JP2004049336A - 物品載置体 - Google Patents
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Abstract
【課題】壁面工事を要することなく店舗等における壁面の所望個所に所望形状の商品棚を取り付けたり、オフィスの壁面に種々の物品あるいは観葉植物等の観賞品を載置自在とし極めて有効に利用することができることは勿論のこと、オフィスのスチール机の脇に事務作業上必要な事務用品あるいは私物等各種物品の載置部材を取付けること等が可能であり、磁性壁面に対し取付け取外し自在でかなりの重量物であっても壁面より落下したりすることなく安定した状態で載置することのできる物品載置体を提供する。
【解決手段】表面に滑り止め加工を施した第1の磁石体4を下方に配設し、上方には第1の磁石体よりも強い磁着力を有する第2の磁石体5を配設してなる磁性壁面に対し着脱自在に磁着する壁面板2には、反壁面方向に延出する載置板3を取付け形成し、この載置板上に物品を載置する。
【選択図】 図1
【解決手段】表面に滑り止め加工を施した第1の磁石体4を下方に配設し、上方には第1の磁石体よりも強い磁着力を有する第2の磁石体5を配設してなる磁性壁面に対し着脱自在に磁着する壁面板2には、反壁面方向に延出する載置板3を取付け形成し、この載置板上に物品を載置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁面に美観を添えるべく観葉植物や各種ディスプレイを設置したり、壁面を有効利用したりするための着脱自在な棚のごとき物品載置体に関し、特に磁性壁面に対し容易に磁着させることができ、かつかなりの重量物をも支えることができる物品載置体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、店舗等の壁面あるいはオフィスの壁面を有効に利用しようとする発想の下、商品陳列を始めとし、書類、オフィス用品の置き場所としてさらには観葉植物あるいは芸術品、趣味品等を載置するために既存の壁面に棚台を形成すべく、棚部材、引っ掛け金物、釘・ボルト等の壁面取付具の設置工事を行っていた。
【0003】
例えば、店舗等の陳列棚等にあっては、ある程度の期間を経ては模様替えをするために壁面取付具の取り外し・取り付けが行われるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、棚部材、引っ掛け金物、釘・ボルト等の壁面取付具の設置工事にあっては、誰でもが簡単に行えるものでなく、専門家に依頼する必要があることから費用も嵩み、かつ壁面の修復も必要であることから工事期間も一定程度必要になっていた。
【0005】
また、オフィス等にあっては、殺風景な壁面を有効に利用し種々の物品あるいは観賞品を載置すべく棚を形成しようとしてもパーーティション面等に穴を開けたり、接着したりの加工することは簡単には行えることではなかった。さらに、オフィスのスチール机の脇に少しものを載置するスペースが必要な場合には、今までであれば脇机を設置するしか方法はなかった。
【0006】
そこで、本発明にあっては、上述の壁面工事を要することなく店舗等における壁面の所望個所に所望形状の商品棚を取り付けたり、オフィスの壁面に種々の物品あるいは観葉植物等の観賞品を載置自在とし極めて有効に利用することができることは勿論のこと、オフィスのスチール机の脇に事務作業上必要な事務用品あるいは私物等各種物品の載置部材を取付けること等が可能であり、磁性壁面に対し取付け取外し自在でかなりの重量物であっても壁面より落下したりすることなく安定した状態で載置することのできる物品載置体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するため、本発明の物品載置体は、表面に滑り止め加工を施した第1の磁石体を下方に配設し、上方には前記第1の磁石体よりも強い磁着力を有する第2の磁石体を配設してなる磁性壁面に対し着脱自在に磁着する壁面板には、反壁面方向に延出する載置板を取付け形成し、この載置板上に物品を載置することを特徴とするものである。
【0008】
また、第2の磁石体は希土類磁石とすることを特徴とするものである。
【0009】
また、載置板の上面には滑り止め加工を施してなることを特徴とするものである。
【0010】
また、第1の磁石体の滑り止め加工は第1の磁石体表面が粘着作用を発揮すべく加工したことを特徴とするものである。
【0011】
また、とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の物品載置体の第1の実施例を示し、図中1は物品載置体であり、2は磁性壁面に対し着脱自在に吸着する合成樹脂製若しくは金属製の壁面板、3は壁面板2の上端から水平方向に一体的に連設される載置板、4は壁面板2の下方部分に配設され表面に粘性や吸盤作用を有する滑り止め加工を施した第1の磁石体、5は壁面板2の上部に配設され第1の磁石体4よりも強い磁着力を有する希土類磁石からなる第2の磁石体、6は壁面板2と載置板3の連設部分に介在して強度補強する筋交いである。
【0013】
図2は、物品載置体1の使用状態を示しており、スチール・パーティション、スチール・ラック、スチール・ロッカー等の磁性壁面7に対し壁面板2の第1の磁石体4と第2の磁石体5を磁着させ、載置板3上に植木鉢8などの重量物を載置している。この載置板3の上面には、サンドブラスト加工等を施して面粗度を増したり、ゴム系のシートを貼着したりして滑り止め加工を施すことで載置する物品が滑ることがないようにしている。
【0014】
第1の磁石体4は、合成樹脂材に磁性粉を混入しこれをシート状に形成し少なくとも一方面にN極とS極を交互に多極着磁した磁石シートの表面に、図3及び図4に示すごとき柔軟で可撓性の吸盤型9を印刷加工して当該表面の摩擦力を増大させたものである。この吸盤型9は、実用新案登録第3058924号における柔軟な可撓性で微粘着性を有する外堤と空洞室を有する細かな格子形状の吸盤を印刷加工、または吸盤型9を印刷したシートを貼着したものであり、当接面に沿った摩擦力はかなり大きくなるものである。
【0015】
第2の磁石体5は、サマリウム−コバルト系磁石、ネオジム−鉄−ボロン系磁石、サマリウム−鉄−窒素系磁石等の希土類磁石であり、第1の磁石体4と比較して非常に強力な磁気エネルギーを有するものである。
【0016】
このような構成からなる本発明の物品載置体1について、これに用いる磁石と載置板3への荷重限界との関係を以下に実測してみた。物品載置体1が吸着する磁性壁面は、通常の表面に塗装されたスチール・ロッカーで、載置板3における壁面板2の基端部の0mm、基端部から100mm、基端部から200mmの3個所にテンションゲージで下方向の加重を印加して、物品載置体1が磁性壁面から滑ったり剥離したりしたときの荷重(kgf)をそれぞれの条件で測定し(磁石体を含む物品載置体1の質量は無視して測定)、その結果を表1に示す。
【0017】
測定に使用する第1の磁石体4は、片面多極着磁2.7mmピッチで、幅25mm、長さ50mm、厚さ2.0mmのフェライトマグネットシートの「A50」、同じく幅25mm、長さ100mm、厚さ2.0mmのフェライトマグネットシートの「A100」、幅25mm、長さ50mm、厚さ2.0mmのフェライトマグネットシートの表面に吸盤シートを接着した「A50吸盤」、そして幅25mm、長さ100mm、厚さ2.0mmのフェライトマグネットシートの表面に吸盤シートを接着した「A100吸盤」の4種(更に、第1の磁石体を設けない場合も加える)とする。
【0018】
また、測定に使用する第2の磁石体5は、片面多極着磁5.0mmピッチで、幅25mm、長さ50mm、厚さ2.5mmのサマリウム・鉄・窒素合金押し出し成形マグネットの「B50」、同じく幅25mm、長さ100mm、厚さ2.5mmのサマリウム・鉄・窒素合金押し出し成形マグネットの「B100」、そして幅25mm、長さ50mm、厚さ2.5mmのサマリウム・鉄・窒素合金押し出し成形マグネットの「B50」を縦に2枚並設した「B50・50」の3種とする。
【0019】
【表1】
(尚、測定値の内、太字は剥離した荷重、細字は滑りが生じた荷重である。)
【0020】
このように、強力な磁気エネルギーの希土類磁石の第2の磁石体5だけでの荷重限界は、面積が2倍(B50→B100)になってもせいぜい33%増となるだけであるのに対し、磁気エネルギーは小さいものの当接面に沿った摩擦力が大きい吸盤加工を施した第1の磁石体4を加えることにより、あらゆる荷重位置での荷重限度が2〜4倍となることがわかる。すなわち、強力な磁気エネルギーの希土類磁石からなる第2の磁石体5にあっては、磁性壁面に吸着している場合にはこれを剥離する水平方向(反壁面方向)の付勢力に対しては強いものの、吸着したまま滑らせる垂直方向の付勢力には対しては比較的弱いことから、第1の磁石体4が垂直方向の付勢力に抗する摩擦力を発揮することにより、2種の磁石体による相乗的効果で極めて極力な吸着力を実現するものである。この物品載置体1をスチール机の側板に着脱自在に磁着することで、机の脇に簡単に載置スペースを設けることができる。
【0021】
図5は、本発明の物品載置体の第2の実施例を示し、この物品載置体10にあっては、第1の磁石体4と第2の磁石体5を備える壁面板11が前述した第1の実施例と同様であるのに対し、載置板12は壁面板11の下端から水平方向に連設している。すなわち、この物品載置体10にあっては、載置板12の取付位置が壁面板11の下端に移動してはいるものの、載置板12上の荷重は、第2の磁石体5にのみに印加される壁面板11を剥離する水平方向のモーメントと、第1の磁石体4と第2の磁石体5の双方に加わる垂直方向のモーメントとの合成力となることから、力学的には前述の第1の実施例と全く同一に考えられるものであり、使用形態により適宜に載置板12の位置を変化させることができるものである。更にいえば、壁面板11を上下方向に長くしてその上下に第2の磁石体5及び第1の磁石体4を配設することで、壁面板11を剥離する水平方向のモーメントが小さくなるとともに、垂直方向のモーメントが大きくなることから、強力な磁気エネルギーの第2の磁石体をかなり小さくしても、滑り止め加工を施した第1の磁石体を大きくすることで、重量物を載置する物品載置体としの機能を充分発揮することができるものである(但し、壁面板11を長くすることによる重量増大の問題は無視している)。
【0022】
尚、本発明にとって摩擦力を発揮する第1の磁石体と、強力な磁気エネルギーの第2の磁石体の上下位置関係は重要な構成であり、第1の磁石体と第2の磁石体を上下反対に配置した場合には当然ながら上述した効果は発揮し得ない。このことを利用して、磁性壁面に強力に吸着している物品載置体を取り外す場合には、載置板を持ち上げる方向に付勢することで比較的容易に取り外すことができるものである。
すなわち、単に磁石利用の壁面磁着と異なり、かなりの重量物であっても強力な磁着力を発揮すべく工夫がこらされていることから、物品載置体が落下したりすることなく安定した状態で壁面に磁着されるとともに、取外しに際しては強力な力を要さずとも容易に取り外すことができる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述の如く、本発明の物品載置体によれば、多くの取付け具あるいは棚部材、棚支持部材を要し、しかも壁面の損傷も余儀なくされる大がかりな設置工事を要することなく、所望壁面にかなりの重量の物品であっても安定した状態で載置することができ、しかもその取り外しあるいは位置変更も壁面を傷つけることなく自在であることから、観葉植物や各種芸術品あるいは商品を店舗、オフィス等における壁面に容易に展示あるいは陳列することができることは勿論のこと、事務量の増大に伴い棚を増設する等オフィスの壁面を容易に有効に利用したりすることができ、さらにはスチール机の側板に着脱自在に磁着することでオフィスのスチール机の脇に簡単に載置スペースを設け事務効率のアップを図ることができる等多大の効果を発揮することができる。
【0024】
また、載置板の上面には滑り止め加工を施すことで、載置板上に重量物を載置した場合でも滑ることなく安全に保持することができる。
【0025】
また、第1の磁石体の滑り止め加工は第1の磁石体表面が粘着作用を発揮すべく加工することで、第1の磁石体の磁着力がさほど強力でなくとも、物品載置体に加わる垂直方向の力のモーメントを支持して載置板にかなりの重量物が載置されても支えることができる。
【0026】
また、第1の磁石体の滑り止め加工は第1の磁石体表面が吸盤作用を発揮すべく加工したことで、第1の磁石体の磁着力がさほど強力でなくとも、物品載置体に加わる垂直方向の力のモーメントを支持して載置板にかなりの重量物が載置されても支えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物品載置体の第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の物品載置体の第1の実施例の使用状態を示す説明図である。
【図3】本発明の物品載置体の第1の実施例における吸盤型を示す断面図である。
【図4】本発明の物品載置体の第1の実施例における吸盤型を示す説明図である。
【図5】本発明の物品載置体の第2実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 物品載置体
2 壁面板
3 載置板
4 第1の磁石体
5 第2の磁石体
6 筋交い
7 磁性壁面
9 吸盤型
10 物品載置体
11 壁面板
12 載置板
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁面に美観を添えるべく観葉植物や各種ディスプレイを設置したり、壁面を有効利用したりするための着脱自在な棚のごとき物品載置体に関し、特に磁性壁面に対し容易に磁着させることができ、かつかなりの重量物をも支えることができる物品載置体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、店舗等の壁面あるいはオフィスの壁面を有効に利用しようとする発想の下、商品陳列を始めとし、書類、オフィス用品の置き場所としてさらには観葉植物あるいは芸術品、趣味品等を載置するために既存の壁面に棚台を形成すべく、棚部材、引っ掛け金物、釘・ボルト等の壁面取付具の設置工事を行っていた。
【0003】
例えば、店舗等の陳列棚等にあっては、ある程度の期間を経ては模様替えをするために壁面取付具の取り外し・取り付けが行われるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、棚部材、引っ掛け金物、釘・ボルト等の壁面取付具の設置工事にあっては、誰でもが簡単に行えるものでなく、専門家に依頼する必要があることから費用も嵩み、かつ壁面の修復も必要であることから工事期間も一定程度必要になっていた。
【0005】
また、オフィス等にあっては、殺風景な壁面を有効に利用し種々の物品あるいは観賞品を載置すべく棚を形成しようとしてもパーーティション面等に穴を開けたり、接着したりの加工することは簡単には行えることではなかった。さらに、オフィスのスチール机の脇に少しものを載置するスペースが必要な場合には、今までであれば脇机を設置するしか方法はなかった。
【0006】
そこで、本発明にあっては、上述の壁面工事を要することなく店舗等における壁面の所望個所に所望形状の商品棚を取り付けたり、オフィスの壁面に種々の物品あるいは観葉植物等の観賞品を載置自在とし極めて有効に利用することができることは勿論のこと、オフィスのスチール机の脇に事務作業上必要な事務用品あるいは私物等各種物品の載置部材を取付けること等が可能であり、磁性壁面に対し取付け取外し自在でかなりの重量物であっても壁面より落下したりすることなく安定した状態で載置することのできる物品載置体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するため、本発明の物品載置体は、表面に滑り止め加工を施した第1の磁石体を下方に配設し、上方には前記第1の磁石体よりも強い磁着力を有する第2の磁石体を配設してなる磁性壁面に対し着脱自在に磁着する壁面板には、反壁面方向に延出する載置板を取付け形成し、この載置板上に物品を載置することを特徴とするものである。
【0008】
また、第2の磁石体は希土類磁石とすることを特徴とするものである。
【0009】
また、載置板の上面には滑り止め加工を施してなることを特徴とするものである。
【0010】
また、第1の磁石体の滑り止め加工は第1の磁石体表面が粘着作用を発揮すべく加工したことを特徴とするものである。
【0011】
また、とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の物品載置体の第1の実施例を示し、図中1は物品載置体であり、2は磁性壁面に対し着脱自在に吸着する合成樹脂製若しくは金属製の壁面板、3は壁面板2の上端から水平方向に一体的に連設される載置板、4は壁面板2の下方部分に配設され表面に粘性や吸盤作用を有する滑り止め加工を施した第1の磁石体、5は壁面板2の上部に配設され第1の磁石体4よりも強い磁着力を有する希土類磁石からなる第2の磁石体、6は壁面板2と載置板3の連設部分に介在して強度補強する筋交いである。
【0013】
図2は、物品載置体1の使用状態を示しており、スチール・パーティション、スチール・ラック、スチール・ロッカー等の磁性壁面7に対し壁面板2の第1の磁石体4と第2の磁石体5を磁着させ、載置板3上に植木鉢8などの重量物を載置している。この載置板3の上面には、サンドブラスト加工等を施して面粗度を増したり、ゴム系のシートを貼着したりして滑り止め加工を施すことで載置する物品が滑ることがないようにしている。
【0014】
第1の磁石体4は、合成樹脂材に磁性粉を混入しこれをシート状に形成し少なくとも一方面にN極とS極を交互に多極着磁した磁石シートの表面に、図3及び図4に示すごとき柔軟で可撓性の吸盤型9を印刷加工して当該表面の摩擦力を増大させたものである。この吸盤型9は、実用新案登録第3058924号における柔軟な可撓性で微粘着性を有する外堤と空洞室を有する細かな格子形状の吸盤を印刷加工、または吸盤型9を印刷したシートを貼着したものであり、当接面に沿った摩擦力はかなり大きくなるものである。
【0015】
第2の磁石体5は、サマリウム−コバルト系磁石、ネオジム−鉄−ボロン系磁石、サマリウム−鉄−窒素系磁石等の希土類磁石であり、第1の磁石体4と比較して非常に強力な磁気エネルギーを有するものである。
【0016】
このような構成からなる本発明の物品載置体1について、これに用いる磁石と載置板3への荷重限界との関係を以下に実測してみた。物品載置体1が吸着する磁性壁面は、通常の表面に塗装されたスチール・ロッカーで、載置板3における壁面板2の基端部の0mm、基端部から100mm、基端部から200mmの3個所にテンションゲージで下方向の加重を印加して、物品載置体1が磁性壁面から滑ったり剥離したりしたときの荷重(kgf)をそれぞれの条件で測定し(磁石体を含む物品載置体1の質量は無視して測定)、その結果を表1に示す。
【0017】
測定に使用する第1の磁石体4は、片面多極着磁2.7mmピッチで、幅25mm、長さ50mm、厚さ2.0mmのフェライトマグネットシートの「A50」、同じく幅25mm、長さ100mm、厚さ2.0mmのフェライトマグネットシートの「A100」、幅25mm、長さ50mm、厚さ2.0mmのフェライトマグネットシートの表面に吸盤シートを接着した「A50吸盤」、そして幅25mm、長さ100mm、厚さ2.0mmのフェライトマグネットシートの表面に吸盤シートを接着した「A100吸盤」の4種(更に、第1の磁石体を設けない場合も加える)とする。
【0018】
また、測定に使用する第2の磁石体5は、片面多極着磁5.0mmピッチで、幅25mm、長さ50mm、厚さ2.5mmのサマリウム・鉄・窒素合金押し出し成形マグネットの「B50」、同じく幅25mm、長さ100mm、厚さ2.5mmのサマリウム・鉄・窒素合金押し出し成形マグネットの「B100」、そして幅25mm、長さ50mm、厚さ2.5mmのサマリウム・鉄・窒素合金押し出し成形マグネットの「B50」を縦に2枚並設した「B50・50」の3種とする。
【0019】
【表1】
(尚、測定値の内、太字は剥離した荷重、細字は滑りが生じた荷重である。)
【0020】
このように、強力な磁気エネルギーの希土類磁石の第2の磁石体5だけでの荷重限界は、面積が2倍(B50→B100)になってもせいぜい33%増となるだけであるのに対し、磁気エネルギーは小さいものの当接面に沿った摩擦力が大きい吸盤加工を施した第1の磁石体4を加えることにより、あらゆる荷重位置での荷重限度が2〜4倍となることがわかる。すなわち、強力な磁気エネルギーの希土類磁石からなる第2の磁石体5にあっては、磁性壁面に吸着している場合にはこれを剥離する水平方向(反壁面方向)の付勢力に対しては強いものの、吸着したまま滑らせる垂直方向の付勢力には対しては比較的弱いことから、第1の磁石体4が垂直方向の付勢力に抗する摩擦力を発揮することにより、2種の磁石体による相乗的効果で極めて極力な吸着力を実現するものである。この物品載置体1をスチール机の側板に着脱自在に磁着することで、机の脇に簡単に載置スペースを設けることができる。
【0021】
図5は、本発明の物品載置体の第2の実施例を示し、この物品載置体10にあっては、第1の磁石体4と第2の磁石体5を備える壁面板11が前述した第1の実施例と同様であるのに対し、載置板12は壁面板11の下端から水平方向に連設している。すなわち、この物品載置体10にあっては、載置板12の取付位置が壁面板11の下端に移動してはいるものの、載置板12上の荷重は、第2の磁石体5にのみに印加される壁面板11を剥離する水平方向のモーメントと、第1の磁石体4と第2の磁石体5の双方に加わる垂直方向のモーメントとの合成力となることから、力学的には前述の第1の実施例と全く同一に考えられるものであり、使用形態により適宜に載置板12の位置を変化させることができるものである。更にいえば、壁面板11を上下方向に長くしてその上下に第2の磁石体5及び第1の磁石体4を配設することで、壁面板11を剥離する水平方向のモーメントが小さくなるとともに、垂直方向のモーメントが大きくなることから、強力な磁気エネルギーの第2の磁石体をかなり小さくしても、滑り止め加工を施した第1の磁石体を大きくすることで、重量物を載置する物品載置体としの機能を充分発揮することができるものである(但し、壁面板11を長くすることによる重量増大の問題は無視している)。
【0022】
尚、本発明にとって摩擦力を発揮する第1の磁石体と、強力な磁気エネルギーの第2の磁石体の上下位置関係は重要な構成であり、第1の磁石体と第2の磁石体を上下反対に配置した場合には当然ながら上述した効果は発揮し得ない。このことを利用して、磁性壁面に強力に吸着している物品載置体を取り外す場合には、載置板を持ち上げる方向に付勢することで比較的容易に取り外すことができるものである。
すなわち、単に磁石利用の壁面磁着と異なり、かなりの重量物であっても強力な磁着力を発揮すべく工夫がこらされていることから、物品載置体が落下したりすることなく安定した状態で壁面に磁着されるとともに、取外しに際しては強力な力を要さずとも容易に取り外すことができる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述の如く、本発明の物品載置体によれば、多くの取付け具あるいは棚部材、棚支持部材を要し、しかも壁面の損傷も余儀なくされる大がかりな設置工事を要することなく、所望壁面にかなりの重量の物品であっても安定した状態で載置することができ、しかもその取り外しあるいは位置変更も壁面を傷つけることなく自在であることから、観葉植物や各種芸術品あるいは商品を店舗、オフィス等における壁面に容易に展示あるいは陳列することができることは勿論のこと、事務量の増大に伴い棚を増設する等オフィスの壁面を容易に有効に利用したりすることができ、さらにはスチール机の側板に着脱自在に磁着することでオフィスのスチール机の脇に簡単に載置スペースを設け事務効率のアップを図ることができる等多大の効果を発揮することができる。
【0024】
また、載置板の上面には滑り止め加工を施すことで、載置板上に重量物を載置した場合でも滑ることなく安全に保持することができる。
【0025】
また、第1の磁石体の滑り止め加工は第1の磁石体表面が粘着作用を発揮すべく加工することで、第1の磁石体の磁着力がさほど強力でなくとも、物品載置体に加わる垂直方向の力のモーメントを支持して載置板にかなりの重量物が載置されても支えることができる。
【0026】
また、第1の磁石体の滑り止め加工は第1の磁石体表面が吸盤作用を発揮すべく加工したことで、第1の磁石体の磁着力がさほど強力でなくとも、物品載置体に加わる垂直方向の力のモーメントを支持して載置板にかなりの重量物が載置されても支えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物品載置体の第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の物品載置体の第1の実施例の使用状態を示す説明図である。
【図3】本発明の物品載置体の第1の実施例における吸盤型を示す断面図である。
【図4】本発明の物品載置体の第1の実施例における吸盤型を示す説明図である。
【図5】本発明の物品載置体の第2実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 物品載置体
2 壁面板
3 載置板
4 第1の磁石体
5 第2の磁石体
6 筋交い
7 磁性壁面
9 吸盤型
10 物品載置体
11 壁面板
12 載置板
Claims (5)
- 表面に滑り止め加工を施した第1の磁石体を下方に配設し、上方には前記第1の磁石体よりも強い磁着力を有する第2の磁石体を配設してなる磁性壁面に対し着脱自在に磁着する壁面板には、反壁面方向に延出する載置板を取付け形成し、この載置板上に物品を載置することを特徴とする物品載置体。
- 第2の磁石体は希土類磁石とすることを特徴とする請求項1記載の物品載置体。
- 載置板の上面には滑り止め加工を施してなることを特徴とする請求項1記載の物品載置体。
- 第1の磁石体の滑り止め加工は第1の磁石体表面が粘着作用を発揮すべく加工したことを特徴とする請求項1記載の物品載置体。
- 第1の磁石体の滑り止め加工は第1の磁石体表面が吸盤作用を発揮すべく加工したことを特徴とする請求項1記載の物品載置体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002207847A JP2004049336A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | 物品載置体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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2002
- 2002-07-17 JP JP2002207847A patent/JP2004049336A/ja active Pending
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