JP2004047558A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Hideshi Tono
東野 秀史
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Abstract

【課題】基板の大型化に伴い排気系の大容量化を図る場合に、真空容器内のガスの流れを均一化して均一なプラズマ処理を可能にし、装置の小型化、単純化と共にコスト低減を可能にする。
【解決手段】真空容器(10)内に反応ガスを供給するガス供給系と、真空容器(10)内にプラズマを発生させるプラズマ発生系と、真空容器(10)内を排気する真空排気系とを備え、真空容器(10)内に置いた被処理物(16)をプラズマ処理するプラズマ処理装置において、真空排気系は真空容器(10)に並列に接続された複数の小型ターボ分子ポンプ(50)を有する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、半導体製造過程でプラズマエッチングやプラズマCVDなどのプラズマ処理を行うために用いるプラズマ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体の製造過程において、プラズマを用いたドライエッチングやアッシング、CVD(Chemical Vapor Deposition)、などの処理を行う装置が用いられている。
【0003】
ここにドライエッチングは、エッチングガスを放電分解してプラズマ状態にし、発生したラジカルやイオンによりエッチングするものである。アッシング(灰化)は基板表面に残るレジストを、プラズマのラジカルやイオンとの反応によって気体にし、排気系によって排気することにより除去するものである。CVDは化学気相成長法とも呼ばれ、形成しようとする薄膜材料を構成する元素からなる化合物のガスを放電により分解し、化学的に反応させることによって、薄膜を形成する方法である。
【0004】
これらの種々の処理では、真空容器内に一定のガスの流れを生成して、安定した雰囲気の下で処理を進行させることが重要である。
【0005】
一方近年技術の進歩により、基板サイズが大きくなり、加工の微細化も進んでいる。このため大型の真空容器内に、大量のガスを流しながら十分低いガス圧の中でプラズマを高い均一性をもって形成することが必要になる。このため排気系に用いるターボ分子ポンプも大型化することになる。
【0006】
通常縦置き円筒型の真空容器を用いる装置では、その底壁中央に基板を置き、この基板の下方に1つの排気口を設けている。すなわち被加工物の真下から排気するものである。このように真空容器の底壁中央から排気することは、真空容器内のガスの流れを均一化するのに適すると考えられるからである。この場合ターボ分子ポンプは、この排気口に直接接続していた。すなわち真空容器の中央真下に取付けていた。
【0007】
しかしターボ分子ポンプが大型化すると、このポンプを真空容器の中央真下に設けることが不可能になった。そこで図2に示すように真空容器の側壁に接続した排気室に大型のターボ分子ポンプを取付けることが考えられた。
【0008】
図2は従来考えられている排気副室付きの大型のプラズマエッチング装置の概念図である。この装置は反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching: RIE)技術を用いるものである。この図2において符号10は真空容器であり、縦置きの円筒型である。この真空容器10はステンレスなどの金属で作られ、その水平な上壁は接地された陽極となっている。
【0009】
真空容器10の円形の底面には、その垂直な中心軸と同心位置に、絶縁材12を介して円形の保持台14が水平に取付けられている。この保持台14の上面には被処理物である基板16が水平に保持されている。この基板16は、例えばシリコンウェハである。基板16には、保持台14を介して工業用周波数として割り当てられている13.6MHz(rf: radio frequency)の高周波電力が印加される。この場合基板16はグロー放電中は負にバイアスされるので陰極となる。
【0010】
18は高周波電源、18Aはブロッキングコンデンサであり、これらは陽極となる真空容器10や陰極となる保持台14などと共にプラズマ発生系を形成する。
【0011】
真空容器10の筒状の側壁下部には、排気用副室20が接続されている。22は大型のターボ分子ポンプであり、この排気用副室20の底壁に取付けられている。24はドライポンプであり、ターボ分子ポンプ22の大気側に接続されている。これらによって真空排気系が形成される。
【0012】
ここに、ターボ分子ポンプ22は、円板周辺部に小翼を回転面に対して傾けて配置したものを動翼とし、これを逆の傾きをもたせた小翼をもつ固定円盤を静翼として、動翼と静翼を交互に多段に重ねた構造のものである。動翼を高速回転させることにより気体分子の通過確率に差を生じさせて気体を排気するものである。ドライポンプ24は油を用いないポンプであって、スパッタイオンポンプやソープションポンプなどを用いる。ドライポンプ24に代えて、油の逆流を防ぐ対策を十分に施した油回転ポンプを用いてもよい。
【0013】
この真空容器10には、ガス供給系(図示せず)から一定流量に制御された反応ガスがガス供給口26を通して供給される。このガスの供給と同時に、排気系のポンプ22、24により排気を行い、真空容器10内を一定の低圧に保つ。この状態で高周波電源18によりガスを放電させ、プラズマ状態にして基板16の表面処理を行うものである。図2で28はプラズマ状態のガスを示す。
【0014】
なおガスの流れを均一化するために、真空容器10内には保持台14の外周を囲むように整流板(バッフル)30が取付けられる。この整流板30はガスの流れに適度な抵抗を与えて基板16の周辺でのガスの流れ易さ(コンダクタンス)を均一化するものであり、200L/sec(1秒間に200リットル)程度のガスの流れを許容する。ここにターボ分子ポンプ22は、直径30cm(12インチ)の基板(ウェハ)16をドライエッチング(またはアッシング)する場合には、2000L/sec(1秒間に2000リットルの排気能力)程度の能力のものを用いている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来は排気用副室20を通して真空容器10の側面から排気していたため、真空容器10内のガスの流れに偏りが発生し、不均一な圧力分布が発生することが避けられない。このため真空容器10内におけるプラズマ28の生成が空間的に不均一になったり、基板16とガスとの化学的反応が不均一になり、結果的に基板16の全面を均一に処理することができなくなる。
【0016】
このようなガスの流れに偏りが発生するのを防ぐため、図2に示すように整流板(バッフル)30を設け、ガスの流れ易さ(コンダクタンス)を制御することにより、流れを均一化しているのは前記した通りである。
【0017】
しかしこのようにコンダクタンスを制御することは、ガスの流れを絞ることになるから、排気系の実効排気速度が低下することになる。このためターボ分子ポンプ22の排気速度をさらに大きくする必要が生じてしまい、悪循環となる。
【0018】
前記のように、整流板30が200L/secのガス流動を許容するものとした場合には、ターボ分子ポンプ22にはこの整流板30に比べて十分大きな排気能力のものを用いる必要が生じ、前記したように約2000L/secのポンプ22が必要になるのが実情である。このため装置の大型化、複雑化を招き、コスト増を招くことにもなる。特に大型のターボ分子ポンプは回転円盤径が大きくなるために、著しく高価になる。
【0019】
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、基板の大型化に伴い排気系の大容量化を図る場合に、真空容器内のガスの流れを均一化して均一なプラズマ処理を可能にし、装置の小型化、単純化と共にコスト低減を可能にするプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0020】
【発明の構成】
この発明によればこの目的は、真空容器内に反応ガスを供給するガス供給系と、前記真空容器内にプラズマを発生させるプラズマ発生系と、前記真空容器内を排気する真空排気系とを備え、前記真空容器内に置いた被処理物をプラズマ処理するプラズマ処理装置において、前記真空排気系は前記真空容器に並列に接続された複数の小型ターボ分子ポンプを有することを特徴とするプラズマ処理装置、により達成される。
【0021】
複数の小型ターボ分子ポンプの大気側にはドライポンプを接続するが、このドライポンプは1つであってもよい。複数のターボ分子ポンプは、被処理物の周囲に等間隔に設けた複数の排気口にそれぞれ接続して、被処理物の周囲から均等に排気することができる。例えば真空容器を縦置き円筒型として、その垂直な中心軸上に置いた被処理物を囲むように真空容器の底面に排気口を開口させる。
【0022】
ターボ分子ポンプは例えば4個設け、ドライポンプは1個とする。この装置は反応性イオンエッチング(RIE)装置とすることができる。少なくとも一部のターボ分子ポンプには、排気速度を制御するためのバルブをそれぞれ別々に設ければ、このバルブを制御することによってガスの流れを積極的に調整することが可能となり、均一性を一層向上させることができる。
【0023】
【実施態様】
図1は本発明の一実施態様である大型の反応性イオンエッチング(RIE)装置の概念図である。このRIE技術はSiO2のSiに対する高選択比エッチング、およびAl系のエッチングなどが可能であり、またアンダーカットの少ない異方性エッチングが可能であるため、Siの集積回路の製造に広く用いられているものである。
【0024】
この図1においては、図2と同一部分に同一符号を付したので、その説明は繰り返さない。図2に示した従来の装置と比べて最大の相違点は、4台の小型ターボ分子ポンプ50(50A、50B、図1では2台だけが示されている)を用いる点である。すなわち真空容器10の底面に、基板16の保持台14を囲んで周方向に等間隔に設けた4つの排気口52(52A、52B、2つだけを図示する)の下に、それぞれのターボ分子ポンプ50A、50Bが取付けられている。
【0025】
ここに用いる1つの小型のターボ分子ポンプ50の排気能力は、約60L/sec(60リットル/秒)とする。4台のターボ分子ポンプ50を用いるので、全体としての排気能力は60×4=240L/secになる。この発明によれば前記図2に示した従来装置のような整流板30を用いないので、ガスのコンダクタンスの減少が少ない。すなわちガスの流れ抵抗が増大しない。このため小型のポンプ50の合計排気能力が240L/secとなっても不都合が生じないものである。
【0026】
なお少なくとも一部のポンプ50には、排気速度を制御するためのバルブ(コンダクタンスバルブ)54を設けるのがよい。このバルブ54により、真空容器10におけるガスの流れの偏りを修正して、流れを一層高精度に均一化することができる。
【0027】
この実施態様はRIEを用いた装置に適用したものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、真空容器内に定常的なガス流を生成させながらプラズマ処理する装置に対して適用でき、本発明はこのようなものを含む。例えばECR(Electron Cyclotron Resonance; 電子サイクロトロン共鳴)、誘導結合プラズマ(ICP)、ヘリコン波などを用いる装置であってもよい。
【0028】
【発明の効果】
この発明によれば、排気系に複数台の小型ターボ分子ポンプを用いるので、整流板を用いることなく、ガスの流れを均一化して均一なプラズマ処理を可能にすることができる。また整流板を用いないのでガスのコンダクタンスが増大し、ポンプの合計排気能力を1台のポンプを用いる場合に比べて小さくすることができる。このため装置の小型化、単純化が図れる。さらにポンプは小型のもので足りるから装置のコストを下げることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す概念図
【図2】従来装置の概念図
【符号の説明】
10 真空容器
14 保持台
16 基板(シリコンウェハ、被処理物)
18 高周波電源
22 大型ターボ分子ポンプ
24 ドライポンプ
26 ガス供給口
28 プラズマ
50 小型ターボ分子ポンプ
52 排気口
54 バルブ(コンダクタンスバルブ)

Claims (7)

  1. 真空容器内に反応ガスを供給するガス供給系と、前記真空容器内にプラズマを発生させるプラズマ発生系と、前記真空容器内を排気する真空排気系とを備え、前記真空容器内に置いた被処理物をプラズマ処理するプラズマ処理装置において、
    前記真空排気系は前記真空容器に並列に接続された複数の小型ターボ分子ポンプを有することを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 複数の小型ターボ分子ポンプと大気側との間に介在するドライポンプを有する請求項1のプラズマ処理装置。
  3. 複数の小型ターボ分子ポンプは、真空容器内に置かれた被処理物の周囲に等間隔に設けた複数の排気口にそれぞれ接続されている請求項1または2のプラズマ処理装置。
  4. 真空容器は略縦置き円筒型であり、被処理物はこの真空容器の垂直な中心軸上に置かれ、複数の排気口は真空容器の底面に開口している請求項3のプラズマ処理装置。
  5. 小型ターボ分子ポンプは4個であり、ドライポンプは1個である請求項2〜4のいずれかのプラズマ処理装置。
  6. 陽極となる真空容器と陰極となる被処理物との間で反応ガスを放電によりプラズマ状態にする反応性イオンエッチング装置である請求項1〜5のいずれかのプラズマ処理装置。
  7. 少なくとも一部のターボ分子ポンプには、排気速度を制御するバルブを別々に設けた請求項1〜6のいずれかのプラズマ処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102005052356A1 (de) * 2005-09-30 2007-04-12 Osram Opto Semiconductors Gmbh Beleuchtungseinheit mit Lumineszenzdiodenchip und Lichtleiter, Verfahren zum Herstellen einer Beleuchtungseinheit und LCD-Display
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