JP2004045038A - 非接触含水率計 - Google Patents
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Abstract
【課題】粉粒体状の有機無機物の水分含有率を非接触で測定する含水率計を提供する。
【解決手段】それぞれ異なる発光波長を有するLED4,5と被測定対象物3に照射する方法と、被測定対象物からの反射光の強度を検出する光検出手段6と、被測定対象物からの反射光の強度から水分含有率を算出する演算手段40と、演算結果を表示する表示手段50と電源60とを有した非接触含水率計において、演算手段が照射する光の波長と被測定対象物の水分量と反射光の強度との関係から水分含有量を算出する。
【選択図】 図2
【解決手段】それぞれ異なる発光波長を有するLED4,5と被測定対象物3に照射する方法と、被測定対象物からの反射光の強度を検出する光検出手段6と、被測定対象物からの反射光の強度から水分含有率を算出する演算手段40と、演算結果を表示する表示手段50と電源60とを有した非接触含水率計において、演算手段が照射する光の波長と被測定対象物の水分量と反射光の強度との関係から水分含有量を算出する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は汚泥などに含まれる水分量、食料品製造工程で見受けられる粉粒体などに含まれる水分や食品残滓などに含まれる水分量を非接触で連続的に測定し百分率で表示出力する非接触含水率計である。
【0002】
【従来の技術】
連続的な脱水機能を持つコンベア型脱水機などには非接触で連続的に水分含有率を計測できる測定器が必要で、近赤外線領域における水分の吸収スペクトルを利用した非接触含水計が提供されるに至っている。
【0003】
これは、フィラメント型光源に各波長に対して透過特性を持つ干渉フィルターを機械的に切り替えて水分の吸収波長光と水分に吸収されない波長光を比較光として作り出して水分量を求めている含水率計である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
非接触による水分含有率を計測する手段として近赤外分光技術を用いた非接触含水率計が提供されるに至っているが、水分含有率計測には複数の近赤外線を使用することから、測定波長光を作成する手段として連続的に発光スペクトル分布を持つ、例えばハロゲンランプ等の光源に特定の波長に透過特性を持つ干渉フィルターを光路上に配置し、該フィルターを機械的に切り替えて目的の波長光を作成する手段としている。
【0005】
水分含有率は水分に吸収を受ける波長光と吸収を受けない波長光の反射吸収率を計測して、水分量を求めているが、これら光源は実際の計測に使用しない波長光も出ているため使用する電力量も大きく、発する熱処理にも電力を要することや、干渉フィルター切換のための機械機構のため機器も複雑、高価になり機械的衝撃に対し弱いなどの短所を有している。
これら欠点を補い且つ安価で高精度の非接触式含水率計を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
一般に物質に光を照射すると、その物質の分子構造に応じて、特定の波長の光が吸収される。特に、近赤外線領域は、別名指紋領域とも呼ばれており、他の波長域に比べ特定波長の吸収が著しい。
【0007】
例えば、反射量スペクトルを光源の分光特性で除すると反射率スペクトルが得られるが、それから水による吸収が確認される。
そこで、反射量スペクトルにおいて水による吸収の強い波長とそうでない波長の反射量を比較することにより水分含有率が求められる。
【0008】
本発明では水による吸収を受ける波長光と受けない波長光を安価で消費電力の少なく、且つ光学的に安定な発光ダイオード(以下、LED(Light Emitting Diode))をその光源に採用することで課題を解決する手段としている。
【0009】
例えば近赤外分光技術を応用し、連続反射量スペクトルを二次微分値を基にした重回帰分析による手法で水分含有率を求めるが、本発明では水分含有率の算出に水分に吸収を受ける波長光を1940nmと1450nmの2波長光を採用し、水分の吸収を受けない波長光を1200nmと800nm近傍の2波長光を用い、離散的な4波長における吸光度に置き換えた重回帰分析的手法による水分含有率算出用検量線を作成することにより達成できた。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の非接触含水率計は水分に吸収を受ける波長光を1940nm(λ1)と1450nm(λ2)の2波長光を採用し、水分に吸収を受けない波長光を1200nm(λ3)と800nm(λ4)付近の2波長光の計4波長光をLEDを用いて実現し、試料に投光と同一方向に受光素子(以下、PD(Photo Diode)と言う)を配置し、試料からの反射光量に応じた電気信号を得る。
【0011】
上記により選択されたLEDによる波長光λ1,λ2,λ3,λ4に応じたPDの検出値の自然対数をL(λ1)、L(λ2)、L(λ3)、L(λ4)とすれば、水分含有率を示す指標Cは次のような方程式として表され、これを検量線と呼ぶ。
【0012】
C=K0+K1L(λ1)+K2L(λ2)+K3L(λ3)+K4L(λ4)+K5T
ここで、K0,K1,K2、K3,K4,K5は比例常数を示す。
【0013】
使用されるLEDの数、比例常数は試料の有機、無機質などの化学的ないし表面形状により異なり、環境要素である試料温度Tを変数として加えることにより、精度の向上が期待できる。
【0014】
得られた検量線を測定器の演算部に組み込むことにより、実時間に測定結果を出力する事が出来る。
【0015】
次に投光部と受光部の実施例を図1から説明する。
測定対象物3はコンベア上を定速度で移動している。投光部1と受光部2のユニットは測定対象物3表面の垂線に対しそれぞれ同一の或る角度を有して配置する。
例えば投光部1の輝度が測定に対し十分な出力が得られない場合や、外乱光に対して影響を最も少なくする必要から、測定対象物3の表面に対し投光部1と受光部2が正体する様な関係を構成することが望ましい。
【0016】
従って投光部1と受光部2の関係は投光部からの光を被測定対象物の表面に対し正反射を構成し、実施例として測定対象物3表面からの垂線から約45°の角度を持った、試料から約Nの距離に配置するようにし、測定対象物3に対する角度は投光部1と受光部2を同一角度で構成すると良好な結果が得られる。
【0017】
また、LEDの単体での放射角は狭角度が望ましいが、製作が困難なことから15°以上のものでも良い。LED4,LED5の発光放射角により、被測定対象物に対する照射面積は楕円状になり、この面積の反射光が受光部2で検出される。
【0018】
距離Nは受光部3の反射光検出感度に影響を受けるため、周囲を直射光から遮蔽出来れば、測定対象物3と投光部1及び受光部2間の距離Nは大きくとることができる。
【0019】
この様にして配置した投光部1の水分に吸収を受ける光源4からの照射光は測定対象物3に照射されると、一部は表面で反射、散乱、透過、吸収を繰り返し、測定対象物3に含まれている水分による吸収を受けた反射光である。
光源5は水分に吸収を受けない波長光で、測定対象物からの反射光量は水分の多寡による影響は受けない反射光である。
【0020】
この様にして試料の表面拡散反射により吸収を受けた光を受光部2の反射用受光素子PD6で検出される。
【0021】
図2は照射用LED4,LED5の発光波長が850nm、860nm、890nm、940nm、1200nm、1240nm、1400nm、1450nm、1940nm、1950nmの10波長の内から少なくとも2以上の波長を採用することができる。
【0022】
LED安定化制御部8はLED4とLED5の照射用LEDを光量制御するためのLED制御部を表している。
投光部のLEDは少なくとも2以上のLEDを密着して、又はそれぞれが近接するように、最小面積に収まるように配置する。
配置方法として、各LED素子を1つのパッケージに封入する方法が、最も良好な結果が得られる。
【0023】
照射用光源である異なる発光特性の各LED4,LED5は周囲環境の変化、とくに温度変化に対して微弱ではあるが発光輝度が変化するため、周囲環境に対して測定精度を補償する意味から発光輝度を安定化させる必要がある。
このため、照射光光路上に石英硝子または疑似石英硝子9を光軸に対して45°の位置に配置し、LED発光光量のおよそ1割を反射し、光軸に対し90°に位置している照射光安定化用受光素子PD7で受光する。
【0024】
この照射光安定化用受光素子PD7は各LED4−1,LED4−2、LED5−1、LED5−2の発光光量を一定にするため目標値を設定し、照射光安定化用受光素子PD7からの検出値との差を制御量として各LED4,LED5の通電電流をそれぞれ制御するLED安定化制御回路8を有し、周囲温度の変化に対しても高い測定精度が維持できるようにしていることが特徴である。
【0024】
また、LED安定化制御部8はLED4及びLED5をそれぞれ2個使用した場合の例でLED4−1、LED4−2、LED5−1,LED5−2の順序で複数のLEDを一定時間で順次駆動し所定の強度で発光させる機能を有している。
この発光時間は20〜30ミリ秒間が望ましい。
【0025】
図3は測定用受光増幅器20及び検量線を演算するCPU演算部40である。
測定対象物からの反射光を受光した測定用受光素子PD10は例えばLED4−1、LED4−2、LED5−1、LED5−2に相当する発光波長λ1,λ2,λ3,λ4は前記で順次駆動された反射光を受光し、受光素子PD10で変換された電気信号をそれぞれの波長光の電気信号とし、A/Dコンバータ12に入力しデジタルデータへ変換する。
【0026】
この検出値の自然対数をL(λ1)、L(λ2)、L(λ3)、L(λ4)とし、水分含有率を示す指標Cを求める方程式をCPU演算部13にて高速に実行する。
この演算は各LEDの発光パターンをサイクリックに数十から数百回実行し、結果の平均値を計測結果として表示出力する。
【0027】
表示器50は演算結果である測定対象物の水分含有率に関するデータを液晶表示手段(LCD)に表示させる制御手段である。
電源60は投受光部、演算部に必要な電源を供給する手段であり、商用電源から直流電源を得ている。
【0028】
表1は本発明を用いて有機物を対象とした例として食品残滓として最も一般的な「おから」を用いて検量線を作成した場合の相関図である。
試料の含水率10%付近から90%付近まで高い相関を示している。
同様に無機物を対象とした例として園芸用として販売されている「黒土」を試料として用いて検量線を作成した場合の相関図である。
無機物の性格から含水率を50%以上に上げると土の中に水が浸透しないため実際の含水率は50%で飽和するため、上限を50%付近での相関図となったがこれでも0.9の高い相関が得られた。
【0029】
このような構成を有する非接触式水分含有率計は、センサーヘッドを測定対象物に対して決められた距離を置いて設置する事により、測定を開始すると測定対象物が移動していても、環境温度が変化しても測定は連続的にほぼ実時間に実行され水分含有率を計測することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明はこれまで食品残滓などを焼却処分または海洋などに投棄していたバイオマス資源の有効利用を進める社会的要請から、脱水後の含水率は飼料や肥料への転換を進める際の搬送コストや後処理のコストに直接的に関連するため、脱水工程の含水率制御は重要な要素である。
また、焼却処分や運搬の際のCO2排出の抑制などに効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる非接触含水率計の投光部ないし受光部と測定対象物との位置関係を説明する図。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる非接触含水率計の照射光の配置とLED制御部の概要。
【図3】反射光受光から測定結果を表示するまでを説明する図。
【図4】本発明の第1の実施の形態にかかる非接触含水率計により測定した「おから」の実測値との相関図。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかる非接触含水率計により測定した「黒土」の実測値との相関図。
【符号の説明】
1 投光部
2 受光部
3 測定対象物
4 水分に吸収を受ける波長光を発するLED
5 水分に影響を受けない波長光を発するLED
6 反射光受光素子PD
7 照射光安定化用受光素子PD
8 投光部LED制御部と安定化回路
9 照射光分岐硝子
20 反射光増幅器
30 アナログ・デジタル変換器
40 検量線演算用CPU
50 表示器
60 電源
【発明の属する技術分野】
本発明は汚泥などに含まれる水分量、食料品製造工程で見受けられる粉粒体などに含まれる水分や食品残滓などに含まれる水分量を非接触で連続的に測定し百分率で表示出力する非接触含水率計である。
【0002】
【従来の技術】
連続的な脱水機能を持つコンベア型脱水機などには非接触で連続的に水分含有率を計測できる測定器が必要で、近赤外線領域における水分の吸収スペクトルを利用した非接触含水計が提供されるに至っている。
【0003】
これは、フィラメント型光源に各波長に対して透過特性を持つ干渉フィルターを機械的に切り替えて水分の吸収波長光と水分に吸収されない波長光を比較光として作り出して水分量を求めている含水率計である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
非接触による水分含有率を計測する手段として近赤外分光技術を用いた非接触含水率計が提供されるに至っているが、水分含有率計測には複数の近赤外線を使用することから、測定波長光を作成する手段として連続的に発光スペクトル分布を持つ、例えばハロゲンランプ等の光源に特定の波長に透過特性を持つ干渉フィルターを光路上に配置し、該フィルターを機械的に切り替えて目的の波長光を作成する手段としている。
【0005】
水分含有率は水分に吸収を受ける波長光と吸収を受けない波長光の反射吸収率を計測して、水分量を求めているが、これら光源は実際の計測に使用しない波長光も出ているため使用する電力量も大きく、発する熱処理にも電力を要することや、干渉フィルター切換のための機械機構のため機器も複雑、高価になり機械的衝撃に対し弱いなどの短所を有している。
これら欠点を補い且つ安価で高精度の非接触式含水率計を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
一般に物質に光を照射すると、その物質の分子構造に応じて、特定の波長の光が吸収される。特に、近赤外線領域は、別名指紋領域とも呼ばれており、他の波長域に比べ特定波長の吸収が著しい。
【0007】
例えば、反射量スペクトルを光源の分光特性で除すると反射率スペクトルが得られるが、それから水による吸収が確認される。
そこで、反射量スペクトルにおいて水による吸収の強い波長とそうでない波長の反射量を比較することにより水分含有率が求められる。
【0008】
本発明では水による吸収を受ける波長光と受けない波長光を安価で消費電力の少なく、且つ光学的に安定な発光ダイオード(以下、LED(Light Emitting Diode))をその光源に採用することで課題を解決する手段としている。
【0009】
例えば近赤外分光技術を応用し、連続反射量スペクトルを二次微分値を基にした重回帰分析による手法で水分含有率を求めるが、本発明では水分含有率の算出に水分に吸収を受ける波長光を1940nmと1450nmの2波長光を採用し、水分の吸収を受けない波長光を1200nmと800nm近傍の2波長光を用い、離散的な4波長における吸光度に置き換えた重回帰分析的手法による水分含有率算出用検量線を作成することにより達成できた。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の非接触含水率計は水分に吸収を受ける波長光を1940nm(λ1)と1450nm(λ2)の2波長光を採用し、水分に吸収を受けない波長光を1200nm(λ3)と800nm(λ4)付近の2波長光の計4波長光をLEDを用いて実現し、試料に投光と同一方向に受光素子(以下、PD(Photo Diode)と言う)を配置し、試料からの反射光量に応じた電気信号を得る。
【0011】
上記により選択されたLEDによる波長光λ1,λ2,λ3,λ4に応じたPDの検出値の自然対数をL(λ1)、L(λ2)、L(λ3)、L(λ4)とすれば、水分含有率を示す指標Cは次のような方程式として表され、これを検量線と呼ぶ。
【0012】
C=K0+K1L(λ1)+K2L(λ2)+K3L(λ3)+K4L(λ4)+K5T
ここで、K0,K1,K2、K3,K4,K5は比例常数を示す。
【0013】
使用されるLEDの数、比例常数は試料の有機、無機質などの化学的ないし表面形状により異なり、環境要素である試料温度Tを変数として加えることにより、精度の向上が期待できる。
【0014】
得られた検量線を測定器の演算部に組み込むことにより、実時間に測定結果を出力する事が出来る。
【0015】
次に投光部と受光部の実施例を図1から説明する。
測定対象物3はコンベア上を定速度で移動している。投光部1と受光部2のユニットは測定対象物3表面の垂線に対しそれぞれ同一の或る角度を有して配置する。
例えば投光部1の輝度が測定に対し十分な出力が得られない場合や、外乱光に対して影響を最も少なくする必要から、測定対象物3の表面に対し投光部1と受光部2が正体する様な関係を構成することが望ましい。
【0016】
従って投光部1と受光部2の関係は投光部からの光を被測定対象物の表面に対し正反射を構成し、実施例として測定対象物3表面からの垂線から約45°の角度を持った、試料から約Nの距離に配置するようにし、測定対象物3に対する角度は投光部1と受光部2を同一角度で構成すると良好な結果が得られる。
【0017】
また、LEDの単体での放射角は狭角度が望ましいが、製作が困難なことから15°以上のものでも良い。LED4,LED5の発光放射角により、被測定対象物に対する照射面積は楕円状になり、この面積の反射光が受光部2で検出される。
【0018】
距離Nは受光部3の反射光検出感度に影響を受けるため、周囲を直射光から遮蔽出来れば、測定対象物3と投光部1及び受光部2間の距離Nは大きくとることができる。
【0019】
この様にして配置した投光部1の水分に吸収を受ける光源4からの照射光は測定対象物3に照射されると、一部は表面で反射、散乱、透過、吸収を繰り返し、測定対象物3に含まれている水分による吸収を受けた反射光である。
光源5は水分に吸収を受けない波長光で、測定対象物からの反射光量は水分の多寡による影響は受けない反射光である。
【0020】
この様にして試料の表面拡散反射により吸収を受けた光を受光部2の反射用受光素子PD6で検出される。
【0021】
図2は照射用LED4,LED5の発光波長が850nm、860nm、890nm、940nm、1200nm、1240nm、1400nm、1450nm、1940nm、1950nmの10波長の内から少なくとも2以上の波長を採用することができる。
【0022】
LED安定化制御部8はLED4とLED5の照射用LEDを光量制御するためのLED制御部を表している。
投光部のLEDは少なくとも2以上のLEDを密着して、又はそれぞれが近接するように、最小面積に収まるように配置する。
配置方法として、各LED素子を1つのパッケージに封入する方法が、最も良好な結果が得られる。
【0023】
照射用光源である異なる発光特性の各LED4,LED5は周囲環境の変化、とくに温度変化に対して微弱ではあるが発光輝度が変化するため、周囲環境に対して測定精度を補償する意味から発光輝度を安定化させる必要がある。
このため、照射光光路上に石英硝子または疑似石英硝子9を光軸に対して45°の位置に配置し、LED発光光量のおよそ1割を反射し、光軸に対し90°に位置している照射光安定化用受光素子PD7で受光する。
【0024】
この照射光安定化用受光素子PD7は各LED4−1,LED4−2、LED5−1、LED5−2の発光光量を一定にするため目標値を設定し、照射光安定化用受光素子PD7からの検出値との差を制御量として各LED4,LED5の通電電流をそれぞれ制御するLED安定化制御回路8を有し、周囲温度の変化に対しても高い測定精度が維持できるようにしていることが特徴である。
【0024】
また、LED安定化制御部8はLED4及びLED5をそれぞれ2個使用した場合の例でLED4−1、LED4−2、LED5−1,LED5−2の順序で複数のLEDを一定時間で順次駆動し所定の強度で発光させる機能を有している。
この発光時間は20〜30ミリ秒間が望ましい。
【0025】
図3は測定用受光増幅器20及び検量線を演算するCPU演算部40である。
測定対象物からの反射光を受光した測定用受光素子PD10は例えばLED4−1、LED4−2、LED5−1、LED5−2に相当する発光波長λ1,λ2,λ3,λ4は前記で順次駆動された反射光を受光し、受光素子PD10で変換された電気信号をそれぞれの波長光の電気信号とし、A/Dコンバータ12に入力しデジタルデータへ変換する。
【0026】
この検出値の自然対数をL(λ1)、L(λ2)、L(λ3)、L(λ4)とし、水分含有率を示す指標Cを求める方程式をCPU演算部13にて高速に実行する。
この演算は各LEDの発光パターンをサイクリックに数十から数百回実行し、結果の平均値を計測結果として表示出力する。
【0027】
表示器50は演算結果である測定対象物の水分含有率に関するデータを液晶表示手段(LCD)に表示させる制御手段である。
電源60は投受光部、演算部に必要な電源を供給する手段であり、商用電源から直流電源を得ている。
【0028】
表1は本発明を用いて有機物を対象とした例として食品残滓として最も一般的な「おから」を用いて検量線を作成した場合の相関図である。
試料の含水率10%付近から90%付近まで高い相関を示している。
同様に無機物を対象とした例として園芸用として販売されている「黒土」を試料として用いて検量線を作成した場合の相関図である。
無機物の性格から含水率を50%以上に上げると土の中に水が浸透しないため実際の含水率は50%で飽和するため、上限を50%付近での相関図となったがこれでも0.9の高い相関が得られた。
【0029】
このような構成を有する非接触式水分含有率計は、センサーヘッドを測定対象物に対して決められた距離を置いて設置する事により、測定を開始すると測定対象物が移動していても、環境温度が変化しても測定は連続的にほぼ実時間に実行され水分含有率を計測することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明はこれまで食品残滓などを焼却処分または海洋などに投棄していたバイオマス資源の有効利用を進める社会的要請から、脱水後の含水率は飼料や肥料への転換を進める際の搬送コストや後処理のコストに直接的に関連するため、脱水工程の含水率制御は重要な要素である。
また、焼却処分や運搬の際のCO2排出の抑制などに効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる非接触含水率計の投光部ないし受光部と測定対象物との位置関係を説明する図。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる非接触含水率計の照射光の配置とLED制御部の概要。
【図3】反射光受光から測定結果を表示するまでを説明する図。
【図4】本発明の第1の実施の形態にかかる非接触含水率計により測定した「おから」の実測値との相関図。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかる非接触含水率計により測定した「黒土」の実測値との相関図。
【符号の説明】
1 投光部
2 受光部
3 測定対象物
4 水分に吸収を受ける波長光を発するLED
5 水分に影響を受けない波長光を発するLED
6 反射光受光素子PD
7 照射光安定化用受光素子PD
8 投光部LED制御部と安定化回路
9 照射光分岐硝子
20 反射光増幅器
30 アナログ・デジタル変換器
40 検量線演算用CPU
50 表示器
60 電源
Claims (13)
- 非接触による含水率を測定する非接触含水率計において、
異なる特定の狭い波長域の光のみを出力する少なくとも2個の光源と、
該光源から測定対象の被測定対象物に照射させた照射光の一部を受光して反射光量を検出する受光手段と、
該受光手段の受光検出値から被測定対象物の水分含有率を算出する検量線を組み込んだ演算回路と
を有することを特徴とする非接触含水率計 - 前記演算回路が、前記受光手段の受光検出値から反射光量の自然対数を計算する機能と、その計算値から被測定対象物の水分濃度を算出する検量線を組み込んだことを特徴とする請求項1に記載の非接触含水率計。
- 前記光源が850nm、860nm、890nm、940nm、1200nm、1240nm、1400nm、1450nm、1940nm、1950nmの10波長の少なくとも2以上の発振波長を有する発光ダイオード(LED)で、ピーク波長の半値幅が50nm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非接触含水率計。
- 前記受光手段がフォトダイオード(PD)である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の非接触含水率計。
- 光源の波長、出力などの分光特性の変化に対して補正を行う手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の非接触含水率計。
- それぞれ異なる発光波長を有する複数の光源と、該光源からの発光を被測定対象物に照射する照射手段と、被測定対象物からの反射光の強度を検出する光検出手段と、被測定対象物の反射光の強度から被測定対象物の水分の量を算出する演算手段と、電源とを有した非接触含水率計において、
前記光源がLEDであり、
前記光検出手段がPDであり、
前記演算手段が照射する光の波長と被測定対象物が含有する水分と反射光量との関係から含水率を算出する手段である
ことを特徴とする非接触含水率計。 - 前記照射手段として、異なる発振波長を持つ複数の光源の照射光を被測定対象物の一定個所に均等に照射する必要から、光源を互いに近接して配列することを特徴とする請求項6に記載の非接触含水率計。
- 前記光源由来の分光特性の変化を検知する手段として、照射光路上に近赤外線が吸収を受けない材料で構成された透過硝子またはハーフミラーで構成していることを特徴とする請求項6ないし請求項7記載の非接触含水率計。
- 前記記載の硝子またはハーフミラーは照射光の一部を分岐することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の非接触含水率計。
- 光分岐手段から照射光の一部を分岐した分岐光を照射用光強度検出手段と、この照射用光強度検出手段の検出結果に基づいて反射光の強度を補正する光量補正演算回路を有することを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の非接触含水率計。
- 前記照射用光強度検出手段はフォトダイオードPDで有ることを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の非接触含水率計。
- 異なる発光波長を有する複数の光源を順次発光させる光源制御手段を有し、前記演算手段が各波長に対応する反射光検出値から被測定対象物に含まれる水分量を算出する手段であることを特徴とする請求項6ないし請求項11のいずれか1項に記載の非接触含水率計。
- 演算結果を表示する表示手段を設けたことを特徴とする請求項6ないし請求項12のいずれか1項に記載の非接触含水率計。
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