JP2004050033A - 最終処分場の早期安定化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】最終処分場の埋立地内の有害物質を簡易な構成で効率的に無害化し、最終処分場の早期安定化を図ることができる技術を提供する。
【解決手段】最終処分場1の埋立地2において、ゼオライトを混合した表層3より鉛直方向に埋立地2の底面付近まで適宜の間隔で鉛直方向にボーリング孔4を削孔し、埋立地2内から排出した有害ガスを表層3に混合したゼオライトにより吸着・固定させて無害するとともに、埋立地2内に流入した空気によって埋立地2内の好気性分解を活性化させることにより、埋立地2の早期安定化を図る。
【選択図】 図1
【解決手段】最終処分場1の埋立地2において、ゼオライトを混合した表層3より鉛直方向に埋立地2の底面付近まで適宜の間隔で鉛直方向にボーリング孔4を削孔し、埋立地2内から排出した有害ガスを表層3に混合したゼオライトにより吸着・固定させて無害するとともに、埋立地2内に流入した空気によって埋立地2内の好気性分解を活性化させることにより、埋立地2の早期安定化を図る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、早期に最終処分場を安定化させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、不燃性又は難燃性の都市ごみ、都市ごみや下水スラッジ等を焼却した後に生じる焼却灰等は、最終処分場において埋立処理することが行われている。かかる最終処分場には、埋立を行う廃棄物の種類により、安定型最終処分場、管理型最終処分場、遮断型最終処分場の3つのタイプがある。各々のタイプの最終処分場の構造基準、維持管理基準及び廃止基準は、「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令」に定められ、環境汚染や事故が生じないような対策が講じられてきた。しかしながら、近年最終処分場において硫化水素が発生したり、埋立跡地において発生したメタンガスに引火するといった問題が生じてきている。また、埋立跡地を早期に有効利用するため、埋立地の早期安定化が望まれている。そこで、最終処分場において、埋立地内の有害物質を無害化し、埋立地内の好気性分解又は嫌気性分解を活性化させ、埋立地の早期安定化を図る技術が求められている。
【0003】
従来の最終処分場の早期安定化技術としては、特開2001−321737号公報、特開2001−334250号公報に記載のものが知られている。
【0004】
特開2001−321737号公報に記載の技術は、最終処分場の埋立地外周に連続遮水壁を設け、その後連続遮水壁に囲まれた埋立地内をJST工法等により固化するものである。これにより、埋立地からの有害物質の流出を防止するとともに、地盤の支持力を強化して埋立地の早期安定化を図るものである。
【0005】
特開2001−334250号公報に記載の技術は、最終処分場の埋立地内に立坑や斜坑を設け、2つの立坑に亘って埋立地内に水平にゼオライトを主成分とする汚染物質捕捉材を内包した捕捉体を埋設し、埋立地内に浸透した水がこの捕捉体に浸入すると、汚染物質捕捉材で浸透水中の有害物質を捕捉し、この汚染物質捕捉材を立坑や斜坑から抜き取って排出することにより、埋立地内部の有害物質を除去し、埋立地の早期安定化を図るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2001−321737号公報に記載の技術は、一般に最終処分場の埋立地の土質が不均一なため、連続遮水壁の施工が不十分となって埋立地から有害物質が外部へ流出したり、JST工法等による固化が不十分となって埋立地の地盤支持力が不足するという問題が考えられる。
【0007】
一方、特開2001−334250号公報に記載の技術は、捕捉体に浸入した浸透水中からの有害物質の捕捉はできるが、埋立地内に浸透した水の多くは捕捉体と捕捉体の間をすり抜けて捕捉体より下方に移動するため捕捉効果が低く、埋立地の安定化に時間を要するという問題が考えられる。また、捕捉体の交換時期の確定が難しいという問題が考えられる。さらに、立坑又は斜坑から捕捉体を挿入又は引き抜く場合に、メタンガスや硫化水素等が発生し、作業を困難にするという問題が考えられる。
【0008】
そこで、本発明は上記従来の技術の問題を取り除くために為されたものであり、その目的とするところは、最終処分場の埋立地の有害物質を簡易な構成で効率的に無害化し、埋立地内の好気性分解又は嫌気性分解を活性化して、埋立地の早期安定化を図ることができる技術を提供することにある。
【0009】
また、他の目的は、最終処分場の埋立地内の有害物質を低廉なコストにより無害化し、埋立地内の好気性分解又は嫌気性分解を活性化して、埋立地の早期安定化を図ることができる技術を提供することにある。
【0010】
さらに、他の目的は、最終処分場の埋立地内の有害物質を従来廃棄物として処分されていた焼却灰等を有効活用して無害化し、埋立地内の好気性分解又は嫌気性分解を活性化して、埋立地の早期安定化を図ることができる技術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するための本発明の最終処分場の早期安定化方法の第1の構成は、最終処分場の埋立地において、ゼオライトと土壌を混合した表層と、前記表層から前記埋立地の底面付近まで適宜の間隔で削孔したボーリング孔を備えており、前記ボーリング孔を通じて前記埋立地内から排出した有害ガスを、前記ゼオライトに吸着・固定させるとともに、前記埋立地内に流入した空気によって、前記埋立地内の好気性分解を活性化させることを特徴とする。
【0012】
この構成により、以下のような作用が得られる。ゼオライトと土壌を混合した表層を形成することにより、最終処分場の埋立地内から漏洩する硫化水素やメタンガス等の有害ガスをゼオライトにより吸着・固定して無害化する。また、雨水が表層より埋立地内に浸透する時に表層のゼオライトが浸透水中に溶出して埋立地内に浸透し、埋立地内のダイオキシン類や重金属類等の有害物質を吸着・固定して無害化するとともに、ゼオライトに吸着した金属の触媒作用により埋立地内の好気性分解を活性化し、好気性分解を促進する。さらに、表層から鉛直方向に埋立地の底面付近までボーリング孔を適宜の間隔で削孔することにより、埋立地内の硫化水素やメタンガス等の有害ガスを自然に排除して、表層のゼオライトにより吸着・固定して無害化するとともに、埋立地内へ空気を自然に流入させ、埋立地内の好気性分解を活性化して埋立地の安定化を促進する。
【0013】
本発明の最終処分場の早期安定化方法の第2の構成は、前記第1の構成において前記埋立地の表層に散水して、前記ゼオライトを前記埋立地内に溶出させて、前記埋立地内の有害物質を吸着・固定させるとともに、前記埋立地内の嫌気性分解を活性化させることを特徴とする。
【0014】
この構成により、以下のような作用が得られる。埋立地の表層に散水することにより、表層に混合したゼオライトが埋立地内全体に均一に溶出し、埋立地内の有害物質を効率的に吸着・固定して埋立地を更に無害化するとともに、ゼオライトの触媒作用により埋立地内の好気性分解を活性化し、好気性分解を更に促進する。さらに、浸透水が埋立地内に均一に浸透することにより、外気との遮断効果が増強されて埋立地内を強制的に嫌気性環境にするので、埋立地内の嫌気性分解を促進し、埋立地の安定化を促進する。なお、埋立地内に溶出したゼオライトは、嫌気性分解によって発生した有害ガスを吸着・固定して無害化する。
【0015】
本発明の最終処分場の早期安定化方法の第3の構成は、前記ゼオライトは、焼却灰又はアルミノ珪酸塩を含む組成物を熱アルカリ処理して生成されるゼオライトを用いることを特徴とする。
【0016】
この構成により、以下のような作用が得られる。この構成により生成されるゼオライト、所謂人工ゼオライトは、天然ゼオライトに比べて比表面積が大きく、吸着能力、吸油能力、陽イオン交換能力等に優れている。そのため、埋立地内の有害物質をより多く吸着・固定できるとともに、埋立地内の好気性分解、嫌気性分解で発生した有害ガスの吸着・固定を更に促進する。また、人工ゼオライトは、従来廃棄物として処理されるていた焼却灰等を原料として使用するため、原料が安価であり、合成ゼオライトと比べて低廉なコストで製造することができ、同時に廃棄物のリサイクルをすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施の形態)
図1は本発明の第1の構成に係る最終処分場の早期安定化方法を表す模式図であり、図2は前記第1の構成において表層にゼオライトを混合している状況を表す図であり、図3は前記第1の構成において表層から鉛直方向にボーリング孔を削孔している状況を表す図であり、図4は本発明の第1の構成に係る最終処分場の安定化の状況を表す概念図であり、図5は本発明の第2の構成に係る最終処分場の早期安定化方法を表す模式図である。
【0019】
図1において、第1の構成に係る最終処分場の早期安定化方法は、最終処分場1の埋立地2においてゼオライトを混合して形成した50cm乃至150cmの厚さの表層3と、表層3から20m乃至60mの間隔で、φ150mm乃至φ300mmの孔径で、埋立地2の底面付近まで鉛直方向に削孔したボーリング孔4とを備えている。
【0020】
まず、表層3の形成方法について簡単に説明する。図2において、まず、最終処分場1の埋立地2の表面をゼオライトの混入量に応じて区画割りし、バックホウ6等にてゼオライトを入れたトンパック5を各区画毎に配置する。次に、各区画毎に配置したトンパック5を人力にて開封した後バックホウ6等にて各区画毎に散布し、表面より50cm乃至150cmの厚さをバックホウ6等にて均一に撹拌し混合する。最後に、ブルドーザ7等にて転圧し表面を整正して表層3を形成する。なお、ゼオライトの混入量については、最終覆土部分の土質等により決定されるので、現地にて試料を採取し室内試験をして決定する。
【0021】
ここで、「最終処分場」とは、廃棄物を埋立ることにより最終的に処分する場所のことを言い、前述したようにの3つのタイプがあるが、ここでは何れかのタイプに限定するものではない。「早期安定化」とは、埋立地に強制的に生物作用又は物理化学的作用を与えて分解・無害化を促進し、安定化を早めて早期跡地利用を図ることを言う。通常、廃棄物は、埋立地内の生物作用や物理化学作用により分解・無害化されて周辺環境に悪影響を与えなくなると同時に、一般土壌と同様な安定化した構造を有する物質に変わるが、自然の状態では非常に長い時間(5〜10年)を要する。このことは、公害防止上又は跡地利用上問題であり、埋立地取得の大きな障害となっている。「埋立地」とは、最終処分場に投入された廃棄物等を埋め立てて形成した地盤をいう。「ゼオライト」とは、SiO4AlO4の4面体における3次元の網目結晶構造のため、結晶中に多数の空洞を持つ多孔質物質であり、結晶構造や構成成分により、吸着・脱臭能力や陽イオン交換能力等を有する。地力増進法で法定土壌改良資材として認定されている天然ゼオライト、人工的に製造する合成ゼオライト、人工ゼオライトがある。ここでは、何れのゼオライトを使用してもよいが、特に低廉なコストで製造ができ、かつ有害物質の無害0cm乃至150cmの厚さ」とは、一般に最終覆土の厚さは、覆土の目的、埋立処分するごみの種類と形状、覆土材の種類、周辺環境条件等により決定するが、将来芝・低木の植樹を行う場合、0.5m以上を標準とし、中・高木の植樹を行う場合、1.0m以上を標準とする。よって、有害ガスの漏洩防止、埋立地内部へのゼオライトの補給等を考慮し、標準の厚さより0.5mだけ厚くする。
【0022】
次に、ボーリング孔4の設置方法について簡単に説明する。図3において、まず、ボーリング孔4を削孔する位置の芯だしを行う。次に、ボーリングマシン8のロッド9を芯だしした部分にセットし、埋立地2の底面部分に敷設してある遮水シート等を損傷しないようφ150mm乃至φ300mmの孔径で、表面から鉛直方向に埋立地2の底面より1m程度浅い位置まで削孔する。最後に、ロッド9を埋立地2より引き抜いて撤去し、表層3の天端をキャッピングする。ボーリング孔4が自立しない場合は、必要に応じて塩ビ管等を削孔した部分に挿入する。以上の作業を、20m乃至60mの間隔で埋立地2全域に対して行う。なお、ボーリング孔4は、埋立地2内の有害ガスを除去するとともに埋立地2内の好気性分解を活性化するために設置するが、場合によっては観測井戸として用いてもよい。
【0023】
ここで、「φ150mm乃至φ300mmの孔径」「20m乃至60mの間隔」とは、埋め立てられた廃棄物中の有機物は、埋立地内のバクテリア等によって腐敗・分解され、安定化する過程で様々なガスを発生する。この分解過程は、関与するバクテリアによって異なり、大きくは空気中の酸素を必要とするバクテリアの作用による好気性分解と空気中の酸素を必要としないバクテリアの作用による嫌気性分解とに分けられる。実際の埋立地においては、埋立地全体を好気的環境に保つことは事実上不可能であり、部分的に嫌気的環境になることは避けられない。よって、嫌気性分解によって発生するメタン、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素、硫化メチル、メチルメルカプタン等が生成し、火災や爆発の原因になったり、埋め立て作業の障害や立木の枯死等周辺環境に悪影響を及ぼす可能性を有するので、適切な措置が必要である。ここに、発生ガス処理施設を設置する意義が発生し、一般的には個別方式の竪形ガス抜き設備が設置される。最終処分場を新設する場合は、埋立の工程に応じて埋立地の底面から順次竪形ガス抜き設備を立ち上げていくので問題はないが、本実施の形態のように既設の最終処分場を改良する場合は、竪孔を埋立地表面より形成しなけれならず、その一施工方法としてボーリング孔の削孔が考えられる。ガス抜き設備の構造や配置間隔については、埋立地内におけるガスの発生量及び流動機構を知る必要があり、また埋立地内部の透気係数等の各種パラメータを考慮することが必要となる。ガス発生機構には廃棄物の不均一性、経年的な分解、降雨・気温等の自然条件等複雑な要因が関係しているので、理論的に厳密に決定することは困難である。よって、これまでの実施事例を参考に、埋立深さ、覆土厚さ、埋立地の形状、埋立作業条件等を考慮して決定する。これまでの実施事例によると、小規模な埋立地では20m乃至30m程度、大規模な埋立地では40m乃至50mが目安となっているが、本発明ではゼオライトの効果等を考慮して実施事例よりも間隔を広げ、20m乃至60mの間隔とする。孔径については、φ100mmからφ1000mm程度まであるが、施工性を考えるとφ400mm程度以下が好ましく、本実施の形態のように既設の最終処分場を改良する場合は、ボーリング孔を削孔するので、φ150mm乃至φ300mmとする。
【0024】
最後に、図4を参照しながら安定化の状況について説明する。まず、埋立地2の表面より硫化水素やメタンガス等の有害ガスが漏洩しないようにゼオライトを混合した表層3を50cm乃至150cmの厚さに形成する。次に、表層3より20m乃至60mの間隔で、φ150mm乃至φ300mmの孔径で、埋立地2の底面付近まで鉛直方向にボーリング孔4を削孔し、埋立地2内の有害ガスを自然に排除するとともに、埋立地2内に外気を流入させて埋立地2内の好気性環境を改善する。埋立地2内の有害ガスは、改良層3を透過時に改良層3に混合されたゼオライトにより吸着・固定されて無害化する。また、埋立地2内の好気性環境が改善されることにより、埋立地内の好気性分解を活性化して、埋立地2の早期安定化を図る。なお、埋立地2内部の透気係数等のより前記の作用がうまく働かない場合は、強制的に有害ガスを排除又は外気を流入してもよい。
【0025】
図5において、第2の構成に係る最終処分場の早期安定化方法は、最終処分場1の埋立地2において、浸出水観測用井戸10に設置した水中ポンプ11と、浸出水をノッチタンク13まで送る送水管12と、ノッチタンク13の浸出水を埋立地2表面に散水する散水管14とを備えている。
【0026】
ここで、図5を参照しながら早期安定化方法について説明する。図5において、まず埋立地2内の浸出水観測用井戸10の浸出水を水中ポンプ11にて汲み上げ、埋立地2の上方に設置したノッチタンク13まで送水管12を介して圧送する。次に、ノッチタンク13より散水管14を介して浸出水を埋立地2の表層3全面に均一に散水する。これにより、表層3に混合したゼオライトが浸透水中に溶出して埋立地2内に均一に浸透し、埋立地2内のダイオキシン類や重金属類等の有害物質を吸着・固定し無害化するとともに、埋立地2内の好気性分解を促進する。さらに、外気との遮断効果が増強され、埋立地2内の嫌気性環境を強制的に形成して嫌気性分解を促進し、埋立地2の早期安定化を図る。なお、ノッチタンク13から散水管14への送水は、自然流下を原則とするが、動水勾配が確保できない場合はポンプにて圧送する。また、表層に散水する水の供給源としては埋立地内の浸出水でもよいし、埋立地外部の地下水や水道水でもよいが、浸出水が豊富に得られるのであれば浸出水を利用するのが好ましい。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明の最終処分場の早期安定化方法の第1の構成によれば、最終処分場の埋立地表層にゼオライトを混合した後にボーリング孔を削孔するので、埋立地からの硫化水素やメタンガス等の有害ガスの漏洩が防止でき、安全に作業ができる。また、ゼオライトを混合した表層とボーリング孔という簡易な構成なので、設置及び維持管理が楽にできる。さらに、ボーリング孔を削孔することにより埋立地内の有害ガスの無害化や好気性分解が促進されるので、最終処分場の埋立地の早期安定化が図れる。
【0028】
本発明の最終処分場の早期安定化方法の第2の構成によれば、最終処分場の埋立地表層に散水することにより、表層に混合したゼオライトが浸透水に溶出して埋立地内に均一に浸透し、埋立地内の有害物質を吸着・固定するとともに、埋立地内の好気性分解を活性化するので、埋立地の無害化を更に促進できる。また、浸透水が埋立地内に均一に浸透して嫌気性分解を促進するので、埋立地の更なる早期安定化が図れる。
【0029】
本発明の最終処分場の早期安定化方法の第3の構成によれば、人工ゼオライトは吸着能力や陽イオン交換能力が大きいので、効率的に埋立地の無害化及び早期安定化が図れる。さらに、人工ゼオライトは、飛灰(フライアッシュ)、クリンカアッシュ等の本来廃棄物として処分されるものを原料とするため、安価に製造できるので低廉な価格で埋立地の無害化及び早期安定化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の構成に係る最終処分場の早期安定化方法の構成を表す模式図
【図2】表層にゼオライトを混合している状況を表す図
【図3】表層から鉛直方向にボーリング孔を削孔している状況を表す図
【図4】本発明の第1の構成に係る最終処分場の安定化の状況を表す概念図
【図5】本発明の第2の構成に係る最終処分場の早期安定化方法の構成を表す模式図
【符号の説明】
1 最終処分場
2 埋立地
3 表層
4 ボーリング孔
5 ゼオライトを入れたトンパック
6 バックホウ
7 ブルドーザ
8 ボーリングマシン
9 ロッド
10 浸出水観測用井戸
11 水中ポンプ
12 送水管
13 ノッチタンク
14 散水管
【発明の属する技術分野】
本発明は、早期に最終処分場を安定化させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、不燃性又は難燃性の都市ごみ、都市ごみや下水スラッジ等を焼却した後に生じる焼却灰等は、最終処分場において埋立処理することが行われている。かかる最終処分場には、埋立を行う廃棄物の種類により、安定型最終処分場、管理型最終処分場、遮断型最終処分場の3つのタイプがある。各々のタイプの最終処分場の構造基準、維持管理基準及び廃止基準は、「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令」に定められ、環境汚染や事故が生じないような対策が講じられてきた。しかしながら、近年最終処分場において硫化水素が発生したり、埋立跡地において発生したメタンガスに引火するといった問題が生じてきている。また、埋立跡地を早期に有効利用するため、埋立地の早期安定化が望まれている。そこで、最終処分場において、埋立地内の有害物質を無害化し、埋立地内の好気性分解又は嫌気性分解を活性化させ、埋立地の早期安定化を図る技術が求められている。
【0003】
従来の最終処分場の早期安定化技術としては、特開2001−321737号公報、特開2001−334250号公報に記載のものが知られている。
【0004】
特開2001−321737号公報に記載の技術は、最終処分場の埋立地外周に連続遮水壁を設け、その後連続遮水壁に囲まれた埋立地内をJST工法等により固化するものである。これにより、埋立地からの有害物質の流出を防止するとともに、地盤の支持力を強化して埋立地の早期安定化を図るものである。
【0005】
特開2001−334250号公報に記載の技術は、最終処分場の埋立地内に立坑や斜坑を設け、2つの立坑に亘って埋立地内に水平にゼオライトを主成分とする汚染物質捕捉材を内包した捕捉体を埋設し、埋立地内に浸透した水がこの捕捉体に浸入すると、汚染物質捕捉材で浸透水中の有害物質を捕捉し、この汚染物質捕捉材を立坑や斜坑から抜き取って排出することにより、埋立地内部の有害物質を除去し、埋立地の早期安定化を図るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2001−321737号公報に記載の技術は、一般に最終処分場の埋立地の土質が不均一なため、連続遮水壁の施工が不十分となって埋立地から有害物質が外部へ流出したり、JST工法等による固化が不十分となって埋立地の地盤支持力が不足するという問題が考えられる。
【0007】
一方、特開2001−334250号公報に記載の技術は、捕捉体に浸入した浸透水中からの有害物質の捕捉はできるが、埋立地内に浸透した水の多くは捕捉体と捕捉体の間をすり抜けて捕捉体より下方に移動するため捕捉効果が低く、埋立地の安定化に時間を要するという問題が考えられる。また、捕捉体の交換時期の確定が難しいという問題が考えられる。さらに、立坑又は斜坑から捕捉体を挿入又は引き抜く場合に、メタンガスや硫化水素等が発生し、作業を困難にするという問題が考えられる。
【0008】
そこで、本発明は上記従来の技術の問題を取り除くために為されたものであり、その目的とするところは、最終処分場の埋立地の有害物質を簡易な構成で効率的に無害化し、埋立地内の好気性分解又は嫌気性分解を活性化して、埋立地の早期安定化を図ることができる技術を提供することにある。
【0009】
また、他の目的は、最終処分場の埋立地内の有害物質を低廉なコストにより無害化し、埋立地内の好気性分解又は嫌気性分解を活性化して、埋立地の早期安定化を図ることができる技術を提供することにある。
【0010】
さらに、他の目的は、最終処分場の埋立地内の有害物質を従来廃棄物として処分されていた焼却灰等を有効活用して無害化し、埋立地内の好気性分解又は嫌気性分解を活性化して、埋立地の早期安定化を図ることができる技術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するための本発明の最終処分場の早期安定化方法の第1の構成は、最終処分場の埋立地において、ゼオライトと土壌を混合した表層と、前記表層から前記埋立地の底面付近まで適宜の間隔で削孔したボーリング孔を備えており、前記ボーリング孔を通じて前記埋立地内から排出した有害ガスを、前記ゼオライトに吸着・固定させるとともに、前記埋立地内に流入した空気によって、前記埋立地内の好気性分解を活性化させることを特徴とする。
【0012】
この構成により、以下のような作用が得られる。ゼオライトと土壌を混合した表層を形成することにより、最終処分場の埋立地内から漏洩する硫化水素やメタンガス等の有害ガスをゼオライトにより吸着・固定して無害化する。また、雨水が表層より埋立地内に浸透する時に表層のゼオライトが浸透水中に溶出して埋立地内に浸透し、埋立地内のダイオキシン類や重金属類等の有害物質を吸着・固定して無害化するとともに、ゼオライトに吸着した金属の触媒作用により埋立地内の好気性分解を活性化し、好気性分解を促進する。さらに、表層から鉛直方向に埋立地の底面付近までボーリング孔を適宜の間隔で削孔することにより、埋立地内の硫化水素やメタンガス等の有害ガスを自然に排除して、表層のゼオライトにより吸着・固定して無害化するとともに、埋立地内へ空気を自然に流入させ、埋立地内の好気性分解を活性化して埋立地の安定化を促進する。
【0013】
本発明の最終処分場の早期安定化方法の第2の構成は、前記第1の構成において前記埋立地の表層に散水して、前記ゼオライトを前記埋立地内に溶出させて、前記埋立地内の有害物質を吸着・固定させるとともに、前記埋立地内の嫌気性分解を活性化させることを特徴とする。
【0014】
この構成により、以下のような作用が得られる。埋立地の表層に散水することにより、表層に混合したゼオライトが埋立地内全体に均一に溶出し、埋立地内の有害物質を効率的に吸着・固定して埋立地を更に無害化するとともに、ゼオライトの触媒作用により埋立地内の好気性分解を活性化し、好気性分解を更に促進する。さらに、浸透水が埋立地内に均一に浸透することにより、外気との遮断効果が増強されて埋立地内を強制的に嫌気性環境にするので、埋立地内の嫌気性分解を促進し、埋立地の安定化を促進する。なお、埋立地内に溶出したゼオライトは、嫌気性分解によって発生した有害ガスを吸着・固定して無害化する。
【0015】
本発明の最終処分場の早期安定化方法の第3の構成は、前記ゼオライトは、焼却灰又はアルミノ珪酸塩を含む組成物を熱アルカリ処理して生成されるゼオライトを用いることを特徴とする。
【0016】
この構成により、以下のような作用が得られる。この構成により生成されるゼオライト、所謂人工ゼオライトは、天然ゼオライトに比べて比表面積が大きく、吸着能力、吸油能力、陽イオン交換能力等に優れている。そのため、埋立地内の有害物質をより多く吸着・固定できるとともに、埋立地内の好気性分解、嫌気性分解で発生した有害ガスの吸着・固定を更に促進する。また、人工ゼオライトは、従来廃棄物として処理されるていた焼却灰等を原料として使用するため、原料が安価であり、合成ゼオライトと比べて低廉なコストで製造することができ、同時に廃棄物のリサイクルをすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施の形態)
図1は本発明の第1の構成に係る最終処分場の早期安定化方法を表す模式図であり、図2は前記第1の構成において表層にゼオライトを混合している状況を表す図であり、図3は前記第1の構成において表層から鉛直方向にボーリング孔を削孔している状況を表す図であり、図4は本発明の第1の構成に係る最終処分場の安定化の状況を表す概念図であり、図5は本発明の第2の構成に係る最終処分場の早期安定化方法を表す模式図である。
【0019】
図1において、第1の構成に係る最終処分場の早期安定化方法は、最終処分場1の埋立地2においてゼオライトを混合して形成した50cm乃至150cmの厚さの表層3と、表層3から20m乃至60mの間隔で、φ150mm乃至φ300mmの孔径で、埋立地2の底面付近まで鉛直方向に削孔したボーリング孔4とを備えている。
【0020】
まず、表層3の形成方法について簡単に説明する。図2において、まず、最終処分場1の埋立地2の表面をゼオライトの混入量に応じて区画割りし、バックホウ6等にてゼオライトを入れたトンパック5を各区画毎に配置する。次に、各区画毎に配置したトンパック5を人力にて開封した後バックホウ6等にて各区画毎に散布し、表面より50cm乃至150cmの厚さをバックホウ6等にて均一に撹拌し混合する。最後に、ブルドーザ7等にて転圧し表面を整正して表層3を形成する。なお、ゼオライトの混入量については、最終覆土部分の土質等により決定されるので、現地にて試料を採取し室内試験をして決定する。
【0021】
ここで、「最終処分場」とは、廃棄物を埋立ることにより最終的に処分する場所のことを言い、前述したようにの3つのタイプがあるが、ここでは何れかのタイプに限定するものではない。「早期安定化」とは、埋立地に強制的に生物作用又は物理化学的作用を与えて分解・無害化を促進し、安定化を早めて早期跡地利用を図ることを言う。通常、廃棄物は、埋立地内の生物作用や物理化学作用により分解・無害化されて周辺環境に悪影響を与えなくなると同時に、一般土壌と同様な安定化した構造を有する物質に変わるが、自然の状態では非常に長い時間(5〜10年)を要する。このことは、公害防止上又は跡地利用上問題であり、埋立地取得の大きな障害となっている。「埋立地」とは、最終処分場に投入された廃棄物等を埋め立てて形成した地盤をいう。「ゼオライト」とは、SiO4AlO4の4面体における3次元の網目結晶構造のため、結晶中に多数の空洞を持つ多孔質物質であり、結晶構造や構成成分により、吸着・脱臭能力や陽イオン交換能力等を有する。地力増進法で法定土壌改良資材として認定されている天然ゼオライト、人工的に製造する合成ゼオライト、人工ゼオライトがある。ここでは、何れのゼオライトを使用してもよいが、特に低廉なコストで製造ができ、かつ有害物質の無害0cm乃至150cmの厚さ」とは、一般に最終覆土の厚さは、覆土の目的、埋立処分するごみの種類と形状、覆土材の種類、周辺環境条件等により決定するが、将来芝・低木の植樹を行う場合、0.5m以上を標準とし、中・高木の植樹を行う場合、1.0m以上を標準とする。よって、有害ガスの漏洩防止、埋立地内部へのゼオライトの補給等を考慮し、標準の厚さより0.5mだけ厚くする。
【0022】
次に、ボーリング孔4の設置方法について簡単に説明する。図3において、まず、ボーリング孔4を削孔する位置の芯だしを行う。次に、ボーリングマシン8のロッド9を芯だしした部分にセットし、埋立地2の底面部分に敷設してある遮水シート等を損傷しないようφ150mm乃至φ300mmの孔径で、表面から鉛直方向に埋立地2の底面より1m程度浅い位置まで削孔する。最後に、ロッド9を埋立地2より引き抜いて撤去し、表層3の天端をキャッピングする。ボーリング孔4が自立しない場合は、必要に応じて塩ビ管等を削孔した部分に挿入する。以上の作業を、20m乃至60mの間隔で埋立地2全域に対して行う。なお、ボーリング孔4は、埋立地2内の有害ガスを除去するとともに埋立地2内の好気性分解を活性化するために設置するが、場合によっては観測井戸として用いてもよい。
【0023】
ここで、「φ150mm乃至φ300mmの孔径」「20m乃至60mの間隔」とは、埋め立てられた廃棄物中の有機物は、埋立地内のバクテリア等によって腐敗・分解され、安定化する過程で様々なガスを発生する。この分解過程は、関与するバクテリアによって異なり、大きくは空気中の酸素を必要とするバクテリアの作用による好気性分解と空気中の酸素を必要としないバクテリアの作用による嫌気性分解とに分けられる。実際の埋立地においては、埋立地全体を好気的環境に保つことは事実上不可能であり、部分的に嫌気的環境になることは避けられない。よって、嫌気性分解によって発生するメタン、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素、硫化メチル、メチルメルカプタン等が生成し、火災や爆発の原因になったり、埋め立て作業の障害や立木の枯死等周辺環境に悪影響を及ぼす可能性を有するので、適切な措置が必要である。ここに、発生ガス処理施設を設置する意義が発生し、一般的には個別方式の竪形ガス抜き設備が設置される。最終処分場を新設する場合は、埋立の工程に応じて埋立地の底面から順次竪形ガス抜き設備を立ち上げていくので問題はないが、本実施の形態のように既設の最終処分場を改良する場合は、竪孔を埋立地表面より形成しなけれならず、その一施工方法としてボーリング孔の削孔が考えられる。ガス抜き設備の構造や配置間隔については、埋立地内におけるガスの発生量及び流動機構を知る必要があり、また埋立地内部の透気係数等の各種パラメータを考慮することが必要となる。ガス発生機構には廃棄物の不均一性、経年的な分解、降雨・気温等の自然条件等複雑な要因が関係しているので、理論的に厳密に決定することは困難である。よって、これまでの実施事例を参考に、埋立深さ、覆土厚さ、埋立地の形状、埋立作業条件等を考慮して決定する。これまでの実施事例によると、小規模な埋立地では20m乃至30m程度、大規模な埋立地では40m乃至50mが目安となっているが、本発明ではゼオライトの効果等を考慮して実施事例よりも間隔を広げ、20m乃至60mの間隔とする。孔径については、φ100mmからφ1000mm程度まであるが、施工性を考えるとφ400mm程度以下が好ましく、本実施の形態のように既設の最終処分場を改良する場合は、ボーリング孔を削孔するので、φ150mm乃至φ300mmとする。
【0024】
最後に、図4を参照しながら安定化の状況について説明する。まず、埋立地2の表面より硫化水素やメタンガス等の有害ガスが漏洩しないようにゼオライトを混合した表層3を50cm乃至150cmの厚さに形成する。次に、表層3より20m乃至60mの間隔で、φ150mm乃至φ300mmの孔径で、埋立地2の底面付近まで鉛直方向にボーリング孔4を削孔し、埋立地2内の有害ガスを自然に排除するとともに、埋立地2内に外気を流入させて埋立地2内の好気性環境を改善する。埋立地2内の有害ガスは、改良層3を透過時に改良層3に混合されたゼオライトにより吸着・固定されて無害化する。また、埋立地2内の好気性環境が改善されることにより、埋立地内の好気性分解を活性化して、埋立地2の早期安定化を図る。なお、埋立地2内部の透気係数等のより前記の作用がうまく働かない場合は、強制的に有害ガスを排除又は外気を流入してもよい。
【0025】
図5において、第2の構成に係る最終処分場の早期安定化方法は、最終処分場1の埋立地2において、浸出水観測用井戸10に設置した水中ポンプ11と、浸出水をノッチタンク13まで送る送水管12と、ノッチタンク13の浸出水を埋立地2表面に散水する散水管14とを備えている。
【0026】
ここで、図5を参照しながら早期安定化方法について説明する。図5において、まず埋立地2内の浸出水観測用井戸10の浸出水を水中ポンプ11にて汲み上げ、埋立地2の上方に設置したノッチタンク13まで送水管12を介して圧送する。次に、ノッチタンク13より散水管14を介して浸出水を埋立地2の表層3全面に均一に散水する。これにより、表層3に混合したゼオライトが浸透水中に溶出して埋立地2内に均一に浸透し、埋立地2内のダイオキシン類や重金属類等の有害物質を吸着・固定し無害化するとともに、埋立地2内の好気性分解を促進する。さらに、外気との遮断効果が増強され、埋立地2内の嫌気性環境を強制的に形成して嫌気性分解を促進し、埋立地2の早期安定化を図る。なお、ノッチタンク13から散水管14への送水は、自然流下を原則とするが、動水勾配が確保できない場合はポンプにて圧送する。また、表層に散水する水の供給源としては埋立地内の浸出水でもよいし、埋立地外部の地下水や水道水でもよいが、浸出水が豊富に得られるのであれば浸出水を利用するのが好ましい。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明の最終処分場の早期安定化方法の第1の構成によれば、最終処分場の埋立地表層にゼオライトを混合した後にボーリング孔を削孔するので、埋立地からの硫化水素やメタンガス等の有害ガスの漏洩が防止でき、安全に作業ができる。また、ゼオライトを混合した表層とボーリング孔という簡易な構成なので、設置及び維持管理が楽にできる。さらに、ボーリング孔を削孔することにより埋立地内の有害ガスの無害化や好気性分解が促進されるので、最終処分場の埋立地の早期安定化が図れる。
【0028】
本発明の最終処分場の早期安定化方法の第2の構成によれば、最終処分場の埋立地表層に散水することにより、表層に混合したゼオライトが浸透水に溶出して埋立地内に均一に浸透し、埋立地内の有害物質を吸着・固定するとともに、埋立地内の好気性分解を活性化するので、埋立地の無害化を更に促進できる。また、浸透水が埋立地内に均一に浸透して嫌気性分解を促進するので、埋立地の更なる早期安定化が図れる。
【0029】
本発明の最終処分場の早期安定化方法の第3の構成によれば、人工ゼオライトは吸着能力や陽イオン交換能力が大きいので、効率的に埋立地の無害化及び早期安定化が図れる。さらに、人工ゼオライトは、飛灰(フライアッシュ)、クリンカアッシュ等の本来廃棄物として処分されるものを原料とするため、安価に製造できるので低廉な価格で埋立地の無害化及び早期安定化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の構成に係る最終処分場の早期安定化方法の構成を表す模式図
【図2】表層にゼオライトを混合している状況を表す図
【図3】表層から鉛直方向にボーリング孔を削孔している状況を表す図
【図4】本発明の第1の構成に係る最終処分場の安定化の状況を表す概念図
【図5】本発明の第2の構成に係る最終処分場の早期安定化方法の構成を表す模式図
【符号の説明】
1 最終処分場
2 埋立地
3 表層
4 ボーリング孔
5 ゼオライトを入れたトンパック
6 バックホウ
7 ブルドーザ
8 ボーリングマシン
9 ロッド
10 浸出水観測用井戸
11 水中ポンプ
12 送水管
13 ノッチタンク
14 散水管
Claims (3)
- 最終処分場の埋立地において、ゼオライトと土壌を混合した表層と、前記表層から鉛直方向に前記埋立地の底面付近まで適宜の間隔で削孔したボーリング孔を備えており、前記ボーリング孔を通じて前記埋立地内から排出した有害ガスを前記ゼオライトに吸着・固定させるとともに、前記埋立地内に流入した空気によって前記埋立地内の好気性分解を活性化させることを特徴とする最終処分場の早期安定化方法。
- 前記埋立地において、前記表層に散水して、前記ゼオライトを前記埋立地内に溶出させて、前記埋立地内の有害物質を吸着・固定させるとともに、前記埋立地内の嫌気性分解を活性化させることを特徴とする請求項1記載の最終処分場の早期安定化方法。
- 前記ゼオライトは、焼却灰又はアルミノ珪酸塩を含む組成物を熱アルカリ処理して生成されるゼオライトを用いることを特徴とする請求項1記載の最終処分場の早期安定化方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002210525A JP2004050033A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 最終処分場の早期安定化方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005270685A (ja) * | 2004-03-22 | 2005-10-06 | Kentaro Asakura | 有害物質の浄化剤 |
JP2016131927A (ja) * | 2015-01-19 | 2016-07-25 | クボタ環境サ−ビス株式会社 | 有機性廃棄物の安定化促進方法 |
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2002
- 2002-07-19 JP JP2002210525A patent/JP2004050033A/ja active Pending
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