JP2004046132A - 自動焦点調節装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】合焦点を高速に求めることができると共に本体が大型化することのない自動焦点調節装置を提供することである。
【解決手段】光学部2によって被写体1からの光が光電変換素子等のイメージャから成る受光部3に導かれ、この受光部3で上記被写体1がデジタル画像として撮像される。光学部2の光路中で上記受光部3の受光面直前の位置と上記光学部2の光路外の位置との間には、移動可能なスプリットイメージプリズム4が配置される。そして、上記スプリットイメージプリズム4を通過した光線に基く映像信号のズレ量が制御部9で検出されて、当該ズレ量に基いて光学部2の焦点調節が行われる。
【選択図】 図1
【解決手段】光学部2によって被写体1からの光が光電変換素子等のイメージャから成る受光部3に導かれ、この受光部3で上記被写体1がデジタル画像として撮像される。光学部2の光路中で上記受光部3の受光面直前の位置と上記光学部2の光路外の位置との間には、移動可能なスプリットイメージプリズム4が配置される。そして、上記スプリットイメージプリズム4を通過した光線に基く映像信号のズレ量が制御部9で検出されて、当該ズレ量に基いて光学部2の焦点調節が行われる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は自動焦点調節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラは、撮影レンズを介して映像信号を電気的に検出できる撮像素子を有している。そして、デジタルカメラに於いては、この撮像素子から出力される映像信号の輝度情報を用いて、それが正しいピントになるようにピント合わせを行う技術が広く知られている。
【0003】
これは、撮影レンズを微調整して、像のコントラストが良好になるレンズ位置を求める技術であり、コントラストが高くなる位置に向った制御をするため、一般に鮮鋭度検出方式AF(コントラスト方式)と称されている。
【0004】
一方、銀塩カメラの一眼レフレックスカメラに於いては、TTL(Through The Lens)位相差方式によるAFが一般的に採用されている。撮影レンズを介して取り込まれた被写体からの光束が、可動ミラーより反射されてフィルムの等価面(一次結像面)上に導かれる(一次結像)。そして、上記フィルムの等価面に設置されたレンズにより二次結像されて、AF用のセンサに上記光束が導かれ二次結像面となる。この二次結像面の位置を測距しながら一次結像面上のレンズを移動させることにより、一次結像面上で合焦位置となるように制御するのがTTL位相差方式によるAFである。
【0005】
加えて、上記二次結像光学系の光束をセパレータレンズを用いて2つに分離(瞳分割)してラインセンサ上に導き、予め定められた規定値とのズレを比較することによって合焦位置を求めるのがTTL位相差方式によるAFである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したコントラスト方式のAFは、AF用のセンサを撮像用のセンサと兼用できる点からカメラ本体の小型化に有利であるが、像のコントラストが良好になる方向に撮影レンズを移動させて合焦位置を求めるため、一度のセンシングでは焦点調節の調節量と調節方向を検出することができない。そのため、撮影レンズを動かすための時間が必要であり、カメラ技術で称されるレリーズタイムラグが長くなってしまうという課題を有していた。
【0007】
一方、TTL位相差方式のAFは、規定値とのズレから合焦位置を求めるだけであるので、瞬時に合焦位置を求めることができる、すなわちレリーズタイムラグを短くすることができるものであった。しかしながら、被写体からの光束の一部を抽出して瞳分割し、更に再結像させるための二次結像光学系が必要であるので、部品点数が多くなってコストアップにつながると共に、カメラ本体自体も大型化してしまうという課題を有していた。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、合焦点を高速に求めることができる自動焦点調節装置を提供することを目的とする。また、本体が大型化することのない自動焦点調節装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち第1の発明は、被写体をデジタル画像として撮像するための受光手段と、上記受光手段へと被写体からの光を導くための光学手段と、上記光学手段の光路中で上記受光手段の受光面直前の位置と上記光学手段の光路外の位置との間で可動なスプリットイメージプリズムと、上記スプリットイメージプリズムを通過した光線に基く映像信号のズレ量を検出し、当該ズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節を行う制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
また、第2の発明は、被写体をデジタル画像として撮像するための受光手段と、上記受光手段へと被写体からの光を導くための光学手段と、上記受光手段の受光面直前で上記光学手段の光路外の位置に設置されたスプリットイメージプリズムと、上記光学手段の光路中に出し入れ可能で被写体からの光束の一部を上記スプリットイメージプリズムヘと導く偏向手段と、上記スプリットイメージプリズムを通過した光線に基く映像信号のズレ量を検出し、当該ズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節を行う制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】
第1の発明による自動焦点調節装置にあっては、光学手段によって被写体からの光が受光手段に導かれ、この受光手段で上記被写体がデジタル画像として撮像される。上記光学手段の光路中で上記受光手段の受光面直前の位置と上記光学手段の光路外の位置との間には、移動可能なスプリットイメージプリズムが配置される。そして、上記スプリットイメージプリズムを通過した光線に基く映像信号のズレ量が制御手段で検出されて、当該ズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節が行われる。
【0012】
第2の発明による自動焦点調節装置にあっては、光学手段によって被写体からの光が受光手段に導かれ、この受光手段で上記被写体がデジタル画像として撮像される。上記受光手段の受光面直前で上記光学手段の光路外の位置には、スプリットイメージプリズムが設置される。更に、上記光学手段の光路中に出し入れ可能な偏向手段によって、被写体からの光束の一部が上記スプリットイメージプリズムヘと導かれる。そして、上記スプリットイメージプリズムを通過した光線に基く映像信号のズレ量が制御手段で検出され、当該ズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節が行われる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1はこの発明の第1の実施の形態の構成を示すもので、自動焦点調節装置の基本構成を示したブロック図である。
【0015】
図1に於いて、被写体1からの撮影光束は、光学部2を介してCCDやMOS等の光電変換素子を有する撮像素子の受光部3に導かれる。この受光部3の前面部には、スプリットイメージプリズム4が設置されている。上記受光部3及び上記光学部2は、それぞれ第1の駆動部6及び第2の駆動部7を介して、制御部9により駆動制御されている。
【0016】
更に、上記スプリットイメージプリズム4は、第3の駆動部8を介して制御部9により駆動制御されることによって、図示矢印A方向に移動される。すなわち、制御部9及び第3の駆動部8によって、スプリットイメージプリズム4は受光部3面上から挿脱される。
【0017】
尚、上記第1の駆動部6は画像信号処理系の駆動手段で構成され、第2及び第3の駆動部7及び8は機構系の駆動手段で構成される。
【0018】
図2は、スプリットイメージプリズム4の構成を示す外観斜視図である。
【0019】
図2に示されるように、スプリットイメージプリズム4は、2つの互いに反対方向に傾斜した半円形のくさび形プリズムを、上下或いは斜めに配置して構成されたものである。
【0020】
図3は、受光部3上のスプリットイメージプリズム4の位置を示した上面図である。
【0021】
受光部3は複数個の有効画素13を有しており、AF時には上記スプリットイメージプリズム4が図示矢印A1 方向に移動されて、有効画素13の略中央に配置される。そして、撮像時は図示矢印A2 方向にスプリットイメージプリズム4が移動されて、受光部3の外へ配置される。これにより、撮像時に被写体からの光束を遮ることはない。
【0022】
図4乃至図6は、スプリットイメージプリズムと焦点状態との関係を示した図である。このスプリットイメージプリズムと焦点状態との関係は、(株)写真工業出版社の「カメラ技術ハンドブック」(1979年7月15日発行、鈴木愛三著)の第108頁乃至第111頁に詳細に記載されているので、ここではその構成を基にして原理を簡単に説明する。
【0023】
スプリットイメージプリズムは、撮影レンズ16の光軸上に位置する2つのくさび形プリズムの交点がピント面であり、プリズムの境界部で像がずれる典型的な上下像合致式でのものである。
【0024】
図4(a)は合焦時のスプリットイメージプリズムと被写体の像の状態を説明する図、(b)は(a)の状態に於ける被写体の像の見え方の例を示した図である。
【0025】
撮影レンズ16により線状の被写体の像が、スプリットイメージプリズム4の上下2つのくさび形プリズムの交線上Oに結んでいるため、上下2つのくさび形プリズムとも全く同じ位置0′(O″)に像ができる。このとき、接眼レンズ17を介してユーザの眼18には、図4(b)に示されるように、上下の線(被写体の像)が1本の線のように見えることになる。
【0026】
図5(a)は線状の被写体の像がスプリットイメージプリズムより前方に結んだ(前ピン)場合のスプリットイメージプリズムと被写体の像の状態を説明する図、(b)は(a)の状態に於ける被写体の像の見え方の例を示した図である。
【0027】
この場合、上下のくさび形プりズムにより互いに逆方向に光が屈折され、像はO′、O″のように左右に分かれて見える。
【0028】
更に、図6(a)は線状の被写体の像がスプリットイメージプリズムより後方に結んだ(後ピン)場合のスプリットイメージプリズムと被写体の像の状態を説明する図、(b)は(a)の状態に於ける被写体の像の見え方の例を示した図である。
【0029】
この場合、図5に示される像とは逆方向に像がずれる。
【0030】
尚、図5(a)に於いて、αはスプリットイメージプリズム4のくさび角、fe は接眼レンズ17の焦点距離、Δp は最小のピンぼけ量、δp は像の分離量である。
【0031】
このように、スプリットイメージプリズムでは、前ピンと後ピンで上下像のずれ方が異なり、像のズレが少なくなる方向に撮影レンズの回転方向を通常合わせてある。
【0032】
図7は、第1の実施の形態での焦点ズレと映像信号のズレの関係を示したもので、(a)は上面図、(b)は検出される焦点ズレ量(デフォーカス量)とオフセット量を示した側面図である。
【0033】
いま、上述したコントラスト方式で、受光部3の受光面に焦点調節されたものとする。そして、この合焦状態で受光部3の受光面の直前にスプリットイメージプリズム4が挿入されて、結像位置が受光面3aから現在の受光面19の位置にずれたとする。
【0034】
このとき、スプリットイメージプリズム4が挿入されたことによる映像信号のズレ量が検出されれば、この映像信号のズレ量がデフォーカス量のオフセット分(スプリットイメージプリズム面4aと受光面3a間の距離)に相当する。したがって、これを調整値とすれば、正確に焦点調節が可能である。このオフセット分は、例えば光学ローパスフィルタ、撮像素子の保護ガラス、スプリットイメージプリズムの移動に必要な隙間、等により生じる。
【0035】
上記調整値に従って、横方向にずれた像14(図6(b)参照)を一本の線状の像(図4(b)参照)にするべく、すなわち合焦するように撮影レンズ16が駆動される。ここで、スプリットイメージプリズムのくさび角は、光学部2の絞りに対応して受光部3に入射する入射光を適切に検出でき、また、焦点調節に要求される検出精度を満たすように設定される。
【0036】
図8は、映像信号のズレ量を検出するために映像信号から処理する信号のみを抽出する例について示すもので、(a)は横方向に配列された複数の画素から成る有効画素上のスプリットイメージプリズム上の後ピンの像を示した図、(b)は(a)の各画素が白黒(すなわち、色フィルタ無し)の場合の画素出力の例を示した図、(c)は(a)の各画素がRGB原色のベイヤー配列の画素出力の例を示した図、(d)は(a)の各画素がRGB原色のベイヤー配列の画素出力の他の例を示した図である。
【0037】
尚、図中のR、G、Bは、それぞれ赤、緑、青の色フィルタを有するセンサを表しているものとする。
【0038】
また、本実施の形態では、被写体をデジタル画像として撮像するための撮像素子の各画素を、横方向、すなわち水平方向に配列された画素のセンサから成るセンサアレイを複数本、縦方向、すなわち垂直方向に並べられたセンサとみなしている。
【0039】
図8(a)に示されるように、2次元配列された有効画素13が白黒の複数のセンサアレイで構成されている場合、映像信号がずれている部分は、横方向に隣接した2本のセンサアレイによって、例えば図8(b)に示されるように表される。この場合、図示ズレ量を有する上下の像が抽出され、映像信号のズレ量について位相差演算が行われて、像の合焦位置が求められる。
【0040】
図8(a)に示される有効画素13がカラーの複数のセンサアレイで構成されている場合、映像信号がずれている像14は、横方向に配列された2本のセンサアレイによって、例えば図8(c)及び(d)に示されるように表される。すなわち、RGB原色のベイヤー配列のセンサアレイ出力は、例えば同じ配色のセンサアレイが一列おきに配置されているため、上下の像を比較するためには一列おきに配列された同じ配色のセンサアレイ同士が用いられる。そして、図8(c)及び(d)に示される映像信号のズレ量について位相差演算が行われて、像の合焦位置が求められる。
【0041】
尚、スプリットイメージプリズム4のスプリット位置が有効画素13上のどの位置に設定されるかは、組み立て誤差や駆動誤差が原因となり一定ではない。したがって、複数列の上下の映像信号を抽出して、映像信号のズレ量が検出できたそのズレ量に基いて焦点調節が行われるようになっている。
【0042】
次に、図9及び図10を参照して、この発明の第1の実施の形態に於ける焦点調節の動作について説明する。
【0043】
図9は有効画素中の検出エリアを示した図、図10は第1の実施の形態に於ける焦点調節の動作について説明するフローチャートである。尚、この動作は制御部9によって制御される。
【0044】
焦点調節動作に入ると、先ずステップS1にて、有効画素13中の検出エリア20の水平方向である先頭座標xが取得される。それと同時に、ステップS2にて上記検出エリア20の垂直方向である先頭座標yが取得される。
【0045】
次いで、ステップS3にて、図9に示される検出エリア20の水平方向である幅wが取得される。更に、ステップS4にて、上記検出エリア20の垂直方向である高さ4hが取得される。そして、ステップS5にて、有効画素13中のセンサアレイの最初のラインを表す0がnにセットされる。
【0046】
ステップS6では、y+2n行目のxからx+wまでの画像データが取得される。続いて、ステップS7にて、y+2(n+1)行目のxからx+wまでの画像データが取得される。これにより、検出エリア20内の偶数行に於ける第1行目と第2行目の画像データが取得される。そして、ステップS8にて、上記ステップS6及びS7で取得された画像データから位相差演算が行われ、その結果が図示されない記憶部の記憶領域F(2n)に書き込まれる。
【0047】
また、ステップS9では、y+2n+1行目のxからx+wまでの画像データが取得される。続いて、ステップS10にて、y+2(n+1)+1行目のxからx+wまでの画像データが取得される。これにより、検出エリア20内の奇数行に於ける第1行目と第2行目の画像データが取得される。そして、ステップS11にて、上記ステップS9及びS10で取得された画像データから位相差演算が行われ、その結果が上記記憶部の記憶領域F(2n+1)に書き込まれる。
【0048】
次いで、ステップS12にてnの値がインクリメントされた後、ステップS13に於いてnの値が判定される。上記ステップS6、S7、S9、S10で偶数行及び奇数行についてそれぞれ2行ずつ、合わせて4行の画像データが取得されているので、4つの行に対して高さhに達したかどうかを判定すれば、検出エリア20内の全ての行(高さ4h)について判定することになる。したがって、このステップS13に於いてn=hとなるまで、上記ステップS6〜S13が繰り返される。
【0049】
そして、検出エリア20内の画像データが全て得られたならば、ステップS14に移行して、F(0)〜F(2h)の中から0にならないF(*)が抽出される。ここで、所定量以下であれば0とされる。但し、所定量とは、ノイズレベルに基いて予め定められた値である。F(*)=0となる部分はスプリットイメージプリズム上で分離されない像の部分であり、F(*)=0となる部分が上記像が分離されるスプリット位置になる。
【0050】
したがって、ステップS15にて、上記ステップS14で抽出されたF(*)の値に基いて、レンズの駆動方向と駆動量が算出される。ステップS16では、ここで算出された駆動方向及び駆動量に従って撮影レンズが駆動されて、焦点調節が実行される。
【0051】
図11は、映像信号の斜め成分による誤差を説明するための図である。
【0052】
図7及び図8では、スプリットイメージプリズム4のスプリット部を挟んだ上下のみで映像信号のズレが生じ、その他にはズレが生じない場合の、基本的な像ズレについて説明した。しかしながら、実際には、スプリットイメージプリズム4のスプリット部を挟んだ上下のみで映像信号のズレが生じ、その他にはズレが生じない等といったことはほとんどない。したがって、上記スプリット部を挟んで斜めに像ズレが生じている場合の例について、図11及び図12を参照して説明する。
【0053】
図12は、映像信号の斜め成分による誤差を考慮した焦点調節の動作について説明するフローチャートである。尚、この動作は制御部9によって制御される。
【0054】
焦点調節動作に入ると、先ずステップS21にて、有効画素13中の検出エリア20の水平方向である先頭座標xが取得される。同時に、ステップS22にて上記検出エリア20の垂直方向である先頭座標yが取得される。
【0055】
次いで、ステップS23にて、図9に示される検出エリア20の水平方向である幅wが取得される。更に、ステップS24にて、上記検出エリア20の垂直方向である高さ4hが取得される。そして、ステップS25にて、有効画素13中のセンサアレイの最初のラインを表す0がnにセットされる。
【0056】
ステップS26では、y+2n行目のxからx+wまでの画像データが取得される。続いて、ステップS27にて、y+2(n+1)行目のxからx+wまでの画像データが取得される。これにより、検出エリア20内の偶数行に於ける第1行目と第2行目の画像データが取得される。そして、ステップS28にて、上記ステップS26及びS27で取得された画像データから位相差演算が行われ、その結果が図示されない記憶部の記憶領域F(2n)に書き込まれる。
【0057】
また、ステップS29では、y+2n+1行目のxからx+wまでの画像データが取得される。続いて、ステップS30にて、y+2(n+1)+1行目のxからx+wまでの画像データが取得される。これにより、検出エリア20内の奇数行に於ける第1行目と第2行目の画像データが取得される。そして、ステップS31にて、上記ステップS29及びS30で取得された画像データから位相差演算が行われ、その結果が上記記憶部の記憶領域F(2n+1)に書き込まれる。
【0058】
次いで、ステップS32にてnの値がインクリメントされた後、ステップS33に於いてnの値が判定される。上記ステップS26、S27、S29、S30で偶数行及び奇数行についてそれぞれ2行ずつ、合わせて4行の画像データが取得されているので、4つの行に対して高さhに達したかどうかを判定すれば、検出エリア20内の全ての行(高さ4h)について判定することになる。したがって、このステップS33に於いてn=hとなるまで、上記ステップS26〜S33が繰り返される。
【0059】
そして、検出エリア20内の画像データが全て得られたならば、ステップS34に移行して、F(0)〜F(2h)の中から最大値と最小値とが抽出される。次いで、ステップS35では、上記ステップS34で得られた最大値と最小値の中間値が算出される。
【0060】
更に、ステップS36では、上記F(0)〜F(2h)中の中間値以上の値の平均値が得られて、上記記憶部の記憶領域Fに書き込まれる。そして、ステップS37にて、上記F(0)〜F(2h)中の中間値未満の値の平均値が得られて、上記記憶部の記憶領域ΔFに書き込まれる。
【0061】
ステップS38では、上記ステップS36及びS37で得られた2つの平均値の差(F−ΔF)の値に基いて、レンズの駆動方向と駆動量が算出される。これにより、ステップS39にて、算出された駆動方向及び駆動量に従って撮影レンズが駆動され、焦点調節が実行される。
【0062】
次に、スプリットイメージプリズムの回転誤差を考慮した焦点調節の動作について説明する。
【0063】
上述したように、スプリットイメージプリズム4は第3の駆動部8によって、受光部3上に挿脱可能とされている。ここで、スプリットイメージプリズム4は、受光部3の有効画素13上に必ずしも正確に配置されるとは限らない。
【0064】
図13は、こうしたスプリットイメージプリズムの回転誤差を説明するための図である。
【0065】
組み立て誤差により、受光部の画素列の方向とスプリットイメージプリズムのスプリット方向に誤差が生じた場合に、この対策が行われる。
【0066】
いま、図13(a)に示されるように、スプリットイメージプリズム4のスプリット部が2本の像14に対して斜めになっている場合、隣接するセンサアレイの映像信号の成分は、実際には像14はずれているにもかかわらず、図13(b)に示されるように、あたかも3本の像信号が得られてズレがないような信号であると誤解してしまう虞れがある。
【0067】
そのため、所定のライン、この場合2ライン隔てた2つのセンサアレイの映像信号の成分を取得するようにする。図13(c)は、こうして得られた映像信号の成分を表したもので、左右にずれていることがわかる。
【0068】
次に、図14のフローチャートを参照して、スプリットイメージプリズムの回転誤差を考慮した焦点調節の動作について説明する。尚、この動作は制御部9によって制御される。
【0069】
焦点調節動作に入ると、先ずステップS41にて、有効画素13中の検出エリア20の水平方向である先頭座標xが取得される。同時に、ステップS42にて上記検出エリア20の垂直方向である先頭座標yが取得される。更に、ステップS43にて、図9に示される検出エリア20の水平方向である幅wが取得される。
【0070】
そして、ステップS44にて、機構系(第3の駆動部8)の誤差対策であるオフセット量kが取得される。但し、このオフセット量kは偶数であるものとする。また、ステップS45では、上記検出エリア20の垂直方向である高さ4h+kが取得される。更に、ステップS46にて、有効画素13中のセンサアレイの最初のラインを表す0がnにセットされる。
【0071】
次に、ステップS47にて、y+2n行目のxからx+wまでの画像データが取得される。続いて、ステップS48にてy+2(n+1)+k行目のxからx+wまでの画像データが取得される。これにより、検出エリア20内の偶数行に於ける画像データが取得される。そして、ステップS49にて、上記ステップS47及びS48で取得された画像データから位相差演算が行われ、その結果が図示されない記憶部の記憶領域F(2n)に書き込まれる。
【0072】
また、ステップS50では、y+2n+1行目のxからx+wまでの画像データが取得される。続いて、ステップS51にて、y+2(n+1)+1+k行目のxからx+wまでの画像データが取得される。これにより、検出エリア20内の奇数行に於ける画像データが取得される。そして、ステップS52にて、上記ステップS50及びS51で取得された画像データから位相差演算が行われ、その結果が上記記憶部の記憶領域F(2n+1)に書き込まれる。
【0073】
次いで、ステップS53にてnの値がインクリメントされた後、ステップS54に於いてnの値が判定される。上記ステップS47、S48、S50、S51で偶数行及び奇数行についてそれぞれ2行ずつ、合わせて4行の画像データが取得されているので、4つの行に対して高さhに達したかどうかを判定すれば、検出エリア20内の全ての行(高さ4h)について判定することになる。したがって、このステップS54に於いてn=hとなるまで、上記ステップS47〜S54が繰り返される。
【0074】
そして、検出エリア20内の画像データが全て得られたならば、ステップS55に移行して、F(0)〜F(2h)の中から0にならないF(*)が抽出される。続いて、ステップS56では、上記ステップS55で抽出されたF(*)の値に基いて、レンズの駆動方向と駆動量が算出される。
【0075】
尚、F(*)は、所定量以下であれば0とされる。但し、所定量とは、ノイズレベルに基いて予め定められた値であ里、且つ演算エラーが発生したものに関しては除外される。
【0076】
こうして算出された駆動方向及び駆動量に従って、ステップS57にて撮影レンズが駆動されて、焦点調節が実行される。
【0077】
また、図示されないが、焦点ズレ量(デフォーカス量)があまり大きいと、映像信号が鮮明に得られず、映像信号のズレ量を検出することが不可能になる場合がある。この場合、以下のような対策を行うようにすればよい。1つはコントラスト方式(山登り方式)や位相差方式では一般的であり、公知の技術であるレンズスキャンを行うものである。もう1つは、焦点ズレ量(デフォーカス量)が大きくても映像信号が鮮明に得られるように光学系を絞って検出することである。
【0078】
尚、上記図1に於いては、スプリットイメージプリズムを矢印A方向に移動しているが、これに限らず、受光部3に対して挿脱されるように移動してもよい。
【0079】
次に、この発明の第2の実施の形態について説明する。
【0080】
上述した第1の実施の形態では、スプリットイメージプリズム4を第1の駆動部6によって受光部3の受光面上に挿脱可能に配置していたが、この第2の実施の形態では偏向手段によってAF時と撮像時の光路を切り換えるようにしている。
【0081】
図15はこの発明の第2の実施の形態の構成を示すもので、自動焦点調節装置の基本構成を示したブロック図である。
【0082】
図15に於いて、被写体1からの撮影光束は、光学部2及び偏向部11を介して受光部3に導かれる。上記受光部3及び上記光学部2は、それぞれ第1の駆動部6及び第2の駆動部7を介して、制御部9により駆動制御されている。
【0083】
上記光学部2と受光部3の間には、光路を切り換えることが可能な偏向部11が配置される。この辺後部11は、第3の駆動部3を介して制御部9によって制御されるもので、AF時には光路中に挿入され、撮像時には該光路外に退避される。
【0084】
図16は、受光部3上のスプリットイメージプリズム4の位置を示した上面図である。
【0085】
受光部3は複数個の有効画素13を有しており、AF時には偏向部11が光路中に配置されることによって、被写体からの光束はスプリットイメージプリズム4が配置されている側に偏向される。一方、撮像時には偏向部11は退避するので、被写体からの光束は有効画素13に導かれる。
【0086】
このように、AF時の使用受光エリアと撮像時の使用受光エリアは異なっている。画素の並ぶ方向(縦または横)の何れかの方向とスプリットイメージプリズムのスプリット方向は略等しいものとする。
【0087】
尚、各実施の形態のスプリットイメージプリズムは、同様の機能を有する光学部材であればこれに限定されるものではない。
【0088】
また、図16に於いて、有効画素の間は無効画素(OB(=Optical Black)画素)となるが、これは無くても良い。
【0089】
更に、この第2の実施の形態に関しては、図示されないが、オフセット量は偏向部11の有無に起因する光路長の差となる。
【0090】
また、調整値に関しては、コントラスト方式とスプリットイメージプリズムを用いた時とで、光学部の駆動量の差としても良い。
【0091】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、合焦点を高速に求めることができると共に本体が大型化することのない自動焦点調節装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の構成を示すもので、自動焦点調節装置の基本構成を示したブロック図である。
【図2】スプリットイメージプリズム4の構成を示す外観斜視図である。
【図3】受光部3上のスプリットイメージプリズム4の位置を示した上面図である。
【図4】スプリットイメージプリズムと焦点状態との関係を示したもので、(a)は合焦時のスプリットイメージプリズムと被写体の像の状態を説明する図、(b)は(a)の状態に於ける被写体の像の見え方の例を示した図である。
【図5】スプリットイメージプリズムと焦点状態との関係を示したもので、(a)は線状の被写体の像がスプリットイメージプリズムより前方に結んだ(前ピン)場合のスプリットイメージプリズムと被写体の像の状態を説明する図、(b)は(a)の状態に於ける被写体の像の見え方の例を示した図である。
【図6】スプリットイメージプリズムと焦点状態との関係を示したもので、(a)は線状の被写体の像がスプリットイメージプリズムより後方に結んだ(後ピン)場合のスプリットイメージプリズムと被写体の像の状態を説明する図、(b)は(a)の状態に於ける被写体の像の見え方の例を示した図である。
【図7】焦点ズレと映像信号のズレの関係を示したもので、(a)は上面図、(b)は検出される焦点ズレ量(デフォーカス量)とオフセット量を示した側面図である。
【図8】映像信号のズレ量を検出するために映像信号から処理する信号のみを抽出する例について示すもので、(a)は横方向に配列された複数のセンサアレイから成る有効画素上のスプリットイメージプリズム上の後ピンの像を示した図、(b)は(a)のセンサアレイが白黒の場合のセンサアレイ出力の例を示した図、(c)は(a)のセンサアレイがRGB原色のベイヤー配列のセンサアレイ出力の例を示した図、(d)は(a)のセンサアレイがRGB原色のベイヤー配列のセンサアレイ出力の他の例を示した図である。
【図9】この発明の第1の実施の形態に於ける焦点調節の動作について説明するもので、有効画素中の検出エリアを示した図である。
【図10】この発明の第1の実施の形態に於ける焦点調節の動作について説明するフローチャートである。
【図11】映像信号の斜め成分による誤差を説明するための図である。
【図12】映像信号の斜め成分による誤差を考慮した焦点調節の動作について説明するフローチャートである。
【図13】スプリットイメージプリズムの回転誤差を説明するための図である。
【図14】スプリットイメージプリズムの回転誤差を考慮した焦点調節の動作について説明するフローチャートである。
【図15】この発明の第2の実施の形態の構成を示すもので、自動焦点調節装置の基本構成を示したブロック図である。
【図16】第2の実施の形態に於ける受光部3上のスプリットイメージプリズム4の位置を示した上面図である。
【符号の説明】
1…被写体、2…光学部、3…受光部、4…スプリットイメージプリズム、6…第1の駆動部、7…第2の駆動部、8…第3の駆動部、9…制御部、13…有効画素、16…撮影レンズ、17…接眼レンズ、18…眼、20…検出エリア。
【発明の属する技術分野】
この発明は自動焦点調節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラは、撮影レンズを介して映像信号を電気的に検出できる撮像素子を有している。そして、デジタルカメラに於いては、この撮像素子から出力される映像信号の輝度情報を用いて、それが正しいピントになるようにピント合わせを行う技術が広く知られている。
【0003】
これは、撮影レンズを微調整して、像のコントラストが良好になるレンズ位置を求める技術であり、コントラストが高くなる位置に向った制御をするため、一般に鮮鋭度検出方式AF(コントラスト方式)と称されている。
【0004】
一方、銀塩カメラの一眼レフレックスカメラに於いては、TTL(Through The Lens)位相差方式によるAFが一般的に採用されている。撮影レンズを介して取り込まれた被写体からの光束が、可動ミラーより反射されてフィルムの等価面(一次結像面)上に導かれる(一次結像)。そして、上記フィルムの等価面に設置されたレンズにより二次結像されて、AF用のセンサに上記光束が導かれ二次結像面となる。この二次結像面の位置を測距しながら一次結像面上のレンズを移動させることにより、一次結像面上で合焦位置となるように制御するのがTTL位相差方式によるAFである。
【0005】
加えて、上記二次結像光学系の光束をセパレータレンズを用いて2つに分離(瞳分割)してラインセンサ上に導き、予め定められた規定値とのズレを比較することによって合焦位置を求めるのがTTL位相差方式によるAFである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したコントラスト方式のAFは、AF用のセンサを撮像用のセンサと兼用できる点からカメラ本体の小型化に有利であるが、像のコントラストが良好になる方向に撮影レンズを移動させて合焦位置を求めるため、一度のセンシングでは焦点調節の調節量と調節方向を検出することができない。そのため、撮影レンズを動かすための時間が必要であり、カメラ技術で称されるレリーズタイムラグが長くなってしまうという課題を有していた。
【0007】
一方、TTL位相差方式のAFは、規定値とのズレから合焦位置を求めるだけであるので、瞬時に合焦位置を求めることができる、すなわちレリーズタイムラグを短くすることができるものであった。しかしながら、被写体からの光束の一部を抽出して瞳分割し、更に再結像させるための二次結像光学系が必要であるので、部品点数が多くなってコストアップにつながると共に、カメラ本体自体も大型化してしまうという課題を有していた。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、合焦点を高速に求めることができる自動焦点調節装置を提供することを目的とする。また、本体が大型化することのない自動焦点調節装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち第1の発明は、被写体をデジタル画像として撮像するための受光手段と、上記受光手段へと被写体からの光を導くための光学手段と、上記光学手段の光路中で上記受光手段の受光面直前の位置と上記光学手段の光路外の位置との間で可動なスプリットイメージプリズムと、上記スプリットイメージプリズムを通過した光線に基く映像信号のズレ量を検出し、当該ズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節を行う制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
また、第2の発明は、被写体をデジタル画像として撮像するための受光手段と、上記受光手段へと被写体からの光を導くための光学手段と、上記受光手段の受光面直前で上記光学手段の光路外の位置に設置されたスプリットイメージプリズムと、上記光学手段の光路中に出し入れ可能で被写体からの光束の一部を上記スプリットイメージプリズムヘと導く偏向手段と、上記スプリットイメージプリズムを通過した光線に基く映像信号のズレ量を検出し、当該ズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節を行う制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】
第1の発明による自動焦点調節装置にあっては、光学手段によって被写体からの光が受光手段に導かれ、この受光手段で上記被写体がデジタル画像として撮像される。上記光学手段の光路中で上記受光手段の受光面直前の位置と上記光学手段の光路外の位置との間には、移動可能なスプリットイメージプリズムが配置される。そして、上記スプリットイメージプリズムを通過した光線に基く映像信号のズレ量が制御手段で検出されて、当該ズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節が行われる。
【0012】
第2の発明による自動焦点調節装置にあっては、光学手段によって被写体からの光が受光手段に導かれ、この受光手段で上記被写体がデジタル画像として撮像される。上記受光手段の受光面直前で上記光学手段の光路外の位置には、スプリットイメージプリズムが設置される。更に、上記光学手段の光路中に出し入れ可能な偏向手段によって、被写体からの光束の一部が上記スプリットイメージプリズムヘと導かれる。そして、上記スプリットイメージプリズムを通過した光線に基く映像信号のズレ量が制御手段で検出され、当該ズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節が行われる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1はこの発明の第1の実施の形態の構成を示すもので、自動焦点調節装置の基本構成を示したブロック図である。
【0015】
図1に於いて、被写体1からの撮影光束は、光学部2を介してCCDやMOS等の光電変換素子を有する撮像素子の受光部3に導かれる。この受光部3の前面部には、スプリットイメージプリズム4が設置されている。上記受光部3及び上記光学部2は、それぞれ第1の駆動部6及び第2の駆動部7を介して、制御部9により駆動制御されている。
【0016】
更に、上記スプリットイメージプリズム4は、第3の駆動部8を介して制御部9により駆動制御されることによって、図示矢印A方向に移動される。すなわち、制御部9及び第3の駆動部8によって、スプリットイメージプリズム4は受光部3面上から挿脱される。
【0017】
尚、上記第1の駆動部6は画像信号処理系の駆動手段で構成され、第2及び第3の駆動部7及び8は機構系の駆動手段で構成される。
【0018】
図2は、スプリットイメージプリズム4の構成を示す外観斜視図である。
【0019】
図2に示されるように、スプリットイメージプリズム4は、2つの互いに反対方向に傾斜した半円形のくさび形プリズムを、上下或いは斜めに配置して構成されたものである。
【0020】
図3は、受光部3上のスプリットイメージプリズム4の位置を示した上面図である。
【0021】
受光部3は複数個の有効画素13を有しており、AF時には上記スプリットイメージプリズム4が図示矢印A1 方向に移動されて、有効画素13の略中央に配置される。そして、撮像時は図示矢印A2 方向にスプリットイメージプリズム4が移動されて、受光部3の外へ配置される。これにより、撮像時に被写体からの光束を遮ることはない。
【0022】
図4乃至図6は、スプリットイメージプリズムと焦点状態との関係を示した図である。このスプリットイメージプリズムと焦点状態との関係は、(株)写真工業出版社の「カメラ技術ハンドブック」(1979年7月15日発行、鈴木愛三著)の第108頁乃至第111頁に詳細に記載されているので、ここではその構成を基にして原理を簡単に説明する。
【0023】
スプリットイメージプリズムは、撮影レンズ16の光軸上に位置する2つのくさび形プリズムの交点がピント面であり、プリズムの境界部で像がずれる典型的な上下像合致式でのものである。
【0024】
図4(a)は合焦時のスプリットイメージプリズムと被写体の像の状態を説明する図、(b)は(a)の状態に於ける被写体の像の見え方の例を示した図である。
【0025】
撮影レンズ16により線状の被写体の像が、スプリットイメージプリズム4の上下2つのくさび形プリズムの交線上Oに結んでいるため、上下2つのくさび形プリズムとも全く同じ位置0′(O″)に像ができる。このとき、接眼レンズ17を介してユーザの眼18には、図4(b)に示されるように、上下の線(被写体の像)が1本の線のように見えることになる。
【0026】
図5(a)は線状の被写体の像がスプリットイメージプリズムより前方に結んだ(前ピン)場合のスプリットイメージプリズムと被写体の像の状態を説明する図、(b)は(a)の状態に於ける被写体の像の見え方の例を示した図である。
【0027】
この場合、上下のくさび形プりズムにより互いに逆方向に光が屈折され、像はO′、O″のように左右に分かれて見える。
【0028】
更に、図6(a)は線状の被写体の像がスプリットイメージプリズムより後方に結んだ(後ピン)場合のスプリットイメージプリズムと被写体の像の状態を説明する図、(b)は(a)の状態に於ける被写体の像の見え方の例を示した図である。
【0029】
この場合、図5に示される像とは逆方向に像がずれる。
【0030】
尚、図5(a)に於いて、αはスプリットイメージプリズム4のくさび角、fe は接眼レンズ17の焦点距離、Δp は最小のピンぼけ量、δp は像の分離量である。
【0031】
このように、スプリットイメージプリズムでは、前ピンと後ピンで上下像のずれ方が異なり、像のズレが少なくなる方向に撮影レンズの回転方向を通常合わせてある。
【0032】
図7は、第1の実施の形態での焦点ズレと映像信号のズレの関係を示したもので、(a)は上面図、(b)は検出される焦点ズレ量(デフォーカス量)とオフセット量を示した側面図である。
【0033】
いま、上述したコントラスト方式で、受光部3の受光面に焦点調節されたものとする。そして、この合焦状態で受光部3の受光面の直前にスプリットイメージプリズム4が挿入されて、結像位置が受光面3aから現在の受光面19の位置にずれたとする。
【0034】
このとき、スプリットイメージプリズム4が挿入されたことによる映像信号のズレ量が検出されれば、この映像信号のズレ量がデフォーカス量のオフセット分(スプリットイメージプリズム面4aと受光面3a間の距離)に相当する。したがって、これを調整値とすれば、正確に焦点調節が可能である。このオフセット分は、例えば光学ローパスフィルタ、撮像素子の保護ガラス、スプリットイメージプリズムの移動に必要な隙間、等により生じる。
【0035】
上記調整値に従って、横方向にずれた像14(図6(b)参照)を一本の線状の像(図4(b)参照)にするべく、すなわち合焦するように撮影レンズ16が駆動される。ここで、スプリットイメージプリズムのくさび角は、光学部2の絞りに対応して受光部3に入射する入射光を適切に検出でき、また、焦点調節に要求される検出精度を満たすように設定される。
【0036】
図8は、映像信号のズレ量を検出するために映像信号から処理する信号のみを抽出する例について示すもので、(a)は横方向に配列された複数の画素から成る有効画素上のスプリットイメージプリズム上の後ピンの像を示した図、(b)は(a)の各画素が白黒(すなわち、色フィルタ無し)の場合の画素出力の例を示した図、(c)は(a)の各画素がRGB原色のベイヤー配列の画素出力の例を示した図、(d)は(a)の各画素がRGB原色のベイヤー配列の画素出力の他の例を示した図である。
【0037】
尚、図中のR、G、Bは、それぞれ赤、緑、青の色フィルタを有するセンサを表しているものとする。
【0038】
また、本実施の形態では、被写体をデジタル画像として撮像するための撮像素子の各画素を、横方向、すなわち水平方向に配列された画素のセンサから成るセンサアレイを複数本、縦方向、すなわち垂直方向に並べられたセンサとみなしている。
【0039】
図8(a)に示されるように、2次元配列された有効画素13が白黒の複数のセンサアレイで構成されている場合、映像信号がずれている部分は、横方向に隣接した2本のセンサアレイによって、例えば図8(b)に示されるように表される。この場合、図示ズレ量を有する上下の像が抽出され、映像信号のズレ量について位相差演算が行われて、像の合焦位置が求められる。
【0040】
図8(a)に示される有効画素13がカラーの複数のセンサアレイで構成されている場合、映像信号がずれている像14は、横方向に配列された2本のセンサアレイによって、例えば図8(c)及び(d)に示されるように表される。すなわち、RGB原色のベイヤー配列のセンサアレイ出力は、例えば同じ配色のセンサアレイが一列おきに配置されているため、上下の像を比較するためには一列おきに配列された同じ配色のセンサアレイ同士が用いられる。そして、図8(c)及び(d)に示される映像信号のズレ量について位相差演算が行われて、像の合焦位置が求められる。
【0041】
尚、スプリットイメージプリズム4のスプリット位置が有効画素13上のどの位置に設定されるかは、組み立て誤差や駆動誤差が原因となり一定ではない。したがって、複数列の上下の映像信号を抽出して、映像信号のズレ量が検出できたそのズレ量に基いて焦点調節が行われるようになっている。
【0042】
次に、図9及び図10を参照して、この発明の第1の実施の形態に於ける焦点調節の動作について説明する。
【0043】
図9は有効画素中の検出エリアを示した図、図10は第1の実施の形態に於ける焦点調節の動作について説明するフローチャートである。尚、この動作は制御部9によって制御される。
【0044】
焦点調節動作に入ると、先ずステップS1にて、有効画素13中の検出エリア20の水平方向である先頭座標xが取得される。それと同時に、ステップS2にて上記検出エリア20の垂直方向である先頭座標yが取得される。
【0045】
次いで、ステップS3にて、図9に示される検出エリア20の水平方向である幅wが取得される。更に、ステップS4にて、上記検出エリア20の垂直方向である高さ4hが取得される。そして、ステップS5にて、有効画素13中のセンサアレイの最初のラインを表す0がnにセットされる。
【0046】
ステップS6では、y+2n行目のxからx+wまでの画像データが取得される。続いて、ステップS7にて、y+2(n+1)行目のxからx+wまでの画像データが取得される。これにより、検出エリア20内の偶数行に於ける第1行目と第2行目の画像データが取得される。そして、ステップS8にて、上記ステップS6及びS7で取得された画像データから位相差演算が行われ、その結果が図示されない記憶部の記憶領域F(2n)に書き込まれる。
【0047】
また、ステップS9では、y+2n+1行目のxからx+wまでの画像データが取得される。続いて、ステップS10にて、y+2(n+1)+1行目のxからx+wまでの画像データが取得される。これにより、検出エリア20内の奇数行に於ける第1行目と第2行目の画像データが取得される。そして、ステップS11にて、上記ステップS9及びS10で取得された画像データから位相差演算が行われ、その結果が上記記憶部の記憶領域F(2n+1)に書き込まれる。
【0048】
次いで、ステップS12にてnの値がインクリメントされた後、ステップS13に於いてnの値が判定される。上記ステップS6、S7、S9、S10で偶数行及び奇数行についてそれぞれ2行ずつ、合わせて4行の画像データが取得されているので、4つの行に対して高さhに達したかどうかを判定すれば、検出エリア20内の全ての行(高さ4h)について判定することになる。したがって、このステップS13に於いてn=hとなるまで、上記ステップS6〜S13が繰り返される。
【0049】
そして、検出エリア20内の画像データが全て得られたならば、ステップS14に移行して、F(0)〜F(2h)の中から0にならないF(*)が抽出される。ここで、所定量以下であれば0とされる。但し、所定量とは、ノイズレベルに基いて予め定められた値である。F(*)=0となる部分はスプリットイメージプリズム上で分離されない像の部分であり、F(*)=0となる部分が上記像が分離されるスプリット位置になる。
【0050】
したがって、ステップS15にて、上記ステップS14で抽出されたF(*)の値に基いて、レンズの駆動方向と駆動量が算出される。ステップS16では、ここで算出された駆動方向及び駆動量に従って撮影レンズが駆動されて、焦点調節が実行される。
【0051】
図11は、映像信号の斜め成分による誤差を説明するための図である。
【0052】
図7及び図8では、スプリットイメージプリズム4のスプリット部を挟んだ上下のみで映像信号のズレが生じ、その他にはズレが生じない場合の、基本的な像ズレについて説明した。しかしながら、実際には、スプリットイメージプリズム4のスプリット部を挟んだ上下のみで映像信号のズレが生じ、その他にはズレが生じない等といったことはほとんどない。したがって、上記スプリット部を挟んで斜めに像ズレが生じている場合の例について、図11及び図12を参照して説明する。
【0053】
図12は、映像信号の斜め成分による誤差を考慮した焦点調節の動作について説明するフローチャートである。尚、この動作は制御部9によって制御される。
【0054】
焦点調節動作に入ると、先ずステップS21にて、有効画素13中の検出エリア20の水平方向である先頭座標xが取得される。同時に、ステップS22にて上記検出エリア20の垂直方向である先頭座標yが取得される。
【0055】
次いで、ステップS23にて、図9に示される検出エリア20の水平方向である幅wが取得される。更に、ステップS24にて、上記検出エリア20の垂直方向である高さ4hが取得される。そして、ステップS25にて、有効画素13中のセンサアレイの最初のラインを表す0がnにセットされる。
【0056】
ステップS26では、y+2n行目のxからx+wまでの画像データが取得される。続いて、ステップS27にて、y+2(n+1)行目のxからx+wまでの画像データが取得される。これにより、検出エリア20内の偶数行に於ける第1行目と第2行目の画像データが取得される。そして、ステップS28にて、上記ステップS26及びS27で取得された画像データから位相差演算が行われ、その結果が図示されない記憶部の記憶領域F(2n)に書き込まれる。
【0057】
また、ステップS29では、y+2n+1行目のxからx+wまでの画像データが取得される。続いて、ステップS30にて、y+2(n+1)+1行目のxからx+wまでの画像データが取得される。これにより、検出エリア20内の奇数行に於ける第1行目と第2行目の画像データが取得される。そして、ステップS31にて、上記ステップS29及びS30で取得された画像データから位相差演算が行われ、その結果が上記記憶部の記憶領域F(2n+1)に書き込まれる。
【0058】
次いで、ステップS32にてnの値がインクリメントされた後、ステップS33に於いてnの値が判定される。上記ステップS26、S27、S29、S30で偶数行及び奇数行についてそれぞれ2行ずつ、合わせて4行の画像データが取得されているので、4つの行に対して高さhに達したかどうかを判定すれば、検出エリア20内の全ての行(高さ4h)について判定することになる。したがって、このステップS33に於いてn=hとなるまで、上記ステップS26〜S33が繰り返される。
【0059】
そして、検出エリア20内の画像データが全て得られたならば、ステップS34に移行して、F(0)〜F(2h)の中から最大値と最小値とが抽出される。次いで、ステップS35では、上記ステップS34で得られた最大値と最小値の中間値が算出される。
【0060】
更に、ステップS36では、上記F(0)〜F(2h)中の中間値以上の値の平均値が得られて、上記記憶部の記憶領域Fに書き込まれる。そして、ステップS37にて、上記F(0)〜F(2h)中の中間値未満の値の平均値が得られて、上記記憶部の記憶領域ΔFに書き込まれる。
【0061】
ステップS38では、上記ステップS36及びS37で得られた2つの平均値の差(F−ΔF)の値に基いて、レンズの駆動方向と駆動量が算出される。これにより、ステップS39にて、算出された駆動方向及び駆動量に従って撮影レンズが駆動され、焦点調節が実行される。
【0062】
次に、スプリットイメージプリズムの回転誤差を考慮した焦点調節の動作について説明する。
【0063】
上述したように、スプリットイメージプリズム4は第3の駆動部8によって、受光部3上に挿脱可能とされている。ここで、スプリットイメージプリズム4は、受光部3の有効画素13上に必ずしも正確に配置されるとは限らない。
【0064】
図13は、こうしたスプリットイメージプリズムの回転誤差を説明するための図である。
【0065】
組み立て誤差により、受光部の画素列の方向とスプリットイメージプリズムのスプリット方向に誤差が生じた場合に、この対策が行われる。
【0066】
いま、図13(a)に示されるように、スプリットイメージプリズム4のスプリット部が2本の像14に対して斜めになっている場合、隣接するセンサアレイの映像信号の成分は、実際には像14はずれているにもかかわらず、図13(b)に示されるように、あたかも3本の像信号が得られてズレがないような信号であると誤解してしまう虞れがある。
【0067】
そのため、所定のライン、この場合2ライン隔てた2つのセンサアレイの映像信号の成分を取得するようにする。図13(c)は、こうして得られた映像信号の成分を表したもので、左右にずれていることがわかる。
【0068】
次に、図14のフローチャートを参照して、スプリットイメージプリズムの回転誤差を考慮した焦点調節の動作について説明する。尚、この動作は制御部9によって制御される。
【0069】
焦点調節動作に入ると、先ずステップS41にて、有効画素13中の検出エリア20の水平方向である先頭座標xが取得される。同時に、ステップS42にて上記検出エリア20の垂直方向である先頭座標yが取得される。更に、ステップS43にて、図9に示される検出エリア20の水平方向である幅wが取得される。
【0070】
そして、ステップS44にて、機構系(第3の駆動部8)の誤差対策であるオフセット量kが取得される。但し、このオフセット量kは偶数であるものとする。また、ステップS45では、上記検出エリア20の垂直方向である高さ4h+kが取得される。更に、ステップS46にて、有効画素13中のセンサアレイの最初のラインを表す0がnにセットされる。
【0071】
次に、ステップS47にて、y+2n行目のxからx+wまでの画像データが取得される。続いて、ステップS48にてy+2(n+1)+k行目のxからx+wまでの画像データが取得される。これにより、検出エリア20内の偶数行に於ける画像データが取得される。そして、ステップS49にて、上記ステップS47及びS48で取得された画像データから位相差演算が行われ、その結果が図示されない記憶部の記憶領域F(2n)に書き込まれる。
【0072】
また、ステップS50では、y+2n+1行目のxからx+wまでの画像データが取得される。続いて、ステップS51にて、y+2(n+1)+1+k行目のxからx+wまでの画像データが取得される。これにより、検出エリア20内の奇数行に於ける画像データが取得される。そして、ステップS52にて、上記ステップS50及びS51で取得された画像データから位相差演算が行われ、その結果が上記記憶部の記憶領域F(2n+1)に書き込まれる。
【0073】
次いで、ステップS53にてnの値がインクリメントされた後、ステップS54に於いてnの値が判定される。上記ステップS47、S48、S50、S51で偶数行及び奇数行についてそれぞれ2行ずつ、合わせて4行の画像データが取得されているので、4つの行に対して高さhに達したかどうかを判定すれば、検出エリア20内の全ての行(高さ4h)について判定することになる。したがって、このステップS54に於いてn=hとなるまで、上記ステップS47〜S54が繰り返される。
【0074】
そして、検出エリア20内の画像データが全て得られたならば、ステップS55に移行して、F(0)〜F(2h)の中から0にならないF(*)が抽出される。続いて、ステップS56では、上記ステップS55で抽出されたF(*)の値に基いて、レンズの駆動方向と駆動量が算出される。
【0075】
尚、F(*)は、所定量以下であれば0とされる。但し、所定量とは、ノイズレベルに基いて予め定められた値であ里、且つ演算エラーが発生したものに関しては除外される。
【0076】
こうして算出された駆動方向及び駆動量に従って、ステップS57にて撮影レンズが駆動されて、焦点調節が実行される。
【0077】
また、図示されないが、焦点ズレ量(デフォーカス量)があまり大きいと、映像信号が鮮明に得られず、映像信号のズレ量を検出することが不可能になる場合がある。この場合、以下のような対策を行うようにすればよい。1つはコントラスト方式(山登り方式)や位相差方式では一般的であり、公知の技術であるレンズスキャンを行うものである。もう1つは、焦点ズレ量(デフォーカス量)が大きくても映像信号が鮮明に得られるように光学系を絞って検出することである。
【0078】
尚、上記図1に於いては、スプリットイメージプリズムを矢印A方向に移動しているが、これに限らず、受光部3に対して挿脱されるように移動してもよい。
【0079】
次に、この発明の第2の実施の形態について説明する。
【0080】
上述した第1の実施の形態では、スプリットイメージプリズム4を第1の駆動部6によって受光部3の受光面上に挿脱可能に配置していたが、この第2の実施の形態では偏向手段によってAF時と撮像時の光路を切り換えるようにしている。
【0081】
図15はこの発明の第2の実施の形態の構成を示すもので、自動焦点調節装置の基本構成を示したブロック図である。
【0082】
図15に於いて、被写体1からの撮影光束は、光学部2及び偏向部11を介して受光部3に導かれる。上記受光部3及び上記光学部2は、それぞれ第1の駆動部6及び第2の駆動部7を介して、制御部9により駆動制御されている。
【0083】
上記光学部2と受光部3の間には、光路を切り換えることが可能な偏向部11が配置される。この辺後部11は、第3の駆動部3を介して制御部9によって制御されるもので、AF時には光路中に挿入され、撮像時には該光路外に退避される。
【0084】
図16は、受光部3上のスプリットイメージプリズム4の位置を示した上面図である。
【0085】
受光部3は複数個の有効画素13を有しており、AF時には偏向部11が光路中に配置されることによって、被写体からの光束はスプリットイメージプリズム4が配置されている側に偏向される。一方、撮像時には偏向部11は退避するので、被写体からの光束は有効画素13に導かれる。
【0086】
このように、AF時の使用受光エリアと撮像時の使用受光エリアは異なっている。画素の並ぶ方向(縦または横)の何れかの方向とスプリットイメージプリズムのスプリット方向は略等しいものとする。
【0087】
尚、各実施の形態のスプリットイメージプリズムは、同様の機能を有する光学部材であればこれに限定されるものではない。
【0088】
また、図16に於いて、有効画素の間は無効画素(OB(=Optical Black)画素)となるが、これは無くても良い。
【0089】
更に、この第2の実施の形態に関しては、図示されないが、オフセット量は偏向部11の有無に起因する光路長の差となる。
【0090】
また、調整値に関しては、コントラスト方式とスプリットイメージプリズムを用いた時とで、光学部の駆動量の差としても良い。
【0091】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、合焦点を高速に求めることができると共に本体が大型化することのない自動焦点調節装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の構成を示すもので、自動焦点調節装置の基本構成を示したブロック図である。
【図2】スプリットイメージプリズム4の構成を示す外観斜視図である。
【図3】受光部3上のスプリットイメージプリズム4の位置を示した上面図である。
【図4】スプリットイメージプリズムと焦点状態との関係を示したもので、(a)は合焦時のスプリットイメージプリズムと被写体の像の状態を説明する図、(b)は(a)の状態に於ける被写体の像の見え方の例を示した図である。
【図5】スプリットイメージプリズムと焦点状態との関係を示したもので、(a)は線状の被写体の像がスプリットイメージプリズムより前方に結んだ(前ピン)場合のスプリットイメージプリズムと被写体の像の状態を説明する図、(b)は(a)の状態に於ける被写体の像の見え方の例を示した図である。
【図6】スプリットイメージプリズムと焦点状態との関係を示したもので、(a)は線状の被写体の像がスプリットイメージプリズムより後方に結んだ(後ピン)場合のスプリットイメージプリズムと被写体の像の状態を説明する図、(b)は(a)の状態に於ける被写体の像の見え方の例を示した図である。
【図7】焦点ズレと映像信号のズレの関係を示したもので、(a)は上面図、(b)は検出される焦点ズレ量(デフォーカス量)とオフセット量を示した側面図である。
【図8】映像信号のズレ量を検出するために映像信号から処理する信号のみを抽出する例について示すもので、(a)は横方向に配列された複数のセンサアレイから成る有効画素上のスプリットイメージプリズム上の後ピンの像を示した図、(b)は(a)のセンサアレイが白黒の場合のセンサアレイ出力の例を示した図、(c)は(a)のセンサアレイがRGB原色のベイヤー配列のセンサアレイ出力の例を示した図、(d)は(a)のセンサアレイがRGB原色のベイヤー配列のセンサアレイ出力の他の例を示した図である。
【図9】この発明の第1の実施の形態に於ける焦点調節の動作について説明するもので、有効画素中の検出エリアを示した図である。
【図10】この発明の第1の実施の形態に於ける焦点調節の動作について説明するフローチャートである。
【図11】映像信号の斜め成分による誤差を説明するための図である。
【図12】映像信号の斜め成分による誤差を考慮した焦点調節の動作について説明するフローチャートである。
【図13】スプリットイメージプリズムの回転誤差を説明するための図である。
【図14】スプリットイメージプリズムの回転誤差を考慮した焦点調節の動作について説明するフローチャートである。
【図15】この発明の第2の実施の形態の構成を示すもので、自動焦点調節装置の基本構成を示したブロック図である。
【図16】第2の実施の形態に於ける受光部3上のスプリットイメージプリズム4の位置を示した上面図である。
【符号の説明】
1…被写体、2…光学部、3…受光部、4…スプリットイメージプリズム、6…第1の駆動部、7…第2の駆動部、8…第3の駆動部、9…制御部、13…有効画素、16…撮影レンズ、17…接眼レンズ、18…眼、20…検出エリア。
Claims (7)
- 被写体をデジタル画像として撮像するための受光手段と、
上記受光手段へと被写体からの光を導くための光学手段と、
上記光学手段の光路中で上記受光手段の受光面直前の位置と上記光学手段の光路外の位置との間で可動なスプリットイメージプリズムと、
上記スプリットイメージプリズムを通過した光線に基く映像信号のズレ量を検出し、当該ズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節を行う制御手段と、
を具備することを特徴とする自動焦点調節装置。 - 被写体をデジタル画像として撮像するための受光手段と、
上記受光手段へと被写体からの光を導くための光学手段と、
上記受光手段の受光面直前で上記光学手段の光路外の位置に設置されたスプリットイメージプリズムと、
上記光学手段の光路中に出し入れ可能で被写体からの光束の一部を上記スプリットイメージプリズムヘと導く偏向手段と、
上記スプリットイメージプリズムを通過した光線に基く映像信号のズレ量を検出し、当該ズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節を行う制御手段と、
を具備することを特徴とする自動焦点調節装置。 - 上記スプリットイメージプリズムのスプリット方向と平行な上記受光手段の受光素子列を上下で1セットとして、複数セットについての上記映像信号のズレ量を検出し、当該複数のズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節を行うことを特徴とする請求項2に記載の自動焦点調節装置。
- 上記複数の映像信号のズレ量の全てが予め定められた範囲に納まるように上記光学手段の焦点調節を行うことを特徴とする請求項3に記載の自動焦点調節装置。
- 上記予め定められた範囲は、上記スプリットイメージプリズムを通過しない光線に基く上記受光手段の映像信号を用いてコントラスト方式で上記光学手段の焦点調節を行った後、上記スプリットイメージプリズムを通過した光線に基く上記複数の映像信号のズレ量の平均値であって、この値を調整値として記憶保存するための記憶手段を具備することを特徴とする請求項4に記載の自動焦点調節装置。
- 上記スプリットイメージプリズムのスプリット方向と平行な上記受光手段の受光素子列を予め定められた間隔を隔てた2列を1セットとして、複数セットについての上記映像信号のズレ量を検出し、当該複数のズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節を行うことを特徴とする請求項1に記載の自動焦点調節装置。
- 上記スプリットイメージプリズムのスプリット方向と平行な上記受光手段の受光素子列を予め定められた間隔を隔てた2列を1セットとして、複数セットについての上記映像信号のズレ量を検出し、当該複数のズレ量に基いて上記光学手段の焦点調節を行うことを特徴とする請求項2に記載の自動焦点調節装置。
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