JP2004048446A - 自動焦点調節制御方法及び電子カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】動画撮影モードで電源を投入したとき、或いは、静止画撮影モードや再生モードから動画撮影モードに切り換えられたときに、素早く合焦動作を完了して動画記録を開始できる自動焦点調節制御方法及び電子カメラを提供する。
【解決手段】動画撮影機能と静止画撮影機能とを兼備した電子カメラにおいて、動画撮影モードでカメラを使用し始めるときに、まず、静止画撮影用のAF処理を実施してフォーカスレンズを合焦位置に移動し、動画記録可能な状態にする。その後、動画撮影中にはいわゆる山登り方式の動画撮影用のAF処理を連続的に行い、映像の連続性を重視しつつ合焦状態を達成する。
【選択図】 図4
【解決手段】動画撮影機能と静止画撮影機能とを兼備した電子カメラにおいて、動画撮影モードでカメラを使用し始めるときに、まず、静止画撮影用のAF処理を実施してフォーカスレンズを合焦位置に移動し、動画記録可能な状態にする。その後、動画撮影中にはいわゆる山登り方式の動画撮影用のAF処理を連続的に行い、映像の連続性を重視しつつ合焦状態を達成する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動焦点調節(オートフォーカス:AF)制御方法及び電子カメラに係り、特に動画撮影機能を有するデジタルカメラやビデオカメラ等に適用されるAF制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、静止画記録機能と動画記録機能を兼備したデジタルカメラやビデオカメラが知られている。特開平7−170438号公報では、動画撮影モードと静止画撮影モードとを切り換え可能なビデオカメラにおいて、動画撮影時と静止画撮影時とでAFモードを変更する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報でも指摘されているとおり、動画撮影モードにおいては、撮影映像の連続性が重視されるために、AFの追従性が低めに設定されている。したがって、動画撮影モードにおいては、合焦するまでに時間がかかる。同公報では、静止画の画質向上を目的として、動画撮影モードから静止画撮影モードに切り換えた時にAF動作を再起動させることを提案しているが、動画撮影モードにおける合焦時間の短縮化については述べられていない。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、動画撮影モードで電源を投入したとき、或いは、静止画撮影モードや再生モードから動画撮影モードに切り換えられたときに、素早く合焦動作を完了して動画記録を開始できる自動焦点調節制御方法及びその方法を実施可能な電子カメラを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、動画撮影機能と静止画撮影機能とを兼備した電子カメラにおける自動焦点調節制御方法であって、動画撮影モードで前記電子カメラを使用し始めるときに、まず、静止画撮影用の自動焦点調節処理を実施してレンズを合焦位置に移動し、その後、動画撮影用の自動焦点調節処理に移行して連続的に焦点調節動作を実施することを特徴としている。
【0006】
「動画撮影モードで前記電子カメラを使用し始めるとき」の態様としては、動画撮影モードで電源を投入したとき、静止画撮影モードから動画撮影モードに切り換えられたとき、再生モードなどの他のモードから動画撮影モードに切り換えられたとき、などがある。
【0007】
本発明によれば、動画撮影の開始前に、静止画撮影用のAF処理によって素早く合焦状態を達成し、動画の記録動作を可能とする。その後、動画撮影中は動画撮影用のAF処理に切り換えて連続的なAF処理(コンティニアスAF)を行い、映像の連続性を重視しつつ合焦状態を達成する。これにより、動画撮影モード立ち上げ直後の短時間で合焦状態を達成でき、直ぐに動画を記録することが可能になる。
【0008】
本発明の一態様として、静止画撮影用のAF処理は、レンズを移動させながら各レンズ位置で撮像手段から得られる画像信号の高周波成分を用いて焦点評価値を算出し、焦点評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する処理であって、複数のレンズ位置で取得された焦点評価値のデータから焦点評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定し、その決定したレンズ位置(合焦位置)にレンズを移動して合焦状態を得る態様がある。
【0009】
また、動画撮影用のAF処理は、動画撮影中にレンズを動かしながら撮像を行い、撮像手段から得られる画像信号の高周波成分を用いて焦点評価値を算出し、焦点評価値が増加する場合は、同方向のレンズ移動を継続し、逆に、焦点評価値が減少する場合は逆方向にレンズを移動させるという動作を繰り返すことによって焦点評価値が最大となるレンズ位置にフォーカスレンズを追い込んでいく処理態様がある。
【0010】
上記方法発明を具現化する電子カメラを提供するために本発明は、レンズを通して入射する被写体の光学像を画像信号に変換する撮像手段と、前記撮像手段を介して撮像した動画を記録媒体に記録する動画記録手段と、を備えた電子カメラにおいて、動画撮影の前に前記レンズを移動させながら、各レンズ位置で前記撮像手段から得られる画像信号の高周波成分を用いて焦点評価値を算出し、複数のレンズ位置で取得された焦点評価値のデータから焦点評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定し、その決定した合焦位置に前記レンズを移動して合焦状態を得る第1の自動焦点調節手段と、動画撮影中に前記レンズを動かしながら撮像を行い、前記撮像手段から得られる画像信号の高周波成分を用いて焦点評価値を算出し、焦点評価値が増加する場合は、同方向のレンズ移動を継続する一方、焦点評価値が減少する場合は逆方向に前記レンズを移動させるという動作を繰り返すことによって前記焦点評価値が極大となるレンズ位置にフォーカスレンズを追い込んで行く第2の自動焦点調節手段と、当該電子カメラによって動画撮影を開始する際に、まず、前記第1の自動焦点調節手段による自動焦点調節処理を実施して前記レンズを合焦位置に移動し、その後、前記第2の自動焦点調節手段による自動焦点調節処理に移行して連続的に自動焦点調節動作を実施する制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
本発明の一態様に係る電子カメラは、レンズを駆動するレンズ駆動手段、焦点評価値を算出する評価値演算手段を含み、前記第2の自動焦点調節手段は、焦点評価値の増減を判断してレンズの移動方向を決定する移動方向決定手段と、前記移動方向決定手段の決定に従って前記レンズ駆動手段を制御する手段と、を含む。
【0012】
また、本発明の他の態様によれば、前記第1の自動焦点調節手段によるAF処理を行うときには、前記撮像手段の撮像周期が相対的に短い第1の周期に設定され、前記第2の自動焦点調節手段によるAF処理を行うときには前記撮像周期が前記第1の周期よりも相対的に長い第2の周期に設定されるように前記撮像手段の駆動モードを前記制御手段によって制御することを特徴としている。
【0013】
すなわち、上述した構成の本発明に係る電子カメラにおいて、撮像手段から1画面の画像データを取り込む周期(撮像周期)を変更する手段(撮像周期の切換手段)を付加し、前記第1の自動焦点調節手段によるAF処理時には撮像周期を短くして素早く合焦状態を達成する。動画撮影中は所定のフレームレートで画像を取得する必要があるため、そのフレームレートで規定される撮像周期で画像を取り込む。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る自動焦点調節制御方法及び電子カメラの好ましい実施の形態について詳説する。
【0015】
図1は本発明の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図である。このカメラ10は、静止画及び音声付き動画の記録・再生が可能なデジタルカメラである。
【0016】
カメラ10の撮影レンズ12は、固定レンズ14、変倍レンズ15A、補正レンズ15B及びフォーカスレンズ16から成る4群型インナーフォーカス式ズームレンズで構成されている。変倍レンズ15Aと補正レンズ15Bは、図示せぬカム機構によって両者の位置関係が規制されながら光軸に沿って移動し、焦点距離を変更する。なお、説明の便宜上、変倍レンズ15Aと補正レンズ15Bから成る変倍光学系を「ズームレンズ15」と呼ぶことにする。フォーカスレンズ16は、撮影レンズ12を構成するレンズ光学系のうちフォーカス調整に寄与する移動レンズである。
【0017】
撮影レンズ12を通過した光は、絞り18により光量が調節された後、CCD固体撮像素子(以下、CCDという。)20に入射する。CCD20の受光面に入射した被写体の光学像は、CCD20によって光電変換される。CCD20の受光面は多数のフォトダイオードが2次元的に配列され、ハニカム配列、ベイヤー配列その他の所定のカラーフィルター配列構造を備えている。また、CCD20は、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。なお、CCD20に代えてCMOSイメージセンサその他の撮像素子を用いてもよい。
【0018】
CCD20の各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CCDドライバ22から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。CCD20から出力された画像信号はアナログ処理部24に送られる。アナログ処理部24は、サンプリングホールド回路、色分離回路、ゲイン調整回路等の信号処理回路を含み、このアナログ処理部24において、相関二重サンプリング(CDS)処理並びにR,G,Bの各色信号に色分離処理され、各色信号の信号レベルの調整(プリホワイトバランス処理)が行われる。
【0019】
アナログ処理部24から出力された信号は、A/D変換器25によりデジタル信号に変換された後、メモリ26に格納される。タイミングジェネレータ(TG)28は、CPU30の指令に従ってCCDドライバ22、アナログ処理部24及びA/D変換器25に対してタイミング信号を与えており、このタイミング信号によって各回路の同期がとられている。
【0020】
メモリ26に格納されたデータは、バス32を介して信号処理部34に送られる。信号処理部34は、同時化回路、輝度・色差信号生成回路、ガンマ補正回路、シャープネス補正回路、コントラスト補正回路、ホワイトバランス補正回路等を含む画像処理手段であり、CPU30からのコマンドに従って画像信号を処理する。
【0021】
信号処理部34に入力された画像データは、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr,Cb 信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、メモリ26に格納される。
【0022】
撮影時にメモリ26に格納されたYC信号は、圧縮伸張回路36によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、カードインターフェース部38を介してメモリカード40に記録される。例えば、静止画についてはJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式、動画についてはモーションJPEG形式で記録される。圧縮形式はこれらに限定されず、MPEG(Moving Picture Experts Group)その他の方式を採用してもよい。
【0023】
画像データを保存する手段は、メモリカード40に代表される半導体メモリに限らず、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど種々の記録媒体を用いることができる。また、記録媒体は、カメラ本体に着脱可能なリムーバブルメディアに限らず、カメラ10に内蔵された記録媒体(内部メモリ)であってもよい。
【0024】
撮像中の映像をモニタ出力する場合、メモリ26に格納された画像データは表示回路42へ送られる。表示回路42は、入力された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して液晶モニタ(LCD)44に出力する。CCD20から出力される画像信号によってメモリ26内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が液晶モニタ44に供給されることにより、撮像中の映像がリアルタイムに動画として表示される。撮影者は液晶モニタ44に表示される動画映像(スルームービー)によって撮影画角を確認できる。
【0025】
液晶モニタ44には、撮像中の映像のみならず、メモリカード40に記録した画像の再生映像、現在設定されているモードの情報、画像の圧縮率の情報、日時情報、コマ番号、再利用可能回数なども表示可能である。また、液晶モニタ44は、利用者が各種の設定操作等を行う際のユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じて設定項目などのメニュー情報も表示される。なお、カメラ10に搭載される表示手段は液晶モニタ44に限定されず、有機ELその他の画像表示装置を適用することが可能である。
【0026】
CPU30は、所定のプログラムに従って本カメラシステムを統括制御する制御手段として機能するとともに、各種の演算を実施する演算手段として機能する。すなわち、CPU30は、操作部50からの指示信号に基づいてカメラ10内の各回路の動作を制御し、AE(自動露出調節)/AF/AWB(オートホワイトバランス)制御、レンズ駆動制御、撮影動作制御、画像処理制御、メモリカード40の読み書き制御、液晶モニタ44の表示制御などを行う。
【0027】
CPU30に接続されているROM60には、CPU30が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されており、RAM61はCPU30の作業用領域として利用される。EEPROM62にはAE、AF及びAWB等の制御に必要なデータやユーザが設定したカスタマイズ情報などが格納されており、CPU30は必要に応じてこれらデータを活用する。なお、不揮発性記憶手段であるROM60は書き換え不能なものであってもよいし、EEPROMのように書き換え可能なものでもよい。
【0028】
操作部50は、カメラ10に対してユーザが各種の指示を入力するための手段である。操作部50には、主電源のON/OFFを行う電源スイッチ51、撮影開始の指示を入力する撮影スイッチ52、動作モードを選択するためモード選択スイッチ53、ズーム操作を行うズームスイッチ54、その他、メニュー画面の表示を指示するメニューボタン、メニュー項目の選択操作(カーソル移動操作)や再生画像のコマ送り/コマ戻し等の指示を入力する十字ボタン、選択項目の確定(登録)や動作の実行を指示するOKボタン、選択項目など所望の対象の消去や指示内容の取消し、或いは1つ前の画面に戻るときに使用するBACKボタンなど各種の操作手段が含まれる。なお、十字ボタンの上下キーをズームスイッチ54として兼用する態様も可能である。
【0029】
電源スイッチ51がON操作されると、CPU30はこれを検出し、図示せぬ電源回路に対して起動指令の信号を与え、電源回路を起動させる。カメラ10に装填されている電池(不図示)から供給される電力は、電源回路のDC/DCコンバータによって所要の電圧に変換された後、カメラ10内の各回路ブロックに供給される。
【0030】
撮影スイッチ52は、半押し時にONするS1 スイッチと、全押し時にONするS2 スイッチとを有する二段式のスイッチで構成されており、静止画記録時のレリーズボタンとして使用されるとともに、動画記録時の録画ボタン(スタート/ストップボタン)として使用される。
【0031】
モード選択スイッチ53は、静止画撮影を行う「静止画モード」、動画撮影を行う「動画モード」、記録済みの画像を再生する「再生モード」の何れか1つのモードを選択的に設定できる手段である。
【0032】
撮影モード(静止画モード又は動画モード)において、撮影者がズームスイッチ54を操作すると、その指示信号がCPU30に入力される。CPU30はズームスイッチ54からの信号に基づいてズーム駆動部64を制御してズームレンズ15をテレ(TELE)方向又はワイド(WIDE)方向に移動させる。ズーム駆動部64は図示せぬモータ(ズームモータ)を含む電動駆動手段であり、該モータの駆動力によってズームレンズ15が駆動される。ズームレンズ15の位置(ズーム位置)は、ズーム位置センサ65によって検出され、該センサ65の検出信号はCPU30に入力される。
【0033】
同様に、フォーカス駆動部66は図示せぬモータ(AFモータ)を含む電動駆動手段であり、該モータの駆動力によってフォーカスレンズ16が光軸に沿って前後動する。フォーカスレンズ16の位置(フォーカス位置)は、フォーカス位置センサ67によって検出され、該センサ67の検出信号はCPU30に入力される。
【0034】
モード選択スイッチ53によって静止画モードが選択され、撮影スイッチ52が押下されると、撮影開始指示(レリーズON)信号が発せられる。CPU30は、レリーズON信号を検知して記録用の撮影動作を実行する。
【0035】
また、モード選択スイッチ53によって動画モードが選択されると、音声付き動画の記録が可能となる。撮影スイッチ52の押下(S2 =ON)によって録画動作がスタートし、もう一度撮影スイッチ52を押下(S1 =ON)すると録画動作が停止する。なお、撮影スイッチ52を押下継続している期間、録画動作を行い、押下解除により録画を停止するようにしてもよい。
【0036】
動画撮影時の音声は、マイク70によって検出され、その検出信号(音声信号)は、アンプ71を介して増幅された後、A/D変換器72によってデジタル信号に変換され、メモリ26を介して音声処理部74に送られる。音声処理部74は入力された音声データを所定の信号形式に変換する。こうして生成された音声データは、メモリ26に記憶され、画像データとともに圧縮伸張回路36で圧縮された後、メモリカード40に記録される。
【0037】
一方、モード選択スイッチ53によって再生モードが選択されると、メモリカード40に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録されたファイル)が読み出される。最後の記録に係るファイルが静止画ファイルの場合、この読み出された画像ファイルの圧縮データは、圧縮伸張回路36を介して非圧縮のYC信号に伸張され、表示回路42を介して液晶モニタ44に出力される。これにより、当該ファイルの画像内容が液晶モニタ44に表示される。
【0038】
再生対象ファイルが動画ファイルの場合には、動画の先頭フレームが代表画像として表示され、動画再生開始の指示を受け付ける画面になる。動画の先頭フレームが表示されている状態で操作部50から所定の操作を行い、動画再生を開始させると、動画ファイルの再生処理がスタートし、液晶モニタ44に動画が表示されるとともに、音声データが音声処理部74において再生処理され、D/A変換器76、アンプ77を介してスピーカ78に出力される。こうして、動画と同時に記録した音声も再生される。
【0039】
静止画の一コマ再生中(動画の先頭フレーム再生中も含む。)に、十字ボタンの右キー又は左キーを操作することによって、再生対象のファイルを切り換えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。コマ送りされたコマ位置の画像ファイルがメモリカード40から読み出され、上記と同様にして静止画像や動画が液晶モニタ44に再生される。
【0040】
オート演算部80は、AE、AF及びAWB制御に必要な演算を行う手段であり、AE演算部82、AF演算部84、AWB演算部86から構成される。AE演算部82は、1画面を複数のエリア(例えば、8×8)に分割し、分割エリアごとにRGB信号を積算する回路を含み、その積算値をCPU30に提供する。CPU30は、AE演算部82から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。求めた露出値と所定のプログラム線図に従い、絞り値とシャッタースピードが決定される。そして、図示せぬアイリスモータを含む絞り駆動部及びCCD20の電子シャッターを制御して最適な露光量を得る。
【0041】
AWB演算部86は、上述したAE演算部82と類似の構成であり、入力されたRGBの各色信号を積算する。AWB演算部86は、1画面を複数のエリア(例えば、8×8)に分割し、各エリアごとにRGB信号の色別の平均積算値を算出する回路を含み、その算出結果はCPU30に提供される。
【0042】
CPU30は、Rの積算値、Bの積算値、Gの積算値を得て、R/G、B/Gの比を求め、これらR/G、B/Gの値と、AE演算による撮影EV値の情報に基づいてシーン判別(光源種の判別)を行い、シーンに適した所定のホワイトバランス調整値に従って、各比の値がおよそ1(つまり、1画面においてRGBの積算比率がR:G:B≒1:1:1)になるように、信号処理部34内のホワイトバランス調整回路のアンプゲインを制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。なお、シーン判別においては、R/G、B/Gの値を利用するのに代えて、R−Y、B−Yなど色温度情報を用いてもよい。
【0043】
本カメラ10におけるAF制御は、例えば画像信号のG信号の高周波成分が極大になるように撮影レンズ12を移動させるコントラストAFが適用される。図2にAF演算部84の処理フローを示す。
【0044】
すなわち、AF演算部84は、図2に示すように、ハイパスフィルタ90、絶対値化処理部92、AFエリア抽出部94及び積算部96を備えている。ハイパスフィルタ90は、A/D変換器25によってデジタル化された画像信号のうちG信号の高周波成分のみを通過させる。絶対値化処理部92は、ハイパスフィルタ90からの出力信号の絶対値をとる。AFエリア抽出部94は、図3のように、撮影画面100内(例えば、画面中央部)に設定されているフォーカス対象エリア(以下、AFエリアという。)102内の信号を切り出す処理を行う。図2の積算部96は、AFエリア102内の絶対値データを積算し、得られた積算値(焦点評価値に相当)を図1に示したCPU30に提供する。なお、焦点評価値の演算はG信号を利用する態様に限定されず、輝度信号(Y信号)など、他の画像信号を利用してもよい。
【0045】
静止画撮影時において、CPU30は、AFモータを含むフォーカス駆動部66を制御してフォーカスレンズ16を移動させながら、複数のAF検出ポイントでAF演算を行い、各AF検出ポイントで算出された焦点評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、求めた合焦位置にフォーカスレンズ16を移動させるようにフォーカス駆動部66を制御する。
【0046】
動画撮影中には、いわゆる「山登り方式」の連続的なAF処理(コンティニアスAF)を行う。すなわち、フォーカスレンズ16を光軸に沿って前後に微小移動させて、焦点評価値の増減方向をチェックしながら、評価値の極大点まで、徐々にフォーカスレンズ16を移動させる。
【0047】
次に、上記の如く構成されたカメラ10のAF制御方法について説明する。
【0048】
図4は、カメラ10の制御手順を示すフローチャートである。撮影モードでカメラ電源をONしたとき、又は再生モードから撮影モードに切り換えると、図4の制御フローがスタートする。CPU30はまず、カメラ10のモードを判定する(ステップS210)。カメラ10が静止画モードに設定されている場合には、ステップS212へ進み、CCD20の駆動モードを1/30秒に設定する。
【0049】
これはCCD20の駆動周期(撮像周期)を設定する処理であり、ここでは液晶モニタ44にスルームービーを表示するのに適した駆動モードに設定される。本例のカメラ10は液晶モニタ44においてNTSC方式のビデオ信号を利用しており、フレームレートが30フレーム/秒に設定されている(2フィールドで1フレームを構成するため1フィールド=1/60秒)。当該カメラ10の場合、同じ画像を2フィールド表示させる方式を採用しているため1/30秒ごとに画像内容が更新される。この周期で1画面の画像データを更新するために、CCD20の垂直駆動(VD)パルスの周期が1/30秒に設定される。CPU30はタイミングジェネレータ28に対してCCD駆動モードの制御信号を与え、タイミングジェネレータ28によってCCD駆動用の信号が生成される。
【0050】
次に、CPU30は、フォーカスレンズ16を所定のパンフォーカス位置に移動させる処理を行い(ステップS214)、スルームービーの表示を開始する(ステップS216)。スルームービーの表示中、CPU30は撮影スイッチ52のS1 がONしたか否かの判定を行う(ステップS218)。撮影スイッチ52が押されていなければ、ステップS218の処理がループし、スルームービー表示状態が維持される。なお、このスルームービー表示中、AF処理は実施されず、フォーカスレンズ16はパンフォーカス位置で停止している。
【0051】
その後、撮影者によって撮影スイッチ52が押され、撮影準備の指示が入力されると(CPU30がS1 =ONを検出すると)、CPU30は、CCD駆動モードを1/60秒に変更する(ステップS220)。これにより、CCD20からの画像取り込み周期が短くなり、高速にAF処理を実施することができる。ここで設定されるCCD駆動周期は、1/60秒に限らず、1/120秒など適宜の値に設定可能である。
【0052】
その後、静止画用のAF処理(以下、静止画AF処理という。)を実施する(ステップS222)。
【0053】
図5に静止画AF処理のフローチャートを示す。静止画AF処理がスタートすると、まず、CPU30は、撮影画面の一部(例えば、画面中央部の一定領域)をAFエリア102として設定する(ステップS310)。次に、撮影レンズ12の焦点距離の現在値を取得する(ステップS312)。撮影レンズ12の焦点距離が長くなるにつれて被写界深度が浅くなり、無限遠から至近までのレンズ駆動量(焦点調節領域)が大きくなる。CPU30は、撮影レンズ12の焦点距離に対応して、焦点評価値を算出すべきレンズ位置(サーチポイント)の間隔(AFステップ幅)とフォーカス段数(検出ポイント数)を設定する。
【0054】
フォーカス段数は、焦点距離に対応した焦点調節領域をAFステップ幅で等分割してもよいし、近距離(至近限界)側のAFステップ幅を無限遠側よりも短くして(近距離側でのサーチポイントを多くして)、焦点精度を高めるように設定してもよい。
【0055】
次に、フォーカスレンズ16をAFサーチの初期位置(例えば、無限遠位置)に移動させるとともに(ステップS314)、続くステップS316において、CPU30のレジスタnに初期値「0」をセットする。次いで、現在のレンズ位置(焦点位置)における焦点評価値を算出し(ステップS318)、求めた焦点評価値をCPU30に入力する。CPU30は、このフォーカス段における評価値を記憶する。
【0056】
次に、CPU30は中断判定処理を行う(ステップS320)。CPU30は、各フォーカス段で算出される焦点評価値が連続して何回減少したかを判定する機能を有し、その連続減少回数が所定の中断判定値Cを超え、かつ所定以上のコントラストが検出された場合に、焦点評価値の最大がすでに検出されたと判定してAFサーチ(焦点評価値の取得処理)を中断する。
【0057】
中断判定値Cは、撮影レンズ12の焦点距離に応じて予め設定されており、長焦点側に近づくにつれて中断判定値は大きい値に設定される。中断判定値CのテーブルデータはEEPROM62に格納されており、CPU30はこのテーブルを参照して中断判定を行う。
【0058】
図6に中断判定処理のフローチャートを示す。中断判定処理がスタートすると、まず、レジスタCに現在の焦点距離[ZOOMPOS] に対応する中断判定値 C_TABLE がセットされる(ステップS410)。次いで、1つ前のフォーカス段における焦点評価値と現在の焦点評価値を比較して、焦点評価値が減少したか否かが判定される(ステップS412)。焦点評価値が増加傾向にある場合には、ステップS420にてAFサーチの継続が決定され、図5に示したステップS322に進む。
【0059】
その一方、図6のステップS412において、焦点評価値が減少している場合には、レジスタnの値に1が加算され(ステップS414)、続くステップS416では、そのレジスタnの値がレジスタCの値(中断判定値)を終えているか否かが判断される。
【0060】
レジスタnの値がレジスタCの値を超えていない場合には、ステップS420にてAFサーチの継続が決定される。一方、ステップS416において、レジスタnの値がレジスタCの値を超えている場合には、ステップS418に進む。
【0061】
ステップS418では、算出された焦点評価値の最大値(AFmax )と最小値(AFmin )との差が所定の値Kよりも大きいか否かが判定される。ここで、焦点評価値の最大値(AFmax )と最小値(AFmin )の差が判定値Kよりも大きい場合には、所定のコントラストがあることを示しているので、ステップS430にてAFサーチ中断が決定される。また、ステップS418において、焦点評価値の差が判定値K以下の場合には、ステップS420にてAFサーチの継続が決定される。
【0062】
ステップS420又はステップS430にて中断又は継続が決定されたら、図5のフローチャートに戻ってステップS322に進む。
【0063】
図5のステップS322では、中断判定の決定結果に応じてAF処理を継続するか否かを制御する。「継続」の場合には、ステップS324に進み、フォーカスレンズ16がサーチポイントの最終段の位置に到達したか否かが判定される。フォーカス段の最終位置に到達していない場合には(ステップS324においてNO判定)、ステップS326に進み、現在のフォーカス段からサーチステップの1ステップ分だけフォーカスレンズ16を移動し、ステップS318に戻る。こうして、次のサーチポイントへ移動され、フォーカス位置の異なるフレーム画像データから焦点評価値が算出される。焦点調節領域内の各ポイントについてステップS318〜S326の処理が繰り返され、各ポイントの焦点評価値が順次取得される。
【0064】
ステップS324でフォーカスレンズ16が最終段の位置に到達した場合、又はステップS322において「中断」の判定を得た場合には、ステップS330に移行し、各ポイントで得た焦点評価値の結果から、最大の評価値が得られる位置(合焦位置)を決定して(ステップS330)、AF処理を終了する。
【0065】
図7には、静止画AF処理によって得られた焦点評価値の例が示されている。同図によれば、AFサーチの初期位置である無限遠位置で得られた焦点評価値(符号500)がフォーカスレンズ16の移動に伴って上昇し、その最大値(符号502)を過ぎても更にフォーカスレンズ16が移動する。そして、焦点評価値の減少回数が中断判定値を超えると、それまでに得られている焦点評価値の最大値(符号502)と最小値(符号500)との差を設定値Kと比較して、設定値Kよりも大きい場合に中断が決定される。その後、焦点評価値の最大値が得られたフォーカス段の位置(符号506)にフォーカスレンズ16が移動される。
【0066】
図5〜図7で説明した静止画AF処理を終了したら、図4のステップS224に進む。ステップS224では静止画AF処理によって求めた合焦位置にフォーカスレンズ16が移動される。合焦状態が得られると、CPU30によって撮影スイッチ52の状態が確認され、その後、CPU30は撮影スイッチ52のS2 スイッチがONしたか否かの判定を行う(ステップS226)。S2 スイッチがOFFの場合は、更に、ステップS228へ進み、撮影スイッチ52のS1 が解除されたか否かを判定する。
【0067】
撮影スイッチ52が全押し操作(S2 =ON)される前に、撮影スイッチ52の押下が解除(S1 解除)された場合は、CCD駆動モードを1/30秒に切り換えて(ステップS230)、ステップS216に戻る。一方、ステップS228において、撮影スイッチ52の半押し状態が維持されている場合にはステップS226に戻り、指示の入力を待つ。
【0068】
ステップS226において、CPU30がS2 =ONの入力信号を検出すると、撮影動作が実行され、得られた画像(静止画)がメモリカード40に記録される(ステップS232)。画像記録が終了すると、ステップS212に戻り、次の撮影指示を受け付ける。
【0069】
また、ステップS210において、カメラ10が動画モードに設定されている場合には、ステップS240に進み、CCD20の駆動モードを1/60秒に設定する。そして、図5〜図6で説明した静止画AF処理を実施して(ステップS242)、フォーカスレンズ16を合焦位置に移動させる(ステップS244)。こうして、動画モード起動後に素早く合焦状態を達成した後、CCD駆動モードを1/30秒に切り換えて(ステップS246)、スルームービー表示を開始し(ステップS248)、動画記録可能な状態になる。スルームービー駆動中は、動画撮影用のAF処理(以下、動画AF処理という。)を実施しながら(ステップS250)、録画開始の指示信号の入力を待機する(ステップS252)。
【0070】
図8に動画AF処理のフローチャートを示す。動画AF処理がスタートすると、まず、CPU30は、撮影画面の一部(例えば、画面中央部の一定領域)をAFエリア102として設定する(ステップS610)。次いで、現在のレンズ位置(焦点位置)における焦点評価値を算出し(ステップS612)、求めた焦点評価値をCPU30に入力する。CPU30は、得られた焦点評価値をレンズ位置の情報とともに記憶する。
【0071】
次に、フォーカスレンズ16を所定方向(例えば、無限遠方向)に微小量移動して(ステップS614)、焦点評価値を算出する(ステップS616)。ここでのレンズ移動量は、映像上の変化を視認できないほどに微小なものである。
【0072】
続いて、ステップS616で得られた焦点評価値と前回記憶した焦点評価値とを比較して焦点評価値が増加したか否かを判断する(ステップS618)。焦点評価値が増加している場合には、前回のレンズ移動と同じ方向にフォーカスレンズ16を移動し(ステップS620)、焦点評価値を算出する(ステップS622)。その一方、ステップS618において、焦点評価値が減少している場合は、前回のレンズ移動と逆方向(ここでは至近方向)にフォーカスレンズ16を移動して(ステップS621)、焦点評価値を算出する(ステップS622)。
【0073】
次に、焦点評価値が減少したか否かを判断する(ステップS624)。ステップS624において焦点評価値が増加していれば、ステップS620に戻り、前回のレンズ移動と同じ方向にレンズ移動を行い、焦点評価値を算出する(ステップS622)。
【0074】
焦点評価値の増加傾向が続く間は、直前のレンズ移動と同じ方向にレンズ移動を繰り返す(ステップS620〜ステップS624)。ステップS624において焦点評価値が減少に転じたら、合焦位置を行き過ぎたと判断して、フォーカスレンズ16の移動方向を反転させ、焦点評価値が最大を示した位置にフォーカスレンズ16を移動させる(ステップS626)。こうして合焦状態が達成される。
【0075】
図9には、動画AF処理の動作例が示されている。同図において▲1▼で示した初期位置でフォーカスレンズ16を無限遠側又は至近側の何れかに微小移動させる。焦点評価値が増加すれば、その移動方向にレンズ移動を続け、逆に、焦点評価値が減少すれば、移動方向を反転させる。焦点評価値が増加する方向にフォーカスレンズ16を移動し続け(図9中▲2▼)、焦点評価値が減少に転じたら(図9中▲3▼)、移動方向を反転させて(図9中▲4▼)、最大評価値対応位置(合焦位置)にフォーカスレンズ16を移動する(図9中▲5▼)。
【0076】
上述した動画AF処理をスルームービー表示中に定期的に繰り返すことによって常に被写体に合焦させておくことが可能になる。
【0077】
図4に示したステップS252において、CPU30が録画開始の指示信号の入力を検出すると、動画記録処理が開始される(ステップS254)。録画中においても、図8〜図9で説明した動画AF処理が行われ(ステップS256)、常に合焦状態が確保される。
【0078】
CPU30は録画停止の指示信号の入力を監視し(ステップS258)、停止指示が入力されるまで録画を続ける(ステップS254〜S258)。ステップS258において録画停止の指示を検出すると、録画処理を停止する(ステップS260)。その後は、ステップS248に戻り、スルームービーの表示を再開して、次の録画指示を受け付ける。
【0079】
上述した実施形態によれば、動画モード立ち上げ時に、まず静止画AF処理を実施して合焦状態を達成してから動画の記録動作を可能にし、その後はいわゆる山登り方式の動画AF処理を繰り返して常に焦点調節動作を行うように制御するため、起動後短時間で動画を記録することが可能になる。
【0080】
静止画AF処理は1/60秒のCCD駆動モードで画像を取り込みながら、焦点評価値が極大となるレンズ位置を探すAFサーチを行い、AFサーチ動作後にフォーカスレンズ16を合焦位置まで一気に移動させる方式であるため、合焦までの時間が比較的速いという特徴がある。これに対して、動画AF処理は、静止画AF処理時よりも長い撮像周期のCCD駆動モード(1/30秒)で画像を取り込みながら、フォーカスレンズ16を前後に微小移動させ、評価値の増減を比較して移動方向を判定しつつフォーカスレンズ16を合焦位置に追い込む方式であるため、常にピントの合った映像を得ることができる反面、静止画AF処理に比べて合焦までの時間が比較的遅い。
【0081】
本実施形態においては、これら2種類のAF処理方式を組み合わせたことによって、動画モード立ち上げ時における合焦時間の短縮化を達成している。
【0082】
本発明の実施に際して、静止画AF処理及び動画AF処理の内容は図5〜図9で説明した例に限定されない。例えば、静止画AF処理において、最初にフォーカス送り量を大きくしたAFステップ幅で焦点評価値を取得する「ラフサーチ」を行い、ラフサーチによっておよその合焦位置を検出したらその近傍領域について更にフォーカス送り量を小さくしたAFステップ幅で焦点評価値を取得する「詳細サーチ」を行うという2段階のAF処理を適用してもよい。
【0083】
また、上記実施の形態では、動画撮影可能なデジタルカメラを例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、ビデオカメラやDVDカムなど、動画撮影可能な様々な電子撮像装置について本発明を適用できる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、動画撮影モードで電子カメラを使用し始めるときに、まず、静止画撮影用のAF処理によって素早く合焦状態を達成して記録動作を可能とし、その後、動画撮影中は動画撮影用のAF処理に切り換えて連続的なAF処理を行うようにしたので、動画撮影モード立ち上げ直後の合焦時間を従来よりも短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図
【図2】図1に示したAF演算部の処理フローを示すブロック図
【図3】撮影画面内に設定されたAFエリアの例を示す図
【図4】本実施形態に係るカメラの制御手順を示すフローチャート
【図5】静止画AF処理の内容を示すフローチャート
【図6】中断判定処理の内容を示すフローチャート
【図7】静止画AF処理によって得られた焦点評価値の例を示す図
【図8】動画AF処理の内容を示すフローチャート
【図9】動画AF処理の動作を説明するために用いた図
【符号の説明】
10…カメラ、12…撮影レンズ、16…フォーカスレンズ、20…CCD、22…CCDドライバ、28…タイミングジェネレータ、30…CPU、66…フォーカス駆動部、67…フォーカス位置センサ、80…オート演算部、84…AF演算部、102…AFエリア
【発明の属する技術分野】
本発明は自動焦点調節(オートフォーカス:AF)制御方法及び電子カメラに係り、特に動画撮影機能を有するデジタルカメラやビデオカメラ等に適用されるAF制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、静止画記録機能と動画記録機能を兼備したデジタルカメラやビデオカメラが知られている。特開平7−170438号公報では、動画撮影モードと静止画撮影モードとを切り換え可能なビデオカメラにおいて、動画撮影時と静止画撮影時とでAFモードを変更する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報でも指摘されているとおり、動画撮影モードにおいては、撮影映像の連続性が重視されるために、AFの追従性が低めに設定されている。したがって、動画撮影モードにおいては、合焦するまでに時間がかかる。同公報では、静止画の画質向上を目的として、動画撮影モードから静止画撮影モードに切り換えた時にAF動作を再起動させることを提案しているが、動画撮影モードにおける合焦時間の短縮化については述べられていない。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、動画撮影モードで電源を投入したとき、或いは、静止画撮影モードや再生モードから動画撮影モードに切り換えられたときに、素早く合焦動作を完了して動画記録を開始できる自動焦点調節制御方法及びその方法を実施可能な電子カメラを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、動画撮影機能と静止画撮影機能とを兼備した電子カメラにおける自動焦点調節制御方法であって、動画撮影モードで前記電子カメラを使用し始めるときに、まず、静止画撮影用の自動焦点調節処理を実施してレンズを合焦位置に移動し、その後、動画撮影用の自動焦点調節処理に移行して連続的に焦点調節動作を実施することを特徴としている。
【0006】
「動画撮影モードで前記電子カメラを使用し始めるとき」の態様としては、動画撮影モードで電源を投入したとき、静止画撮影モードから動画撮影モードに切り換えられたとき、再生モードなどの他のモードから動画撮影モードに切り換えられたとき、などがある。
【0007】
本発明によれば、動画撮影の開始前に、静止画撮影用のAF処理によって素早く合焦状態を達成し、動画の記録動作を可能とする。その後、動画撮影中は動画撮影用のAF処理に切り換えて連続的なAF処理(コンティニアスAF)を行い、映像の連続性を重視しつつ合焦状態を達成する。これにより、動画撮影モード立ち上げ直後の短時間で合焦状態を達成でき、直ぐに動画を記録することが可能になる。
【0008】
本発明の一態様として、静止画撮影用のAF処理は、レンズを移動させながら各レンズ位置で撮像手段から得られる画像信号の高周波成分を用いて焦点評価値を算出し、焦点評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する処理であって、複数のレンズ位置で取得された焦点評価値のデータから焦点評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定し、その決定したレンズ位置(合焦位置)にレンズを移動して合焦状態を得る態様がある。
【0009】
また、動画撮影用のAF処理は、動画撮影中にレンズを動かしながら撮像を行い、撮像手段から得られる画像信号の高周波成分を用いて焦点評価値を算出し、焦点評価値が増加する場合は、同方向のレンズ移動を継続し、逆に、焦点評価値が減少する場合は逆方向にレンズを移動させるという動作を繰り返すことによって焦点評価値が最大となるレンズ位置にフォーカスレンズを追い込んでいく処理態様がある。
【0010】
上記方法発明を具現化する電子カメラを提供するために本発明は、レンズを通して入射する被写体の光学像を画像信号に変換する撮像手段と、前記撮像手段を介して撮像した動画を記録媒体に記録する動画記録手段と、を備えた電子カメラにおいて、動画撮影の前に前記レンズを移動させながら、各レンズ位置で前記撮像手段から得られる画像信号の高周波成分を用いて焦点評価値を算出し、複数のレンズ位置で取得された焦点評価値のデータから焦点評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定し、その決定した合焦位置に前記レンズを移動して合焦状態を得る第1の自動焦点調節手段と、動画撮影中に前記レンズを動かしながら撮像を行い、前記撮像手段から得られる画像信号の高周波成分を用いて焦点評価値を算出し、焦点評価値が増加する場合は、同方向のレンズ移動を継続する一方、焦点評価値が減少する場合は逆方向に前記レンズを移動させるという動作を繰り返すことによって前記焦点評価値が極大となるレンズ位置にフォーカスレンズを追い込んで行く第2の自動焦点調節手段と、当該電子カメラによって動画撮影を開始する際に、まず、前記第1の自動焦点調節手段による自動焦点調節処理を実施して前記レンズを合焦位置に移動し、その後、前記第2の自動焦点調節手段による自動焦点調節処理に移行して連続的に自動焦点調節動作を実施する制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
本発明の一態様に係る電子カメラは、レンズを駆動するレンズ駆動手段、焦点評価値を算出する評価値演算手段を含み、前記第2の自動焦点調節手段は、焦点評価値の増減を判断してレンズの移動方向を決定する移動方向決定手段と、前記移動方向決定手段の決定に従って前記レンズ駆動手段を制御する手段と、を含む。
【0012】
また、本発明の他の態様によれば、前記第1の自動焦点調節手段によるAF処理を行うときには、前記撮像手段の撮像周期が相対的に短い第1の周期に設定され、前記第2の自動焦点調節手段によるAF処理を行うときには前記撮像周期が前記第1の周期よりも相対的に長い第2の周期に設定されるように前記撮像手段の駆動モードを前記制御手段によって制御することを特徴としている。
【0013】
すなわち、上述した構成の本発明に係る電子カメラにおいて、撮像手段から1画面の画像データを取り込む周期(撮像周期)を変更する手段(撮像周期の切換手段)を付加し、前記第1の自動焦点調節手段によるAF処理時には撮像周期を短くして素早く合焦状態を達成する。動画撮影中は所定のフレームレートで画像を取得する必要があるため、そのフレームレートで規定される撮像周期で画像を取り込む。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る自動焦点調節制御方法及び電子カメラの好ましい実施の形態について詳説する。
【0015】
図1は本発明の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図である。このカメラ10は、静止画及び音声付き動画の記録・再生が可能なデジタルカメラである。
【0016】
カメラ10の撮影レンズ12は、固定レンズ14、変倍レンズ15A、補正レンズ15B及びフォーカスレンズ16から成る4群型インナーフォーカス式ズームレンズで構成されている。変倍レンズ15Aと補正レンズ15Bは、図示せぬカム機構によって両者の位置関係が規制されながら光軸に沿って移動し、焦点距離を変更する。なお、説明の便宜上、変倍レンズ15Aと補正レンズ15Bから成る変倍光学系を「ズームレンズ15」と呼ぶことにする。フォーカスレンズ16は、撮影レンズ12を構成するレンズ光学系のうちフォーカス調整に寄与する移動レンズである。
【0017】
撮影レンズ12を通過した光は、絞り18により光量が調節された後、CCD固体撮像素子(以下、CCDという。)20に入射する。CCD20の受光面に入射した被写体の光学像は、CCD20によって光電変換される。CCD20の受光面は多数のフォトダイオードが2次元的に配列され、ハニカム配列、ベイヤー配列その他の所定のカラーフィルター配列構造を備えている。また、CCD20は、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。なお、CCD20に代えてCMOSイメージセンサその他の撮像素子を用いてもよい。
【0018】
CCD20の各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CCDドライバ22から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。CCD20から出力された画像信号はアナログ処理部24に送られる。アナログ処理部24は、サンプリングホールド回路、色分離回路、ゲイン調整回路等の信号処理回路を含み、このアナログ処理部24において、相関二重サンプリング(CDS)処理並びにR,G,Bの各色信号に色分離処理され、各色信号の信号レベルの調整(プリホワイトバランス処理)が行われる。
【0019】
アナログ処理部24から出力された信号は、A/D変換器25によりデジタル信号に変換された後、メモリ26に格納される。タイミングジェネレータ(TG)28は、CPU30の指令に従ってCCDドライバ22、アナログ処理部24及びA/D変換器25に対してタイミング信号を与えており、このタイミング信号によって各回路の同期がとられている。
【0020】
メモリ26に格納されたデータは、バス32を介して信号処理部34に送られる。信号処理部34は、同時化回路、輝度・色差信号生成回路、ガンマ補正回路、シャープネス補正回路、コントラスト補正回路、ホワイトバランス補正回路等を含む画像処理手段であり、CPU30からのコマンドに従って画像信号を処理する。
【0021】
信号処理部34に入力された画像データは、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr,Cb 信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、メモリ26に格納される。
【0022】
撮影時にメモリ26に格納されたYC信号は、圧縮伸張回路36によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、カードインターフェース部38を介してメモリカード40に記録される。例えば、静止画についてはJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式、動画についてはモーションJPEG形式で記録される。圧縮形式はこれらに限定されず、MPEG(Moving Picture Experts Group)その他の方式を採用してもよい。
【0023】
画像データを保存する手段は、メモリカード40に代表される半導体メモリに限らず、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど種々の記録媒体を用いることができる。また、記録媒体は、カメラ本体に着脱可能なリムーバブルメディアに限らず、カメラ10に内蔵された記録媒体(内部メモリ)であってもよい。
【0024】
撮像中の映像をモニタ出力する場合、メモリ26に格納された画像データは表示回路42へ送られる。表示回路42は、入力された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して液晶モニタ(LCD)44に出力する。CCD20から出力される画像信号によってメモリ26内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が液晶モニタ44に供給されることにより、撮像中の映像がリアルタイムに動画として表示される。撮影者は液晶モニタ44に表示される動画映像(スルームービー)によって撮影画角を確認できる。
【0025】
液晶モニタ44には、撮像中の映像のみならず、メモリカード40に記録した画像の再生映像、現在設定されているモードの情報、画像の圧縮率の情報、日時情報、コマ番号、再利用可能回数なども表示可能である。また、液晶モニタ44は、利用者が各種の設定操作等を行う際のユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じて設定項目などのメニュー情報も表示される。なお、カメラ10に搭載される表示手段は液晶モニタ44に限定されず、有機ELその他の画像表示装置を適用することが可能である。
【0026】
CPU30は、所定のプログラムに従って本カメラシステムを統括制御する制御手段として機能するとともに、各種の演算を実施する演算手段として機能する。すなわち、CPU30は、操作部50からの指示信号に基づいてカメラ10内の各回路の動作を制御し、AE(自動露出調節)/AF/AWB(オートホワイトバランス)制御、レンズ駆動制御、撮影動作制御、画像処理制御、メモリカード40の読み書き制御、液晶モニタ44の表示制御などを行う。
【0027】
CPU30に接続されているROM60には、CPU30が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されており、RAM61はCPU30の作業用領域として利用される。EEPROM62にはAE、AF及びAWB等の制御に必要なデータやユーザが設定したカスタマイズ情報などが格納されており、CPU30は必要に応じてこれらデータを活用する。なお、不揮発性記憶手段であるROM60は書き換え不能なものであってもよいし、EEPROMのように書き換え可能なものでもよい。
【0028】
操作部50は、カメラ10に対してユーザが各種の指示を入力するための手段である。操作部50には、主電源のON/OFFを行う電源スイッチ51、撮影開始の指示を入力する撮影スイッチ52、動作モードを選択するためモード選択スイッチ53、ズーム操作を行うズームスイッチ54、その他、メニュー画面の表示を指示するメニューボタン、メニュー項目の選択操作(カーソル移動操作)や再生画像のコマ送り/コマ戻し等の指示を入力する十字ボタン、選択項目の確定(登録)や動作の実行を指示するOKボタン、選択項目など所望の対象の消去や指示内容の取消し、或いは1つ前の画面に戻るときに使用するBACKボタンなど各種の操作手段が含まれる。なお、十字ボタンの上下キーをズームスイッチ54として兼用する態様も可能である。
【0029】
電源スイッチ51がON操作されると、CPU30はこれを検出し、図示せぬ電源回路に対して起動指令の信号を与え、電源回路を起動させる。カメラ10に装填されている電池(不図示)から供給される電力は、電源回路のDC/DCコンバータによって所要の電圧に変換された後、カメラ10内の各回路ブロックに供給される。
【0030】
撮影スイッチ52は、半押し時にONするS1 スイッチと、全押し時にONするS2 スイッチとを有する二段式のスイッチで構成されており、静止画記録時のレリーズボタンとして使用されるとともに、動画記録時の録画ボタン(スタート/ストップボタン)として使用される。
【0031】
モード選択スイッチ53は、静止画撮影を行う「静止画モード」、動画撮影を行う「動画モード」、記録済みの画像を再生する「再生モード」の何れか1つのモードを選択的に設定できる手段である。
【0032】
撮影モード(静止画モード又は動画モード)において、撮影者がズームスイッチ54を操作すると、その指示信号がCPU30に入力される。CPU30はズームスイッチ54からの信号に基づいてズーム駆動部64を制御してズームレンズ15をテレ(TELE)方向又はワイド(WIDE)方向に移動させる。ズーム駆動部64は図示せぬモータ(ズームモータ)を含む電動駆動手段であり、該モータの駆動力によってズームレンズ15が駆動される。ズームレンズ15の位置(ズーム位置)は、ズーム位置センサ65によって検出され、該センサ65の検出信号はCPU30に入力される。
【0033】
同様に、フォーカス駆動部66は図示せぬモータ(AFモータ)を含む電動駆動手段であり、該モータの駆動力によってフォーカスレンズ16が光軸に沿って前後動する。フォーカスレンズ16の位置(フォーカス位置)は、フォーカス位置センサ67によって検出され、該センサ67の検出信号はCPU30に入力される。
【0034】
モード選択スイッチ53によって静止画モードが選択され、撮影スイッチ52が押下されると、撮影開始指示(レリーズON)信号が発せられる。CPU30は、レリーズON信号を検知して記録用の撮影動作を実行する。
【0035】
また、モード選択スイッチ53によって動画モードが選択されると、音声付き動画の記録が可能となる。撮影スイッチ52の押下(S2 =ON)によって録画動作がスタートし、もう一度撮影スイッチ52を押下(S1 =ON)すると録画動作が停止する。なお、撮影スイッチ52を押下継続している期間、録画動作を行い、押下解除により録画を停止するようにしてもよい。
【0036】
動画撮影時の音声は、マイク70によって検出され、その検出信号(音声信号)は、アンプ71を介して増幅された後、A/D変換器72によってデジタル信号に変換され、メモリ26を介して音声処理部74に送られる。音声処理部74は入力された音声データを所定の信号形式に変換する。こうして生成された音声データは、メモリ26に記憶され、画像データとともに圧縮伸張回路36で圧縮された後、メモリカード40に記録される。
【0037】
一方、モード選択スイッチ53によって再生モードが選択されると、メモリカード40に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録されたファイル)が読み出される。最後の記録に係るファイルが静止画ファイルの場合、この読み出された画像ファイルの圧縮データは、圧縮伸張回路36を介して非圧縮のYC信号に伸張され、表示回路42を介して液晶モニタ44に出力される。これにより、当該ファイルの画像内容が液晶モニタ44に表示される。
【0038】
再生対象ファイルが動画ファイルの場合には、動画の先頭フレームが代表画像として表示され、動画再生開始の指示を受け付ける画面になる。動画の先頭フレームが表示されている状態で操作部50から所定の操作を行い、動画再生を開始させると、動画ファイルの再生処理がスタートし、液晶モニタ44に動画が表示されるとともに、音声データが音声処理部74において再生処理され、D/A変換器76、アンプ77を介してスピーカ78に出力される。こうして、動画と同時に記録した音声も再生される。
【0039】
静止画の一コマ再生中(動画の先頭フレーム再生中も含む。)に、十字ボタンの右キー又は左キーを操作することによって、再生対象のファイルを切り換えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。コマ送りされたコマ位置の画像ファイルがメモリカード40から読み出され、上記と同様にして静止画像や動画が液晶モニタ44に再生される。
【0040】
オート演算部80は、AE、AF及びAWB制御に必要な演算を行う手段であり、AE演算部82、AF演算部84、AWB演算部86から構成される。AE演算部82は、1画面を複数のエリア(例えば、8×8)に分割し、分割エリアごとにRGB信号を積算する回路を含み、その積算値をCPU30に提供する。CPU30は、AE演算部82から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。求めた露出値と所定のプログラム線図に従い、絞り値とシャッタースピードが決定される。そして、図示せぬアイリスモータを含む絞り駆動部及びCCD20の電子シャッターを制御して最適な露光量を得る。
【0041】
AWB演算部86は、上述したAE演算部82と類似の構成であり、入力されたRGBの各色信号を積算する。AWB演算部86は、1画面を複数のエリア(例えば、8×8)に分割し、各エリアごとにRGB信号の色別の平均積算値を算出する回路を含み、その算出結果はCPU30に提供される。
【0042】
CPU30は、Rの積算値、Bの積算値、Gの積算値を得て、R/G、B/Gの比を求め、これらR/G、B/Gの値と、AE演算による撮影EV値の情報に基づいてシーン判別(光源種の判別)を行い、シーンに適した所定のホワイトバランス調整値に従って、各比の値がおよそ1(つまり、1画面においてRGBの積算比率がR:G:B≒1:1:1)になるように、信号処理部34内のホワイトバランス調整回路のアンプゲインを制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。なお、シーン判別においては、R/G、B/Gの値を利用するのに代えて、R−Y、B−Yなど色温度情報を用いてもよい。
【0043】
本カメラ10におけるAF制御は、例えば画像信号のG信号の高周波成分が極大になるように撮影レンズ12を移動させるコントラストAFが適用される。図2にAF演算部84の処理フローを示す。
【0044】
すなわち、AF演算部84は、図2に示すように、ハイパスフィルタ90、絶対値化処理部92、AFエリア抽出部94及び積算部96を備えている。ハイパスフィルタ90は、A/D変換器25によってデジタル化された画像信号のうちG信号の高周波成分のみを通過させる。絶対値化処理部92は、ハイパスフィルタ90からの出力信号の絶対値をとる。AFエリア抽出部94は、図3のように、撮影画面100内(例えば、画面中央部)に設定されているフォーカス対象エリア(以下、AFエリアという。)102内の信号を切り出す処理を行う。図2の積算部96は、AFエリア102内の絶対値データを積算し、得られた積算値(焦点評価値に相当)を図1に示したCPU30に提供する。なお、焦点評価値の演算はG信号を利用する態様に限定されず、輝度信号(Y信号)など、他の画像信号を利用してもよい。
【0045】
静止画撮影時において、CPU30は、AFモータを含むフォーカス駆動部66を制御してフォーカスレンズ16を移動させながら、複数のAF検出ポイントでAF演算を行い、各AF検出ポイントで算出された焦点評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、求めた合焦位置にフォーカスレンズ16を移動させるようにフォーカス駆動部66を制御する。
【0046】
動画撮影中には、いわゆる「山登り方式」の連続的なAF処理(コンティニアスAF)を行う。すなわち、フォーカスレンズ16を光軸に沿って前後に微小移動させて、焦点評価値の増減方向をチェックしながら、評価値の極大点まで、徐々にフォーカスレンズ16を移動させる。
【0047】
次に、上記の如く構成されたカメラ10のAF制御方法について説明する。
【0048】
図4は、カメラ10の制御手順を示すフローチャートである。撮影モードでカメラ電源をONしたとき、又は再生モードから撮影モードに切り換えると、図4の制御フローがスタートする。CPU30はまず、カメラ10のモードを判定する(ステップS210)。カメラ10が静止画モードに設定されている場合には、ステップS212へ進み、CCD20の駆動モードを1/30秒に設定する。
【0049】
これはCCD20の駆動周期(撮像周期)を設定する処理であり、ここでは液晶モニタ44にスルームービーを表示するのに適した駆動モードに設定される。本例のカメラ10は液晶モニタ44においてNTSC方式のビデオ信号を利用しており、フレームレートが30フレーム/秒に設定されている(2フィールドで1フレームを構成するため1フィールド=1/60秒)。当該カメラ10の場合、同じ画像を2フィールド表示させる方式を採用しているため1/30秒ごとに画像内容が更新される。この周期で1画面の画像データを更新するために、CCD20の垂直駆動(VD)パルスの周期が1/30秒に設定される。CPU30はタイミングジェネレータ28に対してCCD駆動モードの制御信号を与え、タイミングジェネレータ28によってCCD駆動用の信号が生成される。
【0050】
次に、CPU30は、フォーカスレンズ16を所定のパンフォーカス位置に移動させる処理を行い(ステップS214)、スルームービーの表示を開始する(ステップS216)。スルームービーの表示中、CPU30は撮影スイッチ52のS1 がONしたか否かの判定を行う(ステップS218)。撮影スイッチ52が押されていなければ、ステップS218の処理がループし、スルームービー表示状態が維持される。なお、このスルームービー表示中、AF処理は実施されず、フォーカスレンズ16はパンフォーカス位置で停止している。
【0051】
その後、撮影者によって撮影スイッチ52が押され、撮影準備の指示が入力されると(CPU30がS1 =ONを検出すると)、CPU30は、CCD駆動モードを1/60秒に変更する(ステップS220)。これにより、CCD20からの画像取り込み周期が短くなり、高速にAF処理を実施することができる。ここで設定されるCCD駆動周期は、1/60秒に限らず、1/120秒など適宜の値に設定可能である。
【0052】
その後、静止画用のAF処理(以下、静止画AF処理という。)を実施する(ステップS222)。
【0053】
図5に静止画AF処理のフローチャートを示す。静止画AF処理がスタートすると、まず、CPU30は、撮影画面の一部(例えば、画面中央部の一定領域)をAFエリア102として設定する(ステップS310)。次に、撮影レンズ12の焦点距離の現在値を取得する(ステップS312)。撮影レンズ12の焦点距離が長くなるにつれて被写界深度が浅くなり、無限遠から至近までのレンズ駆動量(焦点調節領域)が大きくなる。CPU30は、撮影レンズ12の焦点距離に対応して、焦点評価値を算出すべきレンズ位置(サーチポイント)の間隔(AFステップ幅)とフォーカス段数(検出ポイント数)を設定する。
【0054】
フォーカス段数は、焦点距離に対応した焦点調節領域をAFステップ幅で等分割してもよいし、近距離(至近限界)側のAFステップ幅を無限遠側よりも短くして(近距離側でのサーチポイントを多くして)、焦点精度を高めるように設定してもよい。
【0055】
次に、フォーカスレンズ16をAFサーチの初期位置(例えば、無限遠位置)に移動させるとともに(ステップS314)、続くステップS316において、CPU30のレジスタnに初期値「0」をセットする。次いで、現在のレンズ位置(焦点位置)における焦点評価値を算出し(ステップS318)、求めた焦点評価値をCPU30に入力する。CPU30は、このフォーカス段における評価値を記憶する。
【0056】
次に、CPU30は中断判定処理を行う(ステップS320)。CPU30は、各フォーカス段で算出される焦点評価値が連続して何回減少したかを判定する機能を有し、その連続減少回数が所定の中断判定値Cを超え、かつ所定以上のコントラストが検出された場合に、焦点評価値の最大がすでに検出されたと判定してAFサーチ(焦点評価値の取得処理)を中断する。
【0057】
中断判定値Cは、撮影レンズ12の焦点距離に応じて予め設定されており、長焦点側に近づくにつれて中断判定値は大きい値に設定される。中断判定値CのテーブルデータはEEPROM62に格納されており、CPU30はこのテーブルを参照して中断判定を行う。
【0058】
図6に中断判定処理のフローチャートを示す。中断判定処理がスタートすると、まず、レジスタCに現在の焦点距離[ZOOMPOS] に対応する中断判定値 C_TABLE がセットされる(ステップS410)。次いで、1つ前のフォーカス段における焦点評価値と現在の焦点評価値を比較して、焦点評価値が減少したか否かが判定される(ステップS412)。焦点評価値が増加傾向にある場合には、ステップS420にてAFサーチの継続が決定され、図5に示したステップS322に進む。
【0059】
その一方、図6のステップS412において、焦点評価値が減少している場合には、レジスタnの値に1が加算され(ステップS414)、続くステップS416では、そのレジスタnの値がレジスタCの値(中断判定値)を終えているか否かが判断される。
【0060】
レジスタnの値がレジスタCの値を超えていない場合には、ステップS420にてAFサーチの継続が決定される。一方、ステップS416において、レジスタnの値がレジスタCの値を超えている場合には、ステップS418に進む。
【0061】
ステップS418では、算出された焦点評価値の最大値(AFmax )と最小値(AFmin )との差が所定の値Kよりも大きいか否かが判定される。ここで、焦点評価値の最大値(AFmax )と最小値(AFmin )の差が判定値Kよりも大きい場合には、所定のコントラストがあることを示しているので、ステップS430にてAFサーチ中断が決定される。また、ステップS418において、焦点評価値の差が判定値K以下の場合には、ステップS420にてAFサーチの継続が決定される。
【0062】
ステップS420又はステップS430にて中断又は継続が決定されたら、図5のフローチャートに戻ってステップS322に進む。
【0063】
図5のステップS322では、中断判定の決定結果に応じてAF処理を継続するか否かを制御する。「継続」の場合には、ステップS324に進み、フォーカスレンズ16がサーチポイントの最終段の位置に到達したか否かが判定される。フォーカス段の最終位置に到達していない場合には(ステップS324においてNO判定)、ステップS326に進み、現在のフォーカス段からサーチステップの1ステップ分だけフォーカスレンズ16を移動し、ステップS318に戻る。こうして、次のサーチポイントへ移動され、フォーカス位置の異なるフレーム画像データから焦点評価値が算出される。焦点調節領域内の各ポイントについてステップS318〜S326の処理が繰り返され、各ポイントの焦点評価値が順次取得される。
【0064】
ステップS324でフォーカスレンズ16が最終段の位置に到達した場合、又はステップS322において「中断」の判定を得た場合には、ステップS330に移行し、各ポイントで得た焦点評価値の結果から、最大の評価値が得られる位置(合焦位置)を決定して(ステップS330)、AF処理を終了する。
【0065】
図7には、静止画AF処理によって得られた焦点評価値の例が示されている。同図によれば、AFサーチの初期位置である無限遠位置で得られた焦点評価値(符号500)がフォーカスレンズ16の移動に伴って上昇し、その最大値(符号502)を過ぎても更にフォーカスレンズ16が移動する。そして、焦点評価値の減少回数が中断判定値を超えると、それまでに得られている焦点評価値の最大値(符号502)と最小値(符号500)との差を設定値Kと比較して、設定値Kよりも大きい場合に中断が決定される。その後、焦点評価値の最大値が得られたフォーカス段の位置(符号506)にフォーカスレンズ16が移動される。
【0066】
図5〜図7で説明した静止画AF処理を終了したら、図4のステップS224に進む。ステップS224では静止画AF処理によって求めた合焦位置にフォーカスレンズ16が移動される。合焦状態が得られると、CPU30によって撮影スイッチ52の状態が確認され、その後、CPU30は撮影スイッチ52のS2 スイッチがONしたか否かの判定を行う(ステップS226)。S2 スイッチがOFFの場合は、更に、ステップS228へ進み、撮影スイッチ52のS1 が解除されたか否かを判定する。
【0067】
撮影スイッチ52が全押し操作(S2 =ON)される前に、撮影スイッチ52の押下が解除(S1 解除)された場合は、CCD駆動モードを1/30秒に切り換えて(ステップS230)、ステップS216に戻る。一方、ステップS228において、撮影スイッチ52の半押し状態が維持されている場合にはステップS226に戻り、指示の入力を待つ。
【0068】
ステップS226において、CPU30がS2 =ONの入力信号を検出すると、撮影動作が実行され、得られた画像(静止画)がメモリカード40に記録される(ステップS232)。画像記録が終了すると、ステップS212に戻り、次の撮影指示を受け付ける。
【0069】
また、ステップS210において、カメラ10が動画モードに設定されている場合には、ステップS240に進み、CCD20の駆動モードを1/60秒に設定する。そして、図5〜図6で説明した静止画AF処理を実施して(ステップS242)、フォーカスレンズ16を合焦位置に移動させる(ステップS244)。こうして、動画モード起動後に素早く合焦状態を達成した後、CCD駆動モードを1/30秒に切り換えて(ステップS246)、スルームービー表示を開始し(ステップS248)、動画記録可能な状態になる。スルームービー駆動中は、動画撮影用のAF処理(以下、動画AF処理という。)を実施しながら(ステップS250)、録画開始の指示信号の入力を待機する(ステップS252)。
【0070】
図8に動画AF処理のフローチャートを示す。動画AF処理がスタートすると、まず、CPU30は、撮影画面の一部(例えば、画面中央部の一定領域)をAFエリア102として設定する(ステップS610)。次いで、現在のレンズ位置(焦点位置)における焦点評価値を算出し(ステップS612)、求めた焦点評価値をCPU30に入力する。CPU30は、得られた焦点評価値をレンズ位置の情報とともに記憶する。
【0071】
次に、フォーカスレンズ16を所定方向(例えば、無限遠方向)に微小量移動して(ステップS614)、焦点評価値を算出する(ステップS616)。ここでのレンズ移動量は、映像上の変化を視認できないほどに微小なものである。
【0072】
続いて、ステップS616で得られた焦点評価値と前回記憶した焦点評価値とを比較して焦点評価値が増加したか否かを判断する(ステップS618)。焦点評価値が増加している場合には、前回のレンズ移動と同じ方向にフォーカスレンズ16を移動し(ステップS620)、焦点評価値を算出する(ステップS622)。その一方、ステップS618において、焦点評価値が減少している場合は、前回のレンズ移動と逆方向(ここでは至近方向)にフォーカスレンズ16を移動して(ステップS621)、焦点評価値を算出する(ステップS622)。
【0073】
次に、焦点評価値が減少したか否かを判断する(ステップS624)。ステップS624において焦点評価値が増加していれば、ステップS620に戻り、前回のレンズ移動と同じ方向にレンズ移動を行い、焦点評価値を算出する(ステップS622)。
【0074】
焦点評価値の増加傾向が続く間は、直前のレンズ移動と同じ方向にレンズ移動を繰り返す(ステップS620〜ステップS624)。ステップS624において焦点評価値が減少に転じたら、合焦位置を行き過ぎたと判断して、フォーカスレンズ16の移動方向を反転させ、焦点評価値が最大を示した位置にフォーカスレンズ16を移動させる(ステップS626)。こうして合焦状態が達成される。
【0075】
図9には、動画AF処理の動作例が示されている。同図において▲1▼で示した初期位置でフォーカスレンズ16を無限遠側又は至近側の何れかに微小移動させる。焦点評価値が増加すれば、その移動方向にレンズ移動を続け、逆に、焦点評価値が減少すれば、移動方向を反転させる。焦点評価値が増加する方向にフォーカスレンズ16を移動し続け(図9中▲2▼)、焦点評価値が減少に転じたら(図9中▲3▼)、移動方向を反転させて(図9中▲4▼)、最大評価値対応位置(合焦位置)にフォーカスレンズ16を移動する(図9中▲5▼)。
【0076】
上述した動画AF処理をスルームービー表示中に定期的に繰り返すことによって常に被写体に合焦させておくことが可能になる。
【0077】
図4に示したステップS252において、CPU30が録画開始の指示信号の入力を検出すると、動画記録処理が開始される(ステップS254)。録画中においても、図8〜図9で説明した動画AF処理が行われ(ステップS256)、常に合焦状態が確保される。
【0078】
CPU30は録画停止の指示信号の入力を監視し(ステップS258)、停止指示が入力されるまで録画を続ける(ステップS254〜S258)。ステップS258において録画停止の指示を検出すると、録画処理を停止する(ステップS260)。その後は、ステップS248に戻り、スルームービーの表示を再開して、次の録画指示を受け付ける。
【0079】
上述した実施形態によれば、動画モード立ち上げ時に、まず静止画AF処理を実施して合焦状態を達成してから動画の記録動作を可能にし、その後はいわゆる山登り方式の動画AF処理を繰り返して常に焦点調節動作を行うように制御するため、起動後短時間で動画を記録することが可能になる。
【0080】
静止画AF処理は1/60秒のCCD駆動モードで画像を取り込みながら、焦点評価値が極大となるレンズ位置を探すAFサーチを行い、AFサーチ動作後にフォーカスレンズ16を合焦位置まで一気に移動させる方式であるため、合焦までの時間が比較的速いという特徴がある。これに対して、動画AF処理は、静止画AF処理時よりも長い撮像周期のCCD駆動モード(1/30秒)で画像を取り込みながら、フォーカスレンズ16を前後に微小移動させ、評価値の増減を比較して移動方向を判定しつつフォーカスレンズ16を合焦位置に追い込む方式であるため、常にピントの合った映像を得ることができる反面、静止画AF処理に比べて合焦までの時間が比較的遅い。
【0081】
本実施形態においては、これら2種類のAF処理方式を組み合わせたことによって、動画モード立ち上げ時における合焦時間の短縮化を達成している。
【0082】
本発明の実施に際して、静止画AF処理及び動画AF処理の内容は図5〜図9で説明した例に限定されない。例えば、静止画AF処理において、最初にフォーカス送り量を大きくしたAFステップ幅で焦点評価値を取得する「ラフサーチ」を行い、ラフサーチによっておよその合焦位置を検出したらその近傍領域について更にフォーカス送り量を小さくしたAFステップ幅で焦点評価値を取得する「詳細サーチ」を行うという2段階のAF処理を適用してもよい。
【0083】
また、上記実施の形態では、動画撮影可能なデジタルカメラを例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、ビデオカメラやDVDカムなど、動画撮影可能な様々な電子撮像装置について本発明を適用できる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、動画撮影モードで電子カメラを使用し始めるときに、まず、静止画撮影用のAF処理によって素早く合焦状態を達成して記録動作を可能とし、その後、動画撮影中は動画撮影用のAF処理に切り換えて連続的なAF処理を行うようにしたので、動画撮影モード立ち上げ直後の合焦時間を従来よりも短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図
【図2】図1に示したAF演算部の処理フローを示すブロック図
【図3】撮影画面内に設定されたAFエリアの例を示す図
【図4】本実施形態に係るカメラの制御手順を示すフローチャート
【図5】静止画AF処理の内容を示すフローチャート
【図6】中断判定処理の内容を示すフローチャート
【図7】静止画AF処理によって得られた焦点評価値の例を示す図
【図8】動画AF処理の内容を示すフローチャート
【図9】動画AF処理の動作を説明するために用いた図
【符号の説明】
10…カメラ、12…撮影レンズ、16…フォーカスレンズ、20…CCD、22…CCDドライバ、28…タイミングジェネレータ、30…CPU、66…フォーカス駆動部、67…フォーカス位置センサ、80…オート演算部、84…AF演算部、102…AFエリア
Claims (3)
- 動画撮影機能と静止画撮影機能とを兼備した電子カメラにおける自動焦点調節制御方法であって、
動画撮影モードで前記電子カメラを使用し始めるときに、まず、静止画撮影用の自動焦点調節処理を実施してレンズを合焦位置に移動し、その後、動画撮影用の自動焦点調節処理に移行して連続的に焦点調節動作を実施することを特徴とする自動焦点調節制御方法。 - レンズを通して入射する被写体の光学像を画像信号に変換する撮像手段と、前記撮像手段を介して撮像した動画を記録媒体に記録する動画記録手段と、を備えた電子カメラにおいて、
動画撮影の前に前記レンズを移動させながら、各レンズ位置で前記撮像手段から得られる画像信号の高周波成分を用いて焦点評価値を算出し、複数のレンズ位置で取得された焦点評価値のデータから焦点評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定し、その決定した合焦位置に前記レンズを移動して合焦状態を得る第1の自動焦点調節手段と、
動画撮影中に前記レンズを動かしながら撮像を行い、前記撮像手段から得られる画像信号の高周波成分を用いて焦点評価値を算出し、焦点評価値が増加する場合は、同方向のレンズ移動を継続する一方、焦点評価値が減少する場合は逆方向に前記レンズを移動させるという動作を繰り返すことによって前記焦点評価値が極大となるレンズ位置にフォーカスレンズを追い込んで行く第2の自動焦点調節手段と、
当該電子カメラによって動画撮影を開始する際に、まず、前記第1の自動焦点調節手段による自動焦点調節処理を実施して前記レンズを合焦位置に移動し、その後、前記第2の自動焦点調節手段による自動焦点調節処理に移行して連続的に自動焦点調節動作を実施する制御を行う制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。 - 前記第1の自動焦点調節手段によるAF処理を行うときには、前記撮像手段の撮像周期が相対的に短い第1の周期に設定され、前記第2の自動焦点調節手段によるAF処理を行うときには前記撮像周期が前記第1の周期よりも相対的に長い第2の周期に設定されるように前記撮像手段の駆動モードを前記制御手段によって制御することを特徴とする請求項2記載の電子カメラ。
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