JP2004051940A - マイナスイオン発生セラミック物質の製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】天然放射線を利用してマイナスイオンを発生させるセラミック製品において、当該製品中に含有される放射性同位元素量を軽減させ、しかも発生するマイナスイオン量を増加かつ安定化させるマイナスイオン発生セラミック物質の製法を提供する。
【解決手段】ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を水中に浸漬した後、直流電圧を通電する電磁気処理を行い、前記電磁気処理された鉱物系原料に対して粉砕、焼成、造粒・成型の加工を組み合わせて行う。または、予め鉱物系原料に対して粉砕、焼成、造粒・成型の加工を組み合わせて行う際に前記電磁気処理を行う。さらには、予め鉱物系原料に対して粉砕、焼成、造粒・成型の加工を組み合わせて製品とした後に前記電磁気処理を行う。
【選択図】 図5
【解決手段】ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を水中に浸漬した後、直流電圧を通電する電磁気処理を行い、前記電磁気処理された鉱物系原料に対して粉砕、焼成、造粒・成型の加工を組み合わせて行う。または、予め鉱物系原料に対して粉砕、焼成、造粒・成型の加工を組み合わせて行う際に前記電磁気処理を行う。さらには、予め鉱物系原料に対して粉砕、焼成、造粒・成型の加工を組み合わせて製品とした後に前記電磁気処理を行う。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、原料鉱石及びその加工物に直流電圧を通電するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイナスイオンの働きについては、消臭、抗菌、防濁等の環境改善効果の他、疲労回復、免疫機能の向上等をはじめとする生理的機能の改善効果について、とりわけ近年、関心が高まりつつある。
【0003】
前記マイナスイオンを生成させる方法には、レナード効果を利用して水に衝撃を与える方法、空気放電等が知られている。これらの方法によると、水の処理に要する設備の増設やオゾンの発生等の不具合もみられる。このため近年では、安価かつ容易にマイナスイオンを生成させる方法として微量放射線の有するエネルギーの応用が主流となり、種々の天然鉱石が利用される傾向にある。前出の各種鉱石中には、極微量の放射性同位元素が含まれ、これら元素が放射性壊変を行うことにより、α線,β線,γ線の天然放射線が常時放射される。前記の各放射線は、水又は空気中の水分子からH3O+,OH−,・OH等のラジカル様物質を生成することが知られ、直接マイナスイオンとして作用するものの他、他の分子に作用しマイナスイオンを発生させるものであると考えられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
上記のとおり、放射性同位元素を含有する鉱石からは容易にマイナスイオンが得られるため、利用頻度が高まり多彩な製品が開発されている。とりわけ鉱石種にトルマリンを用いるものが多用されている。しかしながら、トルマリンそのものから放射される放射線量は極端に低く、単独でマイナスイオン生成に寄与する励起エネルギーは、ほとんどないことが報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
従って、所望のマイナスイオン発生体を得ようとする場合、トルマリン以外の鉱石を使用するため、より多くのマイナスイオンを得ようとすると、いきおい放射線量を高めることにつながり、安全管理上の相反が懸念される。そのため、モナザイト等の鉱石を用いつつ長石等のバインダーを適宜添加し、単位重量中の放射線量を抑制しながらマイナスイオンの発生量を高めた材料が報告されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
しかるに、放射性同位元素を含有する各種鉱石中の天然放射線を利用し、マイナスイオンを発生させようとするものは、使用する鉱石種及びその産地により、放射線量のばらつきが大きく、各種鉱石を適宜加工し製品化する場合、製造工程中に放射性同位元素を含む成分が気散、分離するなどの欠損が生じるため、一定の放射線量を得ることが難しく、マイナスイオンの発生量の安定化が容易でなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−102866号公報(第4,5頁)
【特許文献2】
特許3306790号公報(第2,3頁)
【特許文献3】
特許3085182号公報(第4−6頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は前記の点に鑑みなされたものであり、天然放射線を利用してマイナスイオンを発生させるセラミック製品において、当該製品中に含有される放射性同位元素量を軽減させ、しかも発生するマイナスイオン量を増加かつ安定化させるマイナスイオン発生セラミック物質の製法を見出し、ここに提案するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を水中に浸漬した後、直流電圧を通電する電磁気処理を行うことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0010】
請求項2の発明は、前記電磁気処理された鉱物系原料を粉砕する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0011】
請求項3の発明は、前記電磁気処理された鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕後に焼成する工程と、前記焼成後に粉砕する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0012】
請求項4の発明は、前記電磁気処理された鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕物を所定形状に造粒又は成型する工程と、前記造粒物又は成型物を焼成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0013】
請求項5の発明は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程後、前記粉砕物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0014】
請求項6の発明は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕後に焼成する工程と、前記焼成後に粉砕する工程を含み、いずれかの粉砕工程の後、当該粉砕物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0015】
請求項7の発明は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程後、前記粉砕物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程と、前記電磁気処理物を所定形状に造粒又は成型する工程と、前記造粒物又は成型物を焼成する工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0016】
請求項8の発明は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕物を所定形状に造粒又は成型する工程と、前記造粒物又は成型物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程と、前記電磁気処理した造粒物又は成型物を焼成する工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0017】
請求項9の発明は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕物を所定形状に造粒又は成型する工程と、前記造粒物又は成型物を焼成する工程と、前記焼成された造粒物又は成型物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0018】
請求項10の発明は、前記粉砕する工程において、酸化チタンが添加されることを特徴とする請求項2ないし9のいずれか1項に記載のマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1は本発明の原料鉱石の選鉱プロセスを示す第一概略図、図2は本発明の原料鉱石の選鉱プロセスを示す第二概略図、図3は本発明の電磁気処理に用いる電磁気処理装置の斜視図、図4は図3の2−2線の位置で切断した状態の断面図である。
【0020】
本発明において、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種を含む原料鉱石とは、ウラン元素又はトリウム元素の各種化合物を含有する鉱石の他、ウラン元素又はトリウム元素から放射性壊変を伴い生じた元素(化合物を含む)を含有する鉱石であり、含有される種類はいずれか1種又は複数種を問わない。ウラン系列核種は、238Uを親核種とし、226Ra、214Pb、214Bi等を経た後、206Pbに至る放射性崩壊を行う一連の核種であり、トリウム系列核種は、232Thを親核種とし、228Ac、212Pb、208Tl、212Bi等を経た後、208Pbに至る放射性崩壊を行う一連の核種である。このようにウラン元素又ウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種に含まれる各元素が1種類もしくは2種類以上が含有される原料鉱石であり、当該原料鉱石を1種類又は2種類以上を組み合わせたものが鉱物系原料である。なお、ウラン元素には、238Uに加え、他の同位体を含むものである。
【0021】
前記ウラン元素又ウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種を含む原料鉱石は、「原子力委員会月報 昭和31年 第1巻第6号」等によると、少なくとも100種類以上が知られている。下記の表1には、ウラン元素又はトリウム元素の各種化合物を含有する鉱石のうち主要なものを原料番号1〜39として明記する。表1において、各原料鉱石中のウラン元素又はトリウム元素は、ウラン元素(U2O8)、トリウム元素(ThO2)の酸化物として概ね表記の範囲内で当該鉱石に含有される。
【0022】
【表1】
【0023】
表1に記載の原料鉱石において、ウラン,トリウム成分の含有量、入手容易性及び保管設備等を考慮し、デーヴィッド石(5)、ユーゼン石(6)、フェルグソン石(7)、石川石(8)、ポリクレース(9)、パイロクロア(10)、サマルスキー石(11)、トロゴム石(19)、ラウヴ石(31)、イットロクラサイト(34)、ジッケル鉱(35)、褐れん石(36)、苗木石(37)が好適であり、後述の実施例の鉱物系原料に挙げられる。
【0024】
前出の鉱物系原料に加え、図1に示す選鉱プロセスにより分離されるもの及び図2の選鉱プロセスに用いられる原料番号51〜63のヘビーミネラルコンセントレイト(重砂)、ダーティジルコン、スタンダードジルコン、ピュアジルコン、プライムジルコン、モナザイト原砂、イットリュウム原砂(ゼノタイム)、イルメナイト中間品、バテライト、ジルコニア、バストネサイト、セリウム鉱石、ランタン鉱石が後述の実施例に挙げられる。
【0025】
図1において、出発原料であるヘビーミネラルコンセントレイト(重砂)(51)は、オーストラリア、南アフリカ、ブラジル、インド、ロシア、ウクライナ、ベトナム、アメリカ合衆国、マレーシア、インドネシア、中国等の産地より、主に酸性火成岩が風化して堆積した漂砂鉱床からジルコンサンドとして産出する。特に東南アジアでは、錫やセリサイト、金を採取した後の重砂(アマン)に含まれるものである。前記ヘビーミネラルコンセントレイト(51)からは、磁力選鉱及び静電選鉱を経ることによりルチルが分離されダーティジルコン(52)が得られる。このとき磁性を持つ鉱石はイルメナイト中間品(58)として分離され、スタンダードジルコン(53)が得られる。さらに静電選鉱を経ることによりピュアジルコン(54)とモナザイト原砂(56)が得られる。モナザイト原砂(56)から適宜選鉱を経た後、イットリュウム原砂(ゼノタイム)(57)が得られる。前記ピュアジルコン(54)からは、酸洗い及び磁力選鉱を経ることによりプライムジルコン(55)が得られ、さらにジルコニウムの組成比率を高めたものがバテライト(59)及びジルコニア(60)である。
【0026】
図2に示す、バストネサイト(61)は、主にアメリカ合衆国、中国等のカーボナイト鉱床から、鉄、チタン、錫、ウラン、トリウム等を採掘した際の副産物として得られるものである。バストネサイト(61)をさらに選鉱することにより、セリウムに富むセリウム鉱石(62)とランタンに富むランタン鉱石(63)が得られる。
【0027】
原料鉱石51〜63は、以下の表2及び表3に記載の成分より組成される。表中において、数値は単位重量あたりの重量パーセントを表す。なお、上記原料鉱石51〜63の組成成分は、理学電気工業株式会社製の蛍光X線分析装置(RIX3000)により分析されたものである。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
図1に示す選鉱プロセスにおいて、鉱山から産出される原料鉱石の純度・含有量の他、選鉱精度(例えば、選鉱時の磁力の強さ、選鉱の回数等)が大きく異なるため、原料鉱石51〜63の組成成分は、必ずしも表2及び表3に示す組成分布に拘泥されるものではない。なお、表1中のジルコン(13)はダーティジルコン(53)、ゼノタイム(12)はイットリュウム原砂(ゼノタイム)(57)、モナザイト(39)はモナザイト原砂(56)に相当するものである。
【0031】
請求項10に規定する酸化チタン(TiO2)は、太陽光に含まれる紫外線等の照射により光触媒として機能し、消臭、抗菌、防濁等の種々の分野において強力な触媒効果を発揮することが知られている。このため、衛生効果を高める目的から、後述の粉砕工程において適宜量鉱物系原料に添加され、鉱物系原料と均質化される。なお、酸化チタン(TiO2)には、ルチル、アナターゼ、ブルッカイトの3種類が存在すると言われ、本発明においては、アナターゼを利用するものである。
【0032】
また、後述の図7ないし図16に示す主に粉砕、焼成、造粒・成型の工程において、粉砕時の鉱物成分の分離を防ぐ他、焼成時の鉱物系原料の焼結及び固着性(バインダーとしての作用)を高め、鉱物系原料の放射線強度の調整、融着性、耐火温度を考慮して、珪酸質原料(珪石、珪砂、珪藻土)、長石質原料(カリ長石(KAlSi3O8)、ソーダ長石(NaAlSi3O8)、灰長石(CaAl2Si2O8))、粘土質原料(カオリン、耐火粘土、木節粘土、蛙目粘土、陶石、セリサイト、モンモリロナイト、ベントナイト、ろう石)、石灰質及びマグネシア原料(石灰、ドロマイト、タルク、かんらん石、蛇紋岩)、ガラス原料(ガラス、フリット)、その他(パーライト、しらす、沸石、珪灰石、アルミナ質原料)、有機バインダー(カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等)等が副原料として適宜の種類、配合比のもと、前記鉱物系原料に添加される。上記した副原料中で、後述の実施例に用いる副原料は、珪石(101)、長石(102)、フリット(103)、ドロマイト(104)、珪灰石(105)、陶石(106)、ガラス(107)、粘土(108)、石灰石(109)、酸化チタン(111)であり、かっこ内はその原料番号である。
【0033】
請求項1ないし9に記載の電磁気処理とは、鉱物系原料、鉱物系原料の粉砕物又は造粒,成型物、さらには完成品(加工済み)のマイナスイオン発生セラミック物質を絶縁製の容器あるいはタンクに投入後、前記の被処理物が完全に埋没するように注水して浸漬する。続いて水中に浸漬する原料等(セラミック物質製品を含む)に対し、直流電圧を通電する処理である。このように通電(電磁気処理)を行うことにより、被処理物(鉱物系原料,セラミック物質製品等)から発せられるマイナスイオン量を増加させようとする処理である。なお、電磁気処理は、必ずしも使用する鉱物系原料の全量に対して行わなくてもよい。
【0034】
図3を用い、前記電磁気処理について詳述する。図3において、電磁気処理装置10は、ポリプロピレン等の公知の絶縁性樹脂容器15に、絶縁性の支持材17により固定された陽極側電極板13と陰極側電極板14を挿入し、トランス16と両極の電極板13,14を配線18により接続したものである。トランス16は、交流100V等の交流電圧を適宜の直流電圧(後述の実施例においては16V)の直流電圧に変圧するものである。陽極側電極板13にはトランス16の正極が接続され、陰極側電極板14には負極が接続される。
【0035】
絶縁性樹脂容器15に未加工の鉱物系原料、鉱物系原料の粉砕物、さらには加工済みのセラミック物質製品を投入後、被処理物を完全に埋没させるように注水し浸漬する。続いて絶縁性樹脂容器15内の被処理物及び水に対し、トランス16により変圧された直流電圧を通電して電磁気処理を行う。所定時間通電後に排水し、被処理物を適宜乾燥して加工、出荷等に供する。
【0036】
前記電磁気処理に際し、直流電圧の通電を8ないし72時間行い、対象物(未加工の鉱物系原料、鉱物系原料の粉砕物又は造粒,成型物、加工済みのセラミック物質製品)のマイナスイオン発生量を増加させるものである。後述の実施例から明らかなとおり、発明者の実験によるとマイナスイオン発生量の顕著な増加には、少なくとも8時間は必要とされる。また、表記はしないが3日間を超える通電では大きく変化がみられないためである。
【0037】
図5の概略工程図を用い、本発明の鉱物系原料に対する電磁気処理を用いるマイナスイオン発生セラミック物質の製法を説明する。
【0038】
図5(a)は、請求項1に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法を概略的に示すものである。すなわち、前記鉱物系原料を電磁気処理用の容器(絶縁処理を施したタンク、水槽等)内で水中に浸漬し直流電圧の通電による電磁気処理を行い、製品Nを得るものである。
【0039】
図5(b)は、請求項2ないし4に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法を概略的に示すものである。すなわち、予め鉱物系原料を電磁気処理用の容器内で水中に浸漬し直流電圧の通電による電磁気処理を行い、これに粉砕、焼成等の適宜の加工を行い、製品Pを得るものである。
【0040】
図5(c)は、請求項5ないし8に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法を概略的に示すものである。すなわち、鉱物系原料に対し、粉砕、焼成、造粒又は成型等の適宜の加工を行い、加工中の粉砕あるいは造粒又は成型の後に当該粉砕物、造粒物、成型物を電磁気処理用の容器内で水中に浸漬し直流電圧の通電による電磁気処理を行い、製品Qを得るものである。
【0041】
図5(d)は、請求項9に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法を概略的に示すものである。すなわち、鉱物系原料に対し、粉砕、焼成、造粒又は成型等の適宜の加工を行い、得られた造粒物又は成型物(セラミック製品)を電磁気処理用の容器内で水中に浸漬し直流電圧の通電による電磁気処理を行うことによって、製品Rを得るものである。
【0042】
前記図5(a)〜(d)の製品N,製品P,製品Q,製品Rを製造するための「加工」について、図6ないし図15に示す加工工程図を用いて詳述する。
【0043】
図6に示す加工工程図は、図5(a)における製品Nの製法に相当し、その加工を説明するものである。鉱物系原料Mmは、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器(絶縁処理を施したタンク、水槽)等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S10)が行われる。鉱物系原料は脱水後、必要に応じて付着水を除去するため、前記電磁気処理済みの鉱物系原料はロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S11)され、篩い分け等によって粒径を揃える分級(S12)が行われる。むろん、乾燥(S11)、分級(S12)は省略しても何ら支障はない。なお、実施例において、鉱物系原料の形状は、適宜であるが砂状体であることが浸漬時の表面積を拡大するため望ましい。
【0044】
図7ないし図10に示す加工工程図は、図5(b)における製品Pの製法に相当し、その加工を説明するものである。図7の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S20)が行われる。鉱物系原料は脱水後ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S21)され、前出の副原料Msが必要に応じて添加される。両原料Mm,Msはボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S22)される。続いて公知の乾燥手段であるスプレードライヤー、フィルタープレス(脱水乾燥機)、デカンター(遠心分離脱水乾燥機)等により乾燥(S23)される。S23の乾燥物は分級(S24)において、エアセパレーター、サイクロン等の公知の分級機(クラシファイヤー)により均一の粒径に揃えられ、製品APが得られる。前記製品APの製法は、請求項2に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0045】
前記乾燥(S21)は、鉱物系原料に含まれる水分を蒸発させ、鉱物系原料同士又は鉱物系原料と副原料との配合比率(重量%)を明確にするためである。以降の図8ないし図10において示す乾燥(S31,S51,S61,S100,S110,S130,S140,S200,S210)も同目的によるものである。ただし、S20の電磁気処理後、ボールミル等により湿式で粉砕を行う場合は、鉱物系原料の含水率を検査し、量を補正した電磁気処理済み鉱物系原料をそのままボールミルに投入して粉砕できるため、S21の乾燥は省略可能である。なお、振動ミルを用い乾式粉砕を行う場合には、鉱物系原料の乾燥が必要となる。また、加工により得られた製品の純度等により粉砕後の乾燥や分級まで求められないこともある。そのため、図7を含め、以降の図8ないし図16において、かっこ囲みの表記は必要に応じて行われ、適宜省略可能である。なお、鉱物系原料の計量に際し、付着水を取り除くため予め乾燥しておくことが望ましい。
【0046】
図8の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S30)が行われる。鉱物系原料は脱水後ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S31)され、前出の副原料Msが添加される。両原料Mm,Msはボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S32)される。続いて前出の乾燥手段であるスプレードライヤー等により乾燥(S33)される。
【0047】
前記S32の粉砕ににより得られた粉砕物(S33の乾燥を含む場合あり)は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S34)され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S35)される。続いてスプレードライヤー等による乾燥(S36)、前出の分級機(クラシファイヤー)による分級(S37)が行われ、製品BPが得られる。前記製品BPの製法は、請求項3に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法である。
【0048】
また、前記S32の粉砕により得られた粉砕物(S33の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S40)において、造粒は公知の造粒機あるいはプレス成型機が用いられ、適宜粒径の造粒物が造粒される。成型は公知の成型機が用いられ、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物が成型される。前記造粒物,成型物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S41)され、製品CPが得られる。前記製品CPの製法は、請求項4に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0049】
図8において副原料Msに酸化チタン(アナターゼ)が含まれる場合、前記S34及びS41の焼成温度帯では酸化チタンがアナターゼからルチル化する。このようなルチル化を防ぐため、800〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の範囲で焼成される。
【0050】
図9の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S50)が行われる。鉱物系原料は脱水後ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S51)され、ボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S52)される。続いて前出の乾燥手段であるスプレードライヤー等による乾燥(S53)が行われる。
【0051】
前記S52の粉砕により得られた粉砕物(S53の乾燥を含む場合あり)は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S54)される。前記焼成物に前出の副原料Msが添加され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S55)される。続いてスプレードライヤー等による乾燥(S56)、前出の分級機(クラシファイヤー)による分級(S57)が行われ、製品DPが得られる。前記製品DPの製法は、請求項3に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0052】
図10の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S60)が行われる。鉱物系原料は脱水後ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S61)され、前出の副原料Msの一部を添加後、ボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S62)される。続いて前出の乾燥手段であるスプレードライヤー等による乾燥(S63)が行われる。
【0053】
前記S62の粉砕により得られた粉砕物(S63の乾燥を含む場合あり)は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S64)される。前記焼成物に残りの副原料Msが添加され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S65)される。続いてスプレードライヤー等により乾燥(S66)される。
【0054】
前記S65の粉砕により得られた粉砕物(S66の乾燥を含む場合あり)は、再度トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S67)され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S68)される。続いてスプレードライヤー等により乾燥(S69)、前出の分級機(クラシファイヤー)による分級(S70)が行われ、製品EPが得られる。前記製品EPの製法は、請求項3に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0055】
また、前記S65の粉砕により得られた粉砕物(S66の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S80)において、造粒は公知の造粒機あるいはプレス成型機が用いられ、適宜粒径の造粒物が造粒される。成型は公知の成型機が用いられ、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物が成型される。前記造粒物,成型物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S81)され、製品FPが得られる。前記製品FPの製法は、請求項4に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0056】
実施例の副原料Msは、前出の長石類(好ましくは新島長石あるいは、しらす長石)、ガラス、フリット類及び必要に応じて任意量配合された粘土類により構成され、特に図10の焼成(S64)前にこれらの中から長石類、ガラス、フリット類の一部が適宜添加される。副原料Msの一部は、鉱物系原料MmとともにS62において粉砕される。副原料Ms中の長石類、ガラス、フリット類の一部を焼成前に予め添加することにより、焼成時の耐火温度を調節し、微量元素成分の揮発を抑制することが可能となる。なお、前記副原料において、長石類、ガラス、フリット類等のうちから適宜選択されて使用される。
【0057】
前出のS64の焼成を終えた原料に対し、副原料Msの残り(長石類、ガラス、フリット類、粘土類)が添加される。前出の副原料Msは、耐火温度調節に加え、焼成(S67)時の焼結バインダーとして利用される。前記製品EP,FPは、1回の焼成のみから製造される製品と比して、焼結を強固なものとすることができる。
【0058】
図10において、副原料Msに酸化チタン(アナターゼ)が含まれる場合、酸化チタンはS64の焼成後に添加され、2回目の焼成(S67,S81)では、酸化チタンのルチル化を防ぐため、800〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の焼成温度で焼成される。
【0059】
図11ないし図14に示す加工工程図は、図5(c)における製品Qの製法に相当し、その加工を説明するものである。図11の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S100)され、前出の副原料Msが必要に応じて添加される。両原料Mm,Msはボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S101)される。前記両原料Mm,Msの粉砕物は前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水との混合によりスラリー状態となり攪拌されながら直流電圧の通電による電磁気処理(S102)が行われる。続いて公知の乾燥手段であるスプレードライヤー、フィルタープレス(脱水乾燥機)、デカンター(遠心分離脱水乾燥機)等により乾燥(S103)される。S103の乾燥物は分級(S104)において、エアセパレーター、サイクロン等の公知の分級機(クラシファイヤー)により均一の粒径に揃えられ、製品AQが得られる。前記製品AQの製法は、請求項5に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0060】
図12の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S110)され、前出の副原料Msが必要に応じて添加される。両原料Mm,Msはボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S111)される。前記両原料Mm,Msの粉砕物は前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水との混合によりスラリー状態となり攪拌されながら直流電圧の通電による電磁気処理(S112)が行われる。続いて公知の乾燥手段であるスプレードライヤー等により乾燥(S113)される。
【0061】
前記S112の電磁気処理物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S114)され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S115)される。さらに前記S115の粉砕物に対して前記S112と同様の電磁気処理(S116)が行われ、スプレードライヤー等による乾燥(S117)、前出の分級機(クラシファイヤー)による分級(S118)が行われ、製品BQが得られる。製品BQの製法において、電磁気処理は、S112もしくはS116のいずれか一方又は両方としてもよい。前記製品BQの製法は、請求項6に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0062】
また、前記S112により得られた電磁気処理物(S113の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S120)において、造粒は公知の造粒機あるいはプレス成型機が用いられ、適宜粒径の造粒物が造粒される。成型は公知の成型機が用いられ、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物が成型される。前記造粒物,成型物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S122)され、製品CQが得られる。前記製品CQの製法は、請求項7に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0063】
さらに図12の加工工程図では、前記S111の粉砕により得られた粉砕物(S113の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S120)において、適宜粒径の造粒物、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物に造粒・成型された後、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理容器等に当該造粒物,成型物は投入され、水中にて直流電圧の通電による電磁気処理(S121)が行われる。脱水後、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S122)され、製品GQが得られる。なお、電磁気処理をS121に加え、さらにS112で行ってもよい。前記製品GQの製法は、請求項8に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0064】
図12において副原料Msに酸化チタン(アナターゼ)が含まれる場合、前記S114及びS122の焼成温度帯では酸化チタンがアナターゼからルチル化する。このようなルチル化を防ぐため、800〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の範囲で焼成される。
【0065】
図13の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S130)され、ボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S131)される。前記粉砕物は前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水との混合によりスラリー状態となり攪拌されながら直流電圧の通電による電磁気処理(S132)が行われ、前出の乾燥手段であるスプレードライヤー等により乾燥(S133)される。
【0066】
前記S132により得られた電磁気処理物(S133の乾燥を含む場合あり)は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S134)される。前記焼成物に前出の副原料Msが添加され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S135)される。また、前記S135の粉砕物に対してS132と同様の電磁気処理(S136)が行われ、スプレードライヤー等による乾燥(S137)、前出の分級機(クラシファイヤー)による分級(S138)が行われ、製品DQが得られる。製品DQの製法において、電磁気処理は、S132もしくはS136のいずれか又は両方としてもよい。前記製品DQの製法は、請求項6に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0067】
図14の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S140)され、前出の副原料Msの一部を添加後、ボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S141)される。前記粉砕物は前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水との混合によりスラリー状態となり攪拌されながら直流電圧の通電による電磁気処理(S142)が行われ、前出の乾燥手段であるスプレードライヤー等により乾燥(S143)される。
【0068】
前記S142により得られた電磁気処理物(S143の乾燥を含む場合あり)は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S144)される。前記焼成物に残りの副原料Msが添加され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S145)される。また、前記S145の粉砕物に対してS142と同様の電磁気処理(S146)が行われ、スプレードライヤー等により乾燥(S147)される。
【0069】
前記S146により得られた電磁気処理物(S147の乾燥を含む場合あり)は、再度トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S148)され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S149)される。また、前記S149の粉砕物に対してS142と同様の電磁気処理(S150)が行われ、スプレードライヤー等により乾燥(S151)、前出の分級機(クラシファイヤー)による分級(S152)が行われ、製品EQが得られる。電磁気処理は、S142,S146,S150のいずれかの工程から、少なくとも1工程以上選択して行われる。前記製品EQの製法は、請求項6に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0070】
また、前記S146により得られた電磁気処理物(S147の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S160)において、造粒は公知の造粒機あるいはプレス成型機が用いられ、適宜粒径の造粒物が造粒される。成型は公知の成型機が用いられ、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物が成型される。前記造粒物,成型物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S162)され、製品FQが得られる。電磁気処理は、S142,S146のいずれか一方又は両方に行われる。前記製品FQの製法は、請求項7に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法である。
【0071】
さらに図14の加工工程図では、前記S145の粉砕により得られた粉砕物(S147の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S160)において、適宜粒径の造粒物、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物に造粒・成型された後、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理容器等に当該造粒物,成型物は投入され、水中にて直流電圧の通電による電磁気処理(S161)が行われる。脱水後、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S162)され、製品HQが得られる。なお、電磁気処理をS161に加え、さらにS142,S146で行ってもよい。前記製品HQの製法は、請求項8に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当。
【0072】
図14において、副原料Msを2度に分けて添加する理由は前記図10で詳述したとおり、焼成時の耐火温度の調節、微量元素成分の揮発の抑制、焼結バインダーとして機能し、焼結を強固にするためである。
【0073】
図14において、副原料Msに酸化チタン(アナターゼ)が含まれる場合、酸化チタンはS144の焼成後に添加され、2回目の焼成(S148,S162)では、酸化チタンのルチル化を防ぐため、800〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の焼成温度で焼成される。
【0074】
図15及び図16に示す加工工程図は、図5(d)における製品Rの製法に相当し、その加工を説明するものである。図15の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S200)され、前出の副原料Msが添加される。両原料Mm,Msはボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S201)される。続いて公知の乾燥手段であるスプレードライヤー、フィルタープレス(脱水乾燥機)、デカンター(遠心分離脱水乾燥機)等により乾燥(S202)される。
【0075】
前記S201の粉砕により得られた粉砕物(S202の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S203)において、造粒は公知の造粒機あるいはプレス成型機が用いられ、適宜粒径の造粒物が造粒される。成型は公知の成型機が用いられ、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物が成型される。前記造粒物,成型物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S204)される。前記S204により得られた焼成物は、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S205)が行われる。続いて脱水後、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、約400℃の雰囲気下において乾燥(S206)され、製品CRが得られる。前記製品CRの製法は、請求項9に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0076】
図15において副原料Msに酸化チタン(アナターゼ)が含まれる場合、前記S204の焼成温度帯では酸化チタンがアナターゼからルチル化する。このようなルチル化を防ぐため、800〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の範囲で焼成される。
【0077】
図16の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S210)され、前出の副原料Msの一部を添加後、ボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S211)される。続いて前出の乾燥手段であるスプレードライヤー等による乾燥(S212)が行われる。
【0078】
前記S211の粉砕により得られた粉砕物(S212の乾燥を含む場合あり)は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S213)される。前記焼成物に残りの副原料Msが添加され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S214)される。続いてスプレードライヤー等により乾燥(S215)される。
【0079】
前記S214の粉砕により得られた粉砕物(S215の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S216)において、造粒は公知の造粒機あるいはプレス成型機が用いられ、適宜粒径の造粒物が造粒される。成型は公知の成型機が用いられ、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物が成型される。前記造粒物,成型物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S217)され、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S218)が行われる。続いて脱水後、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、約400℃の雰囲気下において乾燥(S219)され、製品FRが得られる。前記製品FRの製法は、請求項9に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0080】
図16において、副原料Msを2度に分けて添加する理由は前記図10で詳述したとおり、焼成時の耐火温度の調節、微量元素成分の揮発の抑制、焼結バインダーとして機能し、焼結を強固にするためである。
【0081】
図16において、副原料Msに酸化チタン(アナターゼ)が含まれる場合、酸化チタンはS213の焼成後に添加され、2回目の焼成(S217)では、酸化チタンのルチル化を防ぐため、800〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の焼成温度で焼成される。
【0082】
以上図示し前述した製法において、粉砕では主に湿式粉砕を用いるものである。粉砕には湿式粉砕と乾式粉砕の2種類が存在するが、乾式粉砕を用い主原料あるいは主原料と副原料の混合物を平均粒径5μm以下の微粒子に粉砕する場合、原料中の各成分の硬度が異なり粉砕むらが生じやすくなる。その結果、一部の粉砕粒子が集塵機に引き寄せられるため、含有成分(元素)のバランスが崩れるおそれがある。このため、マイナスイオンの発生量(照射線量)への影響を考慮し、湿式粉砕とすることが望ましい。湿式による粉砕に際し、沈殿防止のため副原料Msに粘土を含める他、別途粘土類を2〜5重量%程度添加することもある。また、粘土類に代えて塩化カルシウム、塩化マグネシウム等、有機バインダー(カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等)を沈殿防止剤として添加することもできる。なお、粉砕をハンマーミル、ジェットミル等を用い乾式で行った場合は、粉砕に続いて行われる乾燥は省略できる。
【0083】
また、鉱物系原料等の粉砕後に行われる焼成は、原料中の揮発成分、結晶水、有機物等を除去するものである。とりわけ、鉱物系原料にジルコン(ZrSiO4)を多く含まれる場合、ジルコン中の微量成分に含まれる放射性同位元素が焼結し、微量成分中の放射性同位元素が以降の加工において分離を防ぐことができる。従って、当該焼成後に続く粉砕、乾燥、分級等の各種工程において、微量成分の分離が抑制される。同様に、本発明の製法に基づくセラミック物質を利用した最終製品(マイナスイオン発生製品)を製造する場合、すなわち、他の原料に本発明のマイナスイオン発生セラミック物質を所定量混合し加工する工程時等においては、含有微量成分中の放射性同位元素の分離を防ぐことができる。結果的に、最終製品中の微量成分(放射性同位元素)の濃度は、本発明のセラミック物質の添加量に比して増加し、ひいては、後述する実施例のサンプルの試作より明らかなとおり、マイナスイオンの発生量が安定する効果が示される。
【0084】
特に本発明のように、粉砕を行うことによって10μm以下の微粒子化すると、粉砕しないものに比べ表面積が増加し、微量成分に含まれる放射性同位元素から放射される放射線量が単位面積当たりで増加し、マイナスイオンの発生量が多くなる。とりわけ焼成を行うものについては、焼成熱による固着もしくは固溶体となり、粒径が大きくなるため、粉砕する必要がある。従って、本発明の製法により得られたマイナスイオン発生セラミック物質(製品AP,BP,DP,EP,AQ,BQ,DQ,EQ)は、良好なマイナスイオン発生源である微粒子として塗料、樹脂、繊維、紙等に添加する際に分散されやすく、後述する実施例のサンプルの試作より明らかなとおり、加工原料として利用度が高まる。さらに副原料に酸化チタンを添加した場合も粉砕により表面積が増加するため触媒効果がより一層向上する。
【0085】
また、本発明の製法により得られたマイナスイオン発生セラミック物質(製品CP,FP,CQ,FQ,GQ,HQ,CR,FR)のうち、造粒物又は平板状の成型物は、マイナスイオン発生源として、床に敷き詰めたりや壁に貼り付ける他、浴槽に入れる等の利用が想定される。この場合、造粒物の粒径は利便性を考慮して3ないし30mmの適宜の粒径が例示される。また、平板状の成型物も強度維持上十分な適宜の大きさとされ、表面に凹凸を付することも可能である。さらに、ハニカム状の成型物にあっては、内部の貫通孔内に空気や水を通すことにより、空気や水のマイナスイオン量を効率よく上昇させることができる。なお、貫通孔の孔径は1ないし10mmが好適なものとして例示される。
【0086】
前記の本発明の製法により得られたマイナスイオン発生セラミック物質(各製品)は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料と粘土類、長石類、ガラス、フリット類、酸化チタン等からなる副原料を混合することにより、元来放射線強度の高い原料鉱石を用いる場合であっても、原子力基本法、核原料物質及び原子炉の規制に関する法律等の法的規制を受けない370Bq/g以下に、特に生活用品に使用する塗料、建材中に配合する場合は74Bq/g以下の放射線強度となるように所望の放射線強度への調整が容易となる。
【0087】
なお、図6ないし図16の各加工工程図における粉砕において、平均粒径の2倍を超える粒子及び平均粒径の半分長を下回る粒子の含有量は、総量の5重量%以下とすることが望ましい。平均粒径はレーザ回折/散乱方式による粒度測定装置により測定した。
【0088】
【実施例】
(原料鉱石の電磁気処理)
図1及び図2に記載の選鉱プロセスにより選鉱されたピュアジルコン(54)に対して電磁気処理を行い、マイナスイオンの個数の経時変化を観察した。図3に示す電磁気処理装置10(絶縁性容器15)に前記ピュアジルコンを2kg(粒径約0.8mmの砂状物)を投入し、水で完全に満たし浸漬した。
【0089】
絶縁性の支持材17により固定された銅製の陽極側電極板13とアルミニウム製の陰極側電極板14をピュアジルコンと水の入った絶縁性樹脂容器15に挿入し、トランス16の正極と陽極側電極板13、負極と陰極側電極板14を配線18により接続した。トランス16により、交流100Vの交流電圧を16Vの直流電圧に変圧し、2〜48時間連続して通電(電磁気処理)した。
【0090】
次にマイナスイオンの個数の測定について、図4を用いて説明する。マイナスイオン測定器20の本体部分を絶縁性樹脂容器15の縁15hに押し当て、前記測定器20の測定部21をピュアジルコンが含まれる水側に向け、飛散するマイナスイオンの個数を測定した。測定にあたり、測定部21と水面wまでの距離kを常に5cmとなるようにした。また、下記の表3に示す陽極部の測定においては、マイナスイオン測定器20を陽極側電極板13(銅製)側の支持材17付近に配置し、陽極側電極板13(銅製)付近のマイナスイオンの個数を測定した。陰極部の測定においても同様に陰極側電極板14(アルミニウム製)付近のマイナスイオンの個数を測定した。中央部の測定においては、両電極の電極板13,14の中間点に測定部21を位置するようにして測定した。
【0091】
マイナスイオンの個数の測定には、(株)エコホリスティック社製のイオンテスターEB−12Aを使用した。前記測定器により、各部より発生するマイナスイオンの個数を10回ずつ測定し、1cm3当たりの存在個数の平均を表4に示した。また、表4に示す中央部の変化は、通電(電磁気処理)を行う前に測定したマイナスイオンの個数との比較を表したものである。
【0092】
通電(電磁気処理)を行う前に測定したマイナスイオンの個数は、1233個/cm3であり、通電開始時の室温は25℃、湿度は48%であった。また、通電とあわせて磁気の変化をアナログ磁気検知器(TriField MeterAlphaLab Inc,製)により測定した結果、約2T(0.2mG)(通電開始前)から250T(25mG)(48時間通電後)に増加した。
【0093】
【表4】
【0094】
通電開始から48時間経過後、通電を終了し、中央部のみのマイナスイオンの個数の変化を測定し表5に示した。表5において中央部の変化は、通電前の測定との比較である。なお、表中の1日目、2日目(48時間経過後)までは通電を行い、3日目からが非通電状態である。
【0095】
【表5】
【0096】
(サンプルの試作)
前出のピュアジルコン(54)(粒径約0.8mmの砂状物)に対し、図17に示す各工程に従い粉砕、電磁気処理、焼成及びこれらの組み合わせによる加工を施し、実用段階のサンプルにおけるマイナスイオン発生量を計測した。図17中に示すとおり、サンプルIないしIIIはピュアジルコン(54)に対し、それぞれ粉砕(サンプルI)、電磁気処理(サンプルII)、焼成(サンプルIII)を行ったものである。サンプルIVないしVIはそれぞれピュアジルコン(54)に対し粉砕、電磁気処理、焼成の順序を変えながら3種類の処理を行ったものである。サンプルIVは電磁気処理,粉砕,焼成の順により処理し、サンプルVは粉砕,電磁気処理,焼成の順により処理し、サンプルVIは粉砕,焼成,電磁気処理の順により処理したものである。
【0097】
各サンプルに対して行われた粉砕は、ボールミルを使用し、ピュアジルコン(砂状物)の平均粒径を2.5μmになるまで湿式粉砕したものである。電磁気処理は前記と同様の方法に基づき、電磁気処理装置10を用い16Vの直流電圧を42時間通電した。焼成は、トンネルキルンを使用し、1200〜1300℃の加熱温度とした。また、焼成熱により固着もしくは固溶体となって粒径が大きくなるため、サンプルIVないしVIの焼成後には適宜粉砕が行われる。なお、湿式粉砕後、スプレードライヤーにより乾燥した。
【0098】
サンプルから発生したマイナスイオンの個数を測定するにあたり、前記マイナスイオン測定器20(EB12−A(エコホリスティック社製))の精度や測定場所の環境などを調べるために、予めスタンダードを測定し、その測定値が基準値の範囲内に入ることを確認することにした。スタンダードの作成については、ピュアジルコンを粉砕して得た一定量の粉砕物をシリコーン樹脂に練り込んで加工し、マイナスイオン測定器20の測定部21(円形状の検知部で内径4.5cm)と同様の型にカットすることにより作成した。このスタンダードから発生するマイナスイオンの個数をマイナスイオン測定器20により100回測定し、平均値とその標準偏差値を算出した。
【0099】
未処理のピュアジルコン(54)及びサンプルIないしVIのそれぞれより50gずつ秤量し、マイナスイオン測定器20の測定部21の外径とほぼ同径である直径7cm、高さ3cmの円筒形の透明樹脂製の専用容器内に封入した。前記容器の上部に測定部21をあてながら未処理のピュアジルコン(54)及びサンプルIないしVIより発生するマイナスイオンの1cm3当たりの個数をそれぞれ12回測定し、最大値と最小値を除いた10回の平均値をそれぞれ求め、この結果を表6に示した。なお、表中の増加率とは、未処理のピュアジルコン(53)から発生するマイナスイオンの個数(1332個/cm3)を基準とし、各サンプルから発生するマイナスイオン個数の増加量を表したものである。
【0100】
【表6】
【0101】
表6の結果から理解されるとおり、粉砕、電磁気処理、焼成のいずれの工程も、これらの工程を行わない場合に比べて、ピュアジルコン(54)からのマイナスイオンの発生量を増加させることができる。さらに、粉砕、電磁気処理、焼成の3種類の工程が全て含まれている場合(サンプルIVないしVI)は、その工程の順序にかかわらず、これら3種類の工程のうち、1種類のみが行われた場合(サンプルIないしIII)に比して、ピュアジルコン(54)からのマイナスイオンの発生量がさらに増加していることが分かる。
【0102】
上記サンプルの試作において、ピュアジルコン(54)に電磁気処理を行ったサンプルIIの製法は、請求項1に規定し、図6に示す製品Nに該当するものである。
【0103】
(製品の試作)
表7ないし表15に示す配合量(重量%)に基づき、鉱物系原料単独あるいは鉱物系原料と必要量に応じて添加された副原料を配合し、図7ないし図16に詳述した製法に従い、試作例1ないし試作例6として示すマイナスイオン発生セラミック物質の試作品を製造した。なお、試作品においては、一部各図中のかっこ囲みの処理を省略した。
【0104】
<試作例1>
試作例1における試作品a1〜a19は、図7に示す製品APの製法に基づいて下記の表7及び表8に示す比率を満たした鉱物系原料もしくは鉱物系原料と副原料との混合物の粉砕物である。
【0105】
【表7】
【0106】
【表8】
【0107】
各試作品の鉱物系原料(単一種類又は複数種類)を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕後、スプレードライヤーにより乾燥を行い、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0108】
また、図11に示す製品AQの製法について、a1,a7,a9,a10の原料組成を用いて4種類の試作品を作成した。これら4種類の試作品については、図示し、前述のとおり、副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕後、前出の電磁気処理装置10に投入し、水との混合によりスラリー状態としたものを攪拌しながら16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、スプレードライヤーにより乾燥を行い、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0109】
<試作例2>
試作例2における試作品b1〜b19は、図8に示す製品BPの製法に基づいて下記の表9及び表10に示す比率を満たした鉱物系原料と副原料との混合物の焼成粉砕物である。
【0110】
【表9】
【0111】
【表10】
【0112】
各試作品の鉱物系原料(単一種類又は複数種類)を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕後、スプレードライヤーにより乾燥を行った。乾燥物をトンネルキルンにおいて1100〜1350℃で焼成し、ボールミルによる湿式粉砕後、スプレードライヤーにより再度乾燥を行い、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0113】
また、図12に示す製品BQの製法について、b1,b2,b3,b5,b12,b18の原料組成による6種類の試作品を作成した。これら6種類の試作品では、鉱物系原料に副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕後、前出の電磁気処理装置10に投入し、水との混合によりスラリー状態としたものを攪拌しながら16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、スプレードライヤーにより乾燥を行い、トンネルキルンにおいて1100〜1350℃で焼成し、ボールミルによる湿式粉砕後、スプレードライヤーにより再度乾燥を行い、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。実施例では、最初の粉砕後に電磁気処理を行ったが2回目の粉砕後に同処理を行うこととしてもよい。
【0114】
前出の各試作品において、副原料中に酸化チタン(111)を含む場合、トンネルキルンにおける焼成温度は、800℃とした。
【0115】
<試作例3>
試作例3における試作品c1〜c16は、図8に示す製品CPの製法に基づいて下記の表11及び表12に示す比率を満たした鉱物系原料と副原料との混合物の焼成造粒成形物である。
【0116】
【表11】
【0117】
【表12】
【0118】
各試作品の鉱物系原料を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕後、スプレードライヤーにより乾燥を行った。乾燥物を造粒機により、粒径約5mmの略球状体に造粒後、造粒物(略球状体)をトンネルキルンにおいて800〜1290℃で焼成した。
【0119】
また、図12に示す製品CQの製法について、c1,c2,c3,c4,c11の原料組成による5種類の試作品を作成した。これら5種類の試作品では、鉱物系原料に副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕後、前出の電磁気処理装置10に投入し、水との混合によりスラリー状態としたものを攪拌しながら16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、スプレードライヤーにより乾燥を行い、乾燥物を造粒機により、粒径約5mmの略球状体に造粒後、造粒物(略球状体)をトンネルキルンにおいて900〜1290℃で焼成した。
【0120】
さらに、図12に示す製品GQについてc2の原料組成による試作品を作成した。この試作品では、鉱物系原料に副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕し、スプレードライヤーにより乾燥後、乾燥物を造粒機により、粒径約5mmの略球状体に造粒した。前記造粒物を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行い、トンネルキルンにおいて1210℃で焼成した。当該試作品作成にあたり、造粒の際に、原料同士の凝集性を高めるためにカルボキシメチルセルロースを0.01重量%程度添加した。
【0121】
加えて、図15に示す製品CRについてもc2の原料組成による試作品を作成した。この試作品では、鉱物系原料に副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕し、スプレードライヤーにより乾燥後、乾燥物を造粒機により、粒径約5mmの略球状体に造粒した。造粒物(略球状体)をトンネルキルンにおいて900〜1290℃で焼成した後、前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬後、16V、24時間の電磁気処理を行い、乾燥した。
【0122】
前出の各試作品において、副原料中に酸化チタン(111)を含む場合、トンネルキルンにおける焼成温度は、800〜900℃とした。
【0123】
<試作例4>
試作例4における試作品d1〜d7は、図9に示す製品DPの製法に基づいて下記の表13に示す比率を満たした鉱物系原料と副原料との混合物の焼成粉砕物である。
【0124】
【表13】
【0125】
各試作品の鉱物系原料を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、ボールミルにより湿式粉砕後、スプレードライヤーにより乾燥を行った。乾燥物をトンネルキルンにおいて1200〜1350℃で焼成し、副原料を表中の所定量配合して再度ボールミルにより湿式粉砕を行った。湿式粉砕後、スプレードライヤーにより再度乾燥を行い、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0126】
また、図13に示す製品DQの製法について、d1,d2,d3の原料組成による3種類の試作品を作成した。これら3種類の試作品では、鉱物系原料をボールミルにより湿式粉砕後、トンネルキルンにおいて1300〜1350℃で焼成し、副原料を表中の所定量配合して再度ボールミルにより湿式粉砕を行った。前記粉砕物を前出の電磁気処理装置10に投入し、水との混合によりスラリー状態としたものを攪拌しながら16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、スプレードライヤーにより乾燥を行い、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0127】
<試作例5>
試作例5における試作品e1〜e10は、図10に示す製品EPの製法に基づいて下記の表14に示す比率を満たした鉱物系原料と副原料との混合物の焼成粉砕物である。
【0128】
【表14】
【0129】
各試作品の鉱物系原料を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、鉱物系原料と表中の副原料の一部(粘土,長石等の一部)をボールミルにより湿式粉砕し、スプレードライヤーにより乾燥を行い、乾燥物をトンネルキルンにおいて1270〜1300℃(焼成温度−1)で焼成した。前記焼成物に副原料の残りを添加し、ボールミルにより湿式粉砕を行った。なお、副原料に酸化チタン(111)を含むものは、当該粉砕において酸化チタンを添加した。粉砕物をスプレードライヤーによる乾燥の後、トンネルキルンにおいて800〜1250℃(焼成温度−2)で焼成し、再度ボールミルによる湿式粉砕を行い、スプレードライヤーによる乾燥の後、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0130】
また、図14に示す製品EQの製法について、e6,e7,e8の原料組成による3種類の試作品を作成した。これら3種類の試作品では、鉱物系原料に副原料の一部(粘土,長石等の一部)を添加してボールミルにより湿式粉砕後、トンネルキルンにおいて1200〜1300℃(焼成温度−1)で焼成し、前記焼成物に副原料の残りを添加し、ボールミルにより湿式粉砕を行った。前記粉砕物を前出の電磁気処理装置10に投入し、水との混合によりスラリー状態としたものを攪拌しながら16V、24時間の電磁気処理を行った。前記e6,e7,e8の原料組成には酸化チタンが含まれるため、脱水後、トンネルキルンにおいて800〜900℃(焼成温度−2)で焼成し、再度ボールミルによる湿式粉砕を行い、スプレードライヤーによる乾燥の後、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0131】
<試作例6>
試作例6における試作品f1〜f9は、図10に示す製品FPの製法に基づいて下記の表15に示す比率を満たした鉱物系原料と副原料との混合物の焼成粉砕物である。
【0132】
【表15】
【0133】
各試作品の鉱物系原料を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、鉱物系原料と表中の副原料の一部(粘土,長石等の一部)をボールミルにより湿式粉砕し、スプレードライヤーにより乾燥を行い、乾燥物をトンネルキルンにおいて1220〜1320℃(焼成温度−1)で焼成した。前記焼成物に副原料の残りを添加し、ボールミルにより湿式粉砕を行った。なお、副原料に酸化チタン(111)を含むものは、当該粉砕において酸化チタンを添加した。粉砕物を造粒機により粒径約5mmの略球状体に造粒し、トンネルキルンにおいて800〜1250℃(焼成温度−2)で焼成した。
【0134】
また、図14に示す製品FQの製法について、f2,f6の原料組成による2種類の試作品を作成した。これら2種類の試作品では、鉱物系原料に副原料の一部(粘土,長石等の一部)を添加してボールミルにより湿式粉砕後、トンネルキルンにおいて1200〜1300℃(焼成温度−1)で焼成し、前記焼成物に副原料の残りを添加し(酸化チタンはこの時点で添加)、ボールミルにより湿式粉砕を行った。前記粉砕物を前出の電磁気処理装置10に投入し、水との混合によりスラリー状態としたものを攪拌しながら16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、前記電磁気処理が行われた粉砕物をスプレードライヤーにより乾燥し、造粒機を用いて粒径約5mmの略球状体に造粒した。前記造粒物(略球状体)をトンネルキルンにおいて850℃,1200℃(焼成温度−2)で焼成した。
【0135】
さらに、図14に示す製品HQについてf6の原料組成による試作品を作成した。この試作品では、鉱物系原料に副原料の一部(粘土等の一部)を添加してボールミルにより湿式粉砕後、トンネルキルンにおいて1220℃(焼成温度−1)で焼成し、前記焼成物に副原料の残りを添加し(酸化チタンはこの時点で添加)、ボールミルにより湿式粉砕を行った。前記粉砕物をスプレードライヤーにより乾燥し、造粒機を用いて粒径約5mmの略球状体に造粒した。前記造粒物を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行い、トンネルキルンにおいて850℃(焼成温度−2)で焼成した。当該試作品作成にあたり、造粒の際に、原料同士の凝集性を高めるためにカルボキシメチルセルロースを0.01重量%程度添加した。
【0136】
加えて、図16に示す製品FRについてもf6の原料組成による試作品を作成した。この試作品では、鉱物系原料に副原料の一部(粘土等の一部)を添加してボールミルにより湿式粉砕後、トンネルキルンにおいて1220℃(焼成温度−1)で焼成し、前記焼成物に副原料の残りを添加し(酸化チタンはこの時点で添加)、ボールミルにより湿式粉砕を行った。前記粉砕物をスプレードライヤーにより乾燥した後、造粒機を用いて粒径約5mmの略球状体に造粒し、トンネルキルンにおいて850℃(焼成温度−2)で焼成した。焼成の終えた造粒物を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬後、16V、24時間の電磁気処理を行い、乾燥した。
【0137】
なお、本発明のマイナスイオン発生セラミック物質の製法においては、以上の説明及び実施例に明記した原料、加工手段に限定されるものではなく、他の原料、加工手段を適切に選択し、組み合わせることができる。例えば請求項に掲げた電磁気処理を行う電磁気処理装置を量産可能な規模に拡大する場合、コンクリート製水槽の内側を樹脂により絶縁処理を施したものが検討される。このコンクリート製水槽内に鉱物系原料と水を投入後、適宜の直流電圧による、電磁気処理を行うものである。また、実施例の試作品製造では全ての鉱物系原料に対して電磁気処理を行い以降の加工処理に供したものであるが、電磁気処理を行った鉱物系原料と行っていない鉱物系原料とを必要により組み合わせて用い、マイナスイオン発生セラミック物質を製造することも可能である。
【0138】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、請求項1に係るマイナスイオン発生セラミックス物質の製法によると、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種の少なくとも1種以上が含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料に対して直流電圧を通電する電磁気処理を行うため、発生するマイナスイオン量を増加させることができた。
【0139】
請求項2ないし9に係るマイナスイオン発生セラミックス物質の製法によると、直流電圧を通電する電磁気処理と共に、粉砕を加えることにより、微粒子化することに伴い表面積が増加し、マイナスイオン発生量の効率が向上する。
【0140】
さらに、加工時に焼成を加えた場合、微量成分中の放射性同位元素が焼結し、製品加工時において放射性同位元素の分離を防ぐことができるため、製品としての放射線量の一定化(調整)が容易になり、マイナスイオンの発生量の増加及び安定化が可能となる。
【0141】
また、請求項4,7,8,9に係るマイナスイオン発生セラミックス物質の製法によると、造粒又は所定形状に成型を行うことにより、微量成分中の放射性同位元素の焼結と同時に造粒物又は成型物自体の強度が増し、粒状体やハニカム体等としての使用にも対応可能となる。
【0142】
加えて、電磁気処理は、請求項2ないし9に示すとおり、適宜の段階に行うことができるため、所望のマイナスイオン発生量への調整、製造設備の処理能力等を勘案して最適な段階に設定することが可能である。
【0143】
とりわけ、原料鉱石のうち、放射性同位元素成分の少ない原料鉱石(マイナスイオン発生量の少ない鉱石)に対して電磁気処理を行うことにより、マイナスイオン発生量を増加させることができ、より一層、製品中の放射性同位元素成分の低減が可能となる。一方、放射性同位元素成分の多い原料鉱石であっても、電磁気処理を行うことにより、マイナスイオン発生量を事後的に増加させることが可能であるため、当該放射性同位元素成分の多い原料鉱石を使用する場合においても、製品中、その使用量を従来の製法より抑制しながらもマイナスイオン発生量を維持することが可能である。このため、放射線強度に関する各種法令の規制値の回避が容易になる。
【0144】
併せて、請求項10に係るマイナスイオン発生セラミックス物質の製法によると、マイナスイオンに由来する環境改善効果及び生理的機能改善効果に加え、酸化チタンの触媒作用も付加されるため、消臭、抗菌、防汚効果が強化され、窯業、建材、塗料、繊維、生活用品等の利用に有効かつ好適なマイナスイオン発生セラミック物質の製法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原料鉱石の選鉱プロセスを示す第一概略図である。
【図2】本発明の原料鉱石の選鉱プロセスを示す第二概略図である。
【図3】本発明の電磁気処理に用いる電磁気処理装置の斜視図である。
【図4】図3の2−2線の位置で切断した状態の断面図である。
【図5】本発明の実施例に係る概略工程図である。
【図6】製品Nの製造に係る加工工程図である。
【図7】製品Pの製造に係る第一加工工程図である。
【図8】製品Pの製造に係る第二加工工程図である。
【図9】製品Pの製造に係る第三加工工程図である。
【図10】製品Pの製造に係る第四加工工程図である。
【図11】製品Qの製造に係る第一加工工程図である。
【図12】製品Qの製造に係る第二加工工程図である。
【図13】製品Qの製造に係る第三加工工程図である。
【図14】製品Qの製造に係る第四加工工程図である。
【図15】製品Rの製造に係る第一加工工程図である。
【図16】製品Rの製造に係る第二加工工程図である。
【図17】サンプルの試作に係る概略工程図である。
【符号の説明】
10 電磁気処理装置
13 陽極側電極板
14 陰極側電極板
16 トランス
20 マイナスイオン測定器
21 測定部
Mm 鉱物系原料
【発明の属する技術分野】
この発明は、原料鉱石及びその加工物に直流電圧を通電するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイナスイオンの働きについては、消臭、抗菌、防濁等の環境改善効果の他、疲労回復、免疫機能の向上等をはじめとする生理的機能の改善効果について、とりわけ近年、関心が高まりつつある。
【0003】
前記マイナスイオンを生成させる方法には、レナード効果を利用して水に衝撃を与える方法、空気放電等が知られている。これらの方法によると、水の処理に要する設備の増設やオゾンの発生等の不具合もみられる。このため近年では、安価かつ容易にマイナスイオンを生成させる方法として微量放射線の有するエネルギーの応用が主流となり、種々の天然鉱石が利用される傾向にある。前出の各種鉱石中には、極微量の放射性同位元素が含まれ、これら元素が放射性壊変を行うことにより、α線,β線,γ線の天然放射線が常時放射される。前記の各放射線は、水又は空気中の水分子からH3O+,OH−,・OH等のラジカル様物質を生成することが知られ、直接マイナスイオンとして作用するものの他、他の分子に作用しマイナスイオンを発生させるものであると考えられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
上記のとおり、放射性同位元素を含有する鉱石からは容易にマイナスイオンが得られるため、利用頻度が高まり多彩な製品が開発されている。とりわけ鉱石種にトルマリンを用いるものが多用されている。しかしながら、トルマリンそのものから放射される放射線量は極端に低く、単独でマイナスイオン生成に寄与する励起エネルギーは、ほとんどないことが報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
従って、所望のマイナスイオン発生体を得ようとする場合、トルマリン以外の鉱石を使用するため、より多くのマイナスイオンを得ようとすると、いきおい放射線量を高めることにつながり、安全管理上の相反が懸念される。そのため、モナザイト等の鉱石を用いつつ長石等のバインダーを適宜添加し、単位重量中の放射線量を抑制しながらマイナスイオンの発生量を高めた材料が報告されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
しかるに、放射性同位元素を含有する各種鉱石中の天然放射線を利用し、マイナスイオンを発生させようとするものは、使用する鉱石種及びその産地により、放射線量のばらつきが大きく、各種鉱石を適宜加工し製品化する場合、製造工程中に放射性同位元素を含む成分が気散、分離するなどの欠損が生じるため、一定の放射線量を得ることが難しく、マイナスイオンの発生量の安定化が容易でなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−102866号公報(第4,5頁)
【特許文献2】
特許3306790号公報(第2,3頁)
【特許文献3】
特許3085182号公報(第4−6頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は前記の点に鑑みなされたものであり、天然放射線を利用してマイナスイオンを発生させるセラミック製品において、当該製品中に含有される放射性同位元素量を軽減させ、しかも発生するマイナスイオン量を増加かつ安定化させるマイナスイオン発生セラミック物質の製法を見出し、ここに提案するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を水中に浸漬した後、直流電圧を通電する電磁気処理を行うことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0010】
請求項2の発明は、前記電磁気処理された鉱物系原料を粉砕する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0011】
請求項3の発明は、前記電磁気処理された鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕後に焼成する工程と、前記焼成後に粉砕する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0012】
請求項4の発明は、前記電磁気処理された鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕物を所定形状に造粒又は成型する工程と、前記造粒物又は成型物を焼成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0013】
請求項5の発明は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程後、前記粉砕物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0014】
請求項6の発明は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕後に焼成する工程と、前記焼成後に粉砕する工程を含み、いずれかの粉砕工程の後、当該粉砕物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0015】
請求項7の発明は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程後、前記粉砕物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程と、前記電磁気処理物を所定形状に造粒又は成型する工程と、前記造粒物又は成型物を焼成する工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0016】
請求項8の発明は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕物を所定形状に造粒又は成型する工程と、前記造粒物又は成型物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程と、前記電磁気処理した造粒物又は成型物を焼成する工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0017】
請求項9の発明は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕物を所定形状に造粒又は成型する工程と、前記造粒物又は成型物を焼成する工程と、前記焼成された造粒物又は成型物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0018】
請求項10の発明は、前記粉砕する工程において、酸化チタンが添加されることを特徴とする請求項2ないし9のいずれか1項に記載のマイナスイオン発生セラミック物質の製法に係る。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1は本発明の原料鉱石の選鉱プロセスを示す第一概略図、図2は本発明の原料鉱石の選鉱プロセスを示す第二概略図、図3は本発明の電磁気処理に用いる電磁気処理装置の斜視図、図4は図3の2−2線の位置で切断した状態の断面図である。
【0020】
本発明において、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種を含む原料鉱石とは、ウラン元素又はトリウム元素の各種化合物を含有する鉱石の他、ウラン元素又はトリウム元素から放射性壊変を伴い生じた元素(化合物を含む)を含有する鉱石であり、含有される種類はいずれか1種又は複数種を問わない。ウラン系列核種は、238Uを親核種とし、226Ra、214Pb、214Bi等を経た後、206Pbに至る放射性崩壊を行う一連の核種であり、トリウム系列核種は、232Thを親核種とし、228Ac、212Pb、208Tl、212Bi等を経た後、208Pbに至る放射性崩壊を行う一連の核種である。このようにウラン元素又ウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種に含まれる各元素が1種類もしくは2種類以上が含有される原料鉱石であり、当該原料鉱石を1種類又は2種類以上を組み合わせたものが鉱物系原料である。なお、ウラン元素には、238Uに加え、他の同位体を含むものである。
【0021】
前記ウラン元素又ウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種を含む原料鉱石は、「原子力委員会月報 昭和31年 第1巻第6号」等によると、少なくとも100種類以上が知られている。下記の表1には、ウラン元素又はトリウム元素の各種化合物を含有する鉱石のうち主要なものを原料番号1〜39として明記する。表1において、各原料鉱石中のウラン元素又はトリウム元素は、ウラン元素(U2O8)、トリウム元素(ThO2)の酸化物として概ね表記の範囲内で当該鉱石に含有される。
【0022】
【表1】
【0023】
表1に記載の原料鉱石において、ウラン,トリウム成分の含有量、入手容易性及び保管設備等を考慮し、デーヴィッド石(5)、ユーゼン石(6)、フェルグソン石(7)、石川石(8)、ポリクレース(9)、パイロクロア(10)、サマルスキー石(11)、トロゴム石(19)、ラウヴ石(31)、イットロクラサイト(34)、ジッケル鉱(35)、褐れん石(36)、苗木石(37)が好適であり、後述の実施例の鉱物系原料に挙げられる。
【0024】
前出の鉱物系原料に加え、図1に示す選鉱プロセスにより分離されるもの及び図2の選鉱プロセスに用いられる原料番号51〜63のヘビーミネラルコンセントレイト(重砂)、ダーティジルコン、スタンダードジルコン、ピュアジルコン、プライムジルコン、モナザイト原砂、イットリュウム原砂(ゼノタイム)、イルメナイト中間品、バテライト、ジルコニア、バストネサイト、セリウム鉱石、ランタン鉱石が後述の実施例に挙げられる。
【0025】
図1において、出発原料であるヘビーミネラルコンセントレイト(重砂)(51)は、オーストラリア、南アフリカ、ブラジル、インド、ロシア、ウクライナ、ベトナム、アメリカ合衆国、マレーシア、インドネシア、中国等の産地より、主に酸性火成岩が風化して堆積した漂砂鉱床からジルコンサンドとして産出する。特に東南アジアでは、錫やセリサイト、金を採取した後の重砂(アマン)に含まれるものである。前記ヘビーミネラルコンセントレイト(51)からは、磁力選鉱及び静電選鉱を経ることによりルチルが分離されダーティジルコン(52)が得られる。このとき磁性を持つ鉱石はイルメナイト中間品(58)として分離され、スタンダードジルコン(53)が得られる。さらに静電選鉱を経ることによりピュアジルコン(54)とモナザイト原砂(56)が得られる。モナザイト原砂(56)から適宜選鉱を経た後、イットリュウム原砂(ゼノタイム)(57)が得られる。前記ピュアジルコン(54)からは、酸洗い及び磁力選鉱を経ることによりプライムジルコン(55)が得られ、さらにジルコニウムの組成比率を高めたものがバテライト(59)及びジルコニア(60)である。
【0026】
図2に示す、バストネサイト(61)は、主にアメリカ合衆国、中国等のカーボナイト鉱床から、鉄、チタン、錫、ウラン、トリウム等を採掘した際の副産物として得られるものである。バストネサイト(61)をさらに選鉱することにより、セリウムに富むセリウム鉱石(62)とランタンに富むランタン鉱石(63)が得られる。
【0027】
原料鉱石51〜63は、以下の表2及び表3に記載の成分より組成される。表中において、数値は単位重量あたりの重量パーセントを表す。なお、上記原料鉱石51〜63の組成成分は、理学電気工業株式会社製の蛍光X線分析装置(RIX3000)により分析されたものである。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
図1に示す選鉱プロセスにおいて、鉱山から産出される原料鉱石の純度・含有量の他、選鉱精度(例えば、選鉱時の磁力の強さ、選鉱の回数等)が大きく異なるため、原料鉱石51〜63の組成成分は、必ずしも表2及び表3に示す組成分布に拘泥されるものではない。なお、表1中のジルコン(13)はダーティジルコン(53)、ゼノタイム(12)はイットリュウム原砂(ゼノタイム)(57)、モナザイト(39)はモナザイト原砂(56)に相当するものである。
【0031】
請求項10に規定する酸化チタン(TiO2)は、太陽光に含まれる紫外線等の照射により光触媒として機能し、消臭、抗菌、防濁等の種々の分野において強力な触媒効果を発揮することが知られている。このため、衛生効果を高める目的から、後述の粉砕工程において適宜量鉱物系原料に添加され、鉱物系原料と均質化される。なお、酸化チタン(TiO2)には、ルチル、アナターゼ、ブルッカイトの3種類が存在すると言われ、本発明においては、アナターゼを利用するものである。
【0032】
また、後述の図7ないし図16に示す主に粉砕、焼成、造粒・成型の工程において、粉砕時の鉱物成分の分離を防ぐ他、焼成時の鉱物系原料の焼結及び固着性(バインダーとしての作用)を高め、鉱物系原料の放射線強度の調整、融着性、耐火温度を考慮して、珪酸質原料(珪石、珪砂、珪藻土)、長石質原料(カリ長石(KAlSi3O8)、ソーダ長石(NaAlSi3O8)、灰長石(CaAl2Si2O8))、粘土質原料(カオリン、耐火粘土、木節粘土、蛙目粘土、陶石、セリサイト、モンモリロナイト、ベントナイト、ろう石)、石灰質及びマグネシア原料(石灰、ドロマイト、タルク、かんらん石、蛇紋岩)、ガラス原料(ガラス、フリット)、その他(パーライト、しらす、沸石、珪灰石、アルミナ質原料)、有機バインダー(カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等)等が副原料として適宜の種類、配合比のもと、前記鉱物系原料に添加される。上記した副原料中で、後述の実施例に用いる副原料は、珪石(101)、長石(102)、フリット(103)、ドロマイト(104)、珪灰石(105)、陶石(106)、ガラス(107)、粘土(108)、石灰石(109)、酸化チタン(111)であり、かっこ内はその原料番号である。
【0033】
請求項1ないし9に記載の電磁気処理とは、鉱物系原料、鉱物系原料の粉砕物又は造粒,成型物、さらには完成品(加工済み)のマイナスイオン発生セラミック物質を絶縁製の容器あるいはタンクに投入後、前記の被処理物が完全に埋没するように注水して浸漬する。続いて水中に浸漬する原料等(セラミック物質製品を含む)に対し、直流電圧を通電する処理である。このように通電(電磁気処理)を行うことにより、被処理物(鉱物系原料,セラミック物質製品等)から発せられるマイナスイオン量を増加させようとする処理である。なお、電磁気処理は、必ずしも使用する鉱物系原料の全量に対して行わなくてもよい。
【0034】
図3を用い、前記電磁気処理について詳述する。図3において、電磁気処理装置10は、ポリプロピレン等の公知の絶縁性樹脂容器15に、絶縁性の支持材17により固定された陽極側電極板13と陰極側電極板14を挿入し、トランス16と両極の電極板13,14を配線18により接続したものである。トランス16は、交流100V等の交流電圧を適宜の直流電圧(後述の実施例においては16V)の直流電圧に変圧するものである。陽極側電極板13にはトランス16の正極が接続され、陰極側電極板14には負極が接続される。
【0035】
絶縁性樹脂容器15に未加工の鉱物系原料、鉱物系原料の粉砕物、さらには加工済みのセラミック物質製品を投入後、被処理物を完全に埋没させるように注水し浸漬する。続いて絶縁性樹脂容器15内の被処理物及び水に対し、トランス16により変圧された直流電圧を通電して電磁気処理を行う。所定時間通電後に排水し、被処理物を適宜乾燥して加工、出荷等に供する。
【0036】
前記電磁気処理に際し、直流電圧の通電を8ないし72時間行い、対象物(未加工の鉱物系原料、鉱物系原料の粉砕物又は造粒,成型物、加工済みのセラミック物質製品)のマイナスイオン発生量を増加させるものである。後述の実施例から明らかなとおり、発明者の実験によるとマイナスイオン発生量の顕著な増加には、少なくとも8時間は必要とされる。また、表記はしないが3日間を超える通電では大きく変化がみられないためである。
【0037】
図5の概略工程図を用い、本発明の鉱物系原料に対する電磁気処理を用いるマイナスイオン発生セラミック物質の製法を説明する。
【0038】
図5(a)は、請求項1に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法を概略的に示すものである。すなわち、前記鉱物系原料を電磁気処理用の容器(絶縁処理を施したタンク、水槽等)内で水中に浸漬し直流電圧の通電による電磁気処理を行い、製品Nを得るものである。
【0039】
図5(b)は、請求項2ないし4に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法を概略的に示すものである。すなわち、予め鉱物系原料を電磁気処理用の容器内で水中に浸漬し直流電圧の通電による電磁気処理を行い、これに粉砕、焼成等の適宜の加工を行い、製品Pを得るものである。
【0040】
図5(c)は、請求項5ないし8に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法を概略的に示すものである。すなわち、鉱物系原料に対し、粉砕、焼成、造粒又は成型等の適宜の加工を行い、加工中の粉砕あるいは造粒又は成型の後に当該粉砕物、造粒物、成型物を電磁気処理用の容器内で水中に浸漬し直流電圧の通電による電磁気処理を行い、製品Qを得るものである。
【0041】
図5(d)は、請求項9に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法を概略的に示すものである。すなわち、鉱物系原料に対し、粉砕、焼成、造粒又は成型等の適宜の加工を行い、得られた造粒物又は成型物(セラミック製品)を電磁気処理用の容器内で水中に浸漬し直流電圧の通電による電磁気処理を行うことによって、製品Rを得るものである。
【0042】
前記図5(a)〜(d)の製品N,製品P,製品Q,製品Rを製造するための「加工」について、図6ないし図15に示す加工工程図を用いて詳述する。
【0043】
図6に示す加工工程図は、図5(a)における製品Nの製法に相当し、その加工を説明するものである。鉱物系原料Mmは、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器(絶縁処理を施したタンク、水槽)等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S10)が行われる。鉱物系原料は脱水後、必要に応じて付着水を除去するため、前記電磁気処理済みの鉱物系原料はロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S11)され、篩い分け等によって粒径を揃える分級(S12)が行われる。むろん、乾燥(S11)、分級(S12)は省略しても何ら支障はない。なお、実施例において、鉱物系原料の形状は、適宜であるが砂状体であることが浸漬時の表面積を拡大するため望ましい。
【0044】
図7ないし図10に示す加工工程図は、図5(b)における製品Pの製法に相当し、その加工を説明するものである。図7の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S20)が行われる。鉱物系原料は脱水後ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S21)され、前出の副原料Msが必要に応じて添加される。両原料Mm,Msはボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S22)される。続いて公知の乾燥手段であるスプレードライヤー、フィルタープレス(脱水乾燥機)、デカンター(遠心分離脱水乾燥機)等により乾燥(S23)される。S23の乾燥物は分級(S24)において、エアセパレーター、サイクロン等の公知の分級機(クラシファイヤー)により均一の粒径に揃えられ、製品APが得られる。前記製品APの製法は、請求項2に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0045】
前記乾燥(S21)は、鉱物系原料に含まれる水分を蒸発させ、鉱物系原料同士又は鉱物系原料と副原料との配合比率(重量%)を明確にするためである。以降の図8ないし図10において示す乾燥(S31,S51,S61,S100,S110,S130,S140,S200,S210)も同目的によるものである。ただし、S20の電磁気処理後、ボールミル等により湿式で粉砕を行う場合は、鉱物系原料の含水率を検査し、量を補正した電磁気処理済み鉱物系原料をそのままボールミルに投入して粉砕できるため、S21の乾燥は省略可能である。なお、振動ミルを用い乾式粉砕を行う場合には、鉱物系原料の乾燥が必要となる。また、加工により得られた製品の純度等により粉砕後の乾燥や分級まで求められないこともある。そのため、図7を含め、以降の図8ないし図16において、かっこ囲みの表記は必要に応じて行われ、適宜省略可能である。なお、鉱物系原料の計量に際し、付着水を取り除くため予め乾燥しておくことが望ましい。
【0046】
図8の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S30)が行われる。鉱物系原料は脱水後ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S31)され、前出の副原料Msが添加される。両原料Mm,Msはボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S32)される。続いて前出の乾燥手段であるスプレードライヤー等により乾燥(S33)される。
【0047】
前記S32の粉砕ににより得られた粉砕物(S33の乾燥を含む場合あり)は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S34)され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S35)される。続いてスプレードライヤー等による乾燥(S36)、前出の分級機(クラシファイヤー)による分級(S37)が行われ、製品BPが得られる。前記製品BPの製法は、請求項3に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法である。
【0048】
また、前記S32の粉砕により得られた粉砕物(S33の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S40)において、造粒は公知の造粒機あるいはプレス成型機が用いられ、適宜粒径の造粒物が造粒される。成型は公知の成型機が用いられ、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物が成型される。前記造粒物,成型物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S41)され、製品CPが得られる。前記製品CPの製法は、請求項4に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0049】
図8において副原料Msに酸化チタン(アナターゼ)が含まれる場合、前記S34及びS41の焼成温度帯では酸化チタンがアナターゼからルチル化する。このようなルチル化を防ぐため、800〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の範囲で焼成される。
【0050】
図9の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S50)が行われる。鉱物系原料は脱水後ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S51)され、ボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S52)される。続いて前出の乾燥手段であるスプレードライヤー等による乾燥(S53)が行われる。
【0051】
前記S52の粉砕により得られた粉砕物(S53の乾燥を含む場合あり)は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S54)される。前記焼成物に前出の副原料Msが添加され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S55)される。続いてスプレードライヤー等による乾燥(S56)、前出の分級機(クラシファイヤー)による分級(S57)が行われ、製品DPが得られる。前記製品DPの製法は、請求項3に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0052】
図10の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S60)が行われる。鉱物系原料は脱水後ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S61)され、前出の副原料Msの一部を添加後、ボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S62)される。続いて前出の乾燥手段であるスプレードライヤー等による乾燥(S63)が行われる。
【0053】
前記S62の粉砕により得られた粉砕物(S63の乾燥を含む場合あり)は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S64)される。前記焼成物に残りの副原料Msが添加され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S65)される。続いてスプレードライヤー等により乾燥(S66)される。
【0054】
前記S65の粉砕により得られた粉砕物(S66の乾燥を含む場合あり)は、再度トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S67)され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S68)される。続いてスプレードライヤー等により乾燥(S69)、前出の分級機(クラシファイヤー)による分級(S70)が行われ、製品EPが得られる。前記製品EPの製法は、請求項3に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0055】
また、前記S65の粉砕により得られた粉砕物(S66の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S80)において、造粒は公知の造粒機あるいはプレス成型機が用いられ、適宜粒径の造粒物が造粒される。成型は公知の成型機が用いられ、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物が成型される。前記造粒物,成型物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S81)され、製品FPが得られる。前記製品FPの製法は、請求項4に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0056】
実施例の副原料Msは、前出の長石類(好ましくは新島長石あるいは、しらす長石)、ガラス、フリット類及び必要に応じて任意量配合された粘土類により構成され、特に図10の焼成(S64)前にこれらの中から長石類、ガラス、フリット類の一部が適宜添加される。副原料Msの一部は、鉱物系原料MmとともにS62において粉砕される。副原料Ms中の長石類、ガラス、フリット類の一部を焼成前に予め添加することにより、焼成時の耐火温度を調節し、微量元素成分の揮発を抑制することが可能となる。なお、前記副原料において、長石類、ガラス、フリット類等のうちから適宜選択されて使用される。
【0057】
前出のS64の焼成を終えた原料に対し、副原料Msの残り(長石類、ガラス、フリット類、粘土類)が添加される。前出の副原料Msは、耐火温度調節に加え、焼成(S67)時の焼結バインダーとして利用される。前記製品EP,FPは、1回の焼成のみから製造される製品と比して、焼結を強固なものとすることができる。
【0058】
図10において、副原料Msに酸化チタン(アナターゼ)が含まれる場合、酸化チタンはS64の焼成後に添加され、2回目の焼成(S67,S81)では、酸化チタンのルチル化を防ぐため、800〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の焼成温度で焼成される。
【0059】
図11ないし図14に示す加工工程図は、図5(c)における製品Qの製法に相当し、その加工を説明するものである。図11の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S100)され、前出の副原料Msが必要に応じて添加される。両原料Mm,Msはボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S101)される。前記両原料Mm,Msの粉砕物は前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水との混合によりスラリー状態となり攪拌されながら直流電圧の通電による電磁気処理(S102)が行われる。続いて公知の乾燥手段であるスプレードライヤー、フィルタープレス(脱水乾燥機)、デカンター(遠心分離脱水乾燥機)等により乾燥(S103)される。S103の乾燥物は分級(S104)において、エアセパレーター、サイクロン等の公知の分級機(クラシファイヤー)により均一の粒径に揃えられ、製品AQが得られる。前記製品AQの製法は、請求項5に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0060】
図12の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S110)され、前出の副原料Msが必要に応じて添加される。両原料Mm,Msはボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S111)される。前記両原料Mm,Msの粉砕物は前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水との混合によりスラリー状態となり攪拌されながら直流電圧の通電による電磁気処理(S112)が行われる。続いて公知の乾燥手段であるスプレードライヤー等により乾燥(S113)される。
【0061】
前記S112の電磁気処理物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S114)され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S115)される。さらに前記S115の粉砕物に対して前記S112と同様の電磁気処理(S116)が行われ、スプレードライヤー等による乾燥(S117)、前出の分級機(クラシファイヤー)による分級(S118)が行われ、製品BQが得られる。製品BQの製法において、電磁気処理は、S112もしくはS116のいずれか一方又は両方としてもよい。前記製品BQの製法は、請求項6に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0062】
また、前記S112により得られた電磁気処理物(S113の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S120)において、造粒は公知の造粒機あるいはプレス成型機が用いられ、適宜粒径の造粒物が造粒される。成型は公知の成型機が用いられ、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物が成型される。前記造粒物,成型物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S122)され、製品CQが得られる。前記製品CQの製法は、請求項7に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0063】
さらに図12の加工工程図では、前記S111の粉砕により得られた粉砕物(S113の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S120)において、適宜粒径の造粒物、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物に造粒・成型された後、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理容器等に当該造粒物,成型物は投入され、水中にて直流電圧の通電による電磁気処理(S121)が行われる。脱水後、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S122)され、製品GQが得られる。なお、電磁気処理をS121に加え、さらにS112で行ってもよい。前記製品GQの製法は、請求項8に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0064】
図12において副原料Msに酸化チタン(アナターゼ)が含まれる場合、前記S114及びS122の焼成温度帯では酸化チタンがアナターゼからルチル化する。このようなルチル化を防ぐため、800〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の範囲で焼成される。
【0065】
図13の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S130)され、ボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S131)される。前記粉砕物は前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水との混合によりスラリー状態となり攪拌されながら直流電圧の通電による電磁気処理(S132)が行われ、前出の乾燥手段であるスプレードライヤー等により乾燥(S133)される。
【0066】
前記S132により得られた電磁気処理物(S133の乾燥を含む場合あり)は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S134)される。前記焼成物に前出の副原料Msが添加され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S135)される。また、前記S135の粉砕物に対してS132と同様の電磁気処理(S136)が行われ、スプレードライヤー等による乾燥(S137)、前出の分級機(クラシファイヤー)による分級(S138)が行われ、製品DQが得られる。製品DQの製法において、電磁気処理は、S132もしくはS136のいずれか又は両方としてもよい。前記製品DQの製法は、請求項6に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0067】
図14の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S140)され、前出の副原料Msの一部を添加後、ボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S141)される。前記粉砕物は前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水との混合によりスラリー状態となり攪拌されながら直流電圧の通電による電磁気処理(S142)が行われ、前出の乾燥手段であるスプレードライヤー等により乾燥(S143)される。
【0068】
前記S142により得られた電磁気処理物(S143の乾燥を含む場合あり)は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S144)される。前記焼成物に残りの副原料Msが添加され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S145)される。また、前記S145の粉砕物に対してS142と同様の電磁気処理(S146)が行われ、スプレードライヤー等により乾燥(S147)される。
【0069】
前記S146により得られた電磁気処理物(S147の乾燥を含む場合あり)は、再度トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S148)され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S149)される。また、前記S149の粉砕物に対してS142と同様の電磁気処理(S150)が行われ、スプレードライヤー等により乾燥(S151)、前出の分級機(クラシファイヤー)による分級(S152)が行われ、製品EQが得られる。電磁気処理は、S142,S146,S150のいずれかの工程から、少なくとも1工程以上選択して行われる。前記製品EQの製法は、請求項6に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0070】
また、前記S146により得られた電磁気処理物(S147の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S160)において、造粒は公知の造粒機あるいはプレス成型機が用いられ、適宜粒径の造粒物が造粒される。成型は公知の成型機が用いられ、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物が成型される。前記造粒物,成型物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S162)され、製品FQが得られる。電磁気処理は、S142,S146のいずれか一方又は両方に行われる。前記製品FQの製法は、請求項7に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法である。
【0071】
さらに図14の加工工程図では、前記S145の粉砕により得られた粉砕物(S147の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S160)において、適宜粒径の造粒物、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物に造粒・成型された後、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理容器等に当該造粒物,成型物は投入され、水中にて直流電圧の通電による電磁気処理(S161)が行われる。脱水後、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S162)され、製品HQが得られる。なお、電磁気処理をS161に加え、さらにS142,S146で行ってもよい。前記製品HQの製法は、請求項8に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当。
【0072】
図14において、副原料Msを2度に分けて添加する理由は前記図10で詳述したとおり、焼成時の耐火温度の調節、微量元素成分の揮発の抑制、焼結バインダーとして機能し、焼結を強固にするためである。
【0073】
図14において、副原料Msに酸化チタン(アナターゼ)が含まれる場合、酸化チタンはS144の焼成後に添加され、2回目の焼成(S148,S162)では、酸化チタンのルチル化を防ぐため、800〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の焼成温度で焼成される。
【0074】
図15及び図16に示す加工工程図は、図5(d)における製品Rの製法に相当し、その加工を説明するものである。図15の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S200)され、前出の副原料Msが添加される。両原料Mm,Msはボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S201)される。続いて公知の乾燥手段であるスプレードライヤー、フィルタープレス(脱水乾燥機)、デカンター(遠心分離脱水乾燥機)等により乾燥(S202)される。
【0075】
前記S201の粉砕により得られた粉砕物(S202の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S203)において、造粒は公知の造粒機あるいはプレス成型機が用いられ、適宜粒径の造粒物が造粒される。成型は公知の成型機が用いられ、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物が成型される。前記造粒物,成型物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S204)される。前記S204により得られた焼成物は、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S205)が行われる。続いて脱水後、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、約400℃の雰囲気下において乾燥(S206)され、製品CRが得られる。前記製品CRの製法は、請求項9に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0076】
図15において副原料Msに酸化チタン(アナターゼ)が含まれる場合、前記S204の焼成温度帯では酸化チタンがアナターゼからルチル化する。このようなルチル化を防ぐため、800〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の範囲で焼成される。
【0077】
図16の加工工程図において、鉱物系原料Mmは、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、400℃の雰囲気下において乾燥(S210)され、前出の副原料Msの一部を添加後、ボールミル、振動ミル等の公知の粉砕手段を用い平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S211)される。続いて前出の乾燥手段であるスプレードライヤー等による乾燥(S212)が行われる。
【0078】
前記S211の粉砕により得られた粉砕物(S212の乾燥を含む場合あり)は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1350℃の範囲において焼成(S213)される。前記焼成物に残りの副原料Msが添加され、平均粒径を10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2.5μm以下に粉砕(S214)される。続いてスプレードライヤー等により乾燥(S215)される。
【0079】
前記S214の粉砕により得られた粉砕物(S215の乾燥を含む場合あり)は、造粒・成型(S216)において、造粒は公知の造粒機あるいはプレス成型機が用いられ、適宜粒径の造粒物が造粒される。成型は公知の成型機が用いられ、平板状,ハニカム状等の各種形状の成型物が成型される。前記造粒物,成型物は、トンネルキルン、ロータリーキルン等の公知の焼成手段により1100〜1500℃、好ましくは、1100〜1500℃の範囲において焼成(S217)され、前出の図3あるいは適宜の電磁気処理用容器等において、水中で直流電圧の通電による電磁気処理(S218)が行われる。続いて脱水後、ロータリーキルン等の公知の乾燥手段により、約400℃の雰囲気下において乾燥(S219)され、製品FRが得られる。前記製品FRの製法は、請求項9に規定するマイナスイオン発生セラミック物質の製法に相当する。
【0080】
図16において、副原料Msを2度に分けて添加する理由は前記図10で詳述したとおり、焼成時の耐火温度の調節、微量元素成分の揮発の抑制、焼結バインダーとして機能し、焼結を強固にするためである。
【0081】
図16において、副原料Msに酸化チタン(アナターゼ)が含まれる場合、酸化チタンはS213の焼成後に添加され、2回目の焼成(S217)では、酸化チタンのルチル化を防ぐため、800〜1100℃、好ましくは800〜1000℃の焼成温度で焼成される。
【0082】
以上図示し前述した製法において、粉砕では主に湿式粉砕を用いるものである。粉砕には湿式粉砕と乾式粉砕の2種類が存在するが、乾式粉砕を用い主原料あるいは主原料と副原料の混合物を平均粒径5μm以下の微粒子に粉砕する場合、原料中の各成分の硬度が異なり粉砕むらが生じやすくなる。その結果、一部の粉砕粒子が集塵機に引き寄せられるため、含有成分(元素)のバランスが崩れるおそれがある。このため、マイナスイオンの発生量(照射線量)への影響を考慮し、湿式粉砕とすることが望ましい。湿式による粉砕に際し、沈殿防止のため副原料Msに粘土を含める他、別途粘土類を2〜5重量%程度添加することもある。また、粘土類に代えて塩化カルシウム、塩化マグネシウム等、有機バインダー(カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等)を沈殿防止剤として添加することもできる。なお、粉砕をハンマーミル、ジェットミル等を用い乾式で行った場合は、粉砕に続いて行われる乾燥は省略できる。
【0083】
また、鉱物系原料等の粉砕後に行われる焼成は、原料中の揮発成分、結晶水、有機物等を除去するものである。とりわけ、鉱物系原料にジルコン(ZrSiO4)を多く含まれる場合、ジルコン中の微量成分に含まれる放射性同位元素が焼結し、微量成分中の放射性同位元素が以降の加工において分離を防ぐことができる。従って、当該焼成後に続く粉砕、乾燥、分級等の各種工程において、微量成分の分離が抑制される。同様に、本発明の製法に基づくセラミック物質を利用した最終製品(マイナスイオン発生製品)を製造する場合、すなわち、他の原料に本発明のマイナスイオン発生セラミック物質を所定量混合し加工する工程時等においては、含有微量成分中の放射性同位元素の分離を防ぐことができる。結果的に、最終製品中の微量成分(放射性同位元素)の濃度は、本発明のセラミック物質の添加量に比して増加し、ひいては、後述する実施例のサンプルの試作より明らかなとおり、マイナスイオンの発生量が安定する効果が示される。
【0084】
特に本発明のように、粉砕を行うことによって10μm以下の微粒子化すると、粉砕しないものに比べ表面積が増加し、微量成分に含まれる放射性同位元素から放射される放射線量が単位面積当たりで増加し、マイナスイオンの発生量が多くなる。とりわけ焼成を行うものについては、焼成熱による固着もしくは固溶体となり、粒径が大きくなるため、粉砕する必要がある。従って、本発明の製法により得られたマイナスイオン発生セラミック物質(製品AP,BP,DP,EP,AQ,BQ,DQ,EQ)は、良好なマイナスイオン発生源である微粒子として塗料、樹脂、繊維、紙等に添加する際に分散されやすく、後述する実施例のサンプルの試作より明らかなとおり、加工原料として利用度が高まる。さらに副原料に酸化チタンを添加した場合も粉砕により表面積が増加するため触媒効果がより一層向上する。
【0085】
また、本発明の製法により得られたマイナスイオン発生セラミック物質(製品CP,FP,CQ,FQ,GQ,HQ,CR,FR)のうち、造粒物又は平板状の成型物は、マイナスイオン発生源として、床に敷き詰めたりや壁に貼り付ける他、浴槽に入れる等の利用が想定される。この場合、造粒物の粒径は利便性を考慮して3ないし30mmの適宜の粒径が例示される。また、平板状の成型物も強度維持上十分な適宜の大きさとされ、表面に凹凸を付することも可能である。さらに、ハニカム状の成型物にあっては、内部の貫通孔内に空気や水を通すことにより、空気や水のマイナスイオン量を効率よく上昇させることができる。なお、貫通孔の孔径は1ないし10mmが好適なものとして例示される。
【0086】
前記の本発明の製法により得られたマイナスイオン発生セラミック物質(各製品)は、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料と粘土類、長石類、ガラス、フリット類、酸化チタン等からなる副原料を混合することにより、元来放射線強度の高い原料鉱石を用いる場合であっても、原子力基本法、核原料物質及び原子炉の規制に関する法律等の法的規制を受けない370Bq/g以下に、特に生活用品に使用する塗料、建材中に配合する場合は74Bq/g以下の放射線強度となるように所望の放射線強度への調整が容易となる。
【0087】
なお、図6ないし図16の各加工工程図における粉砕において、平均粒径の2倍を超える粒子及び平均粒径の半分長を下回る粒子の含有量は、総量の5重量%以下とすることが望ましい。平均粒径はレーザ回折/散乱方式による粒度測定装置により測定した。
【0088】
【実施例】
(原料鉱石の電磁気処理)
図1及び図2に記載の選鉱プロセスにより選鉱されたピュアジルコン(54)に対して電磁気処理を行い、マイナスイオンの個数の経時変化を観察した。図3に示す電磁気処理装置10(絶縁性容器15)に前記ピュアジルコンを2kg(粒径約0.8mmの砂状物)を投入し、水で完全に満たし浸漬した。
【0089】
絶縁性の支持材17により固定された銅製の陽極側電極板13とアルミニウム製の陰極側電極板14をピュアジルコンと水の入った絶縁性樹脂容器15に挿入し、トランス16の正極と陽極側電極板13、負極と陰極側電極板14を配線18により接続した。トランス16により、交流100Vの交流電圧を16Vの直流電圧に変圧し、2〜48時間連続して通電(電磁気処理)した。
【0090】
次にマイナスイオンの個数の測定について、図4を用いて説明する。マイナスイオン測定器20の本体部分を絶縁性樹脂容器15の縁15hに押し当て、前記測定器20の測定部21をピュアジルコンが含まれる水側に向け、飛散するマイナスイオンの個数を測定した。測定にあたり、測定部21と水面wまでの距離kを常に5cmとなるようにした。また、下記の表3に示す陽極部の測定においては、マイナスイオン測定器20を陽極側電極板13(銅製)側の支持材17付近に配置し、陽極側電極板13(銅製)付近のマイナスイオンの個数を測定した。陰極部の測定においても同様に陰極側電極板14(アルミニウム製)付近のマイナスイオンの個数を測定した。中央部の測定においては、両電極の電極板13,14の中間点に測定部21を位置するようにして測定した。
【0091】
マイナスイオンの個数の測定には、(株)エコホリスティック社製のイオンテスターEB−12Aを使用した。前記測定器により、各部より発生するマイナスイオンの個数を10回ずつ測定し、1cm3当たりの存在個数の平均を表4に示した。また、表4に示す中央部の変化は、通電(電磁気処理)を行う前に測定したマイナスイオンの個数との比較を表したものである。
【0092】
通電(電磁気処理)を行う前に測定したマイナスイオンの個数は、1233個/cm3であり、通電開始時の室温は25℃、湿度は48%であった。また、通電とあわせて磁気の変化をアナログ磁気検知器(TriField MeterAlphaLab Inc,製)により測定した結果、約2T(0.2mG)(通電開始前)から250T(25mG)(48時間通電後)に増加した。
【0093】
【表4】
【0094】
通電開始から48時間経過後、通電を終了し、中央部のみのマイナスイオンの個数の変化を測定し表5に示した。表5において中央部の変化は、通電前の測定との比較である。なお、表中の1日目、2日目(48時間経過後)までは通電を行い、3日目からが非通電状態である。
【0095】
【表5】
【0096】
(サンプルの試作)
前出のピュアジルコン(54)(粒径約0.8mmの砂状物)に対し、図17に示す各工程に従い粉砕、電磁気処理、焼成及びこれらの組み合わせによる加工を施し、実用段階のサンプルにおけるマイナスイオン発生量を計測した。図17中に示すとおり、サンプルIないしIIIはピュアジルコン(54)に対し、それぞれ粉砕(サンプルI)、電磁気処理(サンプルII)、焼成(サンプルIII)を行ったものである。サンプルIVないしVIはそれぞれピュアジルコン(54)に対し粉砕、電磁気処理、焼成の順序を変えながら3種類の処理を行ったものである。サンプルIVは電磁気処理,粉砕,焼成の順により処理し、サンプルVは粉砕,電磁気処理,焼成の順により処理し、サンプルVIは粉砕,焼成,電磁気処理の順により処理したものである。
【0097】
各サンプルに対して行われた粉砕は、ボールミルを使用し、ピュアジルコン(砂状物)の平均粒径を2.5μmになるまで湿式粉砕したものである。電磁気処理は前記と同様の方法に基づき、電磁気処理装置10を用い16Vの直流電圧を42時間通電した。焼成は、トンネルキルンを使用し、1200〜1300℃の加熱温度とした。また、焼成熱により固着もしくは固溶体となって粒径が大きくなるため、サンプルIVないしVIの焼成後には適宜粉砕が行われる。なお、湿式粉砕後、スプレードライヤーにより乾燥した。
【0098】
サンプルから発生したマイナスイオンの個数を測定するにあたり、前記マイナスイオン測定器20(EB12−A(エコホリスティック社製))の精度や測定場所の環境などを調べるために、予めスタンダードを測定し、その測定値が基準値の範囲内に入ることを確認することにした。スタンダードの作成については、ピュアジルコンを粉砕して得た一定量の粉砕物をシリコーン樹脂に練り込んで加工し、マイナスイオン測定器20の測定部21(円形状の検知部で内径4.5cm)と同様の型にカットすることにより作成した。このスタンダードから発生するマイナスイオンの個数をマイナスイオン測定器20により100回測定し、平均値とその標準偏差値を算出した。
【0099】
未処理のピュアジルコン(54)及びサンプルIないしVIのそれぞれより50gずつ秤量し、マイナスイオン測定器20の測定部21の外径とほぼ同径である直径7cm、高さ3cmの円筒形の透明樹脂製の専用容器内に封入した。前記容器の上部に測定部21をあてながら未処理のピュアジルコン(54)及びサンプルIないしVIより発生するマイナスイオンの1cm3当たりの個数をそれぞれ12回測定し、最大値と最小値を除いた10回の平均値をそれぞれ求め、この結果を表6に示した。なお、表中の増加率とは、未処理のピュアジルコン(53)から発生するマイナスイオンの個数(1332個/cm3)を基準とし、各サンプルから発生するマイナスイオン個数の増加量を表したものである。
【0100】
【表6】
【0101】
表6の結果から理解されるとおり、粉砕、電磁気処理、焼成のいずれの工程も、これらの工程を行わない場合に比べて、ピュアジルコン(54)からのマイナスイオンの発生量を増加させることができる。さらに、粉砕、電磁気処理、焼成の3種類の工程が全て含まれている場合(サンプルIVないしVI)は、その工程の順序にかかわらず、これら3種類の工程のうち、1種類のみが行われた場合(サンプルIないしIII)に比して、ピュアジルコン(54)からのマイナスイオンの発生量がさらに増加していることが分かる。
【0102】
上記サンプルの試作において、ピュアジルコン(54)に電磁気処理を行ったサンプルIIの製法は、請求項1に規定し、図6に示す製品Nに該当するものである。
【0103】
(製品の試作)
表7ないし表15に示す配合量(重量%)に基づき、鉱物系原料単独あるいは鉱物系原料と必要量に応じて添加された副原料を配合し、図7ないし図16に詳述した製法に従い、試作例1ないし試作例6として示すマイナスイオン発生セラミック物質の試作品を製造した。なお、試作品においては、一部各図中のかっこ囲みの処理を省略した。
【0104】
<試作例1>
試作例1における試作品a1〜a19は、図7に示す製品APの製法に基づいて下記の表7及び表8に示す比率を満たした鉱物系原料もしくは鉱物系原料と副原料との混合物の粉砕物である。
【0105】
【表7】
【0106】
【表8】
【0107】
各試作品の鉱物系原料(単一種類又は複数種類)を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕後、スプレードライヤーにより乾燥を行い、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0108】
また、図11に示す製品AQの製法について、a1,a7,a9,a10の原料組成を用いて4種類の試作品を作成した。これら4種類の試作品については、図示し、前述のとおり、副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕後、前出の電磁気処理装置10に投入し、水との混合によりスラリー状態としたものを攪拌しながら16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、スプレードライヤーにより乾燥を行い、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0109】
<試作例2>
試作例2における試作品b1〜b19は、図8に示す製品BPの製法に基づいて下記の表9及び表10に示す比率を満たした鉱物系原料と副原料との混合物の焼成粉砕物である。
【0110】
【表9】
【0111】
【表10】
【0112】
各試作品の鉱物系原料(単一種類又は複数種類)を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕後、スプレードライヤーにより乾燥を行った。乾燥物をトンネルキルンにおいて1100〜1350℃で焼成し、ボールミルによる湿式粉砕後、スプレードライヤーにより再度乾燥を行い、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0113】
また、図12に示す製品BQの製法について、b1,b2,b3,b5,b12,b18の原料組成による6種類の試作品を作成した。これら6種類の試作品では、鉱物系原料に副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕後、前出の電磁気処理装置10に投入し、水との混合によりスラリー状態としたものを攪拌しながら16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、スプレードライヤーにより乾燥を行い、トンネルキルンにおいて1100〜1350℃で焼成し、ボールミルによる湿式粉砕後、スプレードライヤーにより再度乾燥を行い、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。実施例では、最初の粉砕後に電磁気処理を行ったが2回目の粉砕後に同処理を行うこととしてもよい。
【0114】
前出の各試作品において、副原料中に酸化チタン(111)を含む場合、トンネルキルンにおける焼成温度は、800℃とした。
【0115】
<試作例3>
試作例3における試作品c1〜c16は、図8に示す製品CPの製法に基づいて下記の表11及び表12に示す比率を満たした鉱物系原料と副原料との混合物の焼成造粒成形物である。
【0116】
【表11】
【0117】
【表12】
【0118】
各試作品の鉱物系原料を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕後、スプレードライヤーにより乾燥を行った。乾燥物を造粒機により、粒径約5mmの略球状体に造粒後、造粒物(略球状体)をトンネルキルンにおいて800〜1290℃で焼成した。
【0119】
また、図12に示す製品CQの製法について、c1,c2,c3,c4,c11の原料組成による5種類の試作品を作成した。これら5種類の試作品では、鉱物系原料に副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕後、前出の電磁気処理装置10に投入し、水との混合によりスラリー状態としたものを攪拌しながら16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、スプレードライヤーにより乾燥を行い、乾燥物を造粒機により、粒径約5mmの略球状体に造粒後、造粒物(略球状体)をトンネルキルンにおいて900〜1290℃で焼成した。
【0120】
さらに、図12に示す製品GQについてc2の原料組成による試作品を作成した。この試作品では、鉱物系原料に副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕し、スプレードライヤーにより乾燥後、乾燥物を造粒機により、粒径約5mmの略球状体に造粒した。前記造粒物を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行い、トンネルキルンにおいて1210℃で焼成した。当該試作品作成にあたり、造粒の際に、原料同士の凝集性を高めるためにカルボキシメチルセルロースを0.01重量%程度添加した。
【0121】
加えて、図15に示す製品CRについてもc2の原料組成による試作品を作成した。この試作品では、鉱物系原料に副原料を表中の所定量配合してボールミルにより湿式粉砕し、スプレードライヤーにより乾燥後、乾燥物を造粒機により、粒径約5mmの略球状体に造粒した。造粒物(略球状体)をトンネルキルンにおいて900〜1290℃で焼成した後、前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬後、16V、24時間の電磁気処理を行い、乾燥した。
【0122】
前出の各試作品において、副原料中に酸化チタン(111)を含む場合、トンネルキルンにおける焼成温度は、800〜900℃とした。
【0123】
<試作例4>
試作例4における試作品d1〜d7は、図9に示す製品DPの製法に基づいて下記の表13に示す比率を満たした鉱物系原料と副原料との混合物の焼成粉砕物である。
【0124】
【表13】
【0125】
各試作品の鉱物系原料を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、ボールミルにより湿式粉砕後、スプレードライヤーにより乾燥を行った。乾燥物をトンネルキルンにおいて1200〜1350℃で焼成し、副原料を表中の所定量配合して再度ボールミルにより湿式粉砕を行った。湿式粉砕後、スプレードライヤーにより再度乾燥を行い、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0126】
また、図13に示す製品DQの製法について、d1,d2,d3の原料組成による3種類の試作品を作成した。これら3種類の試作品では、鉱物系原料をボールミルにより湿式粉砕後、トンネルキルンにおいて1300〜1350℃で焼成し、副原料を表中の所定量配合して再度ボールミルにより湿式粉砕を行った。前記粉砕物を前出の電磁気処理装置10に投入し、水との混合によりスラリー状態としたものを攪拌しながら16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、スプレードライヤーにより乾燥を行い、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0127】
<試作例5>
試作例5における試作品e1〜e10は、図10に示す製品EPの製法に基づいて下記の表14に示す比率を満たした鉱物系原料と副原料との混合物の焼成粉砕物である。
【0128】
【表14】
【0129】
各試作品の鉱物系原料を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、鉱物系原料と表中の副原料の一部(粘土,長石等の一部)をボールミルにより湿式粉砕し、スプレードライヤーにより乾燥を行い、乾燥物をトンネルキルンにおいて1270〜1300℃(焼成温度−1)で焼成した。前記焼成物に副原料の残りを添加し、ボールミルにより湿式粉砕を行った。なお、副原料に酸化チタン(111)を含むものは、当該粉砕において酸化チタンを添加した。粉砕物をスプレードライヤーによる乾燥の後、トンネルキルンにおいて800〜1250℃(焼成温度−2)で焼成し、再度ボールミルによる湿式粉砕を行い、スプレードライヤーによる乾燥の後、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0130】
また、図14に示す製品EQの製法について、e6,e7,e8の原料組成による3種類の試作品を作成した。これら3種類の試作品では、鉱物系原料に副原料の一部(粘土,長石等の一部)を添加してボールミルにより湿式粉砕後、トンネルキルンにおいて1200〜1300℃(焼成温度−1)で焼成し、前記焼成物に副原料の残りを添加し、ボールミルにより湿式粉砕を行った。前記粉砕物を前出の電磁気処理装置10に投入し、水との混合によりスラリー状態としたものを攪拌しながら16V、24時間の電磁気処理を行った。前記e6,e7,e8の原料組成には酸化チタンが含まれるため、脱水後、トンネルキルンにおいて800〜900℃(焼成温度−2)で焼成し、再度ボールミルによる湿式粉砕を行い、スプレードライヤーによる乾燥の後、エアセパレーターにより平均粒径2.5μmの粒子に分級した。
【0131】
<試作例6>
試作例6における試作品f1〜f9は、図10に示す製品FPの製法に基づいて下記の表15に示す比率を満たした鉱物系原料と副原料との混合物の焼成粉砕物である。
【0132】
【表15】
【0133】
各試作品の鉱物系原料を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、鉱物系原料と表中の副原料の一部(粘土,長石等の一部)をボールミルにより湿式粉砕し、スプレードライヤーにより乾燥を行い、乾燥物をトンネルキルンにおいて1220〜1320℃(焼成温度−1)で焼成した。前記焼成物に副原料の残りを添加し、ボールミルにより湿式粉砕を行った。なお、副原料に酸化チタン(111)を含むものは、当該粉砕において酸化チタンを添加した。粉砕物を造粒機により粒径約5mmの略球状体に造粒し、トンネルキルンにおいて800〜1250℃(焼成温度−2)で焼成した。
【0134】
また、図14に示す製品FQの製法について、f2,f6の原料組成による2種類の試作品を作成した。これら2種類の試作品では、鉱物系原料に副原料の一部(粘土,長石等の一部)を添加してボールミルにより湿式粉砕後、トンネルキルンにおいて1200〜1300℃(焼成温度−1)で焼成し、前記焼成物に副原料の残りを添加し(酸化チタンはこの時点で添加)、ボールミルにより湿式粉砕を行った。前記粉砕物を前出の電磁気処理装置10に投入し、水との混合によりスラリー状態としたものを攪拌しながら16V、24時間の電磁気処理を行った。脱水後、前記電磁気処理が行われた粉砕物をスプレードライヤーにより乾燥し、造粒機を用いて粒径約5mmの略球状体に造粒した。前記造粒物(略球状体)をトンネルキルンにおいて850℃,1200℃(焼成温度−2)で焼成した。
【0135】
さらに、図14に示す製品HQについてf6の原料組成による試作品を作成した。この試作品では、鉱物系原料に副原料の一部(粘土等の一部)を添加してボールミルにより湿式粉砕後、トンネルキルンにおいて1220℃(焼成温度−1)で焼成し、前記焼成物に副原料の残りを添加し(酸化チタンはこの時点で添加)、ボールミルにより湿式粉砕を行った。前記粉砕物をスプレードライヤーにより乾燥し、造粒機を用いて粒径約5mmの略球状体に造粒した。前記造粒物を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬した後、16V、24時間の電磁気処理を行い、トンネルキルンにおいて850℃(焼成温度−2)で焼成した。当該試作品作成にあたり、造粒の際に、原料同士の凝集性を高めるためにカルボキシメチルセルロースを0.01重量%程度添加した。
【0136】
加えて、図16に示す製品FRについてもf6の原料組成による試作品を作成した。この試作品では、鉱物系原料に副原料の一部(粘土等の一部)を添加してボールミルにより湿式粉砕後、トンネルキルンにおいて1220℃(焼成温度−1)で焼成し、前記焼成物に副原料の残りを添加し(酸化チタンはこの時点で添加)、ボールミルにより湿式粉砕を行った。前記粉砕物をスプレードライヤーにより乾燥した後、造粒機を用いて粒径約5mmの略球状体に造粒し、トンネルキルンにおいて850℃(焼成温度−2)で焼成した。焼成の終えた造粒物を前出の電磁気処理装置10に投入し、水で浸漬後、16V、24時間の電磁気処理を行い、乾燥した。
【0137】
なお、本発明のマイナスイオン発生セラミック物質の製法においては、以上の説明及び実施例に明記した原料、加工手段に限定されるものではなく、他の原料、加工手段を適切に選択し、組み合わせることができる。例えば請求項に掲げた電磁気処理を行う電磁気処理装置を量産可能な規模に拡大する場合、コンクリート製水槽の内側を樹脂により絶縁処理を施したものが検討される。このコンクリート製水槽内に鉱物系原料と水を投入後、適宜の直流電圧による、電磁気処理を行うものである。また、実施例の試作品製造では全ての鉱物系原料に対して電磁気処理を行い以降の加工処理に供したものであるが、電磁気処理を行った鉱物系原料と行っていない鉱物系原料とを必要により組み合わせて用い、マイナスイオン発生セラミック物質を製造することも可能である。
【0138】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、請求項1に係るマイナスイオン発生セラミックス物質の製法によると、ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種の少なくとも1種以上が含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料に対して直流電圧を通電する電磁気処理を行うため、発生するマイナスイオン量を増加させることができた。
【0139】
請求項2ないし9に係るマイナスイオン発生セラミックス物質の製法によると、直流電圧を通電する電磁気処理と共に、粉砕を加えることにより、微粒子化することに伴い表面積が増加し、マイナスイオン発生量の効率が向上する。
【0140】
さらに、加工時に焼成を加えた場合、微量成分中の放射性同位元素が焼結し、製品加工時において放射性同位元素の分離を防ぐことができるため、製品としての放射線量の一定化(調整)が容易になり、マイナスイオンの発生量の増加及び安定化が可能となる。
【0141】
また、請求項4,7,8,9に係るマイナスイオン発生セラミックス物質の製法によると、造粒又は所定形状に成型を行うことにより、微量成分中の放射性同位元素の焼結と同時に造粒物又は成型物自体の強度が増し、粒状体やハニカム体等としての使用にも対応可能となる。
【0142】
加えて、電磁気処理は、請求項2ないし9に示すとおり、適宜の段階に行うことができるため、所望のマイナスイオン発生量への調整、製造設備の処理能力等を勘案して最適な段階に設定することが可能である。
【0143】
とりわけ、原料鉱石のうち、放射性同位元素成分の少ない原料鉱石(マイナスイオン発生量の少ない鉱石)に対して電磁気処理を行うことにより、マイナスイオン発生量を増加させることができ、より一層、製品中の放射性同位元素成分の低減が可能となる。一方、放射性同位元素成分の多い原料鉱石であっても、電磁気処理を行うことにより、マイナスイオン発生量を事後的に増加させることが可能であるため、当該放射性同位元素成分の多い原料鉱石を使用する場合においても、製品中、その使用量を従来の製法より抑制しながらもマイナスイオン発生量を維持することが可能である。このため、放射線強度に関する各種法令の規制値の回避が容易になる。
【0144】
併せて、請求項10に係るマイナスイオン発生セラミックス物質の製法によると、マイナスイオンに由来する環境改善効果及び生理的機能改善効果に加え、酸化チタンの触媒作用も付加されるため、消臭、抗菌、防汚効果が強化され、窯業、建材、塗料、繊維、生活用品等の利用に有効かつ好適なマイナスイオン発生セラミック物質の製法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原料鉱石の選鉱プロセスを示す第一概略図である。
【図2】本発明の原料鉱石の選鉱プロセスを示す第二概略図である。
【図3】本発明の電磁気処理に用いる電磁気処理装置の斜視図である。
【図4】図3の2−2線の位置で切断した状態の断面図である。
【図5】本発明の実施例に係る概略工程図である。
【図6】製品Nの製造に係る加工工程図である。
【図7】製品Pの製造に係る第一加工工程図である。
【図8】製品Pの製造に係る第二加工工程図である。
【図9】製品Pの製造に係る第三加工工程図である。
【図10】製品Pの製造に係る第四加工工程図である。
【図11】製品Qの製造に係る第一加工工程図である。
【図12】製品Qの製造に係る第二加工工程図である。
【図13】製品Qの製造に係る第三加工工程図である。
【図14】製品Qの製造に係る第四加工工程図である。
【図15】製品Rの製造に係る第一加工工程図である。
【図16】製品Rの製造に係る第二加工工程図である。
【図17】サンプルの試作に係る概略工程図である。
【符号の説明】
10 電磁気処理装置
13 陽極側電極板
14 陰極側電極板
16 トランス
20 マイナスイオン測定器
21 測定部
Mm 鉱物系原料
Claims (10)
- ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を水中に浸漬した後、直流電圧を通電する電磁気処理を行うことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法。
- 前記電磁気処理された鉱物系原料を粉砕する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイナスイオン発生セラミック物質の製法。
- 前記電磁気処理された鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕後に焼成する工程と、前記焼成後に粉砕する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイナスイオン発生セラミック物質の製法。
- 前記電磁気処理された鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕物を所定形状に造粒又は成型する工程と、前記造粒物又は成型物を焼成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイナスイオン発生セラミック物質の製法。
- ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程後、前記粉砕物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法。
- ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕後に焼成する工程と、前記焼成後に粉砕する工程を含み、いずれかの粉砕工程の後、当該粉砕物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法。
- ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程後、前記粉砕物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程と、前記電磁気処理物を所定形状に造粒又は成型する工程と、前記造粒物又は成型物を焼成する工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法。
- ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕物を所定形状に造粒又は成型する工程と、前記造粒物又は成型物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程と、前記電磁気処理した造粒物又は成型物を焼成する工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法。
- ウラン元素又はウラン系列核種あるいはトリウム元素又はトリウム系列核種のいずれかが含有される原料鉱石を1種類以上とする鉱物系原料を粉砕する工程と、前記粉砕物を所定形状に造粒又は成型する工程と、前記造粒物又は成型物を焼成する工程と、前記焼成された造粒物又は成型物を水中に浸漬し、直流電圧を通電する電磁気処理を行う工程を含むことを特徴とするマイナスイオン発生セラミック物質の製法。
- 前記粉砕する工程において、酸化チタンが添加されることを特徴とする請求項2ないし9のいずれか1項に記載のマイナスイオン発生セラミック物質の製法。
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JP2002369618A JP2004051940A (ja) | 2002-05-27 | 2002-12-20 | マイナスイオン発生セラミック物質の製法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114177785A (zh) * | 2021-12-09 | 2022-03-15 | 广西碧清源环保投资有限公司 | 一种具有磁化功能和电极性的陶瓷过滤膜及其制备方法 |
CN114394816A (zh) * | 2022-03-02 | 2022-04-26 | 阳城福龙陶瓷有限公司 | 一种负离子抗菌瓷砖及其生产工艺 |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002369618A patent/JP2004051940A/ja active Pending
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