JP2004043674A - コア−シェル型粒子の製造方法、コア−シェル型粒子、接着粒子及び接着性スペーサ粒子 - Google Patents
コア−シェル型粒子の製造方法、コア−シェル型粒子、接着粒子及び接着性スペーサ粒子 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】得られるコア−シェル型粒子の粒径を厳密に制御することが可能で、且つ、表面機能が均一に発現されるコア−シェル型粒子の製造方法、それにより得られるコア−シェル型粒子、接着粒子、及び、液晶表示素子用接着性スペーサ粒子を提供する。
【解決手段】母粒子の表面に樹脂層が設けられているコア−シェル型粒子の製造方法であって、電荷を有しない前記母粒子の表面に、イオン性基を有する樹脂微粒子を、液相中で付着させる工程を有するコア−シェル型粒子の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】母粒子の表面に樹脂層が設けられているコア−シェル型粒子の製造方法であって、電荷を有しない前記母粒子の表面に、イオン性基を有する樹脂微粒子を、液相中で付着させる工程を有するコア−シェル型粒子の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、得られるコア−シェル型粒子の粒径を厳密に制御することが可能で、且つ、表面機能が均一に発現されるコア−シェル型粒子の製造方法、それにより得られるコア−シェル型粒子、接着粒子、及び、液晶表示素子用接着性スペーサ粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面に異なる材料からなる層を持つ粒子(以下、「コア−シェル型粒子」ともいう)は、コア粒子に導電性、絶縁性、撥水性、親水性、分散性、耐摩耗性、接着性、着色等の機能を付与することが可能であり、種々の充填剤、色材等に応用されている。
均一な粒径を有する粒子は液晶表示素子のスペーサに使用されうるが、近年、液晶表示素子が大型化するに従い、液晶表示素子内での移動を防ぐため、ガラス基板に強固に接着する接着性を持ったコア−シェル型の複合粒子が求められている。
【0003】
粒子表面に異なる材料からなる層を形成する方法としては、静電相互作用、ドライブレンド法、融解分散冷却法、溶解分散乾燥法、スプレードライ法、界面重合法、ヘテロ凝集法等が挙げられる。
一般には、高速攪拌機やハイブリダイザー等を用いたドライブレンド法により有機材料からなる粒子を母粒子表面に付着させる方式が用いられるが、この方法では必要以上の圧力や摩擦熱等の負荷がかかりやすく、母粒子表面を被覆する有機材料が母粒子より硬い場合には、母粒子表面に傷がつきやすく、母粒子がメッキ粒子の場合には、メッキ層が剥離することもある。また、母粒子表面を被覆する有機材料が母粒子より柔らかい場合や、母粒子表面を被覆する有機材料のTgが低い場合には、母粒子との衝撃や摩擦熱により有機材料からなる粒子が変形したり、有機材料が積層付着したりする等、被覆厚の制御が困難になることがある。
【0004】
これらの問題を解決し、母粒子表面に樹脂微粒子を均一且つ単層に付着させる方法としては、ヘテロ凝集法が挙げられる。ヘテロ凝集法は水系媒体又は有機溶剤中で、静電気力により樹脂微粒子を母粒子表面に凝集させる手法で、母粒子の表面に均一且つ迅速に樹脂微粒子を付着させることが可能である。また、ヘテロ凝集法は必要以上の圧力を必要とせず、系全体の温度も上昇しないため母粒子への負荷が小さい。
【0005】
大久保らの論文(Colloid & Polymer Science 270,272 (1994))に記載されているように、ヘテロ凝集法による粒子の表面修飾は、一般的に電荷を有する母粒子及び極性の異なる電荷を有する被覆微粒子を液相中で混合して母粒子を被覆微粒子で被覆することによる。しかしながら、上記の論文に記載されている方法では、両方の粒子に電荷を与えることが困難な場合は、ヘテロ凝集法による粒子の表面修飾を行うことができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、得られるコア−シェル型粒子の粒径を厳密に制御することが可能で、且つ、表面機能が均一に発現されるコア−シェル型粒子の製造方法、それにより得られるコア−シェル型粒子、接着粒子、及び、液晶表示素子用接着性スペーサ粒子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、母粒子の表面に樹脂層が設けられているコア−シェル型粒子の製造方法であって、電荷を有しない前記母粒子の表面に、イオン性基を有する樹脂微粒子を、液相中で付着させる工程を有するコア−シェル型粒子の製造方法である。以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明は、コアとなる母粒子の表面にシェルとなる樹脂層が設けられているコア−シェル型粒子を製造する方法である。
本発明においては、まず、電荷を有しない上記母粒子の表面に、イオン性基を有する樹脂微粒子を、液相中で付着させてヘテロ凝集体を製造する。
上記母粒子を構成する材料としては、電荷を有しないものであれば特に限定されず、従来公知の有機材料又は無機材料を用いることができる。
上記有機材料としては特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、メチルペンテン等のオレフィン類及びその誘導体、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体、フッ化ビニル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート等の2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシポリプロポキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びその誘導体、トリアリルイソシアネート、ベンゾグアナミン等の重合性単量体を用いた重合体;ポリアミド、(不)飽和ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル/スチレン樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、糖、澱粉、セルロース、ポリペプチド等を主成分とする縮合体、重合体等が挙げられる。これらの有機材料は単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
【0009】
上記無機材料としては特に限定されず、例えば、金属、金属酸化物、シリカ等が挙げられる。また、上記母粒子は、上記有機材料と無機材料との複合構造を有していても良い。
上記母粒子の表面は疎水性であることが好ましい。表面が疎水性であると、水系溶媒への分散安定性が悪くなるが、この場合、例えば、ポリビニルアルコールやノニオン系界面活性剤等の電荷を有さない分散剤で母粒子の表面が保護されていることが好ましい。
【0010】
上記母粒子の粒径は、得られるコア−シェル型粒子の用途によって適宜決定されればよいが、得られたコア−シェル型粒子を表示素子のスペーサ粒子として使用する場合は、0.5〜100μmであることが好ましく、なかでも液晶表示素子のスペーサ粒子として使用する場合は、1〜10μmであることが好ましい。
【0011】
上記樹脂微粒子を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル/スチレン樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。上記樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
【0012】
上記樹脂微粒子を構成する樹脂のなかでも、ビニル基を有する単量体を共重合した樹脂が好適に使用される。
上記ビニル基を有する単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。
【0013】
上記樹脂微粒子に耐溶剤性を付与するために、架橋性を有する単量体を共重合しても良い。
上記架橋性を有する単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート等の2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシポリプロポキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びその誘導体等が挙げられる。
【0014】
上記樹脂微粒子に接着性を付与するために、ガラス転移点の低い単量体を共重合しても良い。
上記ガラス転移点の低い単量体として、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
【0015】
上記樹脂微粒子はアニオン性基又はカチオン性基のイオン性基を有するものである。上記イオン性基を介して樹脂微粒子は母粒子に付着する。
上記樹脂微粒子表面にアニオン性基又はカチオン性基のイオン性基を付与するために官能基を導入するが、官能基を導入する方法としては、イオン性の界面活性剤を上記樹脂からなる微粒子の表面に吸着させるか、又は、樹脂微粒子の重合時にイオン性の単量体を共重合する方法が好適に使用される。
【0016】
上記樹脂からなる微粒子の表面に吸着させるアニオン性の界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸塩;アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸アンモニウム等のアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。
【0017】
上記樹脂微粒子の重合時に共重合させるアニオン性の単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の重合性不飽和結合を有するカルボン酸;重合性不飽和結合を有するリン酸エステル;重合性不飽和結合を有するスルホン酸エステル;重合性不飽和結合を有するスルホニウム塩等が挙げられる。これらのアニオン性の単量体は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0018】
上記樹脂からなる微粒子の表面に吸着させるカチオン性の界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
【0019】
上記樹脂微粒子の重合時に共重合させるカチオン性の単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩、ジエチルアミノエチルメタクリレート4級塩等の重合性基を有するアミンの塩;ビニルピリジン等の重合性基を有する含窒素芳香族化合物の塩;メタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩等の重合性基を有するスルホニウム塩等が挙げられる。
【0020】
なかでも、上記樹脂微粒子の重合時にイオン性の単量体を共重合する方法は、樹脂微粒子にイオン性基が固定され、脱離がないという利点を有するのでより好ましい。
【0021】
上記樹脂微粒子の粒径は、母粒子の粒径及び得られるコア−シェル型粒子の用途や樹脂微粒子による母粒子の被覆率によって適宜決定されればよく、得られたコア−シェル型粒子を接着粒子として使用する場合、母粒子の粒径の1/10以下であることが好ましい。1/10を超えると、コア−シェル型粒子の粒径が大きくなりすぎて、母粒子を用いる効果が期待できなくなる。また、得られたコア−シェル型粒子を液晶表示素子用接着性スペーサ粒子として用いる場合、上記樹脂微粒子の粒径は、5〜1000nmであることが好ましい。5nm未満であると、接着性が不充分となり、1000nmを超えると、圧着する際に必要な圧力が大きくなったり、ギャップ精度が低下したりすることがある。より好ましくは10〜500nmである。
【0022】
上記樹脂微粒子の粒径は、粒径分布を表す粒径の変動係数(CV値:粒径分布の標準偏差を粒子の直径で除した値)が20%以下であることが好ましい。20%を超えると、コア−シェル型粒子の樹脂層の厚みが不均一になったり、母粒子の樹脂微粒子による被覆率が不均一になったりするので、例えば、得られたコア−シェル型粒子を液晶表示素子のスペーサ粒子として用いる場合は、ギャップが不均一になり、表示不良を起こすことがある。より好ましくは1〜10%である。
【0023】
上記樹脂微粒子の製造方法としては、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば、ミニエマルジョン重合法、エマルジョン重合法、転相乳化重合法、マイクロサスペンジョン重合法、懸濁重合法、分散重合法、シード重合法、ソープフリー析出重合法等が挙げられる。これらの中でも得られた粒子の粒径の変動係数(CV値)が20%以下で、粒径の均一性に優れるソープフリー析出重合法や分散重合法が好適に用いられる。
【0024】
本発明においては、上記母粒子の表面に、上記樹脂微粒子を、液相中で付着させるが、液相中で樹脂微粒子を母粒子の表面に均一且つ単層に付着させる方法としては、ヘテロ凝集法が好適に用いられる。
【0025】
上記ヘテロ凝集法は水系媒体又は有機溶剤中で、樹脂微粒子を母粒子表面に凝集させる手法で、母粒子の表面に均一且つ迅速に樹脂微粒子を付着させることが可能である。また、上記ヘテロ凝集法は必要以上の圧力を必要とせず、系全体の温度の上昇もないため母粒子への負荷が小さい。
【0026】
上記ヘテロ凝集法に使用される水系媒体としては、水又は水と水に可溶な有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。
上記有機溶剤としては、樹脂微粒子を溶解しないものであれば特に限定されず、公知の有機溶剤を使用することができる。
上記水系媒体中には界面活性剤が多く含まれないことが好ましい。界面活性剤が多いと、系内の粒子が安定に分散するためにヘテロ凝集が起きなくなる。界面活性剤の量は水系媒体中に0.1重量%以下であることが好ましい。
【0027】
上記ヘテロ凝集体は、樹脂微粒子が母粒子の表面の5%以上を被覆していることが好ましい。5%未満であると、被覆による効果が弱くなる。特に得られたコア−シェル型粒子を、接着粒子として用いる場合は、被覆率は10〜100%であることが好ましい。10%未満であると、被覆が不充分で、樹脂微粒子を溶解した際に均一な樹脂層ができにくくなる。
【0028】
上記被覆率は、樹脂微粒子表面の電荷密度、水及び/又は有機溶剤のpHやイオン強度等によって制御することができる。上記被覆率を上げるためには、水系媒体中に塩や有機溶媒を添加する方法を用いることができ、なかでも塩化ナトリウムを添加することが好ましい。
【0029】
本発明においては、上記母粒子の表面に樹脂微粒子を付着させた後、上記樹脂微粒子を溶融させ連続皮膜とすることにより樹脂層を形成する。
付着した上記樹脂微粒子を溶融させ連続皮膜とする方法としては、例えば、上記母粒子の表面に樹脂微粒子が付着したヘテロ凝集体を5%ポリビニルアルコール水溶液に分散し、緩やかに撹拌しながら80℃にて3時間加熱処理し、得られた粒子を濾別し、熱水で洗浄する工程を3回繰り返した後、粒子を乾燥する方法等が挙げられる。
【0030】
上記コア−シェル型粒子の樹脂層の厚みは、母粒子の粒径、被覆面積、樹脂微粒子の形状、物性、用いるバインダー樹脂、用途等によって適宜決定されればよく、特に限定されないが、1〜2000nmであることが好ましい。1nm未満であると、被覆により期待される性能が発揮できず、2000nmを越えると、母粒子本来の性能が発揮できなくなる。特に得られたコア−シェル粒子を液晶パネルの接着粒子として用いる場合は、樹脂層の厚みは5〜1000nmであることが好ましい。5nm未満であると、接着性が不充分となり、1000nmを超えると、圧着する際に必要な圧力が大きくなったり、ギャップ精度が低下したりすることがある。より好ましくは10〜500nmである。
【0031】
本発明によれば、電荷を有しない母粒子の表面に、均一な樹脂層を迅速に形成することができるので、得られるコア−シェル型粒子の粒径を厳密に制御することが可能で、且つ、表面機能が均一に発現される。
本発明により得られるコア−シェル型粒子もまた、本発明の1つである。更に、上記コア−シェル型粒子のうち、樹脂層が接着性を有する接着粒子、及び、母粒子が液晶表示素子のスペーサである液晶表示素子用接着性スペーサ粒子もまた、本発明の1つである。
【0032】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0033】
<製造例1>カチオン性樹脂微粒子Aの合成
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた500mLセパラブルフラスコにスチレン320mmol、メタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩3.2mmol、イオン交換水160gを入れ、45分間窒素置換した後、開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩3.2mmolを加え、窒素雰囲気下で撹拌速度200rpm、60℃で6時間重合を行った。反応後、100メッシュのふるいで凝集物を濾別した。合成した樹脂微粒子は遠心分離を行い、上澄み液を捨てた後、イオン交換水で再分散させた。この操作を3回繰り返しラテックスの精製を行った後、樹脂微粒子の水分散液を凍結乾燥し、平均粒径216nm、CV値3.3%の樹脂微粒子の粉末を得た。これを樹脂微粒子Aとした。
【0034】
<製造例2>カチオン性樹脂微粒子Bの合成
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた100mLセパラブルフラスコにスチレン64mmol、アクリル酸ブチル15mmol、メタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩0.64mmol、イオン交換水36gを入れ、45分間窒素置換した後、開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.64mmolを加え、窒素雰囲気下で撹拌速度200rpm、60℃で6時間重合を行った。反応後、100メッシュのふるいで凝集物を濾別した。合成した樹脂微粒子は遠心分離を行い、上澄み液を捨てた後、イオン交換水で再分散させた。この操作を3回繰り返しラテックスの精製を行った後、樹脂微粒子の水分散液を凍結乾燥し、平均粒径155nm、CV値4.5%の樹脂微粒子の粉末を得た。これを樹脂微粒子Bとした。
【0035】
<製造例3>カチオン性樹脂微粒子Cの合成
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた100mLセパラブルフラスコにスチレン64mmol、アクリル酸ブチル32mmol、メタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩0.64mmol、イオン交換水36gを入れ、45分間窒素置換した後、開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.64mmolを加え、窒素雰囲気下で撹拌速度200rpm、60℃で6時間重合を行った。反応後、100メッシュのふるいで凝集物を濾別した。合成した樹脂微粒子は遠心分離を行い、上澄み液を捨てた後、イオン交換水で再分散させた。この操作を3回繰り返しラテックスの精製を行った後、樹脂微粒子の水分散液を凍結乾燥し、平均粒径242nm、CV値5.6%の樹脂微粒子の粉末を得た。これを樹脂微粒子Cとした。
【0036】
(製造例4)カチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子A)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例1で調製した樹脂微粒子A0.025gを蒸留水5mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、撹拌速度40rpmで24時間撹拌した。得られたヘテロ凝集体を3000rpmで5分間遠心分離し、上澄み液を捨てイオン交換水で再分散させた。この遠心分離操作を3回繰り返しへテロ凝集体の精製を行った。
母粒子の樹脂微粒子による被覆率は、電子顕微鏡観察より被覆個数を求め、下記の式にて算出した。
被覆率θ(%)=被覆個数/最大被覆個数(理論値)
製造例4で得られたヘテロ凝集体の被覆率は30%であった。
【0037】
(製造例5)電解質水溶液中でのカチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子A)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例1で調製した樹脂微粒子A0.025gを、電解質として塩化ナトリウム100mmolを溶解した電解質水溶液5mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、製造例4と同様の操作にてヘテロ凝集体を得た。得られたヘテロ凝集体の被覆率は60%であった。
【0038】
(製造例6)カチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子B)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例2で調製した樹脂微粒子B0.025gを蒸留水5mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、製造例4と同様の操作にてヘテロ凝集体を得た。得られたヘテロ凝集体の被覆率は25%であった。
【0039】
(製造例7)電解質水溶液中でのカチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子B)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例2で調製した樹脂微粒子B0.025gを、電解質として塩化ナトリウム300mmolを溶解した電解質水溶液5mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、製造例4と同様の操作にてヘテロ凝集体を得た。得られたヘテロ凝集体の被覆率は50%であった。
【0040】
(製造例8)カチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子C)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例3で調製した樹脂微粒子C0.025gを蒸留水5mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、製造例4と同様の操作にてヘテロ凝集体を得た。得られたヘテロ凝集体の被覆率は19%であった。
【0041】
(製造例9)電解質水溶液中でのカチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子C)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例3で調製した樹脂微粒子C0.025gを、電解質として塩化ナトリウム300mmolを溶解した電解質水溶液5mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、製造例4と同様の操作にてヘテロ凝集体を得た。得られたヘテロ凝集体の被覆率は55%であった。
【0042】
(製造例10)アルコール混合溶媒中でのカチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子C)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例3で調製した樹脂微粒子C0.025gを水/メタノールの1:1(重量比)混合溶媒10mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、製造例4と同様の操作にてヘテロ凝集体を得た。得られたヘテロ凝集体の被覆率は80%であった。
【0043】
(実施例1)樹脂微粒子の融解による造膜
製造例9で調製したヘテロ凝集体を5%ポリビニルアルコール水溶液に分散し、緩やかに撹拌しながら80℃にて3時間加熱処理した。得られた粒子を濾別し、熱水で洗浄する工程を3回繰り返した後、粒子を乾燥して電子顕微鏡にて粒子表面を観察したところ、表面の樹脂微粒子が融解し滑らかな表面を有するコア−シェル型粒子が得られた。
この粒子をガラス基板にはさみ100℃で加熱圧着したところガラス基板が接着した。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成よりなるので、電荷を有しない母粒子の表面に、均一な樹脂層を迅速に形成することができるため、母粒子の制約が少なく、また、表面に形成する樹脂層が均一なため、精密な粒径の制御が可能で、且つ、均一な表面機能を発現するコア−シェル型粒子を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、得られるコア−シェル型粒子の粒径を厳密に制御することが可能で、且つ、表面機能が均一に発現されるコア−シェル型粒子の製造方法、それにより得られるコア−シェル型粒子、接着粒子、及び、液晶表示素子用接着性スペーサ粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面に異なる材料からなる層を持つ粒子(以下、「コア−シェル型粒子」ともいう)は、コア粒子に導電性、絶縁性、撥水性、親水性、分散性、耐摩耗性、接着性、着色等の機能を付与することが可能であり、種々の充填剤、色材等に応用されている。
均一な粒径を有する粒子は液晶表示素子のスペーサに使用されうるが、近年、液晶表示素子が大型化するに従い、液晶表示素子内での移動を防ぐため、ガラス基板に強固に接着する接着性を持ったコア−シェル型の複合粒子が求められている。
【0003】
粒子表面に異なる材料からなる層を形成する方法としては、静電相互作用、ドライブレンド法、融解分散冷却法、溶解分散乾燥法、スプレードライ法、界面重合法、ヘテロ凝集法等が挙げられる。
一般には、高速攪拌機やハイブリダイザー等を用いたドライブレンド法により有機材料からなる粒子を母粒子表面に付着させる方式が用いられるが、この方法では必要以上の圧力や摩擦熱等の負荷がかかりやすく、母粒子表面を被覆する有機材料が母粒子より硬い場合には、母粒子表面に傷がつきやすく、母粒子がメッキ粒子の場合には、メッキ層が剥離することもある。また、母粒子表面を被覆する有機材料が母粒子より柔らかい場合や、母粒子表面を被覆する有機材料のTgが低い場合には、母粒子との衝撃や摩擦熱により有機材料からなる粒子が変形したり、有機材料が積層付着したりする等、被覆厚の制御が困難になることがある。
【0004】
これらの問題を解決し、母粒子表面に樹脂微粒子を均一且つ単層に付着させる方法としては、ヘテロ凝集法が挙げられる。ヘテロ凝集法は水系媒体又は有機溶剤中で、静電気力により樹脂微粒子を母粒子表面に凝集させる手法で、母粒子の表面に均一且つ迅速に樹脂微粒子を付着させることが可能である。また、ヘテロ凝集法は必要以上の圧力を必要とせず、系全体の温度も上昇しないため母粒子への負荷が小さい。
【0005】
大久保らの論文(Colloid & Polymer Science 270,272 (1994))に記載されているように、ヘテロ凝集法による粒子の表面修飾は、一般的に電荷を有する母粒子及び極性の異なる電荷を有する被覆微粒子を液相中で混合して母粒子を被覆微粒子で被覆することによる。しかしながら、上記の論文に記載されている方法では、両方の粒子に電荷を与えることが困難な場合は、ヘテロ凝集法による粒子の表面修飾を行うことができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、得られるコア−シェル型粒子の粒径を厳密に制御することが可能で、且つ、表面機能が均一に発現されるコア−シェル型粒子の製造方法、それにより得られるコア−シェル型粒子、接着粒子、及び、液晶表示素子用接着性スペーサ粒子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、母粒子の表面に樹脂層が設けられているコア−シェル型粒子の製造方法であって、電荷を有しない前記母粒子の表面に、イオン性基を有する樹脂微粒子を、液相中で付着させる工程を有するコア−シェル型粒子の製造方法である。以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明は、コアとなる母粒子の表面にシェルとなる樹脂層が設けられているコア−シェル型粒子を製造する方法である。
本発明においては、まず、電荷を有しない上記母粒子の表面に、イオン性基を有する樹脂微粒子を、液相中で付着させてヘテロ凝集体を製造する。
上記母粒子を構成する材料としては、電荷を有しないものであれば特に限定されず、従来公知の有機材料又は無機材料を用いることができる。
上記有機材料としては特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、メチルペンテン等のオレフィン類及びその誘導体、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体、フッ化ビニル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート等の2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシポリプロポキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びその誘導体、トリアリルイソシアネート、ベンゾグアナミン等の重合性単量体を用いた重合体;ポリアミド、(不)飽和ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル/スチレン樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、糖、澱粉、セルロース、ポリペプチド等を主成分とする縮合体、重合体等が挙げられる。これらの有機材料は単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
【0009】
上記無機材料としては特に限定されず、例えば、金属、金属酸化物、シリカ等が挙げられる。また、上記母粒子は、上記有機材料と無機材料との複合構造を有していても良い。
上記母粒子の表面は疎水性であることが好ましい。表面が疎水性であると、水系溶媒への分散安定性が悪くなるが、この場合、例えば、ポリビニルアルコールやノニオン系界面活性剤等の電荷を有さない分散剤で母粒子の表面が保護されていることが好ましい。
【0010】
上記母粒子の粒径は、得られるコア−シェル型粒子の用途によって適宜決定されればよいが、得られたコア−シェル型粒子を表示素子のスペーサ粒子として使用する場合は、0.5〜100μmであることが好ましく、なかでも液晶表示素子のスペーサ粒子として使用する場合は、1〜10μmであることが好ましい。
【0011】
上記樹脂微粒子を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル/スチレン樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。上記樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
【0012】
上記樹脂微粒子を構成する樹脂のなかでも、ビニル基を有する単量体を共重合した樹脂が好適に使用される。
上記ビニル基を有する単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。
【0013】
上記樹脂微粒子に耐溶剤性を付与するために、架橋性を有する単量体を共重合しても良い。
上記架橋性を有する単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート等の2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシポリプロポキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びその誘導体等が挙げられる。
【0014】
上記樹脂微粒子に接着性を付与するために、ガラス転移点の低い単量体を共重合しても良い。
上記ガラス転移点の低い単量体として、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
【0015】
上記樹脂微粒子はアニオン性基又はカチオン性基のイオン性基を有するものである。上記イオン性基を介して樹脂微粒子は母粒子に付着する。
上記樹脂微粒子表面にアニオン性基又はカチオン性基のイオン性基を付与するために官能基を導入するが、官能基を導入する方法としては、イオン性の界面活性剤を上記樹脂からなる微粒子の表面に吸着させるか、又は、樹脂微粒子の重合時にイオン性の単量体を共重合する方法が好適に使用される。
【0016】
上記樹脂からなる微粒子の表面に吸着させるアニオン性の界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸塩;アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸アンモニウム等のアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。
【0017】
上記樹脂微粒子の重合時に共重合させるアニオン性の単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の重合性不飽和結合を有するカルボン酸;重合性不飽和結合を有するリン酸エステル;重合性不飽和結合を有するスルホン酸エステル;重合性不飽和結合を有するスルホニウム塩等が挙げられる。これらのアニオン性の単量体は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0018】
上記樹脂からなる微粒子の表面に吸着させるカチオン性の界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
【0019】
上記樹脂微粒子の重合時に共重合させるカチオン性の単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩、ジエチルアミノエチルメタクリレート4級塩等の重合性基を有するアミンの塩;ビニルピリジン等の重合性基を有する含窒素芳香族化合物の塩;メタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩等の重合性基を有するスルホニウム塩等が挙げられる。
【0020】
なかでも、上記樹脂微粒子の重合時にイオン性の単量体を共重合する方法は、樹脂微粒子にイオン性基が固定され、脱離がないという利点を有するのでより好ましい。
【0021】
上記樹脂微粒子の粒径は、母粒子の粒径及び得られるコア−シェル型粒子の用途や樹脂微粒子による母粒子の被覆率によって適宜決定されればよく、得られたコア−シェル型粒子を接着粒子として使用する場合、母粒子の粒径の1/10以下であることが好ましい。1/10を超えると、コア−シェル型粒子の粒径が大きくなりすぎて、母粒子を用いる効果が期待できなくなる。また、得られたコア−シェル型粒子を液晶表示素子用接着性スペーサ粒子として用いる場合、上記樹脂微粒子の粒径は、5〜1000nmであることが好ましい。5nm未満であると、接着性が不充分となり、1000nmを超えると、圧着する際に必要な圧力が大きくなったり、ギャップ精度が低下したりすることがある。より好ましくは10〜500nmである。
【0022】
上記樹脂微粒子の粒径は、粒径分布を表す粒径の変動係数(CV値:粒径分布の標準偏差を粒子の直径で除した値)が20%以下であることが好ましい。20%を超えると、コア−シェル型粒子の樹脂層の厚みが不均一になったり、母粒子の樹脂微粒子による被覆率が不均一になったりするので、例えば、得られたコア−シェル型粒子を液晶表示素子のスペーサ粒子として用いる場合は、ギャップが不均一になり、表示不良を起こすことがある。より好ましくは1〜10%である。
【0023】
上記樹脂微粒子の製造方法としては、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば、ミニエマルジョン重合法、エマルジョン重合法、転相乳化重合法、マイクロサスペンジョン重合法、懸濁重合法、分散重合法、シード重合法、ソープフリー析出重合法等が挙げられる。これらの中でも得られた粒子の粒径の変動係数(CV値)が20%以下で、粒径の均一性に優れるソープフリー析出重合法や分散重合法が好適に用いられる。
【0024】
本発明においては、上記母粒子の表面に、上記樹脂微粒子を、液相中で付着させるが、液相中で樹脂微粒子を母粒子の表面に均一且つ単層に付着させる方法としては、ヘテロ凝集法が好適に用いられる。
【0025】
上記ヘテロ凝集法は水系媒体又は有機溶剤中で、樹脂微粒子を母粒子表面に凝集させる手法で、母粒子の表面に均一且つ迅速に樹脂微粒子を付着させることが可能である。また、上記ヘテロ凝集法は必要以上の圧力を必要とせず、系全体の温度の上昇もないため母粒子への負荷が小さい。
【0026】
上記ヘテロ凝集法に使用される水系媒体としては、水又は水と水に可溶な有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。
上記有機溶剤としては、樹脂微粒子を溶解しないものであれば特に限定されず、公知の有機溶剤を使用することができる。
上記水系媒体中には界面活性剤が多く含まれないことが好ましい。界面活性剤が多いと、系内の粒子が安定に分散するためにヘテロ凝集が起きなくなる。界面活性剤の量は水系媒体中に0.1重量%以下であることが好ましい。
【0027】
上記ヘテロ凝集体は、樹脂微粒子が母粒子の表面の5%以上を被覆していることが好ましい。5%未満であると、被覆による効果が弱くなる。特に得られたコア−シェル型粒子を、接着粒子として用いる場合は、被覆率は10〜100%であることが好ましい。10%未満であると、被覆が不充分で、樹脂微粒子を溶解した際に均一な樹脂層ができにくくなる。
【0028】
上記被覆率は、樹脂微粒子表面の電荷密度、水及び/又は有機溶剤のpHやイオン強度等によって制御することができる。上記被覆率を上げるためには、水系媒体中に塩や有機溶媒を添加する方法を用いることができ、なかでも塩化ナトリウムを添加することが好ましい。
【0029】
本発明においては、上記母粒子の表面に樹脂微粒子を付着させた後、上記樹脂微粒子を溶融させ連続皮膜とすることにより樹脂層を形成する。
付着した上記樹脂微粒子を溶融させ連続皮膜とする方法としては、例えば、上記母粒子の表面に樹脂微粒子が付着したヘテロ凝集体を5%ポリビニルアルコール水溶液に分散し、緩やかに撹拌しながら80℃にて3時間加熱処理し、得られた粒子を濾別し、熱水で洗浄する工程を3回繰り返した後、粒子を乾燥する方法等が挙げられる。
【0030】
上記コア−シェル型粒子の樹脂層の厚みは、母粒子の粒径、被覆面積、樹脂微粒子の形状、物性、用いるバインダー樹脂、用途等によって適宜決定されればよく、特に限定されないが、1〜2000nmであることが好ましい。1nm未満であると、被覆により期待される性能が発揮できず、2000nmを越えると、母粒子本来の性能が発揮できなくなる。特に得られたコア−シェル粒子を液晶パネルの接着粒子として用いる場合は、樹脂層の厚みは5〜1000nmであることが好ましい。5nm未満であると、接着性が不充分となり、1000nmを超えると、圧着する際に必要な圧力が大きくなったり、ギャップ精度が低下したりすることがある。より好ましくは10〜500nmである。
【0031】
本発明によれば、電荷を有しない母粒子の表面に、均一な樹脂層を迅速に形成することができるので、得られるコア−シェル型粒子の粒径を厳密に制御することが可能で、且つ、表面機能が均一に発現される。
本発明により得られるコア−シェル型粒子もまた、本発明の1つである。更に、上記コア−シェル型粒子のうち、樹脂層が接着性を有する接着粒子、及び、母粒子が液晶表示素子のスペーサである液晶表示素子用接着性スペーサ粒子もまた、本発明の1つである。
【0032】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0033】
<製造例1>カチオン性樹脂微粒子Aの合成
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた500mLセパラブルフラスコにスチレン320mmol、メタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩3.2mmol、イオン交換水160gを入れ、45分間窒素置換した後、開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩3.2mmolを加え、窒素雰囲気下で撹拌速度200rpm、60℃で6時間重合を行った。反応後、100メッシュのふるいで凝集物を濾別した。合成した樹脂微粒子は遠心分離を行い、上澄み液を捨てた後、イオン交換水で再分散させた。この操作を3回繰り返しラテックスの精製を行った後、樹脂微粒子の水分散液を凍結乾燥し、平均粒径216nm、CV値3.3%の樹脂微粒子の粉末を得た。これを樹脂微粒子Aとした。
【0034】
<製造例2>カチオン性樹脂微粒子Bの合成
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた100mLセパラブルフラスコにスチレン64mmol、アクリル酸ブチル15mmol、メタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩0.64mmol、イオン交換水36gを入れ、45分間窒素置換した後、開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.64mmolを加え、窒素雰囲気下で撹拌速度200rpm、60℃で6時間重合を行った。反応後、100メッシュのふるいで凝集物を濾別した。合成した樹脂微粒子は遠心分離を行い、上澄み液を捨てた後、イオン交換水で再分散させた。この操作を3回繰り返しラテックスの精製を行った後、樹脂微粒子の水分散液を凍結乾燥し、平均粒径155nm、CV値4.5%の樹脂微粒子の粉末を得た。これを樹脂微粒子Bとした。
【0035】
<製造例3>カチオン性樹脂微粒子Cの合成
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた100mLセパラブルフラスコにスチレン64mmol、アクリル酸ブチル32mmol、メタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩0.64mmol、イオン交換水36gを入れ、45分間窒素置換した後、開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.64mmolを加え、窒素雰囲気下で撹拌速度200rpm、60℃で6時間重合を行った。反応後、100メッシュのふるいで凝集物を濾別した。合成した樹脂微粒子は遠心分離を行い、上澄み液を捨てた後、イオン交換水で再分散させた。この操作を3回繰り返しラテックスの精製を行った後、樹脂微粒子の水分散液を凍結乾燥し、平均粒径242nm、CV値5.6%の樹脂微粒子の粉末を得た。これを樹脂微粒子Cとした。
【0036】
(製造例4)カチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子A)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例1で調製した樹脂微粒子A0.025gを蒸留水5mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、撹拌速度40rpmで24時間撹拌した。得られたヘテロ凝集体を3000rpmで5分間遠心分離し、上澄み液を捨てイオン交換水で再分散させた。この遠心分離操作を3回繰り返しへテロ凝集体の精製を行った。
母粒子の樹脂微粒子による被覆率は、電子顕微鏡観察より被覆個数を求め、下記の式にて算出した。
被覆率θ(%)=被覆個数/最大被覆個数(理論値)
製造例4で得られたヘテロ凝集体の被覆率は30%であった。
【0037】
(製造例5)電解質水溶液中でのカチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子A)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例1で調製した樹脂微粒子A0.025gを、電解質として塩化ナトリウム100mmolを溶解した電解質水溶液5mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、製造例4と同様の操作にてヘテロ凝集体を得た。得られたヘテロ凝集体の被覆率は60%であった。
【0038】
(製造例6)カチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子B)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例2で調製した樹脂微粒子B0.025gを蒸留水5mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、製造例4と同様の操作にてヘテロ凝集体を得た。得られたヘテロ凝集体の被覆率は25%であった。
【0039】
(製造例7)電解質水溶液中でのカチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子B)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例2で調製した樹脂微粒子B0.025gを、電解質として塩化ナトリウム300mmolを溶解した電解質水溶液5mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、製造例4と同様の操作にてヘテロ凝集体を得た。得られたヘテロ凝集体の被覆率は50%であった。
【0040】
(製造例8)カチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子C)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例3で調製した樹脂微粒子C0.025gを蒸留水5mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、製造例4と同様の操作にてヘテロ凝集体を得た。得られたヘテロ凝集体の被覆率は19%であった。
【0041】
(製造例9)電解質水溶液中でのカチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子C)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例3で調製した樹脂微粒子C0.025gを、電解質として塩化ナトリウム300mmolを溶解した電解質水溶液5mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、製造例4と同様の操作にてヘテロ凝集体を得た。得られたヘテロ凝集体の被覆率は55%であった。
【0042】
(製造例10)アルコール混合溶媒中でのカチオン性高分子微粒子(樹脂微粒子C)を用いたヘテロ凝集体の合成
製造例3で調製した樹脂微粒子C0.025gを水/メタノールの1:1(重量比)混合溶媒10mLに分散し、直径8.5μmの架橋樹脂粒子(商品名:ミクロパールSP、積水化学工業社製)0.1gを加え、製造例4と同様の操作にてヘテロ凝集体を得た。得られたヘテロ凝集体の被覆率は80%であった。
【0043】
(実施例1)樹脂微粒子の融解による造膜
製造例9で調製したヘテロ凝集体を5%ポリビニルアルコール水溶液に分散し、緩やかに撹拌しながら80℃にて3時間加熱処理した。得られた粒子を濾別し、熱水で洗浄する工程を3回繰り返した後、粒子を乾燥して電子顕微鏡にて粒子表面を観察したところ、表面の樹脂微粒子が融解し滑らかな表面を有するコア−シェル型粒子が得られた。
この粒子をガラス基板にはさみ100℃で加熱圧着したところガラス基板が接着した。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成よりなるので、電荷を有しない母粒子の表面に、均一な樹脂層を迅速に形成することができるため、母粒子の制約が少なく、また、表面に形成する樹脂層が均一なため、精密な粒径の制御が可能で、且つ、均一な表面機能を発現するコア−シェル型粒子を得ることができる。
Claims (5)
- 母粒子の表面に樹脂層が設けられているコア−シェル型粒子の製造方法であって、電荷を有しない前記母粒子の表面に、イオン性基を有する樹脂微粒子を、液相中で付着させる工程を有することを特徴とするコア−シェル型粒子の製造方法。
- 母粒子の表面に樹脂微粒子を付着させた後、前記樹脂微粒子を溶融させ連続皮膜とすることにより樹脂層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1記載のコア−シェル型粒子の製造方法。
- 請求項1又は2記載のコア−シェル型粒子の製造方法により得られるコア−シェル型粒子であって、粒径の変動係数が20%以下である樹脂微粒子を用いてなることを特徴とするコア−シェル型粒子。
- 請求項3記載のコア−シェル型粒子からなる接着粒子であって、樹脂層が接着性を有することを特徴とする接着粒子。
- 請求項4記載の接着粒子からなる液晶表示素子用接着性スペーサ粒子であって、母粒子が液晶表示素子のスペーサであることを特徴とする液晶表示素子用接着性スペーサ粒子。
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-
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WO2011040498A1 (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-07 | 曙ブレーキ工業株式会社 | 接着剤 |
CN102549101A (zh) * | 2009-09-30 | 2012-07-04 | 曙制动器工业株式会社 | 粘合剂 |
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