JP2004053164A - 蓄熱式電気床暖房装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率的な蓄熱、該蓄熱の保温及び効果的な放熱を可能とすることにより、電気暖房及び床暖房の有効特性をそのままに、安価な深夜電力による蓄熱によって快適な暖房効果が長時間持続できる蓄熱式電気床暖房装置を得ることを課題とする。
【解決手段】本発明による蓄熱式電気床暖房装置は、基本を断熱層、電気発熱体を埋設した蓄熱層及び平面仕上層の三層とするとともに、これら各層間に保温布を介設することにより構成し、更に平面仕上層の上に表面床材を敷設してなる床暖房装置であって、前記断熱層を発泡スチロール等からなる断熱材と銀箔シートからなる熱反射材によって形成し、前記蓄熱層を砂利を所定の高さ敷設することによって形成し、前記平面仕上層をモルタル又はセメント材によって所定厚に施工形成することにによって、効率的な蓄熱、保温及び放熱を可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明による蓄熱式電気床暖房装置は、基本を断熱層、電気発熱体を埋設した蓄熱層及び平面仕上層の三層とするとともに、これら各層間に保温布を介設することにより構成し、更に平面仕上層の上に表面床材を敷設してなる床暖房装置であって、前記断熱層を発泡スチロール等からなる断熱材と銀箔シートからなる熱反射材によって形成し、前記蓄熱層を砂利を所定の高さ敷設することによって形成し、前記平面仕上層をモルタル又はセメント材によって所定厚に施工形成することにによって、効率的な蓄熱、保温及び放熱を可能とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、深夜電力等の割安な電力を利用して蓄熱材に加熱蓄積させた熱を除々に放出させることによって、長時間にわたっての暖房効果が得られる蓄熱式電気床暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
床暖房装置には、従来より、温水熱、温風熱、太陽熱又は電熱を利用した装置があり、このうち、電熱を利用した電気床暖房装置は、他の熱源を利用した装置に比べ、温度の調整制御が容易で床面に伝わる温度にむらが少なく、また、流体(温水や温風)を循環させるための管体の施設やボイラー等の加熱装置の設置等の大がかりな工事が不要なため、安全で快適な暖房装置として、一般家庭のみならずオフィス等においても広く用いられている。そして、電気床暖房装置のシステムとしては、料金の低廉な深夜電力による電熱を蓄熱材に蓄積しておき、この蓄熱材からの放熱を利用して表面床材を加熱して暖房する蓄熱式のものが、その経済的利点から急速に広まりつつある。
【0003】
従来の典型的な蓄熱式電気床暖房装置の構成は、基礎構造床上に敷設した断熱材の上に蓄熱材よりなる蓄熱層を形成し、この蓄熱層の中間部又は上部に電気発熱体(ヒーター線)を配設し、放熱層及び表面床材を介して前記蓄熱層に蓄積された熱を自然放熱させる構成とされており、蓄熱材として、石こうモルタルやセメント等の個体のものから、その融解熱を利用する結晶性化合物の塩と水の混合物等多種類あり、形態も蓄熱材をボード化したものから容器や袋に収納封入したものまで多様で、また、その構成においても、発熱体と蓄熱材とを一体化したパネル形式のもの、或いは全体をユニット化したものも提案されている。
【0004】
しかしながら、上記従来の蓄熱式電気床暖房にあっては、効率的な蓄熱、蓄熱の保温及び効果的な放熱に十分配慮された構造となっていないため、十分な蓄熱ができず、仮に、十分な蓄熱ができたとしても、適温での緩やかな放熱ができなかったり、無駄な放熱があるため、蓄熱のみによる暖房を長時間持続させることが難しく、蓄熱式電気床暖房の最大の利点(安価な深夜電力の有効利用)を生かし切れない結果となっている。しかも、放熱(暖房)温度がその時点での蓄熱材の温度に直接左右され易く、過度な放熱により適温以上に暖房温度が上昇してしまうこともあり、平均的で快適な暖房効果が容易に得られない等の欠点を抱えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の蓄電式電気床暖房装置のかかえる問題点に鑑みなされたもので、電気暖房及び床暖房の有効特性をそのままに、尚かつ、安価な深夜電力による効率的な蓄熱が可能で、蓄熱による快適な暖房効果が長時間持続できる床暖房装置を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による蓄熱式電気床暖房装置は、コンクリートスラブ等からなる建物の基礎構造床上にビニルフィルム等からなる防湿材を敷設し、その上より、断熱層、電気発熱体を埋設した蓄熱層及び平面仕上層を順次積層し、更に、平面仕上層の上に表面床材を敷設してなる床暖房装置であって、前記断熱層を発泡スチロール等からなる断熱材と銀箔シートからなる熱反射材によって形成し、前記蓄熱層を砂利を所定の高さ敷設することによって形成し、前記平面仕上層をモルタル又はセメント材によって所定厚に施工形成するとともに、これら各層間に保温布を介設することにより構成し、これによって、効率的な蓄熱、保温及び放熱を可能とし長時間にわたっての快適な暖房を実現させる。
【0007】
砂利を敷設することによって形成した前記蓄熱層の層高を、埋設された電気発熱体の上部にあっては30mm乃至100mmの範囲に、同下部にあっては30mm以上に設定することによって、より効率的で多量の蓄熱を達成する。
【0008】
また、モルタル又はセメント材によって施工形成された前記平面仕上層の層高を、30mm乃至100mmにすることによって、より緩やかで安定した放熱を実現する。
【0009】
更に、蓄熱層内に埋設される前記電気発熱体を、ステンレス製又は銅製の管体内部に、粉末状の酸化マグネシウムからなる絶縁材を充填し、該絶縁材が充填された管体内中央に電気発熱線を挿通配置させるとともに、その両端を管体両開口部より突出状態で配設される一対の連結端子にそれぞれ連結し、管体両開口部をシリコン樹脂材等によって密封することによって形成する。これによって、電気発熱体を構成する各構成部品の性能低下や損傷を有効に防止しするとともに、蓄熱材への加熱効率を一層向上させる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示実施例により説明する。
【0011】
【実施例】
図1は本実施例による蓄熱式電気床暖房装置の基本構造の要部を示した部分切欠斜視図、図2は同装置の基本構成説明図、図3は同装置における電気発熱体の結線状態を示した平面説明図、図4は同電気発熱体の一端部附近の横断面図、図5は同A−A線断面図である。
【0012】
本実施例装置は、コンクリートスラブ又はコンパネ等からなる建物の基礎構造床1の上に、基礎構造床1からの湿気の侵入を防ぐためにビニルフィルム等からなる防湿材2を敷設し、その上にやや肉厚(20mm前後)の発泡スチロール材等からなる断熱材3を敷設し、その上部を銀箔シートからなる熱反射材4で覆い、この断熱材3及び熱反射材4によって断熱層Aを形成する。
【0013】
上記断熱層Aの上方には、上下に保温布7、8を配し、所定量の砂利を蓄熱材6とした蓄熱層Bが形成され、該蓄熱層Bの内部には、電気発熱体5が埋設されている。この電気発熱体5を埋設するにあたっては、先ず、下部保温布8の上に適量(通常は所定使用量の半分程度)の砂利蓄熱材6を均一且つ平坦に敷設して下部層6bを形成し、その上に発熱体5を約200mm間隔で設置し、これに電気結線(図3)やテーピングを行った後、残り約半量の砂利蓄熱材6を電気発熱体5の上より敷設することより上部層6aを形成することにより行う。尚、この蓄熱層B内の適宜箇所には温度調整器12に接続する温度センサー(図示せず)も埋設されている。
【0014】
前記蓄熱材6としての砂利は、25mm以下の小石を用いるのが好ましく、また、その敷設層高は、地域の外気温、設置個所の日照条件、構造物の断熱条件又は室内容積等によって異なり適宜に調整すべきものであるが、寒冷地又は条件の悪い部屋ほど放出される熱量が多くなるため、長時間の適温暖房を確保するには、より層高を高く設定する必要がある。通例、外気温が0℃〜−5℃程度で、快適な室内温度18℃〜25℃(この時の床表面温度は28℃〜32℃)を15・6時間蓄熱で確保しようとする場合には、本実施例の如く、蓄熱層Bの全層高を100mm程度に設定すれば十分であるが、上記諸条件が異なるに応じて、この蓄熱層Bの層高を埋設された電気発熱体5の上部層6aにあっては30mm乃至100mm、同下部層6bにあっては30mm以上に設定すれば、十分快適な暖房効果が得られる。
【0015】
前記蓄熱層Bの上には、上部保温布7を介して平面仕上層Cが積層され、その上に表面床材11を敷設して床仕上をする。平面仕上層Cは、ワイヤーメッシュ9を介装したモルタル10(セメント材であっても良い。)によって施工形成されるもので、その層高は、表面床材11の種類等に対応させ緩やかな放熱がされるよう30mm〜50mmの範囲で設定される。また、蓄熱層Bと平面仕上層Cとの間に介設される上部保温布7は、特に放熱効率を上げる必要がある場合には、適宜間隔で適宜径の穴を開けておくと良い。
【0016】
上記実施例での装置を、外気温−5℃、室内温度20℃、天井高2.2m、実面積11.56平方m、実容積25.43立方mの条件下にある実験室に設置した際の、蓄熱層温度と室内温度の測定結果を、次の表1で示す。
尚、表1中「区分」欄の「蓄熱時間」は、蓄熱材を通電加熱している間の時間(計10時間)経過を表し、「放熱時間」は、遮電放熱している間の時間(計14時間)経過を表す。
【表1】
【0017】
電気発熱体5は、蓄熱材6を敷設する広さに従って所定の長さに裁断されたステンレス製又は銅製の管体51の中空内部に、粉末状の酸化マグネシウム(マグネシア)からなる絶縁材52を充填し、該絶縁材52が充填された管体51の内部中央にコイル状の抵抗体からなる発熱線53を挿通配置させ、該発熱線53の両端を管体51の両開口部より突出状態に配設され他端が電源線57に連結される電気伝導体からなる一対の連結端子54、54にそれぞれ連結し、該連結端子54、54を耐熱性のシリコン樹脂等からなる栓55、55の中央孔にそれぞれ貫装させ、この状態で栓55、55を管体51の両開口部に嵌着させるとともに、両開口部附近を保護キャップ56、56で被嵌することによって形成したものである(図4、図5)。これによって、管体51は完全に密封され、発熱線53、連結端子54、54及び絶縁材52が管体51内に安定的に設置される。
【0018】
【発明の効果】
本発明による蓄熱式床暖房装置によると、基本構造において断熱層、蓄熱層、平面仕上層の三層をなし、断熱層は発泡スチロール等からなる断熱材と銀箔シートからなる熱反射材をもって形成しているため確実な断熱効果が得られ、蓄熱層は蓄熱力に優れた多量の砂利によって形成されているため蓄熱効率がよく、平面仕上層はモルタル又はセメント材によって施工形成されているため緩やかな放熱効果が得られ、これら各層及び層間に介設させた保温布の相乗的作用によって、安価な深夜電力による効率的で多量な蓄熱、蓄熱温度の保温維持及び穏やかで効果的な放熱が可能となり、結果、長時間にわたっての蓄熱による快適な暖房が実現できる。
【0019】
また、必要蓄熱量は、地域の外気温、設置個所の日照条件、構造物の断熱条件又は室内容積等の諸条件によって異なるのであるが、本発明によれば、最大蓄熱量の設定は、単に蓄熱層を形成する砂利量、即ち、蓄熱層の層高を単に変えることのみによって任意に調整することが可能であるため、作業現場において、環境条件に即座に対応させた床暖房装置を容易に得ることができる。そして、本発明によって快適な暖房効果が確実に得られる蓄熱層の許容層高範囲は、埋設された発熱体の上部層にあっては30mm至100mm、同下部層にあっては30mm以上である。
【0020】
また、蓄熱層と表面床材との間には、モルタル又はセメント材で形成された平面仕上層が介在するため、表面床材への伝熱をより緩やかなものとして急激な放熱を防ぎ、適温暖房を長時間持続させることができ、そのためには、表面床材の特性等を考慮しながら、平面仕上層の層高を30mm〜50mmの範囲で設定するのが望ましい。
【0021】
本発明での電気発熱体は、管体の中空内部に粉末状の酸化マグネシウムからなる絶縁材を充填し、該充填された絶縁材中央に発熱線を挿通配置させ、管体両開口部を密閉させた構造からなるため、蓄熱材として採用した砂利中にこの電気発熱体を埋設した場合であっても、管体内に収容配設された部品及び部材の損傷や劣化を有効に防止することができ、更に、管体を熱伝導に優れたステンレス製又は銅製としてあるため、拡大された熱伝導面(管体外周面)と相俟って砂利蓄熱材への加熱効率が良いものとなっている。
【0022】
上記のほか、室内温度分布が平準化できて騒音や燃焼排気が発生しない等の床暖房及び電気暖房が有する共通の効果も併せ持ち、のみならず、蓄熱材として多量の砂利を使用しているため、その遠赤外線効果等により、より一層健康的で環境に優しい床暖房装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓄熱式電気床暖房装置の一実施例装置における基本構造要部を示した部分切欠斜視図。
【図2】同上装置の基本構成説明図。
【図3】同上装置の電気発熱体の結線状態を示した平面説明図。
【図4】同上電気発熱体の一端部附近の横断面図。
【図5】同上のA−A線断面図。
【符号の説明】
A:断熱層
B:蓄熱層
C:平面仕上層
1:基礎構造床
2:防湿材
3:断熱材
4:熱反射材(銀箔シート)
5:電気発熱体
51:管体
52:絶縁材(酸化マグネシウム)
53:発熱線
54:連結端子
55:栓
56:保護キャップ
57:電源線
6:蓄熱材(砂利)
7、8:保温布
9:ワイヤーメッシュ
10:モルタル材
11:表面床材
12:温度調整器
【発明の属する技術分野】
本発明は、深夜電力等の割安な電力を利用して蓄熱材に加熱蓄積させた熱を除々に放出させることによって、長時間にわたっての暖房効果が得られる蓄熱式電気床暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
床暖房装置には、従来より、温水熱、温風熱、太陽熱又は電熱を利用した装置があり、このうち、電熱を利用した電気床暖房装置は、他の熱源を利用した装置に比べ、温度の調整制御が容易で床面に伝わる温度にむらが少なく、また、流体(温水や温風)を循環させるための管体の施設やボイラー等の加熱装置の設置等の大がかりな工事が不要なため、安全で快適な暖房装置として、一般家庭のみならずオフィス等においても広く用いられている。そして、電気床暖房装置のシステムとしては、料金の低廉な深夜電力による電熱を蓄熱材に蓄積しておき、この蓄熱材からの放熱を利用して表面床材を加熱して暖房する蓄熱式のものが、その経済的利点から急速に広まりつつある。
【0003】
従来の典型的な蓄熱式電気床暖房装置の構成は、基礎構造床上に敷設した断熱材の上に蓄熱材よりなる蓄熱層を形成し、この蓄熱層の中間部又は上部に電気発熱体(ヒーター線)を配設し、放熱層及び表面床材を介して前記蓄熱層に蓄積された熱を自然放熱させる構成とされており、蓄熱材として、石こうモルタルやセメント等の個体のものから、その融解熱を利用する結晶性化合物の塩と水の混合物等多種類あり、形態も蓄熱材をボード化したものから容器や袋に収納封入したものまで多様で、また、その構成においても、発熱体と蓄熱材とを一体化したパネル形式のもの、或いは全体をユニット化したものも提案されている。
【0004】
しかしながら、上記従来の蓄熱式電気床暖房にあっては、効率的な蓄熱、蓄熱の保温及び効果的な放熱に十分配慮された構造となっていないため、十分な蓄熱ができず、仮に、十分な蓄熱ができたとしても、適温での緩やかな放熱ができなかったり、無駄な放熱があるため、蓄熱のみによる暖房を長時間持続させることが難しく、蓄熱式電気床暖房の最大の利点(安価な深夜電力の有効利用)を生かし切れない結果となっている。しかも、放熱(暖房)温度がその時点での蓄熱材の温度に直接左右され易く、過度な放熱により適温以上に暖房温度が上昇してしまうこともあり、平均的で快適な暖房効果が容易に得られない等の欠点を抱えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の蓄電式電気床暖房装置のかかえる問題点に鑑みなされたもので、電気暖房及び床暖房の有効特性をそのままに、尚かつ、安価な深夜電力による効率的な蓄熱が可能で、蓄熱による快適な暖房効果が長時間持続できる床暖房装置を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による蓄熱式電気床暖房装置は、コンクリートスラブ等からなる建物の基礎構造床上にビニルフィルム等からなる防湿材を敷設し、その上より、断熱層、電気発熱体を埋設した蓄熱層及び平面仕上層を順次積層し、更に、平面仕上層の上に表面床材を敷設してなる床暖房装置であって、前記断熱層を発泡スチロール等からなる断熱材と銀箔シートからなる熱反射材によって形成し、前記蓄熱層を砂利を所定の高さ敷設することによって形成し、前記平面仕上層をモルタル又はセメント材によって所定厚に施工形成するとともに、これら各層間に保温布を介設することにより構成し、これによって、効率的な蓄熱、保温及び放熱を可能とし長時間にわたっての快適な暖房を実現させる。
【0007】
砂利を敷設することによって形成した前記蓄熱層の層高を、埋設された電気発熱体の上部にあっては30mm乃至100mmの範囲に、同下部にあっては30mm以上に設定することによって、より効率的で多量の蓄熱を達成する。
【0008】
また、モルタル又はセメント材によって施工形成された前記平面仕上層の層高を、30mm乃至100mmにすることによって、より緩やかで安定した放熱を実現する。
【0009】
更に、蓄熱層内に埋設される前記電気発熱体を、ステンレス製又は銅製の管体内部に、粉末状の酸化マグネシウムからなる絶縁材を充填し、該絶縁材が充填された管体内中央に電気発熱線を挿通配置させるとともに、その両端を管体両開口部より突出状態で配設される一対の連結端子にそれぞれ連結し、管体両開口部をシリコン樹脂材等によって密封することによって形成する。これによって、電気発熱体を構成する各構成部品の性能低下や損傷を有効に防止しするとともに、蓄熱材への加熱効率を一層向上させる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示実施例により説明する。
【0011】
【実施例】
図1は本実施例による蓄熱式電気床暖房装置の基本構造の要部を示した部分切欠斜視図、図2は同装置の基本構成説明図、図3は同装置における電気発熱体の結線状態を示した平面説明図、図4は同電気発熱体の一端部附近の横断面図、図5は同A−A線断面図である。
【0012】
本実施例装置は、コンクリートスラブ又はコンパネ等からなる建物の基礎構造床1の上に、基礎構造床1からの湿気の侵入を防ぐためにビニルフィルム等からなる防湿材2を敷設し、その上にやや肉厚(20mm前後)の発泡スチロール材等からなる断熱材3を敷設し、その上部を銀箔シートからなる熱反射材4で覆い、この断熱材3及び熱反射材4によって断熱層Aを形成する。
【0013】
上記断熱層Aの上方には、上下に保温布7、8を配し、所定量の砂利を蓄熱材6とした蓄熱層Bが形成され、該蓄熱層Bの内部には、電気発熱体5が埋設されている。この電気発熱体5を埋設するにあたっては、先ず、下部保温布8の上に適量(通常は所定使用量の半分程度)の砂利蓄熱材6を均一且つ平坦に敷設して下部層6bを形成し、その上に発熱体5を約200mm間隔で設置し、これに電気結線(図3)やテーピングを行った後、残り約半量の砂利蓄熱材6を電気発熱体5の上より敷設することより上部層6aを形成することにより行う。尚、この蓄熱層B内の適宜箇所には温度調整器12に接続する温度センサー(図示せず)も埋設されている。
【0014】
前記蓄熱材6としての砂利は、25mm以下の小石を用いるのが好ましく、また、その敷設層高は、地域の外気温、設置個所の日照条件、構造物の断熱条件又は室内容積等によって異なり適宜に調整すべきものであるが、寒冷地又は条件の悪い部屋ほど放出される熱量が多くなるため、長時間の適温暖房を確保するには、より層高を高く設定する必要がある。通例、外気温が0℃〜−5℃程度で、快適な室内温度18℃〜25℃(この時の床表面温度は28℃〜32℃)を15・6時間蓄熱で確保しようとする場合には、本実施例の如く、蓄熱層Bの全層高を100mm程度に設定すれば十分であるが、上記諸条件が異なるに応じて、この蓄熱層Bの層高を埋設された電気発熱体5の上部層6aにあっては30mm乃至100mm、同下部層6bにあっては30mm以上に設定すれば、十分快適な暖房効果が得られる。
【0015】
前記蓄熱層Bの上には、上部保温布7を介して平面仕上層Cが積層され、その上に表面床材11を敷設して床仕上をする。平面仕上層Cは、ワイヤーメッシュ9を介装したモルタル10(セメント材であっても良い。)によって施工形成されるもので、その層高は、表面床材11の種類等に対応させ緩やかな放熱がされるよう30mm〜50mmの範囲で設定される。また、蓄熱層Bと平面仕上層Cとの間に介設される上部保温布7は、特に放熱効率を上げる必要がある場合には、適宜間隔で適宜径の穴を開けておくと良い。
【0016】
上記実施例での装置を、外気温−5℃、室内温度20℃、天井高2.2m、実面積11.56平方m、実容積25.43立方mの条件下にある実験室に設置した際の、蓄熱層温度と室内温度の測定結果を、次の表1で示す。
尚、表1中「区分」欄の「蓄熱時間」は、蓄熱材を通電加熱している間の時間(計10時間)経過を表し、「放熱時間」は、遮電放熱している間の時間(計14時間)経過を表す。
【表1】
【0017】
電気発熱体5は、蓄熱材6を敷設する広さに従って所定の長さに裁断されたステンレス製又は銅製の管体51の中空内部に、粉末状の酸化マグネシウム(マグネシア)からなる絶縁材52を充填し、該絶縁材52が充填された管体51の内部中央にコイル状の抵抗体からなる発熱線53を挿通配置させ、該発熱線53の両端を管体51の両開口部より突出状態に配設され他端が電源線57に連結される電気伝導体からなる一対の連結端子54、54にそれぞれ連結し、該連結端子54、54を耐熱性のシリコン樹脂等からなる栓55、55の中央孔にそれぞれ貫装させ、この状態で栓55、55を管体51の両開口部に嵌着させるとともに、両開口部附近を保護キャップ56、56で被嵌することによって形成したものである(図4、図5)。これによって、管体51は完全に密封され、発熱線53、連結端子54、54及び絶縁材52が管体51内に安定的に設置される。
【0018】
【発明の効果】
本発明による蓄熱式床暖房装置によると、基本構造において断熱層、蓄熱層、平面仕上層の三層をなし、断熱層は発泡スチロール等からなる断熱材と銀箔シートからなる熱反射材をもって形成しているため確実な断熱効果が得られ、蓄熱層は蓄熱力に優れた多量の砂利によって形成されているため蓄熱効率がよく、平面仕上層はモルタル又はセメント材によって施工形成されているため緩やかな放熱効果が得られ、これら各層及び層間に介設させた保温布の相乗的作用によって、安価な深夜電力による効率的で多量な蓄熱、蓄熱温度の保温維持及び穏やかで効果的な放熱が可能となり、結果、長時間にわたっての蓄熱による快適な暖房が実現できる。
【0019】
また、必要蓄熱量は、地域の外気温、設置個所の日照条件、構造物の断熱条件又は室内容積等の諸条件によって異なるのであるが、本発明によれば、最大蓄熱量の設定は、単に蓄熱層を形成する砂利量、即ち、蓄熱層の層高を単に変えることのみによって任意に調整することが可能であるため、作業現場において、環境条件に即座に対応させた床暖房装置を容易に得ることができる。そして、本発明によって快適な暖房効果が確実に得られる蓄熱層の許容層高範囲は、埋設された発熱体の上部層にあっては30mm至100mm、同下部層にあっては30mm以上である。
【0020】
また、蓄熱層と表面床材との間には、モルタル又はセメント材で形成された平面仕上層が介在するため、表面床材への伝熱をより緩やかなものとして急激な放熱を防ぎ、適温暖房を長時間持続させることができ、そのためには、表面床材の特性等を考慮しながら、平面仕上層の層高を30mm〜50mmの範囲で設定するのが望ましい。
【0021】
本発明での電気発熱体は、管体の中空内部に粉末状の酸化マグネシウムからなる絶縁材を充填し、該充填された絶縁材中央に発熱線を挿通配置させ、管体両開口部を密閉させた構造からなるため、蓄熱材として採用した砂利中にこの電気発熱体を埋設した場合であっても、管体内に収容配設された部品及び部材の損傷や劣化を有効に防止することができ、更に、管体を熱伝導に優れたステンレス製又は銅製としてあるため、拡大された熱伝導面(管体外周面)と相俟って砂利蓄熱材への加熱効率が良いものとなっている。
【0022】
上記のほか、室内温度分布が平準化できて騒音や燃焼排気が発生しない等の床暖房及び電気暖房が有する共通の効果も併せ持ち、のみならず、蓄熱材として多量の砂利を使用しているため、その遠赤外線効果等により、より一層健康的で環境に優しい床暖房装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓄熱式電気床暖房装置の一実施例装置における基本構造要部を示した部分切欠斜視図。
【図2】同上装置の基本構成説明図。
【図3】同上装置の電気発熱体の結線状態を示した平面説明図。
【図4】同上電気発熱体の一端部附近の横断面図。
【図5】同上のA−A線断面図。
【符号の説明】
A:断熱層
B:蓄熱層
C:平面仕上層
1:基礎構造床
2:防湿材
3:断熱材
4:熱反射材(銀箔シート)
5:電気発熱体
51:管体
52:絶縁材(酸化マグネシウム)
53:発熱線
54:連結端子
55:栓
56:保護キャップ
57:電源線
6:蓄熱材(砂利)
7、8:保温布
9:ワイヤーメッシュ
10:モルタル材
11:表面床材
12:温度調整器
Claims (4)
- 建物の基礎構造床上に防湿材を敷設し、その上より、断熱層、電気発熱体を埋設した蓄熱層及び平面仕上層を順次積層するとともに、これら各層間に保温布を介設し、更に、平面仕上層の上に表面床材を敷設してなる床暖房装置であって、前記断熱層を発泡スチロール等からなる断熱材と銀箔シートからなる熱反射材によって形成し、前記蓄熱層を砂利を所定の高さ敷設することによって形成し、前記平面仕上層をモルタル又はセメント材によって所定厚に施工形成したことを特徴とする蓄熱式電気床暖房装置。
- 前記した蓄熱層の層高を、埋設された発熱体の上部層にあっては30mm乃至100mm、同下部層にあっては30mm以上としたことを特徴とする請求項1に記載の蓄熱式電気床暖房装置。
- 前記モルタル又はセメント材によって施工形成された平面仕上層の厚さを、30mm乃至100mmとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の蓄熱式電気床暖房装置。
- 前記蓄熱層内に埋設される電気発熱体を、ステンレス製又は銅製の管体内部に、粉末状の酸化マグネシウムからなる絶縁材を充填し、該絶縁材が充填された管体内中央に電気発熱線を挿通配置させるとともに、その両端を管体両開口部より突出状態で配設される一対の連結端子にそれぞれ連結し、管体両開口部をシリコン樹脂材等によって密封することによって形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の蓄熱式電気床暖房装置。
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2002
- 2002-07-22 JP JP2002212567A patent/JP2004053164A/ja active Pending
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