JP2004045580A - 反射型液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】どのような照明環境下においても明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な低コストの反射型液晶表示装置の提供。
【解決手段】内蔵反射板を有する反射型カラー液晶表示装置において、1)連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる凸部および凹部の拡散反射要素を、所定の領域に最密、かつ無秩序に配置、2)上記拡散反射要素を少なくとも2つ以上、複数組合せた凸部および凹部の単位拡散反射要素を、所定の領域に最密、かつ無秩序に配置、3)連続的に変化する傾斜角が1つの曲面反射部からなる拡散反射要素を少なくとも2つ以上、複数組合せた凸部および凹部の単位拡散反射要素を、所定の領域に最密、かつ無秩序に配置の条件を満たす拡散反射要素を反射膜下に配置することにより、どのような照明環境下でも明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な低価格の反射型液晶表示装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置に係り、特に反射型に有効な機能を備えた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の拡散反射板および反射型カラー液晶表示装置として、特開平10−
177106号公報に示されるように、非対称な断面を有する凸部あるいは凹部を反射膜下に形成し、あらゆる方向から入射される光を、特定の角度範囲に集光させるようにした反射板およびそれを液晶素子内に備えた液晶表示装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術は、基板上に非対称軸を有する複数の凸部または凹部を形成して、反射光を特定の角度範囲に集光させることにより、観察者方向以外に反射される光りを極力減らして、入射光を効率的に利用できるようにしたものである。
【0004】
しかし、前記従来技術は凸部または凹部の傾斜角分布に偏りを持たせるため、熱処理時に基板を傾斜させて半円形レジスト(半円柱)の熱だれ現象を利用して傾斜角分布が非等方性になるように制御するか、あるいは半円形レジスト(半円柱)が形成されたガラス基板上へイオンビームを照射して、傾斜角分布に偏りを持たせた凸部または凹部をガラス基板に形成する方法が提案されているが、何れも数多く生産する方法としては製作プロセスが複雑であり、かつ、微細な凸部または凹部を非対称な断面形状を再現性よく制御するのが困難で、コスト高になるという課題を有していた。
【0005】
また、前記従来技術は拡散要素である凸部または凹部に非対称の傾斜角分布を付与して、反射光を特定の範囲に集光させるようにしたものであるが、画像を劣化させる正反射光となる平坦な部分の削減、かつ特定傾斜角の付与については工夫がされておらず、屋内では暗くて視認性が悪いという課題を有していた。
【0006】
さらに、指向性拡散要素である凸部または凹部が最密充填配置になっていないので、屋内で使用する場合にはフロントライト等の補助光なしでは暗いという課題も有していた。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決し、より良好な反射特性を有する拡散反射板を備えた反射型液晶表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本出願の一実施態様によれば、液晶層を介して対向配置される一対の基板からなり、その一方の基板上には絶縁層が形成され、この絶縁膜上には他方の基板側から入射する光を反射する反射電極が形成される反射型液晶表示装置で、絶縁層は、略半球状の主凸部と、この略半球状の主凸部の頂点付近に形成した略半球状の副凸部又は凹部が形成された有機樹脂層により構成されるというものである。
【0009】
さらに、この半球状の主凸部の直径dと高さhと、この略半球状の副凸部又は凹部の直径d′と高さ又は深さh′は、d/h=d′/h′であるというものである。
【0010】
また、樹脂層の略半球状の主凸部の配置が規則性がなく配置されているというものである。
【0011】
また、半球状の主凸部の直径dと高さhとの関係h:dが略1:10〜20であるというものである。
【0012】
また、略半球状とは、上面からは円形で、上部から下部への断面が略半円状であるというものである。
【0013】
本出願の別の実施態様によれば、液晶層を介して対向配置される一対の基板からなり、その一方の基板上には絶縁層が形成され、この絶縁膜上には他方の基板側から入射する光を反射する反射電極が形成される反射型液晶表示装置で、絶縁層は、略半球状の主凸部と、この略半球状の主凸部の頂点付近に形成した略円錐状の副凸部又は凹部が形成された有機樹脂層により構成されるというものである。
【0014】
本出願の別の実施態様によれば、液晶層を介して対向配置される一対の基板からなり、その一方の基板上には絶縁層が形成され、該絶縁膜上には他方の基板側から入射する光を反射する反射電極が形成される反射型液晶表示装置で、絶縁層は、略1/4球状の主凸部と、該略1/4球状の主凸部の頂点付近に形成した略1/4球状の副凸部又は凹部が形成された有機樹脂層により構成されるというものである。
【0015】
本出願の別の実施態様によれば、液晶層を介して対向配置される一対の基板を有し、その一方の基板上には絶縁層が形成され、該絶縁膜上には他方の基板側から入射する光を反射する反射電極が形成される反射型液晶表示装置で、絶縁層は、略扇形状の主凸部と、該扇形状の主凸部の頂点付近に形成した略扇形状の副凸部又は凹部が形成された有機樹脂層により構成されるというものである。
【0016】
本出願の別の実施態様によれば、液晶層を介して対向配置される一対の基板を有し、その一方の基板上には絶縁層が形成され、該絶縁膜上には他方の基板側から入射する光を反射する反射電極が形成される反射型液晶表示装置で、絶縁層は、略半球状の凸部が形成された有機樹脂層により構成され、上方向から見た形状が半円を2つ並べた形状を1単位として配置されているというものである。
【0017】
本出願の別の実施態様によれば、液晶層を介して対向配置される一対の基板を有し、その一方の基板上には絶縁層が形成され、該絶縁膜上には他方の基板側から入射する光を反射する反射電極が形成される反射型液晶表示装置で、絶縁層は、略半球状の凸部が形成された有機樹脂層により構成され、上方向から見た形状が扇型と半円を2つ並べた形状を1単位として配置されているというものである。
【0018】
本出願の別の実施態様によれば、ガラス基板上に入射光を特定の角度範囲に集光するための拡散反射要素となる凸部または凹部を備えた樹脂層と反射層が積層された構成の拡散反射板を内蔵する反射型液晶表示装置で、1)少なくとも、主及び副拡散反射要素部の2つの曲面反射部からなる微小拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置、2)前記拡散反射要素は、少なくとも、主及び副拡散反射要素部の2つの曲面反射部の断面形状が大略2次曲線である、3)拡散反射要素である前記凸部または凹部は、上方から見た形状が大略1/4円から円までの形状であり、その厚み方向に切断したときの断面形状が、少なくとも、連続的に変化する主及び副の2つの傾斜角領域からなる、4)円形の主及び副2つの曲面反射部からなる拡散反射要素である前記凸部または凹部は、その断面形状がほぼ左右対称である、5)主及び副2つの曲面反射部からなる拡散反射要素である前記凸部または凹部は、上方から見たときの形状が頂角Φが90°≦θ≦360°である、6)主及び副2つの曲面反射部からなる拡散反射要素である前記凸部または凹部を少なくとも2つ以上、複数個を組合せた凸部または凹部の単位拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置、7)主及び副2つの曲面反射部からなる拡散反射要素である凸部または凹部を少なくとも2つ以上、複数個を組合せた前記凸部または凹部の単位拡散反射要素を、高分子共重合体等で発現する相分離現象を利用して円形,棒状及び紐状のパターン状に最密、かつ無秩序に配置、8)単位拡散反射要素である前記凸部または凹部を曲面反射部がほぼ同一方向、かつ所定の方向になるように、前記相分離現象による円形,棒状及び紐状のパターン状に配置、9)少なくとも2個以上、複数の前記凸部または凹部からなる単位拡散反射要素の直径dと高さあるいは深さhの比d/hが10≦d/h≦20,13)単位拡散反射要素である前記凸部または凹部は、上方向から見た形状の中心角Φが90°≦Φ≦360°である、10)単位拡散反射要素である前記凸部または凹部の連続的に変化する曲面反射部における傾斜角θが1°≦θ≦15°である、これらの条件を満たすような拡散反射板を内蔵するというものである。
【0019】
また、本発明の拡散反射板は連続的に変化する主及び副の2つの傾斜角領域からなる凸部または凹部の拡散反射要素、または連続的に変化する主及び副の2つの傾斜角領域からなる拡散反射要素を、少なくとも、2個以上複数を組合せた凸部または凹部の単位拡散反射要素を、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離パターン状に配置することにより、前記拡散反射要素または単位拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置できるので、干渉による着色のない、高輝度,高コントラストの画像が表示できることを特徴とする反射型液晶表示装置である。
【0020】
さらに、本発明の拡散反射板は連続的に変化する主及び副の2つの傾斜角領域からなる曲面反射部有する拡散反射要素、または単位拡散反射要素である前記凸部または凹部を、前記紐状相分離パターンの長さ方向に対して曲面反射部が平行あるいは垂直方向になるように最密、かつ無秩序に配置することにより、干渉による着色のない、高輝度,高コントラストの画像が表示できることを特徴とする反射型液晶表示装置である。
【0021】
また、本発明はガラス基板上に薄膜トランジスタ部、入射光を特定の方向に集光させるための拡散反射要素または単位拡散反射要素である前記凸部または凹部が最密、かつ無秩序に形成された有機絶縁層上に、反射層,平坦化層,透明電極,配向制御膜が積層された一方の電極基板と、他方のガラス上に遮光層,着色層,平坦化層,透明電極,配向制御が積層された他方の電極基板とが、液晶を介して互いの透明電極が対向するように配置された素子構造を特徴とする反射型液晶表示装置である。
【0022】
さらに、本発明は、反射光を特定の範囲に集光させるための前記凸部または凹部からなる拡散反射要素を、階調露光用マスク(例えば、HEBS−Glass Plate CANYON MATERIALS,INC )を用いて所望の形状の拡散反射要素を1工程で形成できることや、そのレジストパターンを利用して転写用金型を作製し、転写法あるいは印刷法により指向性拡散反射板を形成すること等により、低コスト化が可能になる効果がある。
【0023】
また、本発明は前記拡散反射要素あるいは単位拡散反射要素を無秩序、かつ最密充填配置するためのガイドパターンとなる高分子ブロック共重合体等で発現する相分離パターンをシミュレーション手法により生成することを特徴とするものである。
【0024】
さらに、前記樹脂層を形成する際に使用する階調露光あるいは2値用フォトマスクの遮光パターン(または透過パターン)、あるいは転写用金型に形成される凸部または凹部パターン用マスターマスク形成等に用いることを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、高分子共重合体等で発現する相分離パターン生成のシミュレーション手法が、1)Cahn−Hilliard−Cook方程式、2)時間依存Ginzburg−Landau方程式、3)Cell−Dyamical−System方程式等を用いた数値シミュレーションであることを特徴とするものである。
【0026】
さらに、本発明の反射板形成に用いるフォトマスク用の遮光部あるいは透過部のパターンは、前記数値シミュレーションにより生成された相分離の濃度分布パターン(数値データ)と、前記拡散反射要素とをコンピュータを用いてデータ(画像)処理したパターンであることを特徴するものである。
【0027】
また、本発明は、前記シミュレーション手法により生成されるパターンが、あらゆる方位に対して一様な反射特性を示すものか、あるいは入射光を特定の方向に集光させるような反射特性を示すものの、いずれかのパターン状に前記拡散反射要素が配置されたものであることを特徴とするものである。
【0028】
本発明の反射型液晶表示装置は、ガラス基板の一方の面に、液晶を駆動するための薄膜トランジスタ(ゲート電極,ゲート絶縁膜,アモルファスシリコン層,n型不純物とリンをドーピングしたアモルファスシリコン層,ドレイン電極,ソース電極,ドレイン配線),保護膜、連続的に変化する傾斜角を有する主及び副の2つの曲面反射部からなる拡散反射要素が最密、かつ無秩序に形成された有機絶縁層,コンタクトホール部,反射電極,配向制御膜が形成された一方の電極基板と、基板上に遮光層,着色層,保護膜,共通電極,配向制御膜が形成された他方の電極基板とを、液晶を介して対峙させた反射型液晶素子の観察者側のガラス基板上に位相板,偏光板を配置したものである。
【0029】
特に、少なくとも、主及び副の2つ以上の連続した傾斜角を有する曲面反射部からなる微小な凸または凹の拡散反射要素、または前記拡散反射要素を少なくとも2つ以上、複数組合せた単位拡散反射要素が最密、かつ無秩序(例えば、前記円状,棒状及び紐状の相分離パターン状に形成)に形成された樹脂層上に積層される反射膜と、その反射膜上に絶縁層,複数の透明電極,配向制御膜が積層されてなる反射電極基板と、他方のガラス基板の一方の面に遮光層,着色層,平坦化層,複数の透明電極および配向制御膜が積層されてなるカラーフィルタ基板と、前記反射電極基板とカラーフィルタ基板との間隙部に封入された液晶とを備えた液晶表示素子を用いることを特徴とするものである。
【0030】
また、本発明の反射型液晶表示素子の製造方法は、ガラス基板上に薄膜トランジスタ(ゲート電極,ゲート絶縁膜,アモルファスシリコン層,n型不純物とリンをドーピングしたアモルファスシリコン層,ドレイン電極,ソース電極,ドレイン配線)、を形成する工程,保護膜を形成する工程,感光性樹脂を塗布する工程、少なくとも主及び副の2つの連続した傾斜角を有する曲面反射部からなる微小な凸あるいは凹の拡散反射要素、または前記拡散反射要素を少なくとも2つ以上、複数組合せた単位拡散反射要素を、高分子共重合体等で発現する円状,棒状及び紐状の相分離パターンをガイドにして配置したフォトマスク,転写用型ロールあるいは型プレート等を用いて、入射光を所定の方向に集光するための凹凸を有機絶縁層に形成する工程及びコンタクトホールを形成する工程,前記樹脂層上に反射膜を形成する工程,前記反射膜上に配向制御膜を形成する工程とからなる反射電極基板と、他方のガラス基板に遮光層を形成する工程,前記遮光層上に着色層を形成する工程,前記着色層上に平坦化層を形成する工程,前記平坦化層上に透明電極を形成する工程,前記透明電極上に配向制御を形成する工程とからなる着色層基板と、前記反射電極基板と前記カラーフィルタ基板との間隙部に液晶を封入・封止する工程を含むことを特徴とする前記の液晶表示素子の製造方法である。
【0031】
さらに、本発明の別の反射型液晶表示装置は、前記有機絶縁層に形成される主及び副の2つの連続的に変化する傾斜角を有する滑らかな曲面反射部からなる前記拡散反射要素が、1)凹または凸、2)前記凹または凸を上方から見た形状が円から扇までの任意の形状であり、3)前記円から扇までの形状をとりうる拡散反射要素である凹または凸を無秩序、かつ最密に配置、4)前記円状から扇状までの形状である前記凹または凸を曲面反射部がほぼ同じ方向を向くように配置、5)前記円状から扇状まで形状を有する凹または凸の拡散反射要素を、少なくとも2個以上,複数組合せたものを単位構成要素として最密、かつ無秩序に配置、6)前記円状から扇状までの形状を有する凹または凸の拡散反射要素を、少なくとも2個以上,複数組合せたものを単位構成要素として円状,棒状及び紐状のパターン状に最密、かつ無秩序に配置、7)前記円状,棒状及び紐状のガイドパターンが高分子ブロック共重合体等で発現する相分離パターンである、これらの条件を満たすように形成された拡散反射板を内蔵する反射型液晶表示装置であり、上方向及び左右方向から入射される照明光を効率良く、観察者方向に集光できる拡散反射板を内蔵したことを特徴とするもので、反射型液晶表示装置の構成は前述したものとほぼ同じである。
【0032】
また、上記液晶表示装置の製造方法は、ガラス基板上に薄膜トランジスタ(ゲート電極,ゲート絶縁膜,アモルファスシリコン層,n型不純物とリンをドーピングしたアモルファスシリコン層,ドレイン電極,ソース電極,ドレイン配線)、を形成する工程,保護膜を形成する工程,感光性樹脂を塗布する工程,前記感光性樹脂層に、連続した傾斜角を有する2つの曲面反射部からなる、大略2分の1球状(上方向から見た形状:円形)〜8分の1球状(上方向から見た形状:扇形)の凸あるいは凹の拡散反射要素を、少なくとも2つ以上、複数を組合せて最小構成単位としたものを、高分子ブロック共重合体等で発現する円状,棒状及び紐状の相分離パターンをガイドにして配置したパターンを形成する工程及びコンタクトホールを形成する工程、前記樹脂層上に反射膜を形成する工程,前記反射膜上に配向制御膜を形成する工程とからなる反射電極基板と、他方のガラス基板に遮光層を形成する工程,前記遮光層上に着色層を形成する工程,前記着色層上に平坦化層を形成する工程,前記平坦化層上に透明電極を形成する工程,前記透明電極上に配向制御を形成する工程とからなる着色層基板と、前記反射電極基板と前記カラーフィルタ基板との間隙部に液晶を封入・封止する工程とにより液晶表示素子を作製し、前記液晶表示素子の着色層が形成されたガラス基板の他方の面に所定の位相板と偏光板を貼り合わせる工程、前記液晶表示素子に液晶駆動用ICが搭載されたテープ・キャリア・パッケージ(以下、TCPと称する)および駆動用外部回路とを接続する工程,前記液晶表示素子をフレーム,ケース等に組み込む工程、を含むことを特徴とするものである。
【0033】
本発明の拡散反射要素は、連続的に変化する傾斜角を有する2つの曲面反射部からなり、かつ微小なので、その形状を精度良く作る方法が重要になるので、具体的に製造方法の一実施例について説明する。
【0034】
まず、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象を解析するためのCell−Dynamical−System model 等の数値解析法より、半球状の凸あるいは凹が最密、かつ無秩序に配置されたパターンを濃度分布データとして創出し、この濃度データを利用して遮光量(透過光量)に対応させた階調露光用フォトマスクを製作する。次に、前記階調露光用フォトマスクと露光量に比例して除去され、かつ熱だれし難い感光性樹脂を用いることにより、微小で複雑な形状の前記拡散反射要素が精度良く形成できるので、明るく鮮明な画像が表示できる反射型液晶表示装置が提供できる。
【0035】
より具体的には、
1)Cell−Dynamical−System model等の数値解析法を用いて、拡散反射要素となる円状の相分離濃度分布パターンを創生、2)前記創生パターンデータを用いて、2分の1球状の基礎(主)となる凸の上に、直径/高さあるいは深さの比が大略同じで、基礎(主)となる凸の直径よりも小さな2分の1球状の副となる凸または凹を重ねた構造の拡散反射要素を創生、3)創生した前記拡散反射要素を所定領域内に最密、かつ無秩序に配置したマスクパターンを創生、4)前記マスクパターンデータをフォトマスク用階調露光データに変換、5)電子ビームあるいはレーザ描画装置を使用してフォトマスク用ガラスブランクス(HEBS−Glass Photo mask Blanks:電子ビームあるいはレーザの照射光量に応じて透過率が変化するガラス,CANYON MATERIALS社製)に階調露光用パターンを形成、6)前記階調露光用フォトマスクを用い、フォトリソグラフィ法で連続的に変化する傾斜角を有する2つの曲面反射部からなる微小な拡散反射要素が最密、かつ無秩序に配置された樹脂層を形成、7)前記樹脂層上に反射層を形成する工程等により、液晶表示装置に入射した照明光を特定の方向に集光する内蔵型拡散反射板を作製する。
【0036】
同様に、Cell−Dynamical−System model等の数値解析法を用いて、凸あるいは凹からなる円状,棒状及び紐状の相分離濃度分布パターンを創生、前記相分離濃度分布パターンから1個の円状パターンデータを抽出、3)前記円状パターンを画像処理により、円形(2分の1球状)から1/4円形(8分の1球状)までの扇形(4分の1球状<扇<2分の1球状)や半円(4分の1球状)等種々の基礎(主)となる凸あるいは凹の拡散反射要素の濃度データ作製、4)基礎(主)となる凸あるいは凹の前記拡散反射要素データを用いて、基礎(主)となる凸あるいは凹上に重ね合わせるように配置される、基礎(主)となる凸あるいは凹の径よりも小さな径を有する副拡散反射要素の濃度データ作製、5)基礎(主)となる凸あるいは凹の前記拡散反射要素上に、副となる凸あるいは凹の前記拡散反射要素を重ね合せた構造の拡散要素を創生、6)連続的に変化する2つ(主及び副)の曲面反射部からなる拡散反射要素を少なくとも2個以上、複数を組合せた単位拡散要素を創生、7)前記単位拡散反射要素を所定の領域に最密、かつ無秩序に配置した濃度分布パターンを作製、8)前記パターンを階調露光用フォトマスクデータに変換、9)前記階調露光用フォトマスクデータと電子ビームあるいはレーザ描画装置を使用してフォトマスク用ガラスブランクス(HEBS−Glass Photo mask Blanks:電子ビームあるいはレーザの照射光量に応じて透過率が変化するガラス,CANYON MATERIALS社製)に階調露光用パターンを形成、10)前記階調露光用フォトマスクを用いたフォトリソグラフィ法で、連続的に変化する2つの傾斜角を有する曲面反射部からなる微小な拡散反射要素が最密、かつ無秩序に配置された樹脂層を形成、11)前記樹脂層上に反射層を形成する工程等により、反射光を特定の方向に集光できる内蔵型拡散反射板を作製する。
【0037】
なお、前記拡散反射要素を少なくとも2つ以上、複数を組合せた単射拡散反射要素を用いた場合には、連続的に変化する傾斜角が1つの曲面反射部からなる拡散反射要素を組合せた単位拡散反射要素でも同等の反射特性が得られるので、
1)凸あるいは凹からなる円状,棒状及び紐状の相分離濃度分布パターンを創生、2)前記相分離濃度分布パターンから1個の円状パターンデータを抽出、3)前記円状パターンを画像処理により、円形(2分の1球状)から1/4円形(8分の1球状)までの扇形(4分の1球状<扇<2分の1球状)や半円(4分の1球状)等種々の凸あるいは凹の拡散反射要素の濃度データ作製、4)連続的に変化する傾斜角が1つの曲面反射部からなる前記拡散反射要素を少なくとも2個以上、複数を組合せた単位拡散要素を創生、5)前記単位拡散反射要素を所定の領域に最密、かつ無秩序に配置した濃度分布パターンを作製、6)前記パターンを階調露光用フォトマスクデータに変換、7)前記階調露光用フォトマスクデータと電子ビームあるいはレーザ描画装置を使用してフォトマスク用ガラスブランクス(HEBS−Glass Photo mask Blanks :電子ビームあるいはレーザの照射光量に応じて透過率が変化するガラス,CANYON MATERIALS社製)に階調露光用パターンを形成、8)前記階調露光用フォトマスクを用いたフォトリソグラフィ法で、連続的に変化する傾斜角が1つの曲面反射部からなる微小な拡散反射要素が最密、かつ無秩序に配置された樹脂層を形成、9)前記樹脂層上に反射層を形成する工程等により、反射光を特定の方向に集光できる内蔵型拡散反射板を作製する。
【0038】
本発明の拡散反射要素は入射光を特定方向に集光させるための2つの曲面反射部からなる微小な凹凸群の集合体であり、所期の反射性能を得るためには1つあるいは2つの曲面反射部からなる拡散反射要素の3次元形状制御が重要である。
【0039】
したがって、階調露光用のフォトマスクを使用するだけでなく、感光性樹脂も露光強度に応じて膜厚が残存するような特性のものが必要になる。本実施例ではJSR社製のPC302をベースにしたポジタイプの感光性樹脂を使用し、前述した大略4分の1球状の拡散要素(直径:2〜20μm,高さあるいは深さ:0.2〜1.0μm)から8分の1球状の拡散要素(直径:2〜20μm,高さあるいは深さ:0.2〜1.0μm)が相分離パターンをガイドにして配置された樹脂層を形成した。
【0040】
ただし、本発明の拡散反射板は上記階調露光用フォトマスクの製法および上記感光性樹脂に限定されるものではない。
【0041】
本発明の拡散反射板の特徴は拡散反射要素が無秩序、かつ最密配置できるパターンというだけでなく、Cell−Dynamical−System model 等の数値解析手法を用いて濃度パターンが生成できるので、断面形状が2次曲線になるような微小な凸あるいは凹パターンを形成するための階調露光用フォトマスクが簡単に作成できることである。
【0042】
また、数値解析手法を用いて濃度パターンを生成するため、特定濃度でのパターン切出しが容易に行えるので、使用する樹脂の特性に適合したマスクパターン(パターンサイズおよびパターン間隙等)が容易に作製できる。
【0043】
さらに、前述した棒状あるいは紐状の相分離パターンをガイドにして前記拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置するフォトマスクも、1)棒状及び紐状の相分離パターンを創生、2)創生した濃度分布パターンを所望のしきい値で2値化、3)2値化した白または黒パターン上に前記2個以上の円形以外の拡散反射要素を組合せた単位拡散反射要素を無秩序(平均移動量+変化量(無秩序)等)、かつ最密に配置等のアルゴリズムを用いることにより容易に作製できる。
【0044】
本発明の目的は、液晶表示装置のサイズや対象とする照明条件下で、最適な明るさになる液晶表示装置の提供およびその製造方法の提供にある。
【0045】
本発明は、1)観察者の背面方向からは入射光が少ないこと,2)観察方向以外の方向へ反射する利用できない光成分(正反射光)があることから、できるだけ反射光を効率良く観察者方向に集光するため、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置した拡散反射板を内蔵する反射型液晶表示装置に関するであり、屋内,屋外あるいは日中,夜間等、何れの照明環境下においても、補助光なしで明るい表示が得られる反射型液晶表示装置に関する。
【0046】
特に、本発明の特徴は連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置するため、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象をCell−Dynamical−System model 等の数値解析手法を用いて濃度分布パターンを生成し、この相分離パターンの濃度分布データを利用して、3次元の形状制御を行うための階調露光用フォトマスクを作製することである。
【0047】
本発明は、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる凸部あるいは凹部の拡散反射要素が無秩序に形成された樹脂パターン上に、反射膜を積層した拡散反射板を内蔵する反射型液晶表示装置の製造方法であって、前記反射板を構成するガラス基板の一方の面に感光性樹脂を塗布した後、入射光を特定の方向に集光するための拡散反射要素を形成するための階調露光用フォトマスクを介して、前記感光性樹脂を露光,現像および熱処理してパターン化することにより、連続的に変化する傾斜角を2つ有する曲面反射部からなる微細な凸部あるいは凹部の拡散反射要素を形成する工程,連続的に変化する傾斜角を2つ有する曲面反射部からなる微細な凸部あるいは凹部の拡散反射要素を備えた前記樹脂層上に反射層を形成する工程,高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象を前述したCell−Dynamical−System model 等の数値解析手法を用いて生成した無秩序な円状の濃度分布パターン、あるいは無秩序な棒状及び紐状の濃度分布パターンデータをパソコン等に取込みでデータ処理を行うことにより、連続的に変化する傾斜角を2つ有する曲面反射部からなる微小な拡散反射要素を形成するための階調露光用フォトマスクデータを作製し、階調露光用フォトマスクを形成する。この階調露光用フォトマスクを介して、前記感光性樹脂を露光,現像してパターン化した後熱処理することにより、連続的に変化する傾斜角を2つ有する曲面反射部からなる微小な拡散反射要素である凸部あるいは凹部が無秩序、かつ最密に配置された樹脂層を形成する工程,前記拡散反射要素が多数配置された前記樹脂層上に反射膜を形成する工程,前記反射膜上に平坦化層を形成する工程,前記平坦化膜上に複数の透明電極を形成する工程、とからなる反射電極基板と、
他方のガラス基板上に遮光層を形成する工程,前記遮光膜上に着色層を形成する工程,前記着色層上に平坦化層を形成する工程,前記平坦化層上に複数の透明電極を形成する工程とからなるカラーフィルタ基板とを、互いの透明電極が対向するように組合せる工程,前記反射電極基板と該着色層基板との間隙部に液晶を封入・封止する工程とにより液晶表示素子を作製し、
前記液晶表示素子の着色層が形成されたガラス基板の他方の面に所定の位相板と偏光板を貼り合わせる工程,前記液晶表示素子に液晶駆動用ICが搭載されたテープ・キャリア・パッケージ(以下、TCPと称する)および駆動用外部回路とを接続する工程,前記液晶表示素子をフレーム,ケース等に組み込む工程、により反射型液晶表示装置を完成するものである。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明の連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる拡散反射要素を有する新規な内蔵拡散反射板を備えた反射型カラー液晶表示装置の具体的な素子構成の一例は次の通りである。まず、パッシブ型カラー液晶表示装置の場合について、以下に詳述する。
【0049】
(1)高分子共重合体や高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象の数値解析手法(Cahn−Hilliard(−Cook)方程式,時間依存Ginzburg−Landau方程式あるいはCell−Dynamical−System model(CDS)方程式等)により生成される円状,棒状あるいは紐状の濃度分布パターンおよび2値化パターンを利用して形成されたフォトマスクあるいは転写用金型,印刷版等を使用して、
1)連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置、
2)前記拡散反射要素は上方から見た形状が大略4分の1円形から円形までの全ての形状で、その断面形状が2つの曲線部からなり、
3)前記拡散反射要素の厚み方向の断面形状が大略左右対称であり、
4)少なくとも、前記拡散要素が単体または2つ以上複数が組合せられたものを最小構成要素とし、それを上記数値解析手法により生成された円状,棒状及び紐状のパターンをガイドにして最密、かつ無秩序に配置、
5)前記拡散反射要素の曲面反射部がほぼ同一方向になるように配置、これら等の条件を満たすように配置された連続的に変化する傾斜角を2つ有する曲面反射部からなる凸部あるいは凹部パターンが形成された転写用ロール,転写用プレート,印刷版等を用いて、ガラス基板上に塗布された感光性樹脂(膜厚:0.5〜2.5μm)に前記転写用ロール状金型(ロール速度:0.1〜3m/分)あるいは平板状金型を用いる転写法、さらには前記印刷版を用いる印刷法等により前記拡散要素が多数形成された樹脂パターンに光(波長:365nm,光量:50〜500mj/cm),熱(50〜150℃)および圧力(1〜12kg/cm)を加えて、前記感光性樹脂をパターン化する工程、あるいはガラス基板上に塗布された感光性樹脂(膜厚:0.5〜2.5μm)に遮光能が連続的に変化した遮光手段(階調露光用フォトマスク)を介して露光(波長:365nm,光量:50〜500mj/cm )し、所定の現像,硬化して前記感光性樹脂に拡散反射要素をパターン化(半円の直径d:2〜20μm,高さあるいは深さ:0.2〜1.0μm)する工程、あるいは前記ガラス基板に感光性樹脂(膜厚:0.5〜2.5μm)を塗布し、相分離現象によるパターン生成のシミュレーション手法を利用して作製した階露光用フォトマスクを介して、前記感光性樹脂を露光(波長:365nm,光量:50〜500mj/cm )した後、所定の現像,硬化して前記感光性樹脂に微小な凸状の拡散反射要素をパターン化(円の直径d:2〜20μm,高さあるいは深さ:0.2〜1.0μm))する工程、
(2)連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部を有する拡散反射要素がパターン化された前記樹脂層上に反射膜(アルミニューム,アルミニューム合金,銀,銀合金等の薄膜,膜厚:100〜300nm)を形成する工程、
(3)前記反射膜上に平坦化層(アクリル系感光性樹脂あるいは非感光性樹脂,膜厚:1.0〜3.0μm)を形成する工程、
(4)前記絶縁層上に透明電極を膜付け(ITO(Indium Tin Oxide),膜厚:100〜300nm),パターニング(電極数:1920本,ピッチ:100μm,電極々間隙:8〜20μm)する工程、
(5)前記透明電極上に配向制御膜(ポリイミド,膜厚:50〜100nm,温度:230〜250℃)を形成する工程から成る一方の電極基板と、ガラス基板上に
(6)遮光層(黒色顔料分散型感光性樹脂,3層クロム等の低表面反射遮光膜
膜厚:0.1〜1.4μm,ピッチ:100μm,幅:10〜25μm)を形成する工程、
(7)前記遮光層上に着色層(赤,緑,青またはシアン,マゼンタ,イエロー,顔料分散型アクリル系感光性樹脂,膜厚:0.5〜1.5μm,ピッチ:100μm,幅:75〜90μm)を形成する工程、
(8)前記着色層上に平坦化膜(アクリル系感光性樹脂,膜厚:1.0〜3.0μm,硬化温度:230〜250℃/1hour)を形成する工程、
(9)前記平坦化膜上に透明電極を膜付け(ITO(Indium Tin Oxide)、膜厚:100〜300nm),パターニング(電極数:240本,ピッチ:300μm,電極々間隙:8〜20μm)する工程、
(10)前記透明電極上に配向制御膜(ポリイミド,膜厚:50〜150nm,硬化温度:230〜250℃)を形成する工程、から成るもう一方の電極基板とを、
(11)互いの配向制御膜面が対向するようにスペーサ材(ポリマビーズ,シリカビーズ,ガラスファイバ,粒径:6μm)を介して組合せ、両電極基板周辺をシール材(エポキシ樹脂中に上記スペーサ材を分散したもの)で接着,シールする工程、
(12)両電極基板間に液晶を封入,封止する工程、により液晶表示素子を作成する。
【0050】
そして、
(13)前記液晶表示素子の反射板が形成されていない方のガラス基板に所定の位相板と偏光板を貼り合わせる工程、
(14)前記液晶表示素子に液晶駆動用ICが搭載されたテープ・キャリア・パッケージ(以下、TCPと称する)および駆動用外部回路とを接続する工程、
(15)前記液晶表示素子をフレーム,ケース等に組み込む工程、
により本発明の液晶表示装置が完成する。
【0051】
本発明によれば、あらゆる方向から入射される光あるいは特定の方向から入射される光を、できるだけ多く観察者側に反射させるための2つの曲面反射部からなる大略1/2球状から1/8球状まで範囲の凸部あるいは凹部、または大略1/2球状から1/8球状まで範囲の凸部あるいは凹部を少なくとも2個以上、複数組合せたものからなる拡散反射要素を、画素電極に対応する部分に無秩序、かつ、最密に配置した反射板を内蔵しているので、明るく、かつ、コントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0052】
また、本発明によれば、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる大略1/2球状から1/8球状まで範囲の凸部あるいは凹部の拡散反射要素を、円形,棒状あるいは紐状の相分離パターンをガイドにして最密、かつ、無秩序に配置するため、あらゆる照明環境下でも入射光を効率良く観察者の方向に集光させることができるので、明るく,コントラストの高い画像が表示可能な低価格の反射型液晶表示装置が提供できる。
【0053】
さらに、本発明によれば、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる大略1/2球状から1/8球状まで範囲の凸部あるいは凹部の拡散要素が多数形成された転写用ロール,プレートあるいは階調露光用フォトマスク等を作製するためのパターンデータが、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象を解析するためのコンピュータ・シミュレーション手法を用いて生成できるため、前記拡散反射要素を無秩序、かつ最も密に配置できるので、明るく,コントラストの高い画像が表示可能な低価格の反射型液晶表示装置が提供できる。
【0054】
さらにまた、本発明によれば、コンピュータ・シミュレーションにより任意に制御できる拡散反射要素を紐状,棒状あるいは円形で無秩序、かつ最密に配置したパターンを前記転写ロールやプレートの金型あるいはフォトマスク・パターンとして使用するため、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部の断面形状を変化させずに、拡散反射要素の配列方向だけを制御することで、入射光を特定方向に効率良く集光できるので、所望の反射特性を有する反射型液晶表示装置および拡散反射板が提供できる。
【0055】
また、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲線反射部を有する拡散反射要素を無秩序、かつ最密に配置するための主(基礎)パターンとして、円状,棒状あるいは紐状等の相分離現象を解析するコンピュータ・シミュレーション手法により得た相分離生成パターンをコンピュータに取込み、データ処理を行って、前記拡散反射要素が無秩序、かつ最密配置になるようにパターン補正することにより、転写法あるいはフォトリソ法等の形成法に最も適したフォトマスクや転写金型が容易に形成できるため、あらゆる方向からの入射光をより観察者方向に集光させることができる反射板が形成できるだけでなく、拡散反射要素を複数組合せた単位拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置することにより、入射光をより効率的に集光することができるので、より明るく,コントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置および反射板が提供できる。
【0056】
次に、アクティブマトリクス型カラー液晶表示装置の場合について、以下に詳述する。
(1)ガラス基板上に薄膜トランジスタ(ゲート電極(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm),ゲート絶縁膜(材質:窒化シリコン,膜厚:200〜700nm、好ましくは350nm),アモルファスシリコン層(材質:アモルファスシリコン,膜厚:50〜300nm、好ましくは200nm),n型不純物とリンをドーピングしたアモルファスシリコン層(材質:アモルファスシリコン,膜厚:10〜100nm、好ましくは20nm),ドレイン電極(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm),ソース電極(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm),ドレイン配線(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm))を形成する工程、
(2)保護膜(材質:窒化シリコン,膜厚:200〜900nm、好ましくは350nm)を形成する工程、
(3)入射光を特定の方向に集光させるための連続的に変化する傾斜角を2つ有する曲面反射部からなる微小な拡散反射要素の凸部あるいは凹部の曲面反射部が大略同一方向(所定の方向)を向き、最密、かつ無秩序(例えば、高分子ブロック共重合体等で発現する円状,棒状及び紐状の相分離パターンをガイドにして配置)に形成されたフォトマスク,転写用型ロールあるいは型プレート等を用いて、入射光を所定の方向に集光するための凹凸を備えた有機絶縁層(材質:アクリル系樹脂,膜厚:500〜3000nm、好ましくは2000nm)を形成する工程及びコンタクトホールを形成する工程、
(4)前記樹脂層上に反射膜(材質:アルミ,銀及び銀合金,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)を形成する工程、
(5)前記反射膜上に配向制御膜(材質:ポリイミド樹脂,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)を形成する工程とからなる一方の電極基板と、
(6)ガラス基板に遮光層(材質:クロム及び酸化クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)を形成する工程、
(7)前記遮光層上に着色層(母材:アクリル系樹脂,分散材:顔料,膜厚:1000〜3000nm、好ましくは1500nm)を形成する工程、
(8)前記着色層上に平坦化層(材質:アクリル系樹脂,膜厚:1000〜3000nm、好ましくは2000nm)を形成する工程、
(9)前記平坦化層上に透明電極(材質:ITO(Indium Tin Oxide),膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)を形成する工程、
(10)前記透明電極上に配向制御(材質:ポリイミド系樹脂,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)を形成する工程とからなる他方の基板と、
(11)互いの配向制御膜面が対向するようにスペーサ材(ポリマビーズ,シリカビーズ,ガラスファイバ,粒径:5μm)を介して組合せ、両電極基板周辺をシール材(エポキシ樹脂中に上記スペーサ材を分散したもの)で接着,シールする工程、
(12)両電極基板間に液晶を封入,封止する工程、により液晶表示素子を作成する。
【0057】
そして、
(13)前記液晶表示素子の反射板が形成されていない方のガラス基板に所定の位相板と偏光板を貼り合わせる工程、
(14)前記液晶表示素子に液晶駆動用ICが搭載されたテープ・キャリア・パッケージ(以下、TCPと称する)および駆動用外部回路とを接続する工程、
(15)前記液晶表示素子をフレーム,ケース等に組み込む工程、
により本発明の液晶表示装置が完成する。
【0058】
本発明によれば、あらゆる方向から入射される光あるいは特定の方向から入射される光を、できるだけ多く観察者側に反射させるための2つの曲面反射部からなる大略1/2球状から1/4球状まで範囲の凸部あるいは凹部、または大略1/2球状から1/4球状まで範囲の凸部あるいは凹部を少なくとも2個以上組合せたものからなる単位拡散反射要素を、画素電極に対応する部分に無秩序、かつ、最密に配置した反射板を内蔵しているので、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0059】
また、本発明によれば、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる、大略1/2球状から1/4球状まで範囲の凸部あるいは凹部の拡散反射要素を最密、かつ、無秩序に配置できる円形,棒状あるいは紐状の相分離パターンをガイドにして配置するため、あらゆる照明環境下でも入射光を効率良く観察者の方向に集光させることができるので、明るく,コントラストの高い画像が表示可能な低価格の反射型液晶表示装置が提供できる。
【0060】
さらに、本発明によれば、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる、大略1/2球状から1/4球状まで範囲の凸部あるいは凹部の拡散要素が最密、かつ無秩序に形成された転写用ロール,プレートあるいは階調露光用フォトマスク等を作製するためのパターンデータが、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象を解析するためのコンピュータ・シミュレーション手法を用いて生成できるため、前記拡散反射要素を無秩序、かつ最も密に配置できるので明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な低価格の反射型液晶表示装置が提供できる。
【0061】
さらにまた、本発明によれば、コンピュータ・シミュレーションにより任意に制御できる拡散反射要素を紐状,棒状あるいは円形で無秩序、かつ最密に配置したパターンを前記転写ロールやプレートの金型あるいはフォトマスク・パターンとして使用するため、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部の断面形状を変化させずに、拡散反射要素の配列方向を制御するだけで、入射光を特定方向に効率良く集光できるので、所望の反射特性を有する反射型液晶表示装置および拡散反射板が提供できる。
【0062】
また、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部を有する拡散反射要素を無秩序、かつ最密に配置するための主(基礎)パターンとして、円状,棒状あるいは紐状等の相分離現象を解析するコンピュータ・シミュレーション手法により得た相分離生成パターンをコンピュータに取込み、データ処理を行って、前記拡散反射要素が無秩序、かつ最密配置になるようにパターン補正することにより、転写法あるいはフォトリソ法等の形成法に最も適したフォトマスクや転写金型が容易に形成できるため、あらゆる方向からの入射光をより観察者方向に集光させることができる反射板が形成できるだけでなく、拡散反射要素を複数集合させたユニットを多数配置することにより、入射光をより効率的に集光することができるので、より明るい表示が得られる反射型液晶表示装置および反射板が提供できる。
【0063】
なお、上記(4)の入射光を特定の方向に集光させるための連続した傾斜角を2つ有する曲面部からなる微小な拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置した有機絶縁層の形成については、下記に詳述する。
(1)高分子共重合体や高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象の数値解析手法(Cahn−Hilliard(−Cook)方程式,時間依存Ginzburg−Landau方程式あるいはCell−Dynamical−System model(CDS)方程式等)により生成される円状,棒状あるいは紐状の濃度分布パターンおよび2値化パターンを利用して形成されたフォトマスクを使用して、1)連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置、
2)前記拡散反射要素は上方から見た形状が大略4分の1円形から円形までの全ての形状で、その断面形状が曲線部と直線部からなり、
3)前記拡散反射要素の厚み方向の断面形状が大略左右対称であり、
4)少なくとも、前記拡散要素が単体または2つ以上複数が組合せられたものを最小構成要素とし、それを上記数値解析手法により生成された円状,棒状及び紐状のパターン状に最密、かつ無秩序に配置、
5)前記拡散反射要素の曲面反射部がほぼ同一方向になるように配置、これら等の条件を満たすように形成された連続的に変化する傾斜角を2つ有する曲面反射部からなる凸部あるいは凹部パターンが形成された転写用高分子シート,転写用ロール,転写用プレート及び印刷版等を用いて、保護膜(材質:窒化シリコン,膜厚:200〜900nm、好ましくは350nm)28上に塗布された有機絶縁層(材質:アクリル系樹脂,膜厚:200〜900nm、好ましくは350nm)に、前記転写用ロール状金型(ロール速度:0.1〜3m/分)あるいは平板状金型を用いる転写法、さらには前記印刷版を用いる印刷法等により前記拡散要素が多数形成された樹脂パターンに光(波長:365nm,光量:50〜500mj/cm),熱(50〜150℃)および圧力(1〜12kg/cm)を加えて、前記有機絶縁層に前記拡散要素をパターン化するか、または保護膜(材質:窒化シリコン,膜厚:200〜900nm、好ましくは350nm)28上に塗布された有機絶縁層(材質:アクリル系樹脂,膜厚:200〜900nm、好ましくは350nm)に遮光能が連続的に変化した遮光手段(階調露光用フォトマスク)を介して露光(波長:365nm,光量:50〜500mj/cm )し、所定の現像,硬化して前記有機絶縁層に連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる大略1/2球状から1/8球状までの範囲の凸部あるいは凹部、または大略1/2球状から1/8球状まで範囲の凸部あるいは凹部を少なくとも2個以上組合せたものからなる単位拡散反射要素を、画素電極に対応する所定の領域に無秩序、かつ、最も密になるように配置及びパターン化するか、さらには前記保護膜(材質:窒化シリコン,膜厚:200〜900nm、好ましくは350nm)28上に塗布された有機絶縁層(材質:アクリル系樹脂,膜厚:200〜900nm、好ましくは350nm)に、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象を解析するためのシミュレーション手法を利用して作製した階露光用フォトマスクを介して、前記感光性樹脂を露光(波長:365nm,光量:50〜500mj/cm )した後、所定の現像,硬化して前記有機絶縁層に前記拡散反射要素をパターン化する、
(2)連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部を有する拡散反射要素がパターン化された前記有機絶縁層上に反射膜(アルミニューム,アルミニューム合金,銀,銀合金等の薄膜,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)を形成する工程により、あらゆる方向から入射される光、あるいは特定の方向から入射される光を効率良く観察者方向に集光できる拡散反射層を形成する。
【0064】
本発明によれば、あらゆる方向から入射される光あるいは特定の方向から入射される光を、できるだけ多く観察者側に反射させるための連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる大略1/2球状から1/8球状まで範囲の凸部あるいは凹部、または大略1/2球状から1/8球状まで範囲の凸部あるいは凹部を少なくとも2個以上組合せたものからなる単位拡散反射要素を、画素電極に対応する部分に無秩序、かつ、最も密になるように配置された反射板を内蔵しているので、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0065】
また、本発明によれば、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる大略1/2球状から1/8球状まで範囲の凸部あるいは凹部の拡散反射要素を最密、かつ、無秩序に配置できる円形,棒状あるいは紐状の相分離パターンをガイドにして配置するため、あらゆる照明環境下でも入射光を効率良く観察者の方向に集光させることができるので、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な低価格の反射型液晶表示装置が提供できる。
【0066】
さらに、本発明によれば、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる大略1/2球状から1/8球状まで範囲の凸部あるいは凹部の拡散要素が多数形成された転写用ロール,プレートあるいは階調露光用フォトマスク等を作製するためのパターンデータが、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象を解析するためのコンピュータ・シミュレーション手法を用いて生成できるため、前記拡散反射要素を無秩序、かつ最も密に配置できるので、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な低価格の反射型液晶表示装置が提供できる。
【0067】
さらにまた、本発明によれば、コンピュータ・シミュレーションにより任意に制御できる拡散反射要素を紐状,棒状あるいは円形で無秩序、かつ最密に配置したパターンを前記転写ロールやプレートの金型あるいはフォトマスク・パターンとして使用するため、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部の断面形状を変化させずに、拡散反射要素の配列方向を制御するだけで、入射光を特定方向に効率良く集光できるので、所望の反射特性を有する反射型液晶表示装置および拡散反射板が提供できる。
【0068】
また、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部を有する拡散反射要素を無秩序、かつ最密に配置するための主(基礎)パターンとして、円状,棒状あるいは紐状等の相分離現象を解析するコンピュータ・シミュレーション手法により得た相分離生成パターンをコンピュータに取込み、データ処理を行って、前記拡散反射要素が無秩序、かつ最密配置になるようにパターン補正することにより、転写法あるいはフォトリソ法等の形成法に最も適したフォトマスクや転写金型が容易に形成できるため、あらゆる方向からの入射光をより観察者方向に集光させることができる反射板が形成できるだけでなく、拡散反射要素を複数集合させたユニットを多数配置することにより、入射光をより効率的に集光することができるので、より明るく,コントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置および拡散反射板が提供できる。
【0069】
次に、本発明の実施に好適なアクティブ・アドレッシング方式の反射型液晶表示装置を主に説明する。
【0070】
ただし、本発明は液晶の駆動方式には依存するものではないので、アクティブ・アドレッシング方式,パッシブ方式等、いずれの駆動方式の液晶表示装置にも適応でき、アクティブ・アドレッシング方式反射型液晶表示装置に限定されるものではない。また、本発明の指向性拡散反射板はフォトリソ法,転写法,印刷法等のいずれも製作法でも適応でき、製作方式に限定されるものではない。
【0071】
(実施例1)
反射型液晶表示装置の拡散反射板に用いる連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる1/2球状の凸部あるいは凹部の本発明の拡散反射要素を高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象等を利用して最密、かつ無秩序に配置した一実施例を図1に示す。同図(a)は連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる1/2球状の拡散反射要素1を高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象を利用して最密、かつ無秩序に配置したフォトマスク・パターンを示す図であり、黒で示した部分がパターン形状に対応した透過率を有する拡散反射要素となる部分で、白で示した部分が透過である。ただし、使用する感光性材料によっては同パターンにおいて黒の部分と白の部分を反転させる必要がある。この階調露光用マスクはキャニオンマテリアル社のHEBSフォトマスク用ブランクスガラスにレーザ描画装置を用い、かつ、レーザ光の照射時間を制御することにより、拡散反射要素の形状に対応した透過強度になるような階調露光用フォトマスクを作製した。このマスクを用いてフォトレジスト(JSR,型式:PC302,膜厚:1.5μm)で連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる1/2球状の拡散反射要素1(d:2〜20μm,h:0.2〜1.0μm,d′:0.7〜7μm,h′:0.035〜0.35μm)を形成し、その上に滑らかな凹凸にするためのレべリング層(JSR,型式:PC407,膜厚:1.0μm )を設け、さらに、その上にアルミや銀等の金属膜(膜厚:0.1μm )を積層して内蔵型の拡散反射板を形成した。本発明の明るさに寄与しない正反射光成分の発生が極端に低い拡散反射要素を配置する拡散反射板を用いることにより、外部から入射した光を効率良く観測者方向に集光できるようになるので、明るく,コントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0072】
同図(b)は本発明の連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの拡散反射要素の詳細図であり、副曲面反射部が凸状の拡散反射要素を示す図である。同図には本発明の主曲面反射部2と副曲面反射部3からなる拡散反射要素1を上方向から見た図と、A−A′断面を示す図であり、主曲面反射部2の直径は2〜20ミクロン、高さは0.1〜1.0ミクロンとした。また、副曲面反射部3の直径は0.7〜7ミクロン、高さは0.035〜0.35ミクロンとした。
【0073】
本来、主及び副曲面反射部2,3の傾斜角範囲は携帯電話,ノートパソコン等、サイズや使用形態に合わせて設定すべき値であるが、本実施例では携帯電話やPDA等、モバイル機器対応の拡散反射板を想定して1.5 〜15°、好ましくは2〜12°の範囲に設定した。
【0074】
同図(c)は本発明の連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの拡散反射要素の詳細図であり、副曲面反射部3が凹状の拡散反射要素を示す図である。同図には本発明の主曲面反射部2と副曲面反射部3からなる拡散反射要素1を上方向から見た図と、A−A′断面を示す図であり、主曲面反射部2の直径は2〜20ミクロン、高さは0.1〜1.0ミクロンとした。また、平面反射部3の直径は0.7 〜7ミクロン、深さは0.035〜0.35ミクロンとした。本来、副曲面反射部3の傾斜角範囲は携帯電話,ノートパソコン等、サイズや使用形態に合わせて設定すべき値であるが、本実施例では携帯電話やPDA等、モバイル機器対応の拡散反射板を想定して1.5 〜15°、好ましくは2〜12°の範囲に設定した。
【0075】
本発明の連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる別の拡散反射要素を図2〜図4に示す。同図に示した拡散反射要素1は上方向から見た形状が円形以外のものである。また、各図において、(a)は副曲面反射部3が凸状の拡散反射要素、(b)は副曲面反射部3が凹状の拡散反射要素を示したものである。なお、同図に示した拡散反射要素の形状は、前述した上方向から見た拡散反射要素の形状が円形のものと同じ条件にした。したがって、同図に示した各拡散反射要素1の形状は主曲面反射部2の直径が2〜15ミクロンで高さが0.1 〜1.0ミクロン、副曲面反射部3の直径が0.7〜7ミクロンで高さまたは深さが0.035〜0.35ミクロンである。同図2は上方向から見た主曲面反射部2と副曲面反射部3からなる拡散反射要素1の形が扇子を大きく広げた形状であり、その頂角Φがほぼ180°<Φ<360の条件を満たすものである。同図3は上面方向から見た主曲面反射部2と副曲面反射部3からなる拡散反射要素1の形状が半円状であり、その頂角ΦがほぼΦ=180°の条件を満たすものである。同図4は上面方向から見た主曲面反射部2と副曲面反射部3からなる拡散反射要素1の形状が扇状であり、その頂角Φがほぼ90°<Φ<180の条件を満たすものである。これらの拡散反射要素を最密、かつ無秩序になるように配置したことを特徴とする拡散反射板を用いることにより、明るく,コントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0076】
なお、モバイル機器対応の反射型液晶表示装置には、各拡散反射要素1の主及び副曲面反射部2,3が照明光方向に向くように配置するとともに、各拡散反射要素1のA−A′断面図において主曲面反射部2の傾斜角をほぼ左右対称にすると、照明光を効率良く観測者方向に集光できるので望ましい。
【0077】
同図において、dは主曲面反射部の直径であり、hは主曲面反射部の高さあるいは深さであり、d′は副曲面反射部の直径であり、h′は副曲面反射部の高さあるいは深さである。
【0078】
本発明の連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる拡散反射要素を備えた拡散反射板を内蔵した液晶表示装置の断面構造を図5に示す。同図に示すように、基板20上に、ゲート電極(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)21,ゲート絶縁膜(材質:窒化シリコン、膜厚:200〜700nm、好ましくは350nm)22,アモルファスシリコン層(材質:アモルファスシリコン,膜厚:50〜300nm、好ましくは20nm)23,n型不純物としてリンをドーピングしたアモルファスシリコン層であるコンタクト補償層(膜厚:10〜100nm、好ましくは200nm)24,ドレイン電極(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)25,ソース電極(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)26,ドレイン配線(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)27,保護膜(材質:窒化シリコン,膜厚:200〜900nm、好ましくは350nm)28,表面に主曲面反射部5と副曲面反射部6からなる拡散反射要素1が形成された有機絶縁層(材質:アクリル系樹脂,膜厚:500〜3000nm、好ましくは2000nm)29,コンタクトホール30,反射電極(材質:アルミ,銀及び銀合金,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)31,配向制御膜(材質:ポリイミド系樹脂,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)32が形成された一方の電極基板と、基板40上に遮光層(材質:クロム及び酸化クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)41,着色層(母材:アクリル系樹脂,分散材:顔料,膜厚:1000〜3000nm、好ましくは1500nm)42,保護膜(材質:アクリル系樹脂,膜厚:500〜2000nm、好ましくは1000nm)43,共通電極(材質:ITO,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)44,配向制御膜(材質:ポリイミド系樹脂,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)45が形成された他方の電極基板とを、液晶33を介して対峙させた反射型液晶表示素子50であり、さらに、観察者側のガラス基板上に位相差板46,偏光板47を配置して反射型液晶表示装置60としたものである。
【0079】
本発明は有機絶縁層29表面に、主曲面反射部5と副曲面反射部6からなる半球状の拡散反射要素1を最密、かつ無秩序に配置することにより、あらゆる方向から入射される照明光を効率良く集光させて、観測者方向に出射させることができるので、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。なお、本実施例では、所定の領域内に拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置する方法として、高分子ブロック共重合体等で発現する円状,紐状あるいは棒状等の相分離パターンを利用し、そのパターンをガイドにして拡散反射要素を配置することにより、拡散反射要素の最密配置と無秩序配置を両立した。
【0080】
本発明の拡散反射要素を備えた拡散反射板を内蔵した液晶表示装置は、特に、観察者が手に持って使用する携帯電話,PDAはじめ、机上に置いて使用するノートブック型PCやモニタ用途の液晶表示装置まで幅広く有効であり、表示画像を劣化させる正反射光の少ない反射型液晶表示装置が提供できる。ただし、拡散反射要素は使用する機器に適したものを選定すべきであり、所定の領域に無秩序、かつ最も密に配置できるような形状及びサイズにすることが重要である。すなわち、拡散反射要素の形状,大きさ等は機器が使用される照明環境を考慮して決定すべきであり、本実施例に限定されるものではない。
【0081】
(実施例2)
携帯機器用反射型液晶表示装置に好適な拡散反射板に対する本発明の基本思想を図6に示す。同図(a)は携帯情報機器に搭載された反射型ディスプレイ観察時における照明状態を示す図であり、(b)は(a)の照明条件に好適な拡散反射板用の拡散反射させるための最小構成要素を上方向から見た図を示す。同図(a)に示すように、屋外及び屋内において携帯情報機器に搭載された反射型ディスプレイを観察するときには、上方向や左右方向からの照明光14は有効であるが、下側方向からの照明光15は観察者16に遮られて有効に作用しない。そこで、本発明は同図(b)に示すような扇を大きく開いたような形状(大略4分の1球状)の連続的に変化する傾斜角が大略等しい主曲面反射部5と副曲面反射部6からなる拡散反射要素と、半円状(4分の1球状)の連続的に変化する傾斜角が大略等しい主曲面反射部5と副曲面反射部6からなる拡散反射要素を組合せて最小構成要素とした単位拡散反射要素を所定の領域に最密、かつ無秩序になるように配置することを骨子としたものである。
【0082】
言換えると、本発明は、
1)単位拡散反射要素の占有面積が従来の単位拡散反射要素である円形状凸部と大略同じ、
2)有効な照明光14だけを効率良く観察者16方向に集光する条件を満たすような単位拡散反射要素を所定の領域に最密、かつ無秩序に配置することにより、従来の拡散反射要素に比べて大略2倍明るくなるような拡散反射板、及びそれを用いた反射型液晶表示装置を提供するものである。本発明の思想を活かすようなフロントライトと本発明の反射型液晶表示装置を組合せることにより屋内・屋外,日中・夜間、いずれの照明条件下でも使用可能な携帯情報機器に好適な液晶表示装置が提供できる。
【0083】
上記の条件を満たす具体的な反射型液晶表示装置用拡散反射板として、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる大略4分の1球状の凸部あるいは凹部等からなる拡散反射要素を、少なくとも2つ以上、複数組合わせて単位拡散反射要素にするとともに、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象等を利用して、前記単位拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置した実施例を図7に示す。同図(a)は連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる大略4分の1球状の拡散反射要素の主及び副曲面反射部が、ほぼ同一方向を向くように2つ並べた単位拡散反射要素を、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象を利用して最密、かつ無秩序に配置したフォトマスク・パターン17を示す図であり、同図(b),(c)は副曲面反射部を凸状または凹状にした有機絶縁材料等で形成される単位拡散反射要素を示す図である。同図(a)において、黒で示した部分が(b),(c)に示す単位拡散反射要素のパターン形状に対応した遮光能を有する単位拡散反射要素となる部分で、白で示した部分が感光性材料を除去するための透過部である。ただし、使用する感光性材料によっては同パターンにおいて黒の部分と白の部分を反転させる必要がある。本実施例ではパターン形状に対応した遮光能を有する階調露光用マスクとして、キャニオンマテリアル社のHEBSフォトマスク用ブランクスガラスとレーザ描画装置(またはEB描画装置)を用い、かつ、レーザ光の照射時間を制御することにより、拡散反射要素の形状に対応した遮光率になるようなフォトマスクを作製した。このマスクを用いてフォトレジスト(JSR,型式:PC302,膜厚:1500nm)で、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる大略4分の1球状の拡散反射要素1(直径:2〜15ミクロン)を形成し、その上に滑らかな凹凸にするためのレべリング層(JSR,型式:PC407,膜厚:1000nm)を設け、さらに、その上にアルミ,銀及び銀合金等の金属膜(膜厚:100nm)を積層して内蔵型の拡散反射板を形成した。
【0084】
同図(b),(c)に示すように、有機絶縁材料等で形成される単位拡散反射要素は、主曲面反射部5(d:2〜20μm,h:0.1〜1.0μm)と副曲面反射部6(d′:0.7〜7μm,h′:0.035〜0.35μm)からなる拡散要素を2つ組合せて単位拡散反射要素としたものであり、大略直径dの半球状の凸を2分割し、曲面反射部が同一方向になるように配置することにより、同紙面において、左方向と上下方向から入射される光を紙面に対して垂直方向に、半球状の凸に較べて大略2倍集光できるものである。さらに、拡散要素において平端部になり易い頂上付近に主曲面反射部の傾斜角と大略同じ傾斜角を有し、かつ主曲面反射部のdより小さなd′を有する副曲面反射部6設けることにより、表示を劣化させる光成分を除去できるので、明るく,コントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0085】
また、本発明の連続的に変化する傾斜角が大略等しい主曲面反射部5と副曲面反射部6とからなる大略4分の1球状の凸部あるいは凹部等からなる拡散反射要素を、少なくとも2つ以上、複数組合せた単位拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置する拡散反射板において、単位拡散反射要素自体でも無秩序化を図る方法を図8に示す。同図(a)は連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる大略4分の1球状の拡散反射要素の主及び副曲面反射部が、ほぼ同一方向を向くように2つ並べた単位拡散反射要素を、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象を利用して最密、かつ無秩序に配置したフォトマスク・パターン17を示す図であり、(b)〜(e)は本実施例の拡散反射板に形成するための主曲面反射部5と副曲面反射部6からなる大略4分の1球状の拡散反射要素を2つ組合せた単位拡散反射要素を上方向から見たときの配置を示す図で、単位拡散反射要素自体でも無秩序化を付与するための拡散反射要素の組合せを説明する図である。
【0086】
同図(a)において、黒で示した部分が(b)〜(e)に示す単位拡散反射要素のパターン形状に対応した遮光能を有する単位拡散反射要素となる部分で、白で示した部分が感光性材料を除去するための透過部である。ただし、使用する感光性材料によっては同パターンにおいて黒の部分と白の部分を反転させる必要がある。本実施例ではパターン形状に対応した遮光能を有する階調露光用マスクとして、キャニオンマテリアル社のHEBSフォトマスク用ブランクスガラスとレーザ描画装置(またはEB描画装置)を用い、かつ、レーザ光の照射時間を制御することにより、拡散反射要素の形状に対応した遮光率になるようなフォトマスクを作製した。このマスクを用いてフォトレジスト(JSR,型式:PC302,膜厚:1500nm)で、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる大略4分の1球状の拡散反射要素1(直径:2〜15ミクロン)を形成し、その上に滑らかな凹凸にするためのレべリング層(JSR,型式:PC407,膜厚:1000nm)を設け、さらに、その上にアルミ,銀及び銀合金等の金属膜(膜厚:100nm)を積層して内蔵型の拡散反射板を形成した。
【0087】
同図(b),(c)には、本発明の連続的に変化する傾斜角が大略等しい主曲面反射部5と副曲面反射部6からなる2つの拡散反射要素間の距離を無秩序にする単位拡散反射要素を上方向から見た形状を示したもので、その断面形状は図示していないが、主曲面反射部5の直径は2〜20ミクロン、高さは0.1〜1.0ミクロンと、副曲面反射部6の直径は0.7〜7ミクロン、高さは0.035〜0.35ミクロンとした。また、同図(d),(e)には、本発明の連続的に変化する傾斜角が大略等しい主曲面反射部5と副曲面反射部6からなる2つの拡散反射要素の組合せで、方位方向を無秩序にする単位拡散反射要素を上方向から見た形状を示したもので、その断面形状は図示していないが、主曲面反射部5の直径は2〜20ミクロン、高さは0.1〜1.0 ミクロンと、副曲面反射部6の直径は0.7〜7ミクロン、高さは0.035〜0.35ミクロンとした。本来、主及び副曲面反射部5,6の傾斜角範囲は携帯電話,ノートパソコン等、サイズや使用形態に合わせて設定すべき値であるが、本実施例では携帯電話やPDA等、モバイル機器対応の拡散反射板を想定して1.5 〜15°、好ましくは2〜12°の範囲に設定した。
【0088】
同図に示すように、単位拡散反射要素、それ自体でも無秩序化が図れるように拡散反射要素を組合せて単位拡散反射要素を構成し、単位拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置する拡散反射板を液晶表示素子に内蔵することにより、画像を劣化させる干渉による着色を解消することができるので、明るく,コントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0089】
また、同図(a)に示すように、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離パターンを利用して、それ自体でも無秩序化が図れるようにした単位拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置することにより、画像を劣化させる干渉による着色の発生をなくすることができるので、明るく,コントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0090】
さらに、本発明の反射型液晶表示装置に使用する連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる凸部あるいは凹部の拡散反射要素を備えた拡散反射板の別の実施例を図9に示す。同図(a)は連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる4分の1球状の拡散反射要素を2つ組合せて構成した単位拡散反射要素8,9,10及び11を最密、かつ無秩序に配置するため、高分子ブロック共重合体等で発現する円状,棒状及び紐状のパターンをガイドにして配置したフォトマスク・パターンを示す図であり、黒色部(遮光パターン部)が組合せ拡散反射要素部であり、凸部あるいは凹部になる部分である。ただし、使用する材料によっては同パターンにおいて黒の部分と白の部分を反転させる必要がある。また、連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部5,6からなる単位拡散反射要素の形状を精度良く作るためには、本マスクパターンの黒の部分(遮光部)は階調制御されたパターンにするのが望ましい。
【0091】
また、同図(b)〜(e)は前述した組合せ単位拡散反射要素8,9,10及び11を上方向から見た図である。同図(b)は扇を大きく広げた形状の拡散反射要素と半円状の拡散反射要素を組合せた単位拡散反射要素を示したものであり、(c)は扇を大きく広げた形状の拡散反射要素と扇状の拡散反射要素を組合せた単位拡散反射要素を示したものであり、同図(d)は扇を大きく広げた形状の拡散反射要素を2つ組合せた単位拡散反射要素を示したものであり、(e)は半円状の拡散反射要素と扇状の拡散反射要素を組合せた単位拡散反射要素11を示したものである。これらの単位拡散反射要素は従来の円状の凸からなる単位拡散反射要素の占有面積と大略同じであり、従来の円状の凸からなる単位拡散反射要素を配置した拡散反射板を内蔵した反射型液晶表示装置に較べて、上方向及び左右方向からの照明光を観察者方向に集光させる拡散反射要素の面積が大略2倍になるため、その明るさも大略2倍になるものである。
【0092】
なお、本実施例では拡散反射要素の曲面反射部が大略同一方向になるよう配置したが、拡散反射要素の配置は携帯機器の使用状態や使用する照明環境等を考慮して決定すべきであり、本実施例に限定されるものではない。
【0093】
また、同図には連続的に変化する傾斜角が大略等しい主及び副曲面反射部5,6からなる拡散反射要素を2つ組合せたものを示したが、主曲面反射部5だけからなる拡散反射要素を2つ組合せたものを単位拡散反射要素として、所定の領域に最密、かつ無秩序に配置した拡散反射板でも同等の反射特性が得られるだけでなく、作り易い効果も得られるので、副曲面反射部6の付与については機器の用途や照明条件を考慮して決定すべきであり、本実施例に限定されるものではない。
【0094】
さらに、前述したように、連続的に変化する傾斜角が大略等しい主曲面反射部5と副曲面反射部6からなる2つの拡散反射要素の組合せにおいて、拡散反射要素相互の距離と方位方向に対して無秩序配列になるような条件で配置した単位組み合わせ拡散反射要素にすることにより、干渉による着色のない拡散反射板ができることは前述した通りであり、単位拡散反射要素についても本実施例に限定されるものではない。また、同図には示していないが、前述した単位拡散反射要素を円状,棒状及び紐状等の相分離パターン状に配置すれば、より無秩序配置になるため干渉による着色が完全に解消できることが明らかなので、機器の用途や使用する照明条件を考慮して決定すべきであり、最密、かつ無秩序配置の条件についても本実施例に限定されるものではない。
【0095】
なお、連続的に変化する傾斜角が大略等しい主及び副曲面反射部5,6の傾斜角範囲は携帯電話,ノートパソコン等使用形態に合わせて設定すべき値であるが、携帯電話やPDA等に用いる拡散反射板であれば1.5 〜20°、好ましくは2〜12°の範囲が好ましい。
【0096】
同図に示すような、連続的に変化する傾斜角が大略等しい主及び副曲面反射部5,6からなる組合せ拡散要素を配置した拡散反射板を用いることにより、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0097】
本発明の拡散反射板を内蔵した反射型液晶表示装置の断面構造を図10に示す。同図に示すように、基板20上に、ゲート電極(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)21,ゲート絶縁膜(材質:窒化シリコン,膜厚:200〜700nm、好ましくは350nm)22,アモルファスシリコン層(材質:アモルファスシリコン,膜厚:50〜300nm、好ましくは20nm)23,n型不純物としてリンをドーピングしたアモルファスシリコン層(膜厚:10〜100nm、好ましくは200nm)24,ドレイン電極(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)25,ソース電極(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)26,ドレイン配線(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)27,保護膜(材質:窒化シリコン,膜厚:200〜900nm、好ましくは350nm)28,表面に連続的に変化する傾斜角が大略等しい主曲面反射部5と副曲面反射部6からなる拡散反射要素1が形成された有機絶縁層(材質:アクリル系樹脂,膜厚:500〜3000nm、好ましくは2000nm)29,コンタクトホール30,反射電極(材質:アルミ,銀及び銀合金,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)31,配向制御膜(材質:ポリイミド系樹脂,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)32が形成された一方の電極基板と、基板40上に遮光層(材質:クロム及び酸化クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)41,着色層(母剤:アクリル系樹脂,着色剤:顔料,膜厚:1.2〜1.4μm)42,保護膜(材質:アクリル系樹脂,膜厚:500〜2000nm、好ましくは1000nm)43,共通電極(材質:ITO,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)44,配向制御膜(材質:ポリイミド系樹脂,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)45が形成された他方の電極基板とを、液晶33を介して対峙させた反射型液晶素子50であり、さらに、観察者側のガラス基板上に位相差板46,偏光板47を配置して反射型液晶表示装置60としたものである。
【0098】
本発明の連続的に変化する傾斜角が大略等しい2つの曲面反射部からなる拡散反射要素を2つ組み合わせた単位拡散反射要素を所定の領域に最密、かつ無秩序になるように形成した拡散反射板を内蔵することにより、照明光を効率良く観察者方向に集光できるので、明るく,コントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0099】
なお、本実施例では、凸部あるいは凹部の拡散反射要素における主曲面反射部の直径に相当する長さdを2〜20μmの範囲、曲面反射部の高さあるいは深さhを1.0μmの範囲、副曲面反射部の直径に相当する長さd′を0.7〜7μmの範囲、曲面反射部の高さあるいは深さhを0.035〜0.35μmの範囲としたが、拡散反射要素の形状は本実施例に限定されるものではない。
【0100】
また、反射型液晶表示装置60の偏光板47側の上方にフロントライト(図示せず)を配置すれば、屋内,屋外及び夜間等どのような照明条件下でも明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な液晶表示装置が提供できる。
【0101】
(実施例3)
本発明の別の拡散反射板を内蔵した反射型液晶表示装置の断面構造を図11に示す。同図に示すように、基板20上に、ゲート電極(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)21,ゲート絶縁膜(材質:窒化シリコン,膜厚:200〜700nm、好ましくは350nm)22,アモルファスシリコン層(材質:アモルファスシリコン,膜厚:50〜300nm、好ましくは20nm)23,n型不純物としてリンをドーピングしたアモルファスシリコン層であるコンタクト補償層(膜厚:10〜100nm、好ましくは200nm)24,ドレイン電極(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)25,ソース電極(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)26,ドレイン配線(材質:クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは150nm)27,保護膜(材質:窒化シリコン,膜厚:200〜900nm、好ましくは350nm)28,表面に、連続的に変化する傾斜角を有する主曲面反射部5に相当する拡散反射要素部だけの拡散反射要素3′を2つ組合せた単位拡散反射要素を所定の領域(画素部、または表示部全面)に最密、かつ無秩序に形成された有機絶縁層(材質:アクリル系樹脂,膜厚:500〜3000nm、好ましくは2000nm)29,コンタクトホール30,反射電極(材質:アルミ,銀及び銀合金,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)31,配向制御膜(材質:ポリイミド系樹脂,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)32が形成された一方の電極基板と、基板40上に遮光層(材質:クロム及び酸化クロム,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)41,着色層42,保護膜(材質:アクリル系樹脂,膜厚:500〜2000nm、好ましくは1000nm)43,共通電極(材質:ITO,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)44,配向制御膜(材質:ポリイミド系樹脂,膜厚:100〜300nm、好ましくは200nm)45が形成された他方の電極基板とを、液晶33を介して対峙させた反射型液晶表示素子50であり、さらに、観察者側のガラス基板上に位相差板46,偏光板47を配置して反射型液晶表示装置60としたものである。
【0102】
本発明の反射型液晶表示装置の光学特性を図12に示す。同図(a)は反射型液晶表示装置60の光学特性を測定するための測定系を示す図であり、(b)はその特性を示す図である。同図(a)に示す測定系は輝度計61と液晶表示装置60を正対するように配置し、光源62が左右方向に±60°移動するものである。同図(b)に、本発明の液晶表示装置の反射特性を示したが、従来の円形状の凹凸部を配置した液晶表示装置に較べて大略2倍程度明るい特性になっており、本発明思想の妥当性が確認できた。
【0103】
本発明の連続的に変化する傾斜角を有する主曲面反射部に相当する曲面反射部だけからなる拡散反射要素を2つ組合せた単位拡散反射要素を所定の領域に最密、かつ無秩序になるように形成した拡散反射板を内蔵することにより、照明光を効率良く観察者方向に集光できるので、明るい画像が表示可能な低価格の反射型液晶表示装置が提供できる。
【0104】
なお、反射型液晶表示装置60の偏光板47側の上方に本発明の思想を考慮したフロントライト(図示せず)を配置すれば、屋内,屋外及び日中,夜間等どのような照明条件下でも明るい画像が得られる低価格の反射型液晶表示装置が提供できる。
【0105】
(実施例4)
さらに、本発明の反射型液晶表示装置に用いた拡散反射要素の別の配置例を図13に示す。同図(a)は上方向から見た形状が前述した半円状(4分の1球状)の拡散反射要素を2つ組合せて構成した組合せ単位拡散反射要素を、高分子ブロック共重合体等で発現する紐状の相分離パターンをガイドにして配置すると共に、連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部5,6がほぼ同じ方向を向くように配置したフォトマスク・パターンであり、黒色部(遮光パターン部)が組合せ拡散反射要素部であり、凸部あるいは凹部になる部分である。同図(b)は上方向から見た形状が前述した半円状(4分の1球状)の拡散反射要素を2つ組合せて構成した単位組合せ拡散反射要素を、高分子ブロック共重合体等で発現する円形状の相分離パターンをガイドにして配置すると共に、連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部5,6がほぼ同じ方向を向くように配置したフォトマスク・パターンであり、黒色部(遮光パターン部)が組合せ拡散反射要素部であり、凸部あるいは凹部になる部分である。
【0106】
ただし、使用する材料によっては同パターンにおいて、黒の部分と白の部分を反転させる必要がある。また、連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる半円状(4分の1球状)の拡散反射要素、あるいは連続的に変化する傾斜角が1つの曲面反射部だけからなる半円状(4分の1球状)の拡散反射要素を2つ組合わせた単位拡散反射要素の形状を精度良く作るためには、本マスクパターンの黒の部分(遮光部)を前述したような階調制御したパターンにするのが望ましい。
【0107】
上記のフォトマスクを用いて、図10,図11に示した薄膜トランジスタ上の有機絶縁層に、大略4分の1球状の拡散反射要素を2つ組合せた単位拡散反射要素を、高分子ブロック共重合体等で発現する円形状あるいは紐状の相分離パターン状に配置すると共に、連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部5,6が大略同じ方向を向き、かつ最密になるように形成し、前述した図10,図11に示した構成の液晶表示装置を形成した。
【0108】
本発明の単位拡散反射要素を、高分子ブロック共重合体等で発現する円形状あるいは紐状の相分離パターン状に形成するフォトマスクの形成法の概要を図14に示す。同図(a)は高分子ブロック共重合体で発現する紐状の相分離パターンを示す図であり、(b)は前述した相分離パターンの凸部あるいは凹部に相当する部分に、単位拡散反射要素の曲面反射部が大略幅方向を向くように配置した図であり、(c)は前述した相分離パターンの凸部あるいは凹部に相当する部分に、単位拡散反射要素の曲面反射部が大略長さ方向を向くように配置した図である。
【0109】
同図(a)に示すように、
1)前述したCell−Dynamical−System model(CDS)方程式等を用いて紐状の相分離パターン(白で表示した部分が凸部,黒部で表示した部分が凹部)を創出すると共に、
2)同様に、Cell−Dynamical−System model(CDS)方程式等を用いて円形状の相分離パターンを創出し、
3)凸部あるいは凹部単体の濃度パターンを画像処理により、単拡散反射要素を2つ組み合わせた単位拡散反射要素を作製、
4)前述の紐状の相分離パターン(白で表示した部分が凸部,黒部で表示した部分が凹部)部に、同図(a),(b),(c)の条件を満たすように、前記単位拡散反射要素を配置、
5)4)で作製した画像データを基にフォトマスク描画データを作製、
6)フォトマスク描画データを用いてフォトマスク作製、
7)6)で作製したフォトマスクを用いて図9,図10に示した構成の反射型液晶表示装置を作製の工程により、干渉による着色のない、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できるようになる。
【0110】
なお、本実施例では単位拡散反射要素を紐状の相分離パターンをガイドにして配置したが、単位拡散反射要素を「所定の領域に最密、かつ無秩序に配置」の条件を満たすように配置すれば、棒状あるいは円状の相分離パターンをガイドにして配置してもよく、本実施例に限定されることはない。
【0111】
本発明の液晶表示装置は、観察者が手に持って使用する携帯電話やPDA等の液晶表示装置に連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる拡散反射要素、あるいは連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる拡散反射要素、少なくとも2つ以上、複数組合せた拡散反射要素を最小構成単位としたものを高分子ブロック共重合体等で発現する円状,紐状あるいは棒状等の相分離パターンを利用して最密、かつ無秩序に配置する拡散反射板を内蔵することにより、上方向及び左右方向から入射する光を効率良く観察者方向に集光できるので、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0112】
なお、本発明の複数の拡散反射要素を組合せた拡散反射要素を所定の領域に無秩序、かつ最も密に配置する拡散反射板においては、副曲面反射部を設けずに主曲面反射部だけの拡散反射要素を組合せたものでも、本来の拡散反射要素を組合せたものの反射特性と遜色なく、十分な反射特性であることが確認できた。このことは、本発明の複数の拡散反射要素を組合せた拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置する拡散反射板は、階調露光用のフォトマスクを使用しなくても、汎用のフォトマスクで製作できるので低コスト化につながるものであり効果が大きい。
【0113】
本発明の組合わせ拡散反射要素を備えた拡散反射板を内蔵した液晶表示装置は、特に、観察者が手に持って使用する携帯電話やPDA等のように観察者が陰になり下側方向からの入射光が少ないものに有効であり、上方向及び左右方向から入射する光を最大限に観察者方向に集光でき、組合せる拡散反射要素の形状に制限はない。ただし、組合せた拡散反射要素が所定の領域に無秩序、かつ最も密に配置できるような形状及びサイズにすることが重要である。また、組合せる拡散反射要素の形状は照明環境及び液晶ディスプレイの使用条件を考慮して決定すべきである。
【0114】
なお、図示していないが、本発明の思想を活かしたフロントライトと本発明の液晶表示装置を組合せれば、屋内・屋外及び日中・夜間等どのような照明環境下でも明るく,コントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0115】
これらの実施例によれば、
(1)液晶表示装置に入射する光を観察者方向に集光させるための拡散反射板として、所望の反射特性を得るための連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる微小な凸部あるいは凹部を最密、かつ無秩序に配置することにより、液晶表示装置に入射する光を効率良く観察者方向に集光させることができるので、光の干渉による色づきのない、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な反射型液晶表示装置が提供できる。
【0116】
(2)所望の反射特性を得るための連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる微小な凸部あるいは凹部、または所望の反射特性を得るための連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる微小な凸部あるいは凹部を、少なくとも2つ以上、複数組合せものを単位拡散反射要素として最密、かつ無秩序に配置することにより、液晶表示装置に入射する光を観察者方向に効率良く集光できるので、光の干渉による色づきのない、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な低価格の反射型液晶表示装置が提供できる。
【0117】
(3)所望の反射特性を得るための連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる微小な凸部あるいは凹部、または所望の反射特性を得るための曲面反射部からなる微小な凸部あるいは凹部を、少なくとも2つ以上、複数組合せものを単位拡散反射要素として、高分子ブロック共重合体等で発現する紐状,棒状あるいは円形状の相分離パターンをガイドにして最密に配置することにより、液晶表示装置に入射する光を観察者方向に効率良く集光できるので、光の干渉による色づきのない、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な低価格の反射型液晶表示装置が提供できる。
【0118】
(4)所望の反射特性を得るための連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる微小な凸部あるいは凹部、または所望の反射特性を得るための曲面反射部からなる微小な凸部あるいは凹部を、少なくとも2つ以上、複数組合せものを単位拡散反射要素として、高分子共重合体等で発現する紐状,棒状あるいは円形状の相分離パターンをガイドにして最密に配置するためのフォトマスク作製用データを、高分子ブロック共重合等で発現する相分離現象を解析するためのコンピュータ・シミュレーションを用いて創出ことにより、高精度の階調露光用フォトマスクができるので、光の干渉による色づきのない、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な低価格の反射型液晶表示装置が提供できる。
【0119】
(5)所望の反射特性を得るための連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる微小な凸部あるいは凹部、または所望の反射特性を得るための連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる微小な凸部あるいは凹部を、少なくとも2つ以上、複数組合せた単位拡散反射要素を最密、かつ無秩序に配置することにより、1枚のフォトマスクだけで反射型液晶表示装置に入射する光を効率良く特定方向に集光できるので、光の干渉による色づきのない、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な低価格の反射型液晶表示装置が提供できる。
【0120】
(6)本発明の思想を考慮したフロントライトと本発明の反射型液晶表示装置を組合せることにより、屋内・屋外あるいは日中・夜間等の照明条件に依存しない、光の干渉による色づきのなく、明るく、かつコントラストの高い画像が表示可能な低価格の反射型カラー液晶表示装置が提供できる。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、より良好な反射特性を有する拡散反射板を備えた反射型液晶表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォトマスク・パターンを示す図。
【図2】本発明の拡散反射要素の別の形状を示す図。
【図3】本発明の拡散反射要素の別の形状を示す図。
【図4】本発明の拡散反射要素の別の形状を示す図。
【図5】実施例1の反射型カラー液晶表示装置の構成を示す模式断面図。
【図6】本発明の別の集光思想を説明するための拡散反射要素図。
【図7】本発明の拡散反射板を形成するためのフォトマスク・パターンを示す図。
【図8】本発明の拡散反射板を形成するためのフォトマスク・パターンを示す図。
【図9】本発明の拡散反射板を形成するためのフォトマスク・パターンを示す図。
【図10】実施例2の反射型カラー液晶表示装置の構成を示す模式断面図。
【図11】実施例3の反射型カラー液晶表示装置の構成を示す模式断面図。
【図12】実施例2の反射型カラー液晶表示装置の反射特性を測定する光学系及びその特性を示す図。
【図13】実施例4の反射型カラー液晶表示装置を作製するためのフォトマスクを示す図。
【図14】実施例4の反射型カラー液晶表示装置を作製するためのフォトマスク作製方法を示す図。
【符号の説明】
1…連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる球状拡散反射要素、2,5…主曲面反射部、3,6…副曲面反射部、3′…連続的に変化する傾斜角が1つの曲面反射部からなる半円状拡散反射要素、4…連続的に変化する傾斜角が大略同じ2つの曲面反射部からなる扇状拡散反射要素、7…組合せ型半円状拡散反射要素、8…組合せ型逆扇・半円拡散反射要素、9…組合せ型逆扇・扇状拡散反射要素、10…組合せ型逆扇・逆扇状拡散反射要素、11…組合せ型半円・扇状拡散反射要素、12…携帯情報機器、13…反射型ディスプレイ、14…有効照明光、15…無効照明光、16…観察者、17…フォトマスク・パターン、20,40…ガラス基板、21…ゲート電極、22…ゲート絶縁層、23…アモルファスシリコン層、24…コンタクト補償層、25…ドレイン電極、26…ソース電極、27…ドレイン配線、28…保護層、29…有機絶縁層、30…コンタクトホール、31…反射電極、32,45…配向制御膜、33…液晶、41…遮光層、42…着色層、43…保護膜、44…共通電極、46…位相差板、47…偏光板、50…反射型液晶表示素子、60…反射型液晶表示装置、61…輝度計、62…光源、63…サンプル、64…相分離パターン(凹部または凸部)、65…液晶駆動用回路、66…電源回路および制御回路。

Claims (16)

  1. 液晶層を介して対向配置される一対の基板からなり、その一方の基板上には絶縁層が形成され、該絶縁膜上には他方の基板側から入射する光を反射する反射電極が形成される反射型液晶表示装置において、
    前記絶縁層は、略半球状の主凸部と、該略半球状の主凸部の頂点付近に形成した略半球状の副凸部又は凹部が形成された有機樹脂層により構成されることを特徴とする反射型液晶表示装置。
  2. 前記半球状の主凸部の直径dと高さhと、前記略半球状の副凸部又は凹部の直径d′と高さ又は深さh′は、d/h=d′/h′であることを特徴とする請求項1の反射型液晶表示装置。
  3. 前記樹脂層の略半球状の主凸部の配置が規則性がなく配置されていることを特徴とする請求項1又は2の反射型液晶表示装置。
  4. 前記半球状の主凸部の直径dと高さhとの関係h:dが略1:10〜20であることを特徴とする請求項1の反射型液晶表示装置。
  5. 前記略半球状とは、上面からは円形で、上部から下部への断面が略半円状であることである請求項1の反射型液晶表示装置。
  6. 液晶層を介して対向配置される一対の基板からなり、その一方の基板上には絶縁層が形成され、該絶縁膜上には他方の基板側から入射する光を反射する反射電極が形成される反射型液晶表示装置において、
    前記絶縁層は、略半球状の主凸部と、該略半球状の主凸部の頂点付近に形成した略円錐状の副凸部又は凹部が形成された有機樹脂層により構成されることを特徴とする反射型液晶表示装置。
  7. 前記半球状の主凸部の直径dと高さhと、前記略円錐状の副凸部又は凹部の直径d′と高さ又は深さh′は、d/h=d′/h′であることを特徴とする請求項6の反射型液晶表示装置。
  8. 前記樹脂層の略半球状の主凸部の配置が規則性がなく配置されていることを特徴とする請求項6又は7の反射型液晶表示装置。
  9. 前記半球状の主凸部の直径dと高さhとの関係h:dが略1:10〜20であることを特徴とする請求項6の反射型液晶表示装置。
  10. 前記略半球状とは、上面からは円形で、上部から下部への断面が略半円状であることである請求項6の反射型液晶表示装置。
  11. 液晶層を介して対向配置される一対の基板からなり、その一方の基板上には絶縁層が形成され、該絶縁膜上には他方の基板側から入射する光を反射する反射電極が形成される反射型液晶表示装置において、
    前記絶縁層は、略1/4球状の主凸部と、該略1/4球状の主凸部の頂点付近に形成した略1/4球状の副凸部又は凹部が形成された有機樹脂層により構成されることを特徴とする反射型液晶表示装置。
  12. 液晶層を介して対向配置される一対の基板からなり、その一方の基板上には絶縁層が形成され、該絶縁膜上には他方の基板側から入射する光を反射する反射電極が形成される反射型液晶表示装置において、
    前記絶縁層は、略扇形状の主凸部と、該扇形状の主凸部の頂点付近に形成した略扇形状の副凸部又は凹部が形成された有機樹脂層により構成されることを特徴とする反射型液晶表示装置。
  13. 液晶層を介して対向配置される一対の基板からなり、その一方の基板上には絶縁層が形成され、該絶縁膜上には他方の基板側から入射する光を反射する反射電極が形成される反射型液晶表示装置において、
    前記絶縁層は、略半球状の凸部が形成された有機樹脂層により構成され、上方向から見た形状が半円を2つ並べた形状を1単位として配置されていることを特徴とする反射型液晶表示装置。
  14. 前記上方向から見た形状が半円を2つ並べた形状は、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象により生成される円状,紐状あるいは棒状のパターンを利用して、最密、かつ無秩序に配置したことを特徴とする請求項13の反射型液晶表示装置。
  15. 液晶層を介して対向配置される一対の基板からなり、その一方の基板上には絶縁層が形成され、該絶縁膜上には他方の基板側から入射する光を反射する反射電極が形成される反射型液晶表示装置において、
    前記絶縁層は、略半球状の凸部が形成された有機樹脂層により構成され、上方向から見た形状が扇型と半円を2つ並べた形状を1単位として配置されていることを特徴とする反射型液晶表示装置。
  16. 前記上方向から見た形状が扇型と半円を2つ並べた形状は、高分子ブロック共重合体等で発現する相分離現象により生成される円状,紐状あるいは棒状のパターンを利用して、最密、かつ無秩序に配置したことを特徴とする請求項15の反射型液晶表示装置。
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