JP2004050051A - ジョークラッシャ - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、ジョークラッシャにおいて、固定歯板と可動歯板の間隙を容易に調整可能とするセット調整装置と、トグルプレート及びチークプレートを安全且つ容易に交換できる消耗部品交換装置を実現することを目的とする。
【解決手段】固定歯板２２と、該固定歯板２２に対向して設けられた可動歯板２３と、前記固定歯板２２と可動歯板２３との間隔を調整可能とするセット調整装置を具備したジョークラッシャにおいて、機体に設けられた後部支持部材３０の下面に第１ブラケット３９を設け、テンションロッド２７を引っ張る方向に付勢する圧縮ばね３８を押圧するばね押え３７と前記第１ブラケット３９との間に第２の油圧シリンダ４０を設け、該第２油圧シリンダ４０によりばね押え３７を介して圧縮ばね３８を押圧可能として成るように構成する。
【選択図】　　　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はジョークラッシャに関する。詳しくは、ジョークラッシャの固定歯板と可動歯板との間隔を調整する装置、及びトグルプレート、チークプレート等の消耗部品を交換する装置を有するジョークラッシャに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のジョークラッシャを図６に示す。同図において、符号１は機体、２は該機体１に固定された固定歯板、３は該固定歯板に対向して設けられた可動歯板、４は該可動歯板３を固定したジョーである。そして該ジョー４は、機体１に設けられた偏心軸５に上部を支持され、下部をトグルプレート６とテンションロッド７により支承されている。また符号８は前記固定歯板１と可動歯板２の左右に配置されたチークプレートであり、この３者でＶ字形の破砕室９を形成している。
【０００３】
また、前記機体１には後部支持部材１０が設けられ、該後部支持部材１０には調整板１１を介してテールブロック１２が設けられ、該テールブロック１２が前記トグルプレート６の一方端を支持している。また、該後部支持部材１０には内部に油圧シリンダ１３が設けられ、該油圧シリンダ１３は押棒１４を介して前記テールブロック１２を押圧し調整板１１の交換を可能としている。
【０００４】
また、後部支持部材１０の下面にはばね受け部材１５が設けられ、テンションロッド７にナット１６により支承されたばね押え１７と前記ばね受け部材１５との間に圧縮ばね１８が挿入されてテンションロッド７を矢印Ａ方向に引っ張る方向に付勢し、これによりトグルプレート６をテールブロック１２に押圧している。
【０００５】
このように構成された従来のジョークラッシャは、偏心軸５を回転させることにより、ジョー４が上下に動きながら左右に揺動し、破砕室９に供給された岩石等を固定歯板２と可動歯板３とにより破砕することができる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のジョークラッシャにおいて、固定歯板２と可動歯板３とが磨耗した場合、該固定歯板２と可動歯板３の間隙を調整する必要がある（１〜２週間に１回程度）が、その調整の都度、テンションロッド７のナット１６を緩めて、テールブロック１２を油圧シリンダ１３にて前方に押し出し、こうして生じた隙間に調整板１１を挿入後、再度元のようにナット１６を締め付けて適正な引っ張り力を与えるようにしている。しかしこの調整はナット１６が圧縮ばね１８で押圧されているため、その緩め及び締め付けには相当の力を要し、労力と時間が掛かり面倒であるという問題がある。
【０００７】
また、装置の使用時間が長くなる（１年程度）と、トグルプレート６及びチークプレート８が磨耗し、その交換が必要となるが、トグルプレート６の交換にはテンションロッド７の引っ張り力を緩め、且つジョー４を時計方向に移動させる必要がある。また、チークプレート８は破砕物によって変形されているため、その取り外しには相当な力を要し、労力と時間が掛かり面倒であるという問題がある。
【０００８】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、固定歯板と可動歯板の間隙を容易に調整可能とし、また、トグルプレート及びチークプレートを容易に交換可能とすることによりジョークラッシャのメンテナンス性を向上することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項１のジョークラッシャは、上部を偏心軸２５で揺動可能に支持され下部をトグルプレート２６とテンションロッド２７とにより支承されたジョー２４と、該ジョー２４に固定された可動歯板２３と、該可動歯板２３に対向して機体２１に設けられた固定歯板２２と、該固定歯板２２と可動歯板２３とで形成されるＶ字形の破砕室２９の側壁となるチークプレート２８と、前記トグルプレート２６を支持するテールブロック３２と機体２１に設けられた後部支持部材３０と、該テールブロック３２を押圧することができる第１油圧シリンダ３３を有する後部支持部材３０とが機体２１に設けられてなるジョークラッシャのセット調整装置において、前記後部支持部材３０の下面に第１ブラケット３９を設け、前記テンションロッド２７を引っ張る方向に付勢する圧縮ばね３８を押圧するばね押え３７と前記第１ブラケット３９との間に第２油圧シリンダ４０を設け、該第２油圧シリンダ４０によりばね押え３７を介して圧縮ばね３８を押圧可能としたことを特徴とする。また、請求項２は、前記テンションロッド２７の適正引っ張り力を具現できるように、ばね押え３７の両側付近に、圧縮ばね３８の適正圧縮位置を指示する指標部材４１を配設したことを特徴とする。
【００１０】
この構成を採ることにより、固定歯板と可動歯板との間隙を容易に調整可能とし、メンテナンス性を向上できる。
【００１１】
また、請求項３は、上部を偏心軸２５で揺動可能に支持され下部をトグルプレート２６とテンションロッド２７とにより支承されたジョー２４と、該ジョー２４に固定された可動歯板２３と、該可動歯板２３に対向して機体２１に設けられた固定歯板２２と、該固定歯板２２と可動歯板２３とで形成されるＶ字形の破砕室２９の側壁となるチークプレート２８を具備したジョークラッシャ２０において、機体２１の後部に設けられた後部支持部材３０の上面に第２ブラケット４２を固定し、該第２ブラケット４２に第３油圧シリンダ４３を取付け、且つ、該第３油圧シリンダ４３のピストンロッドにジョー押棒４４を取付け、該第３油圧シリンダ４３を作動させることにより、前記ジョー押棒４４の先端でジョー２４を押圧し、固定歯板方向に移動させ、前記トグルプレート２６を交換可能としたことを特徴とする。また、請求項４は、上部を偏心軸２５で揺動可能に支持され下部をトグルプレート２６とテンションロッド２７とにより支承されたジョー２４と、該ジョー２４に固定された可動歯板２３と、該可動歯板２３に対向して機体２１に設けられた固定歯板２２と、該固定歯板２２と可動歯板２３とで形成されるＶ字形の破砕室２９の側壁となるチークプレート２８を具備したジョークラッシャ２０において、機体２１の上部に第４油圧シリンダ４６を設置し、該第４油圧シリンダ４６のピストンロッドにチークプレート２８に設けられた孔２８ａに係合可能な爪４７を有する引き上げ部材４８を設け、該爪４７を前記チークプレート２８に設けられた孔２８ａに係合し、第４油圧シリンダ４６を作動させることにより前記チークプレート２８を引き上げ可能としたことを特徴とする。
【００１２】
この構成を採ることにより、トグルプレート及びチークプレートを容易に交換可能とし、メンテナンス性を向上できる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
図１は本発明のジョークラッシャの第１の実施の形態を示す図で、（ａ）側面断面図、（ｂ）は（ａ）図のＺ矢視図である。本実施の形態は、同図（ａ）に示すように、図６で説明した従来例と同様なジョークラッシャに設けられて固定歯板と可動歯板との間隔を調整可能とするものである。
【００１４】
従ってジョークラッシャ２０は、図６で説明した従来例と同様な構成であり、機体２１と、該機体２１に固定された固定歯板２２と、該固定歯板２２に対向して設けられた可動歯板２３と、該可動歯板２３を固定したジョー２４と、該ジョー２４の上部を支持した偏心軸２５と、下部を支承したトグルプレート２６と、ジョー２４の下部を固定歯板２２から離れる方向に引っ張るテンションロッド２７と、前記固定歯板２１と可動歯板２２の左右に配置されたチークプレート２８と、前記機体２１に設けられた後部支持部材３０と、該後部支持部材３０に調整板３１を介して設けられたテールブロック３２と、該テールブロック３２に設けられた第１油圧シリンダ３３と、前記テンションロッド２７を引っ張る方向に付勢する圧縮ばね３８とを具備している。
【００１５】
本実施の形態におけるセット調整装置は、図１（ａ）（ｂ）に示すように、後部支持部材３０の下面に第１ブラケット３９を設け、該第１ブラケット３９にばね押え３７を押圧することができる第２油圧シリンダ４０を設けている。なお、前記ばね押え３７はＵの字形状に折曲形成されている。このように構成された本実施の形態の作用を図１及び図２により説明する。
【００１６】
図２（ａ）はジョークラッシャが正常な状態の時の本実施の形態の状態であり、第２油圧シリンダ４０はばね押え３７を押圧していない。次に、固定歯板２２と可動歯板２３間の間隔を調整する場合は、図２（ｂ）の如く、第２油圧シリンダ４０を作動させてばね押え３７を押圧しばね押え３７とナット３６とを隔離させる。これによりナット３６は手でも容易に回転することができ、ばね押え３７とナット３６との間隔を大きくすることができる。これによりテンションロッド２７は自由となりジョー２４を引っ張らないため後部支持部材３０の第１油圧シリンダ３３によりテールブロック３２を押し出すことができ、調整板３１を所望の間隔とすることができる厚さの調整板と交換して歯板間の間隔を調整することができる。
【００１７】
次に、歯板間の間隔調整後、ジョー２４を引っ張るテンションロッド２７の引っ張り力を適正値にセットする必要があるが、これを図３により説明する。図３において、符号３０は後部支持部材であり、該後部支持部材３０の下面に、ばね受け部材３５より所定距離離して指標部材４１を設けておく。なお、この指標部材４１はジョークラッシャの運転中は（ｃ）図の如く折り曲げてばね押え３７に接触しないように退避できるようになっている。
【００１８】
そして図３（ａ）の如くナット３６が緩められた状態から、第１油圧シリンダ３３を伸長させることによりばね押え３７を指標部材４１まで押圧し、ナット３６を図３（ｂ）の如くばね押え３７に密接するまで締め込んだ後、第１油圧シリンダ３３をを縮小させる。これにより圧縮ばね３８は所定寸法に圧縮されてテンションロッド２７を所定の引っ張り力で引っ張ることができる。また指標部材４１により、調整のたびにばね長さを計る必要がなく、容易且つ確実に調整が可能となる。
【００１９】
図４は本発明のジョークラッシャの第２の実施の形態のを示す図で、（ａ）側面断面図、（ｂ）は（ａ）図のＺ矢視図である。本実施の形態は、トグルプレートを交換可能とする装置であり、同図（ａ）に示すように、図６で説明した従来例と同様なジョークラッシャに設けられている。そして、本実施の形態は、同図に示すように、後部支持部材３０の上面に第２ブラケット４２を設け、該第２ブラケット４２に第３油圧シリンダ４３を取付ける。また該第３油圧シリンダ４３のピストンロッドにジョー押棒４４を取付けるとともに、ジョー２４の後面に前記ジョー押棒４４の先端を受ける押棒受け４５を設ける。
【００２０】
このように構成された本実施の形態の作用を次に説明する。先ず、前記第２油圧シリンダ４０でばね押え３７を押圧し圧縮ばね３８を圧縮し図２（ｂ）の状態としてジョー２４を自由にしておく。次に第３油圧シリンダ４３を作動させジョー押棒４４を押し出して押棒受け４５を介してジョー２４を矢印Ｂ方向に回動させジョー２４とテールブロック３２との間隔を広げる。これによりトグルプレート２６を安全且つ容易に取り出し、新しいものと交換することができる。
【００２１】
図５は本発明のジョークラッシャの第３の実施の形態のを示す図で、（ａ）側面断面図、（ｂ）は（ａ）図のｂ−ｂ線における断面図である。本実施の形態は、チークプレートを交換可能とする装置が設けられており、同図（ａ）に示すように、図６で説明した従来例と同様なジョークラッシャに設けられている。そして、本実施の形態は、同図に示すように、機体２１に垂直に第４油圧シリンダ４６を固定し、そのピストンロッドに、先端に爪４７を有する逆Ｌ字形の引上げ部材４８を取付けている。
【００２２】
このように構成された本実施の形態は、図５（ｂ）に示すように引上げ部材４８の爪４７をチークプレート２８に設けられている孔２８ａに係合させ、その状態で該４油圧シリンダ４６を作動させて引上げ部材４８を上方に移動させればチークプレート２８を上方に引き上げることができる。チークプレート２８はくさび状の形状であり、上辺を除く周囲を溝にはめ込まれているため、始めは力を要するが動きはじめれば容易に引き抜くことができ、新品と交換することができる。
【００２３】
【発明の効果】
本発明に依れば、油圧シリンダを用いた簡単な構成で、ジョークラッシャの歯板間の間隔調整、及びトグルプレートの交換、及びチークプレートの交換といった時間、労力を要する作業を容易化し、ジョークラッシャのメンテナンス性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のジョークラッシャの第１の実施の形態を示す図で、（ａ）は側面断面図、（ｂ）は（ａ）図のＺ矢視図である。
【図２】本発明のジョークラッシャの第１の実施の形態の作用を説明するための図で、（ａ）はジョークラッシャが正常な状態、（ｂ）は第２油圧シリンダによりばね押えを押圧した状態を示す図である。
【図３】本発明のジョークラッシャの第１の実施の形態におけるテンションロッド引っ張り用の圧縮ばねを設定するための指標部材を示す図である。
【図４】本発明のジョークラッシャの第２の実施の形態の実施の形態を示す図で、（ａ）は側面断面図、（ｂ）は（ａ）図のＺ矢視図である。
【図５】本発明のジョークラッシャの第３の実施の形態を示す図で、（ａ）は側面断面図、（ｂ）は（ａ）図のｂ−ｂ線における断面図である。
【図６】従来のジョークラッシャの構成を示す図である。
【符号の説明】
２０…ジョークラッシャ
２１…機体
２２…固定歯板
２３…可動歯板
２４…ジョー
２５…偏心軸
２６…トグルプレート
２７…テンションロッド
２８…チークプレート
２９…破砕室
３０…後部支持部材
３１…調整板
３２…テールブロック
３３…第１油圧シリンダ
３４…押棒
３５…ばね受け部材
３６…ナット
３７…ばね押え
３８…圧縮ばね
３９…第１ブラケット
４０…第２油圧シリンダ
４１…指標部材
４２…第２ブラケット
４３…第３油圧シリンダ
４４…ジョー押棒
４５…押棒受け
４６…第４油圧シリンダ
４７…爪
４８…引上げ部材

Claims (4)

1. 上部を偏心軸（２５）で揺動可能に支持され下部をトグルプレート（２６）とテンションロッド（２７）とにより支承されたジョー（２４）と、該ジョー（２４）に固定された可動歯板（２３）と、該可動歯板（２３）に対向して機体（２１）に設けられた固定歯板（２２）と、該固定歯板（２２）と可動歯板（２３）とで形成されるＶ字形の破砕室（２９）の側壁となるチークプレート（２８）と、前記トグルプレート（２６）を支持するテールブロック（３２）と機体（２１）に設けられた後部支持部材（３０）と、該テールブロック（３２）を押圧することができる第１油圧シリンダ（３３）を有する後部支持部材（３０）とが機体（２１）に設けられてなるジョークラッシャにおいて、
   前記後部支持部材（３０）の下面に第１ブラケット（３９）を設け、前記テンションロッド（２７）を引っ張る方向に付勢する圧縮ばね（３８）を押圧するばね押え（３７）と前記第１ブラケット（３９）との間に第２油圧シリンダ（４０）を設け、該第２油圧シリンダ（４０）によりばね押え（３７）を介して圧縮ばね（３８）を押圧可能としたことを特徴とするジョークラッシャ。
2. 前記テンションロッド（２７）の適正引っ張り力を具現できるように、ばね押え（３７）の両側付近に、圧縮ばね（３８）の適正圧縮位置を指示する指標部材（４１）を配設したことを特徴とする請求項１記載のジョークラッシャ。
3. 上部を偏心軸（２５）で揺動可能に支持され下部をトグルプレート（２６）とテンションロッド（２７）とにより支承されたジョー（２４）と、該ジョー（２４）に固定された可動歯板（２３）と、該可動歯板（２３）に対向して機体（２１）に設けられた固定歯板（２２）と、該固定歯板（２２）と可動歯板（２３）とで形成されるＶ字形の破砕室（２９）の側壁となるチークプレート（２８）を具備したジョークラッシャ（２０）において、
   機体（２１）の後部に設けられた後部支持部材（３０）の上面に第２ブラケット（４２）を固定し、該第２ブラケット（４２）に第３油圧シリンダ（４３）を取付け、且つ、該第３油圧シリンダ（４３）のピストンロッドにジョー押棒（４４）を取付け、該第３油圧シリンダ（４３）を作動させることにより、前記ジョー押棒（４４）の先端でジョー（２４）を押圧し、固定歯板方向に移動させ、前記トグルプレート（２６）を交換可能としたことを特徴とするジョークラッシャ。
4. 上部を偏心軸（２５）で揺動可能に支持され下部をトグルプレート（２６）とテンションロッド（２７）とにより支承されたジョー（２４）と、該ジョー（２４）に固定された可動歯板（２３）と、該可動歯板（２３）に対向して機体（２１）に設けられた固定歯板（２２）と、該固定歯板（２２）と可動歯板（２３）とで形成されるＶ字形の破砕室（２９）の側壁となるチークプレート（２８）を具備したジョークラッシャ（２０）において、
   機体（２１）の上部に第４油圧シリンダ（４６）を設置し、該第４油圧シリンダ（４６）のピストンロッドにチークプレート（２８）に設けられた孔（２８ａ）に係合可能な爪（４７）を有する引き上げ部材（４８）を設け、該爪（４７）を前記チークプレート（２８）に設けられた孔（２８ａ）に係合し、第４油圧シリンダ（４６）を作動させることにより前記チークプレート（２８）を引き上げ可能としたことを特徴とするジョークラッシャ。

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