JP2004049202A - 二酸化塩素並びに二酸化塩素剤により除菌した飲料水の家畜への給与 - Google Patents

二酸化塩素並びに二酸化塩素剤により除菌した飲料水の家畜への給与 Download PDF

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Abstract

【課題】家畜、特に食鳥および種鶏の出荷率、育成率および総合評価としての生産性指数(PS)に顕著な改善を提供する。
【解決手段】二酸化塩素並びに二酸化塩素剤により除菌した飲料水の家畜、特に食鳥および種鶏に給与および除菌水を配給水管に流水することにより配管内壁の微生物膜ならびに微生物およびその生成物から塊集構成されている水垢の形成を抑制する事により、食鳥および種鶏の出荷率、育成率および総合評価としての生産性指数(PS)の改善に関する方法。
【選択図】なし

Description

【001】
本発明は、二酸化塩素および二酸化塩素剤で家畜用動物の飲料水を除菌することに関するものであり、更に詳しくは家畜動物として、主として食鳥あるいは種鶏の飲料水の除菌することに関するものである。この除菌飲料水を給与することにより食鳥の出荷率、育成率および総合評価としての生産性指数(PS)に顕著な改善が見られるとともに、除菌水を配給水管に流水することにより配管内壁の微生物膜ならびに微生物およびその生成物から塊集構成されている水垢の形成を抑制する事を見出した。
なお、除菌とは「殺菌」、「滅菌」、「消毒」等の概念を包括するものである。
【002】
【従来の技術】
食鳥及び種鶏等の飼育鶏の鶏病については多く報告されており、特に家畜衛生技術「鶏病」(農林水産技術会議編)に病症と診断およびその病因分析について詳述されている。その内の主病症として、原虫に起因する鶏コクシジウム症、ウイルスに起因するニューカッスル症(ND)、鶏伝染性気管支炎(IB)、また病原微生物に起因する伝染性コリーザ症(IC)、呼吸器性マイコプラズマ病、鶏ブドウ球菌症およびクロストリジウム ウエルシによる出血性腸炎等が知られており、更には上記複合感染による合併症の発症が多く見られることが報告されている。
【003】
これらの鶏病の予防法として、ウイルスに起因する鶏痘、ニューカッスル病(ND)、病原微生物に起因する伝染性コリーザ病(IC)等についてはワクチンが開発され、広く利用されている。特にニューカッスル病(ND)は「法定伝染病」に指定され、一旦発病が確認されれば完全隔離が余儀なくされ、養鶏物(鶏、鶏卵等)の移動が禁止されている。
【0004】
一方、幼雛期の主たる疾病として鶏コクシジウム症があり、その予防法として抗コクシジウム作用を有する飼料添加物、あるいはワクチンの飼料への混入が行われている。飼料添加物として抗菌性物質が頻用されていることから生体での残留や耐性菌の出現が懸念されている。一方ワクチンは弱毒化された生菌ワクチンを投与するため病原菌との複合感染による重篤化が問題となっている。このように養鶏の汚染条件によっては上述の予防策では完全に防ぎ切れないのが現状である。
【0005】
また、鶏病には食中毒に関与するボツリヌス症や重篤感染で法定伝染病に指定されているパスツレラ症(家禽コレラ)が知られており、またコクシジウムの弱毒化ワクチンは幼雛期に投与するため腸管を障害してクロストジウム症を誘発する危険性もある。これらの感染は病原菌に汚染された飲料水の給与によるとも言われている。
【0006】
鶏病診断によれば、ウイルス、原虫による単独感染というよりも、むしろ病原微生物との複合感染による併発が重篤な症状を呈すると言われ,従って対象療法として病原微生物を排除するための抗菌性物質の投与が行われている。 しかし、食鳥肉への残留性、耐性菌の出現等ヒトへの影響が懸念され、抗菌性物質の乱用が禁止されている。
【0007】
環境汚染の一つに給水装置の微生物汚染がある。 養鶏飲料水の完全な除菌を試みても、給水管内の微生物膜あるいは微生物の生成物質より構成されている水垢の除去が完全に行われない限り、配管内の微生物汚染を根絶することは出来ない。
更に、最近では井水の微生物汚染が進み、除菌薬剤非処理の井水の直接給与は鶏病発症の起因とも言われている。
【0008】
近年、鶏の栄養改善や鶏病の予防を目的として飲料水に栄養剤や薬剤を添加する傾向にあり、益々、水垢が発生し易い状況下にある。まして、酷暑期は水垢の急激な増殖期であり、体力や産卵能の低下している飼育鶏にとっては、同時に鶏病発症の多発時期でもある。
発明者は、予防薬としての抗菌性物質の投薬に代替しえる健康鶏の育成に鋭意検討を行い、サニタイザーとして二酸化塩素および二酸化塩素剤による飲料水の除菌および配水管を含めた飼育環境の清浄化により健康鶏の育成率の著しい増大に成功した。 勿論、このサニタイザーは飼育鶏やヒトにとって“やさしい”ものでなくてはならない事は当然である。
【0009】
配水管内の除菌清浄剤として、酸化力は強いが、除菌効果がそれほど強くない次亜塩素酸ナトリウムあるいは次亜塩素酸カルシウム(晒粉)が使用されているが、高度に汚染された個所、有機物の付着している部位、水質の悪い状況下では副次的に生成される発癌物質であるトリハロメタン類の発生が危惧されている。 現に、除菌に大量の次亜塩素酸ナトリウムを使用している学校プールの水質試験にトリハロメタン類の検査が義務付けされようとしている。
【0010】
このようにプール用水の除菌には、次亜塩素酸ナトリウムの薬害疑念を回避するため、次亜塩素酸ナトリウムより酸化力が穏やかで10〜100倍の除菌能力を有する二酸化塩素および二酸化塩素剤の使用が、米国、カナダ、ドイツ、イタリー、韓国等をはじめ世界的に主流をなしている。
わが国も1992.4.11付けで二酸化塩素によるプール用水の除菌が認可された。
【0011】
更に、平成12年2月23日付けで、厚生省令第15号で水道法の改正に伴い、水道施設の技術的基準が見なおされ、飲料水の殺菌・消毒に二酸化塩素の使用が上限規制値2.0ppmとして認可された。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
これまで、薬剤による殺菌や除菌等の微生物制御は、微生物が自由に浮遊し、均一な水系で検討されてきたが、配水管内に生着した微生物や水垢を形成している微生物塊は、その生着あるいは塊集した局所環境を見ると、気・液・固体の各相間の界面に局在し、完全水系とは異なり薬剤(サニタイザー)ストレスに耐性化し、従って薬剤濃度を高めて洗浄・除菌を行っても除去・除菌することは出来ず、微生物の生存が認められるものである。
このように、配水管内での微生物の生着あるいは水垢と称される微生物の塊集の防止は配水初期の段階から混在する微生物を除去・除菌することが最も重要であり、有効な手段でもある。
【0013】
更に、微生物に汚染された飲料水の給与は、病原微生物による鶏病の発症やウイルスあるいは原虫性疾病との併病による疾病で、その斃死率は上昇し大きな問題となっている。
しかも対象療法あるいは予防治療剤としても抗菌性物質の投与は、その残留性や耐性菌の出現等で社会的な問題ともなっている。
【0014】
本発明は、二酸化塩素並びに二酸化塩素剤で除菌した飲料水を飼育鶏に給与し、また配水管内にこの除菌水を連続流水することにより微生物膜あるいは水垢と称される微生物の塊集の形成を防止して、鶏病からの予防による食鳥あるいは種鶏の出荷率や育成率の改善を図ろうとするものである。
【0015】
更に、二酸化塩素剤に賦活剤を用いて二酸化塩素の発生を促進させ、その除菌効果を高めようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
健康な食鳥あるいは種鶏の育成、すなわち出荷率および育成率の増大は飲料水や環境からの感染防止に努めることが極力重要である。 特に、経口感染の対象となる微生物の除菌は、とりわけ重要である。
【0017】
本発明はこれらの事実を鑑み、二酸化塩素並びに二酸化塩素を発生する二酸化塩素剤で養鶏飲料水を除菌し、更にこの除菌飲料水を配水管に通すことにより微生物膜あるいは水垢と称される微生物の塊集の形成を防止する事を特徴とするものである。
【0018】
食鳥および種鶏の飲料水の除菌あるいは配水管の微生物膜あるいは水垢と称される微生物の塊集の防止に使用される薬剤(サニタイザー)は食鳥および種鶏に対して障害作用や残留性が認められない“やさしい”薬剤でなくてはならず、またその有効使用濃度でヒトに対しても副次的作用を伴わないものでなくてはならないのは当然である。
【0019】
二酸化塩素は水道法で許容された限度内濃度であり、食鳥および種鶏およびヒトには全く障害的影響を及ぼすことはない。この濃度で処理した飲料水から微生物は検出されることもない。
【0020】
養鶏施設の重要設備である配水配管の内面に微生物膜あるいは水垢と称される微生物の塊集の形成は一旦形成してしまうとその除去は非常に困難で、過剰の薬剤(サニタイザー)処理と過激な物理的ストレスが必要であり、その労力は大変なものである。
従って、使用初期の段階から二酸化塩素処理飲料水を常時、連続的に配水管内に流す事により配水管の微生物膜あるいは水垢と称される微生物の塊集の形成を防止することができ、これによって飲料水からの経口感染防御と配水管内の微生物汚染の防止が可能であり、好循環をもたらす。
【0021】
養鶏用の配水装置の貯水槽に上水あるいは井水等の生活水を所定の容量になるまで注水する。次いで、二酸化塩素あるいは二酸化塩素剤と賦活剤を加え、充分に攪拌して均一にする。
この一部を採水し、市販の二酸化塩素濃度測定用キット(例えば、助川化学株式会社製)で測定し、2.0ppmあるいは目的に合った所定の濃度になるよう適量の水を加えて補正する。更に、各給水口より採水し、同様に2.0ppmあるいは目的に合った所定の濃度になっていることを確認する。
【0022】
【発明の実施】
前記養鶏用の配水装置は特に市販品あるいは自家製品に限定するものでなく、前記二酸化塩素あるいは二酸化塩素剤が給水装置の貯水槽内で均一に混合できるものであれば何れでもよい。
【0023】
本出願明細書における二酸化塩素剤とは二酸化塩素を含有するものをいい、例えば、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム等の亜塩素酸塩に塩酸、硫酸等の無機酸および酢酸、クエン酸等の有機酸を加えることにより発生させることが出来る。また、二酸化塩素は二酸化塩素発生装置より発生することも出来る。
【0024】
上記二酸化塩素は、亜塩素酸塩を安定化剤により安定化させた安定化二酸化塩素から発生させてもよい。 ここでいう安定化剤として2NaCO・3H、NaHCOおよびNaBO等のアルカリ土類金属類を挙げることが出来る。
【0025】
更に上記二酸化塩素は、上記二酸化塩素剤を有機酸、鉱物酸、過酸化水素およびアルコール類から選択させる賦活剤により二酸化塩素の発生を活性化した二酸化塩素剤から発生してもよい。
ここでいう有機酸類としては、例えば、酢酸、クエン酸を代表例として挙げることが出来る。上記鉱物酸類としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸を代表例として挙げる事が出来る。
また、上記アルコール類としては、例えば、エチルアルコールを代表例として挙げることが出来る。
【0026】
本発明における二酸化塩素の好ましい濃度は0.5〜2.0ppmであり、二酸化塩素の濃度が上記限度値を超える場合もある。
【0027】
上記二酸化塩素剤は、従来より頻用されている次亜塩素酸ナトリウムより低濃度、短時間の処理で10〜100倍の除菌力を有し、更に除菌域が広く、次亜塩素酸ナトリウムよりも水中の有機物と反応して発癌物質であるトリハロメタン類の副生が極めて少なく、また次亜塩素酸ナトリウムのように水中の有機物と非特異的に反応して消費されることもない。従って、次亜塩素酸ナトリウムと比較して水中での濃度は長時間一定に保持され、安定性にも優れ、長時間の連続除菌に適している。また次亜塩素酸ナトリウムのように除菌活性がpHに影響されることもない。
【0028】
プール用水の除菌にも上記二酸化塩素の使用が米国、カナダ、ドイツ、イタリー、韓国等で認可され、わが国においても1992.4月に認可され、今やプールの除菌の主流になりつつある。一方、従来から使用されている次亜塩素酸ナトリウムによる学
校プール用水の除菌ではトリハロメタン類の検査が法的に義務付けされようとしている。
【0029】
二酸化塩素並びに二酸化塩素剤の除菌機序は、微生物と接触した二酸化塩素は、まず次亜塩素酸イオンと発生期の酸素に分解し、さらに得られた次亜塩素酸イオンも発生期の酸素に分解される。
このように生成された二分子の発生期の酸素により微生物の細胞が確実に破壊され、死滅させるものである。
【0030】
毒性面では、次亜塩素酸ナトリウムの毒性はマウスでの経口投与によるLD50は12mg/kgであるが、上記二酸化塩素の毒性はマウスでの経口投与によるLD50は3.1〜3.8g/kgで次亜塩素酸ナトリウムの毒性の1/300以下である(技術の現状シリーズ 新しい殺菌剤・殺菌技術の用途展開 東レリサーチセンター)。
また、次亜塩素酸ナトリウムの皮膚への接触を繰返せば皮膚炎を発症すると言われており、一方、二酸化塩素を皮膚への累積貼付を行っても皮膚への刺激は認められず、また、モルモットの目に210ppmの水溶液を滴下しても刺激性は認められない。
【0031】
本発明における二酸化塩素および二酸化塩素剤による除菌飲料水の給与対象動物は食鳥および種鶏等の飼育鶏に限定するものでなく、牛、馬、豚等の家畜動物をも含むものである。また、飲料水給水装置の配管内の微生物膜あるいは水垢と称され微生物の塊集形成防止のための二酸化塩素並びに二酸化塩素剤の使用は、食鳥および種鶏等の飼育鶏用の飲料水給水装置に限定するものでなく、牛、豚、馬等の家畜一般を含めた飲料水給水装置をも包含する。
【0032】
給水装置や貯水槽中の上記二酸化塩素および二酸化塩素剤の濃度、および給水口の二酸化塩素および二酸化塩素剤の測定は市販分析用キットで定量することを特徴とする。
【0033】
【実験例1】各種微生物に対する二酸化塩素の最小殺菌濃度(MBC)
防菌防黴学会防菌防黴剤研究会作成のMBC試験法に準じて活性化二酸化塩素のMBCを求めた。その際の対照薬剤として次亜塩素酸ナトリウムのMBCと比較した。
Figure 2004049202
活性二酸化塩素の調整 :BIOSUKEGAWA design 1000よより希釈調整
被検菌の調製 :栄養寒天培地で35℃ (但しP.aeruginosa30℃)24時間培養後、栄養液体培地に接種し温度、24時間培養。
得られた培養液を遠心分離して集菌体を滅菌精製水で3回洗浄後、菌体を同滅菌水に浮遊させ、菌数を2〜6×10cfu/mlに調整した。
試験方法は防菌防黴学会MBC試験法に準拠。
反応時間 15分
反応温度 25℃
表1に示すように、活性化二酸化塩素はグラム陰性、陽性細菌に関わらず、広い殺菌域と強い殺菌活性を示す。
一方、比較例1に示すように、次亜塩素酸ナトリウムは大腸菌(E.coli)に対して活性化二酸化塩素と同活性を示すにも関わらず、黄色ブドウ球菌(S.aureus)や枯草菌(B.subtilis)、緑膿菌(P.aeruginosa)、ヒナ白痢菌(S.galiinarum)および腸炎ビブリオ(V.parahaemolyticus)に対しては弱い活性しか示さない。
【0034】
【実験例2】活性化二酸化塩素による微生物のステンレス鋼片への生着の抑制加熱滅菌(180℃、2時間)したステンレス鋼片(SUS 316 1.5×5.0cm 5枚を1組)をトリプト ソーヤ ブロス (3% 121℃、20分高圧滅菌日水製薬製)200mlに30℃、24時間浸漬して、コンデショニングを行い、ついで無菌的に乾燥を行った。
Figure 2004049202
乾燥後無菌容器に移し、ステンレス鋼片5枚が互いに接触しないように5mm間隔に林立させた。次いで、ステンレス鋼片が完全に浸漬するよう滅菌生理食塩水200mlを注意深く加えた。この浸漬液にE.coli (10cfu/ml),P.aeruginosa(10cfu/ml)およびS.aureus(10cfu/ml)の濃度になるよう接種する。続いてペリスタポンプ(マスターフレックス製 PA25A)を伝動させて、この菌体浮遊生理食塩水を2ml/分の割合で循環させた。この操作を30℃で24時間続けた。この際、被検薬剤として活性化二酸化塩素2.0ppm、比較薬剤として次亜塩素酸ナトリウム5.0ppm、対照群は生理食塩水のみとした。
30℃で5時間及び24時間培養後、各ステンレス鋼片を無菌的に取り出し、無菌水に浸して洗浄し、鋼片面をスワッブ法にで菌体を採取して常法とおり生菌数を5枚の平均値として求めた。
図1に示すように、5時間の培養で対照群(生理食塩水単独)の表面から10cfu/鋼片、24時間の培養で10cfu/鋼片の菌数が検出されたが、活性化二酸化塩素2.0ppm濃度群では5時間培養で10cfu/鋼片、24時間培養で5cfu/鋼片の菌数が検出されたに過ぎず、菌体の鋼片への生着の抑制効果は次亜塩素酸ナトリウム5ppm群(比較例2)と比較して顕著であるといえる。
【0035】
【実施例1】二酸化塩素剤処理飲料水の調製
一次希釈容器として200L容量のドラム缶あるいはそれに類似する容器にに上水、井水あるいは精製水190Lを注入し、次いで二酸化塩素あるいは二酸化塩素剤(例えば、安定化二酸化塩素 助川化学(株)製 商品名ビオトーク有効二酸化塩素濃度 50,000ppm)8Lを加えて、攪拌機あるいは攪拌棒で充分に混和した後、賦活剤(例えば、賦活剤ME助川化学(株)商品名バイオスケガワ賦活剤ME)2Lを添加し、直ちに攪拌機あるいは攪拌棒で均一になるよう混和する(一次希釈液濃度 2、000ppm)。
給水配管に取り付けられた流量計から信号を受けて一定の比率で一次希釈槽から定量注入ポンプ 例えばドサトロン(ドサトロン社製)、ドスマチック(ドスマチック社製)あるいはパルス型定量ポンプ(タクミナ社 PXタイプ)によって一定量を採水し、この液を上水、井水あるいは精製水を流水している配管内に注入し、管内希釈する。有効塩素濃度として2.0ppmになるよう定量ポンプの流量を調整する(2次希釈)。2次希釈液調整直後および各給水口での飲料水の二酸化塩素濃度を分析キット(例えば、二酸化塩素濃度測定用分析キット 助川化学(株) 商品名 バイオスケガワ二酸化塩素濃度測定用キット)で所定の濃度に成っていることを確認した。
【0036】
【実施例2】二酸化塩素で除菌した飲料水給与によるブロイラーの発育
ブロイラー飼育農場施設78箇所で活性化二酸化塩素で除菌した飲料水の給水によるブロイラーの発育試験を実施した。被検体羽数は6ヶ月間の累積飼育総数は3,102,430羽で、活性化二酸化塩素除菌処理飲料水の給与による有効性を出荷羽数、平均体重、飼料要求率、出荷率、育成率及び生産指数(PS)で評価した。なお、対照群として実施群の前年度同期で二酸化塩素非処理飲料水の給与群である。
Figure 2004049202
出荷率 :入雛した羽数に対する商品化した羽数の比率(食鳥検査廃棄後の数値)
育成率 :入雛した羽数に対する農場から食鳥処理場に搬入された羽数の比率(食鳥検査廃棄前の数値)
生産指数(PS):(出荷率×平均体重)÷(要求率×平均出荷日齢)×100
表2 に示すように、実施例2では入雛羽数は前年度同期に比して7,430羽減少したにも関らず、出荷羽数は逆に86,533羽増加している。即ち
93,963羽数分の出荷改善されていることを意味する。この際の出荷率は前年度同期に比し95.3%から98.4%に、実に3.1%という驚異的な改善数値が示された。また、食鳥の健康障害の指標となる平均体重の増減、平均出荷日齢及び飼料要求率(体重1kg増体するに要求される飼料の割合)にはほとんど変動は見られず(0.06〜0.1)、二酸化塩素による副次的障害作用の発症が見られない。即ち、活性化二酸化塩素2.0ppmの6ヶ月連続投与による副作用は全く生じないことを示唆している。また、育成率(農場施設に入雛した羽数に対する食鳥処理場に搬入された羽数の比率)も96.7%から98.9%と実に2.2%の改善が示された。
換言すれば、活性化二酸化塩素で処理した除菌飲料水を給与することにより農場飼育現場での雛の健康管理維持が保全されていることを示唆している。
以上総合評価としての生産指数(PS)値を表2の下欄部に開示するパラメーターで算定し、14.2(5.9%)という驚異的な改善率を確認した。
【0037】
【実施例3】二酸化塩素剤で処理した飲料水の水質試験
上記活性化二酸化塩素処理をした除菌飲料水を6カ月間配水配管内に流し続けた際の飲料水の水質試験結果を表3に示す。
二酸化塩素で処理した飲料水の水質試験検査7項目すべて基準値以下に収まり適正水質であることが公的試験場より開示された。 ここで、重要ことは、水道法に準拠した上水試験法で一般細菌よび大腸菌が検出されていないことである。 即ち、二酸化塩素剤処理飲料水を配管内に流す事により給水配管の内面に微生物膜あるいは水垢と称される微生物の塊集の形成を抑制していることを示唆している。
Figure 2004049202
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、二酸化塩素並びに二酸化塩素剤で処理した除菌飲料水を食鳥への給与により食鳥の出荷率、育成率および生産指数(PS)に驚異的な改善をもたらし、更にはこの除菌飲料水を農場養鶏給水設備に流すことにより配管内の微生物膜あるいは水垢と称される微生物の塊集の形成が抑制され、これにより飼育鶏の健康保全に大きく貢献している事を約300万羽の鶏雛を用いて明らかにした。

Claims (7)

  1. 二酸化塩素並びに二酸化塩素剤で除菌した飲料水を家畜、好ましくは食鳥および種鶏等の養鶏に給与することを特徴とする。
  2. 家畜、好ましくは養鶏用飲料水の二酸化塩素並びに二酸化塩素剤による除菌工程と前記除菌水を配水管に通すことによる配管内の微生物膜形成あるいは微生物およびその生成物から構成されている水垢の形成を抑制する工程を包含することを特徴とする。
  3. 前記二酸化塩素並びに二酸化塩素剤は溶存二酸化塩素ガス水溶液、亜塩素酸及びその塩を含有する事を特徴とする請求項1及び2に記載する除菌および微生物膜およびその生成物から構成されている水垢の形成の抑制方法。
  4. 前記二酸化塩素並びに二酸化塩素剤は安定化剤により安定化させた安定化二酸化塩素から発生することを特徴とする請求項1または2に記載する除菌および微生物膜及び微生物およびその生成物から構成されている水垢の形成の抑制方法。
  5. 前記二酸化塩素は、前記二酸化塩素剤を有機酸類、鉱物酸類、及び過酸化水素およびアルコール類から選択される賦活剤により二酸化塩素の発生を活性化した二酸化塩素剤から発生することを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載する除菌および微生物膜および微生物およびその生成物から構成されている水垢の形成の抑制方法。
  6. 前記二酸化塩素剤における二酸化塩素の濃度は0.1〜1000ppmで、最も好ましくは0.5〜2ppmの濃度である請求項1〜5の何れかに記載する除菌および微生物膜および微生物およびその生成物から構成されている水垢の形成形成の抑制方法。
  7. 前記投与対象動物は家畜一般に使用できるが、好ましくは食鳥、種鶏等の養鶏用の飲料水を特徴とする請求項1〜5の何れかに記載する除菌および微生物膜及び微生物およびその生成物から構成されている水垢の形成抑制のための飲料水の調製方法。
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