JP2004044023A - 撥水性を有する繊維状活性炭編物 - Google Patents
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Abstract
【課題】単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能が大きく、通気性が高く、かつ引裂強さの強い繊維状活性炭編物であって、水や汗などに濡れた場合においても高いガスバリア性がある撥水性を有する繊維状活性炭編物を提供する。
【解決手段】繊維状高分子前駆体を、炭化・賦活して得られる繊維状活性炭編物Aにおいて、トルエン吸着性能が25g/m2以上で、通気性が250cm3/cm2・s以上でかつ、引裂強さが2.5N以上であって、JIS L1092 6.2に準拠した撥水度が2以上であることを特徴とする繊維状活性炭編物Aである。さらには、絶乾質量が80〜250g/m2であり、BET法による比表面積が1000〜3000m2/gであり、編組織がリブ編み又は両面編みである繊維状活性炭編物Aである。
【選択図】図1
【解決手段】繊維状高分子前駆体を、炭化・賦活して得られる繊維状活性炭編物Aにおいて、トルエン吸着性能が25g/m2以上で、通気性が250cm3/cm2・s以上でかつ、引裂強さが2.5N以上であって、JIS L1092 6.2に準拠した撥水度が2以上であることを特徴とする繊維状活性炭編物Aである。さらには、絶乾質量が80〜250g/m2であり、BET法による比表面積が1000〜3000m2/gであり、編組織がリブ編み又は両面編みである繊維状活性炭編物Aである。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化可能な原料有機繊維の編物を炭化・賦活処理することによって得られる繊維状活性炭の編物であって、積層加工などの加工性に富み引裂きや折り曲げに対して耐久性があり、取り扱い性が良好で通気性の高い有機ガスの吸着性能に優れた撥水性を有する繊維状活性炭編物に関する。詳しくは、本発明はマスクや脱臭パッド、脱臭シーツなどのメディカル用品、有害ガスから身体を守る防護服、各種の空気清浄機等に使用される繊維状活性炭編物に関する。特に、本繊維状活性炭編物をシート材料や成形品と積層、貼付等で組み合わせた加工を施す際に、裂けや破れといった損傷が少なくかつ通気性の高い繊維状活性炭編物に関する。また、本繊維状活性炭編物を単独または他のシート状物と積層して用いたメディカル用品や防護服、フィルター等の用途に使用した際に、裂けや破れといった損傷が少なくかつ通気性が高く、水や汗などに濡れた場合でも高いガスバリア性を有する繊維状活性炭編物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、炭化可能な原料有機繊維に炭化処理および賦活処理を施して繊維状活性炭を得ることが提案されている。また、繊維状活性炭がシート形状を成すシート状の繊維状活性炭を得る方法としては、原料有機繊維をフェルトなどの不織布状あるいは織物状・編物状とした後、炭化および賦活処理する方法や原料有機繊維を炭化および賦活処理して繊維状活性炭を得た後にフェルト等の不織布状に加工する方法が挙げられる。
【0003】
これら繊維状活性炭は元来有するミクロポアの発達した細孔構造によりガスの吸脱着速度が速くかつ非常に大きな吸着性能を有することで種々の用途に利用されている。しかし、炭化および賦活時の収縮により強度が弱く、シワや亀裂が発生したり、取り扱いや他の材料との積層等の加工時に活性炭布が折れたり、切れたりして粉化・脱落して実用に耐えない様態となる。
【0004】
これらの問題を解決するために特公平1−24725では編地状の繊維状活性炭布帛が提案されている。これによると、柔軟で加工性、耐引張り、引裂き、折り曲げに優れ、取り扱い性が良好な編地状の活性炭布帛が得られる。しかしながら、昨今の活性炭布帛としての高性能化や他の材料との組み合わせにおける高次加工性といった高い要求を満足することはできない。特に、吸着性能と通気性並びに引裂き強力のバランスが十分ではなかった。即ち、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能を増大しようと繊維状活性炭編物の絶乾質量を増加させると、密度が増大して圧力損失が増し、通気性が低下すると共に繊維間の自由度が失われて剛性が増し、結果として強度、特に引裂き強度が低下する。
【0005】
また、連続的な工業生産を想定した場合には、焼成時のコース方向の収縮によりテンションが掛かるために活性炭布の強度が弱い場合には、破れたり・切れたりする。又両端部がカール状として捲れたり、幅方向の収縮が不安定で一定で安定した幅の繊維状活性炭布帛を得ることが困難であった。さらには、収縮の変動が大きく、絶乾質量の変動が大きく、また編目曲がりが起こり、製品の品位が劣るものであった。また、これら繊維状活性炭シートは空気中の水分結露や汗等で濡れた場合にはフィルターや防護服として用いた場合に実用性能を十分発揮できなくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の従来技術における問題を解決しようとするものである。すなわち、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能が大きく、かつ通気性が高く、引裂強さの強い繊維状活性炭編物であって、さらに空気中の水分結露や汗等で濡れた場合にもフィルターや防護服として用いた場合に高いガスバリア性を維持させるために撥水性を有する繊維状活性炭編物を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、繊維状高分子前駆体を糸状化し製編した後、炭化・賦活して得られる繊維状活性炭編物において、トルエン吸着性能が25g/m2以上であり、通気性が250cm3/cm2・s以上であり、かつ引裂強さが2.5N以上であることを特徴とし、さらには繊維状活性炭編物に撥水剤を付与することにより、撥水度が2以上より好ましくは4以上であることを特徴とする繊維状活性炭編物である。
また、繊維状高分子前駆体がフェノール系繊維であって、その糸状が197dtex以上の太さである繊維状高分子前駆体を炭化・賦活して得られる繊維状活性炭編物である。さらには、絶乾質量が80〜250g/m2であり、BET法による比表面積が1000〜3000m2/gであり、編組織がリブ編み又は両面編みである繊維状活性炭編物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
繊維状活性炭シートは可とう性に優れるために各種フィルターやエレメントとして各種有機溶剤のガスを吸着するために用いられる。シートの形成方法には前述のように、原料有機繊維をフェルトなどの不織布状あるいは織物状とした後、炭化および賦活処理する方法や原料有機繊維を炭化および賦活処理して繊維状活性炭を得た後にフェルト等の不織布状に加工する方法が挙げられるが、柔軟性や加工性から編地状の繊維状活性炭シートが優れる。他の繊維材料等との積層加工や防護衣のようにシート自体が動きを伴う場所で取り扱われる場合には特にその柔軟性から編物状であることが特に有利である。その繊維状活性炭編物を得る工程については繊維状高分子前駆体の糸状をあらかじめ編物にした後、炭化・賦活して繊維状活性炭編物とする方法が良く、活性炭繊維糸状を製編することは活性炭繊維の強度が弱いため実際工業的には不可能である。
【0009】
該活性炭編物の吸着性能としてはJIS K1477「繊維状活性炭試験方法」の5.7項に記載のトルエン吸着性能で25g/m2以上(25℃、1/10希釈の条件下)、好ましくは40g/m2以上必要である。この吸着量を下回る場合は、フィルタや防護服として用いた場合に実用性能を十分発揮できなくなる。又、該活性炭編物の通気性としては、JIS L1018「ニット生地試験方法」に記載の方法による通気性で250cm3/cm2・s以上必要である。これを下回る場合はフィルターにした場合には圧力損失の増大、又防護服にした場合には着用感の低下といった問題が起こる。
【0010】
繊維状活性炭編物を目的に応じて加工する場合、例えば織編物や不織布といった他の繊維集合体と積層する場合、工業的に加工しようとすれば該繊維状活性炭編物に機械的応力が加わり、裂けや破れが生じる。これを防ぐためには少なくとも、JIS L1018に記載の方法による引張強さが1.0N以上、JIS L1096 8.15.4項に記載の引裂強さ(トラペゾイド法)が1.0N以上好ましくは2.5N以上必要である。これを下回る場合は、積層加工やその他の製品化のための加工を施す場合に生産性が大幅に低下し実用的でなくなる。
【0011】
このような、引裂強さの大きい繊維状活性炭編物を得るには、前駆体繊維がフェノール系繊維であることが望ましい。繊維状活性炭の前駆体繊維としては他にセルロース系、ピッチ系やPAN系が知られている。セルロース系繊維を前駆体とする場合は炭化・賦活により十分な吸着性能を発揮する比表面積を有する繊維状活性炭が得られるが、収率が低く、また収縮率が大きいので剛性が高く、布帛の強度、特に引裂強さの小さいものとなる。PAN系繊維を前駆体繊維とする場合には、比較的布帛強度の高いものが得られるが、大きな吸着性能を有する繊維状活性炭を得ることが困難である。ピッチ系繊維を用いるとセルロース系とPAN系の中間程度の強度と吸着性能が得られるが、必ずしも両方の特性とも満足するものではない。
【0012】
本発明においては、このような状況を鑑み前駆体繊維の糸状としてはステープルから得られる紡績糸あるいはフィラメント糸状いずれの場合でも良く、また両者を混合した混繊糸状でもかまわない。単繊維繊度は1.1dtex〜5.5dtexで、撚り合わせた糸状の繊度は197dtex以上、好ましくは295〜590dtexが良い。197dtex以下の場合、製編し炭化・賦活した後の繊維状活性炭編物の密度が緻密となって十分な通気性が得られない。また、柔軟性が不足して後加工時や使用時に裂けや破れの発生に繋がる。
【0013】
このような糸状を用いて原料編地を製編するにあたって、繊維状活性炭にした後の生地の伸び率、柔軟性や通気性を保持するためには編組織としてはリブ編み又は両面編みが好ましい。この中でもフライス編みやスムース編みは連続焼成する際に生地の収縮によるコース方向の応力によって生じる生地の耳部の巻き込みがほとんどなく、繊維状活性炭編物の有効幅を確保する点で好ましい。
【0014】
繊維状活性炭シートは炭化・賦活されることにより機械的強度が低下する。特に引裂強さが極端に低下すると後加工時や使用時の破壊に繋がり不都合である。
ここで、繊維状活性炭編物の柔軟性や強度を出来るだけ保持するためには、炭化・賦活前の原料編物の破断時伸び率がコース・ウェール方向ともに100%以上を有することで解決できることが本発明によって見出された。破断時の伸び率が100%以上を有するように製編を設計された原料編物を用いて炭化・賦活された繊維状活性炭編物も本発明に含まれる。
【0015】
このようにして得られた原料編物を活性炭にする際には、バッチ式あるいは連続式に炭化・賦活工程を施すことで得られるが、繊維状活性炭編物の生地特性や吸着性能の均一性を得ることや工業的生産性を考慮すると炭化・賦活を連続的に行うことが好ましい。原料編物を350℃以上1000℃以下の温度の不活性雰囲気で炭化し、次いで500℃以上1000℃以下の温度で炭素と反応する水蒸気、酸素、二酸化炭素などを含む活性な雰囲気で賦活し活性炭化する。又、場合によっては雰囲気条件を制御することにより炭化と賦活を同時に行うことも可能である。尚、賦活処理、すなわち活性炭化を行う際の最高到達温度を1000℃以上にすると異常収縮などによりシワの発生を伴うことがあり、最高到達温度は1000℃以下にすることが好ましい。これにより、比表面積が1000〜3000m2/gである編物状の繊維状活性炭が得られる。
又、得られた活性炭布帛の絶乾質量は、80〜250g/m2、好ましくは100〜150g/m2が良い。80g/m2以下の場合、活性炭の吸着性能が低くかつ引裂強さが弱く、250g/m2以上の場合通気性や柔軟性が悪くなるといった問題が起こるためである。
【0016】
繊維状活性炭編物に撥水性を付与する方法としては、通常スプレーによる噴霧や含浸加工などが考えられるが、均一性を考えると含浸加工が好ましい。
【0017】
又、撥水剤としてはフッ素樹脂系、ワックス系、セルロース反応系、シリコン樹脂系等特に限定されるものではなく、添着量は撥水剤固形分として0.1〜15wt%、好ましくは0.5〜5wt%であればよい。添着量が0.1wt%以下では撥水度が低く、15wt%以上であれば繊維状活性炭編物の性能が低下するためである。
【0018】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例はこの発明を制限するものではなく、前・後記の主旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。
尚、編地の各特性値の測定法は次の通りである。布帛の絶乾質量、目付、厚さ、見掛比重、通気性、引張強さ、伸び率、剛軟性については、JIS L1018に準拠、引裂強さはJIS L1096に準拠し、繊維状活性炭のトルエン吸着性能は、JIS K1477に準拠した。また、編物の撥水度はJIS L1092 6.2に準拠した。
【0019】
(実施例1)
単繊維繊度2.2dtex、糸状の繊度295dtexのフェノール系繊維を使用し、22ゲージ両面丸編み機によりフライス編地を編成した。この編地は、目付225g/m2、厚さ1.65mm、見掛比重0.14g/cm3、通気性は320cm3/cm2・sであり、引張強さはコース方向37.2N/cm、ウェール方向53.9N/cm、伸び率はコース方向147%、ウェール方向160%に設定した。
この編地を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた編物状の繊維状活性炭布はコース方向に20%、ウェール方向に28%の収縮を生じたが、耳部のカールもなく、シワや歪みのないしなやかなものであった。得られた編地状の繊維状活性炭布は、絶乾質量120g/m2、厚さ1.05mm、比重0.11g/cm3、通気性は330cm3/cm2・s、引張強さはコース方向2.0N/cm、ウェール方向1.5N/cm、伸び率はコース方向35%、ウェール方向95%、引裂強さはコース方向3.8N、ウェール方向4.0N、剛軟度はコース方向6.4mN・cm、ウェール方向6.2mN・cmと柔軟なものであった。又、この繊維状活性炭布のトルエン吸着性能は56g/m2、BET比表面積は1380m2/gと非常に高い吸着性能を有するものであった。
この繊維状活性炭編物を、3wt%のフッ素系撥水剤(明成化学工業(株)アサヒカ゛ート゛AG970)、0.3wt%の架橋剤(住友化学工業(株)スミテックスレジンM−3)及び、0.1wt%の触媒(住友化学工業(株)スミテックスアクセラレータACX)を含む加工浴にパッド乾燥後、170℃で固着処理を施し、撥水剤固形分で0.5wt%添着させた。
【0020】
(比較例1)
実施例1と同じ繊維状活性炭編物で、撥水加工処理を施さないものを比較例1とした。
【0021】
(比較例2)
単繊維繊度2.2dtex、糸状の繊度590dtexのフェノール系繊維を使用し、14ゲージ片面丸編機により天竺編地を編成した。この編地は、目付220g/m2、厚さ0.94mm、見掛比重0.23g/cm3、通気性は210cm3/cm2・s、引張強さはコース方向20.6N/cm、ウェール方向13.7N/cm、伸び率はコース方向84%、ウェール方向177%に設定した。
この編地を常温から890℃まで30分間で不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた編物状の繊維状活性炭布はコース方向に30%、横方向に25%の収縮を生じた。
得られた編地状の繊維状活性炭布は、絶乾質量125g/m2、厚さ0.89mm、比重0.14g/cm3、引張強さはコース方向2.9N/cm、ウェール方向1.1N/cm、伸び率はコース方向26%、ウェール方向85%、引裂強さはコース方向2.5N、ウェール方向2.0N、剛軟度はコース方向6.7mN・cm、ウェール方向6.1mN・cmと柔軟なものであった。又、この繊維状活性炭布のトルエン吸着性能は59g/m2、BET比表面積1380m2/gと非常に高い吸着性能を有するものであったが、通気性が175cm3/cm2・sと低く、又、耳部にはカールが発生し加工性の非常に悪いものとなった。
この繊維状活性炭編物を、0.03wt%のフッ素系撥水剤(明成化学工業(株)アサヒカ゛ート゛AG970)、0.003wt%の架橋剤(住友化学工業(株)スミテックスレジンM−3)及び、0.001wt%の触媒(住友化学工業(株)スミテックスアクセラレータACX)を含む加工浴にパッド乾燥後、170℃で固着処理を施し、撥水剤固形分で0.005wt%添着させた。
【0022】
上記実施例および比較例で得た材料の撥水度を表1に示す。
【0023】
上記実施例および比較例で得た材料を純水の中に1分間浸漬後、取出し脱水した。この時の材料に対する純水の含水率は表2の通りであった。
【0024】
この材料を、図1のように25℃に設定したインキュベータ内の容器にセットし、容器内にトルエン10μLを入れたポットを置き、下流側のガス濃度を一定時間ごとにシリンジでサンプリングした。
このとき、ガスクロで測定した結果を図2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
以上のように、実施例1は、繊維状活性炭編物を撥水処理することによって、繊維状活性炭編物が水や汗等に濡れた場合においても高いガスバリア性を有するが、撥水処理をしていない比較例1ではガスバリア性の低下が起こる。
又、比較例2は繊維状活性炭編物を撥水処理したが、繊維状活性炭編物の撥水度が低いために、水や汗等に濡れた場合にガスバリア性が低下する結果となった。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の繊維状活性炭編物は、糸状が197dtex以上の太さのフェノール系繊維を、破断時伸び率がコース方向、ウェール方向共に100%以上であるリブ編み又は両面編みに製編した繊維状高分子前駆体を、炭化・賦活して活性炭化する事で、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能が大きく、通気性が高く、かつ引裂強さの強い、品質および品位の優れた繊維状活性炭を提供する事が可能であり、かつ得られた繊維状活性炭編物を撥水処理する事によって、水や汗などで濡れた場合においても優れたガスバリア性能を有する繊維状活性炭編物を提供する事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ガスバリア性を評価した試験容器の概略図である。
【図2】図2は、ガスバリア性を評価したときの結果をグラフ化したものである。
【符号の説明】
A:繊維状活性炭編物 B:ガラス容器 C:ガラスポット
D:トルエン(液体) E:シリコンキャップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化可能な原料有機繊維の編物を炭化・賦活処理することによって得られる繊維状活性炭の編物であって、積層加工などの加工性に富み引裂きや折り曲げに対して耐久性があり、取り扱い性が良好で通気性の高い有機ガスの吸着性能に優れた撥水性を有する繊維状活性炭編物に関する。詳しくは、本発明はマスクや脱臭パッド、脱臭シーツなどのメディカル用品、有害ガスから身体を守る防護服、各種の空気清浄機等に使用される繊維状活性炭編物に関する。特に、本繊維状活性炭編物をシート材料や成形品と積層、貼付等で組み合わせた加工を施す際に、裂けや破れといった損傷が少なくかつ通気性の高い繊維状活性炭編物に関する。また、本繊維状活性炭編物を単独または他のシート状物と積層して用いたメディカル用品や防護服、フィルター等の用途に使用した際に、裂けや破れといった損傷が少なくかつ通気性が高く、水や汗などに濡れた場合でも高いガスバリア性を有する繊維状活性炭編物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、炭化可能な原料有機繊維に炭化処理および賦活処理を施して繊維状活性炭を得ることが提案されている。また、繊維状活性炭がシート形状を成すシート状の繊維状活性炭を得る方法としては、原料有機繊維をフェルトなどの不織布状あるいは織物状・編物状とした後、炭化および賦活処理する方法や原料有機繊維を炭化および賦活処理して繊維状活性炭を得た後にフェルト等の不織布状に加工する方法が挙げられる。
【0003】
これら繊維状活性炭は元来有するミクロポアの発達した細孔構造によりガスの吸脱着速度が速くかつ非常に大きな吸着性能を有することで種々の用途に利用されている。しかし、炭化および賦活時の収縮により強度が弱く、シワや亀裂が発生したり、取り扱いや他の材料との積層等の加工時に活性炭布が折れたり、切れたりして粉化・脱落して実用に耐えない様態となる。
【0004】
これらの問題を解決するために特公平1−24725では編地状の繊維状活性炭布帛が提案されている。これによると、柔軟で加工性、耐引張り、引裂き、折り曲げに優れ、取り扱い性が良好な編地状の活性炭布帛が得られる。しかしながら、昨今の活性炭布帛としての高性能化や他の材料との組み合わせにおける高次加工性といった高い要求を満足することはできない。特に、吸着性能と通気性並びに引裂き強力のバランスが十分ではなかった。即ち、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能を増大しようと繊維状活性炭編物の絶乾質量を増加させると、密度が増大して圧力損失が増し、通気性が低下すると共に繊維間の自由度が失われて剛性が増し、結果として強度、特に引裂き強度が低下する。
【0005】
また、連続的な工業生産を想定した場合には、焼成時のコース方向の収縮によりテンションが掛かるために活性炭布の強度が弱い場合には、破れたり・切れたりする。又両端部がカール状として捲れたり、幅方向の収縮が不安定で一定で安定した幅の繊維状活性炭布帛を得ることが困難であった。さらには、収縮の変動が大きく、絶乾質量の変動が大きく、また編目曲がりが起こり、製品の品位が劣るものであった。また、これら繊維状活性炭シートは空気中の水分結露や汗等で濡れた場合にはフィルターや防護服として用いた場合に実用性能を十分発揮できなくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の従来技術における問題を解決しようとするものである。すなわち、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能が大きく、かつ通気性が高く、引裂強さの強い繊維状活性炭編物であって、さらに空気中の水分結露や汗等で濡れた場合にもフィルターや防護服として用いた場合に高いガスバリア性を維持させるために撥水性を有する繊維状活性炭編物を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、繊維状高分子前駆体を糸状化し製編した後、炭化・賦活して得られる繊維状活性炭編物において、トルエン吸着性能が25g/m2以上であり、通気性が250cm3/cm2・s以上であり、かつ引裂強さが2.5N以上であることを特徴とし、さらには繊維状活性炭編物に撥水剤を付与することにより、撥水度が2以上より好ましくは4以上であることを特徴とする繊維状活性炭編物である。
また、繊維状高分子前駆体がフェノール系繊維であって、その糸状が197dtex以上の太さである繊維状高分子前駆体を炭化・賦活して得られる繊維状活性炭編物である。さらには、絶乾質量が80〜250g/m2であり、BET法による比表面積が1000〜3000m2/gであり、編組織がリブ編み又は両面編みである繊維状活性炭編物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
繊維状活性炭シートは可とう性に優れるために各種フィルターやエレメントとして各種有機溶剤のガスを吸着するために用いられる。シートの形成方法には前述のように、原料有機繊維をフェルトなどの不織布状あるいは織物状とした後、炭化および賦活処理する方法や原料有機繊維を炭化および賦活処理して繊維状活性炭を得た後にフェルト等の不織布状に加工する方法が挙げられるが、柔軟性や加工性から編地状の繊維状活性炭シートが優れる。他の繊維材料等との積層加工や防護衣のようにシート自体が動きを伴う場所で取り扱われる場合には特にその柔軟性から編物状であることが特に有利である。その繊維状活性炭編物を得る工程については繊維状高分子前駆体の糸状をあらかじめ編物にした後、炭化・賦活して繊維状活性炭編物とする方法が良く、活性炭繊維糸状を製編することは活性炭繊維の強度が弱いため実際工業的には不可能である。
【0009】
該活性炭編物の吸着性能としてはJIS K1477「繊維状活性炭試験方法」の5.7項に記載のトルエン吸着性能で25g/m2以上(25℃、1/10希釈の条件下)、好ましくは40g/m2以上必要である。この吸着量を下回る場合は、フィルタや防護服として用いた場合に実用性能を十分発揮できなくなる。又、該活性炭編物の通気性としては、JIS L1018「ニット生地試験方法」に記載の方法による通気性で250cm3/cm2・s以上必要である。これを下回る場合はフィルターにした場合には圧力損失の増大、又防護服にした場合には着用感の低下といった問題が起こる。
【0010】
繊維状活性炭編物を目的に応じて加工する場合、例えば織編物や不織布といった他の繊維集合体と積層する場合、工業的に加工しようとすれば該繊維状活性炭編物に機械的応力が加わり、裂けや破れが生じる。これを防ぐためには少なくとも、JIS L1018に記載の方法による引張強さが1.0N以上、JIS L1096 8.15.4項に記載の引裂強さ(トラペゾイド法)が1.0N以上好ましくは2.5N以上必要である。これを下回る場合は、積層加工やその他の製品化のための加工を施す場合に生産性が大幅に低下し実用的でなくなる。
【0011】
このような、引裂強さの大きい繊維状活性炭編物を得るには、前駆体繊維がフェノール系繊維であることが望ましい。繊維状活性炭の前駆体繊維としては他にセルロース系、ピッチ系やPAN系が知られている。セルロース系繊維を前駆体とする場合は炭化・賦活により十分な吸着性能を発揮する比表面積を有する繊維状活性炭が得られるが、収率が低く、また収縮率が大きいので剛性が高く、布帛の強度、特に引裂強さの小さいものとなる。PAN系繊維を前駆体繊維とする場合には、比較的布帛強度の高いものが得られるが、大きな吸着性能を有する繊維状活性炭を得ることが困難である。ピッチ系繊維を用いるとセルロース系とPAN系の中間程度の強度と吸着性能が得られるが、必ずしも両方の特性とも満足するものではない。
【0012】
本発明においては、このような状況を鑑み前駆体繊維の糸状としてはステープルから得られる紡績糸あるいはフィラメント糸状いずれの場合でも良く、また両者を混合した混繊糸状でもかまわない。単繊維繊度は1.1dtex〜5.5dtexで、撚り合わせた糸状の繊度は197dtex以上、好ましくは295〜590dtexが良い。197dtex以下の場合、製編し炭化・賦活した後の繊維状活性炭編物の密度が緻密となって十分な通気性が得られない。また、柔軟性が不足して後加工時や使用時に裂けや破れの発生に繋がる。
【0013】
このような糸状を用いて原料編地を製編するにあたって、繊維状活性炭にした後の生地の伸び率、柔軟性や通気性を保持するためには編組織としてはリブ編み又は両面編みが好ましい。この中でもフライス編みやスムース編みは連続焼成する際に生地の収縮によるコース方向の応力によって生じる生地の耳部の巻き込みがほとんどなく、繊維状活性炭編物の有効幅を確保する点で好ましい。
【0014】
繊維状活性炭シートは炭化・賦活されることにより機械的強度が低下する。特に引裂強さが極端に低下すると後加工時や使用時の破壊に繋がり不都合である。
ここで、繊維状活性炭編物の柔軟性や強度を出来るだけ保持するためには、炭化・賦活前の原料編物の破断時伸び率がコース・ウェール方向ともに100%以上を有することで解決できることが本発明によって見出された。破断時の伸び率が100%以上を有するように製編を設計された原料編物を用いて炭化・賦活された繊維状活性炭編物も本発明に含まれる。
【0015】
このようにして得られた原料編物を活性炭にする際には、バッチ式あるいは連続式に炭化・賦活工程を施すことで得られるが、繊維状活性炭編物の生地特性や吸着性能の均一性を得ることや工業的生産性を考慮すると炭化・賦活を連続的に行うことが好ましい。原料編物を350℃以上1000℃以下の温度の不活性雰囲気で炭化し、次いで500℃以上1000℃以下の温度で炭素と反応する水蒸気、酸素、二酸化炭素などを含む活性な雰囲気で賦活し活性炭化する。又、場合によっては雰囲気条件を制御することにより炭化と賦活を同時に行うことも可能である。尚、賦活処理、すなわち活性炭化を行う際の最高到達温度を1000℃以上にすると異常収縮などによりシワの発生を伴うことがあり、最高到達温度は1000℃以下にすることが好ましい。これにより、比表面積が1000〜3000m2/gである編物状の繊維状活性炭が得られる。
又、得られた活性炭布帛の絶乾質量は、80〜250g/m2、好ましくは100〜150g/m2が良い。80g/m2以下の場合、活性炭の吸着性能が低くかつ引裂強さが弱く、250g/m2以上の場合通気性や柔軟性が悪くなるといった問題が起こるためである。
【0016】
繊維状活性炭編物に撥水性を付与する方法としては、通常スプレーによる噴霧や含浸加工などが考えられるが、均一性を考えると含浸加工が好ましい。
【0017】
又、撥水剤としてはフッ素樹脂系、ワックス系、セルロース反応系、シリコン樹脂系等特に限定されるものではなく、添着量は撥水剤固形分として0.1〜15wt%、好ましくは0.5〜5wt%であればよい。添着量が0.1wt%以下では撥水度が低く、15wt%以上であれば繊維状活性炭編物の性能が低下するためである。
【0018】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例はこの発明を制限するものではなく、前・後記の主旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。
尚、編地の各特性値の測定法は次の通りである。布帛の絶乾質量、目付、厚さ、見掛比重、通気性、引張強さ、伸び率、剛軟性については、JIS L1018に準拠、引裂強さはJIS L1096に準拠し、繊維状活性炭のトルエン吸着性能は、JIS K1477に準拠した。また、編物の撥水度はJIS L1092 6.2に準拠した。
【0019】
(実施例1)
単繊維繊度2.2dtex、糸状の繊度295dtexのフェノール系繊維を使用し、22ゲージ両面丸編み機によりフライス編地を編成した。この編地は、目付225g/m2、厚さ1.65mm、見掛比重0.14g/cm3、通気性は320cm3/cm2・sであり、引張強さはコース方向37.2N/cm、ウェール方向53.9N/cm、伸び率はコース方向147%、ウェール方向160%に設定した。
この編地を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた編物状の繊維状活性炭布はコース方向に20%、ウェール方向に28%の収縮を生じたが、耳部のカールもなく、シワや歪みのないしなやかなものであった。得られた編地状の繊維状活性炭布は、絶乾質量120g/m2、厚さ1.05mm、比重0.11g/cm3、通気性は330cm3/cm2・s、引張強さはコース方向2.0N/cm、ウェール方向1.5N/cm、伸び率はコース方向35%、ウェール方向95%、引裂強さはコース方向3.8N、ウェール方向4.0N、剛軟度はコース方向6.4mN・cm、ウェール方向6.2mN・cmと柔軟なものであった。又、この繊維状活性炭布のトルエン吸着性能は56g/m2、BET比表面積は1380m2/gと非常に高い吸着性能を有するものであった。
この繊維状活性炭編物を、3wt%のフッ素系撥水剤(明成化学工業(株)アサヒカ゛ート゛AG970)、0.3wt%の架橋剤(住友化学工業(株)スミテックスレジンM−3)及び、0.1wt%の触媒(住友化学工業(株)スミテックスアクセラレータACX)を含む加工浴にパッド乾燥後、170℃で固着処理を施し、撥水剤固形分で0.5wt%添着させた。
【0020】
(比較例1)
実施例1と同じ繊維状活性炭編物で、撥水加工処理を施さないものを比較例1とした。
【0021】
(比較例2)
単繊維繊度2.2dtex、糸状の繊度590dtexのフェノール系繊維を使用し、14ゲージ片面丸編機により天竺編地を編成した。この編地は、目付220g/m2、厚さ0.94mm、見掛比重0.23g/cm3、通気性は210cm3/cm2・s、引張強さはコース方向20.6N/cm、ウェール方向13.7N/cm、伸び率はコース方向84%、ウェール方向177%に設定した。
この編地を常温から890℃まで30分間で不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた編物状の繊維状活性炭布はコース方向に30%、横方向に25%の収縮を生じた。
得られた編地状の繊維状活性炭布は、絶乾質量125g/m2、厚さ0.89mm、比重0.14g/cm3、引張強さはコース方向2.9N/cm、ウェール方向1.1N/cm、伸び率はコース方向26%、ウェール方向85%、引裂強さはコース方向2.5N、ウェール方向2.0N、剛軟度はコース方向6.7mN・cm、ウェール方向6.1mN・cmと柔軟なものであった。又、この繊維状活性炭布のトルエン吸着性能は59g/m2、BET比表面積1380m2/gと非常に高い吸着性能を有するものであったが、通気性が175cm3/cm2・sと低く、又、耳部にはカールが発生し加工性の非常に悪いものとなった。
この繊維状活性炭編物を、0.03wt%のフッ素系撥水剤(明成化学工業(株)アサヒカ゛ート゛AG970)、0.003wt%の架橋剤(住友化学工業(株)スミテックスレジンM−3)及び、0.001wt%の触媒(住友化学工業(株)スミテックスアクセラレータACX)を含む加工浴にパッド乾燥後、170℃で固着処理を施し、撥水剤固形分で0.005wt%添着させた。
【0022】
上記実施例および比較例で得た材料の撥水度を表1に示す。
【0023】
上記実施例および比較例で得た材料を純水の中に1分間浸漬後、取出し脱水した。この時の材料に対する純水の含水率は表2の通りであった。
【0024】
この材料を、図1のように25℃に設定したインキュベータ内の容器にセットし、容器内にトルエン10μLを入れたポットを置き、下流側のガス濃度を一定時間ごとにシリンジでサンプリングした。
このとき、ガスクロで測定した結果を図2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
以上のように、実施例1は、繊維状活性炭編物を撥水処理することによって、繊維状活性炭編物が水や汗等に濡れた場合においても高いガスバリア性を有するが、撥水処理をしていない比較例1ではガスバリア性の低下が起こる。
又、比較例2は繊維状活性炭編物を撥水処理したが、繊維状活性炭編物の撥水度が低いために、水や汗等に濡れた場合にガスバリア性が低下する結果となった。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の繊維状活性炭編物は、糸状が197dtex以上の太さのフェノール系繊維を、破断時伸び率がコース方向、ウェール方向共に100%以上であるリブ編み又は両面編みに製編した繊維状高分子前駆体を、炭化・賦活して活性炭化する事で、単位面積当たりの有機溶剤ガスに対する吸着性能が大きく、通気性が高く、かつ引裂強さの強い、品質および品位の優れた繊維状活性炭を提供する事が可能であり、かつ得られた繊維状活性炭編物を撥水処理する事によって、水や汗などで濡れた場合においても優れたガスバリア性能を有する繊維状活性炭編物を提供する事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ガスバリア性を評価した試験容器の概略図である。
【図2】図2は、ガスバリア性を評価したときの結果をグラフ化したものである。
【符号の説明】
A:繊維状活性炭編物 B:ガラス容器 C:ガラスポット
D:トルエン(液体) E:シリコンキャップ
Claims (7)
- 繊維状高分子前駆体を糸状化し製編した後、炭化・賦活して得られる繊維状活性炭編物において、トルエン吸着性能が25g/m2以上で、通気性が250cm3/cm2・s以上でかつ、引裂強さが2.5N以上であって、JIS L1092 6.2に準拠した撥水度が2以上であることを特徴とする繊維状活性炭編物。
- 絶乾質量が80〜250g/m2であることを特徴とする請求項1に記載の繊維状活性炭編物。
- BET法による比表面積が1000〜3000m2/gであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の繊維状活性炭編物。
- 繊維状高分子前駆体の糸状が197dtex以上の太さを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の繊維状活性炭編物。
- 繊維状高分子前駆体がフェノール系繊維であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の繊維状活性炭編物。
- 炭化・賦活前の繊維状高分子前駆体編地の破断時伸び率がコース方向、ウェール方向共に100%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の繊維状活性炭編物。
- 編組織がリブ編み又は両面編みであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の繊維状活性炭編物。
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