JP2004042634A - 顕色剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンを含む、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン用の水和化防止剤。
【効果】4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの分散液中での水和物の生成を防止できる。
【選択図】 なし
【効果】4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの分散液中での水和物の生成を防止できる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録紙用顕色剤として汎用されている4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンによる感熱記録紙の地肌汚れの発生を防止することを目的とした顕色剤組成物および分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フェノール化合物が顕色剤としてクリスタルバイオレットラクトンなどの通常無色または淡色の発色性物質と反応して発色させることが知られている。この反応の感熱記録紙への実用化が進み、最近では、サーマルプリンター、ファクシミリ、バーコード等の各種情報記録材料として広範囲に使用されている。
【0003】
ところで、顕色剤として4,4’−イソプロピリデンジフェノールやp−ヒドロキシ安息香酸ベンジル等を配合した感熱記録紙では、高温、高湿下においては、発色画像部の発色濃度が低下し、また、それを可塑剤または油等と接触させた場合、読み取り不可能なレベルまで消色してしまうという現象が生じる。また、これらの条件下においては、白色の用紙部が着色する。すなわち、地肌汚れを生じるという現象も観察されていて、改善が求められていた。
【0004】
下記特許文献1には、白色度や発色感度が高く、また得られる発色画像の保存性がすぐれていて、特にバーコード用記録紙の顕色剤として汎用されている4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンが開示されている。感熱記録紙を調製する場合、発色性物質および顕色剤を増感剤等とともに湿式粉砕により微粒子化して分散液とし、記録用紙部に適用される。感熱記録紙の感度をより高めるために、この分散液調製に当り、分散剤としての水溶性高分子化合物の水溶液中に分散させた顕色剤粒子を可能な限り微粒子化する必要がある。しかしながら、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン粒子を水溶性高分子化合物の存在下に湿式粉砕すると粒子表面と水分子との接触により4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの水和物が生成することがある。また、そのような方法により微粒子化した分散液の状態で保存した場合にも同様に対応する水和物が生成する。このようにして対応する水和物が生成すると、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの融点が極端に低下し、この水和物を含有する分散液を用いて製造された感熱記録紙は激しい地肌汚れが発生することが知られている(下記特許文献2)。
【0005】
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの水和物が生成することを防止する。すなわち、感熱記録紙用顕色剤として汎用されている4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンによる感熱記録紙の地肌汚れの発生を防止することを目的として、たとえば4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部にビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンを0.03重量部以上配合すること(下記特許文献3)、分散液の温度を50℃以上にして分散を行うこと(下記特許文献2)、メチルセルロースまたはヒドロキシエチルメチルセルロースの少なくとも1種からなる水和防止剤を分散液調製時に存在させること(下記特許文献4)等が知られている。しかしながら、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンにビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンを配合することについては、下記特許文献5によると、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンが4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン中に混在すると、その量がごくわずかであっても、4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを使用して製造した感熱記録紙の地肌に汚れが生じると明記されていることから、その作用効果は不明なものがあると考えられる。また、その他の方法でも充分な地肌汚れの防止が未だ図られていない。
【0006】
一方、下記特許文献6には発色感度、耐候性、保存性の向上剤として4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを含むジフェニルスルホン化合物が使用される旨開示されている。この特許出願では4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを含むジフェニルスルホン化合物を増感剤として使用することを目的としており、その配合割合は1〜100重量%である。
【0007】
【特許文献1】
特公平3−54655号公報
【特許文献2】
特開平5−309949号公報
【特許文献3】
特開平2−76779号公報
【特許文献4】
特開平5−309951号公報
【特許文献5】
特公平3−77187号公報
【特許文献6】
特開平2−223475号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、感熱記録紙用顕色剤として汎用されている4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンによる感熱記録紙の地肌汚れの発生を防止することを目的として、新規な顕色剤組成物および分散液を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン含有分散液中での対応する水和物の生成を抑制させることを目的として鋭意研究を重ねた結果、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部に対し、1重量部未満の4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを含有させることにより得られた分散液は、その調製中または保存時において水和物の生成が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部に対し、1重量部未満の4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを含有することを特徴とする4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン顕色剤組成物および4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部に対し、1重量部未満の4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを存在させることを特徴とする4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン分散液に関する。
【0011】
【作用】
本発明に用いられる4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンは、粉末固体状態で4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンに配合または存在していてよく、湿式粉砕過程または分散液調製時に、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの水和物生成を抑制する。4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンの含有量は、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部に対し、1重量部未満であればよく、好ましくは、0.01重量部から0.8重量部未満で、得られた分散液について長時間保存する場合の水和物生成防止を達成するためには、0.1重量部から0.5重量部がより好ましい。1重量部以上配合すると、増感剤として作用し、0.01重量部未満では、水和物生成防止効果が得られない。
【0012】
本発明の組成物は、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンへ4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを所定量配合添加することにより得えられるが、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンは4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの副生成物であることから、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンが所定量含有されているように4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの製造条件を調製するか、または製造中に添加することによっても得られる。
【0013】
本発明の分散液は、水媒体中でそれぞれ所定量の4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンおよび4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを湿式粉砕することにより製造される。分散を効率よく行うために、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、変性デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等が用いられ、好ましくはポリビニルアルコールが用いられる。湿式粉砕には、ボールミル、サンドグラインダー等の粉砕機が用いられる。
【0014】
本発明の顕色剤組成物および分散液には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンが配合または共存していてもよい。その量は4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部に対し、0.01から0.5重量部程度である。さらに、増感剤、減感剤、粘着防止剤、充填剤、消泡剤、安定剤、増白剤等を適宜含有させることができる。
【0015】
本発明の顕色剤組成物およびそれから得られる分散液は、別途公知の手法により調製される発色性物質の分散液と混合して記録紙用紙等の支持体に塗布し、乾燥することによって感熱記録紙が製造される。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0017】
実施例1
下記操作により4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの湿式粉砕を行い分散液を調製した。
【0018】
【表1】
【0019】
上記組成物にガラスビーズ(φ0.7〜1.5mm)195gを加え、サンドグラインダー(アイメックス社製)を用い室温下820r.p.m.で30分湿式粉砕し、さらに1000r.p.m.で室温下粉砕した。粉砕中、1時間毎にサンプリングし、光学顕微鏡を用いて観察したが、粉砕2時間まで水和物は生成してなかった。
【0020】
比較例1
次の顕色剤分散液の組成にて、実施例1と同様の操作により湿式粉砕を行った。
【0021】
【表2】
【0022】
実施例1と同様に光学顕微鏡で観察したところ、1時間以内に水和物の生成が認められた。
【0023】
【発明の効果】
4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを含有する4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン顕色剤組成物の分散液は、製造および保存時のいずれも地肌汚れの原因となる水和物の生成が観察されない。
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録紙用顕色剤として汎用されている4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンによる感熱記録紙の地肌汚れの発生を防止することを目的とした顕色剤組成物および分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フェノール化合物が顕色剤としてクリスタルバイオレットラクトンなどの通常無色または淡色の発色性物質と反応して発色させることが知られている。この反応の感熱記録紙への実用化が進み、最近では、サーマルプリンター、ファクシミリ、バーコード等の各種情報記録材料として広範囲に使用されている。
【0003】
ところで、顕色剤として4,4’−イソプロピリデンジフェノールやp−ヒドロキシ安息香酸ベンジル等を配合した感熱記録紙では、高温、高湿下においては、発色画像部の発色濃度が低下し、また、それを可塑剤または油等と接触させた場合、読み取り不可能なレベルまで消色してしまうという現象が生じる。また、これらの条件下においては、白色の用紙部が着色する。すなわち、地肌汚れを生じるという現象も観察されていて、改善が求められていた。
【0004】
下記特許文献1には、白色度や発色感度が高く、また得られる発色画像の保存性がすぐれていて、特にバーコード用記録紙の顕色剤として汎用されている4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンが開示されている。感熱記録紙を調製する場合、発色性物質および顕色剤を増感剤等とともに湿式粉砕により微粒子化して分散液とし、記録用紙部に適用される。感熱記録紙の感度をより高めるために、この分散液調製に当り、分散剤としての水溶性高分子化合物の水溶液中に分散させた顕色剤粒子を可能な限り微粒子化する必要がある。しかしながら、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン粒子を水溶性高分子化合物の存在下に湿式粉砕すると粒子表面と水分子との接触により4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの水和物が生成することがある。また、そのような方法により微粒子化した分散液の状態で保存した場合にも同様に対応する水和物が生成する。このようにして対応する水和物が生成すると、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの融点が極端に低下し、この水和物を含有する分散液を用いて製造された感熱記録紙は激しい地肌汚れが発生することが知られている(下記特許文献2)。
【0005】
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの水和物が生成することを防止する。すなわち、感熱記録紙用顕色剤として汎用されている4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンによる感熱記録紙の地肌汚れの発生を防止することを目的として、たとえば4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部にビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンを0.03重量部以上配合すること(下記特許文献3)、分散液の温度を50℃以上にして分散を行うこと(下記特許文献2)、メチルセルロースまたはヒドロキシエチルメチルセルロースの少なくとも1種からなる水和防止剤を分散液調製時に存在させること(下記特許文献4)等が知られている。しかしながら、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンにビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンを配合することについては、下記特許文献5によると、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンが4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン中に混在すると、その量がごくわずかであっても、4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを使用して製造した感熱記録紙の地肌に汚れが生じると明記されていることから、その作用効果は不明なものがあると考えられる。また、その他の方法でも充分な地肌汚れの防止が未だ図られていない。
【0006】
一方、下記特許文献6には発色感度、耐候性、保存性の向上剤として4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを含むジフェニルスルホン化合物が使用される旨開示されている。この特許出願では4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを含むジフェニルスルホン化合物を増感剤として使用することを目的としており、その配合割合は1〜100重量%である。
【0007】
【特許文献1】
特公平3−54655号公報
【特許文献2】
特開平5−309949号公報
【特許文献3】
特開平2−76779号公報
【特許文献4】
特開平5−309951号公報
【特許文献5】
特公平3−77187号公報
【特許文献6】
特開平2−223475号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、感熱記録紙用顕色剤として汎用されている4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンによる感熱記録紙の地肌汚れの発生を防止することを目的として、新規な顕色剤組成物および分散液を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン含有分散液中での対応する水和物の生成を抑制させることを目的として鋭意研究を重ねた結果、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部に対し、1重量部未満の4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを含有させることにより得られた分散液は、その調製中または保存時において水和物の生成が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部に対し、1重量部未満の4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを含有することを特徴とする4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン顕色剤組成物および4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部に対し、1重量部未満の4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを存在させることを特徴とする4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン分散液に関する。
【0011】
【作用】
本発明に用いられる4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンは、粉末固体状態で4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンに配合または存在していてよく、湿式粉砕過程または分散液調製時に、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの水和物生成を抑制する。4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンの含有量は、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部に対し、1重量部未満であればよく、好ましくは、0.01重量部から0.8重量部未満で、得られた分散液について長時間保存する場合の水和物生成防止を達成するためには、0.1重量部から0.5重量部がより好ましい。1重量部以上配合すると、増感剤として作用し、0.01重量部未満では、水和物生成防止効果が得られない。
【0012】
本発明の組成物は、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンへ4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを所定量配合添加することにより得えられるが、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンは4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの副生成物であることから、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンが所定量含有されているように4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの製造条件を調製するか、または製造中に添加することによっても得られる。
【0013】
本発明の分散液は、水媒体中でそれぞれ所定量の4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンおよび4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを湿式粉砕することにより製造される。分散を効率よく行うために、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、変性デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等が用いられ、好ましくはポリビニルアルコールが用いられる。湿式粉砕には、ボールミル、サンドグラインダー等の粉砕機が用いられる。
【0014】
本発明の顕色剤組成物および分散液には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンが配合または共存していてもよい。その量は4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部に対し、0.01から0.5重量部程度である。さらに、増感剤、減感剤、粘着防止剤、充填剤、消泡剤、安定剤、増白剤等を適宜含有させることができる。
【0015】
本発明の顕色剤組成物およびそれから得られる分散液は、別途公知の手法により調製される発色性物質の分散液と混合して記録紙用紙等の支持体に塗布し、乾燥することによって感熱記録紙が製造される。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0017】
実施例1
下記操作により4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの湿式粉砕を行い分散液を調製した。
【0018】
【表1】
【0019】
上記組成物にガラスビーズ(φ0.7〜1.5mm)195gを加え、サンドグラインダー(アイメックス社製)を用い室温下820r.p.m.で30分湿式粉砕し、さらに1000r.p.m.で室温下粉砕した。粉砕中、1時間毎にサンプリングし、光学顕微鏡を用いて観察したが、粉砕2時間まで水和物は生成してなかった。
【0020】
比較例1
次の顕色剤分散液の組成にて、実施例1と同様の操作により湿式粉砕を行った。
【0021】
【表2】
【0022】
実施例1と同様に光学顕微鏡で観察したところ、1時間以内に水和物の生成が認められた。
【0023】
【発明の効果】
4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンを含有する4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン顕色剤組成物の分散液は、製造および保存時のいずれも地肌汚れの原因となる水和物の生成が観察されない。
Claims (4)
- 4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンを含むことを特徴とする4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン用の水和化防止剤。
- 4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンを共存させることを特徴とする4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの水和化防止方法。
- 顕色剤としての4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンとともに、当該4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの水和化防止剤として4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンを含むことを特徴とする顕色剤組成物。
- 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン100重量部に対し、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンの量が0.01重量部から1重量部未満であり、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンの量が0.01重量部から0.5重量部である請求項3記載の顕色剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003169740A JP2004042634A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | 顕色剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003169740A JP2004042634A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | 顕色剤組成物 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10665194A Division JP3827336B2 (ja) | 1994-05-20 | 1994-05-20 | 顕色剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004042634A true JP2004042634A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31712448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003169740A Pending JP2004042634A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | 顕色剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004042634A (ja) |
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- 2003-06-13 JP JP2003169740A patent/JP2004042634A/ja active Pending
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050823 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060207 |