JP2004045561A - 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】両基板の貼り合わせ工程が位置的に正確に行われる結果、正確な動作等を期しうる電気光学装置を提供する。
【解決手段】電気光学装置は、液晶層(50)を挟持してなるTFTアレイ基板(10)及び対向基板(20)と、対向基板上に形成された柱状スペーサ(401)と、TFTアレイ基板上に形成され、前記柱状スペーサの先端部を嵌め込み可能な、凸部(16A)間にある凹部(16B)を備えている。
【選択図】 図7
【解決手段】電気光学装置は、液晶層(50)を挟持してなるTFTアレイ基板(10)及び対向基板(20)と、対向基板上に形成された柱状スペーサ(401)と、TFTアレイ基板上に形成され、前記柱状スペーサの先端部を嵌め込み可能な、凸部(16A)間にある凹部(16B)を備えている。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置及び電子機器の技術分野に属し、特に、二枚の基板に挟まれた間隙の間隔を所定の値に保つため、柱状のスペーサが利用される電気光学装置及びその製造方法並びにそのような電気光学装置を具備してなる電子機器の技術分野に属するものである。
【0002】
【背景技術】
液晶装置等の電気光学装置は、通常、電極、配線、素子等が作り込まれた二枚の基板間に、電気光学物質の一例たる液晶が封入されて構成される。より具体的には例えば、一方の基板の上に、マトリクス状の画素電極及び該画素電極に接続されたスイッチング素子の一例としての薄膜ダイオード(TFD;Thin Film Diode)を形成し、他方の基板の上に、比較的幅広のストライプ状電極を形成する、等というものを想定することができる。この場合においては、前記TFDに接続されるストライプ状の配線を形成することにより、これら配線及びTFDによって画素電極に対する電圧印加を制御し、かつ、他方の基板の上のストライプ状電極に対して所定の電圧を印加することによって、画素電極及びストライプ状電極間に所定の電位差を生じさせることが可能となり、これにより、液晶に対して所定の電界を印加することが可能となる。
【0003】
このような電気光学装置は、例えば、次のように製造される。すなわち、一対の基板上に上述したような各種構成を作り込んだ上、両基板のうちの少なくとも一方の上の適当な位置に例えば熱硬化型のシール材を塗布した後、これら基板を向かい合わせるように配置し、前記シール材に対する加熱を行って、両基板を固着・貼り合せる(貼り合わせ工程)、というようなものである。
【0004】
従来例としては、特開2000−75305号公報に示された技術が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような電気光学装置ないしその製造方法にあっては、次のような問題点があった。すなわち、このような電気光学装置では、前記二枚の基板の貼り合わせを位置的に正確に行わなければならないが、従来、これを実現することが一般に困難であったことである。例えば、上述した具体例のように、一方の基板上にマトリクス状画素電極が、他方の基板上にストライプ状電極がそれぞれ形成される場合においては、前者の画素電極の行に対し、後者のストライプ状電極の列が位置的に正確に対応していなければならない。もし、このような位置的な対応がとれていない状態で、両基板を貼り合わせてしまうと、液晶への有効な電界の印加が困難となり、画像の表示にも影響を及ぼすこととなる。
【0006】
従来においては、このような問題に対処するため、次のような対策がとられていた。すなわち、前記のシール材を熱硬化させて、両基板を本格的に貼り合わせてしまう前に、いわゆる「仮止め工程」を行っていた。ここに「仮止め工程」とは、基板の周辺部の数箇所に予め紫外線硬化樹脂を塗布した後両基板を向かい合わせ、当該紫外線硬化樹脂に対して紫外線を照射しこれを硬化させて両基板を仮止めするという工程である。これによれば、仮止めによって両基板の位置決めを行った後、本格的な貼り合わせ工程を実施することから、上述のような問題点をある程度有効に解消することができる。
【0007】
しかしながら、前記仮止め工程は、両基板をあくまでも「仮止め」するだけであるから、これらの相対的な位置関係を完璧に固定し得るものではない。すなわち、仮止め用の紫外線硬化樹脂は、基板周辺部の数箇所に塗布されるだけであるから、両基板がずれようとする力を十分に規制することができないのである。したがって、上述のような「仮止め工程」の実施は、両基板の貼り合わせ工程における正確な位置決めに、ある程度は貢献するものの、問題の根本的な解決には至っていなかった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、液晶装置等二枚の基板が貼り合わされた構造を有する電気光学装置であって、両基板の貼り合わせ工程が位置的に正確に行われる結果、正確な動作等を期しうる電気光学装置の提供を課題とする。また、本発明は、そのような電気光学装置の製造方法を提供することも課題とし、更には、該電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することをも課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は、上記課題を解決するため、電気光学物質を挟持してなる一対の基板と、前記一対の基板のうちの一方たる第1基板上且つ該第1基板における前記電気光学物質に対向する側に設けられた柱状スペーサと、前記一対の基板のうちの他方たる第2基板上に形成され、前記柱状スペーサの先端部を嵌め込む凹部とを備えている。
【0010】
本発明の電気光学装置によれば、まず、第1基板上に設けられた柱状スペーサによって、一対の基板により挟まれた間隙を所定の厚さに保つことが可能となる。また、この間隙に対しては、該一対の基板の周囲に別途設けられ得る注入口を通じて、該間隙の外部から液晶等の電気光学物質(以下、「液晶」で代表させる。)を導入することができる。これにより、基板の面のほぼ全面に関して、該間隙内の液晶層の厚さ、すなわちセルギャップを好適に一定に保つことが可能となり、光透過率、コントラスト比、応答速度等の表示特性を好適に維持することができる。
【0011】
ここで、本発明では特に、第2基板上に凹部が備えられており、かつ、該凹部には、前記柱状スペーサの先端を嵌め込まれる。すなわち、本発明においては、第1基板上に形成された柱状スペーサの、第2基板上における接触面(例えば、該第2基板上に形成された配向膜の面等)が、当該接触面の周囲からみて窪んだ形(凹部)を有するようにされているのである。
【0012】
これにより、本発明に係る電気光学装置において、その第1基板及び第2基板間の相対的な位置関係は正確であるということがいえる。というのも、柱状スペーサ及び凹部が、上述のような関係にあることにより、当該電気光学装置の製造段階においては、第1基板及び第2基板の貼り合わせ工程を、位置的に正確に行うことができるからである。すなわち、該貼り合わせ工程においては、第1基板上の柱状スペーサの先端が、第2基板上の凹部に嵌め込まれるような形となることから、これにより、両基板が相対的にずれようとする力を有効に規制することができるのである。
【0013】
以上のように、本発明に係る電気光学装置は、第1基板及び第2基板が位置的に正確に対応した上で貼り合わせられているから、例えば、両基板上の電極は正確に対向しており、その結果、液晶に対する正確な電圧印加を行うことができるなど、高品質画像を表示することが可能となる。
【0014】
ちなみに、本発明に係る電気光学装置において、前記柱状スペーサは、上述したように、第1基板及び第2基板間のセルギャップを、基板全面において一定に保つ機能(すなわち、スペーサとしての本来的な機能)を有するが、このようなセルギャップの具体値としては例えば、約3〜5μm程度等となる。また、その精度は、液晶からなる層を構成する液晶分子の、二枚の基板間における「ねじれ角度」の相違に応じて異なり、例えば、該ねじれ角度が90°であるTN(Twisted Nematic)形の場合には±0.1μm程度以下、該ねじれ角度が260°程度であるSTN(Super Twisted Nematic)形の場合には±0.3μm程度以下が要求される。
【0015】
そして、このような場合においては、前記凹部の深さは、例えば約1μm程度とすると好ましい。この場合、柱状スペーサは、その先端から1μm程度が凹部に嵌め込まれることとなり、これにより、柱状スペーサ、あるいは第1基板の第2基板に対する拘束を好適に実現することができる。
【0016】
また、本発明においては、セルギャップ一定の要請によりよく応えるため、前記柱状スペーサのほかに、前記の熱硬化型シール材の中に、例えば微小な略球状の形状を有するスペーサを混入させてもよい。
【0017】
本発明の電気光学装置の一態様では、前記第2基板上には、前記電気光学物質を透過した光を反射するための反射板と、該反射板下に形成された下部凹凸層とを更に備え、前記凹部は、前記下部凹凸層の凹凸形状を反映した前記反射板の全部若しくは一部として形成されている。
【0018】
この態様によれば、電気光学物質を透過した光が反射する反射板が備えられているから、当該電気光学装置は、いわゆる反射型の電気光学装置として使用することが可能である。ここに反射型の電気光学装置とは、例えば太陽光、あるいは蛍光灯の光などのように、装置外の光を電気光学物質に透過させた上で、その反射光を、画像を構成する光(すなわち、視認者によって視認される光)とするものである。
【0019】
そして、本態様では特に、このような反射板の下に下部凹凸層が形成されており、前記凹部は、この下部凹凸層の凹凸形状を反映した反射板の全部若しくは一部として形成されている。すなわちまず、反射板は、下部凹凸層の形状を反映したものとなっているから、その面は平坦なものではなく凹凸を有するものとなっている。これにより、上述のような光の反射には、散乱反射光が混じることとなり、視野角依存性の小さい画像を表示することなどが可能となる。また、前記凹部は、このような凹凸を有する反射板の全部若しくは一部として形成されている。すなわち、前記の柱状スペーサの先端は、該反射板における凹部、例えば凸部間にある凹部に位置するようになっているのである。
【0020】
このように、本態様によれば、反射板の面が凹凸を有することにより、視野角依存性の小さい画像を表示することが可能となるほか、この凹凸を、既述のように、両基板の貼り合わせ工程における位置決めに利用することが可能となるのである。換言すれば、本態様では、柱状スペーサの先端を固定するための層を別途新たに形成する必要はなく、画像の視野角依存性をより小さくするなどの目的の下、凹凸をつけた反射板を形成するのであれば、その凹凸を、前述したような第1基板及び第2基板間の固定に利用することができることを意味する。
【0021】
なお、本態様に係る電気光学装置は、上述のように、反射型としての使用が可能であるが、前記の反射板のほかに、透過窓等を備えることで、半透過反射型としての使用が可能なように構成してもよい。
【0022】
あるいはまた、本態様では特に、前記凹部が前記反射板の全部若しくは一部として形成されていることに加えて又は代えて、前記凹部は、前記反射板上に直接若しくは間接に、又は、前記下部凹凸層上に直接若しくは間接に形成されているようにしてもよい。
【0023】
このような構成によれば、反射板はそれ自身で下部凹凸層を反映した凹凸を有するとともに、凹部は、該反射板上に形成され、その凹凸を反映した、例えば有機材料からなる膜等によって構成されることとなる。これによっても、上述と略同様な作用効果が達成されることとなるのは明白である。なお、本態様にいう「間接に」とは、例えば、反射板と凹部を構成する膜との間に、別の層間絶縁膜等が形成される場合等を意味している。
【0024】
また、柱状スペーサは、必ずしも反射板上に位置する必要はないから、下部凹凸層を形成するのであれば、この上に直接若しくは間接に有機材料からなる膜等を設け該膜を凹部を構成する膜とする、というような形態としても、上述と略同様な作用効果が達成されることとなる。
【0025】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記反射板は、前記電気光学物質に対して電界を印加するための画素電極の全部又は一部としての反射電極を含む。
【0026】
この態様によれば、反射板には更に、例えば液晶容量を構成する一対の電極の一方としての機能が付加されている。すなわち、本態様に係る反射板には、液晶を透過した光を反射する機能及び該反射において散乱反射光を含ませる機能に加え、液晶容量に対する電界印加を行う機能という三つの機能が備わることになる。また、上述のように、前記凹部が反射板の全部又は一部として形成されるのであれば、該反射板は、柱状スペーサの先端部を拘束する機能をも併せもつ。以上のように、本態様によれば、電気光学装置の効率的な構成を実現することができる。
【0027】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記柱状スペーサの前記第1基板に平行な面における断面形状は、前記凹部を平面視した形状に一致している。
【0028】
この態様によれば、凹部による柱状スペーサの拘束をより確実になすことが可能となるから、第1基板及び第2基板の貼り合わせ工程時における、両基板の位置決めをより確実になすことができる。例えば、柱状スペーサの断面形状が正方形であり、凹部を平面視した形状もまた正方形であるというような場合や、変則的ではあるが、柱状スペーサの断面形状が十字型形状であり、凹部を平面視した形状もまた十字型形状であるというような場合を考えることができる。なお、本態様に言う「一致」とは、完全一致を含むほか、両者に若干の相違がある場合をも含む。
【0029】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1基板上にストライプ状の第1配線を備えるとともに、前記第1基板及び前記第2基板のいずれか一方の上に、前記第1配線に交差する方向に延在するストライプ状の第2配線と、該第2配線及び前記第1配線の交差領域に対応して形成されたスイッチング素子及び画素電極とを備え、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の上に前記第1配線及び第2配線の形成位置に対応する位置に形成された遮光膜を更に備えてなり、前記柱状スペーサは、平面視して、前記遮光膜の形成位置の少なくとも一部にかかるように配置されている。
【0030】
この態様によれば、スイッチング素子を利用することで、いわゆるアクティブマトリクス駆動が可能となる。具体的には例えば、第1基板上に、第1配線の一例たるデータ線、第2配線の一例たる走査線、スイッチング素子の一例たる薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)及び画素電極のすべてを備える形態では、走査線を通じてTFTのON・OFFを制御することで、データ線を通じて供給される画像信号の画素電極に対する印加を制御することが可能となる。この場合、第2基板上に対向電極を備えれば、この対向電極と画素電極との間に所定の電位差を生じさせることが可能となるから、液晶に対して所定の電界を印加することが可能となる。また、別の例として、第1基板上に第1配線の一例たる走査線(又はデータ線)を備えるとともに、第2基板上に第2配線の一例たるデータ線(又は走査線)、スイッチング素子の一例たる薄膜ダイオード(TFD;Thin Film Diode)及び画素電極を備える形態では、データ線(又は走査線)及び画素電極間に所定の電位差を生じさせることが可能となるから、液晶に対して所定の電界を印加することが可能となる。
【0031】
そして、本態様では特に、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の上に前記第1配線及び前記第2配線の形成位置に対応する位置に形成された遮光膜を更に備えてなり、前記柱状スペーサは、平面視して、前記遮光膜の形成位置の少なくとも一部にかかるように配置されている。これによれば、柱状スペーサは、画像表示に寄与することのない領域に、その少なくとも一部がかかるように配置されることとなり、液晶中の光の透過に邪魔になるようなことがないから配置として好適である。
【0032】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1基板上に形成されたストライプ状の第1電極と、前記第2基板上に形成され前記第1電極とは交差する方向に延在するストライプ状の第2電極とを更に備えるとともに、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の上に前記第1電極及び前記第2電極の交差領域を除く位置に形成された遮光膜とを更に備えてなり、前記柱状スペーサは、平面視して、前記遮光膜の形成位置の少なくとも一部にかかるように配置されている。
【0033】
この態様によれば、いわゆるパッシブマトリクス駆動が可能となる。すなわち、本態様では、第1電極及び第2電極の交差領域において両者間に所定の電位差を生じさせることが可能となるから、液晶に対して所定の電界を印加することが可能となる。
【0034】
そして、本態様でも、上述のアクティブマトリクス駆動可能な電気光学装置と略同様に、第1基板及び第2基板の少なくとも一方の上に、第1電極及び第2電極の交差領域を除く位置に形成された遮光膜を更に備えてなり、前記柱状スペーサは、平面視して、前記遮光膜の幅の形成位置の少なくとも一部にかかるように配置されている。これによれば、柱状スペーサは、画像表示を寄与することのない領域に、その少なくとも一部がかかるように配置されることとなり、液晶中の光の透過に邪魔になるようなことがないから配置として好適である。
【0035】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記課題を解決するために、電気光学物質を挟持してなる一対の基板を備えた電気光学装置の製造方法であって、前記一対の基板のうちの一方たる第1基板上且つ該第1基板における前記電気光学物質に対向する側に柱状スペーサを形成する工程と、前記一対の基板のうちの他方たる第2基板上に、前記柱状スペーサの先端部を嵌め込む凹部を形成する工程と、前記柱状スペーサの先端が前記凹部に位置するように前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせる貼合工程とを含む。
【0036】
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、まず、第1基板上に柱状スペーサを形成する。この柱状スペーサの形成工程は、具体的には例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド等の材料からなる膜を形成した後、フォトリソグラフィ及びエッチング工程を実施することによって、形成することができる。一方、第2基板上には、柱状スペーサの先端部を嵌め込む凹部を形成する。この凹部の形成工程は、具体的には例えば、第一に、第2基板上に点在するように有機系樹脂等の感光性樹脂等の材料によってブロック塊を形成し、第二に、該ブロック塊を覆うように同材料からなる覆い膜を成膜する、等という方法を採ることが可能である。
【0037】
そして、本発明では、上述した第1基板上の柱状スペーサの先端部が、第2基板上の前記凹部に位置するように、第1基板及び第2基板を貼り合わせる。この際、前記柱状スペーサの動きが凹部によって規制され、これにより第1基板の第2基板に対する動きが規制されることになる。すなわち、本発明によれば、第1基板及び第2基板の位置決めを正確に行うことができるのである。このような状態で、例えば、第1基板及び第2基板間に配置された熱硬化型シール材に対する加熱を行い、両基板の本格的な貼り合わせを実施することにより、最終的に、第1基板及び第2基板の相対的な位置関係が正確に定められた電気光学装置を製造することができる。
【0038】
このように、本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、例えば、両基板上の電極が正確に対向しており、その結果、液晶に対する正確な電圧印加を行うことができるなど、高品質画像を表示することが可能な電気光学装置を製造することができる。
【0039】
本発明の電気光学装置の製造方法の一態様では、前記凹部を形成する工程は、前記第2基板上に下部凹凸層を形成する工程と、該下部凹凸層の上に、その凹凸形状を反映するように、前記電気光学物質を透過した光を反射するための反射板を形成する工程とからなり、前記凹部は、前記反射板の全部又は一部として形成される。
【0040】
この態様によれば、まず、反射板を形成することから、反射型の電気光学装置を製造することができる。また、この反射板は、下部凹凸層の凹凸形状を反映するように、該下部凹凸層の上に形成されることから、反射特性の良好な(すなわち、視野角依存性が小さい等)反射板を得ることができる。そして、本態様では特に、このような反射板の形成が、即、凹部の形成を意味することから、製造工程の一部簡略化を行うことができる。
【0041】
本発明の電気光学装置の製造方法の他の態様では、前記凹部を形成する工程は、前記第2基板上に下部凹凸層を形成する工程と、該下部凹凸層の上に、その凹凸形状を反映するように、前記電気光学物質を透過した光を反射するための反射板を形成する工程と、該反射板又は前記下部凹凸層の上に前記凹部を構成する膜を形成する工程とからなる。
【0042】
この態様によれば、凹凸をもつ反射板が形成される点に関する、上述したような作用効果は同様に享受しうる。本態様では特に、上述の態様では反射板それ自体が凹部を構成していたのに代えて、該反射板上又は下部凹凸層上に凹部を形成する工程を含んでいる。このような態様であっても、第1基板の第2基板に対する拘束を有効に行うことができることに変わりはなく、したがって、第1基板及び第2基板の貼り合わせ工程において、両者の相対的な位置関係を正確に定めることが可能となる。
【0043】
なお、本態様にいう「凹部を構成する膜」としては例えば、液晶分子の配向状態を一定方向に揃えるための「配向膜」等を考えることができる。このような形態によれば、該配向膜において、液晶層における液晶分子の配向状態を一定方向に揃えるという機能の他、柱状スペーサを拘束する機能を併せ持たせることが可能となるから、効率的である。
【0044】
本発明の電気光学装置の製造方法の他の態様では、前記貼合工程の際に、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の周囲に、仮止め用接着剤を塗布する工程と、前記仮止め用接着剤を硬化させる工程とを更に含む。
【0045】
この態様によれば、第1基板及び第2基板の貼り合わせ工程を行うに際し、仮止め用接着剤を利用する。ここに、仮止め用接着剤としては、例えば、紫外線硬化樹脂等を考えることができる。これによれば、第1基板及び第2基板は、前述の柱状スペーサ及び凹部による拘束のほか、仮止め用接着剤による拘束を受けることになるから、両基板の相対的な位置決めをより正確に実施することができる。
【0046】
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(ただし、その各種態様を含む。)を具備してなる。
【0047】
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置、すなわち、それらの相対的な位置関係が正確に定められた第1基板及び第2基板を備えてなる電気光学装置を具備してなるから、例えば、より高品質な画像を表示することが可能となるなどの特徴を備えた、投射型表示装置(液晶プロジェクタ)、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等の各種電子機器を実現することができる。
【0048】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
【0050】
まず、本実施形態に係る電気光学装置の全体構成を、図1乃至図4を参照して説明する。ここに図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板20の側からみた平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。また、図3は、対向基板上における柱状スペーサの配置態様を示す平面図である。さらに、図4は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。なお、以下で参照する各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
【0051】
図1及び図2において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0052】
ここで、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマテッィク液晶を混合した液晶からなり、後述する一対の配向膜間で、所定の配向状態をとるものである。また、シール材52は、図1に示すように、画像表示領域10aの周囲を囲むように、平面的にみて、「ロ」の字状に設けられている。このようなシール材52の一部においては、図1の下方に示すように、TFTアレイ基板10及び対向基板20により挟まれた間隙内に液晶を注入するための液晶注入口52aが設けられている。完成された電気光学装置では、この液晶注入口52aには、前記間隙内に導入された液晶が外部に漏れることのないようにするため、例えば紫外線硬化型アクリル系樹脂からなる封止材54が設けられる。このようなシール材52を構成する材料としては、例えば熱硬化樹脂等を挙げることができる。ただし、上記のほか、紫外線硬化樹脂を利用してもよい。
【0053】
また、図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜16(「凹部を構成する膜」の一例に該当する(以下「拘束層」ということがある。)。後述の図5乃至図7及びその説明等参照。)が形成されている。他方、対向基板20上には、ITO(インデウィム・ティン・オキサイド)等の透明材料からなる対向電極21のほか、遮光領域を規定する遮光膜23や、これらの最上層部分に配向膜22が形成されている。
【0054】
そして、本実施形態では特に、TFTアレイ基板10及び対向基板20間のセルギャップを所定の値に保つため、図2に示すように、対向基板20側の対向電極21上(図中下側)、かつ、遮光膜23の上であって、配向膜22の下(図中上側)に、略円柱状となる柱状スペーサ401が設けられている。この柱状スペーサ401は、例えばアクリル系樹脂、ポリイミド等の材料からなる。
【0055】
この柱状スペーサ401は、対向基板20上において、図3に示すように配置されている。図3において、対向基板20上には、格子状の遮光膜23及び画像表示領域10aの最外周を規定するための額縁遮光膜53が形成され(図1及び図2も参照)、これら遮光膜23及び額縁遮光膜53上には対向電極21が形成されている。なお、図3では、対向電極を示す符号「21」の横に「(9a(100a))」という記載があるが、これは、図3に示す略四辺形の領域の一つ一つが、TFTアレイ基板10上に形成される画素電極9aの一つ一つ、あるいは画素100a(後述する)の一つ一つに対応していることを意味している。
【0056】
そして、本実施形態に係る柱状スペーサ401は、この図に示すように、格子状に形成された遮光膜23上、あるいは該遮光膜23の幅の範囲内に収まるように配置されている。これによれば、柱状スペーサ401は、画像表示に寄与する光が透過する前記の略四辺形状の領域には位置しないことになるから、より明るい画像表示を行うことができる。
【0057】
また、本実施形態に係る柱状スペーサ401は、図3に示すように、四つの画素電極9aに対して1本ずつの割合で形成されている。これによれば、後の製造方法で説明するように、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の間隙内に液晶を注入する際、柱状スペーサ401がこの液晶の進行を妨げるようなことがない。つまり、該間隙内の隅々まで、満遍なく液晶を行き渡らせることが可能となる。ただし、本発明においては、このような配置態様に限定されるわけではなく、例えば、柱状スペーサ401の配置密度が基板面において均等になるようにといった基準をも併せ考慮するなどして、該柱状スペーサ401の具体的な配置態様を決めることができる。
【0058】
以上のような構成のほか、図1及び図2においては、シール材52の外側の領域に、後述するデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで供給することにより該データ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている一方、後述する走査線3aに走査信号を所定のタイミングで供給することにより該走査線3aを駆動する走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する二辺に沿って設けられている。なお、走査線3aに供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでもよいことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域10aの辺に沿って両側に配列してもよい。他方、TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナ部の少なくとも一箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的に導通をとるための導通材106が設けられている。
【0059】
なお、TFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0060】
このような構成となる電気光学装置の画像表示領域10aにおいては、図4に示すように、複数の画素100aがマトリクス状に構成されているとともに、これらの画素100aの各々には、画素スイッチング用のTFT30が形成されている。
【0061】
図4において、複数の画素100aには、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0062】
また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
【0063】
画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20に形成された対向電極21との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素100aの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素100aの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
【0064】
なお、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極21との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加することがある。例えば、画素電極9aの電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量70により保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い電気光学装置を実現することができる。なお、蓄積容量70を形成する方法としては、それ専用の特別の配線である容量線300を形成する場合、及び前段の走査線3aとの間に形成する場合のいずれであってもよい。
【0065】
上述したような画素100aは、より実際的には、図5及び図6に示すような構成を有する。ここに、図5は、本実施形態に用いたTFTアレイ基板の相互に隣接する複数の画素群の平面図であり、図6は、図5のA−A´断面図である。なお、図5においては、四つの画素についてのみ、その詳細を示している。
【0066】
図5において、TFTアレイ基板上には、上述した走査線3a及びデータ線6a等のほか、画素100aの一つずつに対応して、TFT30、蓄積容量70、透明電極8及び反射電極9等が設けられている。なお、上述までの画素電極9aとは、いま述べた透明電極8及び反射電極9の両者を含意した用語である。
【0067】
このうちまず、反射電極9は、TFTアレイ基板10上に、マトリクス状に形成されている。この反射電極9の各々には、図5に示すような透過窓14が形成され、この透過窓14に対応する領域は透明電極8によって覆われている。このような反射電極9は、アルミニウムや銀、若しくはこれらの合金、又はチタン、窒化チタン、モリブデン、タンタル等との積層膜から構成されており、透明電極8は、ITO(インディウム・ティン・オキサイド)等から構成されている。
【0068】
このように、マトリクス状に配列された反射電極9及び透明電極8の形成領域の縦横の境界に沿っては、データ線6a、走査線3a及び容量線300が形成されており、該反射電極9の一つ一つには、透明電極8を介して、画素スイッチング用のTFT30が電気的に接続されている。データ線6aは例えばアルミニウム等により、走査線3a及び容量線300は例えば導電性のポリシリコン等からなる。また、TFT30は、図5及び図6に示すように、半導体層1aを備えており、該半導体層1a中には適当な不純物が導入されることで高濃度ソース領域1d、高濃度ドレイン領域1e及びチャネル領域1a´が形成されている。このうちTFT30の高濃度ソース領域1dには、データ線6aがコンタクトホールを介して電気的に接続されており、高濃度ドレイン領域1eには、透明電極8がソース線6b及びコンタクトホール15を介して電気的に接続されている。また、TFT30のチャネル領域1a´の上には、これに対向するように、ゲート絶縁膜2を介して、前記の走査線3aが延在するように形成されている。なお、本実施形態におけるTFT30は、図5及び図6に示すように、いわゆるダブルゲート構造となっており、これに伴って、半導体層1aは、図中左側から、高濃度ソース領域1d、低濃度領域1b、チャネル領域1a´、低濃度領域1b、チャネル領域1a´、低濃度領域1b及び高濃度ドレイン領域1eという順番で各領域が形成されたものとなっている。
【0069】
また、本実施形態に係る電気光学装置には、蓄積容量70が形成されている。この蓄積容量70は、下部電極として、画素スイッチング用のTFT30を形成するための半導体膜1の延設部分1fを導電化したものを、上部電極として、走査線3aと同層の容量線300を備えるとともに、これらの間にTaOx、SiOx等からなる誘電体膜を備えた構造になっている。このような蓄積容量70を備えることで、液晶容量における電荷の保持特性を格段に向上することができる。
【0070】
一方、反射電極9及び透明電極8の下には、図6に示すように、ブロック塊層13(本発明にいう「下部凹凸層」の一例に該当する。)、及びその上層の層間膜7(いずれも、図5では示されない)が形成されている。ここでブロック塊層13及び層間膜7は、例えば、有機系樹脂等の感光性樹脂からなり、特に前者は、基板面に点在するブロック塊を含むような形で形成される層であり、後者は、このようなブロック塊層13を含む基板の全面を覆うような形で形成される層である。したがって、層間膜7の表面は、ブロック塊層13を構成するブロック塊の点在態様に応じた凹凸形状を有するものとなる。ちなみに、このような層間膜7を形成することによって、該層間膜7の表面における凹凸形状は、ブロック塊層13における、いわば急峻な凹凸形状を均したような、適度な滑らかさを備えたものとなる。
【0071】
そして、このような層間膜7の上には、透明電極8、反射電極9及び配向膜16が形成されるが、該層間膜7の表面が上述のような凹凸形状を含むことから、これら透明電極8、反射電極9及び配向膜16もまた、その凹凸形状を反映することで、同じような凹凸形状を有するものとなる。
【0072】
このうち反射電極9においては特に、凹凸パターン9gが形成されることになる。図5においては、この凹凸パターン9gが円形状で示されており、該円形状の部分は、その他の部分に比べて、図の紙面に向かってこちら側に突出した形となっていることを示している。すなわち、当該円形状の部分における、図の紙面に向かって向こう側には、層間膜7を介して、前記のブロック塊層13が形成されているのである(図6参照)。
【0073】
このような構成を備える電気光学装置では、透明電極8及び透過窓14を利用することで、透過モードによる画像表示を行うことが可能となり、反射電極9並びにブロック塊層13、層間膜7及び凹凸パターン9gを利用することで、反射モードによる画像表示を行うことが可能となる。すなわち、前者の構成により規定される領域は、図示されない内部光源から発せられた光を図5の紙面向こう側からこちら側に至るように透過させる透過領域であり、後者の構成により規定される領域は、紙面こちら側から前記反射電極9に至って反射した後、再び紙面こちら側に至らせるような反射領域となる。なお、後者の場合では特に、凹凸パターン9gによって光の散乱反射が起きるから、画像の視野角依存性を小さくすることができる。
【0074】
そして本実施形態では特に、図5のZ−Z´断面図である図7に示すように、上述のブロック塊層13に起因して、配向膜16の表面上に現れた凸部16A間にある凹部16Bに対し、対向基板20上に形成された前記の柱状スペーサ401の先端部が位置するようにされている。換言すれば、柱状スペーサ401の先端部が、凹部16Bに対して、いわば嵌め込まれるようにされているのである。これを平面的に見ると、図5に示すように、柱状スペーサ401の先端部は、四つの凸部16Aに囲まれた凹部16Bに位置するようにされている。なお、図7においては、該凹部16Bの形成領域が図3に示したような柱状スペーサ401の配置態様に合致するようにされていることによって、当該領域には、反射電極9及び透明電極8は存在せず、柱状スペーサ401を拘束する拘束層たる配向膜16は、前述のブロック塊層13及び層間膜7の上に直接的に形成された形となっている。
【0075】
図6及び図7においては上記のほか、TFTアレイ基板10上に、厚さが100〜500nmのシリコン酸化膜(絶縁膜)からなる下地保護膜111が形成され、この下地保護膜111とTFT30の上に、厚さが300〜800nmのシリコン酸化膜からなる第1層間絶縁膜4、更に、この第1層間絶縁膜4の上に厚さが100〜800nmのシリコン窒化膜からなる第2層間絶縁膜5(表面保護膜)等が形成されている。ただし、場合により、この第2層間絶縁膜5は、形成してなくてもよい。
【0076】
このような構成となる電気光学装置においては、柱状スペーサ401及び凹部16B間に図5及び図7に示すような関係があることから、次のような作用効果を得ることができる。すなわち、当該電気光学装置の製造段階においては、TFTアレイ基板10及び対向基板20の貼り合わせ工程を、両者の相対的な位置関係を正確に保った上で行うことができる。これは、該貼り合わせ工程において、対向基板20上の柱状スペーサ401の先端部が、TFTアレイ基板10上の配向膜16における凹部16Bに、いわば嵌め込まれるような形となることから、両基板10及び20が相対的にずれようとする力を有効に規制することができるからである。なお、この点については、以下で説明する電気光学装置の製造方法において、改めて触れる。
【0077】
これにより、本実施形態に係る電気光学装置は、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の相対的な位置関係は正確にとられていることになる。例えば、対向基板20上に形成される格子状の遮光膜23と、TFTアレイ基板10上にマトリクス状に配列された反射電極9及び透明電極8との、相対的な位置関係は正確に図られており、本来であれば光が透過すべき領域を覆うように遮光膜23が存在する(例えば、透過窓14の形成領域に遮光膜23の端がかかる等)などということが殆ど起こりえないのである。したがって、本実施形態に係る電気光学装置によれば、より高品質な画像の表示等が可能となる。
【0078】
しかも、本実施形態においては、第2層間絶縁膜5上に、ブロック塊層13及びその上層に位置する各層を形成することによって、画像の視野角依存性を小さくするための反射電極9上の凹凸パターン9gの形成と、柱状スペーサ401の先端部を拘束する拘束層(配向膜16)の形成とが実現されていることになる。つまり、本実施形態では、いわばベースともいうべきブロック塊層13を形成することにより、異なる目的(視野角依存性の可及的排除及び柱状スペーサ401の拘束)を同時に達成することができ、効率的な構成の実現や、製造工程の一部簡略化等を果たすこともできる。
【0079】
なお、上記実施形態においては、柱状スペーサ401の配置態様が、図3及び図5に示すように、四つの画素電極9aごと、かつ、これらに囲まれるように1本ずつ配置されるようなものとされ、また、柱状スペーサ401の先端部の拘束形態が、平面的に見て、四つの凸部16A間にある凹部16Bによって拘束されるようなものとなっていたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。
【0080】
例えば、柱状スペーサ401の配置態様に関しては、上述のようなものの他、基板面に対する柱状スペーサ401の配置密度をより高めたり、又は、より低めたりすることが可能である。また、上述したように、柱状スペーサ401は、遮光膜23の幅の範囲内に配置することが好ましくはあるが、必ずしも、そうしなければならないわけではない。例えば、画素電極9aの形成領域(すなわち、透明電極8及び/又は反射電極9の形成領域)に、その全部又は一部がかかるような形で、柱状スペーサ401を形成してもよい。この場合、上述では、本発明にいう「拘束層」がブロック塊層13及び層間膜7の上に直接に形成された配向膜16に該当することとなっていたが、該「拘束層」が、反射電極9上に直接若しくは間接に形成された配向膜16、あるいは反射電極9それ自身の全部又は一部が、それに該当するようなこともあり得る。ただし、このような場合であっても、画像を構成する光の進行を可能な限り妨げないように、柱状スペーサは、平面視して、遮光膜23の形成位置の少なくとも一部にかかるように配置されていることが好ましい。
【0081】
あるいは、上記実施形態においては、ブロック塊層13上に層間膜7を介して、「拘束層」たる配向膜16を形成していたが、場合によっては、該ブロック塊層13そのものを「拘束層」とする形態や、該ブロック塊層13の直上に「拘束層」を設けるような形態としてもよい。前者の場合においては、ブロック塊層13を形成した後に、ベーク工程を行うことにより、ブロック塊層13の凹凸の縁をなめらかにしてもよい。このようにすれば、該ブロック塊層13のエッジ等が画像上に影響を及ぼすことを未然に防止することができる。つまり、反射特性の向上が見込める。
【0082】
また、柱状スペーサ401の拘束形態に関しては、上述のようなものの他、やや変則的ではあるものの、図8に示すように、平面視すると略十字型の形状を有する凹部16BXに対して、対向基板20に平行な面における断面形状が同じように十字型となる柱状スペーサ401Xの先端部を位置させるような形態としてもよい。ちなみに、凹部16BXは、上記の図5及び図7と同様に、凸部16BA間に形成されるような形となっている。このような形態によれば、凹部16BXによる柱状スペーサ401Xの拘束はより強化されるから、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の相対的な位置関係はより正確になる。あるいはまた、図9に示すように、平面視するとホームベース様の五角形状を有する凹部16FBに対して、同様な断面形状を有する柱状スペーサ401Fの先端部を位置させるような形態としてもよい。ちなみに、このような形状となる柱状スペーサ401Fでは、その鋭角部分401Faにおいて、配向膜22上の配向不良領域を減少させることが可能となる。これは、該柱状スペーサ401Fを、その鋭角部分401Faが配向膜22に対するラビング方向RDの下流側に位置するように配置することによって、ラビング処理において使用されるバフ布の毛先が、当該鋭角部分401Faについて回り込みやすくなることによる。そして、このような形態となる柱状スペーサ401Fと凹部16FBとの間にあっても、図9に示すような配置関係をとれば、後者による前者の動きを相当程度制約することが可能となる。したがって、これによっても、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の相対的な位置関係はより正確になるということがいえる。
【0083】
要は、柱状スペーサの対向基板20に平行な面における断面形状が、拘束層における凹部を平面視した形状に一致していれば、TFTアレイ基板10及び対向基板20の相互拘束性をより強化することができるから、両基板10及び20の位置決めをより確実になすことができるのである。なお、図8及び図9に示すように、柱状スペーサ401X及び401Fの断面形状と凹部16XB及び16FBの形状とは必ずしも完全一致している必要はない。両形状間に図に示すような程度の差異があったとしても、上述したような作用効果は問題なく奏される。
【0084】
また、柱状スペーサを拘束するためには、上述のように、凸部間にある凹部を利用する形態が好ましくはあるが、場合によっては、平坦面に凹部のみを設け、該凹部によって柱状スペーサの先端部を拘束するような形態としてもよい。
【0085】
さらに、上記実施形態においては、反射電極9は、液晶層50を透過した光を反射するための反射板としての機能と、液晶層50に対して電界を印加するための電極としての機能を併せ持っていたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、図6において、反射電極9の形成を省略するとともに、透明電極8下の適当な層に、例えばアルミニウム等からなる反射板を備える形態としてもよい。この場合、当該形態に係る電気光学装置は反射モードでのみ使用可能となるが、本発明は、このような形態もその範囲内に含む。ちなみに、この場合においても、上述にいう「反射板」に対し凹凸パターンを形成すれば、視野角依存性の小さい画像の表示等が可能となることに変わりはない。したがってまた、該反射板に凹凸パターンを形成するために、図6におけるブロック塊層13と同様な層を該反射板下に形成するのであれば、それを利用することによって、柱状スペーサ401の先端部を拘束するための拘束層を形成することが可能となることも変わりはない。
【0086】
なお、上記では、アクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置について説明したが、本発明は、このような形態に限定されるものではなく、パッシブマトリクス駆動方式の電気光学装置に対しても、本発明の適用が可能であることは言うまでもない。
【0087】
(電気光学装置の製造方法)
以下では、上述した構成となる電気光学装置の製造方法について、図10を参照しながら説明する。なお、上述の電気光学装置においては、柱状スペーサ401及び配向膜16に係る構成の形成工程、並びに、TFTアレイ基板10及び対向基板20の貼り合わせ工程等に特徴を有するものであるから、以下では、これらの点について主に説明を加えることとし、残るTFT30、画素電極9a等の製造方法等については、適宜、省略ないし簡略化した説明を行うこととする。
【0088】
まず、TFTアレイ基板10は、図10に示すフローチャートのように製造される。すなわちまず、超音波洗浄等により清浄化したTFTアレイ基板10用のガラス基板等を準備する(ステップS10)。次に、このガラス基板上に、シリコン酸化膜等からなる下地絶縁膜111をプラズマCVD法等によって形成した後、該下地絶縁膜111上に、半導体層1aを含むTFT30をはじめ、走査線3a、容量線300、データ線6a、ソース線6b及び蓄積容量70、並びにこれら要素間の絶縁を図るための第1及び第2層間絶縁膜4及び5等々の各種構成を作り込む(ステップS12)。なお、この際、第1層間絶縁膜4には、TFT30の高濃度ソース領域1dとデータ6aとを電気的に接続するためのコンタクトホール、及び、高濃度ドレイン領域1eとソース線6bとを電気的に接続するためのコンタクトホールの形成が併せて行われる。
【0089】
次に、第2層間絶縁膜5上に、有機系樹脂等の感光性樹脂材料からなるブロック塊層13を形成する(ステップS14)。このブロック塊層13は、図6に示したように、基板面に点在するブロック隗を含むような形で形成される。このような構造は、具体的には例えば、基板全面に前記感光性樹脂材料からなる膜を、スピンコート等によって厚さ1〜3μm程度で形成した後、該膜に対してフォトリソグラフィ及びエッチング工程を実施すること(すなわち、パターニングすること)によって形成することができる。また、ブロック塊層13を構成するブロック塊の具体的な配置態様は、例えば、図5に示すようなものとすることができる。この場合、少なくとも、該ブロック隗によって形作られる凹部の配置態様が、後述する対向基板20上に形成される柱状スペーサ401の配置態様と一致する部分を含むように決定されなければならない。
【0090】
次に、このようなブロック塊を含むブロック塊層13の上に、有機系樹脂等の感光性樹脂材料からなる層間膜7を、スピンコート等によって厚さ1〜2μm程度で形成する(ステップS16)。この層間膜7の形成により、ブロック塊層13における、いわば急峻な凹凸が適度にならされ、エッジ等のない滑らかな凹凸パターン9g(後述)の形成が可能となる。
【0091】
続いて、該層間膜7の上に、例えばITO等の透明導電性材料からなる透明電極8及び例えばアルミニウム等からなる反射電極9を、スパッタリング法等によって形成する(ステップS18)。このうち透明電極8を形成する前の適当な段階で、前記の第2層間絶縁膜5及び層間膜7に対して、ソース線6bに到達するコンタクトホール15(図5参照)を形成しておく。また、透明電極8及び反射電極9のいずれについても、適当なマトリクス状の配列が現れるように、フォトリソグラフィ及びエッチング工程を実施することで、パターニングをなしておく。なお、反射電極9における透過窓14の形成は、このパターニングの際に併せて実施するようにしておけばよい。このように形成された反射電極9上には、前記のブロック塊層13を起因とした、凹凸パターン9gが形成されることになる(図5及び図6参照)。これにより、本実施形態に係る電気光学装置は、視野角依存性の少ない画像を表示可能なものとなる。
【0092】
次に、反射電極9上に、拘束層たる配向膜16を形成する(ステップS20)。すなわち、反射電極9上に、ポリイミド等からなる透明な有機膜を塗布し焼成した後、該膜に対して一定の方向にラビング処理を施す。これにより、該配向膜16に接する液晶層50の液晶分子の配向状態を、前記一定の方向に揃えることが可能となる。また、この配向膜16の表面には、前記のブロック塊層13を起因とした、凸部16A及び凹部16Bを有する凹凸形状が形成されることとなる(図5及び図7参照)。これは、後述の貼り合わせ工程(ステップS80)で利用されることとなる。
【0093】
以上のような工程を経ることにより、TFTアレイ基板10側の製造は完了することとなる。
【0094】
一方、対向基板20側においては、対向基板20用のガラス基板等を準備した後(ステップS50)、このガラス基板上に、図3に示したような格子状の遮光膜23及び額縁遮光膜53の形成(ステップS52)、ITO等の透明導電性材料からなる対向電極21の形成(ステップS54)を行う。
【0095】
次に、この対向電極21の上、かつ、前記の遮光膜23の上に、柱状スペーサ401を形成する(ステップS54)。これは例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド等の材料からなる膜を形成した後、フォトリソグラフィ及びエッチング工程を実施することによって、形成することができる。ここで、この柱状スペーサ401の配置態様は、図3又は図5に示したようなものとすることができる。これにより、柱状スペーサ401の配置態様と、TFTアレイ基板10側の配向膜16上における凹部16Bの配置態様とを合致させることができる。最後に、この柱状スペーサ401の上に、配向膜22を形成することにより(ステップS56)、対向基板20側の製造は完了することとなる。なお、配向膜22の形成は、TFTアレイ基板10側の配向膜16の形成と略同様に実施すればよい。
【0096】
以上のようにTFTアレイ基板10及び対向基板20の製造が完了すると次に、これらの貼り合わせ工程を実施する(ステップS80)。すなわち、TFTアレイ基板10上の配向膜16と、対向基板20上の配向膜22とが互いに向かい合うように、両基板10及び20を貼り合わせるのである。この際、まず、TFTアレイ基板10及び対向基板20の少なくとも一方における適当な箇所、例えば基板周囲の領域に、図1で参照したような、熱硬化型のシール材52を塗布しておく。なお、このシール材52の塗布では、液晶注入口52a(図1参照)が形成されるように、その塗布を一部省略する。
【0097】
次に、前記のシール材52が他方の基板に当接するように、TFTアレイ基板10及び対向基板20を、上述のように向かい合わせる。このとき、対向基板20上の柱状スペーサ401の先端部は、TFTアレイ基板10上の配向膜16の面における凸部16A間にある凹部16Bに、いわば嵌め込まれるような形が実現されることになる(図7及び図5参照)。これは、両者の位置関係が、そのようになるように定められていたことによる(上述のステップS14及びS54)。したがって、柱状スペーサ401の動きは、凹部16Bによって規制されるような形となり、これにより、対向基板20のTFTアレイ基板10に対する動きは制約を受けることになる。つまり、両基板10及び20の相対的な位置関係は正確に定まることになるのである。
【0098】
このように、TFTアレイ基板10及び対向基板20の相対的な位置関係を正確に定めた後には、液晶注入口52aを通じて、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の間隙内に液晶を注入して液晶層50を構成した後(ステップS82)、液晶注入口52aを封止材54によって封止し、最後に、前記の熱硬化型のシール材52に対する加熱を行って、TFTアレイ基板10及び対向基板20を本格的に貼り合わせることで(ステップS84)、電気光学装置の完成をみる。ちなみに、液晶の注入工程は、柱状スペーサ401が図3又は図5に示すような配置態様を採っていることから、これを滞りなく、すなわち前記間隙内の隅々まで満遍なく液晶を行き渡らせることが可能である。
【0099】
ちなみに、このような完成された電気光学装置では、柱状スペーサ401は、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の液晶層50の厚さ、すなわちセルギャップを一定にするという、スペーサ本来の機能を発揮することとなる。
【0100】
以上のように、本実施形態における電気光学装置の製造方法では、柱状スペーサ401の先端部が凹部16Bにより拘束されることにより、TFTアレイ基板10及び対向基板20の位置決めを正確に行った上で、両基板10及び20の貼り合わせ工程を実施することができる。
【0101】
なお、上述においては、TFTアレイ基板10及び対向基板20の貼り合わせ工程において、柱状スペーサ401及び凹部16Bによる拘束力のみを利用する形態となっていたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、図10のステップS84における熱硬化型シール材52の硬化処理の前に、TFTアレイ基板10及び対向基板20の周囲の適所に、紫外線照射によって硬化可能な仮止め用接着剤を塗布し、かつ、これを硬化する処理を行う形態としてもよい。これによれば、TFTアレイ基板10及び対向基板20は、前述の柱状スペーサ401及び凹部16Bによる拘束のほか、仮止め用接着剤による拘束を受けることになるから、両基板10及び20の相対的な位置決めをより正確に実施することができる。
【0102】
(電子機器)
上述のように構成された電気光学装置は、各種の電子機器の表示部として用いることができるが、その一例を、図11〜図13を参照しつつ具体的に説明する。
【0103】
図11は、本発明に係る電気光学装置を表示装置として用いた電子機器の回路構成を示すブロック図である。
【0104】
図11において、電子機器は、表示情報出力原77、表示情報処理回路71、電源回路72、タイミングジェネレータ77及び液晶表示装置74を有する。また、液晶表示装置74は、液晶表示パネル75及び駆動回路76を有する。液晶装置74としては、前述した電気光学装置を用いることができる。
【0105】
表示情報出力原70は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のようなメモリ、各種ディスク等のストレージユニット、デジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ73によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等のような表示情報を、表示情報処理回路71に供給する。
【0106】
表示情報処理回路71は、シリアル−パラレル変換回路や、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等のような周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像信号をクロック信号CLKとともに駆動回路76へ供給する。電源回路72は、各構成要素に所定の電圧を供給する。
【0107】
図12は、本発明に係る電子機器の一実施形態であるモバイル型のパーソナルコンピュータを示している。ここに示すパーソナルコンピュータ80は、キーボード81を備えた本体部82と、液晶表示ユニット83とを有する。液晶表示ユニット83は、前述した電気光学装置100を含んで構成される。
【0108】
図13は、他の電子機器である携帯電話機を示している。ここに示す携帯電話機90は、複数の操作ボタン91と、前述した電気光学装置100からなる表示部とを有している。
【0109】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電気光学装置におけるTFTアレイ基板を、その上に形成された各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図である。
【図2】図1のH−H´断面図である。
【図3】柱状スペーサの対向基板上における配置態様を示す平面図である。
【図4】図1に示す電気光学装置における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路を示す回路図である。
【図5】TFTアレイ基板の相互に隣接する複数の画素群の平面図である。
【図6】図5のA−A´線断面図である。
【図7】図5のZ−Z´断面図である。
【図8】柱状スペーサ及び凹部間の拘束形態を示す図であって、図5に示すのとは異なる態様となるものを示している。
【図9】柱状スペーサ及び凹部間の拘束形態を示す図であって、図5及び図8に示すのとは異なる態様となるものを示している。
【図10】本発明の実施形態に係る電気光学装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る電気光学装置を表示装置として用いた電子機器の回路構成を示すブロック図である。
【図12】本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の一例としてのモバイル型のパーソナルコンピュータを示す説明図である。
【図13】本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の他の例としての携帯電話機の説明図である。
【符号の説明】
3a…走査線
6a…データ線
7…層間膜
9a…画素電極
9…反射電極
10…TFTアレイ基板
13…ブロック塊層(下部凹凸層)
16…配向膜
16A、16XA、16FA…凸部
16B、16BX、16FB…凹部
20…対向基板
21…対向電極
22…配向膜
23…遮光膜
30…TFT
50…液晶層
70…蓄積容量
401、401X、401F…柱状スペーサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置及び電子機器の技術分野に属し、特に、二枚の基板に挟まれた間隙の間隔を所定の値に保つため、柱状のスペーサが利用される電気光学装置及びその製造方法並びにそのような電気光学装置を具備してなる電子機器の技術分野に属するものである。
【0002】
【背景技術】
液晶装置等の電気光学装置は、通常、電極、配線、素子等が作り込まれた二枚の基板間に、電気光学物質の一例たる液晶が封入されて構成される。より具体的には例えば、一方の基板の上に、マトリクス状の画素電極及び該画素電極に接続されたスイッチング素子の一例としての薄膜ダイオード(TFD;Thin Film Diode)を形成し、他方の基板の上に、比較的幅広のストライプ状電極を形成する、等というものを想定することができる。この場合においては、前記TFDに接続されるストライプ状の配線を形成することにより、これら配線及びTFDによって画素電極に対する電圧印加を制御し、かつ、他方の基板の上のストライプ状電極に対して所定の電圧を印加することによって、画素電極及びストライプ状電極間に所定の電位差を生じさせることが可能となり、これにより、液晶に対して所定の電界を印加することが可能となる。
【0003】
このような電気光学装置は、例えば、次のように製造される。すなわち、一対の基板上に上述したような各種構成を作り込んだ上、両基板のうちの少なくとも一方の上の適当な位置に例えば熱硬化型のシール材を塗布した後、これら基板を向かい合わせるように配置し、前記シール材に対する加熱を行って、両基板を固着・貼り合せる(貼り合わせ工程)、というようなものである。
【0004】
従来例としては、特開2000−75305号公報に示された技術が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような電気光学装置ないしその製造方法にあっては、次のような問題点があった。すなわち、このような電気光学装置では、前記二枚の基板の貼り合わせを位置的に正確に行わなければならないが、従来、これを実現することが一般に困難であったことである。例えば、上述した具体例のように、一方の基板上にマトリクス状画素電極が、他方の基板上にストライプ状電極がそれぞれ形成される場合においては、前者の画素電極の行に対し、後者のストライプ状電極の列が位置的に正確に対応していなければならない。もし、このような位置的な対応がとれていない状態で、両基板を貼り合わせてしまうと、液晶への有効な電界の印加が困難となり、画像の表示にも影響を及ぼすこととなる。
【0006】
従来においては、このような問題に対処するため、次のような対策がとられていた。すなわち、前記のシール材を熱硬化させて、両基板を本格的に貼り合わせてしまう前に、いわゆる「仮止め工程」を行っていた。ここに「仮止め工程」とは、基板の周辺部の数箇所に予め紫外線硬化樹脂を塗布した後両基板を向かい合わせ、当該紫外線硬化樹脂に対して紫外線を照射しこれを硬化させて両基板を仮止めするという工程である。これによれば、仮止めによって両基板の位置決めを行った後、本格的な貼り合わせ工程を実施することから、上述のような問題点をある程度有効に解消することができる。
【0007】
しかしながら、前記仮止め工程は、両基板をあくまでも「仮止め」するだけであるから、これらの相対的な位置関係を完璧に固定し得るものではない。すなわち、仮止め用の紫外線硬化樹脂は、基板周辺部の数箇所に塗布されるだけであるから、両基板がずれようとする力を十分に規制することができないのである。したがって、上述のような「仮止め工程」の実施は、両基板の貼り合わせ工程における正確な位置決めに、ある程度は貢献するものの、問題の根本的な解決には至っていなかった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、液晶装置等二枚の基板が貼り合わされた構造を有する電気光学装置であって、両基板の貼り合わせ工程が位置的に正確に行われる結果、正確な動作等を期しうる電気光学装置の提供を課題とする。また、本発明は、そのような電気光学装置の製造方法を提供することも課題とし、更には、該電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することをも課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は、上記課題を解決するため、電気光学物質を挟持してなる一対の基板と、前記一対の基板のうちの一方たる第1基板上且つ該第1基板における前記電気光学物質に対向する側に設けられた柱状スペーサと、前記一対の基板のうちの他方たる第2基板上に形成され、前記柱状スペーサの先端部を嵌め込む凹部とを備えている。
【0010】
本発明の電気光学装置によれば、まず、第1基板上に設けられた柱状スペーサによって、一対の基板により挟まれた間隙を所定の厚さに保つことが可能となる。また、この間隙に対しては、該一対の基板の周囲に別途設けられ得る注入口を通じて、該間隙の外部から液晶等の電気光学物質(以下、「液晶」で代表させる。)を導入することができる。これにより、基板の面のほぼ全面に関して、該間隙内の液晶層の厚さ、すなわちセルギャップを好適に一定に保つことが可能となり、光透過率、コントラスト比、応答速度等の表示特性を好適に維持することができる。
【0011】
ここで、本発明では特に、第2基板上に凹部が備えられており、かつ、該凹部には、前記柱状スペーサの先端を嵌め込まれる。すなわち、本発明においては、第1基板上に形成された柱状スペーサの、第2基板上における接触面(例えば、該第2基板上に形成された配向膜の面等)が、当該接触面の周囲からみて窪んだ形(凹部)を有するようにされているのである。
【0012】
これにより、本発明に係る電気光学装置において、その第1基板及び第2基板間の相対的な位置関係は正確であるということがいえる。というのも、柱状スペーサ及び凹部が、上述のような関係にあることにより、当該電気光学装置の製造段階においては、第1基板及び第2基板の貼り合わせ工程を、位置的に正確に行うことができるからである。すなわち、該貼り合わせ工程においては、第1基板上の柱状スペーサの先端が、第2基板上の凹部に嵌め込まれるような形となることから、これにより、両基板が相対的にずれようとする力を有効に規制することができるのである。
【0013】
以上のように、本発明に係る電気光学装置は、第1基板及び第2基板が位置的に正確に対応した上で貼り合わせられているから、例えば、両基板上の電極は正確に対向しており、その結果、液晶に対する正確な電圧印加を行うことができるなど、高品質画像を表示することが可能となる。
【0014】
ちなみに、本発明に係る電気光学装置において、前記柱状スペーサは、上述したように、第1基板及び第2基板間のセルギャップを、基板全面において一定に保つ機能(すなわち、スペーサとしての本来的な機能)を有するが、このようなセルギャップの具体値としては例えば、約3〜5μm程度等となる。また、その精度は、液晶からなる層を構成する液晶分子の、二枚の基板間における「ねじれ角度」の相違に応じて異なり、例えば、該ねじれ角度が90°であるTN(Twisted Nematic)形の場合には±0.1μm程度以下、該ねじれ角度が260°程度であるSTN(Super Twisted Nematic)形の場合には±0.3μm程度以下が要求される。
【0015】
そして、このような場合においては、前記凹部の深さは、例えば約1μm程度とすると好ましい。この場合、柱状スペーサは、その先端から1μm程度が凹部に嵌め込まれることとなり、これにより、柱状スペーサ、あるいは第1基板の第2基板に対する拘束を好適に実現することができる。
【0016】
また、本発明においては、セルギャップ一定の要請によりよく応えるため、前記柱状スペーサのほかに、前記の熱硬化型シール材の中に、例えば微小な略球状の形状を有するスペーサを混入させてもよい。
【0017】
本発明の電気光学装置の一態様では、前記第2基板上には、前記電気光学物質を透過した光を反射するための反射板と、該反射板下に形成された下部凹凸層とを更に備え、前記凹部は、前記下部凹凸層の凹凸形状を反映した前記反射板の全部若しくは一部として形成されている。
【0018】
この態様によれば、電気光学物質を透過した光が反射する反射板が備えられているから、当該電気光学装置は、いわゆる反射型の電気光学装置として使用することが可能である。ここに反射型の電気光学装置とは、例えば太陽光、あるいは蛍光灯の光などのように、装置外の光を電気光学物質に透過させた上で、その反射光を、画像を構成する光(すなわち、視認者によって視認される光)とするものである。
【0019】
そして、本態様では特に、このような反射板の下に下部凹凸層が形成されており、前記凹部は、この下部凹凸層の凹凸形状を反映した反射板の全部若しくは一部として形成されている。すなわちまず、反射板は、下部凹凸層の形状を反映したものとなっているから、その面は平坦なものではなく凹凸を有するものとなっている。これにより、上述のような光の反射には、散乱反射光が混じることとなり、視野角依存性の小さい画像を表示することなどが可能となる。また、前記凹部は、このような凹凸を有する反射板の全部若しくは一部として形成されている。すなわち、前記の柱状スペーサの先端は、該反射板における凹部、例えば凸部間にある凹部に位置するようになっているのである。
【0020】
このように、本態様によれば、反射板の面が凹凸を有することにより、視野角依存性の小さい画像を表示することが可能となるほか、この凹凸を、既述のように、両基板の貼り合わせ工程における位置決めに利用することが可能となるのである。換言すれば、本態様では、柱状スペーサの先端を固定するための層を別途新たに形成する必要はなく、画像の視野角依存性をより小さくするなどの目的の下、凹凸をつけた反射板を形成するのであれば、その凹凸を、前述したような第1基板及び第2基板間の固定に利用することができることを意味する。
【0021】
なお、本態様に係る電気光学装置は、上述のように、反射型としての使用が可能であるが、前記の反射板のほかに、透過窓等を備えることで、半透過反射型としての使用が可能なように構成してもよい。
【0022】
あるいはまた、本態様では特に、前記凹部が前記反射板の全部若しくは一部として形成されていることに加えて又は代えて、前記凹部は、前記反射板上に直接若しくは間接に、又は、前記下部凹凸層上に直接若しくは間接に形成されているようにしてもよい。
【0023】
このような構成によれば、反射板はそれ自身で下部凹凸層を反映した凹凸を有するとともに、凹部は、該反射板上に形成され、その凹凸を反映した、例えば有機材料からなる膜等によって構成されることとなる。これによっても、上述と略同様な作用効果が達成されることとなるのは明白である。なお、本態様にいう「間接に」とは、例えば、反射板と凹部を構成する膜との間に、別の層間絶縁膜等が形成される場合等を意味している。
【0024】
また、柱状スペーサは、必ずしも反射板上に位置する必要はないから、下部凹凸層を形成するのであれば、この上に直接若しくは間接に有機材料からなる膜等を設け該膜を凹部を構成する膜とする、というような形態としても、上述と略同様な作用効果が達成されることとなる。
【0025】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記反射板は、前記電気光学物質に対して電界を印加するための画素電極の全部又は一部としての反射電極を含む。
【0026】
この態様によれば、反射板には更に、例えば液晶容量を構成する一対の電極の一方としての機能が付加されている。すなわち、本態様に係る反射板には、液晶を透過した光を反射する機能及び該反射において散乱反射光を含ませる機能に加え、液晶容量に対する電界印加を行う機能という三つの機能が備わることになる。また、上述のように、前記凹部が反射板の全部又は一部として形成されるのであれば、該反射板は、柱状スペーサの先端部を拘束する機能をも併せもつ。以上のように、本態様によれば、電気光学装置の効率的な構成を実現することができる。
【0027】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記柱状スペーサの前記第1基板に平行な面における断面形状は、前記凹部を平面視した形状に一致している。
【0028】
この態様によれば、凹部による柱状スペーサの拘束をより確実になすことが可能となるから、第1基板及び第2基板の貼り合わせ工程時における、両基板の位置決めをより確実になすことができる。例えば、柱状スペーサの断面形状が正方形であり、凹部を平面視した形状もまた正方形であるというような場合や、変則的ではあるが、柱状スペーサの断面形状が十字型形状であり、凹部を平面視した形状もまた十字型形状であるというような場合を考えることができる。なお、本態様に言う「一致」とは、完全一致を含むほか、両者に若干の相違がある場合をも含む。
【0029】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1基板上にストライプ状の第1配線を備えるとともに、前記第1基板及び前記第2基板のいずれか一方の上に、前記第1配線に交差する方向に延在するストライプ状の第2配線と、該第2配線及び前記第1配線の交差領域に対応して形成されたスイッチング素子及び画素電極とを備え、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の上に前記第1配線及び第2配線の形成位置に対応する位置に形成された遮光膜を更に備えてなり、前記柱状スペーサは、平面視して、前記遮光膜の形成位置の少なくとも一部にかかるように配置されている。
【0030】
この態様によれば、スイッチング素子を利用することで、いわゆるアクティブマトリクス駆動が可能となる。具体的には例えば、第1基板上に、第1配線の一例たるデータ線、第2配線の一例たる走査線、スイッチング素子の一例たる薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)及び画素電極のすべてを備える形態では、走査線を通じてTFTのON・OFFを制御することで、データ線を通じて供給される画像信号の画素電極に対する印加を制御することが可能となる。この場合、第2基板上に対向電極を備えれば、この対向電極と画素電極との間に所定の電位差を生じさせることが可能となるから、液晶に対して所定の電界を印加することが可能となる。また、別の例として、第1基板上に第1配線の一例たる走査線(又はデータ線)を備えるとともに、第2基板上に第2配線の一例たるデータ線(又は走査線)、スイッチング素子の一例たる薄膜ダイオード(TFD;Thin Film Diode)及び画素電極を備える形態では、データ線(又は走査線)及び画素電極間に所定の電位差を生じさせることが可能となるから、液晶に対して所定の電界を印加することが可能となる。
【0031】
そして、本態様では特に、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の上に前記第1配線及び前記第2配線の形成位置に対応する位置に形成された遮光膜を更に備えてなり、前記柱状スペーサは、平面視して、前記遮光膜の形成位置の少なくとも一部にかかるように配置されている。これによれば、柱状スペーサは、画像表示に寄与することのない領域に、その少なくとも一部がかかるように配置されることとなり、液晶中の光の透過に邪魔になるようなことがないから配置として好適である。
【0032】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1基板上に形成されたストライプ状の第1電極と、前記第2基板上に形成され前記第1電極とは交差する方向に延在するストライプ状の第2電極とを更に備えるとともに、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の上に前記第1電極及び前記第2電極の交差領域を除く位置に形成された遮光膜とを更に備えてなり、前記柱状スペーサは、平面視して、前記遮光膜の形成位置の少なくとも一部にかかるように配置されている。
【0033】
この態様によれば、いわゆるパッシブマトリクス駆動が可能となる。すなわち、本態様では、第1電極及び第2電極の交差領域において両者間に所定の電位差を生じさせることが可能となるから、液晶に対して所定の電界を印加することが可能となる。
【0034】
そして、本態様でも、上述のアクティブマトリクス駆動可能な電気光学装置と略同様に、第1基板及び第2基板の少なくとも一方の上に、第1電極及び第2電極の交差領域を除く位置に形成された遮光膜を更に備えてなり、前記柱状スペーサは、平面視して、前記遮光膜の幅の形成位置の少なくとも一部にかかるように配置されている。これによれば、柱状スペーサは、画像表示を寄与することのない領域に、その少なくとも一部がかかるように配置されることとなり、液晶中の光の透過に邪魔になるようなことがないから配置として好適である。
【0035】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記課題を解決するために、電気光学物質を挟持してなる一対の基板を備えた電気光学装置の製造方法であって、前記一対の基板のうちの一方たる第1基板上且つ該第1基板における前記電気光学物質に対向する側に柱状スペーサを形成する工程と、前記一対の基板のうちの他方たる第2基板上に、前記柱状スペーサの先端部を嵌め込む凹部を形成する工程と、前記柱状スペーサの先端が前記凹部に位置するように前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせる貼合工程とを含む。
【0036】
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、まず、第1基板上に柱状スペーサを形成する。この柱状スペーサの形成工程は、具体的には例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド等の材料からなる膜を形成した後、フォトリソグラフィ及びエッチング工程を実施することによって、形成することができる。一方、第2基板上には、柱状スペーサの先端部を嵌め込む凹部を形成する。この凹部の形成工程は、具体的には例えば、第一に、第2基板上に点在するように有機系樹脂等の感光性樹脂等の材料によってブロック塊を形成し、第二に、該ブロック塊を覆うように同材料からなる覆い膜を成膜する、等という方法を採ることが可能である。
【0037】
そして、本発明では、上述した第1基板上の柱状スペーサの先端部が、第2基板上の前記凹部に位置するように、第1基板及び第2基板を貼り合わせる。この際、前記柱状スペーサの動きが凹部によって規制され、これにより第1基板の第2基板に対する動きが規制されることになる。すなわち、本発明によれば、第1基板及び第2基板の位置決めを正確に行うことができるのである。このような状態で、例えば、第1基板及び第2基板間に配置された熱硬化型シール材に対する加熱を行い、両基板の本格的な貼り合わせを実施することにより、最終的に、第1基板及び第2基板の相対的な位置関係が正確に定められた電気光学装置を製造することができる。
【0038】
このように、本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、例えば、両基板上の電極が正確に対向しており、その結果、液晶に対する正確な電圧印加を行うことができるなど、高品質画像を表示することが可能な電気光学装置を製造することができる。
【0039】
本発明の電気光学装置の製造方法の一態様では、前記凹部を形成する工程は、前記第2基板上に下部凹凸層を形成する工程と、該下部凹凸層の上に、その凹凸形状を反映するように、前記電気光学物質を透過した光を反射するための反射板を形成する工程とからなり、前記凹部は、前記反射板の全部又は一部として形成される。
【0040】
この態様によれば、まず、反射板を形成することから、反射型の電気光学装置を製造することができる。また、この反射板は、下部凹凸層の凹凸形状を反映するように、該下部凹凸層の上に形成されることから、反射特性の良好な(すなわち、視野角依存性が小さい等)反射板を得ることができる。そして、本態様では特に、このような反射板の形成が、即、凹部の形成を意味することから、製造工程の一部簡略化を行うことができる。
【0041】
本発明の電気光学装置の製造方法の他の態様では、前記凹部を形成する工程は、前記第2基板上に下部凹凸層を形成する工程と、該下部凹凸層の上に、その凹凸形状を反映するように、前記電気光学物質を透過した光を反射するための反射板を形成する工程と、該反射板又は前記下部凹凸層の上に前記凹部を構成する膜を形成する工程とからなる。
【0042】
この態様によれば、凹凸をもつ反射板が形成される点に関する、上述したような作用効果は同様に享受しうる。本態様では特に、上述の態様では反射板それ自体が凹部を構成していたのに代えて、該反射板上又は下部凹凸層上に凹部を形成する工程を含んでいる。このような態様であっても、第1基板の第2基板に対する拘束を有効に行うことができることに変わりはなく、したがって、第1基板及び第2基板の貼り合わせ工程において、両者の相対的な位置関係を正確に定めることが可能となる。
【0043】
なお、本態様にいう「凹部を構成する膜」としては例えば、液晶分子の配向状態を一定方向に揃えるための「配向膜」等を考えることができる。このような形態によれば、該配向膜において、液晶層における液晶分子の配向状態を一定方向に揃えるという機能の他、柱状スペーサを拘束する機能を併せ持たせることが可能となるから、効率的である。
【0044】
本発明の電気光学装置の製造方法の他の態様では、前記貼合工程の際に、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の周囲に、仮止め用接着剤を塗布する工程と、前記仮止め用接着剤を硬化させる工程とを更に含む。
【0045】
この態様によれば、第1基板及び第2基板の貼り合わせ工程を行うに際し、仮止め用接着剤を利用する。ここに、仮止め用接着剤としては、例えば、紫外線硬化樹脂等を考えることができる。これによれば、第1基板及び第2基板は、前述の柱状スペーサ及び凹部による拘束のほか、仮止め用接着剤による拘束を受けることになるから、両基板の相対的な位置決めをより正確に実施することができる。
【0046】
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(ただし、その各種態様を含む。)を具備してなる。
【0047】
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置、すなわち、それらの相対的な位置関係が正確に定められた第1基板及び第2基板を備えてなる電気光学装置を具備してなるから、例えば、より高品質な画像を表示することが可能となるなどの特徴を備えた、投射型表示装置(液晶プロジェクタ)、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等の各種電子機器を実現することができる。
【0048】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
【0050】
まず、本実施形態に係る電気光学装置の全体構成を、図1乃至図4を参照して説明する。ここに図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板20の側からみた平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。また、図3は、対向基板上における柱状スペーサの配置態様を示す平面図である。さらに、図4は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。なお、以下で参照する各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
【0051】
図1及び図2において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0052】
ここで、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマテッィク液晶を混合した液晶からなり、後述する一対の配向膜間で、所定の配向状態をとるものである。また、シール材52は、図1に示すように、画像表示領域10aの周囲を囲むように、平面的にみて、「ロ」の字状に設けられている。このようなシール材52の一部においては、図1の下方に示すように、TFTアレイ基板10及び対向基板20により挟まれた間隙内に液晶を注入するための液晶注入口52aが設けられている。完成された電気光学装置では、この液晶注入口52aには、前記間隙内に導入された液晶が外部に漏れることのないようにするため、例えば紫外線硬化型アクリル系樹脂からなる封止材54が設けられる。このようなシール材52を構成する材料としては、例えば熱硬化樹脂等を挙げることができる。ただし、上記のほか、紫外線硬化樹脂を利用してもよい。
【0053】
また、図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜16(「凹部を構成する膜」の一例に該当する(以下「拘束層」ということがある。)。後述の図5乃至図7及びその説明等参照。)が形成されている。他方、対向基板20上には、ITO(インデウィム・ティン・オキサイド)等の透明材料からなる対向電極21のほか、遮光領域を規定する遮光膜23や、これらの最上層部分に配向膜22が形成されている。
【0054】
そして、本実施形態では特に、TFTアレイ基板10及び対向基板20間のセルギャップを所定の値に保つため、図2に示すように、対向基板20側の対向電極21上(図中下側)、かつ、遮光膜23の上であって、配向膜22の下(図中上側)に、略円柱状となる柱状スペーサ401が設けられている。この柱状スペーサ401は、例えばアクリル系樹脂、ポリイミド等の材料からなる。
【0055】
この柱状スペーサ401は、対向基板20上において、図3に示すように配置されている。図3において、対向基板20上には、格子状の遮光膜23及び画像表示領域10aの最外周を規定するための額縁遮光膜53が形成され(図1及び図2も参照)、これら遮光膜23及び額縁遮光膜53上には対向電極21が形成されている。なお、図3では、対向電極を示す符号「21」の横に「(9a(100a))」という記載があるが、これは、図3に示す略四辺形の領域の一つ一つが、TFTアレイ基板10上に形成される画素電極9aの一つ一つ、あるいは画素100a(後述する)の一つ一つに対応していることを意味している。
【0056】
そして、本実施形態に係る柱状スペーサ401は、この図に示すように、格子状に形成された遮光膜23上、あるいは該遮光膜23の幅の範囲内に収まるように配置されている。これによれば、柱状スペーサ401は、画像表示に寄与する光が透過する前記の略四辺形状の領域には位置しないことになるから、より明るい画像表示を行うことができる。
【0057】
また、本実施形態に係る柱状スペーサ401は、図3に示すように、四つの画素電極9aに対して1本ずつの割合で形成されている。これによれば、後の製造方法で説明するように、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の間隙内に液晶を注入する際、柱状スペーサ401がこの液晶の進行を妨げるようなことがない。つまり、該間隙内の隅々まで、満遍なく液晶を行き渡らせることが可能となる。ただし、本発明においては、このような配置態様に限定されるわけではなく、例えば、柱状スペーサ401の配置密度が基板面において均等になるようにといった基準をも併せ考慮するなどして、該柱状スペーサ401の具体的な配置態様を決めることができる。
【0058】
以上のような構成のほか、図1及び図2においては、シール材52の外側の領域に、後述するデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで供給することにより該データ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている一方、後述する走査線3aに走査信号を所定のタイミングで供給することにより該走査線3aを駆動する走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する二辺に沿って設けられている。なお、走査線3aに供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでもよいことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域10aの辺に沿って両側に配列してもよい。他方、TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナ部の少なくとも一箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的に導通をとるための導通材106が設けられている。
【0059】
なお、TFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0060】
このような構成となる電気光学装置の画像表示領域10aにおいては、図4に示すように、複数の画素100aがマトリクス状に構成されているとともに、これらの画素100aの各々には、画素スイッチング用のTFT30が形成されている。
【0061】
図4において、複数の画素100aには、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0062】
また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
【0063】
画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20に形成された対向電極21との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素100aの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素100aの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
【0064】
なお、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極21との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加することがある。例えば、画素電極9aの電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量70により保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い電気光学装置を実現することができる。なお、蓄積容量70を形成する方法としては、それ専用の特別の配線である容量線300を形成する場合、及び前段の走査線3aとの間に形成する場合のいずれであってもよい。
【0065】
上述したような画素100aは、より実際的には、図5及び図6に示すような構成を有する。ここに、図5は、本実施形態に用いたTFTアレイ基板の相互に隣接する複数の画素群の平面図であり、図6は、図5のA−A´断面図である。なお、図5においては、四つの画素についてのみ、その詳細を示している。
【0066】
図5において、TFTアレイ基板上には、上述した走査線3a及びデータ線6a等のほか、画素100aの一つずつに対応して、TFT30、蓄積容量70、透明電極8及び反射電極9等が設けられている。なお、上述までの画素電極9aとは、いま述べた透明電極8及び反射電極9の両者を含意した用語である。
【0067】
このうちまず、反射電極9は、TFTアレイ基板10上に、マトリクス状に形成されている。この反射電極9の各々には、図5に示すような透過窓14が形成され、この透過窓14に対応する領域は透明電極8によって覆われている。このような反射電極9は、アルミニウムや銀、若しくはこれらの合金、又はチタン、窒化チタン、モリブデン、タンタル等との積層膜から構成されており、透明電極8は、ITO(インディウム・ティン・オキサイド)等から構成されている。
【0068】
このように、マトリクス状に配列された反射電極9及び透明電極8の形成領域の縦横の境界に沿っては、データ線6a、走査線3a及び容量線300が形成されており、該反射電極9の一つ一つには、透明電極8を介して、画素スイッチング用のTFT30が電気的に接続されている。データ線6aは例えばアルミニウム等により、走査線3a及び容量線300は例えば導電性のポリシリコン等からなる。また、TFT30は、図5及び図6に示すように、半導体層1aを備えており、該半導体層1a中には適当な不純物が導入されることで高濃度ソース領域1d、高濃度ドレイン領域1e及びチャネル領域1a´が形成されている。このうちTFT30の高濃度ソース領域1dには、データ線6aがコンタクトホールを介して電気的に接続されており、高濃度ドレイン領域1eには、透明電極8がソース線6b及びコンタクトホール15を介して電気的に接続されている。また、TFT30のチャネル領域1a´の上には、これに対向するように、ゲート絶縁膜2を介して、前記の走査線3aが延在するように形成されている。なお、本実施形態におけるTFT30は、図5及び図6に示すように、いわゆるダブルゲート構造となっており、これに伴って、半導体層1aは、図中左側から、高濃度ソース領域1d、低濃度領域1b、チャネル領域1a´、低濃度領域1b、チャネル領域1a´、低濃度領域1b及び高濃度ドレイン領域1eという順番で各領域が形成されたものとなっている。
【0069】
また、本実施形態に係る電気光学装置には、蓄積容量70が形成されている。この蓄積容量70は、下部電極として、画素スイッチング用のTFT30を形成するための半導体膜1の延設部分1fを導電化したものを、上部電極として、走査線3aと同層の容量線300を備えるとともに、これらの間にTaOx、SiOx等からなる誘電体膜を備えた構造になっている。このような蓄積容量70を備えることで、液晶容量における電荷の保持特性を格段に向上することができる。
【0070】
一方、反射電極9及び透明電極8の下には、図6に示すように、ブロック塊層13(本発明にいう「下部凹凸層」の一例に該当する。)、及びその上層の層間膜7(いずれも、図5では示されない)が形成されている。ここでブロック塊層13及び層間膜7は、例えば、有機系樹脂等の感光性樹脂からなり、特に前者は、基板面に点在するブロック塊を含むような形で形成される層であり、後者は、このようなブロック塊層13を含む基板の全面を覆うような形で形成される層である。したがって、層間膜7の表面は、ブロック塊層13を構成するブロック塊の点在態様に応じた凹凸形状を有するものとなる。ちなみに、このような層間膜7を形成することによって、該層間膜7の表面における凹凸形状は、ブロック塊層13における、いわば急峻な凹凸形状を均したような、適度な滑らかさを備えたものとなる。
【0071】
そして、このような層間膜7の上には、透明電極8、反射電極9及び配向膜16が形成されるが、該層間膜7の表面が上述のような凹凸形状を含むことから、これら透明電極8、反射電極9及び配向膜16もまた、その凹凸形状を反映することで、同じような凹凸形状を有するものとなる。
【0072】
このうち反射電極9においては特に、凹凸パターン9gが形成されることになる。図5においては、この凹凸パターン9gが円形状で示されており、該円形状の部分は、その他の部分に比べて、図の紙面に向かってこちら側に突出した形となっていることを示している。すなわち、当該円形状の部分における、図の紙面に向かって向こう側には、層間膜7を介して、前記のブロック塊層13が形成されているのである(図6参照)。
【0073】
このような構成を備える電気光学装置では、透明電極8及び透過窓14を利用することで、透過モードによる画像表示を行うことが可能となり、反射電極9並びにブロック塊層13、層間膜7及び凹凸パターン9gを利用することで、反射モードによる画像表示を行うことが可能となる。すなわち、前者の構成により規定される領域は、図示されない内部光源から発せられた光を図5の紙面向こう側からこちら側に至るように透過させる透過領域であり、後者の構成により規定される領域は、紙面こちら側から前記反射電極9に至って反射した後、再び紙面こちら側に至らせるような反射領域となる。なお、後者の場合では特に、凹凸パターン9gによって光の散乱反射が起きるから、画像の視野角依存性を小さくすることができる。
【0074】
そして本実施形態では特に、図5のZ−Z´断面図である図7に示すように、上述のブロック塊層13に起因して、配向膜16の表面上に現れた凸部16A間にある凹部16Bに対し、対向基板20上に形成された前記の柱状スペーサ401の先端部が位置するようにされている。換言すれば、柱状スペーサ401の先端部が、凹部16Bに対して、いわば嵌め込まれるようにされているのである。これを平面的に見ると、図5に示すように、柱状スペーサ401の先端部は、四つの凸部16Aに囲まれた凹部16Bに位置するようにされている。なお、図7においては、該凹部16Bの形成領域が図3に示したような柱状スペーサ401の配置態様に合致するようにされていることによって、当該領域には、反射電極9及び透明電極8は存在せず、柱状スペーサ401を拘束する拘束層たる配向膜16は、前述のブロック塊層13及び層間膜7の上に直接的に形成された形となっている。
【0075】
図6及び図7においては上記のほか、TFTアレイ基板10上に、厚さが100〜500nmのシリコン酸化膜(絶縁膜)からなる下地保護膜111が形成され、この下地保護膜111とTFT30の上に、厚さが300〜800nmのシリコン酸化膜からなる第1層間絶縁膜4、更に、この第1層間絶縁膜4の上に厚さが100〜800nmのシリコン窒化膜からなる第2層間絶縁膜5(表面保護膜)等が形成されている。ただし、場合により、この第2層間絶縁膜5は、形成してなくてもよい。
【0076】
このような構成となる電気光学装置においては、柱状スペーサ401及び凹部16B間に図5及び図7に示すような関係があることから、次のような作用効果を得ることができる。すなわち、当該電気光学装置の製造段階においては、TFTアレイ基板10及び対向基板20の貼り合わせ工程を、両者の相対的な位置関係を正確に保った上で行うことができる。これは、該貼り合わせ工程において、対向基板20上の柱状スペーサ401の先端部が、TFTアレイ基板10上の配向膜16における凹部16Bに、いわば嵌め込まれるような形となることから、両基板10及び20が相対的にずれようとする力を有効に規制することができるからである。なお、この点については、以下で説明する電気光学装置の製造方法において、改めて触れる。
【0077】
これにより、本実施形態に係る電気光学装置は、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の相対的な位置関係は正確にとられていることになる。例えば、対向基板20上に形成される格子状の遮光膜23と、TFTアレイ基板10上にマトリクス状に配列された反射電極9及び透明電極8との、相対的な位置関係は正確に図られており、本来であれば光が透過すべき領域を覆うように遮光膜23が存在する(例えば、透過窓14の形成領域に遮光膜23の端がかかる等)などということが殆ど起こりえないのである。したがって、本実施形態に係る電気光学装置によれば、より高品質な画像の表示等が可能となる。
【0078】
しかも、本実施形態においては、第2層間絶縁膜5上に、ブロック塊層13及びその上層に位置する各層を形成することによって、画像の視野角依存性を小さくするための反射電極9上の凹凸パターン9gの形成と、柱状スペーサ401の先端部を拘束する拘束層(配向膜16)の形成とが実現されていることになる。つまり、本実施形態では、いわばベースともいうべきブロック塊層13を形成することにより、異なる目的(視野角依存性の可及的排除及び柱状スペーサ401の拘束)を同時に達成することができ、効率的な構成の実現や、製造工程の一部簡略化等を果たすこともできる。
【0079】
なお、上記実施形態においては、柱状スペーサ401の配置態様が、図3及び図5に示すように、四つの画素電極9aごと、かつ、これらに囲まれるように1本ずつ配置されるようなものとされ、また、柱状スペーサ401の先端部の拘束形態が、平面的に見て、四つの凸部16A間にある凹部16Bによって拘束されるようなものとなっていたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。
【0080】
例えば、柱状スペーサ401の配置態様に関しては、上述のようなものの他、基板面に対する柱状スペーサ401の配置密度をより高めたり、又は、より低めたりすることが可能である。また、上述したように、柱状スペーサ401は、遮光膜23の幅の範囲内に配置することが好ましくはあるが、必ずしも、そうしなければならないわけではない。例えば、画素電極9aの形成領域(すなわち、透明電極8及び/又は反射電極9の形成領域)に、その全部又は一部がかかるような形で、柱状スペーサ401を形成してもよい。この場合、上述では、本発明にいう「拘束層」がブロック塊層13及び層間膜7の上に直接に形成された配向膜16に該当することとなっていたが、該「拘束層」が、反射電極9上に直接若しくは間接に形成された配向膜16、あるいは反射電極9それ自身の全部又は一部が、それに該当するようなこともあり得る。ただし、このような場合であっても、画像を構成する光の進行を可能な限り妨げないように、柱状スペーサは、平面視して、遮光膜23の形成位置の少なくとも一部にかかるように配置されていることが好ましい。
【0081】
あるいは、上記実施形態においては、ブロック塊層13上に層間膜7を介して、「拘束層」たる配向膜16を形成していたが、場合によっては、該ブロック塊層13そのものを「拘束層」とする形態や、該ブロック塊層13の直上に「拘束層」を設けるような形態としてもよい。前者の場合においては、ブロック塊層13を形成した後に、ベーク工程を行うことにより、ブロック塊層13の凹凸の縁をなめらかにしてもよい。このようにすれば、該ブロック塊層13のエッジ等が画像上に影響を及ぼすことを未然に防止することができる。つまり、反射特性の向上が見込める。
【0082】
また、柱状スペーサ401の拘束形態に関しては、上述のようなものの他、やや変則的ではあるものの、図8に示すように、平面視すると略十字型の形状を有する凹部16BXに対して、対向基板20に平行な面における断面形状が同じように十字型となる柱状スペーサ401Xの先端部を位置させるような形態としてもよい。ちなみに、凹部16BXは、上記の図5及び図7と同様に、凸部16BA間に形成されるような形となっている。このような形態によれば、凹部16BXによる柱状スペーサ401Xの拘束はより強化されるから、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の相対的な位置関係はより正確になる。あるいはまた、図9に示すように、平面視するとホームベース様の五角形状を有する凹部16FBに対して、同様な断面形状を有する柱状スペーサ401Fの先端部を位置させるような形態としてもよい。ちなみに、このような形状となる柱状スペーサ401Fでは、その鋭角部分401Faにおいて、配向膜22上の配向不良領域を減少させることが可能となる。これは、該柱状スペーサ401Fを、その鋭角部分401Faが配向膜22に対するラビング方向RDの下流側に位置するように配置することによって、ラビング処理において使用されるバフ布の毛先が、当該鋭角部分401Faについて回り込みやすくなることによる。そして、このような形態となる柱状スペーサ401Fと凹部16FBとの間にあっても、図9に示すような配置関係をとれば、後者による前者の動きを相当程度制約することが可能となる。したがって、これによっても、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の相対的な位置関係はより正確になるということがいえる。
【0083】
要は、柱状スペーサの対向基板20に平行な面における断面形状が、拘束層における凹部を平面視した形状に一致していれば、TFTアレイ基板10及び対向基板20の相互拘束性をより強化することができるから、両基板10及び20の位置決めをより確実になすことができるのである。なお、図8及び図9に示すように、柱状スペーサ401X及び401Fの断面形状と凹部16XB及び16FBの形状とは必ずしも完全一致している必要はない。両形状間に図に示すような程度の差異があったとしても、上述したような作用効果は問題なく奏される。
【0084】
また、柱状スペーサを拘束するためには、上述のように、凸部間にある凹部を利用する形態が好ましくはあるが、場合によっては、平坦面に凹部のみを設け、該凹部によって柱状スペーサの先端部を拘束するような形態としてもよい。
【0085】
さらに、上記実施形態においては、反射電極9は、液晶層50を透過した光を反射するための反射板としての機能と、液晶層50に対して電界を印加するための電極としての機能を併せ持っていたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、図6において、反射電極9の形成を省略するとともに、透明電極8下の適当な層に、例えばアルミニウム等からなる反射板を備える形態としてもよい。この場合、当該形態に係る電気光学装置は反射モードでのみ使用可能となるが、本発明は、このような形態もその範囲内に含む。ちなみに、この場合においても、上述にいう「反射板」に対し凹凸パターンを形成すれば、視野角依存性の小さい画像の表示等が可能となることに変わりはない。したがってまた、該反射板に凹凸パターンを形成するために、図6におけるブロック塊層13と同様な層を該反射板下に形成するのであれば、それを利用することによって、柱状スペーサ401の先端部を拘束するための拘束層を形成することが可能となることも変わりはない。
【0086】
なお、上記では、アクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置について説明したが、本発明は、このような形態に限定されるものではなく、パッシブマトリクス駆動方式の電気光学装置に対しても、本発明の適用が可能であることは言うまでもない。
【0087】
(電気光学装置の製造方法)
以下では、上述した構成となる電気光学装置の製造方法について、図10を参照しながら説明する。なお、上述の電気光学装置においては、柱状スペーサ401及び配向膜16に係る構成の形成工程、並びに、TFTアレイ基板10及び対向基板20の貼り合わせ工程等に特徴を有するものであるから、以下では、これらの点について主に説明を加えることとし、残るTFT30、画素電極9a等の製造方法等については、適宜、省略ないし簡略化した説明を行うこととする。
【0088】
まず、TFTアレイ基板10は、図10に示すフローチャートのように製造される。すなわちまず、超音波洗浄等により清浄化したTFTアレイ基板10用のガラス基板等を準備する(ステップS10)。次に、このガラス基板上に、シリコン酸化膜等からなる下地絶縁膜111をプラズマCVD法等によって形成した後、該下地絶縁膜111上に、半導体層1aを含むTFT30をはじめ、走査線3a、容量線300、データ線6a、ソース線6b及び蓄積容量70、並びにこれら要素間の絶縁を図るための第1及び第2層間絶縁膜4及び5等々の各種構成を作り込む(ステップS12)。なお、この際、第1層間絶縁膜4には、TFT30の高濃度ソース領域1dとデータ6aとを電気的に接続するためのコンタクトホール、及び、高濃度ドレイン領域1eとソース線6bとを電気的に接続するためのコンタクトホールの形成が併せて行われる。
【0089】
次に、第2層間絶縁膜5上に、有機系樹脂等の感光性樹脂材料からなるブロック塊層13を形成する(ステップS14)。このブロック塊層13は、図6に示したように、基板面に点在するブロック隗を含むような形で形成される。このような構造は、具体的には例えば、基板全面に前記感光性樹脂材料からなる膜を、スピンコート等によって厚さ1〜3μm程度で形成した後、該膜に対してフォトリソグラフィ及びエッチング工程を実施すること(すなわち、パターニングすること)によって形成することができる。また、ブロック塊層13を構成するブロック塊の具体的な配置態様は、例えば、図5に示すようなものとすることができる。この場合、少なくとも、該ブロック隗によって形作られる凹部の配置態様が、後述する対向基板20上に形成される柱状スペーサ401の配置態様と一致する部分を含むように決定されなければならない。
【0090】
次に、このようなブロック塊を含むブロック塊層13の上に、有機系樹脂等の感光性樹脂材料からなる層間膜7を、スピンコート等によって厚さ1〜2μm程度で形成する(ステップS16)。この層間膜7の形成により、ブロック塊層13における、いわば急峻な凹凸が適度にならされ、エッジ等のない滑らかな凹凸パターン9g(後述)の形成が可能となる。
【0091】
続いて、該層間膜7の上に、例えばITO等の透明導電性材料からなる透明電極8及び例えばアルミニウム等からなる反射電極9を、スパッタリング法等によって形成する(ステップS18)。このうち透明電極8を形成する前の適当な段階で、前記の第2層間絶縁膜5及び層間膜7に対して、ソース線6bに到達するコンタクトホール15(図5参照)を形成しておく。また、透明電極8及び反射電極9のいずれについても、適当なマトリクス状の配列が現れるように、フォトリソグラフィ及びエッチング工程を実施することで、パターニングをなしておく。なお、反射電極9における透過窓14の形成は、このパターニングの際に併せて実施するようにしておけばよい。このように形成された反射電極9上には、前記のブロック塊層13を起因とした、凹凸パターン9gが形成されることになる(図5及び図6参照)。これにより、本実施形態に係る電気光学装置は、視野角依存性の少ない画像を表示可能なものとなる。
【0092】
次に、反射電極9上に、拘束層たる配向膜16を形成する(ステップS20)。すなわち、反射電極9上に、ポリイミド等からなる透明な有機膜を塗布し焼成した後、該膜に対して一定の方向にラビング処理を施す。これにより、該配向膜16に接する液晶層50の液晶分子の配向状態を、前記一定の方向に揃えることが可能となる。また、この配向膜16の表面には、前記のブロック塊層13を起因とした、凸部16A及び凹部16Bを有する凹凸形状が形成されることとなる(図5及び図7参照)。これは、後述の貼り合わせ工程(ステップS80)で利用されることとなる。
【0093】
以上のような工程を経ることにより、TFTアレイ基板10側の製造は完了することとなる。
【0094】
一方、対向基板20側においては、対向基板20用のガラス基板等を準備した後(ステップS50)、このガラス基板上に、図3に示したような格子状の遮光膜23及び額縁遮光膜53の形成(ステップS52)、ITO等の透明導電性材料からなる対向電極21の形成(ステップS54)を行う。
【0095】
次に、この対向電極21の上、かつ、前記の遮光膜23の上に、柱状スペーサ401を形成する(ステップS54)。これは例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド等の材料からなる膜を形成した後、フォトリソグラフィ及びエッチング工程を実施することによって、形成することができる。ここで、この柱状スペーサ401の配置態様は、図3又は図5に示したようなものとすることができる。これにより、柱状スペーサ401の配置態様と、TFTアレイ基板10側の配向膜16上における凹部16Bの配置態様とを合致させることができる。最後に、この柱状スペーサ401の上に、配向膜22を形成することにより(ステップS56)、対向基板20側の製造は完了することとなる。なお、配向膜22の形成は、TFTアレイ基板10側の配向膜16の形成と略同様に実施すればよい。
【0096】
以上のようにTFTアレイ基板10及び対向基板20の製造が完了すると次に、これらの貼り合わせ工程を実施する(ステップS80)。すなわち、TFTアレイ基板10上の配向膜16と、対向基板20上の配向膜22とが互いに向かい合うように、両基板10及び20を貼り合わせるのである。この際、まず、TFTアレイ基板10及び対向基板20の少なくとも一方における適当な箇所、例えば基板周囲の領域に、図1で参照したような、熱硬化型のシール材52を塗布しておく。なお、このシール材52の塗布では、液晶注入口52a(図1参照)が形成されるように、その塗布を一部省略する。
【0097】
次に、前記のシール材52が他方の基板に当接するように、TFTアレイ基板10及び対向基板20を、上述のように向かい合わせる。このとき、対向基板20上の柱状スペーサ401の先端部は、TFTアレイ基板10上の配向膜16の面における凸部16A間にある凹部16Bに、いわば嵌め込まれるような形が実現されることになる(図7及び図5参照)。これは、両者の位置関係が、そのようになるように定められていたことによる(上述のステップS14及びS54)。したがって、柱状スペーサ401の動きは、凹部16Bによって規制されるような形となり、これにより、対向基板20のTFTアレイ基板10に対する動きは制約を受けることになる。つまり、両基板10及び20の相対的な位置関係は正確に定まることになるのである。
【0098】
このように、TFTアレイ基板10及び対向基板20の相対的な位置関係を正確に定めた後には、液晶注入口52aを通じて、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の間隙内に液晶を注入して液晶層50を構成した後(ステップS82)、液晶注入口52aを封止材54によって封止し、最後に、前記の熱硬化型のシール材52に対する加熱を行って、TFTアレイ基板10及び対向基板20を本格的に貼り合わせることで(ステップS84)、電気光学装置の完成をみる。ちなみに、液晶の注入工程は、柱状スペーサ401が図3又は図5に示すような配置態様を採っていることから、これを滞りなく、すなわち前記間隙内の隅々まで満遍なく液晶を行き渡らせることが可能である。
【0099】
ちなみに、このような完成された電気光学装置では、柱状スペーサ401は、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の液晶層50の厚さ、すなわちセルギャップを一定にするという、スペーサ本来の機能を発揮することとなる。
【0100】
以上のように、本実施形態における電気光学装置の製造方法では、柱状スペーサ401の先端部が凹部16Bにより拘束されることにより、TFTアレイ基板10及び対向基板20の位置決めを正確に行った上で、両基板10及び20の貼り合わせ工程を実施することができる。
【0101】
なお、上述においては、TFTアレイ基板10及び対向基板20の貼り合わせ工程において、柱状スペーサ401及び凹部16Bによる拘束力のみを利用する形態となっていたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、図10のステップS84における熱硬化型シール材52の硬化処理の前に、TFTアレイ基板10及び対向基板20の周囲の適所に、紫外線照射によって硬化可能な仮止め用接着剤を塗布し、かつ、これを硬化する処理を行う形態としてもよい。これによれば、TFTアレイ基板10及び対向基板20は、前述の柱状スペーサ401及び凹部16Bによる拘束のほか、仮止め用接着剤による拘束を受けることになるから、両基板10及び20の相対的な位置決めをより正確に実施することができる。
【0102】
(電子機器)
上述のように構成された電気光学装置は、各種の電子機器の表示部として用いることができるが、その一例を、図11〜図13を参照しつつ具体的に説明する。
【0103】
図11は、本発明に係る電気光学装置を表示装置として用いた電子機器の回路構成を示すブロック図である。
【0104】
図11において、電子機器は、表示情報出力原77、表示情報処理回路71、電源回路72、タイミングジェネレータ77及び液晶表示装置74を有する。また、液晶表示装置74は、液晶表示パネル75及び駆動回路76を有する。液晶装置74としては、前述した電気光学装置を用いることができる。
【0105】
表示情報出力原70は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のようなメモリ、各種ディスク等のストレージユニット、デジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ73によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等のような表示情報を、表示情報処理回路71に供給する。
【0106】
表示情報処理回路71は、シリアル−パラレル変換回路や、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等のような周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像信号をクロック信号CLKとともに駆動回路76へ供給する。電源回路72は、各構成要素に所定の電圧を供給する。
【0107】
図12は、本発明に係る電子機器の一実施形態であるモバイル型のパーソナルコンピュータを示している。ここに示すパーソナルコンピュータ80は、キーボード81を備えた本体部82と、液晶表示ユニット83とを有する。液晶表示ユニット83は、前述した電気光学装置100を含んで構成される。
【0108】
図13は、他の電子機器である携帯電話機を示している。ここに示す携帯電話機90は、複数の操作ボタン91と、前述した電気光学装置100からなる表示部とを有している。
【0109】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電気光学装置におけるTFTアレイ基板を、その上に形成された各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図である。
【図2】図1のH−H´断面図である。
【図3】柱状スペーサの対向基板上における配置態様を示す平面図である。
【図4】図1に示す電気光学装置における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路を示す回路図である。
【図5】TFTアレイ基板の相互に隣接する複数の画素群の平面図である。
【図6】図5のA−A´線断面図である。
【図7】図5のZ−Z´断面図である。
【図8】柱状スペーサ及び凹部間の拘束形態を示す図であって、図5に示すのとは異なる態様となるものを示している。
【図9】柱状スペーサ及び凹部間の拘束形態を示す図であって、図5及び図8に示すのとは異なる態様となるものを示している。
【図10】本発明の実施形態に係る電気光学装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る電気光学装置を表示装置として用いた電子機器の回路構成を示すブロック図である。
【図12】本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の一例としてのモバイル型のパーソナルコンピュータを示す説明図である。
【図13】本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の他の例としての携帯電話機の説明図である。
【符号の説明】
3a…走査線
6a…データ線
7…層間膜
9a…画素電極
9…反射電極
10…TFTアレイ基板
13…ブロック塊層(下部凹凸層)
16…配向膜
16A、16XA、16FA…凸部
16B、16BX、16FB…凹部
20…対向基板
21…対向電極
22…配向膜
23…遮光膜
30…TFT
50…液晶層
70…蓄積容量
401、401X、401F…柱状スペーサ
Claims (12)
- 電気光学物質を挟持してなる一対の基板と、
前記一対の基板のうちの一方たる第1基板上且つ該第1基板における前記電気光学物質に対向する側に設けられた柱状スペーサと、
前記一対の基板のうちの他方たる第2基板上に形成され、前記柱状スペーサの先端部を嵌め込む凹部と、
を備えたことを特徴とする電気光学装置。 - 前記第2基板上には、前記電気光学物質を透過した光を反射するための反射板と、該反射板下に形成された下部凹凸層とを更に備え、
前記凹部は、前記下部凹凸層の凹凸形状を反映した前記反射板の全部若しくは一部として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記凹部が前記反射板の全部若しくは一部として形成されていることに加えて又は代えて、
前記凹部は、前記反射板上に直接若しくは間接に、又は、前記下部凹凸層上に直接若しくは間接に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。 - 前記反射板は、前記電気光学物質に対して電界を印加するための画素電極の全部又は一部としての反射電極を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の電気光学装置。
- 前記柱状スペーサの前記第1基板に平行な面における断面形状は、前記凹部を平面視した形状に一致していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記第1基板上にストライプ状の第1配線を備えるとともに、
前記第1基板及び前記第2基板のいずれか一方の上に、前記第1配線に交差する方向に延在するストライプ状の第2配線と、該第2配線及び前記第1配線の交差領域に対応して形成されたスイッチング素子及び画素電極とを備え、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の上に前記第1配線及び第2配線の形成位置に対応する位置に形成された遮光膜を更に備えてなり、
前記柱状スペーサは、平面視して、前記遮光膜の形成位置の少なくとも一部にかかるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記第1基板上に形成されたストライプ状の第1電極と、前記第2基板上に形成され前記第1電極とは交差する方向に延在するストライプ状の第2電極とを更に備えるとともに、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の上に前記第1電極及び前記第2電極の交差領域を除く位置に形成された遮光膜とを更に備えてなり、
前記柱状スペーサは、平面視して、前記遮光膜の形成位置の少なくとも一部にかかるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 電気光学物質を挟持してなる一対の基板を備えた電気光学装置の製造方法であって、
前記一対の基板のうちの一方たる第1基板上且つ該第1基板における前記電気光学物質に対向する側に柱状スペーサを形成する工程と、
前記一対の基板のうちの他方たる第2基板上に、前記柱状スペーサの先端部を嵌め込む凹部を形成する工程と、
前記柱状スペーサの先端部が前記凹部に位置するように前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせる貼合工程と
を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記凹部を形成する工程は、
前記第2基板上に下部凹凸層を形成する工程と、
該下部凹凸層の上に、その凹凸形状を反映するように、前記電気光学物質を透過した光を反射するための反射板を形成する工程とからなり、
前記凹部は、前記反射板の全部又は一部として形成されることを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置の製造方法。 - 前記凹部を形成する工程は、
前記第2基板上に下部凹凸層を形成する工程と、
該下部凹凸層の上に、その凹凸形状を反映するように、前記電気光学物質を透過した光を反射するための反射板を形成する工程と、
該反射板又は前記下部凹凸層の上に前記凹部を構成する膜を形成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置。 - 前記貼合工程の際に、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の周囲に、仮止め用接着剤を塗布する工程と、
前記仮止め用接着剤を硬化させる工程と
を更に含むことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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