JP2004044456A

JP2004044456A - 取水井戸および井戸設備の現状能力診断装置およびその方法

Info

Publication number: JP2004044456A
Application number: JP2002201654A
Authority: JP
Inventors: Masataka Oba; 大場　正隆
Original assignee: Yaskawa Electric Corp
Current assignee: Yaskawa Electric Corp
Priority date: 2002-07-10
Filing date: 2002-07-10
Publication date: 2004-02-12

Abstract

【課題】既存の取水井戸の設備を利用して、後の僅かな部品を追加するだけで、簡易に現状の取水井戸および井戸設備の能力の把握をできるようにする。
【解決手段】取水ポンプ１１と導水管１２と送水管１４とを備えた取水井戸設備において、捨水管１７と、捨水管１７に設けられた捨水用電動弁ＭＶ１６と、送水管１４に設けられた手動弁１３と、導水管１２の送水管接続部での水圧を測定する圧力計２３と、圧力計２３の検知圧力を基に電動弁ＭＶ１６の制御をする圧力指示調節計ＰＩＣ２６と、水位計２１を設け、電動弁ＭＶ１６と手動弁１３を閉止した状態で現状のポンプ１１を運転し、締切揚程を測定して、据え付け時のポンプＱ−Ｈ特性との比較により、現状ポンプのＱ−Ｈ特性を推定し、これを基に現状ポンプのＱ−Ｈ特性を得る。
【選択図】　　　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道設備等の古い取水井戸および井戸設備の現状能力診断装置およびその方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
取水井戸は、掘削時の能力試験として、取水流量と井戸水位の低下量を測定するが、経年変化により、配管のストレーナ部の目詰まりなどで揚水量の低下により水位低下量も少なくなり、また取水ポンプもインペラ摩耗等により揚水能力が低下してゆく。古い取水井戸は、掘削時の能力より井戸としての能力が通常低下しているものである。
一方、取水井戸設備のメインである取水ポンプも経年劣化で初期の能力から低下しているため、初期の能力試験と同様の試験方法では現状の取水井戸設備の能力把握が出来ない。取水ポンプを新品に換えて能力試験をしないと正確な把握が出来ないが、そうすると取水井戸の能力は解るものの、取水井戸設備の能力、すなわち現在の取水ポンプの送水能力たるＱ−Ｈ特性は解らないことになる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
取水ポンプに可変速装置等を導入し、取水井戸を効率的に運転するためには、現状の取水井戸および取水ポンプの能力を把握することが必要であるが、上記のように、従来方法では、古い取水井戸の井戸能力と、そこに設置された取水ポンプの現状の能力を同時に簡易に測定することができなかった。
本発明はこれらの課題を解決するもので、現状の取水設備の現状把握を簡易に行うことができ、これにより設備更新を的確に行うことのできる取水井戸および井戸設備の現状能力診断装置およびその方法を提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項１記載の井戸等の現状能力診断装置発明は、取水井戸内に設置される取水ポンプと、該取水ポンプによって揚水された水を取水井戸外へ導く導水管と、該導水管から浄水池へ送水する送水管とを備えた取水井戸設備において、前記導水管から分岐された捨水管と、該捨水管に設けられた捨水用電動弁ＭＶと、前記送水管に設けられた手動弁と、前記導水管の送水管接続部での水圧を測定する圧力計と、該圧力計の検知圧力を基に前記捨水用電動弁ＭＶの制御をする圧力指示調節計ＰＩＣと、前記取水井戸の水位を測定する水位計を設けたことを特徴とする。
請求項２記載の現状ポンプのＱ−Ｈ特性推定方法の発明は、請求項１記載の取水井戸設備の現状能力診断装置を用いて、まず前記捨水用電動弁ＭＶと前記手動弁を閉止した状態で現状のポンプを運転し、締切揚程を前記圧力指示調節計ＰＩＣで測定して、据え付け時のポンプＱ−Ｈ特性（ポンプ吐出流量と全揚程の関係）との比較により、現状ポンプのＱ−Ｈ特性を推定することを特徴とする。
請求項３記載の井戸設備の能力診断方法の発明は、ポンプから圧力計取り付け点までの導水管の損失水頭を水理公式により計算し、この損失水頭を請求項２記載の現状ポンプのＱ−Ｈ特性推定方法により得られた現状ポンプのＱ−Ｈ特性から引いて圧力計取り付け点における現状ポンプのＱ−Ｈ特性を得ることを特徴とする。
請求項４記載の取水井戸の能力診断方法の発明は、請求項３記載の圧力計取り付け点における現状ポンプのＱ−Ｈ特性把握方法により得られたＱ−Ｈ特性から、測定水量に相当する圧力を演算し、その圧力となるように前記捨水用電動弁ＭＶを制御し、落ち着いた点の水位を前記水位計で読み取ることにより取水量変化による水位変化を求めることを特徴とする。
以上の構成により、既存の設備を利用して、それに若干の部品を付け加えるだけで簡易に現状の取水井戸および取水井戸設備の能力の把握が可能となる。
【０００５】
【発明の実施形態】
以下、本発明の取水井戸設備等の現状能力診断について図１に基づいて説明する。図１は取水井戸設備の本発明による能力診断装置を示す図である。
図１において、１０は井戸、１１は取水ポンプＰ、１２は導水管、１３は手動弁、１４は送水管、１５は浄水池、１６は電動弁ＭＶ、１７は捨水管、２１は水位計、２２は水位指示計ＬＩ、２３は圧力計、２４は電動弁ＭＶ１６用の開度計、２５は流量手動操作器ＦＨ、２６は圧力指示調節計ＰＩＣである。
本発明によれば、旧来の取水井戸の導水管１２に捨水用の電動弁１６及び導水管１２の圧力を圧力計２３で検知を行い、圧力指示調節計２６にて電動弁１６の制御を行えるようにしたのが特徴で、これにより電動弁１６を調整し圧力と水位変化を測定することによりポンプ能力および取水井戸能力を診断するものである。
以下、これについて図２〜図４を用いて詳しく説明する。
【０００６】
図２はポンプの現状特性を求めた特性（Ｑ−Ｈ特性）図である。
（１）まず、電動弁１６（図１）および手動弁１３を共閉して、ポンプ１１を運転し、締切揚程を圧力指示調節計２６で測定する。
（２）（１）で得られた測定結果と据付時のポンプＱ−Ｈ特性（ａ）との比較により次のように現状のＱ−Ｈ特性を推定する。すなわち、据付時のポンプＱ−Ｈ特性曲線（ａ）のＱ−Ｈカーブを基に締切揚程（１）と締切揚程（２）の比で、各Ｑ点の圧力もその比でプロットして作成する。このようにして得られたのが図２のｂの現状のポンプＱ−Ｈ特性のＱ−Ｈカーブである。
本発明によればこのようにしてポンプの現状特性（Ｑ−Ｈ特性）を求めることができる。
【０００７】
図３は圧力計取付点に於けるポンプ特性（Ｑ−Ｈ特性）図である。
（１）ポンプ１１より圧力計２３の取付点迄の導水管１２の損失水頭ｘを水理公式であるヘイゼンウイリアムスの式（１）により計算する。
【数１】

（２）（１）で計算された損失水頭ｘを現状のＱ−Ｈ特性（図２のｂ）から引いて、圧力計取付点に於けるポンプ特性（Ｑ−Ｈ特性）を作成する。図３のｃが求められた圧力計取付点に於けるポンプＱ−Ｈ特性である。
本発明によればこのようにして、圧力計取付点に於けるポンプ特性（Ｑ−Ｈ特性）を求めることができる。
【０００８】
図４は取水量変化による水位変化の測定に用いるＱ−Ｈ特性図である。
（１）図４のＱ−ＨカーブＣ（図３のＣ）より、測定水量に相当する圧力を演算する。
（２）演算された圧力となるように流量手動操作器ＦＨ２５で電動弁１６を開閉制御し、落ちついた点の水位を水位計２１により読みとり、その水位Ｈが解ればＱ−Ｈ特性ＣよりＱが求まり、取水井戸の能力が解る。
本発明によればこのようにして、取水量変化による水位変化、すなわち取水井戸の能力を求めることができる。
【０００９】
また、実用新案登録第２５２２１３４号の水位自動測定制御装置は、同じく取水井戸の水位測定に関するものであるが、井戸水位及び井戸水の送り先である貯水槽の水位を１個の圧力センサで計測し両者の水位によって取水ポンプの運転制御を行うものであり、取水ポンプは定格通りのものであることが前提になっている。これに対して本発明では、古くなった井戸設備のもはや定格通りでなくなったポンプが前提となっており、したがってこのポンプの現状の能力を把握し、取水井戸の取水量による水位変化より取水井戸の能力を診断する（すなわち、初期の水位変化と比較して、取水井戸の能力を診断する）ものであり、その前提が全く異なるものである。
【００１０】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば取水ポンプ１１と導水管１２と送水管１４とを備えた取水井戸設備において、捨水管１７と、捨水管１７に設けられた捨水用電動弁ＭＶ１６と、送水管１４に設けられた手動弁１３と、導水管１２の送水管接続部での水圧を測定する圧力計２３と、圧力計２３の検知圧力を基に電動弁ＭＶ１６の制御をする圧力指示調節計ＰＩＣ２６と、水位計２１を設け、電動弁ＭＶ１６と手動弁１３を閉止した状態で現状のポンプ１１を運転し、締切揚程を測定して、据え付け時のポンプＱ−Ｈ特性との比較により、現状ポンプのＱ−Ｈ特性を推定し、これを基に現状の取水井戸および井戸設備の能力を診断するものであり、既存の取水井戸の設備を利用して、若干の電動弁ＭＶと手動弁と圧力計と圧力指示調節計と水位計を追加するだけで、簡易に現状の取水井戸および井戸設備の能力の把握ができるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】取水井戸設備の本発明による能力診断装置水を示す図である。
【図２】ポンプの現状特性を求めた特性（Ｑ−Ｈ特性）図である。
【図３】圧力計取付点に於けるポンプ特性（Ｑ−Ｈ特性）図である。
【図４】取水量変化による水位変化の測定により求めたＱ−Ｈ特性図である。
【符号の説明】
１０　井戸
１１　取水ポンプＰ
１２　導水管
１３　手動弁
１４　送水管
１５　浄水池
１６　電動弁ＭＶ
１７　捨水管
２１　水位計
２２　水位指示計ＬＩ
２３　圧力計
２４　開度計
２５　流量手動操作器ＦＨ
２６　圧力指示調節計ＰＩＣ

Claims

取水井戸内に設置される取水ポンプと、該取水ポンプによって揚水された水を取水井戸外へ導く導水管と、該導水管から浄水池へ送水する送水管とを備えた取水井戸設備において、前記導水管から分岐された捨水管と、該捨水管に設けられた捨水用電動弁ＭＶと、前記送水管に設けられた手動弁と、前記導水管の送水管接続部での水圧を測定する圧力計と、該圧力計の検知圧力を基に前記捨水用電動弁ＭＶの制御をする圧力指示調節計ＰＩＣと、前記取水井戸の水位を測定する水位計を設けたことを特徴とする取水井戸および井戸設備の現状能力診断装置。
請求項１記載の取水井戸設備の現状能力診断装置を用いて、まず前記捨水用電動弁ＭＶと前記手動弁を閉止した状態で現状のポンプを運転し、締切揚程を前記圧力指示調節計ＰＩＣで測定して、据え付け時のポンプＱ−Ｈ特性（ポンプ吐出流量と全揚程の関係）との比較により、現状ポンプのＱ−Ｈ特性を推定することを特徴とする現状ポンプのＱ−Ｈ特性推定方法。
ポンプから圧力計２３取り付け点までの導水管の損失水頭を水理公式により計算し、この損失水頭を請求項２記載の現状ポンプのＱ−Ｈ特性推定方法により得られた現状ポンプのＱ−Ｈ特性から引いて圧力計取り付け点における現状ポンプのＱ−Ｈ特性を得ることを特徴とする井戸設備の能力診断方法。
請求項３記載の圧力計取り付け点における現状ポンプのＱ−Ｈ特性把握方法により得られたＱ−Ｈ特性から、測定水量に相当する圧力を演算し、その圧力となるように前記捨水用電動弁ＭＶを制御し、落ち着いた点の水位を前記水位計で読み取ることにより取水量変化による水位変化を求めることを特徴とする取水井戸の能力診断方法。