JP2004051404A - ガラス板の曲げ成形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ローラの真裏に位置するガラス板に対しても充分な風圧のエアを吹き付けられ、充分にガラス板の浮揚力を確保できるようにする。
【解決手段】上部モールド21と、リング23と、ローラコンベア2と、エアの噴射によりガラス板Gを上部モールド21の成形面まで浮上させるためのリフトジェット装置とを備える。リフトジェット装置は、隣接した2本のローラ2,2間の略中央に配設された主ノズル3aと、ローラの一方に寄せて配設された補助ノズル2bとを備える。
【選択図】図1
【解決手段】上部モールド21と、リング23と、ローラコンベア2と、エアの噴射によりガラス板Gを上部モールド21の成形面まで浮上させるためのリフトジェット装置とを備える。リフトジェット装置は、隣接した2本のローラ2,2間の略中央に配設された主ノズル3aと、ローラの一方に寄せて配設された補助ノズル2bとを備える。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス板の曲げ成形装置に関し、特に自動車等の窓ガラスに使用されるガラス板の曲げ成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の窓ガラスには、湾曲したガラス板が使用されている。このようなガラス板は、フロート法等で作られた平板状のガラス板を所望の形状に切断してから、軟化点近い温度(約650℃)まで加熱し、各種の方法で曲げ成形することで作られる。例えば、上部モールドとガラス板を載置するためのリングとを用いたプレス成形や、軟化したガラス板をリングや湾曲ローラ上に載置することで自重曲げする手法等がある。
【0003】
ここで、従来多用されているプレス成形について図7を参照して説明する。
図7は、従来のプレス成形によるガラス板の曲げ成形装置を示す説明図である。同図に示すように、曲げ成形装置は、加熱ステージ10と成形ステージ20と風冷ステージ30(図8)との3ステージを主要構成としている。加熱ステージ10は、耐熱レンガで囲まれた加熱炉と、ガラス板Gを搬送するためのシリカ製のローラ11と、ガラス板Gを軟化点近くまで加熱するための電気ヒータ(図示せず)とを備えている。
【0004】
成形ステージ20は、耐熱レンガで囲まれた加熱炉と、この加熱炉外から炉内へ引き込まれたダクト22と、このダクト22に接続された上部モールド21と、上部モールド21の直下に配設された複数のノズル構造体24とを備える。ノズル構造体24は、炉外から炉内へ引き込まれた配管25に接続され、配管25の炉外に引き出された端部には、バルブ26や配管、バルブ27を介して、リザーバタンク28およびコンプレッサ29が接続されている。ノズル構造体24、配管25、バルブ26、27、リザーバタンク28およびコンプレッサ29は、ガラス板Gをエアの吹き付け力で浮上させるためのリフトジェット装置を構成する。
【0005】
コンプレッサ29によって供給されたエアはリザーバタンク28に一時的に蓄えられ、バルブ26および27の開閉を制御することにより、ノズル構造体24からガラス板Gを浮上させるためのエアを噴射させることができる。エアは炉内を引き回されている配管25を通過することにより、炉内雰囲気にほぼ等しい温度まで温められ、冷気がガラス板Gに吹き付けられることはない。
【0006】
図8は、図7の曲げ成形装置の上面を示す。同図に示すように、成形ステージ20は略L字の加熱炉により構成され、曲げ成形されたガラス板Gは搬出口に設けられたシャッタ32を開閉することにより成形ステージ20から風冷ステージ30に搬出される。加熱ステージ10で加熱されたガラス板Gはローラ11により上部モールド21直下まで搬送されて停止し、図9に示すノズル構造体24から噴射されたエアの風圧によって浮上させられ、上部モールド21の成形面に押し付けられ、その間に進入してきたプレスリング23によりガラス板Gの周縁部ら上部モールド21の成形面に押し付けられ、プレス成形が実施される。
【0007】
プレス成形されたガラス板Gは、バキューム作用により上部モールド21の成型面に吸着支持され、その間にプレスリング23が図8の破線の位置に待避するとともに、炉外から進入して来たクエンチリング31によって受け取られる。クエンチリング31により支持されたガラス板Gは、クエンチリング31とともに風冷ステージ30に搬出され、風冷強化処理が施される。
【0008】
ここで、図7に示した曲げ成形装置による曲げ成形手順について説明する。加熱ステージ10内をローラ11によって搬送されながら、ガラス板Gは軟化点近くまで加熱された後(ステップa)、成形ステージ20内に搬入される。上部モールド21直下に到着したガラス板Gは(ステップb)、ノズル構造体24から噴射された加熱エアによって浮力が与えられ、上部モールド21の成形面まで浮上する(ステップc)。上部モールド21はダクト22を介してバキュームが行われ、ガラス板Gは上部モールド21の成形面に吸い付けられ、上部モールド21と一体で上昇する。
【0009】
上部モールド21の上昇によってできたスペースには、プレスリング23が水平移動して進入し、上部モールド21が下降することにより、ガラス板Gの周縁部をプレスリング23に押し付けプレス成形を実施する(ステップ21)。プレス成形後、プレスリング23が待避し、代わりに風冷ステージ30から進入してきたクエンチリング31がガラス板Gの周縁を支持する。クエンチリング31に移載されたガラス板Gは風冷ステージ31へ運び出される。
【0010】
このように従来の曲げ成形装置は、ノズル構造体24からエアを噴射してガラス板Gを浮上させ、上部モールド21に押し付けることにより、プレス成型前に予備成形を実施し、プレス成形のみの場合よりも複雑形状を実現し易いという利点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような曲げ成形装置ではガラス板Gを上部モールド直下までローラ搬送するため、ガラス板の浮上および予備成形に使用されるノズル構造体の設置位置に制約があるという問題があった。すなわち、ローラ同士の隙間からエアを噴射する必要があり、ローラの真裏においては充分な浮揚力をガラス板の与えることができないという問題があった。
【0012】
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、ローラの真裏に位置するガラス板に対しても充分な風圧のエアを吹き付けられ、ガラス板の浮揚力を充分に確保できるガラス板の曲げ成形装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、所定の成形面を下向きに有する上部モールドと、ガラス板の周縁を支持して前記成形面前記ガラス板を押し付けるためのリングと、所定間隔で並設された複数のローラで構成されかつ前記ガラス板を前記上部モールドの直下まで搬送するローラコンベアと、前記上部モールド直下のローラコンベアの下方に配設されかつエアの噴射により前記ガラス板を前記上部モールドの成形面まで浮上させるリフトジェット装置とを備え、前記リフトジェット装置は、隣接した2本のローラ間の略中央に配設された主ノズルと、前記2本のローラの一方に寄せて配設された補助ノズルとを備えたことを特徴とするガラス板の曲げ成形装置を提供する。
【0014】
また、前記主ノズルと前記補助ノズルとは、一体構造であることが好ましい。また、前記補助ノズルは、前記ローラの直下に配設されていることが好ましい。また、前記上部モールドは、前記ガラス板を吸着するための複数の吸気孔を有することが好ましい。さらに、前記ガラス板は、自動車の窓ガラスの製造に用いられることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態を示す側面図である。同図に示すように、上部モールド1の直下には複数のローラ2が所定間隔置きに並設され(中心間距離=2A)、半径Rのローラ2下方にはノズル構造体3が配設されている。ここでローラ2の最下端とノズル構造体3の先端の距離はRである。上部モールド1の直下までローラ搬送されたガラス板Gは、ノズル構造体3の主ノズル3aおよび副ノズル3bから噴射されたエアの圧力により、上部モールド1の成形面まで浮上および押し付けられる。
【0017】
ノズル構造体3の詳細は、同図(b)に示すように断面丸形状の配管3cに主ノズル3aおよび副ノズル3bが一体化したものである。ガラス板Gの浮揚力は主ノズル3aから噴射されるエアによって与えられ、副ノズル3bから噴射されたエアは主ノズル3aから噴射されたエアをローラのほぼ真裏に当てるのに貢献する。
【0018】
すなわち、補助ノズル3bから噴射されたエアはコアンダ効果によりローラ2表面に沿って流れ、ローラ3付近の流れの経路が長くなって流速が速くなり、低圧領域が生じる(ベルヌーイの定理)。その結果、主ノズル3aから噴射されたエアは低圧領域に引き寄せられるため、ローラ2のほぼ真上で主ノズル3aおよび副ノズル3bから噴射された各エアが合流し、ガラス板裏面に到達する。同図(c)に示すように、ガラス板Gの下方には複数のノズル構造体3が配置されている。
【0019】
次に、上記構成のノズル構造体3が、設計誤差を自動的に補正する機能を備えていることを、図2を参照して説明する。図2(a)は、ノズルが設計通り配置された場合のエアの流れを示す側面図、同図(b)はノズルが図の右側にずれた場合のエアの流れを示す側面図である。設計通りにノズル構造体3が設置された場合、2個のノズル構造体3、3はローラ2を中心として左右対称の配置となる。その場合、主ノズル3aはローラ2,2の中央に位置し、副ノズル3bは真ん中のローラ2寄りに位置する。そのため、上記で説明した原理によりローラ2近傍で低圧領域5,6が発生し、主ノズル3aと副ノズル3bから噴射されたエアはローラ2のほぼ真上でガラス板Gに吹き付けられる(領域4)。
【0020】
ところが、実際の装置においては、ノズル構造体3の設置誤差が生じることがあり、例えば同図(b)に示すように、ノズル構造体3が図の右方向に若干ずれたものとする。この場合、補助ノズル3bから噴射されたエアにより、ローラ2近傍には、小さめの低圧領域5と大きめの低圧領域6とが発生する。その結果、主ノズル3aから噴射されたエアは、ローラ2のほぼ真裏に位置する領域4に当てることができ、ガラス板Gの浮揚力を充分に得ることができる。
【0021】
図3aは、ローラの中心化の距離とガラス板の面上の風力との関係(ノズルにずれがない場合)を示すグラフ、(b)ローラの中心からの距離とガラス板の面上の風圧との関係(ノズルにずれが生じた場合)を示すグラフである。ここではローラの直径を60mm、ガラス板の裏面からローラの最上端までの距離を150mm、ローラの最下端とノズルの先端までの距離を30mmとした場合のガラス板裏面に生じる風圧を数値シミュレーションした結果である。各ノズルからはは、1〜6kgf/cm2(≒98k〜588kPa)の高圧空気を噴射させるものとする。
【0022】
同図(a)に示すように、本実施の形態のノズルでは、ローラの真裏に2kPa程度の充分な風圧が得られていることがわかる。また、同図(b)に示すように、ノズル構造体を図の右方向に15mmずらしたとしても、本実施の形態のノズルは、ローラの真裏に2kPa弱の充分な風圧を生じていることがわかる。
【0023】
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。
図4は、本発明のその他の実施形態を示す側面図である。同図に示すように、ローラ2,2間の略中央に従来の1ノズルを備えたノズル構造体30を主ノズルとして設置し、ローラの2の真裏に同様のノズル30を副ノズルとして設置してもよい。
【0024】
図5は、本発明のその他の実施形態を示す側面図である。同図に示すように、ローラ2の下方に位置する2個の主ノズルと2個の副ノズルとを1個の配管に接続する構成としてもよい。
【0025】
図6は、本発明のその他の実施形態を示す側面図である。同図に示すように、ローラ2直下のノズル構造体として図1に示した2ノズルのノズル構造体32を用い、ローラ2,2間の略中央に従来の1ノズルのノズル構造体30,30を設置してもよい。
【0026】
このようにノズル構造体の形状および設置位置は、上記実施の形態に記載されたものに限られるものではなく、本発明の効果が得られる範囲で適宜設変更できる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明は、隣接した2本のローラ間の略中央に配設された主ノズルと、2本のローラの一方に寄せて配設された副ノズルとを備えることにより、ローラの真裏に位置するガラス板面にエアを吹き付けることができる。そのため、ガラス板に対して充分な浮揚力を与えることができるとともに、充分な力でガラス板を上部モールドに押し付けることができ、予備成形を確実に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施形態を示す側面図、(b)ノズル構造体の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】(a)ノズルが設計通り配置された場合のエアの流れを示す側面図、(b)ノズルが図の右側にずれた場合のエアの流れを示す側面図である。
【図3】(a)ローラの中心化の距離とガラス板の面上の風力との関係(ノズルにずれがない場合)を示すグラフ、(b)ローラの中心からの距離とガラス板の面上の風圧との関係(ノズルにずれが生じた場合)を示すグラフである。
【図4】本発明のその他の実施形態を示す側面図である。
【図5】本発明のその他の実施形態を示す側面図である。
【図6】本発明のその他の実施形態を示す側面図である。
【図7】従来の曲げ成形装置を示す断面図である。
【図8】従来の曲げ成形装置を示す上面図である。
【図9】従来のノズルの配置を示す側面図である。
【図10】従来の曲げ成形装置による曲げ成形手順を示す説明図である。
【符号の説明】
1:上部モールド
2:ローラ
3、3a、3b、3c:ノズル
4:エアの衝突領域
5、6:低圧領域
A:ローラ間距離の1/2
R:ローラの半径
G:ガラス板
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス板の曲げ成形装置に関し、特に自動車等の窓ガラスに使用されるガラス板の曲げ成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の窓ガラスには、湾曲したガラス板が使用されている。このようなガラス板は、フロート法等で作られた平板状のガラス板を所望の形状に切断してから、軟化点近い温度(約650℃)まで加熱し、各種の方法で曲げ成形することで作られる。例えば、上部モールドとガラス板を載置するためのリングとを用いたプレス成形や、軟化したガラス板をリングや湾曲ローラ上に載置することで自重曲げする手法等がある。
【0003】
ここで、従来多用されているプレス成形について図7を参照して説明する。
図7は、従来のプレス成形によるガラス板の曲げ成形装置を示す説明図である。同図に示すように、曲げ成形装置は、加熱ステージ10と成形ステージ20と風冷ステージ30(図8)との3ステージを主要構成としている。加熱ステージ10は、耐熱レンガで囲まれた加熱炉と、ガラス板Gを搬送するためのシリカ製のローラ11と、ガラス板Gを軟化点近くまで加熱するための電気ヒータ(図示せず)とを備えている。
【0004】
成形ステージ20は、耐熱レンガで囲まれた加熱炉と、この加熱炉外から炉内へ引き込まれたダクト22と、このダクト22に接続された上部モールド21と、上部モールド21の直下に配設された複数のノズル構造体24とを備える。ノズル構造体24は、炉外から炉内へ引き込まれた配管25に接続され、配管25の炉外に引き出された端部には、バルブ26や配管、バルブ27を介して、リザーバタンク28およびコンプレッサ29が接続されている。ノズル構造体24、配管25、バルブ26、27、リザーバタンク28およびコンプレッサ29は、ガラス板Gをエアの吹き付け力で浮上させるためのリフトジェット装置を構成する。
【0005】
コンプレッサ29によって供給されたエアはリザーバタンク28に一時的に蓄えられ、バルブ26および27の開閉を制御することにより、ノズル構造体24からガラス板Gを浮上させるためのエアを噴射させることができる。エアは炉内を引き回されている配管25を通過することにより、炉内雰囲気にほぼ等しい温度まで温められ、冷気がガラス板Gに吹き付けられることはない。
【0006】
図8は、図7の曲げ成形装置の上面を示す。同図に示すように、成形ステージ20は略L字の加熱炉により構成され、曲げ成形されたガラス板Gは搬出口に設けられたシャッタ32を開閉することにより成形ステージ20から風冷ステージ30に搬出される。加熱ステージ10で加熱されたガラス板Gはローラ11により上部モールド21直下まで搬送されて停止し、図9に示すノズル構造体24から噴射されたエアの風圧によって浮上させられ、上部モールド21の成形面に押し付けられ、その間に進入してきたプレスリング23によりガラス板Gの周縁部ら上部モールド21の成形面に押し付けられ、プレス成形が実施される。
【0007】
プレス成形されたガラス板Gは、バキューム作用により上部モールド21の成型面に吸着支持され、その間にプレスリング23が図8の破線の位置に待避するとともに、炉外から進入して来たクエンチリング31によって受け取られる。クエンチリング31により支持されたガラス板Gは、クエンチリング31とともに風冷ステージ30に搬出され、風冷強化処理が施される。
【0008】
ここで、図7に示した曲げ成形装置による曲げ成形手順について説明する。加熱ステージ10内をローラ11によって搬送されながら、ガラス板Gは軟化点近くまで加熱された後(ステップa)、成形ステージ20内に搬入される。上部モールド21直下に到着したガラス板Gは(ステップb)、ノズル構造体24から噴射された加熱エアによって浮力が与えられ、上部モールド21の成形面まで浮上する(ステップc)。上部モールド21はダクト22を介してバキュームが行われ、ガラス板Gは上部モールド21の成形面に吸い付けられ、上部モールド21と一体で上昇する。
【0009】
上部モールド21の上昇によってできたスペースには、プレスリング23が水平移動して進入し、上部モールド21が下降することにより、ガラス板Gの周縁部をプレスリング23に押し付けプレス成形を実施する(ステップ21)。プレス成形後、プレスリング23が待避し、代わりに風冷ステージ30から進入してきたクエンチリング31がガラス板Gの周縁を支持する。クエンチリング31に移載されたガラス板Gは風冷ステージ31へ運び出される。
【0010】
このように従来の曲げ成形装置は、ノズル構造体24からエアを噴射してガラス板Gを浮上させ、上部モールド21に押し付けることにより、プレス成型前に予備成形を実施し、プレス成形のみの場合よりも複雑形状を実現し易いという利点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような曲げ成形装置ではガラス板Gを上部モールド直下までローラ搬送するため、ガラス板の浮上および予備成形に使用されるノズル構造体の設置位置に制約があるという問題があった。すなわち、ローラ同士の隙間からエアを噴射する必要があり、ローラの真裏においては充分な浮揚力をガラス板の与えることができないという問題があった。
【0012】
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、ローラの真裏に位置するガラス板に対しても充分な風圧のエアを吹き付けられ、ガラス板の浮揚力を充分に確保できるガラス板の曲げ成形装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、所定の成形面を下向きに有する上部モールドと、ガラス板の周縁を支持して前記成形面前記ガラス板を押し付けるためのリングと、所定間隔で並設された複数のローラで構成されかつ前記ガラス板を前記上部モールドの直下まで搬送するローラコンベアと、前記上部モールド直下のローラコンベアの下方に配設されかつエアの噴射により前記ガラス板を前記上部モールドの成形面まで浮上させるリフトジェット装置とを備え、前記リフトジェット装置は、隣接した2本のローラ間の略中央に配設された主ノズルと、前記2本のローラの一方に寄せて配設された補助ノズルとを備えたことを特徴とするガラス板の曲げ成形装置を提供する。
【0014】
また、前記主ノズルと前記補助ノズルとは、一体構造であることが好ましい。また、前記補助ノズルは、前記ローラの直下に配設されていることが好ましい。また、前記上部モールドは、前記ガラス板を吸着するための複数の吸気孔を有することが好ましい。さらに、前記ガラス板は、自動車の窓ガラスの製造に用いられることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態を示す側面図である。同図に示すように、上部モールド1の直下には複数のローラ2が所定間隔置きに並設され(中心間距離=2A)、半径Rのローラ2下方にはノズル構造体3が配設されている。ここでローラ2の最下端とノズル構造体3の先端の距離はRである。上部モールド1の直下までローラ搬送されたガラス板Gは、ノズル構造体3の主ノズル3aおよび副ノズル3bから噴射されたエアの圧力により、上部モールド1の成形面まで浮上および押し付けられる。
【0017】
ノズル構造体3の詳細は、同図(b)に示すように断面丸形状の配管3cに主ノズル3aおよび副ノズル3bが一体化したものである。ガラス板Gの浮揚力は主ノズル3aから噴射されるエアによって与えられ、副ノズル3bから噴射されたエアは主ノズル3aから噴射されたエアをローラのほぼ真裏に当てるのに貢献する。
【0018】
すなわち、補助ノズル3bから噴射されたエアはコアンダ効果によりローラ2表面に沿って流れ、ローラ3付近の流れの経路が長くなって流速が速くなり、低圧領域が生じる(ベルヌーイの定理)。その結果、主ノズル3aから噴射されたエアは低圧領域に引き寄せられるため、ローラ2のほぼ真上で主ノズル3aおよび副ノズル3bから噴射された各エアが合流し、ガラス板裏面に到達する。同図(c)に示すように、ガラス板Gの下方には複数のノズル構造体3が配置されている。
【0019】
次に、上記構成のノズル構造体3が、設計誤差を自動的に補正する機能を備えていることを、図2を参照して説明する。図2(a)は、ノズルが設計通り配置された場合のエアの流れを示す側面図、同図(b)はノズルが図の右側にずれた場合のエアの流れを示す側面図である。設計通りにノズル構造体3が設置された場合、2個のノズル構造体3、3はローラ2を中心として左右対称の配置となる。その場合、主ノズル3aはローラ2,2の中央に位置し、副ノズル3bは真ん中のローラ2寄りに位置する。そのため、上記で説明した原理によりローラ2近傍で低圧領域5,6が発生し、主ノズル3aと副ノズル3bから噴射されたエアはローラ2のほぼ真上でガラス板Gに吹き付けられる(領域4)。
【0020】
ところが、実際の装置においては、ノズル構造体3の設置誤差が生じることがあり、例えば同図(b)に示すように、ノズル構造体3が図の右方向に若干ずれたものとする。この場合、補助ノズル3bから噴射されたエアにより、ローラ2近傍には、小さめの低圧領域5と大きめの低圧領域6とが発生する。その結果、主ノズル3aから噴射されたエアは、ローラ2のほぼ真裏に位置する領域4に当てることができ、ガラス板Gの浮揚力を充分に得ることができる。
【0021】
図3aは、ローラの中心化の距離とガラス板の面上の風力との関係(ノズルにずれがない場合)を示すグラフ、(b)ローラの中心からの距離とガラス板の面上の風圧との関係(ノズルにずれが生じた場合)を示すグラフである。ここではローラの直径を60mm、ガラス板の裏面からローラの最上端までの距離を150mm、ローラの最下端とノズルの先端までの距離を30mmとした場合のガラス板裏面に生じる風圧を数値シミュレーションした結果である。各ノズルからはは、1〜6kgf/cm2(≒98k〜588kPa)の高圧空気を噴射させるものとする。
【0022】
同図(a)に示すように、本実施の形態のノズルでは、ローラの真裏に2kPa程度の充分な風圧が得られていることがわかる。また、同図(b)に示すように、ノズル構造体を図の右方向に15mmずらしたとしても、本実施の形態のノズルは、ローラの真裏に2kPa弱の充分な風圧を生じていることがわかる。
【0023】
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。
図4は、本発明のその他の実施形態を示す側面図である。同図に示すように、ローラ2,2間の略中央に従来の1ノズルを備えたノズル構造体30を主ノズルとして設置し、ローラの2の真裏に同様のノズル30を副ノズルとして設置してもよい。
【0024】
図5は、本発明のその他の実施形態を示す側面図である。同図に示すように、ローラ2の下方に位置する2個の主ノズルと2個の副ノズルとを1個の配管に接続する構成としてもよい。
【0025】
図6は、本発明のその他の実施形態を示す側面図である。同図に示すように、ローラ2直下のノズル構造体として図1に示した2ノズルのノズル構造体32を用い、ローラ2,2間の略中央に従来の1ノズルのノズル構造体30,30を設置してもよい。
【0026】
このようにノズル構造体の形状および設置位置は、上記実施の形態に記載されたものに限られるものではなく、本発明の効果が得られる範囲で適宜設変更できる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明は、隣接した2本のローラ間の略中央に配設された主ノズルと、2本のローラの一方に寄せて配設された副ノズルとを備えることにより、ローラの真裏に位置するガラス板面にエアを吹き付けることができる。そのため、ガラス板に対して充分な浮揚力を与えることができるとともに、充分な力でガラス板を上部モールドに押し付けることができ、予備成形を確実に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施形態を示す側面図、(b)ノズル構造体の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】(a)ノズルが設計通り配置された場合のエアの流れを示す側面図、(b)ノズルが図の右側にずれた場合のエアの流れを示す側面図である。
【図3】(a)ローラの中心化の距離とガラス板の面上の風力との関係(ノズルにずれがない場合)を示すグラフ、(b)ローラの中心からの距離とガラス板の面上の風圧との関係(ノズルにずれが生じた場合)を示すグラフである。
【図4】本発明のその他の実施形態を示す側面図である。
【図5】本発明のその他の実施形態を示す側面図である。
【図6】本発明のその他の実施形態を示す側面図である。
【図7】従来の曲げ成形装置を示す断面図である。
【図8】従来の曲げ成形装置を示す上面図である。
【図9】従来のノズルの配置を示す側面図である。
【図10】従来の曲げ成形装置による曲げ成形手順を示す説明図である。
【符号の説明】
1:上部モールド
2:ローラ
3、3a、3b、3c:ノズル
4:エアの衝突領域
5、6:低圧領域
A:ローラ間距離の1/2
R:ローラの半径
G:ガラス板
Claims (5)
- 所定の成形面を下向きに有する上部モールドと、ガラス板の周縁を支持して前記成形面前記ガラス板を押し付けるためのリングと、所定間隔で並設された複数のローラで構成されかつ前記ガラス板を前記上部モールドの直下まで搬送するローラコンベアと、前記上部モールド直下のローラコンベアの下方に配設されかつエアの噴射により前記ガラス板を前記上部モールドの成形面まで浮上させるリフトジェット装置とを備え、
前記リフトジェット装置は、隣接した2本のローラ間の略中央に配設された主ノズルと、前記2本のローラの一方に寄せて配設された補助ノズルとを備えたことを特徴とするガラス板の曲げ成形装置。 - 前記主ノズルと前記補助ノズルとは、一体構造である請求項1に記載のガラス板の曲げ成形装置。
- 前記補助ノズルは、前記ローラの直下に配設されている請求項1に記載のガラス板の曲げ成形装置。
- 前記上部モールドは、前記ガラス板を吸着するための複数の吸気孔を有する請求項1に記載のガラス板の曲げ成形装置。
- 前記ガラス板は、自動車の窓ガラスの製造に用いられる請求項に記載1〜4の何れか一項に記載のガラス板の曲げ成形装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012528062A (ja) * | 2009-05-27 | 2012-11-12 | サン−ゴバン グラス フランス | 二重像化をほとんど有さないグレージング |
US9573833B2 (en) | 2014-03-31 | 2017-02-21 | Corning Incorporated | Method and lift jet floatation system for shaping thin glass |
EP3102545A4 (en) * | 2014-02-06 | 2017-08-23 | Glasstech, Inc. | Forming station and method for forming a hot glass sheet with transverse curvature |
CN110818234A (zh) * | 2019-11-22 | 2020-02-21 | 福耀玻璃(苏州)有限公司 | 一种大球面玻璃成型工艺 |
-
2002
- 2002-07-18 JP JP2002209717A patent/JP2004051404A/ja active Pending
Cited By (5)
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US10214440B2 (en) | 2014-02-06 | 2019-02-26 | Glasstech, Inc. | Method for forming a hot glass sheet with transverse curvature |
US9573833B2 (en) | 2014-03-31 | 2017-02-21 | Corning Incorporated | Method and lift jet floatation system for shaping thin glass |
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