JP7038459B2 - 呼吸機能検査装置、データ処理方法及び呼吸機能検査システム - Google Patents

呼吸機能検査装置、データ処理方法及び呼吸機能検査システム Download PDF

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Description

本発明は、呼吸機能検査装置、データ処理方法及び呼吸機能検査システムに関する。
ヒトの呼吸機能検査の一手法として、スパイロメトリが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2007-83031号公報
スパイログラムは、医療関係者が当該表示内容を一見しても呼吸機能検査の妥当性や被験者の状態を判断することが困難なことがあった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、判断を支援する情報処理が可能な呼吸機能検査装置、データ処理方法及び呼吸機能検査システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る呼吸機能検査装置は、スパイログラムを導出可能なデータであって過去に実施された被験者の呼吸機能の測定結果を示す過去データに基づいて新たな呼吸機能の測定結果を示す追加データを処理する呼吸機能検査装置であって、呼吸機能が正常である場合の測定結果を示すデータ及び異常がある場合の測定結果を示すデータを前記過去データとして記憶する記憶部と、前記追加データと前記過去データとの相関の少なくとも一方を判定する制御部とを備える。
これによって、追加データと記憶部に記憶されたデータとの相関を判定可能になる。すなわち、相関の高低に基づいて、正常な追加データが測定されたか何らかの異常を示す追加データが測定されたかが認識されやすくなる。従って、判断を支援する情報処理が可能である。
呼吸機能検査装置の望ましい態様として、前記過去データは、呼吸機能検査の妥当性が失われる異常が生じた場合の測定結果を示す第1データを含み、前記制御部は、前記第1データに基づいて前記追加データが得られた呼吸機能検査の妥当性を判定する。
これによって、従来、追加データに基づいた被験者の病態診断を行う前に呼吸機能検査を被験者にガイドする検査者が追加データから得られた数値やフローボリュームカーブに基づいて行っていた再測定が必要かどうかの判断を自動化できる。また、検査者によってばらつきがあった再測定が必要かどうかの判断の精度を標準化できる。従って、判断を支援する情報処理が可能である。
呼吸機能検査装置の望ましい態様として、前記追加データが得られた呼吸機能検査の妥当性がないと判定された場合に前記追加データの再取得を促す通知を含む表示を行う表示部を備える。
これによって、再度の呼吸機能検査の実施を促す情報を提供できる。
呼吸機能検査装置の望ましい態様として、前記過去データは、健常者の呼吸機能の測定結果を示す第2データと、呼吸器疾患に罹患している被験者の呼吸機能の測定結果を示す第3データを含み、前記制御部は、前記追加データが得られた呼吸機能検査の妥当性があると判定された場合に前記追加データが前記第2データ又は前記第3データのいずれに該当するかさらに判定する。
これによって、被験者の病態診断を支援する情報処理が可能である。
呼吸機能検査装置の望ましい態様として、前記第3データは、喘息を罹患している被験者の喘息データと、喘息又は他の呼吸器疾患のいずれであるか判定が困難な判別困難データとを含み、前記喘息データは、気道可逆性試験を経た再度の測定結果に基づいて喘息と判定された試験済みデータを含み、前記判別困難データは、前記試験済みデータが得られた被験者が前記気道可逆性試験を経る前の未試験データを含み、前記試験済みデータと前記未試験データとは対応付けられ、前記制御部は、前記追加データと前記未試験データとの照合結果に基づいて、前記追加データが測定された被験者に対する前記気道可逆性試験の実施の妥当性をさらに判定する。
これによって、気道可逆性試験を行うことで喘息と判定する診断の確度がより高められる。従って、診断を支援する情報処理が可能である。
呼吸機能検査装置の望ましい態様として、前記過去データは、複数の前記被験者の各々の年齢、性別、身長、体重のうち少なくとも1つ以上を含む被験者属性情報を含み、前記制御部は、前記被験者属性情報に基づいて前記追加データが前記第2データ又は前記第3データのいずれに該当するか判定する。
これによって、被験者属性情報に対応した病態診断を支援できる。
呼吸機能検査装置の望ましい態様として、前記制御部は、前記追加データが前記第3データに該当する場合、前記記憶部に記憶されている呼吸器疾患の重症度別に設けられた前記第3データに基づいて前記被験者の呼吸器疾患の重症度を判定する。
これによって、呼吸器疾患の重症度の診断を支援できる。
呼吸機能検査装置の望ましい態様として、前記制御部は、前記追加データを入力とし、前記記憶部に記憶されているデータを教師データとし、前記追加データの判定結果を出力とするニューラルネットワークを生成する。
これによって、機械学習を利用した判断の支援が可能である。
また、上記の目的を達成するため、本発明に係るデータ処理方法は、情報処理装置が、呼吸機能検査装置を用いて過去に実施された被験者の測定結果を示すデータであって、呼吸機能検査の妥当性が失われる異常が生じた場合の測定結果を示す第1データを含むデータに基づいて新たな測定結果を示す追加データを処理するデータ処理方法であって、前記第1データに基づいて前記追加データが得られた呼吸機能検査の妥当性を判定するステップを含む。
これによって、従来、追加データに基づいた被験者の病態診断を行う前に呼吸機能検査を被験者にガイドする検査者が追加データから得られた数値やフローボリュームカーブに基づいて行っていた再測定が必要かどうかの判断を自動化できる。また、検査者によってばらつきがあった再測定が必要かどうかの判断の精度を標準化できる。従って、判断を支援する情報処理が可能である。
また、上記の目的を達成するため、本発明に係る呼吸機能検査システムは、被験者のフローボリュームカーブを測定する測定部を備える呼吸機能検査装置と、過去に実施された被験者の測定結果を示すデータに基づいて新たな測定結果を示す追加データを処理する情報処理装置と、を備える呼吸機能検査システムであって、前記情報処理装置は、呼吸機能検査の妥当性が失われる異常が生じた場合の測定結果を示す第1データを記憶する記憶部と、前記第1データに基づいて前記追加データが得られた呼吸機能検査の妥当性を判定する制御部とを備える。
これによって、従来、追加データに基づいた被験者の病態診断を行う前に呼吸機能検査を被験者にガイドする検査者が追加データから得られた数値やフローボリュームカーブに基づいて行っていた再測定が必要かどうかの判断を自動化できる。また、検査者によってばらつきがあった再測定が必要かどうかの判断の精度を標準化できる。従って、判断を支援する情報処理が可能である。
本発明によれば、判断を支援する情報処理が可能な呼吸機能検査装置、データ処理方法及び呼吸機能検査システムを提供することができる。
図1は、実施形態の呼吸機能検査装置の主要構成例を示すブロック図である。 図2は、測定部の主要構成例を示す模式図である。 図3は、スパイログラム及びスパイログラムから得られる情報の一例を示す模式図である。 図4は、健常者である被験者が正しい測定方法で測定を行った場合のフローボリュームカーブを含むスパイログラムの一例を示す模式図である。 図5は、呼気開始不良が生じた場合のスパイログラムの一例を示す模式図である。 図6は、呼気開始不良が生じた場合のスパイログラムの別の一例を示す模式図である。 図7は、呼気が弱くPEFがない場合のスパイログラムの一例を示す模式図である。 図8は、呼気中に咳を含む場合のスパイログラムの一例を示す模式図である。 図9は、呼気中に声門閉鎖を含む場合のスパイログラムの一例を示す模式図である。 図10は、努力呼気曲線の一例を示す模式図である。 図11は、疾患の有無及び疾患の種類とフローボリュームカーブとの関係の一例を示す模式図である。 図12は、測定データの付加データをテーブルデータ形式で表現した場合の一例を示す図である。 図13は、演算部による処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図14は、診断支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図15は、表示部の表示態様の一例を示す図である。 図16は、可逆性試験を促す通知を含む表示態様の一例を示す図である。 図17は、COPDに罹患している被験者の追加データのフローボリュームカーブの一例を示す模式図である。 図18は、COPDに罹患している被験者の追加データのフローボリュームカーブの一例を示す模式図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、実施形態の呼吸機能検査装置1の主要構成例を示すブロック図である。呼吸機能検査装置1は、測定部10と、データ管理部20とを備える。本実施形態の呼吸機能検査装置1は、スパイロメトリの実施及びスパイロメトリの実施によって得られた被験者のデータに基づいた各種の処理を行う。スパイロメトリは、被験者の肺気量及び肺気量に関わる各種の事項を検査するための呼吸機能検査である。
図2は、測定部10の主要構成例を示す模式図である。測定部10は、被験者の呼吸機能検査に用いられる。測定部10は、例えば、抵抗体11と、圧力差測定部12と、マウスピース13とを備える。抵抗体11は、被験者の呼吸器の流れに対する抵抗を与え、抵抗体11の通過前後の位置に圧力差(差圧)を生じさせる。圧力差測定部12は、抵抗体11で生じた差圧を検出して当該差圧を示す信号をデータ管理部20へ出力する。データ管理部20は、当該信号に基づいたデータを追加データADとする。
追加データADは、例えば、後述するスパイログラムSG(図3等参照)、努力呼気曲線及びこれらに関する各種のパラメータを導出可能なデータとして機能する。追加データADは、スパイログラムSG、努力呼気曲線等の図形を描画可能な当該信号そのものを示すデータであってもよいし、当該信号から導出された各種のパラメータを含むデータの集合体であってもよい。なお、後述する測定データ210は、新たに測定された追加データADに対して、過去の測定によって得られたデータであるという点が異なるのみであり、データの構成要素については追加データADと同様である。
マウスピース13は、被験者であるヒトHの口と抵抗体11との間の気道を形成する。測定部10を用いた呼吸機能検査において、被験者は、マウスピース13を咥えた状態で予め定められた呼吸法に従って呼吸を行う。係る呼吸によって抵抗体11で生じた差圧を圧力差測定部12が検出する。
図2に示す測定部10は、抵抗体11に金属細管の束を採用した所謂フライシュ型気流計を用いたスパイロメータであるが、測定部10の具体的な形態はこれに限られるものでない。測定部10は、例えば、ベネディクト-ロス型、ベローズ型又はその他の種類のスパイロメータであってもよい。
データ管理部20は、測定部10を用いて測定されたデータを利用した各種の処理を行う。データ管理部20は、記憶部21、演算部22、表示部23、入力部24等を備える。記憶部21は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、フラッシュメモリーその他の記憶装置のいずれかを有し、各種のデータを記憶する。記憶部21は、例えば、測定データ210、表示プログラム220、判定プログラム230等を記憶する。
測定データ210は、過去に測定部10を用いて行われた測定結果を示す「過去」データである。また、被験者が新たに行った測定によって測定部10からデータ管理部20に出力された新たな測定結果を示すデータ(追加データAD)は、1人の被験者の1回分の測定データ210として扱われる。すなわち、測定部10を用いて測定が行われるたび、測定データ210に含まれる被験者のデータは増加する。
表示プログラム220は、追加データAD、測定データ210に基づいた表示出力を行うためのソフトウェア・プログラムである。以下、単にプログラムと記載した場合、ソフトウェア・プログラムのことをさす。判定プログラム230は、追加データADがどのようなデータであるかを判定するためのプログラムである。これらのプログラムにより実現される機能については後述する。
演算部22は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を有し、記憶部21に記憶されているプログラム、データを読み出して実行処理し、データ管理部20の動作に関する各種の処理を行う。表示部23は、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネセンスディスプレイその他の表示装置のいずれかを有し、演算部22の処理内容に応じた表示出力を行う。入力部24は、例えば表示部23の表示領域に対するタッチ操作を検出するタッチパネル、キーボード、マウスその他の入力装置のいずれかを有し、データ管理部20に対するユーザの手動入力操作を受け付ける。
以下、追加データAD及び測定データ210に基づいて描画可能なスパイログラムSGの概要について説明する。
図3は、スパイログラムSG及びスパイログラムSGから得られる情報の一例を示す模式図である。スパイロメトリでは、図3に示すようなフローボリュームカーブLを描くグラフであるスパイログラムSGを描画可能なデータが追加データAD(及び測定データ210)として得られる。原点(0)の横軸を基準として上向きの縦軸が呼気による単位時間あたりの呼気流量、すなわち、気流量(フロー)を示し、下向きの縦軸が吸気による気流量を示す。また、幅D1が努力肺活量(FVC:Forced Vital Capacity)を示す。FVCは、後述するV50及びV25における100[%]肺気量の基準として扱われる。なお、V50及びV25の「V」は、正しくは上側に傍点が付されたアルファベットのVである。また、V50は、FEF50(Forced Expiratory Flow at 50% of forced vital capacity)と記載されることもある。また、V25は、FEF75(Forced Expiratory Flow at 75% of forced vital capacity)と記載されることもある。
図3の幅D2で示すように、原点(0)の横軸に対して吸気のフローが最大である瞬間の気流量が、ピークフロー(PEF:Peak Expiratory Flow)である。喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)、ACO(Asthma and COPD Overlap)、肺線維症等の呼吸器疾患に罹患している被験者の場合、一般的に、健常者と比較した場合にPEF等の低下が現れる傾向があるとされる。
また、幅D1の中間点に対応する位置における呼気のフロー、すなわち、図3の幅D3が、50[%]肺気量の時の呼気流量(V50)を示す。また、幅D1の1/4の位置であって、PEFから遠い方の位置における呼気のフロー、すなわち、図3の幅D4が、25[%]肺気量の時の呼気流量(V25)を示す。なお、V50及びV25の呼気流量とは、所定の単位時間(例えば、1秒)あたりの呼気流量である。V50及びV25は、一般的に、被験者の努力による影響を受けない測定値として診断に利用される傾向がある。喘息等、末梢気道閉塞を伴う疾患に罹患している被験者の場合、一般的に、健常者と比較した場合のPEFの低下よりもV50,V25のより顕著な低下が現れる傾向があるとされる。
また、フローボリュームカーブLには現れないが、スパイロメトリでは、さらに、1秒量(FEV1:Forced Expiratory Volume 1sec)及び1秒率(FEV1%:Forced Expiratory Volume 1sec %)も測定される。FEV1は、呼気を開始した瞬間から1秒間に呼出された気量を示す。FEV1%は、FEV1/FVCと表記されることもあり、FVCに対するFEV1の割合を示す。
図3に示すように、フローボリュームカーブLを描く被験者のスパイログラムSGは、時系列に沿って、努力吸気開始点に対応する点P1、努力吸気終了点及び努力呼気開始点に対応する点P2、努力呼気のPEFの頂点に対応する点P3、努力呼気終了点に対応する点P4の順に沿って形成される。
被験者が測定部10を用いた呼吸機能検査を行った結果として得られるスパイログラムSGは、被験者の健康状態、被験者が正しく測定部10を取り扱ったか、呼吸機能検査中に生じることが望ましくない事象(被験者の咳等)が生じたか等の各種の事情によって多様な形態を取る。以下、図4から図11を参照して、スパイログラムSGの各種の形態及び関連事項について説明する。まず、健常者である被験者が正しい測定方法で測定を行った場合のフローボリュームカーブを含むスパイログラムSGについて図4を参照して説明する。そのうえで、呼吸機能検査の開始から終了までの間に正しい測定方法が順守されなかったことでエラーとして扱われるスパイログラムSGについて図5から図9を参照して説明する。
図4は、健常者である被験者が正しい測定方法で測定を行った場合のフローボリュームカーブを含むスパイログラムSGの一例を示す模式図である。図4では、フローボリュームカーブのPEFに対応する気流量(L/sec)に基準線Wを付している。後述する図5から図9では、図4で付された基準線Wを同様に付すことで、フローボリュームカーブのPEFを図4と比較可能に図示している。
図5は、呼気開始不良が生じた場合のスパイログラムSGの一例を示す模式図である。図5に示す例は、図4に示す例に比してフローボリュームカーブのPEFが低く、PEFに至るまでの呼気量が多い。
図6は、呼気開始不良が生じた場合のスパイログラムSGの別の一例を示す模式図である。図6に示す例は、呼気開始後にフローボリュームカーブのPEFに至るまでの間に呼気が生じていることを示すエラーパターンE1が含まれているため、呼気開始不良として扱われる。係る呼気は、例えば意図しない少量のものであるが、エラーパターンE1としての判定の是非は呼気の発生に基づくものであり、呼気量の多少によるものでない。
図7は、呼気が弱くPEFがない場合のスパイログラムSGの一例を示す模式図である。図7に示す例は、図4に示す例に比してフローボリュームカーブのPEFが明らかに低いため、現れるべきPEFがないものとして扱われる。
図8は、呼気中に咳を含む場合のスパイログラムSGの一例を示す模式図である。図8に示す例では、呼気中に被験者が咳をしたことによって呼気量の低下と上昇とが繰り返し生じるエラーパターンE2がフローボリュームカーブで生じている。
図9は、呼気中に声門閉鎖を含む場合のスパイログラムSGの一例を示す模式図である。図9に示す例では、呼気中に被験者が声門を閉じたことによって呼気量が緩やかに低下せず、呼気終末で呼気量が突然基線まで落ちるエラーパターンE3がフローボリュームカーブで生じている。
呼気開始不良の有無については、スパイログラムSGの形状に限らず、努力呼気曲線から導出可能な外挿気量EV(図10参照)、努力呼気時間、呼気終末のプラトー等に基づいて判断可能である。以下、努力呼気曲線及び外挿気量EVについて、図10を参照して説明する。
図10は、努力呼気曲線の一例を示す模式図である。図10に示す努力呼気曲線は、図3に示す点P1から点P4にかけての肺気量の変化を時間軸に沿って示したものである。言い換えれば、スパイログラムSGと努力呼気曲線は、両方とも、1回の呼吸機能検査により得られた1つの追加データAD(及び測定データ210)から導出できる。努力呼気曲線は、横軸が時間軸、縦軸が気量の軸である。図10における右端側が点P1に対応する開始点側であり、左端側が点P4に対応する終了点側である。図10における左端と、被験者の最大吸気量を示す横軸線MAXとの距離は、FVCを表す。
図10に示す線EVLは、努力呼気曲線における横軸線MAXに対する傾き(呼気による吸気量の低下の度合いの傾き)が最大である部分の直線を延長したものである。線EVLと横軸線MAXとの交差点は、努力肺活量の呼気開始点TZとして扱われる。また、呼気開始点TZの時点における横軸線MAXと努力呼気曲線との間隔は、呼気開始点TZにおける呼気量を示す外挿気量EVとして扱われる。
外挿気量EVがFVCの5%以上であるという条件及び外挿気量EVが150ml以上であるという条件の少なくとも一方が満たされた場合、その外挿気量EVを含む呼吸機能検査における呼気開始は不良であると判定される。例えば、図4に示す例が呼気開始不良でなく、図5に示す例が呼気開始不良として扱われる理由の1つは、外挿気量EVに関する条件に基づいている。
また、図4から図9では、各々のフローボリュームカーブが得られた呼吸機能検査における呼気時間の経過と呼気量の増加との関係(プラトーの発生の有無)を示す曲線PL1,PL2,PL3,PL4,PL5,PL6を示している。当該曲線PL1~PL6は、原点側(下側)を0秒(sec)として呼気開始からの時間経過を上側に向かう縦軸で示し、原点側(左側)を0(L)として呼気開始から終了までの呼気量を右側に向かう横軸で示している。また、当該曲線PL1~PL6の上端が呼気開始から呼気終了までの経過時間(努力呼気時間)を示している。例えば、図4に示す例では、曲線PL1の上端がグラフ上端に達している。係るグラフ上端は、努力呼気時間が6秒以上の時間に該当する。これは、努力呼気時間が十分であることを示している。また、曲線PL1は、呼気終了より前から呼気量が実質的に変化しないプラトーが発生している。このような呼気努力時間及びプラトーの発生も、図4に示すスパイログラムが得られた呼吸機能検査が不良を伴わない正しい測定によるものであることを示している。より具体的には、努力呼気曲線が2秒(sec)以上プラトーに達していること又はプラトーにならない場合、最低6秒(sec)以上の努力呼気時間が計測されていること(努力呼気時間が15秒(sec)以上もしくは6秒(sec)以上で被験者が呼気を持続できなくなるまで)。一方、図5に示す例では、曲線PL2の上端がグラフ上端に達していない。これは、努力呼気時間が6秒未満であり、努力呼気時間が不十分であることを示している。また、曲線PL2は、呼気終了まで呼気量が時間経過に従って増加を続けており、プラトーが発生していない。このような呼気努力時間及びプラトーの未発生も、図5に示すスパイログラムが得られた呼吸機能検査が不良を伴う正しくない測定によるものであることを示している。なお、図4から図9では、努力呼気曲線が縦で表されているが、表示部23で測定結果を画面する場合や印刷出力時(レポート上)は努力呼気曲線を横向き(時間軸を横、気量軸を縦)に表現し、フローボリュームカーブと努力呼気曲線を重ねず別グラフとして表示するようにしてもよい。
以上、スパイログラムSGにおけるエラーの具体例について説明したが、スパイログラムSGのフローボリュームカーブを決定する要因はエラーの有無に限られない。被験者の呼吸器疾患の有無及び呼吸器疾患の種類によっても、それぞれ異なるフローボリュームカーブが得られる。
図11は、疾患の有無及び疾患の種類とフローボリュームカーブとの関係の一例を示す模式図である。図11では、被験者が呼吸器疾患にかかっていない健常者である場合のフローボリュームカーブLを目安として、喘息、COPD、ACO、肺線維症の各々の呼吸器疾患にかかっている被験者のフローボリュームカーブの傾向例を示している。
図11に示すように、呼吸器疾患にかかっている被験者からは、健常者である被験者に比して呼気の気流量(L/sec)が相対的に低いフローボリュームカーブ(例えば、フローボリュームカーブL1,L2,L3,L4)が得られる。
各呼吸器疾患の傾向について一例を示すと、COPDにかかっている被験者のフローボリュームカーブL2は、喘息にかかっている被験者のフローボリュームカーブL1に比して、PEF、V50、V25、FVCのいずれも低い傾向がある。また、肺線維症にかかっている被験者のフローボリュームカーブL4は、喘息にかかっている被験者のフローボリュームカーブL1に比して、V50は相対的に高いが、FVCが低い傾向がある。
実施形態では、追加データADが得られる前に測定部10又は測定部10と同等の構成で呼吸機能検査を行うことで得られたデータである測定データ210として、呼吸機能が正常である場合の測定結果を示す第2データ211と、異常がある場合の測定結果を示す他のデータ(図1に示す第1データ213及び第3データ219)とが判別されている。例えば、図4に示すスパイログラムSGが得られる測定データ210は、第2データ211として扱われる。また、図5から図9、図11に示すスパイログラムSGが得られる測定データ210は、第1データ213として扱われる。
また、第1データ213は、どのような異常によって第2データ211とされなかったかの特徴に基づいて分類されている。
例えば、図5から図9を参照して説明したスパイログラムSGが得られたデータは、呼吸機能検査が正しく行われなかったことによって第2データ211とされなかったデータであり、NG(No Good)データ213として扱われる。
また、第1データ213内でもNGとされた具体的な特徴による判別を行ってもよい。図1では、第1データ213として、第1NGデータ213a、第2NGデータ213b、第3NGデータ213c、第4NGデータ213d、第5NGデータ213eが設けられている。第1NGデータ213aは、図10を参照して説明した外挿気量EVによる判定で呼吸開始不良とされた図5に示すようなスパイログラムSGが得られるデータである。第2NGデータ213bは、呼気開始後にフローボリュームカーブのPEFに至るまでの間に吸気が生じたことで呼吸開始不良とされた図6に示すようなスパイログラムSGが得られるデータである。なお、第1NGデータ213aと第2NGデータ213bは、呼吸開始不良NGデータとして統合されてもよい。第3NGデータ213cは、呼気が弱くPEFがないことでNGとされた図7に示すようなスパイログラムSGが得られるデータである。第4NGデータ213dは、咳による呼気量の低下と上昇とが繰り返し生じたことでNGとされた図8に示すようなスパイログラムSGが得られるデータである。第5NGデータ213eは、声門閉鎖による呼気量の低下と上昇とが繰り返し生じたことでNGとされた図9に示すようなスパイログラムSGが得られるデータである。
また、図11を参照して説明したスパイログラムSGが得られたデータは、被験者の呼吸器疾患によって第2データ211とされなかったデータであり、判別可能な疾患の種類に応じたデータとして第3データ219内で扱われる。
例えば、図11に示すフローボリュームカーブL2を含むスパイログラムSGが得られるデータは、COPDデータ214として扱われる。また、図11に示すフローボリュームカーブL4を含むスパイログラムSGが得られるデータは、肺線維症データ215として扱われる。
図11に示すフローボリュームカーブL1,L3を含むスパイログラムSGが得られるデータは、それだけでは呼吸器疾患の判別が困難である。従って、係るデータは、例えば、判別困難データ218として扱われる。一方、実施形態では、判別困難データ218として扱われうるデータのうち、喘息である可能性が高いデータを喘息データ216として判別するための処理フローが設けられている。
被験者が喘息であることを検証するために気道可逆性試験を行うことが知られている。以下、可逆性試験と記載した場合、気道可逆性試験をさす。可逆性試験とは、気管支拡張剤を吸入することで呼吸器系の機能が改善するかどうかを確認する試験である。喘息の場合、気管支拡張剤を吸入することで呼吸器系の機能が有意に改善することが知られている。
図11を参照して説明すると、可逆性試験前の呼吸機能検査でフローボリュームカーブL1が得られた被験者に対して可逆性試験を行い、可逆性試験後に呼吸機能検査を行った場合に得られるフローボリュームカーブは、健常者である被験者のフローボリュームカーブLに相当するものになる傾向がある。
一方、COPD等、喘息とは異なる疾患の場合、気管支拡張剤を吸入しても呼吸器系の有意な機能改善は見受けられないとされる。従って、同一の被験者の可逆性試験前後の両方の呼吸機能検査結果を示す追加データAD(及び測定データ210)を被験者単位で対応付けて管理することで、可逆性試験の結果に基づいた被験者の傾向の把握が可能になる。
なお、ACOにかかっている被験者のフローボリュームカーブL3は、喘息にかかっている被験者のフローボリュームカーブL1との明確な相違点が顕在化しにくく、医療従事者であってもフローボリュームカーブのみに基づいた判別が困難である傾向がある。一方、可逆性試験によるフローボリュームカーブの改善の度合いが、喘息に比して顕在化しない傾向があることによって、区別が可能になる。また、COPD等、フローボリュームカーブによって喘息との区別が可能な被験者についても、可逆性試験を行う選択肢は排除されない。図11では、フローボリュームカーブが喘息と類似する呼吸器疾患としてACOを例示しているが、他の呼吸器疾患であっても、可逆性試験によるフローボリュームカーブの改善の度合い等によって判別する処理フローを別途用意可能である。
図11に示す喘息とACOのフローボリュームカーブL1,L3の関係はあくまで模式的なものであって、可逆性試験なしで喘息とACOの判別が不可能であることを確定的に示すものでない。後述する類似判定によって、可逆性試験なしで喘息又はACOであるという判定を行うことも可能である。
実施形態では、測定部10を用いて新たに得られた追加データAD及び過去の測定データ210の各々に対して、そのデータと他のデータの関連性や被験者の身体的特性その他の情報を示すデータとして、付加データが与えられている。
図12は、測定データ210の付加データをテーブルデータ形式で表現した場合の一例を示す図である。図12の診断結果は、呼吸機能検査装置1のユーザが入力部24を用いて行った入力又は判定プログラム230を実行した記憶部21による判定によって測定データ210に含まれる各回のデータに設定された診断結果である。「正常」の診断結果は、図1に示す第2データ211に該当するデータであることを示す。「COPD」の診断結果は、図1に示すCOPDデータ214に該当するデータであることを示す。「肺線維症」の診断結果は、図1に示す肺線維症データ215に該当するデータであることを示す。「喘息」の診断結果は、図1に示す喘息データ216に該当するデータであることを示す。「不明」の診断結果は、図1に示す判別困難データ218に該当するデータであることを示す。「NG」の診断結果は、図1に示す第1データ213に該当するデータであることを示す。「ACO」の診断結果は、図1に示すACOデータ217に該当するデータであることを示す。「その他」の診断結果は、図1に示す第3データ219に該当するものの、内部で分類されないデータであることを示す。
図12の可逆性試験欄における試験の有無は、可逆性試験が行われた測定結果と関係があるか否かを示す。試験の有無が「無」であるデータは、可逆性試験が行われた測定結果と関係がないことを示す。試験の有無が「有」であるデータは、可逆性試験が行われた測定結果と関係があることを示す。
図12の可逆性試験欄における試験前、試験後、試験前データ及び試験後データは、試験の有無が「有」であるデータのみフィールドにパラメータが設定される。図12の例では、可逆性試験前のデータに該当する場合、試験前に「丸(○)」が設定され、当該データと同一の被験者が可逆性試験を行った後のデータの識別番号が試験後データに設定される。「00000004」の識別番号が与えられたレコードを例にすると、当該レコードに対応するデータが可逆性試験前のデータであり、当該データを得られた被験者が可逆性試験を行った後に得られたデータが「00000005」の識別番号を与えられたデータであることを示している。また、可逆性試験後のデータに該当する場合、試験後に「丸(○)」が設定され、当該データと同一の被験者が可逆性試験を行う前のデータの識別番号が試験前データに設定される。「00000005」の識別番号が与えられたレコードを例にすると、当該レコードに対応するデータが可逆性試験後のデータであり、当該データを得られた被験者が可逆性試験を行う前に得られたデータが「00000004」の識別番号を与えられたデータであることを示している。可逆性試験欄に含まれる各種のパラメータは、例えば入力部24を用いた入力を介して、ユーザにより設定される。
また、図12の被験者属性に含まれる年齢[歳]、性別、身長[cm]、体重[kg]のカラムに設定されているパラメータによって例示するように、測定データ210に含まれる各種のデータには、被験者の年齢[歳]、性別、身長[cm]、体重[kg]等、被験者の身体的特性その他の情報を示すパラメータがさらに設定されてもよい。可逆性試験及び被験者属性のパラメータは、例えば入力部24を用いた入力を介して、ユーザにより設定される。図12で例示する付加データの具体的な内容はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、同様の意味を示す他の表現が用いられていてもよい。
演算部22は、判定プログラム230を実行することで、追加データADと測定データ210との比較結果に基づいた追加データADの判別を行う。具体的には、演算部22は、まず、追加データADが第1データ213に該当するか判定する。追加データADが第1データ213に該当しないと判定された場合、演算部22は、どの呼吸器疾患のデータに該当するかの判定を行う。
より具体的には、演算部22は、例えば、外挿気量EVがFVCの5%以上であるという条件及び外挿気量EVが150ml以上であるという条件の少なくとも一方が満たされるか判定し、満たされる場合、当該条件を満たした追加データADを第1NGデータ213aに追加する。また、演算部22は、フローボリュームカーブに呼気量の上昇と下降とが時系列に沿って入れ替わるように生じるパターン(例えば、エラーパターンE1,E2,E3)が生じていないか判定し、生じている場合、当該追加データADを第2NGデータ213b、第4NGデータ213d又は第5NGデータ213eに追加する。第2NGデータ213b、第4NGデータ213d又は第5NGデータ213eのいずれに該当するかのより詳細な判定は、例えば、図6、図8及び図9を参照して説明した通り、呼気量の上昇と下降とが生じている期間、上昇と下降の繰り返しの度合い、上昇の度合いと下降の度合いによる落差等に基づいて判別される。また、演算部22は、明確なPEFを示すフローボリュームカーブLを描く呼気量の変化であるか判定し、明確なPEFがない場合、当該追加データADを第3NGデータ213cに追加する。どの程度から「明確なPEFがない」とするかの基準は、第2データ211におけるPEFの閾値と同様の考え方で、「明確なPEFがない」ことを判定するための専用の呼気量の閾値を設定するようにしてもよい。これらの判定に基づいて、追加データADが第1データ213に該当するかの判定が行われる。
追加データADが第1データ213に該当しないと判定された場合、演算部22は、追加データADに基づいた診断支援処理を行う。診断支援処理は、スパイログラムに基づいた被験者の呼吸器疾患の有無及び種類の診断を支援する情報の提供に係る処理である。具体的には、演算部22は、例えば、追加データADが第2データ211に該当するかの判定を行う。より具体的には、演算部22は、例えば、明確なPEFを示すフローボリュームカーブLを描く呼気量の変化であるか、呼吸器疾患によるフローボリュームカーブのレベル低下(PEF、V50、V25、FVC等)が生じていないか等の各種条件に基づいて、追加データADが第2データ211であるかの判定を行う。なお、「明確なPEF」、「フローボリュームカーブのレベル(PEF、V50、V25、FVC等)」等を判定するため、フローボリュームカーブのPEF、V50、V25、FVC等の各種の値について、正常な値であるかを判定するための判定基準(例えば、計算式又は閾値)が設定される。当該計算式は、被験者属性のうち年齢[歳]、性別、身長[cm]、体重[kg]等の数値に基づいて健常者のPEF、V50、V25、FVC等の各種の値を求めるための式である。当該閾値は、事前の測定等によって予め定められた値であってもよいし、後述する機械学習によって判定プログラム230を実行中の演算部22が導出した値であってもよいし、前述の計算式によって予め導出された閾値であってもよい。また、係る閾値は、計算式と同様、被験者属性のパラメータの傾向(年齢[歳]、性別、身長[cm]、体重[kg]等)に対応して複数種類設定されてもよい。例えば、男性と女性とで異なる閾値が採用されてもよいし、身長、体重等から求められる体格に応じて異なる閾値が採用されてもよい。演算部22は、追加データADが第2データ211に該当すると判定した場合、当該追加データADを第2データ211に追加する。
このように、図12を参照して説明した付加データに含まれる被験者属性(年齢[歳]、性別、身長[cm]、体重[kg]等)が、追加データAD(及び測定データ210)と対応付けられて記憶部21に記憶されることで、演算部22は、追加データAD(及び測定データ210)が第2データ211に該当するかを判定できる。第2データ211に該当しないということは、第3データ219に該当するということであるので、演算部22は、被験者属性に基づいて追加データADが第3データ219に該当するかを判定できる。なお、付加データは例えばリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS:Relational DataBase Management System)で取り扱われるデータと同様のデータ構造で記憶されていてもよいし、RDBMSに限らず同様に機能する他の構造のデータとして記憶されていてもよく、具体的なデータ構造は任意である。また、測定データ210(及び追加データAD)と付加データとは、例えば測定データ210(及び追加データAD)に個別に付加される識別番号と図12に示す付加データに含まれる識別番号とによって対応付けられる。
また、演算部22は、呼吸器疾患によるフローボリュームカーブのレベル低下(PEF、V50、V25、FVC等)に基づいて、測定データ210に含まれる呼吸器疾患の種類毎のデータ(例えば、COPDデータ214、肺線維症データ215、喘息データ216、ACOデータ217及び判別困難データ218)との類似判定を行う。演算部22は、類似判定で追加データADと最も類似すると判定された種類のデータに追加データADを追加する。
なお、追加データADに対して試験後に「丸(○)」が設定されることで試験済みデータとされた場合、演算部22は、当該試験済みデータと対応付けられた未試験データ218aのフローボリュームカーブに比して当該試験済みデータのフローボリュームカーブが改善しているか判定するようにしてもよい。この場合、具体的には、演算部22は、例えば、未試験データ218a及び当該試験済みデータのフローボリュームカーブのPEF、V50、V25、FVC等に基づいてフローボリュームカーブの改善の度合いを判定する。例えば、図11に示すフローボリュームカーブL1が未試験データ218aのものであり、フローボリュームカーブLが当該試験済みデータのものであるならば、当該試験済みデータは喘息患者に可逆性試験を実施した場合のフローボリュームカーブの改善に該当すると判定される。このような判定結果が得られた場合、演算部22は、当該試験済みデータを喘息データ216の試験済みデータ216aに追加する。一方、改善の度合いが喘息患者に可逆性試験を実施した場合のフローボリュームカーブの改善に該当しないと判定された場合、演算部22は、他の呼吸器疾患に罹患している被験者に可逆性試験を実施した場合のフローボリュームカーブの改善の度合いとの関係の判定をさらに行ってもよい。可逆性試験を実施した場合のフローボリュームカーブの変化(改善等)と呼吸器疾患の種類との関係について、呼吸器疾患の種類別に判定用の閾値を設けてもよい。この場合、係る閾値は予め定められてもよいし、後述する機械学習で導出されてもよい。
また、図11及び図12を参照した説明に基づいて、演算部22は、追加データADが、試験済みデータ216aと対応付けられた未試験データ218aに類似するか判定するようにしてもよい。この類似判定は、例えば、未試験データ218aのうち、喘息データ216に含まれる試験済みデータ216aと対応付けられたものと当該追加データADとの相関と、未試験データ218aのうち、ACOデータ217に含まれる試験済みデータ217aと対応付けられたものと当該追加データADとの相関と、の相対的高低に基づいて行われる。この類似判定を行った結果、追加データADが喘息データ216に含まれる試験済みデータ216aと対応付けられた未試験データ218aに類似すると判定された場合、演算部22は、スパイログラムSGの表示を行う(図15参照)とともに、可逆性試験を促す通知を当該表示に含ませるようにしてもよい。これによって、可逆性試験を実施する妥当性に関する情報の提供が可能になる。
さらに、実施形態の呼吸機能検査装置1は、所謂機械学習によって追加データADの判定精度をより高められる。例えば、所謂ニューラルネットワークにおける入力を追加データADとし、出力を追加データADの判定結果とし、教師データを測定データ210に含まれる各種のデータとする。ここで、判定プログラム230を実行中の演算部22は、当該ニューラルネットワークを生成して入力と出力との間に介在し、上述の処理(特に、図10参照)を行って入力から出力を導出するための重み付けを行う隠れ層として機能する。当該隠れ層としての演算部22は、追加データADが示すスパイログラムSGの軌跡、FVC、PEFの気流量、V50、V25、FEV1、FEV1%、外挿気量EVその他の特徴に基づいて追加データADに基づいた重み付けの度合いを示す値を出力することで、追加データADの判定結果を決定する。
より具体的には、例えば追加データADが第2データ211である可能性が高い場合に高い値を出力するニューロンと、追加データADがCOPDデータ214である可能性が高い場合に高い値を出力するニューロンと、追加データADが喘息データ216である可能性が高い場合に高い値を出力するニューロンと、追加データADが第1データ213である可能性が高い場合に高い値を出力するニューロンと、…のように、測定データ210に含まれるデータの種類の各々に対応したニューロンとして演算部22が機能する判定プログラム230が採用される。これによって、実施形態では、機械学習による追加データADの判定を行うことができる。すなわち、判定プログラム230は、機械学習プログラムとして機能する。また、判定プログラム230を実行中の演算部22を含む構成は、所謂機械学習システムとして機能する。
さらに、FVCに基づいた重み付けを行うためのニューロンと、PEFの気流量に基づいた重み付けを行うためのニューロンと、V50に基づいた重み付けを行うためのニューロンと、V25に基づいた重み付けを行うためのニューロンと、FEV1に基づいた重み付けを行うためのニューロンと、FEV1%に基づいた重み付けを行うためのニューロンと、外挿気量EVに基づいた重み付けを行うためのニューロンと、…のように、入力と出力との間に介在する隠れ層を構成するニューロンを階層化するアルゴリズムを含む判定プログラム230が採用されることで、より高い精度が望める。これらをさらに発展させて所謂ディープラーニングによる追加データADの判定を行うようにしてもよい。
上述の実施形態における判定結果に従って追加データADが測定データ210に含まれるいずれかのデータに分類されると、その後、当該追加データADを含む測定データ210が教師データとして機能する。すなわち、追加データADが生じる程、測定データ210がより多様なデータを含み、かつ、正しい判定結果を得るための「学習後の教師データ」として機能する。ここで、万が一、判定結果に誤りがあったとしても、例えば入力部24を介した手動入力によってユーザが当該誤りを訂正して正しい判定結果を設定することで、演算部22は、判定プログラム230による隠れ層の重み付けを訂正する機会を得ることができる。すなわち、実施形態では、必要に応じてユーザが教師データをより正確なデータにすることができる。これによって、判定プログラム230を実行中の演算部22は、より正解に近い判定結果を得られる重み付けに基づいて追加データADの判定結果を導出することができる。このような教師データと出力とのすりあわせの機会が生じ得ることを考慮し、判定プログラム230は更新可能に設けられることが望ましい。
図13は、演算部22による処理の流れの一例を示すフローチャートである。特筆しない限り、図13に示す処理は、判定プログラム230を実行中の演算部22による処理である。測定部10を用いて新たに測定された追加データADが測定部10からデータ管理部20に出力された場合、演算部22は、当該追加データADを取得することで(ステップS1)、フローボリュームカーブを含むスパイログラムSGを描画可能なデータを得る。
演算部22は、ステップS1の処理で得た追加データADのスパイログラムSGが、第1データ213に該当するか判定する(ステップS2)。具体的には、演算部22は、外挿気量EVがFVCの5%以上であるという条件及び外挿気量EVが150ml以上であるという条件の少なくとも一方が満たされたか、フローボリュームカーブLを描く呼気開始から終了までの間にエラーパターン(例えば、エラーパターンE1,E2,E3)が生じているか、フローボリュームカーブLにPEFが生じているか等に基づいて、測定部10を用いた呼吸機能検査の妥当性が失われることになる異常の有無を判定する。
ステップS2の処理で第1データ213に該当すると判定された場合(ステップS2;Yes)、演算部22は、第1データ213の種類を判定し(ステップS3)、当該追加データADを第1データ213のうち該当する種類のデータに追加し(ステップS4)、当該追加データADの診断結果を「NG」とする付加データを与える。なお、ステップS4の処理における第1データ213の種類とは、例えば上述の第1NGデータ213a、第2NGデータ213b、第3NGデータ213c、第4NGデータ213d、第5NGデータ213e等である。ステップS4の処理後、演算部22は、表示プログラム220を実行して当該追加データADに基づいた表示を行う。ここで、演算部22は、表示内容に再測定を促す通知を含ませる(ステップS5)。表示プログラム220の実行による表示態様については後述する。ステップS5の処理後、当該追加データADに関する処理はいったん終了する。再測定が促された後に再度測定部10を用いた追加データADの取得が行われた場合、ステップS1から処理が再開される。
一方、ステップS2の処理で、第1データ213に該当しないと判定された場合(ステップS2;No)、すなわち、妥当性がある追加データADが得られたと判定された場合、演算部22は、診断支援処理を行う(ステップS6)。
図14は、診断支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。演算部22は、ステップS1の追加データADに関して呼吸機能検査装置1のユーザによって入力された、可逆性試験の有無、可逆性試験が行われた場合の前後関係を示す付加データを取得する(ステップS11)。なお、ステップS11の処理は、ステップS2の処理前に行われてもよい。
演算部22は、ステップS11の処理で得た付加データに基づいて、ステップS1の処理で得た追加データADが試験済みデータに該当するか判定する(ステップS12)。具体的には、演算部22は、付加データの試験後に「丸(○)」が設定されたか判定する。以下、ステップS12の処理で該当しないと判定された場合(ステップS12;No)について先に説明する。
演算部22は、ステップS1の処理で得た追加データADのスパイログラムSGが、第2データ211に該当するか判定する(ステップS13)。第2データ211に該当すると判定された場合(ステップS13;Yes)、演算部22は、当該追加データADを第2データ211に追加し(ステップS14)、当該追加データADの診断結果を「正常」とする付加データを与える。また、演算部22は、表示プログラム220を実行して当該追加データADに基づいた表示を行う(ステップS15)。表示プログラム220の実行による表示態様については後述する。ステップS15の処理後、当該追加データADに関する処理は終了する。
ステップS13の処理で、第2データ211に該当しないと判定された場合(ステップS13;No)、演算部22は、ステップS1の処理で得た追加データADのフローボリュームカーブが、判別困難データ218に該当するか判定する(ステップS16)。判別困難データ218に該当しないと判定された場合(ステップS16;No)、演算部22は、当該追加データADがどの呼吸器疾患のデータであるかを判定する。図14では、ステップS17の処理として、演算部22は、当該追加データADが喘息データ216に該当するか判定している。ステップS1の処理で得た追加データADが喘息データ216に該当すると判定された場合(ステップS17;Yes)、演算部22は、当該追加データADを喘息データ216に追加し(ステップS18)、当該追加データADの診断結果を「喘息」とする付加データを与える。一方、そうでない場合(ステップS17;No)、演算部22は、当該追加データADを喘息以外の呼吸器疾患の種類に応じたデータに追加する(ステップS19)。喘息以外の呼吸器疾患の種類とは、例えば上述のCOPD、ACO、肺線維症等である。なお、図14を参照した説明では、呼吸器疾患の種類に応じた判定の例としてまず喘息について判定を行っているが、演算部22は、他の呼吸器疾患のデータであるかの判定をより先に行ってもよく、呼吸器疾患の種類と判定の順序については順不同である。また、演算部22は、各呼吸器疾患に該当するかの判定を個別に行うのではなく、フローボリュームカーブのPEF、V50、V25、FVC等に基づいて、どの疾患に該当するかを判定するようにしてもよい。
ステップS16の処理で、判別困難データ218に該当すると判定された場合(ステップS16;Yes)、演算部22は、当該追加データADを判別困難データ218に追加し(ステップS20)、当該追加データADの診断結果を「不明」とする付加データを与える。演算部22は、当該追加データADが、喘息データ216の試験済みデータ216aと対応付けられた未試験データ218aに類似するか判定する(ステップS21)。
ステップS1の処理で得た追加データADが喘息データ216の試験済みデータ216aと対応付けられた未試験データ218aに類似すると判定された場合(ステップS21;Yes)、演算部22は、表示プログラム220を実行して当該追加データADに基づいた表示を行うとともに、可逆性試験を促す通知を当該表示に含ませる(ステップS22)。ステップS22の処理後、当該追加データADに関する処理は終了する。一方、当該追加データADが喘息データ216の試験済みデータ216aと対応付けられた未試験データ218aに類似しないと判定された場合(ステップS21;No)、ステップS15の処理に移行する。
次に、ステップS12の処理で、追加データADが試験済みデータに該当すると判定された場合(ステップS12;Yes)について説明する。演算部22は、ステップS11の処理で与えられた付加データによって対応付けられた未試験データ218aを取得する(ステップS23)。演算部22は、当該未試験データ218aのフローボリュームカーブに比して当該追加データADのフローボリュームカーブが改善しているか判定する(ステップS24)。改善していると判定された場合(ステップS24;Yes)、ステップS18の処理に移行する。ただし、この場合、ステップS18の処理において、演算部22は、当該追加データADを喘息データ216の試験済みデータ216aに追加する。一方、ステップS24の処理で、当該未試験データ218aのフローボリュームカーブに比して当該追加データADのフローボリュームカーブが改善していないと判定された場合(ステップS24;No)、ステップS19の処理に移行する。なお、この場合、ステップS19の処理において、演算部22は、当該追加データADを呼吸器疾患の種類毎のデータに含まれる試験済みデータ(例えば、ACOデータ217の試験済みデータ217a)とするようにしてもよい。
図15は、表示部23の表示態様の一例を示す図である。演算部22は、表示プログラム220の実行によって、表示部23に追加データAD、測定データ210に基づいた表示出力を行わせる。なお、表示プログラム220による表示態様は図15に示す例に限定されず、スパイログラムSGを把握可能な形態であればよい。図15に示す表示態様では、測定部10を用いて得られた追加データADに基づいたスパイログラムSGが描画された表示部23を例示している。
また、図15では、表示されたスパイログラムSGが第1データ213であると判定された理由を示す強調表示部CPがさらに表示されている。強調表示部CPは、例えば図8におけるエラーパターンE2のように、呼吸機能検査中に生じたエラーの原因に対応する部分を囲う枠として表示されるが、これは具体的な強調表示部CPの表示態様の一例であってこれに限られるものでない。強調表示部CPは、エラーの原因とされたスパイログラムSGの線又は背景の色分け等による強調表示であってもよいし、エラーの原因とされた箇所に対する矢印及びエラーの原因を解説する文字列であってもよいし、その他エラーの原因を把握可能なあらゆる態様であってよい。
また、図13を参照して説明したステップS5の処理のように再測定を促す通知を含む追加データADの表示が行われる場合、例えば図15の通知MEのように「再測定をして下さい。」といった文字列を含む表示内容が加えられる。また、係る通知MEでは、再測定が必要になった原因についてさらに通知するようにしてもよい。図15に示すスパイログラムSGでは、呼気中に被験者が咳をしたことによって呼気量の低下と上昇とが繰り返し生じるエラーパターンE2が生じている。このため、再測定が必要になった原因が「咳」であることから、通知MEでは再測定が必要になった原因を示す文字列としての「測定中に咳をした可能性があります。」が、再測定を促す「再測定をして下さい。」の文字列の前にさらに加えられている。原因を示す文字列はこれに限られるものでなく、図5から図10を参照して説明した不良の原因毎に個別に設定される。
なお、図14を参照して説明したステップ15の処理では、再測定を促す通知が行われないことから、図15の強調表示部CP及び通知MEは表示されず、スパイログラムSGが表示される。
図16は、可逆性試験を促す通知を含む表示態様の一例を示す図である。図14を参照して説明したステップ22の処理のように可逆性試験を促す通知を含む追加データADの表示が行われる場合、図15における通知MEに代えて図16に示す通知Cのように「気道可逆性試験の実施を推奨します。」といった文字列を含む表示内容が加えられる。また、付随情報Mを表示するようにしてもよい。図16の付随情報Mでは、追加データADから得られたスパイログラムSGに基づいた被験者の診断結果として、喘息を含む各種の呼吸器疾患の各々に該当する可能性をパーセンテージ(0[%]~100[%])で数値化して示している。係るパーセンテージの数値は、例えば上述のニューラルネットワークの形成による重み付け処理で追加データADと各種の呼吸器疾患との関係性の強さを数値化する処理によって導出される。図16では、通知Cと共に表示される付随情報Mを例示しており、喘息であると診断される可能性が相対的に他の呼吸器疾患に比して高くなっている。
なお、付随情報Mのような、ニューラルネットワークの形成による重み付け処理で導出された追加データADに関する情報は、ステップS22の処理による追加データADの表示が行われる場合に限らず、ステップS15の処理による追加データADの表示が行われる場合に表示してもよい。無論、追加データADの内容によっては喘息以外の呼吸器疾患であると診断される可能性がより高い場合もありうる。その場合、通知Cは表示されない。
また、第3データ219に基づいて診断支援可能な呼吸器疾患は、喘息、COPD、ACO、肺線維症に限られるものでない。例えば、気腫合併肺線維症(CPFE:Combined Pulmonary Fibrosis and Emphysema)やその他の呼吸器疾患に対応する過去のデータを記憶部21に記憶させることで、CPFEやその他の呼吸器疾患にも対応可能である。演算部22による判定の順序として、例えば、喘息、COPD、ACO、肺線維症に該当せず判別困難データ218として扱われる場合の処理をより細分化し、CPFEやその他の呼吸器疾患について個別に該当の妥当性を判定するようにしてもよいし、付随情報Mのようにニューラルネットワークの形成による重み付け処理に基づいてパーセンテージ(0[%]~100[%])で表すようにしてもよい。
また、図16に例示する付随情報Mは、追加データADが各呼吸器疾患に該当する場合の各呼吸器疾患の重症度を「軽症」と「重症」との間の横軸に付された「○」の位置で示している。このように呼吸器疾患の重症度を判定する場合、第3データ219に含まれる各呼吸器疾患別のデータ内でさらに「軽症」の場合、「重症」の場合、のように予め設定された重症度の段階別のデータが用意される。演算部22は、各呼吸器疾患のデータに含まれる重症度の段階別のデータと追加データADとの類似の度合いに基づいて重症度を判定し、付随情報Mにおける「○」の位置を決定する。
図17及び図18は、COPDに罹患している被験者の追加データADのフローボリュームカーブの一例を示す模式図である。なお、図17は、疾患の程度が図18の例に比して軽症である場合のフローボリュームカーブを示し、上述の付随情報Mで重症度の中間点よりも軽症側に「○」がつく程度である。また、図18は、疾患の程度が図17の例に比して重症である場合のフローボリュームカーブを示し、上述の付随情報Mで重症度の中間点よりも重症側に「○」がつく程度である。COPDガイドラインとして国際的に利用されているGOLD(Global initiative for chronic Obstructive Lung Disease)によれば、図17に示す例はステージ1に属し、図18に示す例はステージ3に属する。
図17及び図18に示すフローボリュームカーブL21,L22は、図11を参照して説明した健常者である場合のフローボリュームカーブLに対する各呼吸器疾患のフローボリュームカーブL1,L2,L3,L4等の傾向に基づいて、COPDである可能性が高いと判定されるフローボリュームカーブである。また、フローボリュームカーブL21とフローボリュームカーブL22との相違で例示するように、同じ疾患である可能性が高いと判定される場合であっても被験者の呼吸器疾患の重症度によってフローボリュームカーブは異なるものになりうる。一般的に、呼吸器疾患の重症度が深刻であるほどPEF、V50、V25、FVCのいずれも低くなる傾向がある。図17及び図18の例のように図示した場合、特にPEF及びFVCの低下が視覚的に顕著に現れる。
重症度を診断する場合の一例を挙げると、記憶部21には予め各呼吸器疾患のデータ内で重症度毎(COPDデータ214の場合、ステージ毎)にデータが分類されて記憶されている。演算部22は、追加データADが新たな第3データ219に該当すると判定された場合、どの呼吸器疾患に該当する可能性が高いかの判定と、該当する可能性が高い呼吸器疾患における重症の判定を、記憶部21において係る分類がされた既存の第3データ219に基づいて判定する。係る判定は、上述のニューラルネットワークを利用した処理に基づいたものであってもよいし、他の処理(例えば、総当たりの比較照合処理等)であってもよい。演算部22は、判定結果に応じて上述の付随情報Mのように各呼吸器疾患に該当する可能性及び重症度を出力する。
重症度を診断する場合の別の一例を挙げると、被験者属性(例えば、被験者の年齢、性別、身長、体重等)に基づいて当該被験者属性に対応した健常者である場合のフローボリュームカーブLを導出する演算式を予め記憶部21に記憶しておいてもよい。この場合、当該演算式を示すデータは、第2データ211に含まれる。また、係る演算式で導出されたフローボリュームカーブLに基づいた各種パラメータ(例えば、PEF、V50、V25、FVC等)と、各呼吸器疾患の重症度毎の当該各種パラメータとの関係(例えば、パーセンテージ等)を示すデータが第3データ219に含まれる。演算部22は、係る演算式に基づいて導出されたフローボリュームカーブLと追加データADから導出されたフローボリュームカーブとに基づいて、追加データADが新たな第3データ219に該当するか、第3データ219に該当する場合にどの呼吸器疾患に該当し、どの重症度に該当するかを判定するようにしてもよい。
なお、図17及び図18を参照した説明では、COPDを例として重症度の診断について説明をしているが、重症度の診断はCOPDに限定されず、喘息、ACO、肺線維症、CPFEその他の病態においても同様に適用可能である。
なお、CPFEについて説明すると、CPFEに罹患している被験者は、パルスオキシメータで測定可能な酸素飽和度(SpO2)が健常者より相対的に低く(95[%])、かつ、肺拡散能力試験(DLCO:Diffusing capacity of Lung for Carbon monOxide)の測定結果が健常者より相対的に低く現れる傾向がある。ただし、SpO2及びDLCOはスパイログラムSGから導出することを想定したものでなく、また、CPFEは、COPDの閉塞性換気障害と肺線維症の拘束性換気障害の特徴とが相殺される可能性があり、フローボリュームカーブLの波形の特徴ははっきりしない。従って、スパイログラムSGのみでは喘息等の他の呼吸器疾患との判別が困難な傾向がある。一方、一人の被験者について継続的に追加データADその他の測定データを取得した際、点P3から点P4(図3参照)の間に現れるフローボリュームカーブLの下に凸の部分は健常者とほぼ同等なレベルに改善しているが、SpO2及びDLCOなどが改善せず、高解像度コンピューター断層撮影(High Resolution Computed Tomography)等の画像診断によってCPFEの可能性を疑われる診断結果が得られることがある。
実施形態でCPFEに関する診断結果を行う場合、予めCPFEに罹患していると診断された被験者に測定部10を用いた測定を行ってもらうことでCPFEの第3データ219を得ることで、上述のニューラルネットワークによる重み付けの教師データとする。検査者が1つのスパイログラムSGを見ただけでは健常者であるかCPFEであるかを判別困難であっても、健常者及びCPFEのデータをより多く記憶部21に記憶させておくことで、ニューラルネットワークによる重み付け処理により、スパイログラムSGに基づいて健常者とCPFEとをパーセンテージ(0[%]~100[%])レベルで診断支援することは可能である。これは、健常者とCPFEとの関係に限られるものでなく、1つのスパイログラムSGを見るだけでは診断が困難な他の呼吸器疾患についても同様である。例えば、上述の喘息とACOとの区別についても同様である。
また、図示しないが、スパイログラムSGが呼吸器疾患の傾向を示していた場合、呼吸器疾患の種類を示す通知を表示部23に表示させてもよい。また、上述のステップS16の処理として、可逆性試験を促す通知を表示部23に表示させてもよい。これらの通知は、例えば文字列又は記号等の画像によって行われるが、これに限られるものでなく、通知の内容をユーザに伝達可能なあらゆる態様であってよい。
また、入力部24からの入力操作に応じて、演算部22は、追加データADに限らず、過去の測定データ210に含まれるデータに基づいた表示を追加データADと同様の表示態様で表示部23に表示させるようにしてもよい。
以上説明したように、実施形態の呼吸機能検査装置1は、スパイログラムSGを導出可能なデータであって過去に実施された被験者の呼吸機能の測定結果を示すデータ(測定データ210)に基づいて新たな呼吸機能の測定結果を示す追加データADを処理する呼吸機能検査装置であって、呼吸機能検査の妥当性が失われる異常が生じた場合の測定結果を示す第1データ213を記憶する記憶部21と、第1データ213に基づいて追加データADが得られた呼吸機能検査の妥当性を判定する制御部(演算部22)とを備える。
このような実施形態によれば、従来、追加データADに基づいた被験者の病態診断を行う前に測定部10を用いた呼吸機能検査を被験者にガイドする検査者が追加データADの数値やフローボリュームカーブに基づいて行っていた再測定が必要かどうかの判断を自動化できる。また、検査者によってばらつきがあった再測定が必要かどうかの判断の精度を標準化できる。従って、判断を支援する情報処理が可能である。
また、実施形態の演算部22は、追加データADが得られた呼吸機能検査の妥当性がないと判定された場合に追加データADの再取得を促す通知(例えば、図15の通知ME)を含む表示を行う表示部23を備える。
これによって、再度の呼吸機能検査の実施を促す情報を提供できる。
また、実施形態の記憶部21は、健常者の呼吸機能の測定結果を示す第2データ211と、呼吸器疾患に罹患している被験者の呼吸機能の測定結果を示す第3データ219とを記憶する。制御部(演算部22)は、追加データADが得られた呼吸機能検査の妥当性があると判定された場合に追加データADが第2データ211又は第3データ219のいずれに該当するかさらに判定する。
これによって、被験者の病態診断を支援する情報処理が可能である。
また、実施形態の測定データ210は、可逆性試験を経た再度の測定結果に基づいて喘息と判定された試験済みデータ216aを含む。また実施形態の判別困難データ218は、未試験データ218aを含む。試験済みデータ216aと未試験データ218aとは対応付けられる。実施形態の演算部22は、追加データADと未試験データ218aとの照合結果に基づいて、追加データADが測定された被験者に対する可逆性試験の実施の妥当性をさらに判定する。
これによって、可逆性試験を行うことで喘息と判定する診断の確度がより高められる。従って、診断を支援する情報処理が可能である。
また、制御部(演算部22)は、追加データADが第3データ219に該当する場合、記憶部21に記憶されている呼吸器疾患の重症度別に設けられた第3データ219に基づいて被験者の呼吸器疾患の重症度を判定する。
これによって、呼吸器疾患の重症度の診断を支援できる。
また、判定プログラム230を実行中の演算部22は、追加データADを入力とし、第2データ211及び第3データ219を教師データとし、追加データADの判定結果を出力とするニューラルネットワークを生成する。
これによって、機械学習を利用した判断の支援が可能である。
さらに、多角的な角度から、ニューラルネットワークを利用した所謂AI的な処理(又は、ニューラルネットワークを利用しない通常の演算処理による判定)を用いて検査の妥当性を確認できることから、追加データADの妥当性判断をスピーディに行うことができる。また、呼吸機能検査装置1で判断された追加データADのエラー(不具合とされた具体的なポイント)を表示することで、検査中の被験者の待ち時間が短縮される効果が期待される。
なお、可逆性試験が行われた場合、表示部23の表示内容に可逆性試験前後のデータを並列表示又は重畳表示するようにしてもよい。これによって、可逆性試験の効果をより分かりやすく示すことができる。
また、判定プログラム230の実行によって記憶部21がデータの種別(診断結果)の判定を行った追加データADに対して、呼吸機能検査装置1のユーザが入力部24を用いた入力によって診断結果を更新した場合、当該追加データADは、更新された診断結果に対応するデータとして扱われるようにしてもよい。これによって、万が一、演算部22の判定結果に誤りが生じたとしても、事後に訂正できる。また、この訂正によって、以後の演算部22による判定の確度をより高めることができる。
また、図1を参照して説明した実施形態の構成では、データ管理部20が呼吸機能検査装置1に含まれているが、データ管理部20の構成は、測定部10を備える呼吸機能検査装置と別体の情報処理装置に含まれていてもよい。この場合、呼吸機能検査装置と情報処理装置は通信可能に接続される。情報処理装置のデータ管理部20は、測定部10を備える呼吸機能検査装置から出力される追加データADを取得し、予め記憶されている測定データ210を参照した判定を行う。呼吸機能検査装置は、表示部23と同様の表示装置を備え、情報処理装置の判定結果に基づいた表示出力(図15参照)を行う。
1 呼吸機能検査装置
10 測定部
20 データ管理部
21 記憶部
22 演算部
23 表示部
24 入力部
210 測定データ
211 第2データ
213 第1データ
213a 第1NGデータ
213b 第2NGデータ
213c 第3NGデータ
213d 第4NGデータ
213e 第5NGデータ
214 COPDデータ
215 肺線維症データ
216 喘息データ
216a,217a 試験済みデータ
217 ACOデータ
218 判別困難データ
218a 未試験データ
219 第3データ
AD 追加データ

Claims (10)

  1. スパイログラムを導出可能なデータであって過去に実施された被験者の呼吸機能の測定結果を示す過去データに基づいて新たな呼吸機能の測定結果を示す追加データを処理する呼吸機能検査装置であって、
    呼吸機能が正常である場合の測定結果を示すデータ及び異常がある場合の測定結果を示すデータを前記過去データとして記憶する記憶部と、
    前記追加データと前記過去データとの相関の少なくとも一方を判定する制御部とを備え
    前記過去データは、呼吸機能検査の妥当性が失われる異常が生じた場合の測定結果を示す第1データを含み、
    前記制御部は、前記第1データに基づいて前記追加データが得られた呼吸機能検査の妥当性を判定する
    呼吸機能検査装置。
  2. 前記追加データが得られた呼吸機能検査の妥当性がないと判定された場合に前記追加データの再取得を促す通知を含む表示を行う表示部を備える
    請求項に記載の呼吸機能検査装置。
  3. 前記過去データは、健常者の呼吸機能の測定結果を示す第2データと、呼吸器疾患に罹患している被験者の呼吸機能の測定結果を示す第3データを含み、
    前記制御部は、前記追加データが得られた呼吸機能検査の妥当性があると判定された場合に前記追加データが前記第2データ又は前記第3データのいずれに該当するかさらに判定する
    請求項又はに記載の呼吸機能検査装置。
  4. 前記第3データは、喘息を罹患している被験者の喘息データと、喘息又は他の呼吸器疾患のいずれであるか判定が困難な判別困難データとを含み、
    前記喘息データは、気道可逆性試験を経た再度の測定結果に基づいて喘息と判定された試験済みデータを含み、
    前記判別困難データは、前記試験済みデータが得られた被験者が前記気道可逆性試験を経る前の未試験データを含み、
    前記試験済みデータと前記未試験データとは対応付けられ、
    前記制御部は、前記追加データと前記未試験データとの照合結果に基づいて、前記追加データが測定された被験者に対する前記気道可逆性試験の実施の妥当性をさらに判定する
    請求項に記載の呼吸機能検査装置。
  5. 前記過去データは、複数の前記被験者の各々の年齢、性別、身長、体重のうち少なくとも1つ以上を含む被験者属性情報を含み、
    前記制御部は、前記被験者属性情報に基づいて前記追加データが前記第2データ又は前記第3データのいずれに該当するか判定する
    請求項又はに記載の呼吸機能検査装置。
  6. 前記制御部は、前記追加データが前記第3データに該当する場合、前記記憶部に記憶されている呼吸器疾患の重症度別に設けられた前記第3データに基づいて前記被験者の呼吸器疾患の重症度を判定する
    請求項からのいずれか一項に記載の呼吸機能検査装置。
  7. 前記制御部は、前記追加データを入力とし、前記記憶部に記憶されているデータを教師データとし、前記追加データの判定結果を出力とするニューラルネットワークを生成する
    請求項1からのいずれか一項に記載の呼吸機能検査装置。
  8. 情報処理装置が、呼吸機能検査装置を用いて過去に実施された被験者の測定結果を示すデータであって、呼吸機能検査の妥当性が失われる異常が生じた場合の測定結果を示す第1データを含むデータに基づいて新たな測定結果を示す追加データを処理するデータ処理方法であって、
    前記第1データに基づいて前記追加データが得られた呼吸機能検査の妥当性を判定するステップを含む
    データ処理方法。
  9. 被験者のフローボリュームカーブを測定する測定部を備える呼吸機能検査装置と、
    過去に実施された被験者の測定結果を示すデータに基づいて新たな測定結果を示す追加データを処理する情報処理装置と、を備える呼吸機能検査システムであって、
    前記情報処理装置は、
    呼吸機能検査の妥当性が失われる異常が生じた場合の測定結果を示す第1データを記憶する記憶部と、
    前記第1データに基づいて前記追加データが得られた呼吸機能検査の妥当性を判定する制御部とを備える
    呼吸機能検査システム。
  10. スパイログラムを導出可能なデータであって過去に実施された被験者の呼吸機能の測定結果を示す過去データに基づいて新たな呼吸機能の測定結果を示す追加データを処理する呼吸機能検査システムであって、
    呼吸機能が正常である場合の測定結果を示すデータ及び異常がある場合の測定結果を示すデータを前記過去データとして記憶する記憶部と、
    前記追加データと前記過去データとの相関の少なくとも一方を判定する制御部とを備え、
    前記過去データは、呼吸機能検査の妥当性が失われる異常が生じた場合の測定結果を示す第1データを含み、
    前記制御部は、前記第1データに基づいて前記追加データが得られた呼吸機能検査の妥当性を判定する
    呼吸機能検査システム。
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