JP2004050159A - ポルフィリン系化合物及び金属ポルフィリン系化合物を吸着基材に吸着させた光感受性の殺藻、殺菌及び消臭複合体の製法とその機能の応用 - Google Patents

ポルフィリン系化合物及び金属ポルフィリン系化合物を吸着基材に吸着させた光感受性の殺藻、殺菌及び消臭複合体の製法とその機能の応用 Download PDF

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Abstract

【課題】人及び動物に悪影響を与えない太陽光及び白色灯の可視光線で励起して活性酸素群を発生させ、殺藻、殺菌及び消臭を行う新規な材料を提供する。
【解決手段】基材表面に吸着したポルフィリン系化合物及び金属ポルフィリン系化合物が水中又は空気中で可視光線により励起して、スーパーオキサイド、ヒドロキシルラジカルを発生し、空気中においては壁、床、天井及び空気中に発生する塵、悪臭を、水中においては殺藻、殺菌及び消臭をする新規な複合材料。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は鑑賞魚水槽、水族館水槽、魚介類養殖水槽、活魚水槽、活魚輸送水槽、貯水槽、池、湖沼、川、海及び水処理装置等及び空気浄化フィルター装置等に可視光線及び紫外線照射下において殺藻、殺菌及び消臭に関する水及び空気の浄化。
【0002】
【従来の技術】
ヘマトポルフィリンまたはその誘導体にレーザー光線を照射すると色素が光エネルギーを吸収し、励起され、そのエネルギーが三重項酸素にわたり一重項酸素にかわる。一重項酸素は細胞障害性が特に腫瘍細胞に強く、光力学療法に利用されている。また腫瘍細胞の殺傷作用、血管弛緩作用、神経伝達作用に関係する一酸化窒素をニッケルポルフィリン錯体で補足すると言うことからニッケルポルフィリン錯体と陽イオン交換樹脂でコートした炭素繊維電極のマイクロセンサーを用いた電流電圧計で血管内皮細胞由来の一酸化窒素を検出することもできた。
【0003】
しかしながら、ポルフィリン類は癌の光力学療法の他には光安定性が良くないこととポルフィリン類は水に溶解しにくいこともあり実用的な応用はなされていない。そのために安定化させる試みがなされてきた。例えば特公昭46−12309号公報では、クロロフィルをベントナイトに結合させて光に安定な複合体を開示している。しかしながら、この複合体粉末は水を加えた時、不透明にしか分散しない。また、特開平8−134366,Dyes and Pigments,Vol.28,No.1,pp. 77−82,1995には合成スメクタイトのような膨潤性合成粘土に、 クロロフィル類又はキサントフィル類のような水に不溶な天然色素が結合した複合体が可溶化して透明な水溶液とすることができ、かつ光に安定化されると報告している。しかしながら励起させる光線は紫外線であり、有害物質との吸着量の面からも充分ではなく更に改善の必要がある。
【0004】
紫外線照射での酸化チタン等の光触媒による殺藻、殺菌、消臭作用は従来から知られている。紫外線を酸化チタンに照射すると光励起によってスーパーオキサイドイオン(O )、ヒドロキシルラジカル(・OH)を生成し、殺藻、殺菌及び消臭を行う。水の浄化、空気の浄化は酸化チタンを形成して紫外線照射により行う技術である。
【0005】
しかし、紫外線は人、動物に対して悪影響を及ぼすことは知られているだけでなく、紫外線発生装置の使用後の廃棄等の処理が公害問題になっているほどである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、人、動物に悪影響を与えない太陽光、白色灯の可視光線で励起して活性酸素群を発生させ、殺藻、殺菌及び消臭を行うことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために基材表面に吸着したポルフィリン系化合物及び金属ポルフィリン系化合物が水中、空気中で可視光線照射で励起して、スーパーオキサイド、ヒドロキシルラジカルを発生することに着目した。本発明は、この知見の上に立ち空気中においては壁、床、天井及び空気中に発生する塵、悪臭を水中においては殺藻、殺菌及び消臭する。
【0008】
本発明は可視光線を利用するために、太陽光、白色灯と波長幅は広く人や動物に悪影響がなく安全性が高い。
【0009】
【発明の実施の形態】
ポルフィリン系化合物とは、ウロポルフィリン I・III、コプロポルフィリン I・II・III・IV、ヘマトポルフィリン、デューテロポルフィリン、プロトポルフィリン、メソポルフィリン、エチオポルフィリン、フタロシアニン等そしてこれらのアルコール類あるいはポリエチレングリコールやアミノ酸等とのエステル、エーテル、酸アミド、硫酸エステル誘導体、及び白金、パラヂウム、カドミウム、ニッケル、コバルト、銀、鉄、亜鉛、銅、錫、マンガン、チタン等との錯体である。特に、プロトポルフィリンやヘマトポルフィリン及びその誘導体の金属錯体が好適に用いられる。
【0010】
吸着基材とは、膨潤性合成粘土(合成スメクタイトで以下スメクタイトと称する)、ゼオライト(人工及び天然物を含む)、ベントナイト、糖質を含む加工品、パルプ、木材チップ、及び合成繊維との混紡等である。
膨潤性合成粘土としては、合成スメクタイト、特にヘラクトライト型、サポナイト型、スチブンサイト型のものが市販されている。特にNa0.33(Mg2.67Li0.33)Si10(OH)の構造式を有するスメクタイトが好適に用いられる。また、上記結晶構造中のOH ̄がF ̄で同型置換された合成物フッ素雲母膨潤型(SWF)や膨潤型ナトリウム四ケイ素雲母、膨潤型のNa又はLi型テニオライト、あるいはNa又はLi型ヘクトライトが知られており、このような膨潤性合成粘土はすべて用いることができる。
【0011】
ポルフィリン系化合物及び金属ポルフィリン系化合物と吸着基材の重量比は0.2/100〜100/100である。
【0012】
本発明品は、これらのポルフィリン系化合物または金属ポルフィリン系化合物をベンゼン、トルエン、アセトンまたはアルコール等の有機溶媒に溶解し、これに吸着基材を添加して吸着させて複合体を沈殿物として、この沈殿物を減圧乾燥して得る。
【0013】
本発明品は、容易に製造でき、熱力学的に安定で、水に溶解せず固体かゲル状であるため水中、空気中で可視光線、紫外線照射でスーパーオキサイドを発生させるので、このスーパーオキサイドが殺藻、殺菌及び消臭する。吸着基材は本発明品の形成の他、チオール化合物、アミン化合物、アルデヒド化合物等の有害物質の吸着剤としての働きもあるものと思われる。このため、鑑賞魚水槽、水族館水槽、魚介類養殖水槽、活魚水槽、活魚輸送水槽、貯水槽等の水処理の他、有害ガスや有害物質を吸着し、空気清浄に用いられる。更に、冷陰極光ランプからでる紫外線等の光触媒作用により、例えばエアーフィルターとして用いて環境中の有害ガス、工業用エチレンガス、果実等の農産物からでるエチレンガスの処理等の脱臭、分解に用いられ実用化されている酸化チタンの光触媒作用による強力な酸化分解作用と本発明品の作用を相乗的に利用することにも期待される。
本発明の複合体の物性、作用は通常用いられる方法によるものであり下記のように行われる。
【0014】
(本発明品の光照射によるテトラゾリウム塩の還元量の測定)
▲1▼Ishii et al.;Res Chem Intermed.,23,819(1997)、▲2▼Ishiyama etc.;Chem PharmBull.,41,1119(1993)方法で、テトラゾリウム塩の還元量スーパーオキサイド量を示す。本発明品の0.1Mリン酸塩緩衝液(pH7.8)10ml懸濁液及び2.5mgテトラゾリウム塩(water  soluble tetrazolium)を添加する。25℃で60w 白熱ランプを距離3cmで120分間、攪拌しつつ光を照射する(光強度 200 Jm−2−1)。438nmにおける吸光度(島津社 MPS−2000)を測定する。テトラゾリウム塩の光還元量は濃度(C)=吸光度(A)/分子吸光係数(ε=3.7x10−1.cm−1)で求めた。
【0015】
(本発明品の光照射による藻の繁殖抑制)
金魚を飼育している池の水を250ml採取してこれに本発明品を加えて25℃で40w蛍光ランプで距離 15cmで、24時間連続照射して藻の繁殖を肉眼と濁度(550nmでの吸光度)で測定する。濁度の増加は肉眼的に観察し藻の繁殖との関係を観察する。
【0016】
(本発明品の光照射による殺藻作用)
本発明品の光照射による藻の繁殖抑制実験の10日目の対照液(吸光度550nmで0.7)250mlに本発明品を加えて25℃で40w蛍光ランプで距離15cmで、24時間連続照射して吸光度550nmを測定する。
【0017】
(本発明品の光照射による殺菌作用)
大腸菌/LBメデューム 5μlと本発明品の5mMリン酸塩緩衝液(pH6.8)2.5ml懸濁液を加えて、37℃で40w蛍光ランプで距離 12cmで6時間照射する。その後、LB寒天培地(シャーレ直径 9cm)に100μlを植菌し、37℃で培養し15時間後にコロニー数を測定する。
【0018】
▲1▼廃ガス中の窒素酸化物(NO,NO)の定量法としては、亜鉛還元ナフチルエチレンジアミン吸光光度法及びフェノールジスルホン酸吸光光度法(JISK 0104−1984、廃ガス中の窒素酸化物分析方法)で行う。▲2▼アンモニウムイオンは、中和滴定法、インドフェノールブルー吸光光度法およびイオン電極法を用いる方法(JIS K 0102−1986、工場排水試験方法;並木博編“詳解・工場排水試験方法”日本規格協会、1986)で行う。▲3▼硫化水素および硫化水素として遊離できる硫黄化合物はメチレンブルー法(L.Gustafsson、Talanta、4、227、1960)が用いられる。▲4▼硫黄酸化物の代表である二酸化硫黄(SO)はパラローザニリン法(E.H.Hansen、Anal.Chim.Acta、114、19、1980)またはスルホナゾIII法(O.Kondo et al、Anal.Chim.Acta、134、353、1982)を用いる。▲5▼チオール化合物はN−置換マレイミド化合物を用いる方法(T.Sekine et al、Anal.Biochem、48、557、1972;奈良安規ら、分化、22、451、1973)を用いる。
【0019】
【実施例】
以下に実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 ポルフィリン系化合物及び金属ポルフィリン系化合物の吸着基材との複合体の調製
(プロトポルフィリン−合成スメクタイトの調製)
ビーカーにプロトポルフィリンNa塩0.22mgをアセトン40ml溶解し、スメクタイト300mgを入れて60分攪拌して吸着させる。沈殿を遠心分離後、アセトンで洗浄し、減圧下乾燥してプロトポルフィリン−スメクタイト複合体300mgを得た(Lot.PP−SME−1)。同様に、表1の条件で調製した。
吸着量は、遠心上清液の400nmにおける吸光度を測定し、その減少率から計算した。保存は、遮光密封して4℃中で行う。
【0020】
【表1】
Figure 2004050159
【0021】
(プロトポルフィリン−人工ゼオライトの調製)
球状または楕円状の直径0.5cmから1.0cmのゼオライト100gをメタノール200mlに入れ、プロトポルフィリンNa塩 4.34mgを加え6N塩酸3mlを加える。反応液全体を減圧下濃縮し、水で洗浄し更に微粉状態の沈殿物を除去する。減圧下乾燥してプロトポルフィリン−ゼオライトを得た。吸着量は洗浄水と微粉状沈殿物を併せて1N 水酸化ナトリウムとなるように水酸化ナトリウムを加えてろ過し、400nmの吸光度を測定し未反応のプロトポルフィリンを計算した(Lot PP−ZEO−1)。収量100.2g、プロトポルフィリン結合量 4.3mg/100g、保存は、遮光密封して4℃中で行う。
【0022】
(フタロシアニン及び金属フタロシアニン−スメクタイトの調製)
29H,31H−フタロシアニン5.15mgをメタノール50mlに溶解し、スメクタイト300mgを入れて2時間反応した。沈殿を遠心分離してメタノール引き続きアセトンで洗浄し、減圧下乾燥してフタロシアニン−スメクタイト302.3mgを得た(Lot.PH−SME−1)。上清液の700nmの吸光度から未反応のフタロシアニンを計算し、結合量を求めると、4.98mg/300mg スメクタイトであった。コバルト(II)フタロシアニン5.71mgをメタノール100mlに溶解し、スメクタイト30mgを入れて2時間反応した。沈殿を遠心分離してメタノール引き続きアセトンで洗浄し、減圧下乾燥してコバルト(II)フタロシアニン302.1mgを得た(Lot.PH(Co−II)−SME−1)。上静液の700nmの吸光度から未反応のコバルト(II)フタロシアニンを計算し、結合量を求めると、5.5mg/300mgスメクタイトであった。
【0023】
実施例2 プロトポルフィリン−スメクタイトの光照射によるテトラゾリウム塩の還元量
実施例1で調製したプロトポルフィリン−スメクタイトLot PP−SME−1、2,3,6,及び7 12mgに2.5mgのテトラゾリウムの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)10ml水溶液を加えて25℃で60w白色電灯を照射し、2時間後438nmで吸光度を測定し、還元量を測定した。図1に示すように還元量は結合したプロトポルフィリンの量に比例して増加した。このことは生じた活性酸素でテトラゾリウム塩がフォルマザンになり、還元量を示し、活性酸素発生量は結合プロトポルフィリン量に比例して増加した。
【0024】
(プロトポルフィリン−スメクタイトの光照射によるテトラゾリウム塩の還元に対するSODの影響)
実施例1で調製したLot PP−SME−1 12mgに2.5mgのテトラゾリウムの0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液10ml水溶液を加えて25℃で60w白色電灯を照射する。120分間15分毎にテトラゾリウム塩の還元量を測定すると図2中のAに示すようになり、30分目にSOD(Cu,Zn−スーパーオキシドジスムターゼ)を250unitを加えると図2中のBの曲線を示した。このことは、活性酸素を生じSODで消去されたことが認められた。
【0025】
(プロトポルフィリン−スメクタイトの光照射によるテトラゾリウム塩の還元に対する遮光の影響)
実施例1で調製したLot PP−SME−1 12mgに2.5mgのテトラゾリウムの0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液10ml水溶液を加えて25℃で60w白色電灯を照射する。その際、0−30分遮光、30−60分照射、60−90分遮光そして90−120分照射と繰り返した。その時のテトラゾリウム塩の還元を測定した結果を図3に示した。遮光で明らかにテトラゾリウム塩の還元が停止することが明らかである。
【0026】
実施例3 本発明品の光照射による藻の繁殖抑制
金魚を飼育している池の水250mlを採取して、実施例1で調製したLotPP−SME−6を30mgを加えて25℃で40w蛍光ランプを距離15cmで24時間連続照射して藻の繁殖を肉眼と濁度(550nmでの吸光度)で測定した。その結果を図4に示した。図4において、藻の繁殖度(550nm吸光度)は、何も加えない場合(対照)は□で、スメクタイトのみは●で、本発明品は○で示した。この結果、本発明品のみが藻の繁殖を抑制したことが認められた。
【0027】
実施例4 本発明品の光照射による殺藻作用
実施例3の10日目の対照液(吸光度550nmで0.7)250mlに本発明品Lot PP−SME−6を30mg加えて25℃で40w蛍光ランプを距離15cmで24時間連続照射して吸光度550nmを測定した。図4中、△に示すようにわずかずつではあるが藻が消失していく様子が認められ、殺藻作用があることが認められた。
【0028】
実施例5 本発明品の光照射による殺菌作用
5mM リン酸緩衝液(pH6.8)2.5mlに大腸菌/LBメディム5μlを加え、これに本発明品Lot PP−SME−1を1.52mg(PPとして 1×10−6mmol)、1.73mg(1.5x10−6mmol)、3.45mg(3×10−6mmol)、6.9mg(6×10−6mmol)、10mg(8.7×10−6mmol)を加えて37℃、40W白色電灯を15cmの距離で6時間照射して培養する。その後、LB寒天培地(直径9cm ×厚さ0.5cm)に上記培養液100μlを植菌し、37℃で15時間培養してコロニー数を測定した。図5に示すように、プロトポルフィリンの添加量が増加するに従って大腸菌のコロニー数が減少した。光照射によって本発明品の殺菌効果が認められた。
【0029】
実施例6 本発明品の光照射による消臭効果
メルカプトエタノール1.615mg(2.605×10−2mmol)を50%メタノール100mlに溶解し、その10ml(2.605×10−3mmol)にスメクタイト 30mg、本発明品Lot PP−SME−1 30mg(プロトポルフィリン 2.6×10−5mmol)を加えて室温で60w白色電灯を15cm距離で6時間照射して嗅覚による臭いと奈良らの方法で測定した。表2に示すように、スメクタイトのみでも若干、消臭するがこれはスメクタイトがメルカプトエタノールを吸着したためと思われる。一方、本発明品は全く無臭になると共に奈良らの方法でメルカプトエタノールは存在しなかった。光照射によりメルカプトエタノールが分解されたものと推察された。
【0030】
【表2】
Figure 2004050159
【0031】
実施例7 本発明品を使用した魚飼育実験
18リットル(30×30×17cm)のジェックス社製の水槽に水道水を1日間汲み置きしカルキを消滅させた水を入れ、蛍光灯(11wジェックス社製)を連続点灯させる。空気は水中ポンプ(ジェックス社製、簡単ラクラクフィルター300)で時間あたり360リットル循環自然溶解方式で供給する。水循環フィルター(ジェックス社製、簡単ラクラク300)を用いた外掛式ろ過で行う。水の補給は水道水を1日汲み置きし1ヶ月毎に3リットル補給する。餌はテトラプランクトン(テトラペルケ社製)を毎朝、毎晩0.2g与え、水温は25±1℃にヒーターで制御する。このような条件にした二つの水槽に魚(ネオンテトラ)を10匹づつ入れ、一方は、本発明品(実施例1 Lot PP−ZEO−1)を1か月に5個(約5.2g)を投入していく。対照は本発明品を投入しないで観察した。ガラス表面のスライム(藻)の占める面積の割合をスライム割合(%)で表した。結果は、表3に示したが対照は2〜3ヶ月で水槽のガラス表面が藻で殆どすべてが覆われているにもかかわらず、魚は死ぬことはなかった。本発明品投入水槽は若干の藻による汚れは見られたがそれ以上進展することはなかった。本発明品投入水槽に生育した藻は対照の藻と種類の違いがあるように推察された。水質は本発明品投入によりCODは低く、総窒素量も減少していたがゾウリムシ等の原始ベン毛生物の種類や数は対照と同様で、これ以上の高級生物(当然、魚も含む)は本発明品投入による活性酸素には影響されないものと判断された。本発明品投入水槽中の魚は死ぬことはないのみか対照に比較してより多くの二世が誕生し、元気に生育している。
【0032】
【表3】
Figure 2004050159
【0033】
【発明の効果】
ポルフィリン系化合物及び金属ポルフィリン系化合物を吸着基材に吸着させた本発明品は容易に製造でき、光感受性で殺藻、殺菌及び有害物質の吸着、分解をする。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はプロトポルフィリン−スメクタイトの光照射によるテトラゾリウム塩の還元量を示す。プロトポルフィリン−スメクタイトに光照射されると活性酸素が発生し、テトラゾリウム塩がフォルマザンとなり438nmに吸収を示し、プロトポルフィリン結合量の増加に比例して還元量(活性酸素量)が増加する。
【図2】図2はプロトポルフィリン−スメクタイトの光照射によるテトラゾリウム塩の還元に対するSODの影響を示す。光照射時間を増加させることにより、テトラゾリウム塩の還元量の増加が見られる(●;A曲線)が、光照射30分目から15分毎にテトラゾリウム塩の還元量を測定し、30分目にSODを250ユニットを加えることにより光還元量が停止することを表し、光照射で生じた活性酸素をすかさずSODが消去したことを表す(○:B曲線)。
【図3】図3は、プロトポルフィリン−スメクタイトの光照射によるテトラゾリウム塩の還元に対する遮光の影響を示す。プロトポルフィリン−スメクタイトにテトラゾリウム塩を加えて遮光するとテトラゾリウム塩の還元は起こらない(0−30分)が、光照射(30−60分)で光還元量が増加し、再度、遮光する(60−90分)ことにより光還元量が停止する。再度、光照射(90−120分)で還元量が増加することを表す。
【図4】図4は、プロトポルフィリン−スメクタイトの光照射による藻の繁殖抑制作用を示す。池の水に何も加えない(□:Blank)場合、スメクタイトのみを加え(●:スメクタイト)て光照射をすると藻は繁殖し、濁度(550nm吸光度)が増加する。一方、プロトポルフィリン−スメクタイトを添加(○:プロトポルフィリン−スメクタイト)して光照射すると、藻の繁殖は激減する。このことは、プロトポルフィリン−スメクタイトの光照射で活性酸素が生じて藻の繁殖を抑制したことを表す。また、何も添加しないで10日間光照射して藻が繁殖した時点でプロトポルフィリン−スメクタイトを添加し光照射すると藻はゆっくりではあるが、茶色に変色しつつ次第に減少していく(点線)ことを表す。プロトポルフィリン−スメクタイト添加でして繁殖した藻、何も添加せず繁殖した藻のプロトポルフィリン添加で残った藻は、なにも添加しなかった異常繁殖した藻や一度繁殖しプロトポルフィリン−スメクタイトで消失した藻とは種類が異なるようである。
【図5】図5は、一度、大腸菌とプロトポルフィリン−スメクタイトとを混合して光照射し、更に寒天培地上で得られた大腸菌のコロニー数からプロトポルフィリンの殺菌作用を示す。明らかにプロトポルフィリン−スメクタイト量の増加に反比例して大腸菌が殺菌されたことを表す。

Claims (5)

  1. ポルフィリン系化合物及び金属ポルフィリン系化合物を吸着基材に吸着させた光感受性の殺藻、殺菌及び消臭複合体。
  2. ポルフィリン系化合物が、ウロポルフィリン I・III、コプロポルフィリン I・II・III・IV、ヘマトポルフィリン、デューテロポルフィリン、プロトポルフィリン、メソポルフィリン、エチオポルフィリン、フタロシアニン等そしてこれらのアルコール類、あるいはポリエチレングリコールやアミノ酸等とのエステル、エーテル、酸アミド、硫酸エステル誘導体及び白金、パラヂウム、カドミウム、ニッケル、コバルト、銀、鉄、亜鉛、銅、鈴、マンガン、チタン等との錯体である請求項1記載の殺藻、殺菌及び消臭複合体。
  3. 吸着基材は膨潤性合成粘土、ゼオライト、ベントナイト、糖質を含む加工品、パルプ、木材チップ及び合成繊維との混紡繊維等で、これらの群から選ばれた基材に請求項2から選ばれたポルフィリン系化合物または金属ポルフィリン系化合物を吸着させた請求項1の殺藻、殺菌及び消臭複合体。
  4. 請求項3に記載した基材が粒状、板状、粉末、繊維状、多孔質状である請求項3から選ばれた基材に請求項2から選ばれたポルフィリン系化合物または金属ポルフィリン系化合物を吸着した請求項1の殺藻、殺菌及び消臭複合体。
  5. 鑑賞魚水槽、水族館水槽、魚介類養殖水槽、活魚水槽、活魚輸送水槽、貯水槽、空気浄化フィルター等に使用する請求項1の殺藻、殺菌及び消臭複合体。
JP2002238628A 2002-07-17 2002-07-17 ポルフィリン系化合物及び金属ポルフィリン系化合物を吸着基材に吸着させた光感受性の殺藻、殺菌及び消臭複合体の製法とその機能の応用 Pending JP2004050159A (ja)

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