JP2004045293A

JP2004045293A - 曲げ荷重試験装置及び試験方法

Info

Publication number: JP2004045293A
Application number: JP2002204933A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Yamada; 山田　政博; Takayuki Kurimura; 栗村　隆之
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 2002-07-15
Filing date: 2002-07-15
Publication date: 2004-02-12

Abstract

【課題】板材の表面に曲げ荷重を付与する板材の曲げ荷重試験において、装置全体が簡単な構造で可搬性を備えるとともに設置スペースを低減でき、板材の破壊の起こり易い任意箇所に曲げ荷重を付与可能として曲げ強度を正確に検知でき、さらには多数の板材の曲げ試験を簡単な手法で同時に実施できて試験の作業能率を向上せしめ得る曲げ荷重試験装置及び試験方法を提供する。
【解決手段】荷重付与装置により垂直方向の曲げ荷重を試験用板材の表面に付与して該板材の曲げ強度を測定するように構成された曲げ荷重試験装置において、前記荷重付与装置は、前記板材の表面に当接可能にされた圧接端と、該圧接端を往復動せしめて前記板材の表面に当接せしめて曲げ荷重を付与するアクチュエータと、前記曲げ荷重を検出する荷重検出器とを備えるとともに、前記板材は該ステージの表面に沿って移動可能に載置されてなることを特徴とする。
【選択図】　　　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック板の低荷重曲げ試験等に適用され、荷重付与装置を構成するアクチュエータにより圧接端を介して垂直荷重を試験用の板材の表面に付与して該板材の限界曲げ荷重を測定する荷重試験装置及び荷重試験方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
セラミック薄板等の比較的脆性の大きい材料からなる板材においては、該板材に該板材が曲げ破壊を発生しない限界曲げ荷重を付与して該板材の非破壊を確認する低荷重曲げ試験が行われている。
図９ないし図１０はかかる低荷重曲げ試験を行うことが可能な油圧式曲げ荷重試験装置の一例を示す。
図において、５１は本体、５２は該本体５１に上下に往復動可能に取り付けられたクロスヘッドであり、該クロスヘッド５２には圧縮ロードセル５７及びカップリング５８、５９を介して後述する試験用の板材の表面に当接可能な押し棒６０が取り付けられている。５６は前記クロスヘッド５２の上部に取り付けられたロードセルである。
５３は前記本体５１の下部に固定されたテーブル、６２は該テーブル５３上に固定された支持台、６１は該支持台６２上に載置された試験片固定枠で、該試験片固定枠６１に供試体である板材が取り付けられている。
【０００３】
５４は前記クロスヘッド５２を上下動させるコントローラである。６３はリミットスイッチ、５５は非常用スイッチである。また図１０において、６６はデータ処理用のコンピュータ、６４及び６５は該コンピュータに接続されて試験データを表示するディスプレイである。
【０００４】
かかる油圧式曲げ荷重試験装置による板材の曲げ試験時において、前記コントローラ５４の操作によりクロスヘッド５２が下降せしめられて、前記押し棒６０の先端部が試験片固定枠６１に取り付けられた板材の表面に垂直方向の曲げ荷重にて押し付けられる。
そしてかかる曲げ試験においては、前記曲げ荷重としてコンピュータ６６にて設定された限界曲げ荷重つまり前記板材が曲げ破壊を発生しない限界曲げ荷重が付与され、該限界曲げ荷重にて前記板材が破壊しないことを確認する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
図９〜１０に示される従来技術にあっては、基礎に固定された本体５１の下部に取り付けられているテーブル５３上に固定された試験片固定枠６１に供試材である板材を取り付け、油圧によりクロスヘッド５２を下降させて該クロスヘッド５２に取り付けられた押し棒６０の先端部を前記板材の表面に押し付けて曲げ荷重を付与している。
このためかかる従来技術にあっては、油圧作動の曲げ荷重試験装置自体が基礎に固定されており搬送不能で可搬性がなく、装置自体も大形大重量で設置スペースが大きくなる。
【０００６】
またかかる従来技術にあっては、テーブル５３上に試験片固定枠６１を介して板材（供試材）を固定して、該クロスヘッド５２を移動させることにより押し棒６０の先端部を前記板材の表面に押し付けるようになっているため、板材の中央部近傍の特定箇所に曲げ荷重を付与できるに止まり、破壊の起こり易い外周部近傍に曲げ荷重を付与できず、板材（供試材）の限界曲げ荷重に対する曲げ強度を正確に検知するのは困難となる。
さらにかかる従来技術にあっては、テーブル５３の中央部に固定された１個の板材（供試材）に該クロスヘッド５２に支持された押し棒６０により曲げ荷重を付与するようになっているため、板材（供試材）１枚毎に曲げ荷重試験を行うことができず、多数の板材（供試材）について曲げ荷重試験を行う場合には試験の作業能率が低くなる、
等の問題点を有している。
【０００７】
また、特開平７−２７８１０号において、半導体チップ部品の曲げ試験を電気的に多数個のチップ部品について同時に行い、該チップ部品の曲げ強度評価を行うようにした曲げ荷重試験方法が提案されているが、かかる発明の場合においては多数の板材（供試材）について曲げ荷重試験を行うことは可能であっても、チップ部品全体に曲げ荷重を付与するようになっているため、破壊の起こり易い任意の場所に曲げ荷重を付与ことは実質的に不可能となり、チップ部品の曲げ強度を正確に検出し難い。
【０００８】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、板材の表面に曲げ荷重を付与する板材の曲げ荷重試験において、装置全体が簡単な構造で可搬性を備えるとともに設置スペースを低減でき、板材の破壊の起こり易い任意箇所に曲げ荷重を付与可能として曲げ強度を正確に検知でき、さらには多数の板材の曲げ試験を簡単な手法で同時に実施できて試験の作業能率を向上せしめ得る曲げ荷重試験装置及び試験方法を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項１記載の発明として、荷重付与装置により垂直方向の曲げ荷重を試験用板材の表面に付与して該板材の曲げ強度を測定する荷重試験装置において、前記荷重付与装置は、前記試験用板材の表面に当接可能にされた圧接端と、該圧接端を任意速度でかつ移動停止可能にて往復動せしめて前記試験用板材の表面に当接せしめ該表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するアクチュエータと、前記アクチュエータと圧接端との間に介装されて前記曲げ荷重を検出する荷重検出器とを備えるとともに、前記試験用板材は試験用ステージ上に該ステージの表面に沿って移動可能に載置されてなることを特徴とする荷重試験装置を提案する。
【００１０】
請求項１において、好ましくは請求項２ないし３のように構成するのがよい。即ち請求項２においては、前記アクチュエータは電気作動により駆動されて前記圧接端を往復動せしめる電気作動アクチュエータからなる。
【００１１】
請求項３においては、前記板材を位置決め用の枠体に固定し、該板材が固定された枠体を前記試験用ステージ上の任意位置にセットして前記アクチュエータにより前記圧接端を介して該板材の表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するように構成してなる。
【００１２】
請求項６記載の発明は、請求項１ないし３の発明に係る装置を使用する方法の発明に係り、荷重付与装置により垂直方向の曲げ荷重を試験用板材の表面に付与して該板材の曲げ強度を測定する荷重試験装置において、前記試験用板材を試験用ステージ上に載置して該ステージの表面に沿って移動せしめて所定位置に整定し、アクチュエータにより該アクチュエータに連結された圧接端を介して前記板材の表面に垂直方向の曲げ荷重を付与することを特徴とする。
【００１３】
かかる発明によれば、試験用板材を位置決め用の枠体に固定して試験用ステージ上の任意の位置にセットし、好ましくは電気作動アクチュエータにより構成されるアクチュエータにより該アクチュエータに連結された圧接端を介して該板材の所定箇所即ち曲げ破壊が最も発生し易い箇所に曲げ荷重を付与する。
そして、該曲げ荷重をロードセル等の荷重検出器により検出し、該曲げ荷重が前記板材の曲げ荷重のしきい値即ち限界曲げ荷重まで、前記アクチュエータにより荷重を付与して破壊の有無を検出する。
前記曲げ荷重の大きさ及び荷重付与速度はアクチュエータによって調整し、前記板材における曲げ荷重の付与場所は、試験用ステージ上において該板材を支持した枠体を移動させることにより設定する。
【００１４】
従ってかかる発明によれば、試験用板材を試験用ステージ上に移動可能に設けられた位置決め用の枠体に固定して試験用ステージ上の任意の位置にセットし、アクチュエータにより圧接端を介して該板材の表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するので、板材の曲げ破壊が最も発生し易い箇所に曲げ荷重を付与して曲げ強度を検知することが確実にでき、曲げ強度の検知精度が向上する。
【００１５】
また、試験用ステージ上に面方向に移動可能に載置された位置決め用の枠体に供試材である板材を固定して、電動アクチュエータ等のアクチュエータを作動させてアクチュエータに連結された圧接端を介して前記板材に曲げ荷重を付与するという、簡単な構造でかつ軽量の曲げ荷重試験装置を構成できるので、該試験装置を容易に運搬でき、任意の場所で曲げ荷重試験を行うことができ、可搬性に優れかつ設置スペースの小さい曲げ荷重試験装置が得られる。
【００１６】
請求項４記載の発明は、荷重付与装置により垂直方向の曲げ荷重を試験用板材の表面に付与して該板材の曲げ強度を測定するように構成された曲げ荷重試験装置において、前記荷重付与装置は、前記試験用板材の表面に当接可能にされた圧接端と、該圧接端を任意速度でかつ移動停止可能にて往復動せしめて前記試験用板材の表面に当接せしめ該表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するアクチュエータと、前記アクチュエータと圧接端との間に介装されて前記曲げ荷重を検出する荷重検出器とを備えてなるとともに、該荷重付与装置を前記試験用板材に対して並列に複数個設け、該複数個の荷重付与装置により前記板材の複数個に同時に垂直方向の曲げ荷重を付与可能に構成してなることを特徴とする。
【００１７】
かかる発明によれば、試験用ステージ上の所定位置に載置された複数の試験用板材に該板材と同数並列に設置された荷重付与装置アクチュエータを作動させることにより、複数の試験用板材に同時に垂直方向の曲げ荷重を付与して曲げ荷重試験を連続的に行うことができ、曲げ荷重試験の作業能率が向上する。
【００１８】
請求項５記載の発明は、荷重付与装置により垂直方向の曲げ荷重を試験用の板材の表面に付与して該板材の曲げ強度を測定する用に構成された曲げ荷重試験装置において、前記荷重付与装置は、前記試験用の板材の表面に当接可能にされた圧接端及び前記曲げ荷重を検出する荷重検出器を該板材に対して並列に複数個設けるとともに該圧接端を任意速度でかつ移動停止可能にて往復動させて前記試験用の板材の表面に当接せしめ該表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するアクチュエータを設けてなり、前記アクチュエータの１個に対して前記複数個の圧接端を並列に連結し、前記１個のアクチュエータにより前記複数個の圧接端を介して前記板材の複数個に同時に垂直方向の曲げ荷重を付与可能に構成されてなることを特徴とする。
【００１９】
かかる発明によれば、試験用ステージ上の所定位置に載置された複数の試験用板材に、１個のアクチュエータに対して前記板材と同数個並列に連結された圧接端により同時に垂直方向の曲げ荷重を付与して曲げ荷重試験を連続的に行うことができることとなり、１個のアクチュエータで複数の試験用板材の曲げ荷重試験を行うことができて、簡単かつ低コストの装置で以ってかつ高い作業能率を維持して曲げ荷重試験を行うことができる。
【００２０】
請求項７記載の発明は、荷重付与装置により垂直方向の曲げ荷重を試験用板材の表面に付与して該板材の限界曲げ荷重を測定する曲げ荷重試験方法において、前記試験用板材を試験用ステージ上に載置して所定位置に整定し、アクチュエータにより該アクチュエータに連結された圧接端を介して前記板材の表面に垂直方向の曲げ荷重を付与し、前記板材の荷重付与部おける作用荷重あるいは前記板材の荷重付与部における音あるいは荷重付与部近傍の振動の何れか１つまたは複数を検出することにより該板材の割れを検知することを特徴とする。
【００２１】
かかる発明によれば、アクチュエータにから圧接端を介して曲げ荷重が加えられた荷重付与部における作用荷重を検出し、あるいは前記荷重付与部における音を検出し、あるいは荷重付与部近傍の振動を検出するという、極めて簡便な手段で以って板材の割れの発生を検知できる。
【００２２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【００２３】
図１は本発明の第１実施例に係るセラミック板の曲げ荷重試験装置の正面構造図、図２は図１のＡ―Ａ矢視図、図３は制御部の構成図、図４は作用説明図である。図５は第２実施例を示す正面構造図、図６は図５のＢ―Ｂ矢視図である。図７は第３実施例を示す正面構造図、図８は図７のＣ―Ｃ矢視図である。
【００２４】
本発明の第１実施例を示す図１〜３において、１００は曲げ荷重試験装置で、次のように構成されている。
４は上面が平滑な面に形成された四角形状のステージ、６は平板からなる四角形状の上部支持部材で、該ステージ４と上部支持部材６とは隅部の４箇所に設けられた側部支持部材７によって連結されている。
８は前記側部支持部材７の上部と前記上部支持部材６とを締め付けるためのナット、８ａは前記側部支持部材７の下部と前記ステージ４とを締め付けるためのボルトであり、該ステージ４と上部支持部材６とを４個（４個以上であればよい）の側部支持部材７によりナット８及びボルト８ａを介して連結して前記曲げ荷重試験装置の枠体５を構成している。
【００２５】
３０は前記上部支持部材６のほぼ中央部に取り付けられた荷重付与装置である。１０は該荷重付与装置３０のアクチュエータを構成するモータシリンダで、この実施例ではステップモータが用いられている。尚、前記モータシリンダ１０は、前記ステップモータ、パルスモータ等の電気的アクチュエータが好適であるが、油圧シリンダ、サーボモータ等の油圧的アクチュエータでもよい。
該モータシリンダ１０はボールねじ機構等の回転運動を往復運動に変換する機構を備えており、図３に示される制御ボックス１７に電気回線を介して接続され、該制御ボックス１７からの制御信号によって駆動操作されるようになっている。
９は前記モータシリンダ１０の出力軸１０ａに連結されたカップリングである。
【００２６】
１３は表層部がゴム材により形成された圧接端で、後述する試験用の板材１の表面に当接せしめられて該表面に前記モータシリンダ１０から伝達される垂直方向の曲げ荷重を付与するものである。１１はロードセルで、圧接端１３の上部にカップリング１２を介して連結され、該圧接端１３を介して後述する板材１の表面に付与される垂直方向の曲げ荷重を検出し、この荷重信号を図３に示される制御ボックス１７の外部出力端子１４及び電気回線１５を介してレコーダ１８に伝送するものである。
以上のように、前記荷重付与装置３０は、モータシリンダ１０から出力される往復動をロードセル１１及びカップリング１２を介して圧接端１３に伝達し、該圧接端１３を任意速度でかつ移動停止可能にて往復動せしめ、該圧接端１３により後述する板材１の表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するように構成されている。
【００２７】
１は四角形状に形成された（必ずしも四角形状でなく、多角形あるいは円形状でもよい）試験用の板材１つまりセラミック板で、図２のように、外周を大額縁（枠体）３に固定されて該大額縁３とともに前記ステージ４の表面に沿って移動可能にされて該ステージ４上に載置されている。２は前記ステージ４の上面に固定された小額縁で、前記大額縁３とともにステージ４上を移動する前記板材１の荷重付与点が該小額縁２の内側の曲げ荷重の作用域２０内にきた時に、前記荷重付与装置３０の該圧接端１３から該板材１に曲げ荷重を付与可能とする位置決め機能を有している。
【００２８】
かかる構成からなる曲げ荷重試験装置において、前記制御ボックス１７にて予め設定された試験荷重つまり前記板材１の限界曲げ荷重（板材１に曲げ破壊が生じない曲げ荷重のしきい値）が前記モータシリンダ１０に入力されて該モータシリンダ１０が回転駆動され、該モータシリンダ１０の回転はカップリング９にて往復運動に変換されてロードセル１１及びカップリング１２を介して圧接端１３に伝達され、該圧接端１３により後述する要領にて前記ステージ４上の所要位置に配置された板材１の所定箇所即ち曲げ破壊が最も発生し易い箇所の表面に垂直方向の曲げ荷重を付与する。
前記曲げ荷重の大きさ及び荷重付与速度は前記モータシリンダ１０によって調整する。
【００２９】
そして、この曲げ荷重をロードセル１１により検出して前記制御ボックス１７に伝送し、該制御ボックス１７において該曲げ荷重の検出値が前記限界曲げ荷重に達したとき前記モータシリンダ１０による曲げ荷重の付与を停止して前記板材１の表面における割れの有無を検知する。次いで該モータシリンダ１０を逆回転させて前記圧接端１３を板材１の表面から離す。
【００３０】
前記板材１の表面における割れの有無の検知は、次の方法による。
第１の方法は、前記圧接端１３による荷重付与部における作用曲げ荷重を検出している際に、該曲げ荷重検出値が急激に減少したとき、割れが発生しているものと判定する。
第２の方法は、前記荷重付与部近傍に音の検出器（図示省略）を設置して、該音の検出器により前記荷重付与部における破壊音を検出する。
第３の方法は、前記荷重付与部近傍に振動検出器（図示省略）を設置し、該振動検出器により前記荷重付与部における振動を検出して、予め設定された振動許容値と比較し、前記振動検出値が該振動許容値よりも大きくなったとき、割れが発生しているものと判定する。
以上の手段によれば、極めて簡便な手段で以って板材１の割れの発生を検知できる。
【００３１】
次に、図４に基づき、前記板材１に曲げ荷重を付与する際における該板材１の曲げ荷重付与位置の設定要領について説明する。
前記のように、曲げ荷重試験用の板材１は、外周を大額縁３に固定されてステージ４上に載置され、該大額縁３とともにステージ４の表面に沿って移動可能となっている。
図４において、２０は前記ステージ４上に固定された小額縁２によって区画された曲げ荷重の作用域つまり前記モータシリンダ１０により圧接端１３を介して前記板材１に曲げ荷重を付与する領域で、前記ステージ４の中央部に設定されている。
【００３２】
図４において、（Ａ）は板材１の右上外周部に曲げ荷重を付与する場合で、該板材１を固定した大額縁３をステージ４の左下外周部に寄せている。（Ｂ）は板材１の左上外周部に曲げ荷重を付与する場合で、前記大額縁３をステージ４の右下外周部に寄せている。（Ｃ）は板材１の中央部に曲げ荷重を付与する場合で、前記大額縁３をステージ４の中央部に置いている。（Ｄ）は板材１の右下外周部に曲げ荷重を付与する場合で、前記大額縁３をステージ４の左上外周部に寄せている。（Ｅ）は板材１の左下外周部に曲げ荷重を付与する場合で、前記大額縁３をステージ４の右上外周部に寄せている。
【００３３】
従って、かかる実施例によれば、供試材である板材１を試験用のステージ４上に移動可能に設けられた位置決め用の大額縁３に固定してステージ４上の任意の位置つまり前記曲げ荷重の作用域２０にセットし、モータシリンダ１０により圧接端１３を介して該板材１の表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するので、板材１の曲げ破壊が最も発生し易い複数の箇所に正確に曲げ荷重を付与して曲げ強度を検知することができ、曲げ強度の検知精度が向上する。
【００３４】
図５〜６に示す第２実施例においては、前記第１実施例におけるモータシリンダ１０から出力される往復動をカップリング９、ロードセル１１及びカップリング１２を介して圧接端１３に伝達し、該圧接端１３を任意速度でかつ移動停止可能にて往復動せしめ、該圧接端１３により板材１の表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するように構成された荷重付与装置３０を、前記板材１に対して並列に５個（複数個であればよい）設けている。
そして、前記ステージ４上には前記５個の荷重付与装置３０に対応する位置に前記作用域２０を配置し、該作用域２０の夫々に前記板材１を置いて、５個の荷重付与装置３０により同時に前記板材１に曲げ荷重を作用せしめている。
【００３５】
かかる第２実施例によれば、試験用のステージ４上の所定位置に載置された複数（この例では５個）の板材１に該板材１と同数並列に設置された荷重付与装置３０のモータシリンダ１０を作動させることにより、複数の試験用板材１に同時に垂直方向の曲げ荷重を付与して曲げ荷重試験を連続的に行うことができる。
【００３６】
図７〜８に示す第３実施例においては、前記第１実施例における荷重付与装置３０を、１個のモータシリンダ１０に対してカップリング９、ロードセル１１、カップリング１２及び圧接端１３からなる荷重作用部２１を５個（複数個であればよい）設け、該モータシリンダ１０と各荷重作用部２１とを連結リンク１６で連結している。
そして、前記ステージ４上には前記５個の荷重作用部２１に対応する位置に前記作用域２０を配置し、該作用域２０の夫々に前記板材１を置いて、１個のモータシリンダ１０により５個の荷重作用部２１を介して前記板材１に同時に曲げ荷重を作用せしめている。
【００３７】
かかる第３実施例によれば、試験用ステージ４上の所定位置に載置された複数（この例では５個）の板材１に、１個のモータシリンダ１０に対して前記板材１と同数個並列に連結された荷重作用部２１により同時に垂直方向の曲げ荷重を付与して曲げ荷重試験を連続的に行うことができることとなり、１個のモータシリンダ１０で複数の板材１の曲げ荷重試験を同時に行うことができる。
【００３８】
【発明の効果】
以上記載の如く請求項１ないし３及び請求項６の発明によれば、試験用板材を試験用ステージ上に移動可能に設けられた位置決め用の枠体に固定して試験用ステージ上の任意の位置にセットし、アクチュエータにより圧接端を介して該板材の表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するので、板材の曲げ破壊が最も発生し易い箇所に正確に曲げ荷重を付与して曲げ強度を検知することができ、曲げ強度の検知精度が向上する。
【００３９】
また、前記ステージ上に面方向に移動可能に載置された位置決め用の枠体に試験用板材を固定して、電動アクチュエータ等のアクチュエータを作動させて該アクチュエータに連結された圧接端を介して前記板材に曲げ荷重を付与するという、簡単な構造でかつ軽量の曲げ荷重試験装置を構成できるので、該試験装置を容易に運搬でき、任意の場所で曲げ荷重試験を行うことができ、可搬性に優れかつ設置スペースの小さい曲げ荷重試験装置が得られる。
【００４０】
請求項４の発明によれば、試験用ステージ上の所定位置に載置された複数の試験用板材に該板材と同数並列に設置された荷重付与装置のアクチュエータを作動させることにより、複数の試験用板材に同時に垂直方向の曲げ荷重を付与して曲げ荷重試験を連続的に行うことができ、曲げ荷重試験の作業能率が向上する。
【００４１】
請求項５の発明によれば、試験用ステージ上の所定位置に載置された複数の試験用板材に、１個のアクチュエータに対して前記板材と同数個並列に連結された圧接端により同時に垂直方向の曲げ荷重を付与して曲げ荷重試験を連続的に行うことができることとなり、１個のアクチュエータで複数の試験用板材の曲げ荷重試験を行うことができて、簡単かつ低コストの装置で以ってかつ高い作業能率を維持して曲げ荷重試験を行うことができる。
【００４２】
さらに請求項７の発明によれば、アクチュエータにから圧接端を介して曲げ荷重が加えられた荷重付与部における作用荷重を検出し、あるいは前記荷重付与部における音を検出し、あるいは荷重付与部近傍の振動を検出するという、極めて簡便な手段で以って板材の割れの発生を検知できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例に係るセラミック板の曲げ荷重試験装置の正面構造図である。
【図２】図１のＡ―Ａ矢視図である。
【図３】前記第１実施例における制御部の構成図である。
【図４】前記第１実施例における作用説明図である。
【図５】第２実施例を示す正面構造図である。
【図６】図５のＢ―Ｂ矢視図である。
【図７】第３実施例を示す正面構造図である。
【図８】図７のＣ―Ｃ矢視図である。
【図９】従来の油圧式曲げ荷重試験装置の一例を示す正面図である。
【図１０】前記油圧式曲げ荷重試験装置の制御ボックスの外観図である。
【符号の説明】
１　板材
２　小額縁
３　大額縁
４　ステージ
５　枠体
６　上部支持部材
７　側部支持部材
９、１２　カップリング
１０　モータシリンダ
１１　ロードセル
１３　圧接端
１６　連結リンク
１７　制御ボックス
１８　レコーダ
２０　作用域
２１　荷重作用部
３０　荷重付与装置
１００　曲げ荷重試験装置

Claims

荷重付与装置により垂直方向の曲げ荷重を試験用板材の表面に付与して該板材の曲げ強度を測定するように構成された曲げ荷重試験装置において、前記荷重付与装置は、前記試験用板材の表面に当接可能にされた圧接端と、該圧接端を任意速度でかつ移動停止可能にて往復動せしめて前記試験用板材の表面に当接せしめ該表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するアクチュエータと、前記アクチュエータと圧接端との間に介装されて前記曲げ荷重を検出する荷重検出器とを備えるとともに、前記試験用板材は試験用ステージ上に該ステージの表面に沿って移動可能に載置されてなることを特徴とする曲げ荷重試験装置。
前記アクチュエータは電気作動により駆動されて前記圧接端を往復動せしめる電気作動アクチュエータからなることを特徴とする請求項１記載の曲げ荷重試験装置。
前記板材を位置決め用の枠体に固定し、該板材が固定された枠体を前記試験用ステージ上の任意位置にセットして前記アクチュエータにより前記圧接端を介して該板材の表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するように構成してなることを特徴とする請求項１記載の曲げ荷重試験装置。
荷重付与装置により垂直方向の曲げ荷重を試験用板材の表面に付与して該板材の曲げ強度を測定するように構成された曲げ荷重試験装置において、前記荷重付与装置は、前記試験用板材の表面に当接可能にされた圧接端と、該圧接端を任意速度でかつ移動停止可能にて往復動せしめて前記試験用板材の表面に当接せしめ該表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するアクチュエータと、前記アクチュエータと圧接端との間に介装されて前記曲げ荷重を検出する荷重検出器とを備えてなるとともに、該荷重付与装置を前記試験用板材に対して並列に複数個設け、該複数個の荷重付与装置により前記板材の複数個に同時に垂直方向の曲げ荷重を付与可能に構成してなることを特徴とする曲げ荷重試験装置。
荷重付与装置により垂直方向の曲げ荷重を試験用の板材の表面に付与して該板材の曲げ強度を測定するように構成された曲げ荷重試験装置において、前記荷重付与装置は、前記試験用板材の表面に当接可能にされた圧接端及び前記曲げ荷重を検出する荷重検出器を該板材に対して並列に複数個設けるとともに該圧接端を任意速度でかつ移動停止可能にて往復動させて前記試験用の板材の表面に当接せしめ該表面に垂直方向の曲げ荷重を付与するアクチュエータを設けてなり、前記アクチュエータの１個に対して前記複数個の圧接端を並列に連結し、前記１個のアクチュエータにより前記複数個の圧接端を介して前記板材の複数個に同時に垂直方向の曲げ荷重を付与可能に構成されてなることを特徴とする曲げ荷重試験装置。
荷重付与装置により垂直方向の曲げ荷重を試験用板材の表面に付与して該板材の曲げ強度を測定する曲げ荷重試験方法において、前記試験用板材を試験用ステージ上に載置して該ステージの表面に沿って移動せしめて所定位置に整定し、アクチュエータにより該アクチュエータに連結された圧接端を介して前記板材の表面に垂直方向の曲げ荷重を付与することを特徴とする曲げ荷重試験方法。
荷重付与装置により垂直方向の曲げ荷重を試験用の板材の表面に付与して該板材の限界曲げ荷重を測定する曲げ荷重試験方法において、前記試験用板材を試験用ステージ上に載置して所定位置に整定し、アクチュエータにより該アクチュエータに連結された圧接端を介して前記板材の表面に垂直方向の曲げ荷重を付与し、前記板材の荷重付与部おける作用荷重あるいは前記板材の荷重付与部における音あるいは荷重付与部近傍の振動の何れか１つまたは複数を検出することにより該板材の割れを検知することを特徴とする曲げ荷重試験方法。