JP2004050917A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】3点式シートベルトのショルダーベルト2に沿って展開し乗員の頭部側面で展開するエアバッグ1と、前記エアバッグ1に連設し、インフレータ5から発生したガスを前記エアバッグ1に導入するチューブ状エアバッグ4と、を備えてなるエアバッグ装置Aであって、前記エアバッグ1に前記ショルダーベルト2の通過するベルト通路6が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の乗物の乗員の安全を確保するエアバッグ装置に関し、特に、側面衝突及び/又は転覆事故のときに乗員を保護するエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車等の乗物事故では、前突に限らず、側突事故や転覆事故等が発生することがある。例えば、自動車の側突事故の場合、図7に示すように、乗員Pは、3点式のシートベルトBをしている場合であっても、左右方向への動きは拘束されておらず、図7の(a)〜(c)に示すように、その着座姿勢が推移する。そして、図7(c)に示すように、側頭部を自動車の側面ドアにぶつけ、頭部等を損傷することがある。
【0003】
また、転覆事故の場合、乗員Pは、3点式シートベルトBを装着している場合であっても、上下方向に拘束されないため、図8(a)〜(d)に示すように、乗員Pの着座姿勢は推移し、側頭部等を天井にぶつけ、頭部や頸部を損傷することがある。また、場合によっては車外放出される場合もある。特に、シートSの位置が後方でシートバックSbを倒した場合などの乗員Pに対してショルダーベルトBが浮いた状態では、ショルダーベルトBによる拘束状態が弱く、安全性がさらに低下することになる。
【0004】
このため、シートベルト以外の、乗員の安全保護装置として、インフレータカーテンやサイドエアバッグなどが提案されている。サイドエアバッグとしては、例えば、特表2002−503582号公報に記載のものがある。このものは、ピラーに取り付けられるウェブガイドによって支持され、このウェブガイドから延びる肩ベルトの一部を受け入れる通路を有したエアバッグを有してなるものである。このエアバッグは、同公報の図8aに示されているように、側面ガラス全体を覆う大掛かりな構造で、その構造も複雑で製造コストが高価になるという問題があった。また、一般に採用されているインフレータカーテンも、ルーフ全体に格納され、同様に側面ガラス全体を覆う大掛かりで複雑な構造となり、製造コストが高価になるという同様の問題を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、乗員の頭部及び肩を効果的に拘束することを目的に、ショルダーベルトと一体的にエアバッグを組み合せることで、簡易な構造で安全性が高く、製造コストの大幅な低減が可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明のエアバッグ装置は、3点式シートベルトのショルダーベルトに沿って展開し乗員の頭部側面で展開するエアバッグと、前記エアバッグに連設し、インフレータから発生したガスを前記エアバッグに導入するチューブ状エアバッグと、を備えてなるエアバッグ装置であって、前記エアバッグに前記ショルダーベルトの通過するベルト通路が形成されていることを特徴とする。
チューブ状エアバッグが設けられるとともに、エアバッグにショルダーベルトの通過する通路が形成されているため、エアバッグがショルダーベルトに沿って展開するとともに、エアバッグの展開位置が乗員の着座位置に合せて乗員の頭部側面で展開するよう調整される。
【0007】
また、本発明のエアバッグ装置は、前述の発明において、前記エアバッグは、展開時に乗員の肩に当接するように段部が設けられていることを特徴とする。
展開時に乗員の肩に当接するように段部が設けられているため、この段部によって乗員の肩を拘束するとともに、エアバッグを乗員の頭部側面で確実に展開させることができる。
【0008】
また、本発明のエアバッグ装置は、前述の発明において、前記エアバッグは、展開時に前記段部が乗員の肩に当接し、乗員の肩を拘束するとともに乗員の側頭部を保護することを特徴とする。
エアバッグに形成されている段部によって、乗員の肩を拘束するともに、乗員の側頭部を保護するため、側面衝突及び/又は転覆事故の場合に、効果的に乗員を保護することができる。
【0009】
また、本発明のエアバッグ装置は、前述の発明において、前記エアバッグと前記チューブ状エアバッグは、折り畳まれて前記ショルダーベルトのサッシュガイド部に収納されていることを特徴とする。
エアバッグはショルダーベルトのサッシュガイド部に折り畳まれて収納されるため、構造が簡易であり、製造コストを低減化することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るエアバッグ装置Aの実施形態の一例について説明する。図1は、本実施形態例に係るエアバッグ装置Aのエアバッグ1が、展開した状態を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態例に係るエアバッグ装置は、エアバッグ1が、3点式シートベルトのショルダーベルト2に沿って展開し、チューブ状エアバッグ4によってその展開位置が調整されて、乗員Pの頭部側面で展開するものである。
【0011】
エアバッグ装置Aは、図2に示すように、段部3を有する袋状のエアバッグ1と、このエアバッグ1に連設され、インフレータ5から発生したガスをエアバッグ1に導入するチューブ状エアバッグ4とを備えている。
【0012】
エアバッグ1に形成されている段部3は、エアバッグ1の展開の際にその展開方向における先端部の下方部に位置するように形成されている。そして、この段部3の展開方向に対して交差する面3aにショルダーベルト2(図1参照)が通過するベルト通路6が設けられている。このように、ベルト通路6が、段部3の展開方向に対して交差する面3aに形成されることによって、エアバッグ1が展開した際に、この段部3が乗員Pの肩に当接し、乗員Pの肩を拘束することができるようになる。また、段部3が乗員Pの肩に当接することによって、エアバッグ1の膨張、展開も拘束され、このエアバッグ1に連設されるチューブ状エアバッグ4に一定以上の負荷がかかり、チューブ状エアバッグ4は折れ曲がったり、挫屈しながら膨張、展開し、エアバッグ1の展開位置が調整され、乗員Pの頭部側面で展開するようになる。
【0013】
エアバッグ1及びチューブ状エアバッグ4にガスを供給するインフレータ5は、一般的なガス発生器に用いられるインフレータを用いることが可能である。また、インフレータ5は、インフレータ5に設けられているフランジ等の取り付け手段7によって車両のピラー部等に取り付けられて固定され、折り畳まれたエアバッグ装置Aとともにサッシュガイド部内に収納されている。そして、図示しない衝突センサー等に接続され、各衝突センサー等からの信号によって動作する。
【0014】
図3は、エアバック1及びチューブ状エアバッグ4がともに折り畳まれている状態を示す図である。エアバッグ装置Aは、通常、図3に示すように、コンパクトに折り畳まれた状態でサッシュガイド部に収納されている。そして、エアバッグ1に形成されているベルト通路6にショルダーベルト2が通っているため、乗員のシートベルト装着時にその操作性を妨げることもない。さらに、構造も大掛かりなものとはならず、低コストでの製造が可能となる。
【0015】
次に、本実施形態例に係るエアバッグ装置Aの作動について説明する。
図4は、側突事故時におけるエアバッグ装置Aの作動について示したものである。図4(a)に示す通常の状態で、側突事故が起こった場合、図示しない衝突センサーからの信号によって、エアバッグ1が乗員Pの頭部側面で膨張展開する(図4(b)参照)。さらに、乗員Pには、図4(c)に示すように、衝突時の加速度によって側面ドア側に体が傾斜するが、このとき、エアバッグ1が展開しており、乗員Pがシートベルトによってエアバッグ1の段部によって乗員の肩が拘束されるとともに、頭部側面が保護されている。このため、乗員Pが側頭部等を直接車体にぶつけることも予防でき、乗員Pの安全性が高まる。
【0016】
また、図5は、事故時におけるエアバッグ装置Aの作動について示したものである。図5(a)に示す通常の状態で、側突事故が起こった場合、図示しない衝突センサーからの信号によって、エアバッグ1が乗員Pの頭部側面で膨張展開する(図5(b)参照)。さらに、乗員Pには、図5(c)に示すように、転覆時に天井8側に移動しようとするが、このとき、エアバッグ1が展開しており、エアバッグ1の段部3によって乗員Pの肩が拘束されて、ショルダーベルト2を含むシートベルトとともに、乗員Pの天井側への移動を拘束する(図5(d)参照)。このため、乗員Pが頭部等を直接車体にぶつけることも予防でき、乗員Pの安全性が高まる。
【0017】
図6に、乗員Pの着座位置(シート位置)とチューブ状エアバッグ4の展開時の状態の関係を示す。図6(a)は、シートSが中間にある場合のチューブ状エアバッグ4の状態を示したものである。図6(b)はシートSが前方にある場合のチューブ状エアバッグ4の状態を示したものである。図6(c)はシートSが後方にある場合のチューブ状エアバッグ4の状態を示したものである。
【0018】
図6に示すように、エアバッグ1は、展開する際は、エアバッグ1に設けられているベルト通路6をガイドとして、ショルダーベルト2に沿って膨張、展開する。そして、ショルダーベルト2に沿って展開していくことで、段部3が乗員Pの肩と当接する。これによって、エアバッグ1はショルダーベルト2に沿って展開、移動せず、乗員Pの肩を拘束するようになる。このとき、インフレータ5からは所定量のガスが発生しつづけるが、チューブ状エアバッグ4がインフレータ5とエアバッグ1との間に設けられているため、折り曲げられたり(図6(a)の状態)、挫屈(図6(c)の状態)したりして、エアバッグ1が乗員Pの頭部側面に位置するように調整される。
【0019】
このように、本発明に係るエアバッグ装置は、エアバッグ1にショルダーベルト2が通過するベルト通路6が形成されており、これによって、エアバッグ1がショルダーベルト2に沿って展開するようになる。また、エアバッグ1には段部3が設けられており、ベルト通路6がこの段部3を通るように設けられていることから、エアバッグ1の展開時に段部3が確実に乗員の肩に当接し、乗員の肩を拘束するようになる。また、エアバッグ1が細いチューブ状エアバッグ4を介してインフレータ5と連結していることで、段部3が乗員の肩と当接することによって、このチューブ状エアバッグ4に一定以上の負荷がかかり、チューブ状エアバッグ4が折り曲げられたり、挫屈したりしながら膨張するため、エアバッグ1が乗員の頭部側面で常に展開するようになり、乗員の安全性が向上する。また、従来の側突用サイドエアバッグやインフレータカーテン等と比べて、構造が簡単で、大掛かりにならないため、低コストでの製造が可能となる。
【0020】
【発明の効果】
本発明のエアバッグ装置は以上のように構成されており、構造が簡単でありながら、乗員の頭部側面で確実に展開するとともに、乗員の肩を拘束し、転覆事故等の際の乗員のシート上での上下移動を拘束することができ効果的に乗員を保護することができる。また、構造が簡単で、大掛かりなものとならないため、低コストでの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアバッグ装置の展開した状態を示す説明図である。
【図2】本発明に係るエアバッグ装置の概略斜視図である。
【図3】本発明に係るエアバッグ装置が折り畳まれた状態を示す斜視図である。
【図4】側突事故の際の本発明に係るエアバッグ装置の作動説明図である。
【図5】転覆事故の際の本発明に係るエアバッグ装置の作動説明図である。
【図6】シート位置とチューブ状エアバッグの展開状態との関係を示す説明図である。
【図7】従来の側突事故の際の乗員の状態を示す説明図である。
【図8】従来の転覆事故の際の乗員の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
A エアバッグ装置
P 乗員
S シート
Sb シートバック
1 エアバッグ
2 ショルダーベルト
3 段部
3a 面
4 チューブ状シートベルト
5 インフレータ
6 ベルト通路
7 取り付け手段
Claims (4)
- 3点式シートベルトのショルダーベルトに沿って展開し乗員の頭部側面で展開するエアバッグと、前記エアバッグに連設し、インフレータから発生したガスを前記エアバッグに導入するチューブ状エアバッグと、を備えてなるエアバッグ装置であって、
前記エアバッグに前記ショルダーベルトの通過するベルト通路が形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 前記エアバッグは、展開時に乗員の肩に当接するように段部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
- 前記エアバッグは、展開時に前記段部が乗員の肩に当接し、乗員の肩を拘束するとともに乗員の側頭部を保護することを特徴とする請求項1又は2に記載のエアバッグ装置。
- 前記エアバッグと前記チューブ状エアバッグは、折り畳まれて前記ショルダーベルトのサッシュガイド部に収納されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
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JP2002209479A JP3773881B2 (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | エアバッグ装置 |
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JP2007181810A (ja) * | 2005-11-16 | 2007-07-19 | Samsung Electro Mech Co Ltd | キャップ分子が表面に結合しているナノ粒子用分散剤、これを用いたナノ粒子を分散させる方法、及びこれを含むナノ粒子含有薄膜 |
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2002
- 2002-07-18 JP JP2002209479A patent/JP3773881B2/ja not_active Expired - Fee Related
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