JP2004046391A - 筆記具 - Google Patents
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Abstract
【課題】断続的な筆運びがあった場合でも、文字認識を確実に行うことができ、また、ホワイトボードのようにきっちりした板面は無論のこと、複数枚綴った紙を一枚ずつめくりながら使用するタイプのように板面にがたつきがあり一定の筆圧を得ることができないものでも、スイッチのONOFFに気が行って思考が中断されることのない筆記具を提供する。
【課題を解決するための手段】被書込対象物の書込面に手書入力による文字の書込みや書込んだ文字の電子データ化を行い得る筆記具であって、筆記中の振動を検知する振動検知手段と、この振動検知手段が筆記中の振動を検知した際に手書入力による入力軌跡情報の電子データ化を行う電子データ化処理手段へその入力軌跡情報を出力する入力軌跡情報出力手段とを具備するようにした。
【選択図】図4
【課題を解決するための手段】被書込対象物の書込面に手書入力による文字の書込みや書込んだ文字の電子データ化を行い得る筆記具であって、筆記中の振動を検知する振動検知手段と、この振動検知手段が筆記中の振動を検知した際に手書入力による入力軌跡情報の電子データ化を行う電子データ化処理手段へその入力軌跡情報を出力する入力軌跡情報出力手段とを具備するようにした。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手書き入力された内容の電子データ化を行う際に用いる筆記具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、思いついた発想を忘れないうちに文字等としてホワイトボードへ書き留めたり表現したりでき、さらにこれら書き込んだ文字の電子データ化を同時に行える電子ペンが、オフィスの会議やブレーンストーミング等において好適に用いられるようになってきている。このようなタイプの電子ペンとしては、一例として、筆圧がペン先に加わると、ペン先が押し込まれることによってスイッチが入り、ペン先の位置やペンの色を示す情報が超音波や赤外線を介して外部のデータ処理装置に出力され、このデータ処理装置でペンの軌跡等を電子データ化した文字等としてディスプレイに表示したり保存したりすることができるように構成されているものが知られている。
【0003】
また、上述のような構成の電子ペンの他に、書込面上の位置情報を示すパターンが示された被書込対象物に文字や線画等の手書入力データの手書入力を行った際にこの手書した手書入力データの入力軌跡情報をそのパターンに基づき読み取る入力軌跡読取手段を設けたタイプの電子ペンや、光を照射する照射部及びこの照射部で照射した照射光を紙等の書込面で反射させ反射された反射光を検出する光検出センサとを有し、これら照射光と反射光とで生じるドップラ効果を利用してペン先の位置を測定し、入力軌跡情報を得るタイプの電子ペンも知られているが、これら電子ペンも上述のものと同様にペン先が押し込まれることによってスイッチが入り、スイッチがONの時に得た入力軌跡情報やペン先の位置やペンの色を示す情報を外部のデータ処理装置に出力し電子データ化した文字等としてディスプレイに表示したり保存したりすることができるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこの種の電子ペンは、例えば、アルファベットを筆記体で書く場合のように、一旦書き始めるとスイッチが入った状態が続くタイプのものでは文字認識が成功し易いが、例えば、漢字、ひらがな、カナ等のように、一つの文字の筆記中にも、紙やホワイトボードの書込面にペン先を接触、非接触にする筆運びを断続的に繰り返す必要がある場合には、スイッチが入ったり切れたりする動作が不連続に生じるため、文字認識が成功し難いといった問題点があった。さらに、例えば「大」のような「はらい」を含む文字では、筆圧が抜けていく過程でスイッチがOFFになり、不完全な状態で認識が終了して文字が崩れる問題が発生していた。
【0005】
また、ホワイトボード等のように比較的硬質な板面であれば板面に対する筆圧を略一定に得ることができ好適な状態で使用できるが、例えば、複数枚綴った紙を一枚ずつめくりながら使用するタイプのものなど板面にがたつきが多いものでは一定の筆圧を得ることが困難であり、このため筆記中にがたつきが生じてスイッチがONであるかOFFであるかに気が散ってしまい、思考イメージをスムーズに紙上に表現する作業の阻害要因となってしまうなど、本来この種の筆記具が目的としているスムーズな表現を実現しているとは言えなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上述する問題を解決することを主たる課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、被書込対象物の書込面に手書入力による文字や線画等の手書入力データの書込みや書込んだ手書入力データの電子データ化を行い得る筆記具であって、筆記中の振動を検知する振動検知手段と、この振動検知手段が筆記中の振動を検知した際に手書入力による入力軌跡情報の電子データ化を行う電子データ化処理手段へその入力軌跡情報を出力する入力軌跡情報出力手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、筆記具と被書込面との間に生じる筆記中の振動に基づき文字認識を行うため、断続的な筆運びがあった場合でも文字認識を確実に行うことができる。また、ホワイトボードのように比較的硬質な板面は無論のこと、複数枚綴った紙を一枚ずつめくりながら使用するタイプのように板面にがたつきがあり一定の筆圧を得ることができないものでも、筆記中の振動で筆記中であることが検知されることにより文字認識が確実に行われるため、スイッチのONOFFに気が行って思考が中断するといった不具合を防止できる。
【0009】
なお、筆記中の振動を好適に検知するためには、先端部に前記書込面に接触する筆記のためのペン先を設け、前記振動検知手段を、このペン先に加わる振動を検知する圧電素子を利用して構成していることが望ましい。
【0010】
また、会話や雑音等の空気振動や該筆記具を支持する際に生じる手との接触による振動等の外乱から筆記中の振動を分離して文字認識を確実に行うようにするためには、前記振動検知手段で検知した振動の振幅レベルが所定値よりも大きな値を示した際に、前記入力軌跡情報出力手段が入力軌跡情報を前記電子データ化処理手段へ出力するように設定していることが好ましい。
【0011】
そして、様々な外乱から筆記中の振動を好適に分離し得るようにするためには、前記振幅レベルの所定値を任意の振幅レベルを示す基準信号レベルに設定する基準レベル設定手段を設け、基準信号レベルを適宜設定することにより様々な外乱から筆記中の振動を分離するようにすればよい。
【0012】
また、様々な外乱から筆記中の振動を好適に分離する他の方法としては、所定の周波数より高い周波数成分を通過させるハイパスフィルタを設け、前記振幅レベルが、このハイパスフィルタを通過するように構成したり、さらに、前記ハイパスフィルタを通過した振幅レベルを、所定時間に亘って平均化するようにするといった実施態様も考えられる。
【0013】
ところで、リアルタイムに筆記中の手書入力データの電子データ化を行い得るようにするためには、前記振動検知手段で検知した振幅レベルと前記基準レベル設定手段で設定した基準信号レベルとを比較するレベル判定手段を設け、このレベル判定手段が、前記振動検知手段で検知した振幅レベルを前記基準レベル設定手段で設定した基準信号レベルより大きいと判断した際に、前記入力軌跡情報出力手段が入力軌跡情報を前記電子データ化処理手段へ出力するように構成していることが望ましい。
【0014】
また、筆圧が抜けていく過程でスイッチがOFFになり文字崩れが生じるといった不具合を防止し、確実に文字認識を行い得るようにするためには、所定の周波数より低い周波数成分を通過させるローパスフィルタを設け、このローパスフィルタで通過する前記振動検知手段で検知した振動の振幅レベルを、筆記中の筆圧を示す振幅レベルとして入力軌跡情報出力手段に出力するように構成していることが好ましい。
【0015】
なお、本発明の具体的な実施態様としては、前記入力軌跡情報出力手段が入力軌跡情報を示す超音波を出力するように構成されたものであって、前記被書込対象物に手書入力を行った際に生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に、前記入力軌跡情報出力手段が前記電子データ化処理手段に超音波を出力するものが挙げられる。また、書込面上の位置情報を示すパターンが示された被書込対象物に手書入力を行った際にこの手書した入力軌跡情報をそのパターンに基づき読み取る入力軌跡読取手段を設け、前記被書込対象物の書込面に手書入力を行ったときに生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に、前記入力軌跡読取手段が読み取った入力軌跡情報を電子データ化処理手段に出力するように構成した実施態様も考えられる。さらに、紙等の書込面に照射光を照射する照射部と、この照射部で照射した照射光を前記書込面で反射させ反射した反射光を検出する光検出センサとを設け、前記被書込対象物の書込面に手書入力を行ったときに生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に、前記照射光と前記反射光とで生じるドップラ効果を利用してペン先の位置を測定して得た入力軌跡情報を電子データ化処理手段に出力するように構成した実施態様であってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0017】
本発明の筆記具Pは、図1に示すように、赤色や青色等の各色を有するマーカPMと、このマーカPMをそのペン先PM1が外部に露出するように収納し且つこのマーカPMによる文字や線画等の手書入力データFの書込中に赤外線や超音波を発生し得る筆記具本体P1と、この筆記具本体P1に収納するマーカPMを外部からそのマーカ色を識別可能にカバーする略透明な保護カバーP2とを備えるものであって、図2に示すように、手書入力データFを書込むホワイトボードWBと、このホワイトボードWBに取り付けられ前記筆記具Pによる手書入力データFの入力軌跡情報を検出するセンサ装置Sと、このセンサ装置Sに接続され前記入力軌跡情報の電子データ化を行うパソコンPCとともに使用される。
【0018】
以下、各部を詳述する。
【0019】
筆記具本体P1は、図3に示すように、前記ペン先PM1に加わる振動を検知する振動センサ101と、この振動センサ101で検知した振動をその周波数帯域に応じて通過させるLCフィルタ102と、図示しないアッテネータと、CPU103と、内部メモリ104と、赤外線を放射する赤外線出力装置105と、超音波を発生する超音波発生装置106と、バッテリ107等とを主な構成要素とし、これら各部を内蔵している。
【0020】
より具体的には、振動センサ101は、例えば、ロッシェル塩結晶等の圧電素子を薄板円板状の振動板形状に形成し筆記中の振動を好適に検知し得るように構成したものであって、ペン先PM1に加わる筆記中の振動をマーカ本体PM2を介してそのペン尻端面PM3で好適に検知し得るように、ペン尻端面PM3に振動センサ101の略中央部表面が接触するようにして配置している。
【0021】
LCフィルタ102は、図示しないコイル及びコンデンサ等を適宜組み合わせたアナログ回路によって構成されるものであって、所定の周波数より高い周波数成分を通過させるハイパスフィルタHPFと、所定の周波数より低い周波数成分を通過させるローパスフィルタLPFとの2つのフィルタとを備えている。なお、本実施形態では、ハイパスフィルタHPFのカットオフ周波数を50Hz、ローパスフィルタLPFのカットオフ周波数を20Hzに設定し、前記振動センサ101で検知した筆記中の振動をこのカットオフ周波数でフィルタリングすることができるようにしている。
【0022】
アッテネータは、前記振動センサ101が検知する筆記中の振動に混じる会話や雑音等の空気振動や該筆記具Pを支持する際に生じる手との接触による振動等の外乱を、好適に分離するための基準信号レベルを設定するものであって、この基準信号レベルは可変可能にコントロールできるようにしている。
【0023】
CPU103は、内部メモリ104等に記憶させたプログラムにしたがって作動し、前記振動センサ101が検知し且つ前記ハイパスフィルタHPFを通過した振動を適宜信号処理し、さらにこの信号処理した信号レベルと前記アッテネータで設定する基準レベル信号とを比較し、その比較結果に基づき、赤外線出力装置105と超音波発生装置106に赤外線と超音波とを放射する旨の指示を行うように動作する。
【0024】
赤外線出力装置105は、前記CPU103から赤外線の出力の旨を指示された際に、マーカPMの色情報を含む赤外線信号を含む赤外線を放射するように設定している。
【0025】
超音波発生装置106は、前記CPU103から超音波の出力の旨を指示された際に、超音波を放射するように設定している。
【0026】
一方、この筆記具Pを機能面で説明すると、前記内蔵された各部が動作することにより、図4に示すように、振動検知手段11、振動周波数成分分離手段12、演算手段13、基準レベル設定手段14、レベル判定手段15、入力軌跡情報出力手段16等としての機能を有している。
【0027】
まず、振動検知手段11は、この筆記具Pでボード面W1に手書き入力を行う際に生じる筆記中の振動を検知するものであって、前記振動センサ101を利用して構成している。
【0028】
振動周波数成分分離手段12は、前記振動検知手段11で検知した筆記中の振動を20Hz以下の周波数成分を有する直流成分振動と50Hz以上の周波数成分を有する交流成分振動とに分離するものであって、前記LCフィルタ102を利用して構成している。
【0029】
演算手段13は、前記振動周波数成分分離手段12で分離された交流成分振動を、所定時間に亘って平均化した交流成分振動振幅レベルを出力するものであって、前記CPU103を利用して構成している。
【0030】
基準レベル設定手段14は、前記振動検知手段11が検知する振動において、会話や雑音等の空気振動やこの筆記具Pを支持する際に生じる手との接触による振動等の外乱から、筆記中の振動を分離するための基準信号レベルを設定するものであって、前記アッテネータを利用して構成している。
【0031】
レベル判定手段15は、演算手段13で出力される交流成分振動振幅レベルと前記基準レベル設定手段14で設定した基準信号レベルとを比較し、交流成分振動振幅レベルがこの基準信号レベルより大きい場合に、ペン先PM1がボード面W1に接触していることを示す接触中信号を入力軌跡情報出力手段16に出力するように設定している。
【0032】
入力軌跡情報出力手段16は、前記レベル判定手段15からの接触中信号を受け取ると、センサ装置Sに対して赤外線と超音波とを放射するように設定しているものであって、前記赤外線出力装置105と超音波発生装置106とを利用して構成している。
【0033】
一方、ホワイトボードWBは、前記筆記具Pで書込み可能な書込面たるボード面W1をその表面に有するものである。
【0034】
センサ装置Sは、現在市販されているボードスキャナに分類されるものであって、図2に示すように、二つの吸盤S11を利用してボード面W1に着脱可能に取り付けられている。そして、このセンサ装置Sは、図5に示すように、CPU201、内部メモリ202、筆記具Pから出力される赤外線を受信する赤外線センサ203、筆記具Pから出力される音波を検出する二つの超音波センサ204、205、パラレルポート等の通信インタフェイス206等を主な構成要素とする。そして、内部メモリ202等に記憶したプログラムにしたがってCPU201や他の機器が動作し、図4に示すように、少なくとも手書入力データ取得手段21と、手書入力データ送信手段22としての機能を有している。
【0035】
さらに詳述すると、手書入力データ取得手段21は、このセンサ装置Sの上下方向に一定距離隔てて設けた二つの超音波センサ204、205とが検知する2つのパスの超音波を、筆記具Pのペン先位置を示す情報、すなわち入力軌跡情報として取得するものである。なお、本実施形態では、この手書入力データ取得手段21が入力軌跡情報を取得するタイミングを、筆記具Pから放射される赤外線を赤外線センサ203が検知したと際に二つの超音波センサ204、205のスイッチが入り取得するように設定している。
【0036】
手書入力データ送信手段22は、このようにして手書入力データ取得手段21が取得した入力軌跡情報を、通信インタフェイス206等を介してリアルタイムにパソコンPCに送信するものである。さらに、本実施形態では、前記手書入力データ取得手段21が赤外線に含まれる筆記具Pの色信号を取得し、この手書入力データ取得手段21が筆記具Pの色情報を入力軌跡情報と同時にパソコンPCに送信するように設定している。
【0037】
パソコンPCは、一般的な情報処理機能を有する情報処理装置であって、図6に示すように、CPU301、内部メモリ302、外部記憶装置たるHDD303、ディスプレイ304、マウスやキーボード等のユーザインタフェイス305、パラレルポート等の通信インタフェイス306等を主な構成要素としている。そして内部メモリ302等に記憶したプログラムにしたがってCPU301や他の機器が動作し、図4に示すように、少なくともデータ受信手段31、電子データ化処理手段32、表示手段33としての機能を有している。
【0038】
さらに詳述すると、データ受信手段31は、センサ装置Sから送信される入力軌跡情報と色情報とを受信するものであって、前記通信インタフェイス306等を利用して構成している。
【0039】
電子データ化処理手段32は、前記データ受信手段31が受信した入力軌跡情報に基づき筆記具Pのペン先位置の軌跡を点の集合として計算し電子データ化するものであって、前記CPU301を利用して構成している。
【0040】
表示手段33は、前記電子データ化処理手段32で電子データ化した入力軌跡情報を表示するものであって、前記ディスプレイ304を利用して構成している。なお、電子データ化した入力軌跡情報は、JPEG形式やBMP形式等のデータやストロークデータ(時間軸をもったベクトルデータ)として前記HDD303に保存することができるに構成している。
【0041】
次に、以上のように構成される筆記具Pを用いたシステムの動作について図7に示すフロー図等を用いて説明する。
【0042】
図7は、筆記具Pにおいて、筆記具PによりホワイトボードWBに書き込まれる手書入力データFが、センサ装置Sへ送信される過程をフロー図で示したものである。なお、本実施形態では、この手書入力データFを、図2に示すように「大きなデータ」を手書入力するものとして説明する。
【0043】
まず、筆記具PをホワイトボードWBのボード面W1にペン先PM1をあて、筆圧を加えながら書込みを始めると、すなわち、「大」の字の第一画「ー」の書込みを始めると、ボード面W1とペン先PM1との間に振動が発生する。そして、この振動はペン先PM1からマーカ本体PM2を介してマーカPMのペン尻端面PM3へ固体伝播し、このペン尻端面PM3に取り付けている振動センサ101へ到達し、そして、この振動検知手段11が、筆記中の振動を検知する(ステップS102)。このように振動検知手段11で検知された振動を振動周波数成分分離手段12が、この振動を20Hz以下の周波数成分を有する直流成分振動と、50Hz以上の周波数成分を有する交流成分振動とに分離する(ステップS103)。さらに、このように振動周波数成分分離手段12で分離された交流成分振動は、演算手段13で所定時間に亘って平均化され、その平均化した交流成分振動振幅レベルが出力される(ステップS104)。次に、レベル判定手段15が、基準レベル設定手段14で設定した基準信号レベルと演算手段13で得た交流成分振動振幅レベルとを比較し(ステップS105)、交流成分振動振幅レベルが基準信号レベルより大きければ、入力軌跡情報出力手段16に接触中信号を出力し、この接触中信号を受け取った入力軌跡情報出力手段16は、赤外線と超音波とをセンサ装置Sに放射する(ステップS106)。このように「ー」の筆記中は筆記中の振動が発生し、以上のステップS102〜S106での処理が繰り返され、入力軌跡情報出力手段16は、赤外線と超音波とをセンサ装置Sに放射しつづける。そして、「大」の字の第一画「ー」の筆記が終わり、第二画「ノ」の筆記のため運筆すると、ペン先PM1はボード面W1から一端離れるため筆記中の振動が止まり、振動検知手段11が振動のないことを検知し(ステップS102)、入力軌跡情報出力手段16は赤外線と超音波との放射をストップさせる(ステップS101)。そして、ペン先PM1をボード面W1に接触させて第二画を書き始めれば、筆記中の振動が生じ、ステップS101〜S106に示す信号処理が繰り返し行われ、以下同様にして「大」の字の第二画「ノ」、第三画、次の文字の第一画、・・・の順に赤外線や超音波がセンサ装置Sに放射される。
【0044】
ところで、振動検知手段11が検知する振動に筆記中の振動以外の振動、例えば、会話音や筆記具を支持する手による接触音等に起因する振動を検知する(ステップS102)場合も考えられる。このような振動は筆記中の振動と比べ極めて小さなレベルであり、レベル判定手段で比較される筆記中以外の振動の交流成分振動振幅レベルは基準信号レベルより小さいため(ステップS105)、前記入力軌跡情報出力手段16は、赤外線と超音波とを放射することはない(ステップS101)。また、筆記中の振動に上述のような外乱が混入した状態で振動検知手段11が振動を検知しても、この種の外乱は、筆記中の振動にマスキングされるため、問題なく文字認識を行うことができる。すなわち、本発明の筆記具Pは外乱の影響を気にせずに好適に使用可能なものとすることができる。
【0045】
次に、センサ装置S及びパソコンPCにおけるシステムの動作について、図8〜図9に示すフロー図等を用いて説明する。
【0046】
まず、図8に示すように、筆記具Pから放射される赤外線を赤外線センサ203が検知すると(ステップS201)、センサ装置Sに内蔵された超音波センサ204、205のスイッチが入り(ステップS202)、2箇所の超音波センサ204、205で検知した超音波信号を手書き入力データ取得手段21が入力軌跡情報として赤外線に含まれる色情報とともに取得する(ステップS203)。そして、取得した入力軌跡情報と色情報とは、手書入力データ送信手段22がリアルタイムに通信ケーブルCを介してパソコンPCに送信する(ステップS204)。一方、図9に示すように、パソコンPCのデータ受信手段31が、これら入力軌跡情報と色情報とを受信すると(ステップS301)、電子データ化処理手段32がこの入力軌跡情報に基づき到達時間を測定して筆記具Pのペン先P1ホワイトボードWBのボード面W1のどの位置に位置付けられているのかを計算し(ステップS302)、表示手段33がその計算して得た表示データHを前記色情報に基づき色付けしてディスプレイ304に表示する(ステップS303)。
【0047】
このようにセンサ装置Sが、筆記具Pから放射される赤外線を受信する度に、筆記具Pが放射する超音波を検知し、検知した超音波に基づきパソコンPCが筆記中のペン先位置の位置付けを解析する計算しが繰り返し行われ、「大きなデータ」のように漢字、ひらがな、カナ文字を含む手書入力データFであっても、確実に文字認識を行い、パソコンPCのディスプレイに表示することができる。また、漢字、ひらがな、カナ文字以外の文字、線画や絵等も同様の方法で認識可能であることは述べるまでもない。
【0048】
なお、振動周波数成分分離手段12で分離した直流成分振動の振幅レベルを、筆記中の筆圧を示す筆圧情報として入力軌跡情報出力手段に出力し、しかるのちパソコンPCで筆圧情報が小さければ線を細く描画し、筆圧が大きければを処理すれば線を太く描画するような処理を行うように設定すれば、例えば、「大」の字の第二画「ノ」のように「はらい」が含まれている文字をさらに正確にディスプレイに表示したりすることもできる。
【0049】
以上に詳述したように、本実施形態の筆記具Pは、漢字、ひらがな、カナ等のように、一つの文字の中にも、紙やホワイトボードの書込面にペン先を接触、非接触にする筆運びを断続的に繰り返す必要があるものでも、筆記具と被書込面との間に生じる筆記中の振動に基づき文字認識を行うため、文字認識を確実に行うことができる。また、ホワイトボードのようにきっちりした板面は無論のこと、複数枚綴った紙を一枚ずつめくりながら使用するタイプのように板面にがたつきがあり一定の筆圧を得ることができないものでも、筆記中の振動で筆記中であることが検知されることにより文字認識を確実に且つリアルタイムに行うことができるため、スイッチのONOFF等に気が行って思考が中断するといった不具合を防止できる。さらに、手書中の振動以外の外乱に影響を受けず、確実に文字認識を行うことができる。また、「大」の第一画「ノ」のような払いが含まれた文字の文字認識も確実に且つ正確に行える。
【0050】
なお、本実施形態では、振動検知手段11をマーカPMのペン尻端面PM3に接触させてペン先PM1に加わる振動を検知するように構成していたが、ペン先PM1に加わる振動を検知できる位置であれば例えばペン先PM1近傍等他の位置に配置しても構わない。また、圧電素子で構成される振動センサ101をペン尻端面PM3に接触させて筆記中の振動を検知するように構成していたが、非接触で筆記中の振動を検知するセンサを用いてもよい。さらに、この振動検知手段11をマイクロホン等の音響−電気変換器を利用して構成し、筆記中にペン先と書込面との間に生じる摩擦音等の空気振動を検知するようにしても構わない。
【0051】
また、ホワイトボードWBのボード面W1を、しっかりとした板面を有するものとしたが、複数枚綴った紙を一枚ずつめくりながら使用するタイプのもの等板面にがたつきを有するものであってもよい。また、書込面を電子ペーパーやPDAの表面に形成し、この書込面に書き込む筆記具PのマーカPMをスタイラスペンとしても構わない。
【0052】
ところで、本実施形態では、ハイパスフィルタHPF及びローパスフィルタLPFをアナログ回路で構成したが、FIRフィルタやIIRフィルタ等のデジタル回路で構成してもよい。また、実施態様に応じてこれらハイパスフィルタHPF及びローパスフィルタLPFのカットオフ周波数等も適宜変更可能であり、さらにバンドパスフィルタ等他のフィルタを用いても構わない。
【0053】
さらに、本実施形態では、センサ装置とパソコンPCとを通信ケーブルCで有線接続しているが、BlueTooth等を利用して無線接続してよいことはいうまでもない。
【0054】
また、パソコンPCの機能の一部又は全部をセンサ装置Sに備える等、各機器の構成は本実施形態に限られるものではない。
【0055】
なお、上述のような振動検知手段と入力軌跡情報出力手段とを備える筆記具に、書込面上の位置情報を示すパターンが示された被書込対象物に手書入力を行った際にこの手書した入力軌跡情報をそのパターンに基づき読み取る入力軌跡読取手段を設け、この筆記具を用いて前記被書込対象物の書込面に手書入力を行ったときに生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に前記入力軌跡読取手段が読み取るように構成し、その入力軌跡情報を、例えばパソコンPCに備えた電子データ化処理手段に出力して、文字認識を行うといった実施態様が挙げられる。
【0056】
また、上述のような振動検知手段と入力軌跡情報出力手段とを備える筆記具に、紙等の書込面に照射光を照射する照射部と、この照射部で照射した照射光を前記書込面で反射させ反射した反射光を検出する光検出センサとを設け、この筆記具を用いて、前記被書込対象物の書込面に手書入力を行ったときに生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に、前記照射光と前記反射光とで生じるドップラ効果を利用してペン先の位置を測定して入力軌跡情報を得るように構成し、しかるのち、その入力軌跡情報を、例えばパソコンPCに備えた電子データ化処理手段に出力して、文字認識を行うといった実施態様が挙げられる。
【0057】
その他、本発明は以上に詳述した図示例に限られず、種々の変形が可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上に詳述した本発明によれば、漢字、ひらがな、カナ等のように、一つの文字の中にも、紙やホワイトボードの書込面にペン先を接触、非接触にする筆運びを断続的に繰り返す必要があるものでも、確実に文字認識可能な筆記具を提供できる。また、ホワイトボードのようにきっちりした板面は無論のこと、複数枚綴った紙を一枚ずつめくりながら使用するタイプのような板面にがたつきがあり一定の筆圧を得ることができないものに書き込みを行っても確実に文字認識可能な筆記具を提供できる。さらに、次々と発想が思い浮かび書込みスピードが上がった場合でも、リアルタイムに且つ確実に文字認識を行うことができるため、思考イメージをよりスムーズに表現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における筆記具の全体構成を示す斜視図
【図2】同実施形態における筆記具、センサ装置、パソコンを示す機器構成図。
【図3】同実施形態における筆記具の内部機器構成図。
【図4】同実施形態における全体の機器の機能を示す機能構成図。
【図5】同実施形態におけるセンサ装置の内部機器構成図。
【図6】同実施形態におけるパソコンの内部機器構成図。
【図7】同実施形態における筆記具の動作を示すフロー図。
【図8】同実施形態におけるセンサ装置の動作を示すフロー図。
【図9】同実施形態におけるパソコンの動作を示すフロー図。
【符号の説明】
11・・・振動検知手段
14・・・基準レベル設定手段
15・・・レベル判定手段
16・・・入力軌跡情報出力手段
31・・・電子データ化処理手段
101・・・圧電素子(振動センサ)
F・・・手書入力データ
HPF・・・ハイパスフィルタ
LPF・・・ローパスフィルタ
P・・・筆記具
PM1・・・ペン先
WB・・・被書込対象物(ホワイトボード)
W1・・・書込面(ボード面)
【発明の属する技術分野】
本発明は、手書き入力された内容の電子データ化を行う際に用いる筆記具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、思いついた発想を忘れないうちに文字等としてホワイトボードへ書き留めたり表現したりでき、さらにこれら書き込んだ文字の電子データ化を同時に行える電子ペンが、オフィスの会議やブレーンストーミング等において好適に用いられるようになってきている。このようなタイプの電子ペンとしては、一例として、筆圧がペン先に加わると、ペン先が押し込まれることによってスイッチが入り、ペン先の位置やペンの色を示す情報が超音波や赤外線を介して外部のデータ処理装置に出力され、このデータ処理装置でペンの軌跡等を電子データ化した文字等としてディスプレイに表示したり保存したりすることができるように構成されているものが知られている。
【0003】
また、上述のような構成の電子ペンの他に、書込面上の位置情報を示すパターンが示された被書込対象物に文字や線画等の手書入力データの手書入力を行った際にこの手書した手書入力データの入力軌跡情報をそのパターンに基づき読み取る入力軌跡読取手段を設けたタイプの電子ペンや、光を照射する照射部及びこの照射部で照射した照射光を紙等の書込面で反射させ反射された反射光を検出する光検出センサとを有し、これら照射光と反射光とで生じるドップラ効果を利用してペン先の位置を測定し、入力軌跡情報を得るタイプの電子ペンも知られているが、これら電子ペンも上述のものと同様にペン先が押し込まれることによってスイッチが入り、スイッチがONの時に得た入力軌跡情報やペン先の位置やペンの色を示す情報を外部のデータ処理装置に出力し電子データ化した文字等としてディスプレイに表示したり保存したりすることができるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこの種の電子ペンは、例えば、アルファベットを筆記体で書く場合のように、一旦書き始めるとスイッチが入った状態が続くタイプのものでは文字認識が成功し易いが、例えば、漢字、ひらがな、カナ等のように、一つの文字の筆記中にも、紙やホワイトボードの書込面にペン先を接触、非接触にする筆運びを断続的に繰り返す必要がある場合には、スイッチが入ったり切れたりする動作が不連続に生じるため、文字認識が成功し難いといった問題点があった。さらに、例えば「大」のような「はらい」を含む文字では、筆圧が抜けていく過程でスイッチがOFFになり、不完全な状態で認識が終了して文字が崩れる問題が発生していた。
【0005】
また、ホワイトボード等のように比較的硬質な板面であれば板面に対する筆圧を略一定に得ることができ好適な状態で使用できるが、例えば、複数枚綴った紙を一枚ずつめくりながら使用するタイプのものなど板面にがたつきが多いものでは一定の筆圧を得ることが困難であり、このため筆記中にがたつきが生じてスイッチがONであるかOFFであるかに気が散ってしまい、思考イメージをスムーズに紙上に表現する作業の阻害要因となってしまうなど、本来この種の筆記具が目的としているスムーズな表現を実現しているとは言えなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上述する問題を解決することを主たる課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、被書込対象物の書込面に手書入力による文字や線画等の手書入力データの書込みや書込んだ手書入力データの電子データ化を行い得る筆記具であって、筆記中の振動を検知する振動検知手段と、この振動検知手段が筆記中の振動を検知した際に手書入力による入力軌跡情報の電子データ化を行う電子データ化処理手段へその入力軌跡情報を出力する入力軌跡情報出力手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、筆記具と被書込面との間に生じる筆記中の振動に基づき文字認識を行うため、断続的な筆運びがあった場合でも文字認識を確実に行うことができる。また、ホワイトボードのように比較的硬質な板面は無論のこと、複数枚綴った紙を一枚ずつめくりながら使用するタイプのように板面にがたつきがあり一定の筆圧を得ることができないものでも、筆記中の振動で筆記中であることが検知されることにより文字認識が確実に行われるため、スイッチのONOFFに気が行って思考が中断するといった不具合を防止できる。
【0009】
なお、筆記中の振動を好適に検知するためには、先端部に前記書込面に接触する筆記のためのペン先を設け、前記振動検知手段を、このペン先に加わる振動を検知する圧電素子を利用して構成していることが望ましい。
【0010】
また、会話や雑音等の空気振動や該筆記具を支持する際に生じる手との接触による振動等の外乱から筆記中の振動を分離して文字認識を確実に行うようにするためには、前記振動検知手段で検知した振動の振幅レベルが所定値よりも大きな値を示した際に、前記入力軌跡情報出力手段が入力軌跡情報を前記電子データ化処理手段へ出力するように設定していることが好ましい。
【0011】
そして、様々な外乱から筆記中の振動を好適に分離し得るようにするためには、前記振幅レベルの所定値を任意の振幅レベルを示す基準信号レベルに設定する基準レベル設定手段を設け、基準信号レベルを適宜設定することにより様々な外乱から筆記中の振動を分離するようにすればよい。
【0012】
また、様々な外乱から筆記中の振動を好適に分離する他の方法としては、所定の周波数より高い周波数成分を通過させるハイパスフィルタを設け、前記振幅レベルが、このハイパスフィルタを通過するように構成したり、さらに、前記ハイパスフィルタを通過した振幅レベルを、所定時間に亘って平均化するようにするといった実施態様も考えられる。
【0013】
ところで、リアルタイムに筆記中の手書入力データの電子データ化を行い得るようにするためには、前記振動検知手段で検知した振幅レベルと前記基準レベル設定手段で設定した基準信号レベルとを比較するレベル判定手段を設け、このレベル判定手段が、前記振動検知手段で検知した振幅レベルを前記基準レベル設定手段で設定した基準信号レベルより大きいと判断した際に、前記入力軌跡情報出力手段が入力軌跡情報を前記電子データ化処理手段へ出力するように構成していることが望ましい。
【0014】
また、筆圧が抜けていく過程でスイッチがOFFになり文字崩れが生じるといった不具合を防止し、確実に文字認識を行い得るようにするためには、所定の周波数より低い周波数成分を通過させるローパスフィルタを設け、このローパスフィルタで通過する前記振動検知手段で検知した振動の振幅レベルを、筆記中の筆圧を示す振幅レベルとして入力軌跡情報出力手段に出力するように構成していることが好ましい。
【0015】
なお、本発明の具体的な実施態様としては、前記入力軌跡情報出力手段が入力軌跡情報を示す超音波を出力するように構成されたものであって、前記被書込対象物に手書入力を行った際に生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に、前記入力軌跡情報出力手段が前記電子データ化処理手段に超音波を出力するものが挙げられる。また、書込面上の位置情報を示すパターンが示された被書込対象物に手書入力を行った際にこの手書した入力軌跡情報をそのパターンに基づき読み取る入力軌跡読取手段を設け、前記被書込対象物の書込面に手書入力を行ったときに生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に、前記入力軌跡読取手段が読み取った入力軌跡情報を電子データ化処理手段に出力するように構成した実施態様も考えられる。さらに、紙等の書込面に照射光を照射する照射部と、この照射部で照射した照射光を前記書込面で反射させ反射した反射光を検出する光検出センサとを設け、前記被書込対象物の書込面に手書入力を行ったときに生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に、前記照射光と前記反射光とで生じるドップラ効果を利用してペン先の位置を測定して得た入力軌跡情報を電子データ化処理手段に出力するように構成した実施態様であってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0017】
本発明の筆記具Pは、図1に示すように、赤色や青色等の各色を有するマーカPMと、このマーカPMをそのペン先PM1が外部に露出するように収納し且つこのマーカPMによる文字や線画等の手書入力データFの書込中に赤外線や超音波を発生し得る筆記具本体P1と、この筆記具本体P1に収納するマーカPMを外部からそのマーカ色を識別可能にカバーする略透明な保護カバーP2とを備えるものであって、図2に示すように、手書入力データFを書込むホワイトボードWBと、このホワイトボードWBに取り付けられ前記筆記具Pによる手書入力データFの入力軌跡情報を検出するセンサ装置Sと、このセンサ装置Sに接続され前記入力軌跡情報の電子データ化を行うパソコンPCとともに使用される。
【0018】
以下、各部を詳述する。
【0019】
筆記具本体P1は、図3に示すように、前記ペン先PM1に加わる振動を検知する振動センサ101と、この振動センサ101で検知した振動をその周波数帯域に応じて通過させるLCフィルタ102と、図示しないアッテネータと、CPU103と、内部メモリ104と、赤外線を放射する赤外線出力装置105と、超音波を発生する超音波発生装置106と、バッテリ107等とを主な構成要素とし、これら各部を内蔵している。
【0020】
より具体的には、振動センサ101は、例えば、ロッシェル塩結晶等の圧電素子を薄板円板状の振動板形状に形成し筆記中の振動を好適に検知し得るように構成したものであって、ペン先PM1に加わる筆記中の振動をマーカ本体PM2を介してそのペン尻端面PM3で好適に検知し得るように、ペン尻端面PM3に振動センサ101の略中央部表面が接触するようにして配置している。
【0021】
LCフィルタ102は、図示しないコイル及びコンデンサ等を適宜組み合わせたアナログ回路によって構成されるものであって、所定の周波数より高い周波数成分を通過させるハイパスフィルタHPFと、所定の周波数より低い周波数成分を通過させるローパスフィルタLPFとの2つのフィルタとを備えている。なお、本実施形態では、ハイパスフィルタHPFのカットオフ周波数を50Hz、ローパスフィルタLPFのカットオフ周波数を20Hzに設定し、前記振動センサ101で検知した筆記中の振動をこのカットオフ周波数でフィルタリングすることができるようにしている。
【0022】
アッテネータは、前記振動センサ101が検知する筆記中の振動に混じる会話や雑音等の空気振動や該筆記具Pを支持する際に生じる手との接触による振動等の外乱を、好適に分離するための基準信号レベルを設定するものであって、この基準信号レベルは可変可能にコントロールできるようにしている。
【0023】
CPU103は、内部メモリ104等に記憶させたプログラムにしたがって作動し、前記振動センサ101が検知し且つ前記ハイパスフィルタHPFを通過した振動を適宜信号処理し、さらにこの信号処理した信号レベルと前記アッテネータで設定する基準レベル信号とを比較し、その比較結果に基づき、赤外線出力装置105と超音波発生装置106に赤外線と超音波とを放射する旨の指示を行うように動作する。
【0024】
赤外線出力装置105は、前記CPU103から赤外線の出力の旨を指示された際に、マーカPMの色情報を含む赤外線信号を含む赤外線を放射するように設定している。
【0025】
超音波発生装置106は、前記CPU103から超音波の出力の旨を指示された際に、超音波を放射するように設定している。
【0026】
一方、この筆記具Pを機能面で説明すると、前記内蔵された各部が動作することにより、図4に示すように、振動検知手段11、振動周波数成分分離手段12、演算手段13、基準レベル設定手段14、レベル判定手段15、入力軌跡情報出力手段16等としての機能を有している。
【0027】
まず、振動検知手段11は、この筆記具Pでボード面W1に手書き入力を行う際に生じる筆記中の振動を検知するものであって、前記振動センサ101を利用して構成している。
【0028】
振動周波数成分分離手段12は、前記振動検知手段11で検知した筆記中の振動を20Hz以下の周波数成分を有する直流成分振動と50Hz以上の周波数成分を有する交流成分振動とに分離するものであって、前記LCフィルタ102を利用して構成している。
【0029】
演算手段13は、前記振動周波数成分分離手段12で分離された交流成分振動を、所定時間に亘って平均化した交流成分振動振幅レベルを出力するものであって、前記CPU103を利用して構成している。
【0030】
基準レベル設定手段14は、前記振動検知手段11が検知する振動において、会話や雑音等の空気振動やこの筆記具Pを支持する際に生じる手との接触による振動等の外乱から、筆記中の振動を分離するための基準信号レベルを設定するものであって、前記アッテネータを利用して構成している。
【0031】
レベル判定手段15は、演算手段13で出力される交流成分振動振幅レベルと前記基準レベル設定手段14で設定した基準信号レベルとを比較し、交流成分振動振幅レベルがこの基準信号レベルより大きい場合に、ペン先PM1がボード面W1に接触していることを示す接触中信号を入力軌跡情報出力手段16に出力するように設定している。
【0032】
入力軌跡情報出力手段16は、前記レベル判定手段15からの接触中信号を受け取ると、センサ装置Sに対して赤外線と超音波とを放射するように設定しているものであって、前記赤外線出力装置105と超音波発生装置106とを利用して構成している。
【0033】
一方、ホワイトボードWBは、前記筆記具Pで書込み可能な書込面たるボード面W1をその表面に有するものである。
【0034】
センサ装置Sは、現在市販されているボードスキャナに分類されるものであって、図2に示すように、二つの吸盤S11を利用してボード面W1に着脱可能に取り付けられている。そして、このセンサ装置Sは、図5に示すように、CPU201、内部メモリ202、筆記具Pから出力される赤外線を受信する赤外線センサ203、筆記具Pから出力される音波を検出する二つの超音波センサ204、205、パラレルポート等の通信インタフェイス206等を主な構成要素とする。そして、内部メモリ202等に記憶したプログラムにしたがってCPU201や他の機器が動作し、図4に示すように、少なくとも手書入力データ取得手段21と、手書入力データ送信手段22としての機能を有している。
【0035】
さらに詳述すると、手書入力データ取得手段21は、このセンサ装置Sの上下方向に一定距離隔てて設けた二つの超音波センサ204、205とが検知する2つのパスの超音波を、筆記具Pのペン先位置を示す情報、すなわち入力軌跡情報として取得するものである。なお、本実施形態では、この手書入力データ取得手段21が入力軌跡情報を取得するタイミングを、筆記具Pから放射される赤外線を赤外線センサ203が検知したと際に二つの超音波センサ204、205のスイッチが入り取得するように設定している。
【0036】
手書入力データ送信手段22は、このようにして手書入力データ取得手段21が取得した入力軌跡情報を、通信インタフェイス206等を介してリアルタイムにパソコンPCに送信するものである。さらに、本実施形態では、前記手書入力データ取得手段21が赤外線に含まれる筆記具Pの色信号を取得し、この手書入力データ取得手段21が筆記具Pの色情報を入力軌跡情報と同時にパソコンPCに送信するように設定している。
【0037】
パソコンPCは、一般的な情報処理機能を有する情報処理装置であって、図6に示すように、CPU301、内部メモリ302、外部記憶装置たるHDD303、ディスプレイ304、マウスやキーボード等のユーザインタフェイス305、パラレルポート等の通信インタフェイス306等を主な構成要素としている。そして内部メモリ302等に記憶したプログラムにしたがってCPU301や他の機器が動作し、図4に示すように、少なくともデータ受信手段31、電子データ化処理手段32、表示手段33としての機能を有している。
【0038】
さらに詳述すると、データ受信手段31は、センサ装置Sから送信される入力軌跡情報と色情報とを受信するものであって、前記通信インタフェイス306等を利用して構成している。
【0039】
電子データ化処理手段32は、前記データ受信手段31が受信した入力軌跡情報に基づき筆記具Pのペン先位置の軌跡を点の集合として計算し電子データ化するものであって、前記CPU301を利用して構成している。
【0040】
表示手段33は、前記電子データ化処理手段32で電子データ化した入力軌跡情報を表示するものであって、前記ディスプレイ304を利用して構成している。なお、電子データ化した入力軌跡情報は、JPEG形式やBMP形式等のデータやストロークデータ(時間軸をもったベクトルデータ)として前記HDD303に保存することができるに構成している。
【0041】
次に、以上のように構成される筆記具Pを用いたシステムの動作について図7に示すフロー図等を用いて説明する。
【0042】
図7は、筆記具Pにおいて、筆記具PによりホワイトボードWBに書き込まれる手書入力データFが、センサ装置Sへ送信される過程をフロー図で示したものである。なお、本実施形態では、この手書入力データFを、図2に示すように「大きなデータ」を手書入力するものとして説明する。
【0043】
まず、筆記具PをホワイトボードWBのボード面W1にペン先PM1をあて、筆圧を加えながら書込みを始めると、すなわち、「大」の字の第一画「ー」の書込みを始めると、ボード面W1とペン先PM1との間に振動が発生する。そして、この振動はペン先PM1からマーカ本体PM2を介してマーカPMのペン尻端面PM3へ固体伝播し、このペン尻端面PM3に取り付けている振動センサ101へ到達し、そして、この振動検知手段11が、筆記中の振動を検知する(ステップS102)。このように振動検知手段11で検知された振動を振動周波数成分分離手段12が、この振動を20Hz以下の周波数成分を有する直流成分振動と、50Hz以上の周波数成分を有する交流成分振動とに分離する(ステップS103)。さらに、このように振動周波数成分分離手段12で分離された交流成分振動は、演算手段13で所定時間に亘って平均化され、その平均化した交流成分振動振幅レベルが出力される(ステップS104)。次に、レベル判定手段15が、基準レベル設定手段14で設定した基準信号レベルと演算手段13で得た交流成分振動振幅レベルとを比較し(ステップS105)、交流成分振動振幅レベルが基準信号レベルより大きければ、入力軌跡情報出力手段16に接触中信号を出力し、この接触中信号を受け取った入力軌跡情報出力手段16は、赤外線と超音波とをセンサ装置Sに放射する(ステップS106)。このように「ー」の筆記中は筆記中の振動が発生し、以上のステップS102〜S106での処理が繰り返され、入力軌跡情報出力手段16は、赤外線と超音波とをセンサ装置Sに放射しつづける。そして、「大」の字の第一画「ー」の筆記が終わり、第二画「ノ」の筆記のため運筆すると、ペン先PM1はボード面W1から一端離れるため筆記中の振動が止まり、振動検知手段11が振動のないことを検知し(ステップS102)、入力軌跡情報出力手段16は赤外線と超音波との放射をストップさせる(ステップS101)。そして、ペン先PM1をボード面W1に接触させて第二画を書き始めれば、筆記中の振動が生じ、ステップS101〜S106に示す信号処理が繰り返し行われ、以下同様にして「大」の字の第二画「ノ」、第三画、次の文字の第一画、・・・の順に赤外線や超音波がセンサ装置Sに放射される。
【0044】
ところで、振動検知手段11が検知する振動に筆記中の振動以外の振動、例えば、会話音や筆記具を支持する手による接触音等に起因する振動を検知する(ステップS102)場合も考えられる。このような振動は筆記中の振動と比べ極めて小さなレベルであり、レベル判定手段で比較される筆記中以外の振動の交流成分振動振幅レベルは基準信号レベルより小さいため(ステップS105)、前記入力軌跡情報出力手段16は、赤外線と超音波とを放射することはない(ステップS101)。また、筆記中の振動に上述のような外乱が混入した状態で振動検知手段11が振動を検知しても、この種の外乱は、筆記中の振動にマスキングされるため、問題なく文字認識を行うことができる。すなわち、本発明の筆記具Pは外乱の影響を気にせずに好適に使用可能なものとすることができる。
【0045】
次に、センサ装置S及びパソコンPCにおけるシステムの動作について、図8〜図9に示すフロー図等を用いて説明する。
【0046】
まず、図8に示すように、筆記具Pから放射される赤外線を赤外線センサ203が検知すると(ステップS201)、センサ装置Sに内蔵された超音波センサ204、205のスイッチが入り(ステップS202)、2箇所の超音波センサ204、205で検知した超音波信号を手書き入力データ取得手段21が入力軌跡情報として赤外線に含まれる色情報とともに取得する(ステップS203)。そして、取得した入力軌跡情報と色情報とは、手書入力データ送信手段22がリアルタイムに通信ケーブルCを介してパソコンPCに送信する(ステップS204)。一方、図9に示すように、パソコンPCのデータ受信手段31が、これら入力軌跡情報と色情報とを受信すると(ステップS301)、電子データ化処理手段32がこの入力軌跡情報に基づき到達時間を測定して筆記具Pのペン先P1ホワイトボードWBのボード面W1のどの位置に位置付けられているのかを計算し(ステップS302)、表示手段33がその計算して得た表示データHを前記色情報に基づき色付けしてディスプレイ304に表示する(ステップS303)。
【0047】
このようにセンサ装置Sが、筆記具Pから放射される赤外線を受信する度に、筆記具Pが放射する超音波を検知し、検知した超音波に基づきパソコンPCが筆記中のペン先位置の位置付けを解析する計算しが繰り返し行われ、「大きなデータ」のように漢字、ひらがな、カナ文字を含む手書入力データFであっても、確実に文字認識を行い、パソコンPCのディスプレイに表示することができる。また、漢字、ひらがな、カナ文字以外の文字、線画や絵等も同様の方法で認識可能であることは述べるまでもない。
【0048】
なお、振動周波数成分分離手段12で分離した直流成分振動の振幅レベルを、筆記中の筆圧を示す筆圧情報として入力軌跡情報出力手段に出力し、しかるのちパソコンPCで筆圧情報が小さければ線を細く描画し、筆圧が大きければを処理すれば線を太く描画するような処理を行うように設定すれば、例えば、「大」の字の第二画「ノ」のように「はらい」が含まれている文字をさらに正確にディスプレイに表示したりすることもできる。
【0049】
以上に詳述したように、本実施形態の筆記具Pは、漢字、ひらがな、カナ等のように、一つの文字の中にも、紙やホワイトボードの書込面にペン先を接触、非接触にする筆運びを断続的に繰り返す必要があるものでも、筆記具と被書込面との間に生じる筆記中の振動に基づき文字認識を行うため、文字認識を確実に行うことができる。また、ホワイトボードのようにきっちりした板面は無論のこと、複数枚綴った紙を一枚ずつめくりながら使用するタイプのように板面にがたつきがあり一定の筆圧を得ることができないものでも、筆記中の振動で筆記中であることが検知されることにより文字認識を確実に且つリアルタイムに行うことができるため、スイッチのONOFF等に気が行って思考が中断するといった不具合を防止できる。さらに、手書中の振動以外の外乱に影響を受けず、確実に文字認識を行うことができる。また、「大」の第一画「ノ」のような払いが含まれた文字の文字認識も確実に且つ正確に行える。
【0050】
なお、本実施形態では、振動検知手段11をマーカPMのペン尻端面PM3に接触させてペン先PM1に加わる振動を検知するように構成していたが、ペン先PM1に加わる振動を検知できる位置であれば例えばペン先PM1近傍等他の位置に配置しても構わない。また、圧電素子で構成される振動センサ101をペン尻端面PM3に接触させて筆記中の振動を検知するように構成していたが、非接触で筆記中の振動を検知するセンサを用いてもよい。さらに、この振動検知手段11をマイクロホン等の音響−電気変換器を利用して構成し、筆記中にペン先と書込面との間に生じる摩擦音等の空気振動を検知するようにしても構わない。
【0051】
また、ホワイトボードWBのボード面W1を、しっかりとした板面を有するものとしたが、複数枚綴った紙を一枚ずつめくりながら使用するタイプのもの等板面にがたつきを有するものであってもよい。また、書込面を電子ペーパーやPDAの表面に形成し、この書込面に書き込む筆記具PのマーカPMをスタイラスペンとしても構わない。
【0052】
ところで、本実施形態では、ハイパスフィルタHPF及びローパスフィルタLPFをアナログ回路で構成したが、FIRフィルタやIIRフィルタ等のデジタル回路で構成してもよい。また、実施態様に応じてこれらハイパスフィルタHPF及びローパスフィルタLPFのカットオフ周波数等も適宜変更可能であり、さらにバンドパスフィルタ等他のフィルタを用いても構わない。
【0053】
さらに、本実施形態では、センサ装置とパソコンPCとを通信ケーブルCで有線接続しているが、BlueTooth等を利用して無線接続してよいことはいうまでもない。
【0054】
また、パソコンPCの機能の一部又は全部をセンサ装置Sに備える等、各機器の構成は本実施形態に限られるものではない。
【0055】
なお、上述のような振動検知手段と入力軌跡情報出力手段とを備える筆記具に、書込面上の位置情報を示すパターンが示された被書込対象物に手書入力を行った際にこの手書した入力軌跡情報をそのパターンに基づき読み取る入力軌跡読取手段を設け、この筆記具を用いて前記被書込対象物の書込面に手書入力を行ったときに生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に前記入力軌跡読取手段が読み取るように構成し、その入力軌跡情報を、例えばパソコンPCに備えた電子データ化処理手段に出力して、文字認識を行うといった実施態様が挙げられる。
【0056】
また、上述のような振動検知手段と入力軌跡情報出力手段とを備える筆記具に、紙等の書込面に照射光を照射する照射部と、この照射部で照射した照射光を前記書込面で反射させ反射した反射光を検出する光検出センサとを設け、この筆記具を用いて、前記被書込対象物の書込面に手書入力を行ったときに生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に、前記照射光と前記反射光とで生じるドップラ効果を利用してペン先の位置を測定して入力軌跡情報を得るように構成し、しかるのち、その入力軌跡情報を、例えばパソコンPCに備えた電子データ化処理手段に出力して、文字認識を行うといった実施態様が挙げられる。
【0057】
その他、本発明は以上に詳述した図示例に限られず、種々の変形が可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上に詳述した本発明によれば、漢字、ひらがな、カナ等のように、一つの文字の中にも、紙やホワイトボードの書込面にペン先を接触、非接触にする筆運びを断続的に繰り返す必要があるものでも、確実に文字認識可能な筆記具を提供できる。また、ホワイトボードのようにきっちりした板面は無論のこと、複数枚綴った紙を一枚ずつめくりながら使用するタイプのような板面にがたつきがあり一定の筆圧を得ることができないものに書き込みを行っても確実に文字認識可能な筆記具を提供できる。さらに、次々と発想が思い浮かび書込みスピードが上がった場合でも、リアルタイムに且つ確実に文字認識を行うことができるため、思考イメージをよりスムーズに表現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における筆記具の全体構成を示す斜視図
【図2】同実施形態における筆記具、センサ装置、パソコンを示す機器構成図。
【図3】同実施形態における筆記具の内部機器構成図。
【図4】同実施形態における全体の機器の機能を示す機能構成図。
【図5】同実施形態におけるセンサ装置の内部機器構成図。
【図6】同実施形態におけるパソコンの内部機器構成図。
【図7】同実施形態における筆記具の動作を示すフロー図。
【図8】同実施形態におけるセンサ装置の動作を示すフロー図。
【図9】同実施形態におけるパソコンの動作を示すフロー図。
【符号の説明】
11・・・振動検知手段
14・・・基準レベル設定手段
15・・・レベル判定手段
16・・・入力軌跡情報出力手段
31・・・電子データ化処理手段
101・・・圧電素子(振動センサ)
F・・・手書入力データ
HPF・・・ハイパスフィルタ
LPF・・・ローパスフィルタ
P・・・筆記具
PM1・・・ペン先
WB・・・被書込対象物(ホワイトボード)
W1・・・書込面(ボード面)
Claims (11)
- 被書込対象物の書込面に手書入力による文字や線画等の手書入力データの書込みや書込んだ手書入力データの電子データ化を行い得る筆記具であって、筆記中の振動を検知する振動検知手段と、この振動検知手段が筆記中の振動を検知した際に手書入力による入力軌跡情報の電子データ化を行う電子データ化処理手段へその入力軌跡情報を出力する入力軌跡情報出力手段とを具備することを特徴とする筆記具。
- 先端部に前記書込面に接触する筆記のためのペン先を設け、前記振動検知手段を、このペン先に加わる振動を検知する圧電素子を利用して構成していることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- 前記振動検知手段で検知した振動の振幅レベルが所定値よりも大きな値を示した際に、前記入力軌跡情報出力手段が入力軌跡情報を前記電子データ化処理手段へ出力するように設定していることを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具。
- 前記振幅レベルの所定値を任意の振幅レベルを示す基準信号レベルに設定する基準レベル設定手段を設け、前記振動検知手段が検知する会話や雑音等の空気振動や該筆記具を支持する際に生じる手との接触による振動等の外乱から筆記中の振動を分離可能に構成していることを特徴とする請求項3記載の筆記具。
- 所定の周波数より高い周波数成分を通過させるハイパスフィルタを設け、前記振幅レベルが、このハイパスフィルタを通過したものであることを特徴とする請求項3又は4記載の筆記具。
- 前記ハイパスフィルタを通過した振幅レベルが、所定時間に亘って平均化したものであることを特徴とする請求項5記載の筆記具。
- 前記振動検知手段で検知した振幅レベルと前記基準レベル設定手段で設定した基準信号レベルとを比較するレベル判定手段を設け、このレベル判定手段が、前記振動検知手段で検知した振幅レベルを前記基準レベル設定手段で設定した基準信号レベルより大きいと判断した際に、前記入力軌跡情報出力手段が入力軌跡情報を前記電子データ化処理手段へ出力するように構成していることを特徴とする請求項4、5又は6記載の筆記具。
- 所定の周波数より低い周波数成分を通過させるローパスフィルタを設け、このローパスフィルタで通過する前記振動検知手段で検知した振動の振幅レベルを、筆記中の筆圧を示す振幅レベルとして入力軌跡情報出力手段に出力するように構成していることを特徴とする請求項2、3、4、5、6又は7記載の筆記具。
- 前記入力軌跡情報出力手段が入力軌跡情報を示す超音波を出力するように構成されたものであって、前記被書込対象物に手書入力を行った際に生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に、前記入力軌跡情報出力手段が前記電子データ化処理手段に超音波を出力することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又8記載の筆記具。
- 書込面上の位置情報を示すパターンが示された被書込対象物に手書入力を行った際にこの手書した入力軌跡情報をそのパターンに基づき読み取る入力軌跡読取手段を設け、前記被書込対象物の書込面に手書入力を行ったときに生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に、前記入力軌跡読取手段が読み取った入力軌跡情報を電子データ化処理手段に出力するように構成していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の筆記具。
- 紙等の書込面に照射光を照射する照射部と、この照射部で照射した照射光を前記書込面で反射させ反射した反射光を検出する光検出センサとを設け、前記被書込対象物の書込面に手書入力を行ったときに生じる振動を前記振動検知手段が検知した際に、前記照射光と前記反射光とで生じるドップラ効果を利用してペン先の位置を測定して得た入力軌跡情報を電子データ化処理手段に出力するように構成していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の筆記具。
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ID=31707507
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014106921A (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-09 | Samsung R&D Institute Japan Co Ltd | ポインティング装置及びポインティング装置用プログラム |
JP2018167460A (ja) * | 2017-03-29 | 2018-11-01 | コクヨ株式会社 | 筆記具 |
WO2022222979A1 (zh) * | 2021-04-22 | 2022-10-27 | 广州创知科技有限公司 | 书写方法、装置、交互平板和存储介质 |
-
2002
- 2002-07-10 JP JP2002200785A patent/JP2004046391A/ja active Pending
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