JP2004049389A - 機器制御システム及び喘息緩和システム - Google Patents
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Abstract
【課題】利用者の喘息の症状を容易に検出することができ、検出された喘息の症状に応じて機器を制御する。
【解決手段】ベッド上にはエアマットレス(51)が敷かれている。喘息患者(70)の心拍などによってエアマットレス(51)の内圧は変動する。マイクロホン(52)はエアマットレス(51)の内圧の変動を電気信号に変換して出力する。信号分離部(54)はマイクロホン(52)の出力信号から喘息患者(70)の心拍数を検出する。喘息症状判定部(55)には喘息患者(70)の心拍数信号が入力される。喘息症状判定部(55)は喘息患者(70)の喘息の症状を判定する。制御部(56)には喘息患者(70)の喘息の症状が入力される。制御部(56)は喘息患者(70)の喘息の症状が発作を起こしている状態、あるいは、発作を起こす危険性が高い状態のときにブザー(81)等を制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】ベッド上にはエアマットレス(51)が敷かれている。喘息患者(70)の心拍などによってエアマットレス(51)の内圧は変動する。マイクロホン(52)はエアマットレス(51)の内圧の変動を電気信号に変換して出力する。信号分離部(54)はマイクロホン(52)の出力信号から喘息患者(70)の心拍数を検出する。喘息症状判定部(55)には喘息患者(70)の心拍数信号が入力される。喘息症状判定部(55)は喘息患者(70)の喘息の症状を判定する。制御部(56)には喘息患者(70)の喘息の症状が入力される。制御部(56)は喘息患者(70)の喘息の症状が発作を起こしている状態、あるいは、発作を起こす危険性が高い状態のときにブザー(81)等を制御する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機器制御システム及び喘息緩和システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より疾患の1つとして喘息が知られている。喘息の発作は気管支が狭くなることにより発生する。ところで、気管支の状態と呼吸時における息を吐き出す速度とは相関関係がある。つまり、気管支が狭まっているときには、息を吐き出す速度は遅くなる。以上により、息を吐き出す速度を調べることにより、気管支の状態を把握することができ、喘息の症状を推定することができる。
【0003】
ここで、息を吐き出す速度を調べるための器具として、従来からピークフローメータが知られている。ピークフローメータは、呼吸時における息を吐き出す速度を示すピークフローを測定するものである。そして、ピークフローメータによって定期的にピークフローを測定し記録することにより、ピークフローの変動を知ることができる。それにより、気管支の状態の変動を知ることができ、ひいては、喘息の症状を知ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ピークフローメータを用いてピークフローを測定するためには、ピークフローメータに対して息を的確に吐き出さなければならない。それゆえ、ピークフローメータによる測定には慣れが必要である。また、ピークフローメータを用いる場合、上述のように定期的にピークフローを測定し記録する必要がある。したがって、ピークフローの測定ごとに喘息患者は上記測定及び記録作業に煩わされることになる。
【0005】
一方、喘息の症状を検知したときは、その症状を緩和させる措置を直ちに講ずることが好ましい。そこで、喘息の症状を迅速且つ確実に緩和させるために、喘息の症状を検知手段により検出し、検出された喘息の症状に応じて、喘息の症状を緩和する装置等を制御することが望ましい。しかしながら、従来は、そのような装置等は存在しなかった。
【0006】
そこで、喘息患者の喘息の症状を容易に検出することができ、検出された喘息の症状に応じて機器を制御する制御システムの出現が望まれていた。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、利用者の喘息の症状を容易に検出することができ、検出された喘息の症状に応じて機器を制御する技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、流体が封入されるとともに横臥者を支持する上面部が少なくとも可撓性を有する本体部を有し、人を横臥させる横臥手段と、上記横臥手段に封入された流体の圧力の変動に基づいて上記横臥手段の上で横臥する横臥者の生体情報を検出する検出手段と、上記検出手段により検出された生体情報から上記横臥者の喘息の症状を判定し、判定された上記横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態のときに機器を制御する制御手段と、を備えている機器制御システムである。
【0009】
ここで、所定の悪性状態とは、横臥者が喘息の発作を起こしている状態又は発作を起こす危険性が高い状態をいう。また、所定の悪性状態には、個人差がある。
【0010】
これにより、横臥者が横臥手段上で横臥するだけで制御手段が横臥者の喘息の症状を判定する。したがって、本発明によれば、横臥者の喘息の症状を容易に検出することができる。
【0011】
また、制御手段が、検出手段により検出された生体情報から横臥者の喘息の症状を判定し、判定された横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態のときに機器を制御するため、横臥者の喘息の症状に応じて機器を制御することができる。すなわち、機器の制御を横臥者の喘息の症状と関連づけて行うことができる。
【0012】
請求項2の発明は、検出手段が、上記横臥者の生体情報として呼吸数、心拍数、及び体動のうち少なくとも1つを検出するものである。
【0013】
ところで、呼吸数、心拍数、又は体動と喘息の症状とは強い相関関係がある。
【0014】
ここで、本発明によれば、検出手段が横臥者の生体情報として呼吸数、心拍数、及び体動のうち少なくとも1つを検出するため、上記生体情報から横臥者の喘息の症状を判定する制御手段は、横臥者の喘息の症状を的確に判定することができる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の機器制御システムと、上記機器として、上記横臥者の喘息の症状を緩和する喘息緩和手段と、を備えている喘息緩和システムである。
【0016】
これにより、機器制御システムは横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態のときに喘息緩和手段を制御する。したがって、本発明によれば、事前に又は発作が起こったときに、横臥者の喘息の症状を緩和することができる。
【0017】
請求項4の発明は、喘息緩和手段が、上記機器制御システムにより上記横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態と判定されたときに、通知を発する通知装置を有するものである。
【0018】
これにより、機器制御システムにより横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態と判定されたときには、通知装置が通知を発するため、喘息緩和システムは、横臥者又は横臥者以外の人、例えば介護者に対して通知を発することができる。それゆえ、横臥者又は横臥者以外の人に対して喘息の発作の発生又は発生の危険性を認識させることができる。よって、横臥者又は横臥者以外の人は、横臥者の喘息の症状を緩和する処置を横臥者に対してタイミング良く行うことができる。したがって、本発明によれば、横臥者の喘息の症状を確実に緩和することができる。
【0019】
請求項5の発明は、喘息緩和手段が、上記機器制御システムにより上記横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態と判定されたときに、喘息の症状を緩和する薬を上記横臥者に対して供給する薬供給装置を有するものである。
【0020】
これにより、機器制御システムにより横臥者の喘息の症状が悪性状態と判定されたときに、薬供給装置が上記薬を横臥者に対して供給する。したがって、本発明によれば、横臥者の喘息の症状を確実に緩和することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1に示すように、喘息患者(70)を収容している寝室(60)には、扁平な直方体状に形成されたベッド(20)が設置されている。このベッド(20)の上には、エアマットレス(51)と蒲団(41)とが重ねて敷かれている。蒲団(41)の上には枕(42)が置かれている。喘息患者(70)は頭を枕(42)に載せ、蒲団(41)の上で寝ている。後述する機器制御システム(50)のシステム本体(53)は、ケーシングに収納された状態でベッド(20)の近傍に設置されている。なお、本発明で言うところの横臥者は喘息患者(70)に対応し、横臥手段はエアマットレス(51)に対応する。
【0023】
図2に示すように、機器制御システム(50)は、エアマットレス(51)、マイクロホン(52)、及びシステム本体(53)によって構成されている。そして、この機器制御システム(50)は、ブザー(81)の運転制御を行っている。ブザー(81)は、喘息患者(70)を介護する介護者の居る部屋(図示せず)に設置されている。なお、本発明で言うところの通知装置はブザー(81)によって構成され、喘息緩和システムは機器制御システム(50)及びブザー(81)によって構成されている。
【0024】
上述のように、エアマットレス(51)は、蒲団(41)の下に敷かれている。このエアマットレス(51)には空気が封入されている。マイクロホン(52)はエアマットレス(51)に短いチューブを介して接続されている。
【0025】
喘息患者(70)がエアマットレス(51)の上で寝ている状態では、喘息患者(70)の心拍、呼吸、体動、いびきなどによってエアマットレス(51)に封入された空気の圧力、すなわち、エアマットレス(51)の内圧が変動する。そして、マイクロホン(52)は、エアマットレス(51)に封入された空気の圧力変動を電気信号に変換して出力する。
【0026】
システム本体(53)は、信号分離部(54)、喘息症状判定部(55)、及び制御部(56)を備えている。なお、本発明で言うところの検出手段は、マイクロホン(52)及び信号分離部(54)によって構成され、制御手段は喘息症状判定部(55)及び制御部(56)によって構成されている。
【0027】
信号分離部(54)には、フィルタ回路が設けられている。また、信号分離部(54)には、マイクロホン(52)から出力された電気信号が入力されている。ここで、信号分離部(54)へ入力されるマイクロホン(52)の出力信号には、喘息患者(70)の心拍に起因する圧力変動だけでなく、その呼吸や体動やいびきなどに起因する圧力変動も含まれている。そこで、信号分離部(54)は、フィルタ回路を用いてマイクロホン(52)の出力信号に処理を施す。そして、信号分離部(54)は、マイクロホン(52)の出力信号から喘息患者(70)の心拍に起因する圧力変動の波形だけを分離し、それに基づいて喘息患者(70)の心拍数を検出する。
【0028】
喘息症状判定部(55)には、信号分離部(54)で検出された喘息患者(70)の心拍数の信号(以下、心拍数信号という)が入力されている。
【0029】
ところで、喘息患者(70)の心拍数と喘息の症状との間には相関関係がある。つまり、喘息の発作が起こっているときには心拍数は増加し、発作が収まってくれば心拍数は減ってくる。
【0030】
また、図3に示すように、喘息の発作が起こっていないとき、すなわち、正常時の喘息患者(70)の心拍数信号は、就寝中において、入眠時から起床時にかけ徐々に低下していく。これに対して、喘息の発作が断続的に起こっているとき、すなわち、発作時の喘息患者(70)の心拍数信号は、就寝中において、増減を繰り返す。
【0031】
そこで、この心拍数と喘息の症状との相関関係を利用して、喘息症状判定部(55)は、入力された喘息患者(70)の心拍数信号に基づき、喘息患者(70)の喘息の症状を判定するように構成されている。具体的には、喘息患者(70)の正常時の心拍数、及び喘息患者(70)の過去の発作時における心拍数等を基に決定された所定の心拍数pより、喘息患者(70)の心拍数が大きくなれば、喘息症状判定部(55)は喘息患者(70)が喘息の発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いと判定する。
【0032】
制御部(56)には、喘息症状判定部(55)で判定された喘息患者(70)の喘息の症状が入力されている。この制御部(56)は、入力された喘息患者(70)の喘息の症状が所定の悪性状態のときに、ブザー(81)を制御している。具体的には、喘息症状判定部(55)により喘息患者(70)が喘息の発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いときに、制御部(56)はブザー(81)を鳴らす。
【0033】
そして、ブザー(81)の音を聞きつけた介護者は喘息患者(70)の寝室(60)に行き、ネブライザーを用いて喘息の症状を緩和する薬剤を喘息患者(70)に対して噴霧する。ネブライザーとは、薬液を霧状に変え、気道内に薬液を投与するための器具である。
【0034】
本実施形態によれば、喘息患者(70)がエアマットレス(51)の上で寝るだけで、喘息症状判定部(55)は喘息患者(70)の喘息の症状を判定することができる。したがって、喘息患者(70)の喘息の症状を容易に検出することができ、検出された喘息の症状が発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いときにブザー(81)を鳴らすことができる。
【0035】
ところで、上述のように心拍数と喘息の症状とは相関関係がある。ここで、信号分離部(54)は喘息患者(70)の心拍数を検出するため、喘息症状判定部(55)は喘息患者(70)の喘息の症状を的確に判定することができる。
【0036】
また、喘息症状判定部(55)により喘息患者(70)が喘息の発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いと判定されたときに、制御部(56)はブザー(81)を鳴らす。それゆえ、喘息患者(70)が喘息の発作を起こしていること、あるいは、発作を起こす危険性が高いことを介護者に対して認識させることができる。よって、介護者は喘息患者(70)に対してネブライザーによる薬剤の噴霧をタイミング良く行うことができる。したがって、喘息患者(70)の喘息の症状を緩和することができる。
【0037】
なお、本実施形態では、通知装置としてブザー(81)が用いられているが、チャイム等の聴覚に訴える他の通知装置、ランプ等の視覚に訴える通知装置、及びバイブレータ等の触覚に訴える通知装置等であっても良い。さらに、介護者が携帯できる携帯用ブザーであっても良い。
【0038】
また、本実施形態では、ブザー(81)が介護者の居る部屋に設置されているが、寝室(60)に設置されても良い。このとき、ブザー(81)の音を聞きつけた喘息患者(70)自らがネブライザーを用いて上記薬剤を噴霧しても良い。
【0039】
また、本実施形態では、ブザー(81)の音を聞きつけた介護者は、ネブライザーによる薬剤の噴霧を喘息患者(70)に対して行っているが、喘息の症状を緩和する処置であれば、介護者は喘息患者(70)に対して如何なる処置を行っても良い。
【0040】
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1に対して、喘息患者(70)の呼吸数から喘息患者(70)の喘息の症状を判定するように変更を加えたものである。
【0041】
信号分離部(54)は、マイクロホン(52)の出力信号から喘息患者(70)の呼吸に起因する圧力変動の波形だけを分離し、それに基づいて喘息患者(70)の呼吸数を検出する。
【0042】
喘息症状判定部(55)には、信号分離部(54)で検出された喘息患者(70)の呼吸数の信号(以下、呼吸数信号という)が入力されている。
【0043】
ところで、喘息患者(70)の呼吸数と喘息の症状との間には相関関係がある。つまり、喘息の発作が起こっているときには気道が収縮するため呼吸数が増え、発作が収まってくれば呼吸数は減ってくる。
【0044】
また、図4に示すように、喘息の発作が起きていないとき、すなわち、正常時の喘息患者(70)の1日の平均呼吸数は、日によってほぼ差異はない。
【0045】
これに対して、図5に示すように、喘息の症状が悪化しているとき、すなわち、悪化時の喘息患者(70)の1日の平均呼吸数は、日を追って上昇する。
【0046】
そこで、この呼吸数と喘息の症状との相関関係を利用し、喘息症状判定部(55)は、入力された喘息患者(70)の呼吸数信号から喘息患者(70)の喘息の症状を判定する。具体的には、喘息患者(70)の正常時の呼吸数、及び喘息患者(70)の過去の発作時における呼吸数等を基に決定された所定の呼吸数bより、呼吸数信号を基に算出された喘息患者(70)の1日の平均呼吸数が大きくなれば、喘息症状判定部(55)は喘息患者(70)が喘息の発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いと判定する。
【0047】
本実施形態でも、実施形態1と同様の効果が得られる。
【0048】
(実施形態3)
本実施形態は実施形態1に対して、喘息患者(70)の体動から喘息患者(70)の喘息の症状を判定するように変更を加えたものである。
【0049】
信号分離部(54)は、マイクロホン(52)の出力信号から喘息患者(70)の体動に起因する圧力変動の波形だけを分離し、それに基づいて喘息患者(70)の体動を検出する。
【0050】
喘息症状判定部(55)には、信号分離部(54)で検出された喘息患者(70)の体動の信号(以下、体動信号という)が入力されている。
【0051】
ここで、喘息患者(70)の体動と喘息の症状との間には相関関係がある。つまり、喘息の発作が起こっているときには体動が大きくなり、発作が収まってくれば体動は小さくなる。そこで、この呼吸数と喘息の症状との相関関係を利用し、喘息症状判定部(55)は、入力された喘息患者(70)の体動信号から喘息患者(70)の喘息の症状を判定する。具体的には、喘息患者(70)の正常時の体動、及び喘息患者(70)の過去の発作時における体動等を基に決定された所定の体動より、喘息患者(70)の体動が大きくなれば、喘息症状判定部(55)は喘息患者(70)が喘息の発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いと判定する。
【0052】
本実施形態でも、実施形態1と同様の効果が得られる。
【0053】
(実施形態4)
本実施形態は実施形態1に対して、制御部(56)が喘息患者(70)の喘息の症状が発作を起こしている状態、あるいは、発作を起こす危険性が高い状態のときにネブライザー(91)を制御するように変更を加えたものである。
【0054】
図6に示すように、ネブライザー(91)はベッド(20)の近傍に設置され、ネブライザー(91)の吸入器(92)が喘息患者(70)の口に装着されている。なお、本発明で言うところの薬供給装置は、ネブライザー(91)によって構成されている。
【0055】
制御部(56)は、入力された喘息患者(70)の喘息の症状が所定の悪性状態のときに、ネブライザー(91)を制御している。具体的には、喘息症状判定部(55)により喘息患者(70)が喘息の発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いと判定されたときに、制御部(56)は、ネブライザー(91)が喘息患者(70)に対して薬剤を噴霧するように制御する。
【0056】
なお、本実施形態では、ネブライザー(91)は図6に示すような構造であるが、これに限らず、如何なる構造であっても良い。
【0057】
また、本実施形態では、ネブライザー(91)による薬剤の噴霧を行っているが、喘息の症状を緩和する薬を喘息患者(70)に対して供給できる限り、ネブライザー以外の他の薬供給装置であっても良い。
【0058】
(他の実施形態)
また、上記各実施形態では、マットレスとして空気が封入されたエアマットレス(51)を用いているが、水等の液体が封入されたマットレスを用いても良い。
【0059】
また、上記各実施形態では、ベッド(20)上にエアマットレス(51)と蒲団(41)とが重ねて敷かれているが、床上に直接エアマットレス(51)と蒲団(41)とが重ねて敷かれても良い。
【0060】
また、上記各実施形態では、信号分離部(54)ではマイクロホン(52)の出力信号から喘息患者(70)の心拍数、呼吸数、及び体動のいずれか1つを検出しているが、信号分離部(54)で複数の生体情報を検出するようにしても良い。例えば、マイクロホン(52)の出力信号から喘息患者(70)の心拍数、呼吸数、及び体動を検出するようにしても良い。このとき、喘息症状判定部(55)は、喘息患者(70)の心拍数だけでなく呼吸数や体動も考慮した上で、喘息患者(70)の喘息の症状を判定する。したがって、複数の生体情報を考慮することで、喘息患者(70)の喘息の症状を精確に判定することができる。
【0061】
また、上記各実施形態では、機器制御システム(50)がブザー(81)又はネブライザー(91)を制御しているが、喘息の症状を緩和する装置である限り、如何なる装置を制御しても良い。
【0062】
また、上記各実施形態では、機器制御システム(50)が1つの機器だけを制御しているが、複数の機器を制御しても良い。例えば、1つの機器制御システム(50)がブザー(81)及びネブライザー(91)を制御しても良い。
【0063】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、横臥者が横臥手段上で横臥するだけで制御手段が横臥者の喘息の症状を判定する。したがって、本発明によれば、横臥者の喘息の症状を容易に検出することができる。また、制御手段が、検出手段により検出された生体情報から横臥者の喘息の症状を判定し、判定された横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態のときに機器を制御するため、横臥者の喘息の症状に応じて機器を制御することができる。すなわち、機器の制御を横臥者の喘息の症状と関連づけて行うことができる。
【0064】
請求項2の発明によれば、検出手段が横臥者の生体情報として呼吸数、心拍数、及び体動のうち少なくとも1つを検出する。ここで、呼吸数、心拍数、又は体動と喘息の症状とは強い相関関係があるため、横臥者の喘息の症状を的確に判定することができる。
【0065】
請求項3の発明によれば、機器制御システムは横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態のときに喘息緩和手段を制御する。したがって、横臥者の喘息の症状を適切に緩和することができる。
【0066】
請求項4の発明によれば、機器制御システムにより横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態と判定されたときには、通知装置が通知を発するため、喘息緩和システムは、横臥者又は横臥者以外の人に対して通知を発することができる。それゆえ、横臥者又は横臥者以外の人に対して喘息の発作の発生又は発生の危険性を認識させることができるため、横臥者又は横臥者以外の人は、横臥者の喘息の症状を緩和する処置を横臥者に対してタイミング良く行うことができる。したがって、横臥者の喘息の症状を確実に緩和することができる。
【0067】
請求項5の発明によれば、機器制御システムにより横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態と判定されたときに、薬供給装置が上記薬を横臥者に対して供給する。したがって、横臥者の喘息の症状を確実に緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る機器制御システムが設置された寝室の概略斜視図である。
【図2】実施形態に係る機器制御システムの構成を示すブロック図である。
【図3】就寝中の心拍数の変化を示す図である。
【図4】喘息患者の正常時における1日の平均呼吸数の変化を示す図である。
【図5】喘息患者の悪化時における1日の平均呼吸数の変化を示す図である。
【図6】実施形態に係る機器制御システムが設置された寝室の概略斜視図である。
【符号の説明】
(41) 蒲団
(50) 機器制御システム
(51) エアマットレス(横臥手段)
(52) マイクロホン(検出手段)
(54) 信号分離部(検出手段)
(55) 喘息症状判定部(制御手段)
(56) 制御部(制御手段)
(70) 喘息患者(横臥者)
(81) ブザー(通知装置)
(91) ネブライザー(薬供給装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、機器制御システム及び喘息緩和システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より疾患の1つとして喘息が知られている。喘息の発作は気管支が狭くなることにより発生する。ところで、気管支の状態と呼吸時における息を吐き出す速度とは相関関係がある。つまり、気管支が狭まっているときには、息を吐き出す速度は遅くなる。以上により、息を吐き出す速度を調べることにより、気管支の状態を把握することができ、喘息の症状を推定することができる。
【0003】
ここで、息を吐き出す速度を調べるための器具として、従来からピークフローメータが知られている。ピークフローメータは、呼吸時における息を吐き出す速度を示すピークフローを測定するものである。そして、ピークフローメータによって定期的にピークフローを測定し記録することにより、ピークフローの変動を知ることができる。それにより、気管支の状態の変動を知ることができ、ひいては、喘息の症状を知ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ピークフローメータを用いてピークフローを測定するためには、ピークフローメータに対して息を的確に吐き出さなければならない。それゆえ、ピークフローメータによる測定には慣れが必要である。また、ピークフローメータを用いる場合、上述のように定期的にピークフローを測定し記録する必要がある。したがって、ピークフローの測定ごとに喘息患者は上記測定及び記録作業に煩わされることになる。
【0005】
一方、喘息の症状を検知したときは、その症状を緩和させる措置を直ちに講ずることが好ましい。そこで、喘息の症状を迅速且つ確実に緩和させるために、喘息の症状を検知手段により検出し、検出された喘息の症状に応じて、喘息の症状を緩和する装置等を制御することが望ましい。しかしながら、従来は、そのような装置等は存在しなかった。
【0006】
そこで、喘息患者の喘息の症状を容易に検出することができ、検出された喘息の症状に応じて機器を制御する制御システムの出現が望まれていた。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、利用者の喘息の症状を容易に検出することができ、検出された喘息の症状に応じて機器を制御する技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、流体が封入されるとともに横臥者を支持する上面部が少なくとも可撓性を有する本体部を有し、人を横臥させる横臥手段と、上記横臥手段に封入された流体の圧力の変動に基づいて上記横臥手段の上で横臥する横臥者の生体情報を検出する検出手段と、上記検出手段により検出された生体情報から上記横臥者の喘息の症状を判定し、判定された上記横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態のときに機器を制御する制御手段と、を備えている機器制御システムである。
【0009】
ここで、所定の悪性状態とは、横臥者が喘息の発作を起こしている状態又は発作を起こす危険性が高い状態をいう。また、所定の悪性状態には、個人差がある。
【0010】
これにより、横臥者が横臥手段上で横臥するだけで制御手段が横臥者の喘息の症状を判定する。したがって、本発明によれば、横臥者の喘息の症状を容易に検出することができる。
【0011】
また、制御手段が、検出手段により検出された生体情報から横臥者の喘息の症状を判定し、判定された横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態のときに機器を制御するため、横臥者の喘息の症状に応じて機器を制御することができる。すなわち、機器の制御を横臥者の喘息の症状と関連づけて行うことができる。
【0012】
請求項2の発明は、検出手段が、上記横臥者の生体情報として呼吸数、心拍数、及び体動のうち少なくとも1つを検出するものである。
【0013】
ところで、呼吸数、心拍数、又は体動と喘息の症状とは強い相関関係がある。
【0014】
ここで、本発明によれば、検出手段が横臥者の生体情報として呼吸数、心拍数、及び体動のうち少なくとも1つを検出するため、上記生体情報から横臥者の喘息の症状を判定する制御手段は、横臥者の喘息の症状を的確に判定することができる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の機器制御システムと、上記機器として、上記横臥者の喘息の症状を緩和する喘息緩和手段と、を備えている喘息緩和システムである。
【0016】
これにより、機器制御システムは横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態のときに喘息緩和手段を制御する。したがって、本発明によれば、事前に又は発作が起こったときに、横臥者の喘息の症状を緩和することができる。
【0017】
請求項4の発明は、喘息緩和手段が、上記機器制御システムにより上記横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態と判定されたときに、通知を発する通知装置を有するものである。
【0018】
これにより、機器制御システムにより横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態と判定されたときには、通知装置が通知を発するため、喘息緩和システムは、横臥者又は横臥者以外の人、例えば介護者に対して通知を発することができる。それゆえ、横臥者又は横臥者以外の人に対して喘息の発作の発生又は発生の危険性を認識させることができる。よって、横臥者又は横臥者以外の人は、横臥者の喘息の症状を緩和する処置を横臥者に対してタイミング良く行うことができる。したがって、本発明によれば、横臥者の喘息の症状を確実に緩和することができる。
【0019】
請求項5の発明は、喘息緩和手段が、上記機器制御システムにより上記横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態と判定されたときに、喘息の症状を緩和する薬を上記横臥者に対して供給する薬供給装置を有するものである。
【0020】
これにより、機器制御システムにより横臥者の喘息の症状が悪性状態と判定されたときに、薬供給装置が上記薬を横臥者に対して供給する。したがって、本発明によれば、横臥者の喘息の症状を確実に緩和することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1に示すように、喘息患者(70)を収容している寝室(60)には、扁平な直方体状に形成されたベッド(20)が設置されている。このベッド(20)の上には、エアマットレス(51)と蒲団(41)とが重ねて敷かれている。蒲団(41)の上には枕(42)が置かれている。喘息患者(70)は頭を枕(42)に載せ、蒲団(41)の上で寝ている。後述する機器制御システム(50)のシステム本体(53)は、ケーシングに収納された状態でベッド(20)の近傍に設置されている。なお、本発明で言うところの横臥者は喘息患者(70)に対応し、横臥手段はエアマットレス(51)に対応する。
【0023】
図2に示すように、機器制御システム(50)は、エアマットレス(51)、マイクロホン(52)、及びシステム本体(53)によって構成されている。そして、この機器制御システム(50)は、ブザー(81)の運転制御を行っている。ブザー(81)は、喘息患者(70)を介護する介護者の居る部屋(図示せず)に設置されている。なお、本発明で言うところの通知装置はブザー(81)によって構成され、喘息緩和システムは機器制御システム(50)及びブザー(81)によって構成されている。
【0024】
上述のように、エアマットレス(51)は、蒲団(41)の下に敷かれている。このエアマットレス(51)には空気が封入されている。マイクロホン(52)はエアマットレス(51)に短いチューブを介して接続されている。
【0025】
喘息患者(70)がエアマットレス(51)の上で寝ている状態では、喘息患者(70)の心拍、呼吸、体動、いびきなどによってエアマットレス(51)に封入された空気の圧力、すなわち、エアマットレス(51)の内圧が変動する。そして、マイクロホン(52)は、エアマットレス(51)に封入された空気の圧力変動を電気信号に変換して出力する。
【0026】
システム本体(53)は、信号分離部(54)、喘息症状判定部(55)、及び制御部(56)を備えている。なお、本発明で言うところの検出手段は、マイクロホン(52)及び信号分離部(54)によって構成され、制御手段は喘息症状判定部(55)及び制御部(56)によって構成されている。
【0027】
信号分離部(54)には、フィルタ回路が設けられている。また、信号分離部(54)には、マイクロホン(52)から出力された電気信号が入力されている。ここで、信号分離部(54)へ入力されるマイクロホン(52)の出力信号には、喘息患者(70)の心拍に起因する圧力変動だけでなく、その呼吸や体動やいびきなどに起因する圧力変動も含まれている。そこで、信号分離部(54)は、フィルタ回路を用いてマイクロホン(52)の出力信号に処理を施す。そして、信号分離部(54)は、マイクロホン(52)の出力信号から喘息患者(70)の心拍に起因する圧力変動の波形だけを分離し、それに基づいて喘息患者(70)の心拍数を検出する。
【0028】
喘息症状判定部(55)には、信号分離部(54)で検出された喘息患者(70)の心拍数の信号(以下、心拍数信号という)が入力されている。
【0029】
ところで、喘息患者(70)の心拍数と喘息の症状との間には相関関係がある。つまり、喘息の発作が起こっているときには心拍数は増加し、発作が収まってくれば心拍数は減ってくる。
【0030】
また、図3に示すように、喘息の発作が起こっていないとき、すなわち、正常時の喘息患者(70)の心拍数信号は、就寝中において、入眠時から起床時にかけ徐々に低下していく。これに対して、喘息の発作が断続的に起こっているとき、すなわち、発作時の喘息患者(70)の心拍数信号は、就寝中において、増減を繰り返す。
【0031】
そこで、この心拍数と喘息の症状との相関関係を利用して、喘息症状判定部(55)は、入力された喘息患者(70)の心拍数信号に基づき、喘息患者(70)の喘息の症状を判定するように構成されている。具体的には、喘息患者(70)の正常時の心拍数、及び喘息患者(70)の過去の発作時における心拍数等を基に決定された所定の心拍数pより、喘息患者(70)の心拍数が大きくなれば、喘息症状判定部(55)は喘息患者(70)が喘息の発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いと判定する。
【0032】
制御部(56)には、喘息症状判定部(55)で判定された喘息患者(70)の喘息の症状が入力されている。この制御部(56)は、入力された喘息患者(70)の喘息の症状が所定の悪性状態のときに、ブザー(81)を制御している。具体的には、喘息症状判定部(55)により喘息患者(70)が喘息の発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いときに、制御部(56)はブザー(81)を鳴らす。
【0033】
そして、ブザー(81)の音を聞きつけた介護者は喘息患者(70)の寝室(60)に行き、ネブライザーを用いて喘息の症状を緩和する薬剤を喘息患者(70)に対して噴霧する。ネブライザーとは、薬液を霧状に変え、気道内に薬液を投与するための器具である。
【0034】
本実施形態によれば、喘息患者(70)がエアマットレス(51)の上で寝るだけで、喘息症状判定部(55)は喘息患者(70)の喘息の症状を判定することができる。したがって、喘息患者(70)の喘息の症状を容易に検出することができ、検出された喘息の症状が発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いときにブザー(81)を鳴らすことができる。
【0035】
ところで、上述のように心拍数と喘息の症状とは相関関係がある。ここで、信号分離部(54)は喘息患者(70)の心拍数を検出するため、喘息症状判定部(55)は喘息患者(70)の喘息の症状を的確に判定することができる。
【0036】
また、喘息症状判定部(55)により喘息患者(70)が喘息の発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いと判定されたときに、制御部(56)はブザー(81)を鳴らす。それゆえ、喘息患者(70)が喘息の発作を起こしていること、あるいは、発作を起こす危険性が高いことを介護者に対して認識させることができる。よって、介護者は喘息患者(70)に対してネブライザーによる薬剤の噴霧をタイミング良く行うことができる。したがって、喘息患者(70)の喘息の症状を緩和することができる。
【0037】
なお、本実施形態では、通知装置としてブザー(81)が用いられているが、チャイム等の聴覚に訴える他の通知装置、ランプ等の視覚に訴える通知装置、及びバイブレータ等の触覚に訴える通知装置等であっても良い。さらに、介護者が携帯できる携帯用ブザーであっても良い。
【0038】
また、本実施形態では、ブザー(81)が介護者の居る部屋に設置されているが、寝室(60)に設置されても良い。このとき、ブザー(81)の音を聞きつけた喘息患者(70)自らがネブライザーを用いて上記薬剤を噴霧しても良い。
【0039】
また、本実施形態では、ブザー(81)の音を聞きつけた介護者は、ネブライザーによる薬剤の噴霧を喘息患者(70)に対して行っているが、喘息の症状を緩和する処置であれば、介護者は喘息患者(70)に対して如何なる処置を行っても良い。
【0040】
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1に対して、喘息患者(70)の呼吸数から喘息患者(70)の喘息の症状を判定するように変更を加えたものである。
【0041】
信号分離部(54)は、マイクロホン(52)の出力信号から喘息患者(70)の呼吸に起因する圧力変動の波形だけを分離し、それに基づいて喘息患者(70)の呼吸数を検出する。
【0042】
喘息症状判定部(55)には、信号分離部(54)で検出された喘息患者(70)の呼吸数の信号(以下、呼吸数信号という)が入力されている。
【0043】
ところで、喘息患者(70)の呼吸数と喘息の症状との間には相関関係がある。つまり、喘息の発作が起こっているときには気道が収縮するため呼吸数が増え、発作が収まってくれば呼吸数は減ってくる。
【0044】
また、図4に示すように、喘息の発作が起きていないとき、すなわち、正常時の喘息患者(70)の1日の平均呼吸数は、日によってほぼ差異はない。
【0045】
これに対して、図5に示すように、喘息の症状が悪化しているとき、すなわち、悪化時の喘息患者(70)の1日の平均呼吸数は、日を追って上昇する。
【0046】
そこで、この呼吸数と喘息の症状との相関関係を利用し、喘息症状判定部(55)は、入力された喘息患者(70)の呼吸数信号から喘息患者(70)の喘息の症状を判定する。具体的には、喘息患者(70)の正常時の呼吸数、及び喘息患者(70)の過去の発作時における呼吸数等を基に決定された所定の呼吸数bより、呼吸数信号を基に算出された喘息患者(70)の1日の平均呼吸数が大きくなれば、喘息症状判定部(55)は喘息患者(70)が喘息の発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いと判定する。
【0047】
本実施形態でも、実施形態1と同様の効果が得られる。
【0048】
(実施形態3)
本実施形態は実施形態1に対して、喘息患者(70)の体動から喘息患者(70)の喘息の症状を判定するように変更を加えたものである。
【0049】
信号分離部(54)は、マイクロホン(52)の出力信号から喘息患者(70)の体動に起因する圧力変動の波形だけを分離し、それに基づいて喘息患者(70)の体動を検出する。
【0050】
喘息症状判定部(55)には、信号分離部(54)で検出された喘息患者(70)の体動の信号(以下、体動信号という)が入力されている。
【0051】
ここで、喘息患者(70)の体動と喘息の症状との間には相関関係がある。つまり、喘息の発作が起こっているときには体動が大きくなり、発作が収まってくれば体動は小さくなる。そこで、この呼吸数と喘息の症状との相関関係を利用し、喘息症状判定部(55)は、入力された喘息患者(70)の体動信号から喘息患者(70)の喘息の症状を判定する。具体的には、喘息患者(70)の正常時の体動、及び喘息患者(70)の過去の発作時における体動等を基に決定された所定の体動より、喘息患者(70)の体動が大きくなれば、喘息症状判定部(55)は喘息患者(70)が喘息の発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いと判定する。
【0052】
本実施形態でも、実施形態1と同様の効果が得られる。
【0053】
(実施形態4)
本実施形態は実施形態1に対して、制御部(56)が喘息患者(70)の喘息の症状が発作を起こしている状態、あるいは、発作を起こす危険性が高い状態のときにネブライザー(91)を制御するように変更を加えたものである。
【0054】
図6に示すように、ネブライザー(91)はベッド(20)の近傍に設置され、ネブライザー(91)の吸入器(92)が喘息患者(70)の口に装着されている。なお、本発明で言うところの薬供給装置は、ネブライザー(91)によって構成されている。
【0055】
制御部(56)は、入力された喘息患者(70)の喘息の症状が所定の悪性状態のときに、ネブライザー(91)を制御している。具体的には、喘息症状判定部(55)により喘息患者(70)が喘息の発作を起こしている、あるいは、発作を起こす危険性が高いと判定されたときに、制御部(56)は、ネブライザー(91)が喘息患者(70)に対して薬剤を噴霧するように制御する。
【0056】
なお、本実施形態では、ネブライザー(91)は図6に示すような構造であるが、これに限らず、如何なる構造であっても良い。
【0057】
また、本実施形態では、ネブライザー(91)による薬剤の噴霧を行っているが、喘息の症状を緩和する薬を喘息患者(70)に対して供給できる限り、ネブライザー以外の他の薬供給装置であっても良い。
【0058】
(他の実施形態)
また、上記各実施形態では、マットレスとして空気が封入されたエアマットレス(51)を用いているが、水等の液体が封入されたマットレスを用いても良い。
【0059】
また、上記各実施形態では、ベッド(20)上にエアマットレス(51)と蒲団(41)とが重ねて敷かれているが、床上に直接エアマットレス(51)と蒲団(41)とが重ねて敷かれても良い。
【0060】
また、上記各実施形態では、信号分離部(54)ではマイクロホン(52)の出力信号から喘息患者(70)の心拍数、呼吸数、及び体動のいずれか1つを検出しているが、信号分離部(54)で複数の生体情報を検出するようにしても良い。例えば、マイクロホン(52)の出力信号から喘息患者(70)の心拍数、呼吸数、及び体動を検出するようにしても良い。このとき、喘息症状判定部(55)は、喘息患者(70)の心拍数だけでなく呼吸数や体動も考慮した上で、喘息患者(70)の喘息の症状を判定する。したがって、複数の生体情報を考慮することで、喘息患者(70)の喘息の症状を精確に判定することができる。
【0061】
また、上記各実施形態では、機器制御システム(50)がブザー(81)又はネブライザー(91)を制御しているが、喘息の症状を緩和する装置である限り、如何なる装置を制御しても良い。
【0062】
また、上記各実施形態では、機器制御システム(50)が1つの機器だけを制御しているが、複数の機器を制御しても良い。例えば、1つの機器制御システム(50)がブザー(81)及びネブライザー(91)を制御しても良い。
【0063】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、横臥者が横臥手段上で横臥するだけで制御手段が横臥者の喘息の症状を判定する。したがって、本発明によれば、横臥者の喘息の症状を容易に検出することができる。また、制御手段が、検出手段により検出された生体情報から横臥者の喘息の症状を判定し、判定された横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態のときに機器を制御するため、横臥者の喘息の症状に応じて機器を制御することができる。すなわち、機器の制御を横臥者の喘息の症状と関連づけて行うことができる。
【0064】
請求項2の発明によれば、検出手段が横臥者の生体情報として呼吸数、心拍数、及び体動のうち少なくとも1つを検出する。ここで、呼吸数、心拍数、又は体動と喘息の症状とは強い相関関係があるため、横臥者の喘息の症状を的確に判定することができる。
【0065】
請求項3の発明によれば、機器制御システムは横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態のときに喘息緩和手段を制御する。したがって、横臥者の喘息の症状を適切に緩和することができる。
【0066】
請求項4の発明によれば、機器制御システムにより横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態と判定されたときには、通知装置が通知を発するため、喘息緩和システムは、横臥者又は横臥者以外の人に対して通知を発することができる。それゆえ、横臥者又は横臥者以外の人に対して喘息の発作の発生又は発生の危険性を認識させることができるため、横臥者又は横臥者以外の人は、横臥者の喘息の症状を緩和する処置を横臥者に対してタイミング良く行うことができる。したがって、横臥者の喘息の症状を確実に緩和することができる。
【0067】
請求項5の発明によれば、機器制御システムにより横臥者の喘息の症状が所定の悪性状態と判定されたときに、薬供給装置が上記薬を横臥者に対して供給する。したがって、横臥者の喘息の症状を確実に緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る機器制御システムが設置された寝室の概略斜視図である。
【図2】実施形態に係る機器制御システムの構成を示すブロック図である。
【図3】就寝中の心拍数の変化を示す図である。
【図4】喘息患者の正常時における1日の平均呼吸数の変化を示す図である。
【図5】喘息患者の悪化時における1日の平均呼吸数の変化を示す図である。
【図6】実施形態に係る機器制御システムが設置された寝室の概略斜視図である。
【符号の説明】
(41) 蒲団
(50) 機器制御システム
(51) エアマットレス(横臥手段)
(52) マイクロホン(検出手段)
(54) 信号分離部(検出手段)
(55) 喘息症状判定部(制御手段)
(56) 制御部(制御手段)
(70) 喘息患者(横臥者)
(81) ブザー(通知装置)
(91) ネブライザー(薬供給装置)
Claims (5)
- 流体が封入されるとともに横臥者(70)を支持する上面部が少なくとも可撓性を有する本体部を有し、人(70)を横臥させる横臥手段(51)と、
上記横臥手段(51)に封入された流体の圧力の変動に基づいて上記横臥手段(51)の上で横臥する横臥者(70)の生体情報を検出する検出手段(52,54)と、
上記検出手段(52,54)により検出された生体情報から上記横臥者(70)の喘息の症状を判定し、判定された上記横臥者(70)の喘息の症状が所定の悪性状態のときに機器(81,91)を制御する制御手段(55,56)と、
を備えている機器制御システム。 - 検出手段(52,54)は、上記横臥者(70)の生体情報として呼吸数、心拍数、及び体動のうち少なくとも1つを検出する請求項1記載の機器制御システム。
- 請求項1又は2記載の機器制御システム(50)と、
上記機器として、上記横臥者(70)の喘息の症状を緩和する喘息緩和手段(81,91)と、
を備えている喘息緩和システム。 - 喘息緩和手段は、上記機器制御システム(50)により上記横臥者(70)の喘息の症状が所定の悪性状態と判定されたときに、通知を発する通知装置(81)を有する請求項3記載の喘息緩和システム。
- 喘息緩和手段は、上記機器制御システム(50)により上記横臥者(70)の喘息の症状が所定の悪性状態と判定されたときに、喘息の症状を緩和する薬を上記横臥者(70)に対して供給する薬供給装置(91)を有する請求項3又は4記載の喘息緩和システム。
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