動作する空気作動の自動弁または制御信号で動作する電動の自動弁または電磁弁のいずれかが使用される。
【0031】
主管7,8には、予備冷却の完了を確認するため、温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計が配設されている。
主管7,8に接続された液化ガス容器3に液化ガスを補給する場合は、予備冷却が完了し、主管7,8内部に液体窒素が導入された後、主管からの分岐管に配設された電磁弁である容器元弁9を開いて供給される。
【0032】
本発明に係わる液化ガス容器への液化ガスの補給方法の詳細を述べるに当たり、ここでは、説明を簡単にするため、主管2が分かれて2つに分岐している主管の内、1つの系統の主管7に繋がっている5台の液化ガス容器3に対して液化ガスの補給を行う場合のみについての説明を行うこととする。
【0033】
図2は、本発明に係わる液化ガス容器への液化ガスの補給を示す概略説明図である。図2においては、主管7に繋がっている液化ガス容器3の5台の内、模式的に1台の液化ガス容器のみを代表して表示している。又、図2において、液化ガス容器3に配設されている電磁弁9,10、液面計14、内部温度計15と制御装置16は、制御信号及び動作信号の配線で接続されているが、全ての液化ガス容器に対しても同様に制御信号及び動作信号の配線で接続されているのは言うまでもない(図1及び図2では、表示を省略)。
【0034】
本発明に係わる第一の実施形態を説明する。まず、5台の液化ガス容器3(D−1からD−5)の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間として設定する。そのタイマ−の設定時間である液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、真空断熱配管で施工された主管2及び分岐したの1つの系統である主管7を液化ガスの安定する温度まで強制的に予備冷却する。
【0035】
予備冷却は、系統弁4(CV−1)及び予冷弁5(PV−1)を開いて液体窒素の貯蔵されている液化ガス貯槽1から液体窒素を移送する配管である主管2および主管7に液体窒素を導入して、常温になっている真空断熱配管の内部を液体窒素の安定する温度まで冷却する。このとき、最初は導入した液体窒素の蒸発潜熱が奪われて蒸発して窒素ガスとなるが徐々に配管内部の温度が降下して最後には液体窒素が主管7の末端まで供給されるようになる。このことは、主管7に配設された温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計6にて液体窒素の供給を確認できた時点で予備冷却の完了となる。予備冷却が完了した後、予冷弁5(PV−1)を閉じた後に、液化ガス容器3に配設された分岐管予冷弁10を開いて主管7と液化ガス容器3との接続配管17の冷却を行う。接続配管が充分に冷却されると分岐管予冷弁10が閉じて容器元弁9が開くことにより液化ガス容器3の内部に液化ガスが供給されるようになる。液化ガス容器内部に配設された液面計14にて所定液面まで液体窒素の補給が行われたことが計測された時点でこの液化ガス容器への液体窒素の補給を終了するため、液化ガス容器3に配設された容器元弁9を閉じる。なお、1つの液化ガス容器に対する液体窒素の供給開始(便宜的には、容器元弁9の開いた時点)時点から所定時間を経ても容器内部の液面高さが設定液面に到達しない場合は、何らかの不具合が発生している恐れがあるため液化ガスの補給作業を中止する。1つの液化ガス容器3への液体窒素の補給が完了すれば、次ぎの液化ガス容器3に対して液体窒素の補給を行う。このようにして同様に、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番に、(例えば、主管7の上流側から順番に容器番号を決めて置く)液化ガスを補給する。
【0036】
主管7に接続された5台の液化ガス容器3への液体窒素の補給が完了した後、系統弁4(CV−1)を閉じた後、予冷弁5(PV−1)を開いて主管7の内部に存在する液体窒素を放出する。さらに、所定時間経過した後、予冷弁5(PV−1)を閉じて液体窒素の補給作業の完了とする。この本発明に係わる管理容器群(1つの系列)への液化ガス補給の運転方法を、図3の説明図に示している。
【0037】
さらに本発明に係わる第二の実施形態においては、次ぎの、タイマ−の設定時間の変更を行う方法を除いて、第一の実施形態と同じである。本発明の第二の実施形態では、まず、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)を算出し、例えば、図4に示したような制御装置としてパソコンによるSDADA(Supervisory Control and Data Acquisition:制御・監視ソフト)を用いて監視画面上に表示する。なお、図4において、監視画面の下中央に表示されている次回補給時刻として、前記の算出された液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)と、推定値で設定された液化ガスを強制的に補給する間隔時間のタイマ−設定時間との2種類が表示されていると想定すれば、本発明に係わる第二の実施形態の特徴を把握することができる。
なお、本発明に係わる第二の実施形態では、前記の第一の実施形態において、前記タイマ−の設定時間を必要に応じて修正変更する。すなわち、最初に設定したタイマ−の設定時間(当初設定した予測の補給間隔時間)と、前記の算出した液化ガスの補給間隔時間の代表値との差が大きい場合は、必要に応じて手動にて変更する。
【0038】
さらに本発明に係わる第三の実施形態においては、次ぎの、タイマ−の設定時間の変更を行う方法を除いて、第一の実施形態と同じである。本発明の第三の実施形態では、まず、前記タイマ−の設定時間を用いて、液化ガスの次回補給時刻の初期設定を行う。次に、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する予測時間)から液化ガスの次回補給時刻の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの次回補給時刻)を算出し、例えば、図4に示したように制御装置としてパソコンによるSDADA(Supervisory Controland Data Acquisition:制御・監視ソフト)を用いて監視画面上に表示する。図4において、容器No.1〜5からなる系統番号1の管理容器群では、容器No.3が最も早く次回の補給時刻を迎えるため、容器No.3の補給時刻が系統番号1を代表して監視画面の下中央に表示されている。ここでさらに、該液化ガスの次回補給時刻の初期設定値を、前記の算出した液化ガスの次回補給時刻の代表値に自動的に更新する。なお、該自動的に更新された次回補給時刻までの残存時間が所定時間(例えば6時間)以内に到達した時刻からは、液化ガスの次回補給時刻の自動更新を停止する。また、前記の液化ガスの次回補給時刻の自動更新が停止した場合でも、次回補給時刻を変更したい場合は手動にて変更可能である。
【0039】
図3に従って、本発明の好ましい実施態様をさらに詳しく説明する。
制御装置16では図3に示す如く、先ず液化ガス供給要求信号の存否が判別され、信号の入力が確認されると、系統弁(CV−1)及び予冷弁(PV−1)が開放される。
【0040】
予備冷却の完了を確認するため、温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計(LS−1)にて供給配管液検出が行われる。検出温度が設定温度以下の場合は、予冷弁(PV−1)を閉じて予備冷却を完了する。
【0041】
なお、予備冷却の時間(予冷弁(PV−1)が開いてからの時間)が設定時間を経過しても検出温度が設定以下の温度に達しない場合は、何らかの不具合が発生している恐れがあるため予備冷却を中止する。
【0042】
設定時間内に予備冷却が無事完了すれば、予冷弁(PV−1)を閉じた後、主管7の上流側から順番に決められた容器番号順に液化ガスを補給するため{図2に示された液化ガス容器に配設された分岐管予冷弁(PSV−1)を開いて主管7と液化ガス容器2との接続配管17の冷却を行った後、分岐管予冷弁(PSV−1)を閉じてから}、容器元弁(SV−1)を開いて、まず最初の液化ガス容器3への液体窒素の補給が行われる。液面計(LC−1)にて容器液面検出を行い、設定液面に到達すれぱ、容器元弁(SV−1)を閉じて液化ガスの補給を完了する。以下同様に、全ての液化ガス容器(No.1〜5)に順次液化ガスの補給を行う。
【0043】
なお、各液化ガス容器への液化ガスの各々の補給時間(容器元弁が開いてからの経過時間)が、所定時間を経過しても設定液面に到達しない場合は、何らかの不具合が発生している恐れがあるため液化ガスの補給を中止する。
【0044】
最終の液化ガス容器(No.5)への液化ガスの補給が完了後、系統弁(CV−1)を閉じた後、予冷弁(PV−1)を開いて主管7に残存する液化ガスを放出する。
【0045】
さらに、所定時間が経過すれば主管7に残存する液化ガスが放出するので、予冷弁(PV−1)を閉じて、液化ガス容器(No.1〜5)への液化ガスの補給を完了する。
【0046】
【発明の効果】
複数台の液化ガス容器を使用して液化ガス容器から凍結保存した生物試料を出し入れする業務が計画的に実行できるようなり、突然の液化ガス容器への液化ガスの自動補給開始によって日常業務が中断される無駄が無くなり、作業中断が突発的に発生して待ち時間が生じる等の経済的な損失の低減が図れる。さらに、設定された液化ガスの補給時刻に到達した時点で、液化ガス容器が液面下限に到達していない液化ガス容器があっても強制的に予め決定された順番で順次、各液化ガス容器に液化ガスを補給することで主管を予備冷却するための液化ガスの損失が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す、生物試料の凍結保存設備の全体系統図である。
【図2】本発明の好ましい態様に係わる液化ガス容器への液化ガスの補給を示す概略説明図である。
【図3】本発明の好ましい態様に係わる管理容器群(1つの系列)への液化ガス補給の運転説明図である。
【図4】本発明の好ましい態様に係わる次回補給時刻の表示を示す図であって、制御装置としてパソコンによるSDADA(Supervisory Control and Data Acquisition:制御・監視ソフト)を用いて表示させた監視画面の1実施例を示す。
【符号の説明】
1:液化ガス貯槽
2:液化ガスの移送配管の主管
3:液化ガス容器
4:系統弁
5:予冷弁
6:温度計又は液面計
7:第1系統の液化ガス移送配管の主管
8:第2系統の液化ガス移送配管の主管
9:容器元弁
10:分岐管予冷弁
11:主管分岐弁
12:排気管分岐弁
13:排気管
14:液面計
15:温度計
16:制御装置
17:接続配管
18:接続配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する大気圧開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための技術に関する。更に詳しくは、動物の繁殖、バイオ技術の研究開発などにおいて、生物細胞・生物標本・生体組織・動物の精液・卵子・受精卵・血液細胞・植物種子・植物培養細胞などの生物試料の凍結保存に使用される液化ガス容器内部の温度を極低温の凍結保存温度に保持し、貯蔵された液化ガスの液面レベル、容器内部の温度、及び液化ガスの補給頻度等を適切に維持管理するための管理方法及びそのための装置を提供することに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、生物試料の凍結保存は、極低温の液化ガスを貯蔵する大気圧開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)に液化ガスを貯蔵し、その液化ガスの液相の中に生物試料をアンプル等の小容器内に収納したものをさらに運搬用の小型ラック(キャニスタ−と呼ばれる)に入れた状態のまま沈めて行われている(液相での凍結保存)。また、保存する生物試料が液化ガスの液相と接触することが好ましくない場合は、液化ガス容器内の液面レベルが低い状態で液化ガスを貯蔵し、保存する生物試料には気化した低温ガスのみを接触させるようにして生物試料を極低温状態に保って凍結保存している(気相での凍結保存)。
いずれにしても、液化ガスの液面レベルの高低差が有るとしても、液化ガス容器の内部を極低温に保つために液化ガス容器内に液化ガスを貯蔵し、極低温の液化ガスの蒸発潜熱を利用して冷却している点においては同じである。
【0003】
ところで、生物試料が凍結保存されているこれらの液化ガス容器内に充填されている液化ガスが蒸発損失するので、液面が一定レベル以下に到達すると液化ガスを補給する必要がある。
液化ガス容器が単体であり液化ガスの蒸発量が少量の場合は、移動式の液化ガス貯蔵容器を液化ガス容器の近傍に配置し、そこから長さ数メ−トルの仮設の液化ガス供給用配管を通して供給されることもある。この場合、貯蔵している液化ガスの液面レベルを上下限の間で維持するように、液面制御器の液面レベル制御信号に基づいて液化ガス補給弁の開閉を制御することが行なわれる。
又、ある程度の大規模で生物試料の保管・貯蔵を行う細胞バンク等では、複数台の液化ガス容器を使用していて、液化ガスを補給する頻度も高く、補給する液化ガスの容量も多量となる。このため、複数台の液化ガス容器への一般的な液化ガスを補給方法としては、液化ガス容器の設置場所から離れた屋外に固定設置した液化ガス貯槽から液化ガス容器の保管場所まで配管された配管距離が数十メ−トルの長さの真空断熱配管を通して移送供給される。真空断熱配管で施工された主配管に付設した分岐枝管に複数台の液化ガス容器が接続されている。なお、屋外に設置された液化ガス貯槽に対する液化ガスの補給は、液化ガス輸送車(いわゆるロ−リ−車両)を用いて液化ガス貯蔵量が管理下限レベル値以下に達した時点で行われる。
【0004】
液化ガス容器内に液化ガスを補給する頻度に関係する要因としては次のことが挙げられる。
液化ガス容器の構造・寸法が同一であれば外部からの熱浸入量は同じであり、侵入熱量に相当する熱量が内部に貯蔵されている液化ガスの蒸発潜熱から奪われるので、同じ容量の液化ガスが蒸発して損失している。言い換えれば、液化ガス容器の内部に貯蔵している液化ガスの容量の多少が、液化ガスの補給頻度に影響していることになる。
【0005】
一般に、同じ構造・寸法の液化ガス容器を用いて生物試料を凍結保存する場合において、気相で凍結保存する場合の方が、液相で凍結保存する場合に比べて液化ガス容器の内部に貯蔵している液化ガスの容量が少ないため、所定の液化ガスの液面レベルに維持するための液化ガスを補給する頻度が多くなる。
液化ガス容器に貯蔵されている液化ガスが蒸発して損失する量は、液化ガスの補給頻度に影響する。
【0006】
複数台の液化ガス容器を使用している場合において、個々の液化ガス容器に貯蔵されている液化ガスが蒸発損失する時間当たりの量が、それぞれの液化ガス容器によって異なり一定値ではないことの原因として次のことが考えられる。
(1)液化ガス容器の内部構造・寸法は業界で規格統一されたものではなく、液化ガス容器の内容積が類似していても、製造者が異なると製造者の型式毎に液化ガス容器の内部構造・寸法は種々の相違がある。
(2)液相で凍結保存する場合において、凍結保存している生物試料を液化ガス容器へ出し入れすることにより、その結果として個々の液化ガス容器の内部に凍結保存されている生物試料の数量・容積が増減することになり、それに伴って個々の液化ガス容器内の生物試料の空隙を埋めている液化ガスの貯蔵量が変動する。
(3)液化ガス容器にキャニスタ−(収納ラック)を出し入れする頻度、液化ガス容器の開閉蓋の開放時間の長短などによっても、その作業時に蒸発損失する液化ガスの容量は個々に異なる。
(4)液化ガス容器が空調された室内に設置されていても、設置されている室内の位置により個々の液化ガス容器の周辺気温が完全には同じでないこと、又、液化ガス容器を製造した年月からの経年変化で個々の液化ガス容器の真空断熱性能が劣化することなどが原因で個々の液化ガス容器によって外部からの熱浸入量が異なる。
【0007】
以上のことから、種々の変動要因によって、個々の液化ガス容器の内部に貯蔵されている液化ガスの容積、一定時間毎に蒸発する液化ガスの蒸発量は時々刻々と変動していて一定値ではなく、複数台の液化ガス容器を使用している場合、個々の液化ガス容器によっての液化ガスの補給時期がずれることが容易に理解される。
【0008】
複数台の液化ガス容器を一箇所の設置場所に収容して同時に管理する場合においては、個々の液化ガス容器毎に液化ガスの液面レベルを上限レベルと下限レベルの間に維持するように、液面制御器の液面レベル制御信号に基づいて液補給弁の開閉を自動制御することで行われている。このため、設置されている複数台の液化ガス容器のうち、いずれかで液面下限の低下信号が発信すればその都度、屋外設置の液化ガス貯槽からの真空断熱配管で施工された主配管および分岐枝管を、常温から液化ガスの液化温度(液化ガスが窒素の場合は、−196℃)まで冷却する必要が生じる。この真空断熱配管の冷却工程において、冷却開始の当初は液化ガスの蒸発潜熱が配管を冷却するために費やされて窒素ガスになってしまう。真空断熱配管の冷却を開始してしばらくすると、蒸発する液化ガスの量が徐々に低減して液化ガスが真空断熱配管の終端近くで分岐した枝管まで到達できるようになり、初めて液化ガス容器に液化ガスを補給する準備が完了する。
【0009】
このため個々の液化ガス容器への液化ガスの補給を行う度に、屋外設置の液化ガス貯槽からの真空断熱配管で施工された主配管および分岐枝管を、常温から液化ガスの安定する温度(液化ガスが窒素の場合は、−196℃)まで冷却することは、配管冷却用の液化ガスをその度に損失するととになり不都合であった。特に屋外の液化ガス貯槽から液化ガス容器までの真空断熱配管の距離が長く、真空断熱配管の温度を常温から液化ガスの安定する温度まで冷却する熱容量が大きい場合は、相対的に液化ガス容器に補給する正味の有効量に比べて配管冷却用の液化ガスの損失割合が大きくなる不都合があった。
【0010】
この不都合を解決するための方策として、実用新案登録第2514529号公報には、どれか一つの液化ガス容器に液面下限の低下信号が発信すれば当該容器以外の液化ガス容器が液面下限に到達していなくても強制的に順次、液化ガスを補給することで液化ガスの補給頻度を低減させて配管冷却用の液化ガスの損失を低減させることに関する技術が開示されている。
【0011】
【解決しようとする課題】
しかしながら、実用新案登録第2514529号に開示された従来技術においては、配管冷却用の液化ガスの損失を低減させるこのみに着目しているので、上記のとおり複数台の液化ガス容器を管理する場合に、個々の液化ガスの液面はそれぞれ種々の外的・内的要因の影響を受けて、時々刻々と液面レベルを変化させているので、いつ、どの液化ガス容器が液面下限レベルに到達するのかが把握できない。つまり、個々の液化ガス容器に配設した液面レベル計の表示値を確認できたとしても、それぞれの液化ガス容器の液面が下限レベルに到達する日時、引いて複数台の液化ガス容器の内、どの液化ガス容器が最も早く下限の液面レベルに到達するかを知ることができない。あたかもブラックボックスからの制御信号に基づいて、気まぐれに液化ガスの自動補給作業を行っているようになってしまう。
【0012】
このため、場合によっては、ある液化ガス容器の蓋を開放して内部の凍結保存した生物試料を出し入れする作業を行っている途中で、どれか一つの液化ガス容器で液面下限の低下信号が発信すれば、液化ガスを補給するための配管冷却用液化ガスが突然に自動供給開始され、生物試料の管理作業を中断せざるを得ない事態となる。
【0013】
液化ガス容器に生物試料を凍結保存する場合、いきなり常温の生物試料を液化ガス容器に投入するのではなく、細胞バンク等では大量の生物試料を凍結させるため試料を例えば凍結ストロ−管に注入した後にプログラムフリーザーを用いた緩慢法により常温から−80℃まで冷却・冷凍を行い、なるべく早い時期に凍結ストロ−管をキャニスタ−(収納ラック)に取り付けて液化ガス容器に投入して最終的な凍結保存を行う。
【0014】
従って、突然の液化ガス容器への液化ガスの自動補給開始によって液化ガス容器への投入作業が中断され、生物試料をプログラムフリーザーで冷凍させる液化ガス容器に投入するための準備作業が完了したままで、例えば長期の連休期間中をプログラムフリーザー内に放置することは好ましくない。
【0015】
又、液化ガス容器内に凍結保存されている生物試料を取り出したり、液化ガス容器内の保存試料を実物確認する管理作業を行っている途中で、突然の液化ガス容器への液化ガスの自動補給開始となり数時間の作業中断が発生して待ち時間が生じる場合があり、作業者の労務費用が無駄となり経済的な損失となる。
このことは、最近の大規模な細胞バンク及びバイオ技術の研究所等で多数の液化ガス容器を使用して、凍結保存した生物試料を液化ガス容器から出し入れする業務を日常的なル−チン作業として行っている場合には、この突然の液化ガス容器への液化ガスの自動補給開始によって日常業務が中断され、計画的な日常業務を行えないという問題があった。
【0016】
本発明の技術課題は、複数台の液化ガス容器を管理する場合の上記の問題点を解決することである。すなわち、本発明の解決しょうとする課題は、複数台の液化ガス容器に液化ガスを補給する時に生じる次の3つの課題を同時に解決することにより、液化ガス容器から凍結保存した生物試料を出し入れする業務が計画的に実行できるようにすると共に無駄な費用の低減を図る点にある。
(a)液化ガスの補給に当たり、配管冷却用の液化ガスの損失を低減させること。(b)個々の液化ガス容器内の液面レベル、内部温度を把握し、個々の液化ガス容器についての液化ガスの補給が必要となる日時が分かるようにする。
(c)全ての液化ガス容器の内で、最も早く液化ガスの補給が必要となる予定日時を液化ガスの次回補給開始予定日時とし、事前に分かるようにする。又、必要であれば液化ガス補給開始予定日時を手動で変更可能とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の液化ガス容器の管理方法は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための方法であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間とし、該タイマ−の設定時間に採用した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴としている。
【0018】
さらに、別の実施態様においては、前記タイマ−の設定時間を、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)を算出し、前記の算出した液化ガスの補給間隔時間の代表値と当初設定した予測の補給間隔時間との差が大きい場合は、必要に応じて手動にて変更可能としたことを特徴としている。
【0019】
さらに、別の実施態様においては、前記タイマ−の設定時間を用いて、液化ガスの次回補給時刻の初期設定を行い、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する予測時間)から液化ガスの次回補給時刻の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの次回補給時刻)を算出し、該液化ガスの次回補給時刻の初期設定値を、前記の算出した液化ガスの次回補給時刻の代表値に自動的に更新し、該自動的に更新された次回補給時刻までの残存時間が所定時間以内に到達した時刻からは、液化ガスの次回補給時刻の自動更新を停止し、前記の液化ガスの次回補給時刻の自動更新が停止した場合でも、次回補給時刻を変更したい場合は手動にて変更可能としたことを特徴としている。
【0020】
又、上記目的を達成するため、本発明の液化ガス容器を管理するための装置は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための装置であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容の器内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給までの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)として設定するタイマ−と、該真空断熱配管からなる主管に配設した、該タイマ−にて設定した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、その予備冷却の完了を確認するための温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計と、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給するように制御するための制御装置を備えたことを特徴としている。
【0021】
さらに別の実施態様においては、前記制御装置が、前記タイマ−に設定された液化ガスの補給間隔時間を変更するため機能であって、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する推定の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)を算出して表示し、前記の表示された液化ガスの補給間隔時間の代表値と当初設定した予測の補給間隔との差が大きい場合は、必要に応じて手動にて設定変更できるようにした機能を備えたことを特徴としている。
【0022】
さらに別の実施態様においては、前記制御装置が、液化ガスの次回補給時刻を設定する機能であって、前記タイマ−の設定時間を用いて、液化ガスの次回補給時刻の初期設定を行い、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの次回補給時刻の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの次回補給時刻)を算出し、該液化ガスの次回補給時刻の初期設定値を、前記の算出した液化ガスの次回補給時刻の代表値に自動的に更新し、該自動的に更新された次回補給時刻までの残存時間が所定時間以内に到達した時刻からは、液化ガスの補給時刻の自動更新を停止し、前記の液化ガスの次回補給時刻の自動更新が停止した場合でも、次回補給時刻を変更したい場合は、必要に応じて手動にて変更できるようにした機能を備えたことを特徴としている。
【0023】
本件第1の発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための方法であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間とし、該タイマ−の設定時間に採用した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し,該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給方法に関する。
【0024】
本件第2の発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための方法であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間(t)とし、さらに、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)を算出し、前記の算出した液化ガスの補給間隔時間の代表値と当初設定した予測の補給間隔時間(t)との差が大きい場合は、必要に応じて手動にて当初設定した設定時間(t)を変更し、該タイマ−の設定時間に採用した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し,該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給方法に関する。
【0025】
本件第3の発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための方法であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間とし、前記タイマ−の設定時間を用いて、液化ガスの次回補給時刻の初期設定を行い、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する予測時間)から液化ガスの次回補給時刻の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの次回補給時刻)を算出し、該液化ガスの次回補給時刻の初期設定値を、前記の算出した液化ガスの次回補給時刻の代表値に自動的に更新し、該自動的に更新された次回補給時刻までの残存時間が所定時間以内に到達した時刻からは、液化ガスの次回補給時刻の自動更新を停止し、前記の液化ガスの次回補給時刻の自動更新が停止した場合でも、次回補給時刻を変更したい場合は手動にて変更し、該タイマ−の設定時間に採用した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し,該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給方法に関する。
【0026】
本件第4の発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための装置であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容の器内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給までの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)として設定するタイマ−と、該真空断熱配管からなる主管に配設した、該タイマ−にて設定した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、その予備冷却の完了を確認するための温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計と、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給するように制御するための制御装置を備えたことを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給装置に関する。
【0027】
本件第5の発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための装置であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容の器内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給までの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(T)(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)として設定するタイマ−と、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する推定の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)を算出して表示し、前記の表示された液化ガスの補給間隔時間の代表値と当初設定した予測の補給間隔(T)との差が大きい場合は、必要に応じて手動にて設定変更できるようにした機能を備え、該タイマ−にて設定した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、その予備冷却の完了を確認するための温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計と、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給するように制御するための制御装置を備えたことを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給装置に関する。
【0028】
本件第6の発明は、液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための装置であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容の器内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給までの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)として設定するタイマ−と、前記タイマ−の設定時間を用いて、液化ガスの次回補給時刻の初期設定を行い、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの次回補給時刻の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの次回補給時刻)を算出し、該液化ガスの次回補給時刻の初期設定値を、前記の算出した液化ガスの次回補給時刻の代表値に自動的に更新し、該自動的に更新された次回補給時刻までの残存時間が所定時間以内に到達した時刻からは、液化ガスの補給時刻の自動更新を停止し、前記の液化ガスの次回補給時刻の自動更新が停止した場合でも、次回補給時刻を変更したい場合は、必要に応じて手動にて変更できるようにした機能を備え、該タイマ−にて設定した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、その予備冷却の完了を確認するための温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計と、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給するように制御するための制御装置を備えたことを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給装置に関する。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施例を示す、生物試料の凍結保存設備の全体系統図である。この設備は、屋外に設置された液体窒素の貯蔵された液化ガス貯槽1から、真空断熱配管で施工された液化ガスの移送配管の主管2により、屋内に設置された液化ガス容器群に対して、液化ガスを移送して補給するようになっている。液化ガスの移送配管の主管2は2つの系統に分岐していて、1つの系統に5台の液化ガス容器3が分岐して繋がっている。液化ガスの移送配管の主管7、および8の末端は、主管の予冷時に蒸発した窒素ガスを屋外に大気放出できるように、屋外の安全な場所まで配管施工された排気管に接続されている。
【0030】
主管2は、分岐弁4(CV−1、CV−2)にて2つの主管7及び8に分岐している。主管7,8の下流には、主管を液体窒素温度まで冷却する予備冷却時において蒸発した窒素ガスを放出するために使用する予冷弁5(PV−1、PV−2)が配設されている。分岐弁4および予冷弁5は、制御信号により空気圧にて動作する空気作動の自動弁または制御信号で動作する電動の自動弁または電磁弁のいずれかが使用される。
【0031】
主管7,8には、予備冷却の完了を確認するため、温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計が配設されている。
主管7,8に接続された液化ガス容器3に液化ガスを補給する場合は、予備冷却が完了し、主管7,8内部に液体窒素が導入された後、主管からの分岐管に配設された電磁弁である容器元弁9を開いて供給される。
【0032】
本発明に係わる液化ガス容器への液化ガスの補給方法の詳細を述べるに当たり、ここでは、説明を簡単にするため、主管2が分かれて2つに分岐している主管の内、1つの系統の主管7に繋がっている5台の液化ガス容器3に対して液化ガスの補給を行う場合のみについての説明を行うこととする。
【0033】
図2は、本発明に係わる液化ガス容器への液化ガスの補給を示す概略説明図である。図2においては、主管7に繋がっている液化ガス容器3の5台の内、模式的に1台の液化ガス容器のみを代表して表示している。又、図2において、液化ガス容器3に配設されている電磁弁9,10、液面計14、内部温度計15と制御装置16は、制御信号及び動作信号の配線で接続されているが、全ての液化ガス容器に対しても同様に制御信号及び動作信号の配線で接続されているのは言うまでもない(図1及び図2では、表示を省略)。
【0034】
本発明に係わる第一の実施形態を説明する。まず、5台の液化ガス容器3(D−1からD−5)の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間として設定する。そのタイマ−の設定時間である液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、真空断熱配管で施工された主管2及び分岐したの1つの系統である主管7を液化ガスの安定する温度まで強制的に予備冷却する。
【0035】
予備冷却は、系統弁4(CV−1)及び予冷弁5(PV−1)を開いて液体窒素の貯蔵されている液化ガス貯槽1から液体窒素を移送する配管である主管2および主管7に液体窒素を導入して、常温になっている真空断熱配管の内部を液体窒素の安定する温度まで冷却する。このとき、最初は導入した液体窒素の蒸発潜熱が奪われて蒸発して窒素ガスとなるが徐々に配管内部の温度が降下して最後には液体窒素が主管7の末端まで供給されるようになる。このことは、主管7に配設された温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計6にて液体窒素の供給を確認できた時点で予備冷却の完了となる。予備冷却が完了した後、予冷弁5(PV−1)を閉じた後に、液化ガス容器3に配設された分岐管予冷弁10を開いて主管7と液化ガス容器3との接続配管17の冷却を行う。接続配管が充分に冷却されると分岐管予冷弁10が閉じて容器元弁9が開くことにより液化ガス容器3の内部に液化ガスが供給されるようになる。液化ガス容器内部に配設された液面計14にて所定液面まで液体窒素の補給が行われたことが計測された時点でこの液化ガス容器への液体窒素の補給を終了するため、液化ガス容器3に配設された容器元弁9を閉じる。なお、1つの液化ガス容器に対する液体窒素の供給開始(便宜的には、容器元弁9の開いた時点)時点から所定時間を経ても容器内部の液面高さが設定液面に到達しない場合は、何らかの不具合が発生している恐れがあるため液化ガスの補給作業を中止する。1つの液化ガス容器3への液体窒素の補給が完了すれば、次ぎの液化ガス容器3に対して液体窒素の補給を行う。このようにして同様に、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番に、(例えば、主管7の上流側から順番に容器番号を決めて置く)液化ガスを補給する。
【0036】
主管7に接続された5台の液化ガス容器3への液体窒素の補給が完了した後、系統弁4(CV−1)を閉じた後、予冷弁5(PV−1)を開いて主管7の内部に存在する液体窒素を放出する。さらに、所定時間経過した後、予冷弁5(PV−1)を閉じて液体窒素の補給作業の完了とする。この本発明に係わる管理容器群(1つの系列)への液化ガス補給の運転方法を、図3の説明図に示している。
【0037】
さらに本発明に係わる第二の実施形態においては、次ぎの、タイマ−の設定時間の変更を行う方法を除いて、第一の実施形態と同じである。本発明の第二の実施形態では、まず、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)を算出し、例えば、図4に示したような制御装置としてパソコンによるSDADA(Supervisory Control and Data Acquisition:制御・監視ソフト)を用いて監視画面上に表示する。なお、図4において、監視画面の下中央に表示されている次回補給時刻として、前記の算出された液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)と、推定値で設定された液化ガスを強制的に補給する間隔時間のタイマ−設定時間との2種類が表示されていると想定すれば、本発明に係わる第二の実施形態の特徴を把握することができる。
なお、本発明に係わる第二の実施形態では、前記の第一の実施形態において、前記タイマ−の設定時間を必要に応じて修正変更する。すなわち、最初に設定したタイマ−の設定時間(当初設定した予測の補給間隔時間)と、前記の算出した液化ガスの補給間隔時間の代表値との差が大きい場合は、必要に応じて手動にて変更する。
【0038】
さらに本発明に係わる第三の実施形態においては、次ぎの、タイマ−の設定時間の変更を行う方法を除いて、第一の実施形態と同じである。本発明の第三の実施形態では、まず、前記タイマ−の設定時間を用いて、液化ガスの次回補給時刻の初期設定を行う。次に、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する予測時間)から液化ガスの次回補給時刻の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの次回補給時刻)を算出し、例えば、図4に示したように制御装置としてパソコンによるSDADA(Supervisory Controland Data Acquisition:制御・監視ソフト)を用いて監視画面上に表示する。図4において、容器No.1〜5からなる系統番号1の管理容器群では、容器No.3が最も早く次回の補給時刻を迎えるため、容器No.3の補給時刻が系統番号1を代表して監視画面の下中央に表示されている。ここでさらに、該液化ガスの次回補給時刻の初期設定値を、前記の算出した液化ガスの次回補給時刻の代表値に自動的に更新する。なお、該自動的に更新された次回補給時刻までの残存時間が所定時間(例えば6時間)以内に到達した時刻からは、液化ガスの次回補給時刻の自動更新を停止する。また、前記の液化ガスの次回補給時刻の自動更新が停止した場合でも、次回補給時刻を変更したい場合は手動にて変更可能である。
【0039】
図3に従って、本発明の好ましい実施態様をさらに詳しく説明する。
制御装置16では図3に示す如く、先ず液化ガス供給要求信号の存否が判別され、信号の入力が確認されると、系統弁(CV−1)及び予冷弁(PV−1)が開放される。
【0040】
予備冷却の完了を確認するため、温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計(LS−1)にて供給配管液検出が行われる。検出温度が設定温度以下の場合は、予冷弁(PV−1)を閉じて予備冷却を完了する。
【0041】
なお、予備冷却の時間(予冷弁(PV−1)が開いてからの時間)が設定時間を経過しても検出温度が設定以下の温度に達しない場合は、何らかの不具合が発生している恐れがあるため予備冷却を中止する。
【0042】
設定時間内に予備冷却が無事完了すれば、予冷弁(PV−1)を閉じた後、主管7の上流側から順番に決められた容器番号順に液化ガスを補給するため{図2に示された液化ガス容器に配設された分岐管予冷弁(PSV−1)を開いて主管7と液化ガス容器2との接続配管17の冷却を行った後、分岐管予冷弁(PSV−1)を閉じてから}、容器元弁(SV−1)を開いて、まず最初の液化ガス容器3への液体窒素の補給が行われる。液面計(LC−1)にて容器液面検出を行い、設定液面に到達すれぱ、容器元弁(SV−1)を閉じて液化ガスの補給を完了する。以下同様に、全ての液化ガス容器(No.1〜5)に順次液化ガスの補給を行う。
【0043】
なお、各液化ガス容器への液化ガスの各々の補給時間(容器元弁が開いてからの経過時間)が、所定時間を経過しても設定液面に到達しない場合は、何らかの不具合が発生している恐れがあるため液化ガスの補給を中止する。
【0044】
最終の液化ガス容器(No.5)への液化ガスの補給が完了後、系統弁(CV−1)を閉じた後、予冷弁(PV−1)を開いて主管7に残存する液化ガスを放出する。
【0045】
さらに、所定時間が経過すれば主管7に残存する液化ガスが放出するので、予冷弁(PV−1)を閉じて、液化ガス容器(No.1〜5)への液化ガスの補給を完了する。
【0046】
【発明の効果】
複数台の液化ガス容器を使用して液化ガス容器から凍結保存した生物試料を出し入れする業務が計画的に実行できるようなり、突然の液化ガス容器への液化ガスの自動補給開始によって日常業務が中断される無駄が無くなり、作業中断が突発的に発生して待ち時間が生じる等の経済的な損失の低減が図れる。さらに、設定された液化ガスの補給時刻に到達した時点で、液化ガス容器が液面下限に到達していない液化ガス容器があっても強制的に予め決定された順番で順次、各液化ガス容器に液化ガスを補給することで主管を予備冷却するための液化ガスの損失が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す、生物試料の凍結保存設備の全体系統図である。
【図2】本発明の好ましい態様に係わる液化ガス容器への液化ガスの補給を示す概略説明図である。
【図3】本発明の好ましい態様に係わる管理容器群(1つの系列)への液化ガス補給の運転説明図である。
【図4】本発明の好ましい態様に係わる次回補給時刻の表示を示す図であって、制御装置としてパソコンによるSDADA(Supervisory Control and Data Acquisition:制御・監視ソフト)を用いて表示させた監視画面の1実施例を示す。
【符号の説明】
1:液化ガス貯槽
2:液化ガスの移送配管の主管
3:液化ガス容器
4:系統弁
5:予冷弁
6:温度計又は液面計
7:第1系統の液化ガス移送配管の主管
8:第2系統の液化ガス移送配管の主管
9:容器元弁
10:分岐管予冷弁
11:主管分岐弁
12:排気管分岐弁
13:排気管
14:液面計
15:温度計
16:制御装置
17:接続配管
18:接続配管
Claims (6)
- 液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための方法であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間とし、該タイマ−の設定時間に採用した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し,該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給方法。
- 液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための方法であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間とし、さらに、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)を算出し、前記の算出した液化ガスの補給間隔時間の代表値と当初設定した予測の補給間隔時関(t)との差が大きい場合は、必要に応じて手動にて当初設定した設定時間(t)を変更し、該タイマ−の設定時間に採用した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し,該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給方法。
- 液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための方法であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容器の内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給するまでの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)に用いてタイマ−の設定時間とし、前記タイマ−の設定時間を用いて、液化ガスの次回補給時刻の初期設定を行い、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する予測時間)から液化ガスの次回補給時刻の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの次回補給時刻)を算出し、該液化ガスの次回補給時刻の初期設定値を、前記の算出した液化ガスの次回補給時刻の代表値に自動的に更新し、該自動的に更新された次回補給時刻までの残存時間が所定時間以内に到達した時刻からは、液化ガスの次回補給時刻の自動更新を停止し、前記の液化ガスの次回補給時刻の自動更新が停止した場合でも、次回補給時刻を変更したい場合は手動にて変更し、該タイマ−の設定時間に採用した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し,該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給することを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給方法。
- 液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための装置であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容の器内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給までの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)として設定するタイマ−と、該真空断熱配管からなる主管に配設した、該タイマ−にて設定した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、その予備冷却の完了を確認するための温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計と、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給するように制御するための制御装置を備えたことを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給装置。
- 液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための装置であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容の器内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給までの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)として設定するタイマ−と、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する推定の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの補給間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)を算出して表示し、前記の表示された液化ガスの補給間隔時間の代表値と当初設定した予測の補給間隔(T)との差が大きい場合は、必要に応じて手動にて設定変更できるようにした機能を備え、該タイマ−にて設定した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、その予備冷却の完了を確認するための温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計と、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給するように制御するための制御装置を備えたことを特徴とする、、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給装置。
- 液体窒素等の極低温の液化ガスを貯蔵する複数台の大気開放型の液化ガス容器(いわゆるデュワ−:Dewar)内に貯蔵している液化ガスの補給を適切に行うための装置であって、屋外に設置した液化ガス貯槽と、当該液化ガス貯槽に配設した液化ガスを移送するための真空断熱配管からなる主管と、主管に複数設けられた分岐枝管に接続された生物試料を極低温の液化ガス温度で凍結保存するための複数台の液化ガス容器とからなる生物試料の凍結保存設備において、個々の液化ガス容の器内部にはそれぞれ1つ以上の液面レベル計と1つ以上の内部温度計を配設し、前記の管理している液化ガス容器の中で最も液化ガスの蒸発量が多くて液化ガスを補給までの期間が最短と推定される液化ガス容器に対する予測の補給間隔時間を、該液化ガス容器の内部へ液化ガスを強制的に補給する間隔時間の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの補給間隔時間)として設定するタイマ−と、前記タイマ−の設定時間を用いて、液化ガスの次回補給時刻の初期設定を行い、個々の液化ガス容器についての液面レベルを計測して個々の容器に対する予測の保持時間(液面の上限レベルから下限レベルに到達するまでに要する時間から予測した値)から液化ガスの次回補給時刻の代表値(該凍結保存設備への液化ガスの次回補給時刻)を算出し、該液化ガスの次回補給時刻の初期設定値を、前記の算出した液化ガスの次回補給時刻の代表値に自動的に更新し、該自動的に更新された次回補給時刻までの残存時間が所定時間以内に到達した時刻からは、液化ガスの補給時刻の自動更新を停止し、前記の液化ガスの次回補給時刻の自動更新が停止した場合でも、次回補給時刻を変更したい場合は、必要に応じて手動にて変更できるようにした機能を備え、該タイマ−にて設定した液化ガスの補給間隔時間に到達すれば、該真空断熱配管からなる主管を液化ガスの液化する温度まで強制的に予備冷却し、その予備冷却の完了を確認するための温度計または液化ガスの溜まりを検出するための液面計と、該予備冷却が完了した後、全ての液化ガス容器に対して予め決めておいた順番にて液化ガスを補給するように制御するための制御装置を備えたことを特徴とする、生物試料の凍結保存用の液化ガス容器への管理された液化ガス供給装置。
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