JP2004043973A - ラボオンチップ環境における気体の生成 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラボオンチップ技術に関連して気体を生成して利用するためのシステムおよび方法の実現。
【解決手段】本発明は、気体を生成するためのラボオンチップ環境における流体の電気分解に関する。本方法は、(a)基板上に能動回路(13)を有する基板(11)を設けるステップであって、その能動回路の少なくとも一部がコンピュータによって読み取り可能である、ステップと、(b)能動回路と連通するように構成された電解セルを設けるステップであって、電解セルが電解液槽内に陽極(14)と陰極(16)とを含む、ステップと、(c)電解液槽を通して陽極と陰極との間に電位を生成することにより電解液槽内に気体(40)を生成するステップとを含む。
【選択図】図1

Description

 本発明は、ラボオンチップ(lab-on-a-chip:実験室チップ)環境における気体の生成に関する。より詳細には、本発明は、気体を生成するためのラボオンチップ環境における流体の電気分解に関する。
 「ラボオンチップ」は、少量の液体サンプルを計量し、測定し、および/または試薬と混合し、一体型の温度管理された反応チャンバに混合物を移送し、組成物を分離し、および/または基板に搭載された検出器で結果を判定するためのシステムを含むことができる。最初に、ラボオンチップ技術は、主に物質を分析することに焦点を当ててきたが、幅広い可能性を含むように発達した。たとえば、生成物の特性を判定し、および/または調査するために係る生成物の合成を行うことができる。今日では、分析、化学反応、化学薬品および病原体の検出、遺伝子研究、マイクロ/ナノ流体工学、並びに化学薬品および病原体の検出の研究領域を含むいくつかの領域が、ラボオンチップ技術の対象になっている。
 化学の分野では小型化が1つの流行であり、ここ数年にわたって大きな関心を呼び起こしている。これは部分的に、高いサンプル処理量、コスト削減への圧力、およびますます厳重になる環境的な規制を含む、より小規模の合成および分析に移行したいといういくつかの理論的に正しい商業上の理由による。現時点で用いられる実験室の方法は、化学的な過程に対する要望が、より小さく、より清浄に、より低コストに、およびより迅速になるのに応じて、長い目で見れば競争力がなくなる可能性がある。この方向に技術を押し進めている利点は、現時点で用いられる実験室の方法を用いる場合の電力の消費および試薬コストを削減できること、実験室の空間を今ほど必要としないこと、装置を現場で使用するために持ち運びできるか、または以前には制限されていた空間内に配置できること、分析手順を自動化または同時に行うことができ、サンプルおよび生成物の処理量が増加すること、および性能を向上させることができ、より良好な歩留まり、およびより短時間の分析につながることを含む。
 流行の結果として、ラボオンチップ技術を用いるような化学過程の小型化に繋がっているが、多くの既知の化学過程は、ある特定の試薬が、多くの場合に気体の形態で存在することを必要とする。チップ上で実行される化学過程も何ら変わらない。小さなチップ上に液体を貯蔵し、移動させるために数多くの方法が存在するが、気体を貯蔵し、移動させることは非常に難しい。
 したがって、種々の目的のために、ラボオンチップ技術に関連して気体を生成して利用するためのシステムおよび方法を提供することが望まれている。
 ラボオンチップにおいて気体を貯蔵するのではなく、たとえば電気分解を通して、液体源化学物質から気体を生成する過程を提供することが望ましいことがわかっている。また、流体の移動または注入の関連する過程がラボオンチップ技術において利益をもたらすこともわかっている。
 具体的には、気体を生成するための一体型ラボオンチップシステムは、基板上に能動回路を有する基板を含むことができ、その能動回路は電解セルと連通するように構成される。電解セルは、回路の一部として陽極および陰極を含む電解液チャンバと気体収集チャンバとを画定するハウジングと、電解液チャンバ内に収容される電解液とを含むことができる。陽極および陰極は、電解液と接触するようにチャンバ内に配置され、回路が完成した際に、陽極および陰極は電解液から気体を生成することができる。気体の生成時に、気体収集チャンバにおいて収集および/または貯蔵を行うことができる。気体を利用するために、気体収集チャンバを別のチャンバまたは雰囲気に流体接続するためのポートを有することが望ましい。
 別の実施形態では、気体を生成するための一体型ラボオンチップシステムは、基板上に能動回路を有する基板を含むことができ、その能動回路は電解セルと連通するように構成される。電解セルは、電解液チャンバを画定するハウジングと、電解液チャンバ内に収容される電解液とを含むことができる。陽極および陰極が電解液と接触して配置されることができ、陽極および陰極は電解液から気体を生成するように構成される。生成された気体を用いて、簡単な、またはさらに複雑な流体変位システムによって、動作流体、たとえば電解液自体または二次流体を動かすことができる。
 関連する実施形態では、ラボオンチップ環境において気体を生成する方法は、(a)基板上に能動回路を有する基板を設けるステップであって、その能動回路の少なくとも一部がコンピュータによって読み取り可能である、ステップと、(b)能動回路と連通するように構成された電解セルを設けるステップであって、電解セルが電解液槽内に陽極と陰極とを含む、ステップと、(c)電解液槽を通して陽極と陰極との間に電位を生成することにより電解液槽内に気体を生成するステップとを含むことができる。
 本発明によれば、種々の目的のために、ラボオンチップ技術に関連して気体を生成して利用するためのシステムおよび方法を実現することができる。
 ここで、図面に示された例示的な実施形態を参照するが、それらの実施形態を説明するために本明細書においてある特定の用語を用いることにする。それにもかかわらず、それにより本発明の範囲を限定することを意図していないことは理解されたい。本開示を手にした後に当業者であれば思いつく、本明細書に例示された本発明の機構の変更形態およびさらなる修正形態、ならびに本明細書に説明されるような本発明の原理のさらなる応用形態は、本発明の範囲内にあるとみなされるべきである。さらに、本発明の好ましい実施形態が開示されて説明される前に、本発明が本明細書に開示された特定の処理ステップおよび特定の材料には限定されず、そのような処理ステップおよび材料がある程度まで変更され得ることも理解されたい。また、本明細書において用いられる用語は特定の実施形態を説明するためにのみ用いられており、限定しようとするものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲およびその等価物によってのみ制限されることも理解されたい。
 本明細書および特許請求の範囲において用いられる「1つ」および「その」のような単数形は、その内容によって他に明確に示されない場合には、複数の指示対象を含む。
 「ラボオンチップ」は、コンピュータによって制御されることができ、ある化学過程を実行し、コンピュータにデータをフィードバックするか、または外部の測定システムを有する任意のチップ状のシステムまたはデバイスを含むことができる。そのようなチップの用途の一例は、気体を含む極微の流体サンプルを計量し、測定し、移動させ、および/または混合することを含む。本発明のために、ラボオンチップは、基板上に能動回路を有する基板を含み、その能動回路は電解化学セルと接続して動作させられる。
 「能動回路」は、トレース、およびデジタル素子または、トランジスタ、抵抗、ダイオード、コンデンサ等のようなアナログ素子を含む。能動回路は、基板および/または電解セルハウジング上に存在することができ、コンピュータとのインターフェースとなることができ、電解セルと接続して動作させられる。たとえば、能動回路を用いて、液体を加熱または冷却し、気泡を生成し、イオン、生物学的な種、または他の化学種または生物学的な種、たとえばDNAの存在を検出し、陽極/陰極の電気作用を制御し、または蛍光を励起および/または測定することができる。
 「電気分解」または「電解反応」は、電解質、陰極、陽極および電源を利用する電気化学反応である。還元−酸化(レドックス)反応によって、電解質が分解され、結果として気体を生成することができる。電解質は一般に、酸、塩基または塩溶液のような自由に動くイオンを含む溶液である。イオン溶液も用いることができる。電極間に電位が印加されるとき、陰極は負に帯電され、陽極は正に帯電される。電解質中の正イオンは陰極に向けて移動し、陰極で電子を受け取る(還元)。電解質中の負イオンは陽極に向けて移動し、陽極で電子を供与する(酸化)。外部の電圧源によって、回路が完成する。その反応は、イオンの濃度を増すとき、電圧を上昇させるとき、または電極間の距離を短くするときに高められる。
 「電気分解セル」または「電解セル」は、電極、たとえば陽極および陰極と、電解液と、電源と、1つまたは複数の流体含有チャンバとを含み、必要に応じて、膜または他の障壁、および/またはポンプ、バルブ、蓄積チャンバ、反応チャンバ等のような装置を含むことができる。他の構成要素も存在するができ、本開示を読んだ後に当業者には明らかになるであろう。
 「コンピュータ」は、ラボオンチップの能動回路と通信し、ユーザまたは他の装置に対してアクセス可能なデータを提供する任意の装置を含む。
 ここで図1および図2を参照すると、本発明のラボオンチップ構成の例示的な実施形態が概略的に示されており、電解セルハウジング12に接続されたチップ基板11を有するラボオンチップシステム10が示される。ハウジング12は種々のチャンバを画定する。チャンバのうちの1つは、電解液を保持するための流体チャンバ18である。例示的な流体は、水、イオン溶液およびその種々の塩溶液を含むことができる。実際には、塩を水に加えて電気伝導率を高め、それにより電気分解の速度を速めることができる。これらの例示的な電解液に加えて、電気分解の際に所望の気体を提供する任意の流体を用いることができる。電気分解を達成するために、陽極14および陰極16が存在し、能動回路13を介して電源(図示せず)によって電力を供給される。ここでは、コンピュータチップに電力を供給するために通常用いられるような任意の電源を用いることができる。この実施形態では、図2に示されるように、必ずしも必要ではないが、陽極14および陰極16をハウジング12に構造的に接続する絶縁体28が存在する。電解液を通して陽極と陰極との間に電位を生成することにより、それぞれ第1の気体窓24および/または第2の気体窓26を通して、第1の気体収集チャンバ20および/または第2の気体収集チャンバ22に1つまたは複数の気体を収集することができる。反応物または他の材料を気体収集チャンバ20、22に注入するために、または利用するために1つまたは複数の気体を気体収集チャンバ20、22の外部に移送するために、ポート23が存在する。たとえば、一実施形態では、生成された酸素で細胞培養物を成長させるために、生物学的培養チャンバ25を配置することができる。
 流体溶液の電気分解によって気体を生成することができる。気体がその流体に不溶性であるほどまで、その気体は持続可能な気泡を形成するであろう。図1および図2に示された実施形態(および後続の実施形態)を使用できる一例を示すために、水(HO)の電気分解について考えてみることができる。水を用いる場合、2つの分子が、陽極において1つの酸素分子と、陰極において2つの水素分子とに分解する。この反応の一態様は、2つの気泡、すなわち1つの水素と1つの酸素が形成されることである。それぞれの分子数の比は、電解質の化学量論および電気化学ポテンシャルによって決定され、酸素分子当たり2つの水素分子が発生する。水の場合、水素および酸素は低い可溶性を有し、それゆえ水の電気分解から生成される気体の大部分は別個の気泡を形成する。気泡の体積比は、理想気体の法則によって予想されるように、概ね2:1になる。
 さらに詳細には、選択された電解質が水である場合には、水の電気分解が一般的に以下のように行われることが知られている。陽極において、水が酸化され(2HO→O+4H+4e)、陰極において、水が還元される(4HO+4e→2H+4OH)。正味の反応は、6HO→O(g)+2H(g)+4H+4OHであり、4つの電子を必要とする。4モルの電子の流れが、1モルの酸素ガスと2モルの水素ガスとを生成する。1モルの電子の流れは、0.25モルの酸素ガスと、0.5モルの水素ガスとを生成することになる。1モルの電子の電荷量は1ファラデーである。1ファラデーは96,500クーロンに等しい。それゆえ、1クーロンは1×10−5ファラデーの電荷量である。1アンペアの電流は、1クーロン/秒の電荷の流れを生成する。1アンペアの電流は、1×10−5ファラデー/秒の電荷の流れ、すなわち毎秒1×10−5モルの電子を生成する。1アンペアの電流は、毎秒0.25×10−5モルの速度で酸素ガスを生成する。1アンペアの電流は、毎秒0.5×10−5モルの速度で水素ガスを生成する。25℃で理想気体の法則を用いるとき、1)1アンペアの電流は、毎秒0.063cmの速度で酸素ガスを生成し、および2)1アンペアの電流は、毎秒0.127cmの速度で水素ガスを生成する。
 気体と比べた液体の体積比に関連する問題に関しては、再び一例として水を用いるとき、1モルの水は約2(1.0)+1(16.0)、すなわち18.0グラムの質量を有する。1g/cmの密度を用いるとき、液状の1モルの水は18cmの体積を有する。それに対して、理想気体の法則を用いるとき、水蒸気状の1モルの水の質量も18グラムであるが、その体積は25℃および1気圧で24,500cmになる。したがって、1300:1より大きな体積比で、少量の水が大量の水蒸気に変換され得る。
 別の例では、塩化ナトリウム溶液の電気分解について考えてみることができる。具体的には、塩化ナトリウムは水に溶解することができ、その場合に、NaイオンとClイオンとに解離する。溶解される塩化ナトリウムの濃度に応じて、電気分解中に異なる気体が生成される。低濃度の場合、水素ガスおよび酸素ガスが生成される。高濃度の場合、水素ガスおよび塩素ガスが生成される。中間濃度の場合、水素ガスと、塩素ガスおよび酸素ガスの両方とが生成される。同様に臭素およびヨウ素のような他のハロゲンガスを生成できることは、本開示を読んだ後に当業者には明らかになるであろう。
 上述の原理を用いると、多くの電解反応が実現可能であり、多くの異なる用途を提供することができる。本発明の一実施形態の一体化原理は、ラボオンチップにおいて電気分解を用いて、気体生成物をその場で生成することを含む。気体生成物は、反応のために、流体力学のために、作業を行うために、または他の考えられる目的のために使用できる。そのような目的の例を、水および塩化ナトリウム、または他の類似の塩または酸に関する上述の反応を用いて例示することができる。水を単に電気分解することにより、酸素流が生成される。一実施形態では、その場で生成された酸素を用いて、チップ上で培養されている細胞生命体を維持することができる。逆に、塩素ガスまたは臭素ガスを生成して、チップを滅菌することができる(廃棄または再利用のために)。
 本実施形態の別の利点は、気体状態では、非常に反応性が高くなるガスがあるので、貯蔵するのが難しい気体を形成できることである。しかしながら、その液体状態では、その気体は非常に良性である。または単に、気体の貯蔵が液体の貯蔵よりも難しいという場合がある。同様に、液体の反応性が非常に高く、ラボオンチップに長期に貯蔵するのが難しい場合もある。反応性が低い形態でこれらの化合物を貯蔵し、必要なときにのみそれらを所望の形態に変換することにより、ラボオンチップの有効期限を大きく延ばすことができる。過酸化水素(H)がそのような一例を提供する。過酸化水素は非常に強力な酸化剤であり、2段階の操作から生成され得る。この場合、最初に、水の一度の電気分解によって酸素が生成され、生成された酸素が水(および電極触媒)との別の電極反応において使用されて、異なる反応チャンバ内に過酸化水素が形成される。特に、過酸化水素は、臭気抑制および消毒のために用いることができ、および/またはある特定の有機化合物を選択的に酸化するために使用され得る。
 電気分解を通して気体を生成することから利益を得ることになる別のラボオンチップ構成については、図3〜図12に例示される。具体的には、図3〜図12は、気泡を生成することにより流体の動きを実現することができる種々の実施形態を示す。ラボオンチップ上で流体を動かしたい場合がある理由は様々であるが、ここに例示されるのは、コンデンサ間で誘電性流体を動かすこと、隣り合うチャンバに注入するために流体を動かすこと、1つまたは複数の隣り合うチャンバに多数の流体を動かすこと、および機械的な物体を移動させるために流体を動かすことを含む。他の実現可能な流体の動きは、たとえば、ポンプシステム、電気泳動または誘電泳動を含むことができる。本発明の目的は、作業を行うために、流体を動かすために、または反応性ガスを形成するために気泡を形成することが有用である全ての実現可能なラボオンチップ構成を列挙することではない。むしろ本開示は、ラボオンチップ上での電気分解の過程を通して気体を形成することに的が絞られている。
 電気分解以外に、たとえば、熱的に気泡を生成することを通して気泡を形成する他の方法も存在する。しかしながら、熱によって気泡を生成することは基本的に非効率であり、廃熱を処理しなければならない。たとえば、熱による気泡の生成を用いる場合、デリケートな細胞またはデリケートな染色体が、熱または高いせん断速度によって損傷を受ける可能性がある。電気分解を用いる場合、所与のサイズの気泡を生成するのに少ないエネルギーしか必要としない。たとえば、サーマルインクジェットプリントヘッドは、6ナノグラムのインク滴を生成することができ、その場合の気泡は概ね12〜15ピコリットルである。これは、1.6マイクロ秒当たり1マイクロジュールのエネルギーを必要とする。140オームの抵抗を用いる場合、これは約67ミリアンペアを費やし、それは1.1×10−7クーロンに相当する。この電気量は1.1×10−12モルの電子に相当する。水を加水分解するために用いられる、その同じ数の電子は、標準的な温度および圧力において約20ピコリットルの気体を生成し、熱による気泡よりも優れたいくつかの利点を提供し、しかも損傷を与える熱の潜在的な発生は少なく、せん断速度も非常に遅い。
 より具体的には、電気分解によって形成された気泡が、熱的に成長した気泡より優れている利点は、持続された気泡の形成が望まれるときに、たとえば数マイクロ秒より長い寿命を有するものが望まれるときに理解され得る。熱的に成長した気泡は液体の気化により形成され、そのため蒸気分子が液化する際に急速に崩壊する。電気分解によって成長した気泡は、気体分子が電解液に溶解するまで持続し、それは熱的に成長した気泡よりも10〜1000倍だけ長く持続できる。さらに、適切に構成された電極を用いる場合、電気分解反応は可逆的にすることができる。気泡を成長させることができ、陽極および陰極の極性を逆にして、気泡を消滅することができる。そのような構成は、ポンプピングの応用形態および混合の応用形態に有用な場合がある。
 図3および図4を特に参照すると、電気回路の一部として有用である可変コンデンサラボオンチップシステム30が示される。チップ基板11が存在し、能動回路13a、13bを支持するために用いられる。能動回路13bは陽極14および陰極16に電力を伝えるために用いられる。能動回路13aは、コンデンサシステム32、34に、およびそれらを介して信号を伝えるために用いられる。電解液18を保持するためのハウジング12は、チップ基板11に組み込まれるか、またはその中にエッチングされる。流体は、電気分解の条件下に置かれたときに、好ましくは適度な体積を有する1つまたは複数のタイプの気泡を形成する任意の流体とすることができる。やはり、陽極14および陰極16は前述したのと同じように機能する。チップ基板11には、開口部36を画定する一対の板32が取り付けられる。板には、能動回路13bを介して電力が供給される。開口部36内には、板32間で所望の静電容量特性を与える誘電性溶液34が存在する。必要に応じて、誘電性溶液に対して実質的に不浸透性であり、流体チャンバ18内の流体の電気分解によって生成される気体に対して実質的に浸透性である膜38を配置することができる。気泡40が生成されるとき、気体の圧力によって、誘電性溶液34が、板32の間から移動するようになる(流体が動くことにより、または単に誘電性溶液内に気泡が存在することにより)。これが行われる際、板32間の静電容量特性が変更される。
 サーマルインクジェットシステムは概ね一定サイズの気泡を生成するが、電気分解による気泡の形成の1つの利点は、電気量、たとえばクーロン数を変更することによりサイズを変化させることができることである。さらに、気泡の形成速度は、流体の導電率および/または印加される電圧を調整することにより変化させることができる。この一応用形態は、上述のような可変コンデンサの形成である。気泡40を用いて、誘電性流体34を板32間から押し退け、2枚の板32を絶縁する(または気泡の存在により誘電性流体を移動させる)ことができる。気泡40の形成から収集される気体は誘電性流体34とは異なる誘電率を有するので、および気泡40のサイズを時間および電気の関数として変化させることができるので、結果としてチップ30上に可変コンデンサが存在することになる。
 図5および図6は、ラボオンチップシステム上で流体を動かすことが有用である別の一実施形態を示す。たとえば、気泡を生成することにより、反応流体のような流体の移動を達成できる。電解液が移動するべき流体である場合には、これは、気泡を形成し、窓または開口部を通して電解液を移動させることにより直接的に達成され得る。そうでない場合には、2つの流体が混合できないか、または流体間に、膜または気体障壁のような障壁が配置される場合には、電解液内で気泡を形成することにより第2の流体を移動させることができる。そのような実施形態によって実現される利点は、流体排出の量と速度が電流を制御することにより制御され得ることである。
 具体的には、図5および図6は、反応流体52を移動するためのラボオンチップシステム50を示す。ハウジング12が、電解液チャンバ18と、反応流体を収容する開口部54と、反応チャンバ56とを画定する。ハウジング12は、能動回路13a、13bを支持するチップ基板11と一体化される。能動回路13bは、陽極14および陰極16に電力を伝える。電解液チャンバ18内に存在する電解液にわたって適切に陽極14および陰極16に電力を供給することにより、流体チャンバ18内に1つまたは複数の気泡40を生成することができる。電解液は反応流体52を反応チャンバ56に注入するための役割を果たすことができる。言い換えると、図示された実施形態では、気体が電解液を単に移動させ、その結果として、電解液が反応流体52を後方に押し出す。この実施形態では、電解液および反応流体は混合できない流体であるが、そうである必要はない。たとえば、図3および図4に関連して説明したように膜を配置することができ、気体を用いて、反応流体52を移動させることができる。
 ポート59を用いて、試薬を反応チャンバに挿入することができる。試薬を挿入する前に、後に、またはそれと同時に、適切な量の反応流体52を反応チャンバに注入することにより、反応が実行され、コンピュータ(図示せず)に報告されることができる。代案として、ポート59は必要なときに塞ぐことができるか、または生成された気体を排出するために使用され得る。さらに、反応を検出し、たとえば金属トレース57を介して能動回路13aに情報を伝達するように構成されたセンサ58が、反応チャンバ56内に存在することができる。
 類似の実施形態において、図7および図8は、2つの別個の開口部を通して1つまたは複数の反応流体52を移動するためのシステム60を示す。チップ基板および能動回路は示されないが、それらは先に図示および説明されたように存在することができる。やはり、ハウジング12は、流体チャンバ18と、反応流体を収容する開口部54と、反応チャンバ56とを画定する。本実施形態における陽極14および陰極16は、所望のイオンに対して浸透できる膜62によって分離され、差圧を維持する。こうして、陽極14において形成される第1の気泡64は、第1の量の電解液を移動させ、陰極16において形成される第2の気泡66は、第2の量の電解液を移動させる。膜の片側または両側において電解液を移動させると、反応流体52a、52bが移動でき、ひいては所望の比率で反応チャンバ56a、56bに注入され得る。混合できない流体の実施形態が示されるが、本開示を検討した後に、当業者であれば他の構成を確かめ得るであろう。
 図7および図8に示された実施形態は、発生した気体が別々に保持される場合には、2つの異なる液体試薬の放出比が一定に保持され得る事実を含む、いくつかの望ましい利点を提供する。これは、2つの電極14と16との間にイオン部材またはイオン膜62を含むための1つの目的である。そのような膜によってイオンまたは電子は流れるようになるが、気体の化合、および圧力の均一化を防ぐこともできる。さらに、ある特定の電極要素を用いる場合、電気分解反応を可逆的にすることができ、たとえば、気泡を成長させることができ、極性を逆にすることができ、そして気泡を消滅させることができ、それにより反応流体52a、52bを引き戻すことができる。
 例証として上述の実施形態を考えると、本発明によっていくつかの利点が提供される。たとえば、電気分解を用いることにより、2つ(またはそれより多い)の別個の気泡を生成することができ、そのサイズはチップ上で概ね正確な比率に保持され得る。この特徴は、熱的に生成された気泡では容易に達成することはできない。さらに、電気分解を用いて正確に決定された時間および速度で気泡を生成することも、ラボオンチップ環境における1つの利点に挙げることができる。これは、電解液中の電荷を制御することにより達成され得る。その後、気泡を用いて、適切な時間と場所でラボオンチップにおいて有用な作業を行うことができる。次に、再びチップに対して外部から加えられる電気量を変更することにより、電気分解を用いてチップ上に種々のサイズの気泡を生成することができる。別の実施形態では、ラボオンチップ環境において高い腐食性または高い反応性の気体または液体を用いる必要がある場合に、それが必要なときに生成され得る。言い換えると、必要とされる気体または液体が、より良性の前駆成分の形態で、たとえば電解液として貯蔵され、それによりチップの信頼性と貯蔵寿命とを高めることができる。上述のように、電気分解によって生成される気泡を用いて、圧力を生じさせることができ、それにより流体を移動して、たとえば、流体を混合するために、流体を反応させるために、二次流体を移動する等のために、流すことができる。
 図9〜図12では、本発明の電気分解方法および電気分解システムから利益を得る、ラボオンチップ上で用いるための微小機械装置70が示される。やはり、チップ基板および能動回路は示されないが、図9〜図12のシステムは、チップ基板および能動回路を必然的に含むことになるラボオンチップシステムの一部として含まれることは理解されたい。特に、プランジャ72または他の機械装置が、電解液の電気分解によって制御された速度で外へ押し出され、引っ込められ得る。図9はその装置を例示するために提供され、図10〜図12は、電解液、および最終的にはプランジャ72に作用する気泡64、66の時間的に間隔を置いた描写を提供する。
 具体的には、図9を参照すると、システム70は、電解液を含む流体チャンバ18を画定するハウジング12を含む。流体チャンバ18の片側において、差圧が生成され得るように、膜62または他の何らかのイオン障壁が存在する。流体チャンバ18の一部として、ハウジング12によって、第1の気泡ウエル74および第2の気泡ウエル76も画定される。電極14、16は、第1の方向において膜によって、かつ第2の方向において可動式プランジャ72によって実質的に流体に関して分離されるように配置される。
 図10〜図12は種々の体積の気泡を成長させた結果を示す。特に、第1の気泡64が形成され、第2の気泡66よりもサイズが大きくなると、流体が移動する。より具体的には、第1の気泡64によって、プランジャ72を動かすことに加えて、第2の気泡66が圧縮される(圧力の形態でエネルギーを蓄積する)。一旦、最大ストロークが達成されると、第1の気泡64は第1の気泡ウエル74に排出され、その後、第2の気泡66がプランジャをその開始位置に素早く戻す。この実施形態の効果は、プランジャがゆっくり押し出され、素早く戻されることである。そのようなプランジャ/気泡システムは、種々の機械的な機能、たとえば、液体の流速をバルブ調整または変更するための機械的な動きを与えることができる。
 これらの実施形態および図面に留意すると、気体を生成するための一体型ラボオンチップシステムは、基板上に能動回路を有する基板を含むことができ、能動回路は電解セルと連通するように構成される。電解セルは種々の構成要素を含むことができる。この実施形態では、電解セルは概して、電解液チャンバと気体収集チャンバとを画定するハウジングを含む。さらに、電解液が電解液チャンバ内に収容され、陽極および陰極が電解液と絶えず接触しているように配置され得る。したがって、陽極および陰極が付勢されるとき、それらは電解液から1つまたは複数の気体を生成し、気体が気体収集チャンバ内に収集されるようにすることができる。さらに、生成された気体を利用できるようにするためのポート、たとえば、気体収集チャンバから生命を維持するための適用領域まで気体を送るために、反応において利用するために、流体の移動を行うため等に構成されるポートが存在できる。適用領域は、反応チャンバのようなチャンバとすることができるか、または雰囲気に対して開放された空間領域とすることができる。
 能動回路と電解セルとの間の伝達(連通)が、本発明の別の特徴である。この伝達は、いくつかの形態のうちの1つまたは複数の形態において提供され得る。たとえば、能動回路を用いて、陽極および陰極と連通することができる。代案として、能動回路と生成された気体自体との間で伝達を行うことができる。また、能動回路と、その気体と第2の反応物との間の反応生成物との間で伝達を行うこともできる。さらに、気体または移動した電解液による移動後のような二次流体と能動回路との間で伝達を行うことができる。これらの例または他の例において、能動回路は、ラボオンチップの構成要素に電力を供給するための役割を果たすことができ、またはコンピュータとインターフェースするために使用され得る。
 別の実施形態では、生成された気体を用いて作業を行うための一体型ラボオンチップは、基板上に能動回路を有する基板を含むことができ、能動回路は電解セルと連通するように構成される。電解セルは、電解液チャンバを画定するハウジングと、電解液チャンバ内に収容される電解液とを含むことができる。陽極および陰極が電解液と接触して配置されることができ、陽極および陰極は電解液から気体を生成するように構成される。一実施形態では、生成された気体を用いて、たとえば動作流体の移動を行うことができる。動作流体は、流体力学、反応等によって作業を行う任意の流体とすることができる。たとえば、動作流体は、電解液または第2の流体とすることができる。第2の流体が動作流体である場合には、1つの実現可能な構成は、生成された気体を用いた電解液の移動を含み、その場合、電解液が第2の流体を押して、作業を行うか、または反応を被る。
 一実施形態では、動作流体は、コンデンサ極板間に移動可能に配置された誘電性流体とすることができる。代案として、動作流体は、化学分析用またはエネルギー生成用の反応流体とすることができる。別の実施形態では、電解液を動作流体にすることができ、それにより、物体、たとえばプランジャ、レバー、ロッド等を機械的に動かせるようになる。電解液または第2の流体は、ガス圧によって移動されるようにも構成され得る。一実施形態では、電解液の移動により、第2の流体を動かすように構成される。他の構成も実現可能であり、本開示を検討した後に当業者には明らかになるであろう。
 動作流体として第2の流体が用いられる場合には、第2の流体および電解液が混合しないシステムを提供することが望ましい。したがって、一実施形態では、電解液および第2の流体が混じらないようにすることができる。別の実施形態では、気体に対して浸透性があるが、電解液および第2の流体に対して不浸透性であるような障壁によって、第2の流体が電解液から分離され得る。そのような障壁は、当該技術分野において知られているような、多くの液体に対して不浸透性である膜とすることができる。
 前述した実施形態の場合のように、能動回路と電解セルとの間の伝達は重要である。能動回路と、陽極、陰極、気体、電解液、動作流体または他の電解セル構成要素との間の伝達のような任意の数の伝達インターフェースを用いることができる。能動回路は、コンピュータによって読み取り可能であるようにチップ基板上に構成されることが好ましい。しかしながら、能動回路は、同じように電解セルハウジングと一体化されてもよい。
 電解セル内で気体を成長させ、作業を行う能力を提供する事実は、陽極および陰極の極性を反転する際に利点を提供することもできる。陽極を陰極に切り替え、かつ陰極を陽極に切り替えることにより、電解液内のイオン流を逆にすることができる。これは、生成された気体を変換して電解液に戻す手段を提供する。したがって、電解セルにおいて気泡を成長させて消滅させることにより、流体の変位と引き戻しを通して作業を行うことができる。
 別の実施形態では、ラボオンチップ環境において気体を生成する方法は、(a)基板上に能動回路を有する基板を設けるステップであって、その能動回路の少なくとも一部がコンピュータによって読み取り可能である、ステップと、(b)能動回路と連通するように構成された電解セルを設けるステップであって、その電解セルが電解液槽内に陽極と陰極とを含む、ステップと、(c)電解液槽を通して陽極と陰極との間の電位を生成することにより電解液槽内に気体を生成するステップとを含むことができる。どの実施形態が用途に望ましいかに応じて、さらなる方法ステップも実行され得る。たとえば、その方法は、その気体を第2の反応物と反応させるステップをさらに含むことができる。代案として、気泡を気体収集チャンバに送るステップも実行され得る。さらに、気体を利用して流体を移動させるステップは、いくつかの利点を提供することができる。移動用に適した流体は、電解液、または何らかの二次流体を含むことができる。別の実施形態では、生成された気体でもって流体を移動させることにより機械的に固体を動かすステップを行うことができる。生成された気体の別の用途は、酸素ガスの気泡を生成して細胞培養物が成長している環境に送り込むことのような、気体を雰囲気に与えて生きている生物に影響を及ぼすことを含むことができる。
 能動回路と電解セルの構成要素との間の伝達は、本発明に不可欠である。そのような伝達は、陽極において、陰極において、気体中で、電解液中で、動作流体のような二次流体中で、またはラボオンチップの電解セルの何らかの他の構成要素において行うことができる。
 さらなる詳細に関して、チップ基板および/または電解セルハウジングは、シリコン、ガラス、プラスチックまたはセラミックから構成され得る。チップ基板は、機能的であるような任意のサイズまたは形状とすることができるが、一般にコンピュータと共に用いるためのサイズ、または業界における標準的なサイズを有し、たとえば約15cm(6インチ)または20cm(8インチ)径の大きさのシリコンウェーハが市販されている。一実施形態では、電解セルハウジングは、チップ基板とは異なる材料から構成され得る。別の実施形態では、電解セルハウジングは、チップ基板と同じ材料から構成され得る。さらに、ハウジングは基板上に堆積されることができるか、または基板自体へエッチングされ得る。これらは、チップ基板と電解セルハウジングとの間の関係の数例を与えるにすぎず、他の形態も確かに実現可能であり、好ましい場合もある。
 本発明は、ある特定の好ましい実施形態に関連して説明されてきたが、本発明の思想から逸脱することなく、種々の修正形態、変形形態、省略形態および代用形態がなされ得ることは当業者であれば理解されよう。したがって、本発明は、特許請求の範囲によってのみ制限されることが意図されている。
本発明の一実施形態による、気体を生成して収集するためのラボオンチップの概略的な断面図である。 線10−10に沿って取った図1のラボオンチップの別の概略的な断面図である。 本発明の一実施形態による、変更可能な静電容量を有するラボオンチップの概略的な断面図である。 少なくともある量の気体が生成された後の図3のラボオンチップの概略的な断面図である。 本発明の一実施形態による、チャンバに流体を注入するように構成されたラボオンチップの概略的な断面図である。 少なくともある量の気体が生成された後の図5のラボオンチップの概略的な断面図である。 本発明の一実施形態にしたがってチャンバに多数の流体を注入するように構成された、ラボオンチップ上に存在することができる電解セルの概略的な断面図である。 少なくともある量の気体が生成された後の図7の電解セルの概略的な断面図である。 本発明の一実施形態にしたがって機械的な物体を動かすように構成された、ラボオンチップ上に存在することができる電解セルの概略的な断面図である。 機械的な物体の動きが反復される一連の事象のある時点における図9の電解セルの概略的な断面図である。 機械的な物体の動きが反復される一連の事象の別の時点における図9の電解セルの概略的な断面図である。 機械的な物体の動きが反復される一連の事象のさらに別の時点における図9の電解セルの概略的な断面図である。
符合の説明
10、50 ラボオンチップシステム
11 チップ基板
12 電解セルハウジング
13 能動回路
14 陽極
16 陰極
18 流体チャンバ
20、22 気体収集チャンバ
23 ポート
30 可変コンデンサラボオンチップシステム

Claims (24)

  1.  基板上に堆積された能動回路を有する基板を含む、気体を生成するための一体型ラボオンチップシステムであって、前記能動回路が電解セルと連通するように構成され、前記電解セルが、
     (a)電解液チャンバと気体収集チャンバとを画定するハウジングと、
     (b)前記電解液チャンバ内に収容された電解液と、および
     (c)前記電解液と接触して配置された陽極および陰極であって、その陽極および陰極が前記電解液から気体を生成するように構成され、その気体が前記気体収集チャンバ内に収集される、陽極および陰極とを備える、一体型ラボオンチップシステム。
  2.  前記気体を利用できるようにするために前記ハウジングを貫通するポートをさらに含み、そのポートが前記気体収集チャンバから適用領域に前記気体を送るように構成される、請求項1に記載の一体型ラボオンチップシステム。
  3.  前記適用領域が反応チャンバである、請求項2に記載の一体型ラボオンチップシステム。
  4.  前記能動回路が、前記陽極および前記陰極に電力を伝えること、前記陽極および前記陰極と連通すること、前記気体と連通すること、前記気体と第2の反応物との間の相互作用によって生成された反応生成物と連通すること、および前記気体との相互作用後に二次流体と連通することからなるグループから選択された少なくとも1つの作業を実行するように構成される、請求項1に記載の一体型ラボオンチップシステム。
  5.  基板上に堆積された能動回路を有する基板を含み、生成された気体でもって作業を行うための一体型ラボオンチップシステムであって、前記能動回路が電解セルと連通するように構成され、前記電解セルが、
     (a)電解液チャンバを画定するハウジングと、
     (b)前記電解液チャンバ内に収容された電解液と、および
     (c)前記電解液と接触して配置された陽極および陰極であって、その陽極および陰極が前記電解液から気体を生成するように構成され、その気体が動作流体の移動を行うために使用される、陽極および陰極とを備える、一体型ラボオンチップシステム。
  6.  前記動作流体が、前記電解液である、請求項5に記載の一体型ラボオンチップシステム。
  7.  前記動作流体が、誘電性流体および反応流体からなるグループから選択される、請求項5に記載の一体型ラボオンチップシステム。
  8.  前記動作流体が、前記電解液と混じらない第2の流体である、請求項5に記載の一体型ラボオンチップシステム。
  9.  前記動作流体が、前記気体に対して浸透性であるが、前記電解液および前記第2の流体に対して不浸透性である障壁によって前記電解液から分離された第2の流体である、請求項5に記載の一体型ラボオンチップシステム。
  10.  前記電解液の移動により、物体を機械的に動かす、請求項6に記載の一体型ラボオンチップシステム。
  11.  前記能動回路が、前記陽極および前記陰極に電力を伝えること、前記陽極および前記陰極と連通すること、前記気体と連通すること、前記電解液と連通すること、前記動作流体と連通すること、およびコンピュータと通信することからなるグループから選択された少なくとも1つの作業を実行するように構成される、請求項5に記載の一体型ラボオンチップシステム。
  12.  前記能動回路と電気的に連通する一対の板をさらに含み、前記一対の板との間で前記動作流体が動く際に、可変静電容量のコンデンサ能動回路素子が形成される、請求項5に記載の一体型ラボオンチップシステム。
  13.  ラボオンチップ環境において気体を生成する方法であって、
     (a)基板上に能動回路を有する基板を設けるステップであって、その能動回路の少なくとも一部がコンピュータによって読み取り可能である、ステップと、
     (b)前記能動回路と連通するように構成された電解セルを設けるステップであって、前記電解セルが電解液槽内に陽極と陰極とを含む、ステップと、および
     (c)前記電解液槽を通して前記陽極と前記陰極との間に電位を生成することにより前記電解液槽内に気体を生成するステップとを含む、方法。
  14.  前記気体を第2の反応物と反応させるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15.  前記気体を気体収集チャンバに送るステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  16.  前記気体を気泡として維持して、流体を移動させるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  17.  前記気体でもって流体を移動させることにより固体を機械的に動かすステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  18.  前記気体を雰囲気に提供して、生きている生物に影響を与えるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  19.  前記能動回路を通して前記陽極と前記陰極とに電力を伝えるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  20.  前記気体を生成するステップが、前記電位を制御することにより、所定の時間および速度で行われる、請求項13に記載の方法。
  21.  前記陽極と前記陰極との間に電位を生成することにより、前記電解液槽内に第2の気体を生成するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  22.  前記気体が気泡の形態であり、その気泡のサイズが前記電位を変更することにより制御可能である、請求項13に記載の方法。
  23.  前記気体が気泡の形態であり、その気泡が少なくとも15マイクロ秒の期間にわたって維持されることができる、請求項13に記載の方法。
  24.  前記気体を生成するステップが、実質的に前記電解液槽の沸点未満の温度で行われる、請求項13に記載の方法。
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