JP2004048939A - コイルエンド接触冷却型回転電機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コイルエンド冷却部材1000、2000は、セグメントS1、S2の頭部又は飛び出し端部の平坦な表面に電気絶縁可能に密着する平坦な表面を有して頭部又は飛び出し端部の平坦な表面から吸熱する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイルエンド接触冷却型回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、内燃機関に伴う種々の問題から車両走行動力をモータ(走行モータともいう)により技術が期待されており、車両走行動力を部分的に賄うハイブリッド車においては実用化がなされている。この走行モータは大出力と小型軽量化の要求からいわゆる銅機械としてステータコイルの電流密度をできるかぎり増大する設計を採用するのが好適である。
【0003】
しかしながら、このようなステータコイルの電流密度の増大は、必然的にステータコイルの銅損増大によるステータコイル温度の大幅な上昇を招くが、ステータコイルの最高温度はステータコイルの絶縁皮膜の耐熱温度以下に制限される必要があり、事実上、ステータコイルの絶縁皮膜の耐熱温度がモータの単位重量当たりの出力値を決定している。
【0004】
このため、従来より、ステータコアやステータコイルに隣接して液冷配管を隣接させて、ステータ温度を低減する提案が多数なされている。コイルエンドはステータコアから露出しているため、大発熱源であるコイルエンドに液冷配管を接することにより、コイルエンドを間接液冷することは効果的である。
【0005】
しかしながら、従来、100kW程度以下のモータにおいて一般に用いられる巻き線コイル型回転電機(ステータコアに多くの丸形導線を多数回巻回してステータコイルとした回転電機)においては、コイルエンドは、極めて多数の丸形導線を巻き線作業した結果としての形状をもつため、その外表面はでこぼこしており、かつ、一個一個形状に形状が異なる結果、可撓性をもたない金属チューブなどを隣接させてもこの金属チューブとコイルエンドの外表面との間に大きく、かつ、局部的及び機種ごとに大きさが変化する隙間が生じることとなり、たとえ、金属チューブとコイルエンドとの間に熱伝導グリスを介在させたとしても良好な熱伝達が期待できなかった。また、隙間があまりに広くでこぼこしているために、この熱伝導グリスが逸脱してしまうという問題も生じた。
【0006】
この問題に対して、特開平6−296348号公報は、冷却液が流れるシリコンチューブすなわち良熱伝導性、可撓性及び電気絶縁性をもつ軟質チューブ性を、ステータコイルのコイルエンドとモータハウジングの主として内端面との間の隙間に介設し、この軟質チューブの可撓性を利用してコイルエンドの外表面のでこぼこ、形状不統一を解消することを提案している。
【0007】
しかしながら、この軟質チューブは樹脂製であるため、その熱伝導性に限界があり、熱伝導性を向上するべく薄肉化するとコイルエンドの外表面の凹凸との接触部での車両からの又は磁気振動による振動によりこの軟質チューブが破れるという問題があり、肉厚が大きいと熱伝導性が低下する上、軟質チューブがコイルエンドの外表面の形状変化に対応できず、両者の間に空隙が生じて熱伝導性が極端に低下してしまうという深刻な問題が生じた。
【0008】
これらの結果、液冷配管をコイルエンドに隣接するという案は、提案は種々あるものの、液冷配管とコイルエンドとの良好な接触が期待できないという理由により、実用化に到ることが難しかった。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑み、コイルエンド冷却性、耐久性、耐振動性に優れ、回転電機を従来より格段に小型軽量化、大出力化することが可能なコイルエンド接触冷却型回転電機を提供することをその目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のコイルエンド接触冷却型回転電機は、内周部にスロットを有してモータハウジングに固定された円筒状のステータコアと、前記ステータコアの内周面に面して回転するロータと、前記ステータコアの両端面から突出するコイルエンドを有して前記スロットに挿通されるステータコイルと、良好な吸熱性能を有して前記コイルエンドに電気絶縁可能に接触して前記コイルエンドを伝熱冷却するコイルエンド冷却部材とを備えるコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記ステータコイルは、所定ピッチ周方向に離れた一対の前記スロットに個別に収容される一対のスロット導体部と、前記両スロット導体部から前記ステータコアの一端側へ突出して頭部側コイルエンドを構成する頭部と、前記両スロット導体部から前記ステータコアの他端側へ突出して端部側コイルエンドを構成する一対の飛び出し端部とをそれぞれ有する断面角形の多数のセグメントを順次接続してなり、前記頭部は、略U字状の頭部先端部と、前記頭部先端部の両端から周方向かつ軸方向へ斜行して前記一対のスロット導体部に個別に連なる一対の頭部斜行部とからなり、前記飛び出し端部は、前記一対のスロットから周方向かつ軸方向へ斜行する一対の端部斜行部と、前記端部斜行部の先端に形成されて径方向に隣接する異なる前記セグメントの前記端部斜行部の先端に接合される端部先端部とからなり、前記コイルエンド冷却部材は、前記セグメントの前記頭部又は飛び出し端部の平坦な表面に電気絶縁可能に直接又は間接的に接する表面を有して前記頭部又は飛び出し端部の前記平坦な表面から吸熱することを特徴としている。
【0011】
以下、この発明をなした経緯を説明する。
【0012】
上記したコイルエンド接触冷却型回転電機の問題に鑑み、本発明者らは、本出願人の発明になるセグメント順次接合ステータコイル型回転電機のコイルエンドが平坦な表面と、ばらつきが非常に少ない一定の形状をもつこと、したがって、このセグメント順次接合ステータコイル型回転電機のコイルエンドに液冷配管を隣接させれば、上記のように種々の欠点、とりわけ耐振性に欠陥がある軟質チューブを用いなくても、非常に優れた熱伝導性を期待できることに気がついた。
【0013】
ちなみに、本出願人が保有する特許第3118837号は、略U字形状を有する導体片であるセグメントを一対の脚部を回転子の略磁極ピッチだけ互いに離れた一対のスロットに個別に挿通して飛び出した両端部を周方向へ曲げ、各セグメントの両脚部の先端を順次接合するセグメント順次接合ステータコイル型の回転電機を開示している。
【0014】
すなわち、この発明のコイルエンド接触冷却型回転電機は、コイルエンドが本出願人の発明になるセグメント順次接合ステータコイルを採用しているために、そのコイルエンドにおいてセグメント間の隙間は存在するものの、断面角形のセグメント(通常、平角線ともよばれる)の表面自体は非常に平坦であり、かつ、隣接するセグメントの表面同士の段差も非常に小さい一定の空間関係(たとえば略同一平面状又は略同一円筒面状)にあり、更に、コイルエンドにおけるセグメントの空間配置や形状の一台、一台のばらつきは非常に小さく、同一製造プロセスで形成された各モータのコイルエンドはほとんど同一形状とみなすことができる。
【0015】
したがって、このセグメント順次接合ステータコイル型回転電機のコイルエンドの外表面に、従来のシリコンチューブなどに比べればほとんどの形状変化を必要としないコイルエンド冷却部材を非常に近接して(たとえば1mm未満の隙間にて)配置することができ、これらの隙間には、熱伝導グリスや樹脂などを介在させることにより、従来のコイルエンドの冷却効率を格段に向上することができる。
【0016】
なお、セグメント順次接合ステータコイル型回転電機のコイルエンドの形状が平坦面をもち、各セグメント間の段差も小さく、各モータごとのばらつきも小さいということは、このコイルエンドの表面に接するコイルエンド冷却部材を上記した液冷配管に限る必要はなく、たとえば表面が平坦なアルミニウムヒートシンクなどによる固体伝熱冷却も採用することができるわけである。更に、軟質樹脂管を用いた場合においても、この軟質樹脂管に加わる変形ストレスを小さくしつつ軟質樹脂管の変形により軟質樹脂管をコイルエンドのセグメントの平坦表面に密着させることを意味するため、良好なコイルエンド冷却が可能となる。
【0017】
請求項2記載の構成は請求項1記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記コイルエンド冷却部材が、前記冷却液が流れるとともに前記頭部斜行部又は端部斜行部の平坦な表面に対面する平坦な表面を有することを特徴としている。これにより、コイルエンドとコイルエンド冷却部材とが面接触となるため、冷却効果を一層向上させることができる。
【0018】
請求項3記載の構成は請求項1又は2記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記コイルエンド冷却部材が、冷却液が流れるとともに前記頭部斜行部又は端部斜行部の平坦な表面に隣接しつつ延在する冷却管を有することを特徴としている。
【0019】
冷却管は、セグメント順次接合ステータコイルの頭部側コイルエンドの頭部斜行部、又は、端部側コイルエンドの端部斜行部に隣接してこれらに沿いつつ延設される。これらの頭部斜行部又は端部斜行部は略平面と考えられる4面の長い平面をもつので、これら4つの平面に平行な平坦面をもつ冷却管を頭部斜行部又は端部斜行部の平面に隣接させて優れた伝熱冷却を実現することができる。この優れた伝熱冷却は、前述したように、これらの頭部斜行部又は端部斜行部の大きさ、位置、姿勢がほぼ一定であり、かつ、その外表面が平面であるため、一定の形状、位置、姿勢をもつ冷却管を非常に短い距離にて頭部斜行部又は端部斜行部に隣接させることができるために実現することができるものである。
【0020】
請求項4記載の構成は請求項3記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記冷却管が、周方向へ隣接する一対の前記頭部斜行部又は端部斜行部の間の周方向隙間を前記頭部斜行部又は端部斜行部の平坦な縦表面に沿いつつ斜行して前記頭部斜行部又は端部斜行部から伝熱吸熱することを特徴としている。
【0021】
この実施態様では、頭部斜行部又は端部斜行部の4つの平面のうち、略径方向に延在しつつ周方向及び軸方向に斜行する縦表面に隣接して冷却管を配置するので、上記効果を実現することができる。
【0022】
請求項5記載の構成は請求項3記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記冷却管が、径方向最外側又は径方向最内側の前記前記頭部斜行部又は端部斜行部に径方向に隣接しつつ周方向又は軸方向へ巻装されて、前記径方向最外側又は径方向最内側の頭部斜行部又は端部斜行部の平坦な横表面から伝熱吸熱することを特徴としている。
【0023】
この実施態様では、頭部斜行部又は端部斜行部の4つの平面のうち、略周方向(接線方向)に延在しつつ略軸方向に突出する横表面に隣接して冷却管を配置するので、上記効果を実現することができる。
【0024】
請求項6記載の構成は請求項3記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記冷却管は、略角形の断面を有する角形管からなるので、伝熱性を改善することができる。
【0025】
請求項7記載の構成は請求項3記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記冷却管は、電機絶縁性の軟質樹脂管からなる。軟質樹脂管はコイルエンドとの電気絶縁性を向上させるとともに、コイルエンドの平坦な表面に押しつけられる場合に、その接触面が容易に平坦化するために冷却効果を向上することができる。
【0026】
請求項8記載の構成は請求項1又は2記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記コイルエンド冷却部材が、前記頭部斜行部又は端部斜行部の平坦表面に隣接しつつ延在する金属冷却部材を有することを特徴としている。
【0027】
すなわち、この金属冷却部材は、たとえばアルミヒートシンクブロックのような密実良熱伝導部材であり、セグメント順次接合ステータコイルの頭部側コイルエンドの頭部斜行部、又は、端部側コイルエンドの端部斜行部に隣接してこれらに沿いつつ延設される。これらの頭部斜行部又は端部斜行部は略平面と考えられる4面の長い平面をもつので、これら4つの平面に平行な平坦面をもつ金属冷却部材を頭部斜行部又は端部斜行部の平面に隣接させて優れた伝熱冷却を実現することができる。この優れた伝熱冷却は、前述したように、これらの頭部斜行部又は端部斜行部の大きさ、位置、姿勢がほぼ一定であり、かつ、その外表面が平面であるため、一定の形状、位置、姿勢をもつ冷却管を非常に短い距離にて頭部斜行部又は端部斜行部に隣接させることができるために実現することができるものである。
【0028】
請求項9記載の構成は請求項8記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記コイルエンド冷却部材が、周方向へ隣接する一対の前記頭部斜行部又は端部斜行部の間の周方向隙間を前記頭部斜行部又は端部斜行部の平坦な縦表面に沿いつつ斜行して前記頭部斜行部又は端部斜行部から伝熱吸熱することを特徴としている。
【0029】
この実施態様では、頭部斜行部又は端部斜行部の4つの平面のうち、略径方向に延在しつつ周方向及び軸方向に斜行する縦表面に隣接して金属冷却部材を配置するので、上記効果を実現することができる。
【0030】
請求項10記載の構成は請求項9記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記金属冷却部材が、径方向最外側又は径方向最内側の前記前記頭部斜行部又は端部斜行部に径方向に隣接しつつ配設されて、前記径方向最外側又は径方向最内側の頭部斜行部又は端部斜行部の平坦な横表面から伝熱吸熱することを特徴としている。
【0031】
この実施態様では、頭部斜行部又は端部斜行部の4つの平面のうち、略周方向(接線方向)に延在しつつ略軸方向に突出する横表面に隣接して金属冷却部材を配置するので、上記効果を実現することができる。
【0032】
請求項11記載の構成は請求項10記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記金属冷却部材が、前記径方向最外側又は径方向最内側の頭部斜行部又は端部斜行部の表面に隣接して配置された複数の縦割り部分筒状部材からなることを特徴としている。
【0033】
すなわち、この実施態様では、各セグメントの最外側の頭部斜行部又は端部斜行部に隣接する内周面をもつ略部分円筒状の縦割り部分筒状部材をこれら最外側の頭部斜行部又は端部斜行部に隣接させる。なお、各セグメントの頭部斜行部又は端部斜行部の径方向外側の外表面は平面となっているので、これら縦割り部分筒状部材の内周面は、それにあわせて多角形内周面となっていてもよく、更には、隣接する頭部斜行部又は端部斜行部の間の周方向隙間に突出する斜行部を有していても良い。
【0034】
請求項12記載の構成は請求項8記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記金属冷却部材が、径方向に隣接する一対の前記頭部斜行部又は端部斜行部の間の径方向隙間に突出していることを特徴とすることを特徴としている。
【0035】
すなわち、この実施態様では、径方向に隣接する頭部斜行部又は端部斜行部の間の径方向隙間に金属冷却部材を挿入する。好適にはこの金属冷却部材の軸方向外端はモータハウジングに固定又は一体化されて、モータハウジングに良好に伝熱冷却されることができる。これにより径方向中間に存在する頭部斜行部又は端部斜行部の表面も良好に冷却することができる。この場合にも、金属冷却部材は、略縦割り部分筒状部材としてもよい。
【0036】
請求項13記載の構成は請求項12記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記金属冷却部材が、径方向に隣接する一対の前記頭部斜行部又は端部斜行部の間の径方向隙間は、前記ステータコアから離れるにつれて段階的又は連続的に広くなっていることを特徴としている。
【0037】
これにより、径方向に隣接する頭部斜行部又は端部斜行部の間に、金属冷却部材を収容するための径方向隙間をスロット占積率を低下させることなく確保することができる。
【0038】
請求項14記載の構成は請求項8記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記コイルエンド冷却部材が、前記モータハウジングに接していることを特徴としている。
【0039】
これにより、金属冷却部材の熱を良好に放散させることができる。
【0040】
請求項15記載の構成は請求項1又は2記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記コイルエンド冷却部材が、前記頭部斜行部又は端部斜行部の平面に対面する平面を有する前記モータハウジングからなるので、優れた冷却効果を実現することができる。
【0041】
請求項16記載の構成は請求項1又は2記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記コイルエンド冷却部材は、電気絶縁性の絶縁皮膜により被覆された金属部材からなることを特徴としている。
【0042】
これにより、伝熱冷却性の低下を抑止しつつモータハウジングやセグメントに対する電気絶縁性を向上することができる。
【0043】
請求項17記載の構成は請求項1又は2記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記コイルエンド冷却部材と前記頭部斜行部又は端部斜行部との間の隙間は1mm未満とされていることを特徴としている。
【0044】
これにより、コイルエンド冷却部材と頭部斜行部又は端部斜行部との間の伝熱を良好に行うことができる。この隙間には、後で硬化する樹脂材料が充填されるか又は熱伝導グリスが塗布されるか又は電気絶縁フィルムが介設される。なお、表面に絶縁皮膜が形成されたコイルエンド冷却部材を直接頭部斜行部又は端部斜行部に密着させてもよい。
【0045】
請求項18記載の構成は請求項1乃至17のいずれか記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において更に、前記回転電機は、自動車の走行動力を発生する自動車用走行モータであることを特徴としている。
【0046】
上記説明した各構成の採用により、従来より格段に単位重量当たりの出力が大きい自動車用走行モータを実現することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の接触冷却型コイルエンドを有する回転電機を、図面を参照して以下に説明する。
(全体構造の説明)
まず、この実施態様の回転電機の全体構造を説明する。図1は車両の走行動力発生用の走行モータとして使用されるこの回転電機の軸方向断面図である。ただし、ステータコイルのコイルエンド部分は模式図示されている。図2はステータコイルの一部をなすセグメントの斜視図、図3はスロット内におけるセグメントの収容状態を示す部分断面図である。
(全体構成の説明)
図1において、走行モータは、ステータコア1、ロータ2、ステータコイル3、ハウジング4、回転軸7を有している。ステータコア1は、ハウジング4の周壁内周面に固定され、ステータコイル3はステータコア1の各スロットに巻装されている。ロータ2は、ハウジング4に回転自在に支持された回転軸7に固定されたIPM型ロータであり、ステータコア1の径内側に配置されている。ステータコイル3は三相電機子巻線であって、外部の約300Vのバッテリから給電される三相インバータから給電されている。
【0048】
この走行モータは、二次電池車又は燃料電池車又はハイブリッド車の走行動力を発生する永久磁石型三相ブラシレスDCモータ(同期モータ)であるが、ロータ構造としては、公知の種々の形式に置換可能である。このような種々の形式の同期機自体は周知であるので説明を省略する。
(ステータコイル3の説明)
ステータコイル3は、図2に示すように、それぞれ一対のセグメントからなる多数のセグメントセット(単にセグメントともいう)33をステータコア1の一側からステータコア1の各スロットに挿通し、スロットから各セグメント33の飛び出し端部をステータコア1の他側に必要長さだけ突出させ、各セグメント33の飛び出し端部を周方向に略電気角π/2だけそれぞれ捻り、各セグメント33の飛び出し端部の先端部(接合部)を所定の組み合わせで溶接して構成されている。セグメント33は、溶接部分すなわち上記飛び出し端部の先端部(端部先端部ともいう)を除いて樹脂皮膜で被覆された長板U字形状を有している。この種のセグメント順次接合型のステータコイル自体は、上述したようにもはや公知となっている。
【0049】
(セグメントセット33の詳細説明)
セグメントセット33を更に詳しく説明する。
【0050】
一つのセグメントセット33は、略V字状の頭部と、この頭部の両端から直線的に伸びてスロットに収容されている一対のスロット導体部と、両スロット導体部の先端からそれぞれ伸びる一対の飛び出し端部とをそれぞれ有する一つの大セグメント331と一つの小セグメント332とからなる。これにより、ステータコイル3は、ステータコア1の一側に全体としてリング状に存在する第一のコイルエンド部(頭部側コイルエンド)311と、ステータコア1の他側に全体としてリング状に存在する第二のコイルエンド(端部側コイルエンド)部312と、スロット内に存在するスロット導体部とに区分される。
【0051】
つまり、図1において、頭部側コイルエンド311は各セグメント33の上記頭部により構成され、端部側コイルエンド312は各セグメント33の上記飛び出し端部により構成されている。
【0052】
図1において、2セットのセグメントセット33が径方向へ順番に挿通されている。3301は最も径方向内側のセグメントセット群S1を構成する一つのセグメントセット33の頭部、3302は径方向内側から数えて2番目のセグメントセット群S2を構成する一つのセグメントセット33の頭部であり、径方向へ順番に2個並んだ頭部は、前述した頭部側コイルエンド311を構成している。また、3303はセグメントセット群S1の一つのセグメントセット33を構成する合計4つの飛び出し端部、3304はセグメントセット群S2を構成する一つのセグメントセット33の合計4つの飛び出し端部である。
【0053】
セグメントセット33を図2を参照して更に詳しく説明する。
【0054】
セグメントセット33は、大きい大セグメント(大回りセグメントともいう)331と、小さい小セグメント(小回りセグメントともいう)332とを有している。この大セグメント331とこの大セグメント331が囲む小セグメント332とをセグメントセットと称する。
【0055】
大セグメント331において、331a、331bはスロット導体部、331cは頭部、331f、331gは飛び出し端部である。飛び出し端部331f、331gの先端部331d、331eは接合部分であるので端部先端部又は接合部とも称する。スロット導体部331aを最内層のスロット導体部と称し、スロット導体部331bを最外層のスロット導体部と称する。
【0056】
小セグメント332において、332a、332bはスロット導体部、332cは頭部、332f、332gは飛び出し端部である。飛び出し端部332f、332gの先端部332d、332eは接合部分であるので端部先端部又は接合部とも称する。スロット導体部332aを中内層のスロット導体部と称し、スロット導体部332bを中外層のスロット導体部と称する。
【0057】
符号’は、図示しない大セグメント又は小セグメントの符号’がない部分と同じ部分を示す。したがって、図2では、互いに径方向に隣接する接合部331dと接合部332d’とが溶接され、互いに径方向に隣接する接合部332dと接合部331d’とが溶接され、互いに径方向に隣接する接合部332eと接合部331e’とが溶接されている。
【0058】
図2では、最内層のスロット導体部331aと中内層のスロット導体部332aが、ロータコア71の所定のスロットに収容される場合、同一のセグメント331、332の最外層のスロット導体部331bと中外層のスロット導体部332bはこの所定のスロットから略所定奇数磁極ピッチT(たとえば1磁極ピッチ(電気角度π))離れたスロットに収容される。小セグメント332の頭部332cは大セグメント331の頭部331cに囲まれるようにして配置されている。
【0059】
(スロット内のセグメントセット配置)
スロットのセグメントセットの配置状態を図3に示す。
【0060】
35はスロットである。スロット35には径方向へ16個の導体収容位置P1〜P8が設定され、各導体収容位置P1〜P8にはそれぞれ1個のスロット導体部が収容されている。各スロット35は、2セットのセグメントセット群S1〜S2が径方向へ順番に収容し、導体収容位置P1〜P4はセグメントセット群S1を、導体収容位置P4〜P8はセグメントセット群S2を収容している。各セグメントセット群S1〜S2はそれぞれ周方向へ配列された多数のセグメント33からなる。
【0061】
この最も内側のセグメントセット群S1を一例として詳しく説明すると、最内層のスロット導体部331aはステータコア32のスロット35の径方向最内側に配置され、以下、径方向外側へ順に、中内層のスロット導体部332a、中外層のスロット導体部332b’、最外層のスロット導体部331b’の順に配置され、結局、各スロット35は4本のスロット導体部を4層1列に収容する。図3において、スロット導体部332b’、332b’は、スロット導体部332a、331aをもつ大セグメント331、小セグメント332とは異なる大セグメント331、小セグメント332に属している。他のセグメントセットS2〜S4も上記と同様の配置、構成を持つことは言うまでもない。大セグメント331と小セグメント332とからなるセグメント(セグメントセット)33をスロット35に挿通する状態を図4に示す。
【0062】
以下、通常のセグメント順次接合ステータコイルの標準製造プロセスをまず最初に説明し、その後、この実施例特有の製造工程を説明する。
(セグメント順次接合ステータコイルの製造工程)
(頭部捻り工程)
まず、必要本数の小セグメント332と大セグメント331との展開前の形状をもつ2種類の松葉状セグメントを準備する。これらの松葉状セグメントの両脚部は、互いに略隣接して直線状に延在しており、その頭部は鋭く屈曲している。次に、松葉状セグメントをU字状セグメントに加工してセグメントの一対のスロット導体部を周方向へ互いに略磁極ピッチ離れさせるともに必要数のセグメントをステータコアの各スロットに同時挿通できるようにそれらを空間配置(周方向へ整列)させる工程が次のように行われる。
【0063】
この頭部捻り工程を図5、図6を参照して以下に説明する。
【0064】
この頭部捻り工程におけるセグメント挿入前の状態を図5に示す。図5において、10は頭部捻り装置、11は小リング、12は大リングであり、両者は相対回転可能に同軸配置されている。大リング11にはそれぞれ径方向へ並んだ一対の孔121、122が周方向所定ピッチで設けられ、小リング12には孔121、122と周方向等ピッチで径方向へ並んだ一対の孔111、112が設けられている。孔111〜114は径方向へ一列に並んでいる。大回りセグメント(大セグメント)331の両スロット導体部を、最も内側の孔111と最も外側の孔122に挿入し、小回りセグメント(小セグメント)332の両スロット導体部は、最も内側の孔111の外側の孔112と、最も外側の孔122の内側の孔121とに挿入する。
【0065】
図6は、すべての大セグメント331とすべての小セグメント332とを小リング11と大リング12との孔111、112、121、122に嵌挿した状態を示す。図6において、16は小リング11と大リング12の軸方向上方に配置された頭部押さえプレートである。頭部押さえプレート16の下端面には、同一周方向位置の大セグメント331の頭部の頂部と小セグメント332の頭部の頂部とのペアを、周方向両側から挟む一対の爪部(一つのみ図示)160を有している。すなわち、各セグメント33を孔111、112、121、122に挿入した後、押さえプレート16が降下して、各対の爪部160が、周方向同位置の大セグメント331の頭部の頂部と小セグメント332の頭部の頂部とを周方向両側から挟む。
【0066】
その後、大リング12及び小リング11とを、静止するこの頭部押さえプレート16に対して半磁極ピッチだけ互いに逆方向に回動される。これにより、すべてのセグメント33の日本の脚部は周方向1磁極ピッチだけ周方向に展開される。
【0067】
リング11、12の回動時に、セグメント33の頭部の頂部はリング11、12の回動とともにリング11、12にむけて軸方向に変位するので、頭部押さえプレート16はそれに合わせて軸方向に変位させる。17は、大セグメント331、小セグメント332が深く落下しないように規制する規制プレートである。規制プレート17を、径方向外側の2つの脚部が載置される外側規制プレートと、径方向内側の2つの脚部が載置される内側規制プレートとに分割し、この内側規制プレートをリング11に固定してリング11と一体に回動させ、この外側規制プレートをリング12に固定してリング12と一体に回動させてもよい。
【0068】
次に、頭部押さえプレート16により各セグメント33を保持したまま、小リング11と大リング12とを各セグメント33から離脱させる。
【0069】
(端部挿入工程)
次に、小回り状のU字状セグメント332を上記両穴付きリングから抜き出して、図4に一部示すようにステータコア1のスロット35の中内層位置及び中外層位置に挿通し、大回り状のU字状セグメント331を上記両穴付きリングから抜き出して、ステータコア1のスロット35の最内層位置及び最外層位置に挿通する。この時、上記頭部押さえプレート16で各セグメントがばらけないように保持することにより、各セグメントを一挙に各スロット35に挿通することができる。その後、この頭部押さえプレート16は取り外される。
【0070】
なお、上記した小回り状のU字状セグメント332、大回り状のU字状セグメント331のステータコアのスロット35へ挿通するまでの工程は上記に限られるものではなく、上記した他に種々採用することができる。
【0071】
(端部捻り工程)
上記のようにスロットに挿通されたセグメント33の端部の捻り成形工程を以下に説明する。
【0072】
この実施例では、大セグメント331の最外層スロット導体部331bに連なる端部331g(外層側端部ともいう)は周方向一方側に捻られ、大セグメント331の最内層スロット導体部331aに連なる端部331f(内層側端部ともいう)は周方向他方側に捻られている。小セグメント332の中内層のスロット導体部332aに連なる端部332f(内層側端部ともいう)は周方向一方側に捻られ、小セグメント332の中外層のスロット導体部332bに連なる端部332g(外層側端部ともいう)は周方向他方側に捻られている。導体部331fと332fとの周方向捻り量の合計は1磁極ピッチとされ、導体部331gと332gとの周方向捻り量の合計は1磁極ピッチとされている。
【0073】
上記した大セグメント331および小セグメント332からなるセグメントセットの捻り加工を図7、図8を参照して更に詳しく説明する。図7はステータコイル捻り装置5の模式縦断面図、図8は図7におけるAーA断面矢視図である。
【0074】
まず、ステータコイル捻り装置5の構成を説明する。
【0075】
ステータコイル捻り装置5は、ステータコア1の外周部を受けるワーク受け51、ステータコア32の径方向の動きを規制して保持するクランパ52、ステータコア32の浮き上がりを防止するワーク押さえ53、ステータコア32の一端から出たセグメント33の飛び出し脚部を捻るための捻り整形部54、捻り整形部54を軸方向に駆動するための昇降用シャフト54a、捻り整形部54を周方向に回転駆動する回転駆動機構541a〜544a、昇降用シャフト54aを軸方向に移動するための昇降駆動機構54b、及び、回転駆動機構541a〜544aと昇降駆動機構54bとを制御するコントローラ55を備えている。
【0076】
捻り整形部54は、同心状に配置された4つの円筒状の捻り治具541〜544がそれらの先端面を揃えて配置されている。各捻り治具541〜544は回転駆動機構541a〜544aにより独立に回転可能とされ、かつ、昇降駆動機構54bにより昇降用シャフト54aを昇降することにより同時に昇降可能となっている。
【0077】
図8に示されているように、捻り治具541〜544の先端面には、挿入されたセグメント33の端部331f、331g、332f、332gの各先端(接合部)を保持するセグメント挿入部541b〜544bが穿設されている。このセグメント挿入部541b〜544bは、ステータコア1のスロット35の総数に等しい数だけ各捻り治具541〜544の周方向に並べて形成されている。
【0078】
セグメント挿入部541b〜544bは、図8に示すように、互いに径方向に隣接するセグメント挿入部541b〜544b同士の連通を防止するための隔壁541c〜544c、542d、543dが設けられている。隔壁541c〜544c、542d、543dの厚みは、径方向外側から数えて1層目と2層目との間の隔壁541c、542cで形成される間隔d1及び3層目と4層目の間の隔壁543c、544cで形成される間隔d3よりも、2層目と3層目との間の隔壁542d、543dで形成される間隔d2の方が大きくなるように設定されている。
【0079】
次に、ステータコイル捻り装置5の作動を説明する。
【0080】
スロット35内にセグメント33が配置されたステータコア32をワーク受け51にセットする。次に、ステータコア32の外周部をクランパ52に固定する。その後、ワーク押さえ53でステータコア32の上部及び大セグメント331の頭部331cを押さえることにより、ステータコア32及びセグメント33の上下方向の動きを規制する。
【0081】
セグメント33が配置されたステータコア32をクランパ52及びワーク受け53により固定した後、昇降用シャフト54aによって捻り整形部54を上昇させ、各捻り治具541〜544に形成されたセグメント挿入部541b〜544bにセグメント33の端部331f、331g、332f、332gを挿入する。
【0082】
セグメント挿入部541b〜544bにはセグメント33の端部331f、331g、332f、332gの先端すなわち後に接合部となる部分だけが挿入可能となっている。セグメント33の端部331f、331g、332f、332gはテーパ状に形成されているため、セグメント挿入部541b〜544bにスムーズに挿入されることができる。
【0083】
セグメント33の端部331f、331g、332f、332gを捻り整形部54のセグメント挿入部541b〜544bに挿入した後、捻り整形部54は、回転駆動機構541a〜544aおよび昇降駆動機構54bにより回動され、昇降される。
【0084】
次に、捻り整形部54の回転について説明する。
【0085】
捻り治具541および治具543を時計回り方向に第一の角度だけ回転させ、捻り治具542および捻り治具544を反時計回り方向に第二の角度だけ回転させる。この時、第一の角度と第二の角度の大きさは等しくなくてもよく、両者の合計が必要なスロットピッチとなればよい。
【0086】
その後、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gのうちスロット35の出口からセグメント挿入部541b〜544bの入口までの部分の長さを一定に保つように、昇降駆動機構54bおよび回転駆動機構541a〜544aを制御しながら捻り整形部54を回転しながら上昇させる。この時、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gは円弧状の軌跡を描くように回転しながら上昇することが好ましい。この円弧状の軌跡を描く捻りは、スプリングバックによるセグメント33の変形を防止するため、半磁極ピッチ(T/2)に相当する角度を所定量超えた角度まで行われることが好ましい。
【0087】
その後、昇降駆動機構54bおよび回転駆動機構541a〜544aを上記前工程と逆向きの回転させ、下降させる。このようにして、セグメント33の捻り行程を終了し、捻り整形部54を下降させて捻り治具541〜544のセグメント挿入部541b〜544bからセグメント33の端部331f、331g、332f、332gを取り外す。セグメント33が外された捻り整形部54は回転駆動機構541a〜544aによって回転され、原位置に戻される。最後に、クランパ52及びワーク押さえ53が外され、セグメント33に捻りが加えられたステータが取り出される。
【0088】
結局、この捻り工程は、まずセグメント33の端部を周方向にのみ回転変位させてセグメント33を周方向に倒し、続いてセグメント33の端部を周方向並びに軸方向に変位させてセグメント33を深く傾け、その後、所定の加工量を超えてセグメント33の端部を周方向ならびに軸方向に変位させてセグメント33を過剰に深く傾け、その後でセグメント33の端部を所定の加工量まで戻すことにより行われる。
【0089】
捻り整形部54はステータコア32に対して周方向だけでなく軸方向にも相対移動する。そのため、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gのうち、スロット35の出口からセグメント挿入部541b〜544bの入口までの部分、すなわち、端部331f、331g、332f、332gからその端部先端(接合部)331d、331e、332d、332eの長さを差し引いた長さを一定に保つように、セグメント33の端部331f、331g、332f、332gが円弧状の軌跡を描くように捻じることができ、これにより、セグメント33がセグメント挿入部541b〜544bから抜け出るのを防止することができる。
【0090】
また、セグメント33の端部先端(接合部)331d、331e、332d、332eのみが、セグメント挿入部541b〜544bに挿入されており、また、前述と同様にセグメント33がセグメント挿入部541b〜544bから抜け出ることはない。
【0091】
(溶接工程)
次に行う溶接工程を以下に説明する。この工程は本質的に従来と同じである。
【0092】
上記セグメントの端部の捻りの後、図1、図2に示すように、径方向内側から1層目と2層目の端部先端部(接合部)が溶接され、径方向内側から3層目と4層目の端部先端部(接合部)が溶接されて、ステータコイル31が完成される。溶接には、アーク溶接が用いられる。
【0093】
(コイルエンド接触冷却構造の説明)
次に、この実施例の特徴構成をなすコイルエンド接触冷却構造を図9を参照して以下に説明する。
【0094】
この実施例では、頭部側コイルエンド311に略角形断面を有する液冷配管1000が、端部側コイルエンド312に液冷配管2000がシリコングリス(熱伝導性グリス)を介して密着している。
【0095】
液冷配管1000、2000について説明する前に、頭部側コイルエンド311、端部側コイルエンド312の詳細構造を図1を参照して再度詳細に説明する。
【0096】
頭部側コイルエンド311は、セグメントセットS1の頭部とセグメントセットS2の頭部とを径方向に重ねてなる。セグメントセットS1、S2の頭部は、大回りセグメントの頭部が小回りセグメントの頭部を径方向に囲むように配置している。
【0097】
大回りセグメントの頭部は、湾曲した大回り頭部(頭部先端部)と、この大回り頭部の両端から一対のスロット導体部へ向けて個別に直線状に軸方向へ延在する直線状の一対の頭部斜行部を有している。大回りセグメントの頭部を構成する一対の頭部斜行部の一方は、スロット導体部から遠ざかるにつれて周方向CW向き略半磁極ピッチに進むように斜行しており、大回りセグメントの頭部を構成する一対の頭部斜行部の他方は、スロット導体部から遠ざかるにつれて周方向CCW向き略半磁極ピッチに後退するように配置されている。
【0098】
小回りセグメントの頭部は、湾曲した小回り頭部(頭部先端部)と、この小回り頭部の両端から一対のスロット導体部へ向けて個別に直線状に延在する一対の頭部斜行部を有している。小回りセグメントの頭部を構成する一対の頭部斜行部の一方は、スロット導体部から遠ざかるにつれて周方向CW向き略半磁極ピッチに進むように斜行しており、小回りセグメントの頭部を構成する一対の頭部斜行部の他方は、スロット導体部から遠ざかるにつれて周方向CCW向き略半磁極ピッチに後退するように配置されている。
【0099】
径方向最内側の頭部斜行部aはCW向きに斜行し、同じく頭部斜行部aから数えて偶数番目の頭部斜行部もCW向きに斜行している。逆に、径方向最外側の頭部斜行部bはCCW向きに斜行し、同じく頭部斜行部bから数えて偶数番目の頭部斜行部もCCW向きに斜行している。
【0100】
端部側コイルエンド312は、セグメントセットS1の端部(飛び出し端部)とセグメントセットS2の端部(飛び出し端部)とを径方向に重ねてなる。セグメントセットS1、S2の端部は、それぞれ、大回りセグメントの一対の飛び出し端部が大回りセグメントの一対の飛び出し端部を径方向に挟むように配置している。
【0101】
大回りセグメントの端部は、一対の端部先端部と、両端部先端部から一対のスロット導体部へ向けて個別に直線状に延在する一対の端部斜行部とを有している。大回りセグメントの端部を構成する一対の端部斜行部の一方は、スロット導体部から遠ざかるにつれて周方向CW向き略半磁極ピッチに進むように斜行しており、大回りセグメントの端部を構成する一対の端部斜行部の他方は、スロット導体部から遠ざかるにつれて周方向CCW向き略半磁極ピッチに後退するように配置されている。
【0102】
小回りセグメントの端部は、一対の端部先端部と、両端部先端部から一対のスロット導体部へ向けて個別に直線状に延在する一対の端部斜行部とを有している。小回りセグメントの端部を構成する一対の端部斜行部の一方は、スロット導体部から遠ざかるにつれて周方向CW向き略半磁極ピッチに進むように斜行しており、小回りセグメントの端部を構成する一対の端部斜行部の他方は、スロット導体部から遠ざかるにつれて周方向CCW向き略半磁極ピッチに後退するように配置されている。
【0103】
同様に、径方向最内側の端部斜行部cはCCW向きに斜行し、同じく端部斜行部cから数えて偶数番目の頭部斜行部もCCW向きに斜行している。逆に、径方向最外側の頭部斜行部dはCW向きに斜行し、同じく頭部斜行部dから数えて偶数番目の頭部斜行部もCW向きに斜行している。
【0104】
液冷配管1000は、径方向最内側の頭部斜行部a(図1参照)の径方向側面に周方向に所定隙間を挟んで対面しつつ平行に隣接する斜行管部1001と、径方向最外側の頭部斜行部b(図1参照)の径方向側面に周方向に所定隙間を挟んで対面しつつ平行に隣接する斜行管部1002とを有している。したがって、斜行管部1001は、ステータコア1から遠ざかるにつれてCW向きに斜行し、斜行管部1002はステータコア1から遠ざかるにつれてCCW向きに斜行している。
【0105】
すなわち、各頭部斜行部aの間の隙間にそれぞれ斜行管部1001が介設されており、各頭部斜行部bの間の隙間にそれぞれ斜行管部1002が介設されている。一本の斜行管部1001の軸方向外端は、径方向内側に延在する径方向管部1005の径方向内端に連なり、径方向管部1005の径方向外端は斜行管部1002の軸方向外端に連なり、斜行管部1002の軸方向内端は周方向CW向きに隣接する頭部斜行部bをその径方向外側にて乗り越えて、周方向に隣接する次の斜行管部1002の軸方向内端に連なる。また、斜行管部1001の軸方向内端は、周方向CW向きに隣接する頭部斜行部aをその径方向内側にて乗り越えて、周方向に隣接する次の斜行管部1001の軸方向内端に連なる。このようにして、頭部斜行部a、bの側面に隣接して斜行管部1001、1002を介設させることにより、液冷配管1000は、頭部側コイルエンド311を略一周し、その両端は入り口管1006、出口管1007に連なって外部のポンプからの冷却液を循環可能としている。
【0106】
液冷配管2000は、径方向最内側の頭部斜行部c(図1参照)の径方向側面に周方向に所定隙間を挟んで対面しつつ平行に隣接する斜行管部2001と、径方向最外側の頭部斜行部d(図1参照)の径方向側面に周方向に所定隙間を挟んで対面しつつ平行に隣接する斜行管部2002とを有している。したがって、斜行管部2001は、ステータコア1から遠ざかるにつれてCCW向きに斜行し、斜行管部2002はステータコア1から遠ざかるにつれてCW向きに斜行している。
【0107】
すなわち、各頭部斜行部cの間の隙間にそれぞれ斜行管部2001が介設されており、各頭部斜行部dの間の隙間にそれぞれ斜行管部2002が介設されている。一本の斜行管部2001の軸方向外端は、径方向内側に延在する径方向管部2005の径方向内端に連なり、径方向管部2005の径方向外端は斜行管部2002の軸方向外端に連なり、斜行管部1002の軸方向内端は周方向CW向きに隣接する頭部斜行部dをその径方向外側にて乗り越えて、周方向に隣接する次の斜行管部2002の軸方向内端に連なる。また、斜行管部2001の軸方向内端は、周方向CW向きに隣接する頭部斜行部cをその径方向内側にて乗り越えて、周方向に隣接する次の斜行管部2001の軸方向内端に連なる。このようにして、頭部斜行部c、dの側面に隣接して斜行管部2001、2002を介設させることにより、液冷配管2000は、頭部側コイルエンド312を略一周し、その両端は入り口管2006、出口管2007に連なって外部のポンプからの冷却液を循環可能としている。
【0108】
頭部側コイルエンド311において各頭部の間には良熱伝導性の樹脂が充填され、端部側コイルエンドにおいて、各端部(飛び出し端部)の間には良熱伝導性の樹脂が充填されている。液冷配管1000、2000の表面は絶縁皮膜が形成され、斜行管部1001、1002と頭部斜行部a、bとの間の隙間、及び、斜行管部2001、2002の平面状の側面と頭部斜行部c、dの平面状の側面とは熱伝導グリスを介して密着している。
【0109】
これにより、頭部側コイルエンド311、端部側コイルエンド312の熱は、液冷配管1000、2000に良好に伝達されることができる。この実施態様は、セグメントの径方向断面において、径方向高さが周方向幅よりも大きい場合に、頭部斜行部a、b、端部斜行部c、dと斜行管部1001、1002、2001、2002と対向面積が大きくなるため特に有効である。
【0110】
(変形態様)
変形態様を図10〜図12を参照して以下に説明する。
【0111】
この変形態様では、各スロットには径方向に一対のスロット導体部だけを挿通する場合を示す。したがって、頭部側コイルエンド311は径方向に一つの頭部のみを有し、端部側コイルエンド312は径方向に一対の飛び出し端部のみを有する。この場合には、径方向へ延在する径方向管部1005、2005は、非常に短くなり頭部先端部eに周方向へ隣接する位置に存在する。
【0112】
ステータコア1を径方向外側へ向けてみた図を図10に示す。図10において、1008は、周方向に隣接する頭部斜行部aを径方向内側に乗り越えて、周方向に隣接する一対の斜行管部1001の軸方向内端を連ねる部分であり、2008は、周方向に隣接する頭部斜行部cを径方向内側に乗り越えて、周方向に隣接する一対の斜行管部2001の軸方向内端を連ねる部分である。
【0113】
頭部側コイルエンド311を径方向内側へ向けてみた図を図11に示す。図11において、1009は、周方向に隣接する頭部斜行部bを径方向外側に乗り越えて、周方向に隣接する一対の斜行管部1002の軸方向内端を連ねる部分である。
【0114】
端部側コイルエンド312を径方向内側へ向けてみた図を図12に示す。図12において、2009は、周方向に隣接する端部先端部dを径方向外側に乗り越えて、周方向に隣接する一対の斜行管部2002の軸方向内端を連ねる部分である。
【0115】
なお、この変形態様では、互いに隣接する一対の頭部斜行部aごとに隙間を縮小し、互いに隣接する一対の頭部斜行部bごとに隙間を縮小し、その結果として広がった周方向隙間に斜行管部1001、1002を介設している。すなわち、斜行管部1001は頭部斜行部aの半分の数だけ配置されており、斜行管部1002は頭部斜行部bの半分の数がけ配置されている。同様に、互いに隣接する一対の端部斜行部cごとに隙間を縮小し、互いに隣接する一対の頭部斜行部dごとに隙間を縮小し、その結果として広がった周方向隙間に斜行管部2001、2002を介設している。すなわち、斜行管部2001は頭部斜行部cの半分の数だけ配置されており、斜行管部2002は頭部斜行部dの半分の数がけ配置されている。このようにすれば、上記実施態様と同様に頭部側コイルエンド311、端部側コイルエンド312を良好に冷却することができる。
【0116】
(変形態様)
変形態様を図13に示す。
【0117】
この変形態様では、図9と同様に、2つのセグメントセットS1、S2が径方向に配置されている。
【0118】
3000は、セグメントセットS1の径方向最内側の頭部斜行部aに接して螺旋状に巻装された液冷配管であり、4000は、セグメントセットS2の径方向最外側の頭部斜行部bに接して螺旋状に巻装された液冷配管である。液冷配管3000、4000は、上記した各液冷配管と同様に薄肉のアルミニウム管からなり、扁平断面を有して熱伝導グリスを介して頭部斜行部a、bに密着している。端部側コイルエンド312も同じ冷却構造を採用しているため、図示説明は省略する。このようにすれば、頭部側コイルエンド311を良好に冷却することができる。この変形態様は、スロット導体部の径方向長さが小さく、周方向幅が大きい場合に好適である。
【0119】
(変形態様)
変形態様を図14に示す。
【0120】
この変形態様では、図13と同様に扁平な液冷配管3000、4000を配置するとともに、同様にセグメントセットS1、S2の間にも液冷配管5000を配置したものである。液冷配管5000を配置するために、セグメントセットS1はステータコア1から遠ざかるにつれて径方向外側へ延在するように径方向外側へ斜設されている。端部側コイルエンド312も同じ冷却構造を採用しているため、図示説明は省略する。このようにすれば、コイルエンドの接触冷却性能を更に向上することができる。
【0121】
(変形態様)
変形態様を図15に示す。
【0122】
この変形態様では、図10と同様に、セグメントセットS1の最内側の頭部斜行部a、セグメントセットS2の最外側の頭部斜行部bに隣接しつつ軸方向に液冷配管6000を配置したものである。
【0123】
液冷配管6000は、CW方向へ斜行する頭部斜行部aに径方向へ重なってCW方向へ斜行し、CCW方向へ斜行する頭部斜行部bに径方向へ重なってCCW方向へ斜行している。液冷配管6000は、つづら折れにより軸方向内端(ステータコア1側)と軸方向外端との間で往復に達しながら周方向へ延在している。端部側コイルエンド312も同じ冷却構造を採用しているため、図示説明は省略する。これにより、頭部側コイルエンド311を良好に接触冷却することができる。
【0124】
(変形態様)
変形態様を図16に示す。
【0125】
この変形態様では、図15の液冷配管6000の代わりに、ヒートシンク用アルミ板7000をセグメントセットS2の最外側の頭部斜行部bに径方向に重ねて配置したものである。
【0126】
アルミ板7000は、円筒を軸方向に4つに縦割りした部分円筒形状を有し、各頭部斜行部bの全周にわたって重なっている。なお、頭部斜行部bの径方向外側の面は平坦であるので、これに合わせて、アルミ板7000の内周面部も平坦化されている。アルミ板7000の内周面部に頭部斜行部bが嵌まり込む条溝を凹設してもよい。アルミ板7000と頭部斜行部bとの間には熱伝導グリスが塗布されている。アルミ板7000の外周面部は熱伝導グリスを介してモータハウジング4に接している。
【0127】
また、モータハウジング4の端壁から軸方向内側へ向けて円筒部8000が突出しており、円筒部8000の外周面は、頭部斜行部aの径方向内側の平坦面に熱伝導グリスを介して密着している。上記と同様に、円筒部8000の外周面は、頭部斜行部aの径方向内側の平坦面に合わせて、平坦化されている。
【0128】
これにより、頭部側コイルエンド311の熱をモータハウジング4に良好に伝達することができ、モータハウジング4を冷却することにより、頭部側コイルエンド311の温度上昇を許容範囲に維持することができる。端部側コイルエンド312も同じ冷却構造を採用しているため、図示説明は省略する。9000は、熱伝導良好な樹脂材であり、銅粉やアルミ粉が混入されたエポキシ樹脂液を固化して形成している。
【0129】
(変形態様)
冷却管は、上記実施例では角形管あるい扁平管としたが、円形断面又は楕円断面としてもよい。
【0130】
(変形態様)
コイルエンド冷却部材として冷却管を用いる場合、シリコンチューブのような軟質樹脂管をもちいてもよい。この場合、このシリコンチューブはセグメントの平坦な表面に押しつけられて変形して変形し、両者間の伝熱抵抗を良好に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の車両用走行モータの縦断面図である。
【図2】図1のセグメントの模式斜視図である。
【図3】図1のステータコアの径方向部分断面図である。
【図4】セグメントセットをスロットに挿通する直前の状態を示す模式斜視図である。
【図5】セグメントの頭部捻り装置のリングに挿通する状態を示す模式断面図である。
【図6】頭部捻り装置の模式縦断面図である。
【図7】端部捻り装置の模式縦断面図である。
【図8】端部捻り装置のリングの平面図である。
【図9】コイルエンド接触冷却構造を示す軸方向断面図である。
【図10】変形態様のコイルエンド接触冷却構造を示す図である。
【図11】変形態様のコイルエンド接触冷却構造を示す図である。
【図12】変形態様のコイルエンド接触冷却構造を示す図である。
【図13】変形態様のコイルエンド接触冷却構造を示す図である。
【図14】変形態様のコイルエンド接触冷却構造を示す図である。
【図15】変形態様のコイルエンド接触冷却構造を示す図である。
【図16】変形態様のコイルエンド接触冷却構造を示す図である。
【符号の説明】
1 ステータコア
3 ステータコイル
4 モータハウジング
1000 液冷配管
2000 液冷配管
Claims (18)
- 内周部にスロットを有してモータハウジングに固定された円筒状のステータコアと、
前記ステータコアの内周面に面して回転するロータと、
前記ステータコアの両端面から突出するコイルエンドを有して前記スロットに挿通されるステータコイルと、
良好な吸熱性能を有して前記コイルエンドに電気絶縁可能に接触して前記コイルエンドを伝熱冷却するコイルエンド冷却部材と、
を備えるコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記ステータコイルは、
所定ピッチ周方向に離れた一対の前記スロットに個別に収容される一対のスロット導体部と、前記両スロット導体部から前記ステータコアの一端側へ突出して頭部側コイルエンドを構成する頭部と、前記両スロット導体部から前記ステータコアの他端側へ突出して端部側コイルエンドを構成する一対の飛び出し端部とをそれぞれ有する断面角形の多数のセグメントを順次接続してなり、
前記頭部は、略U字状の頭部先端部と、前記頭部先端部の両端から周方向かつ軸方向へ斜行して前記一対のスロット導体部に個別に連なる一対の頭部斜行部とからなり、
前記飛び出し端部は、前記一対のスロットから周方向かつ軸方向へ斜行する一対の端部斜行部と、前記端部斜行部の先端に形成されて径方向に隣接する異なる前記セグメントの前記端部斜行部の先端に接合される端部先端部とからなり、
前記コイルエンド冷却部材は、前記セグメントの前記頭部又は飛び出し端部の平坦な表面に電気絶縁可能に直接又は間接的に接する表面を有して前記頭部又は飛び出し端部の前記平坦な表面から吸熱することを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項1記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記コイルエンド冷却部材は、
前記冷却液が流れるとともに前記頭部斜行部又は端部斜行部の平坦な表面に対面する平坦な表面を有することを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項1又は2記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記コイルエンド冷却部材は、
冷却液が流れるとともに前記頭部斜行部又は端部斜行部の平坦な表面に隣接しつつ延在する冷却管を有することを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項3記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記冷却管は、
周方向へ隣接する一対の前記頭部斜行部又は端部斜行部の間の周方向隙間を前記頭部斜行部又は端部斜行部の平坦な縦表面に沿いつつ斜行して前記頭部斜行部又は端部斜行部から伝熱吸熱することを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項3記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記冷却管は、
径方向最外側又は径方向最内側の前記前記頭部斜行部又は端部斜行部に径方向に隣接しつつ周方向又は軸方向へ巻装されて、前記径方向最外側又は径方向最内側の頭部斜行部又は端部斜行部の平坦な横表面から伝熱吸熱することを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項3記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記冷却管は、略角形の断面を有する角形管からなることを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項3記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記冷却管は、軟質樹脂管からなることを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項1又は2記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記コイルエンド冷却部材は、
前記頭部斜行部又は端部斜行部の平坦表面に隣接しつつ延在する金属冷却部材を有することを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項8記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記コイルエンド冷却部材は、
周方向へ隣接する一対の前記頭部斜行部又は端部斜行部の間の周方向隙間を前記頭部斜行部又は端部斜行部の平坦な縦表面に沿いつつ斜行して前記頭部斜行部又は端部斜行部から伝熱吸熱することを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項8記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記金属冷却部材は、
径方向最外側又は径方向最内側の前記前記頭部斜行部又は端部斜行部に径方向に隣接しつつ配設されて、前記径方向最外側又は径方向最内側の頭部斜行部又は端部斜行部の平坦な横表面から伝熱吸熱することを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項10記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記金属冷却部材は、
前記径方向最外側又は径方向最内側の頭部斜行部又は端部斜行部の表面に隣接して配置された複数の縦割り部分筒状部材からなることを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項8記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記金属冷却部材は、
径方向に隣接する一対の前記頭部斜行部又は端部斜行部の間の径方向隙間に突出していることを特徴とすることを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項12記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記金属冷却部材は、
径方向に隣接する一対の前記頭部斜行部又は端部斜行部の間の径方向隙間は、前記ステータコアから離れるにつれて段階的又は連続的に広くなっていることを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項8記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記コイルエンド冷却部材は、
前記モータハウジングに接していることを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項2記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記コイルエンド冷却部材は、
前記頭部斜行部又は端部斜行部の平面に対面する平面を有する前記モータハウジングからなることを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項1又は2載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記コイルエンド冷却部材は、
電気絶縁性の絶縁皮膜により被覆された金属部材からなることを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項1又は2記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記コイルエンド冷却部材と前記頭部斜行部又は端部斜行部との間の隙間は、1mm未満とされていることを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。 - 請求項1乃至17のいずれか記載のコイルエンド接触冷却型回転電機において、
前記回転電機は、
自動車の走行動力を発生する自動車用走行モータであることを特徴とするコイルエンド接触冷却型回転電機。
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