【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばモータのロータやステータなどに用いられるロータ装置に係り、特に、焼結磁石とその支持体であるロータコアとの間に生じる熱応力や磁気損失を軽減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば希土類金属で構成された焼結磁石(以下、「希土類磁石」という)は優れた磁気的特性を有しているため、近年、モータ用の永久磁石として重要な位置を占めている。一方、希土類磁石は硬くて脆いため、これを軟磁性体からなるロータコアに固定するに際しては、機械加工を必要とするボルト締め等による固定は難しい。また、樹脂または金属の円環を希土類磁石の外周に被せて希土類磁石をロータコアに固定する技術や、希土類磁石の外周にケブラー繊維を巻き付けるという技術があるが、このような技術ではエアギャップを増加させて磁束が減少するとともに、製造コストも割高となって好ましくない。また、希土類磁石とロータコアとを接着剤によって接合することも行われたが、接着剤では高温時の接着強度に限界がある。
【0003】
特開平8−78231号公報には、希土類磁石と銅を主成分とする接合部材とを接触させて加熱することで、接合部材を半溶融状態にして拡散接合し、接合部材とロータコアとを銀ろうで接合する技術が開示されている。この技術によれば、希土類磁石と接合部材を接合することができるとともに、銅を主体とする接合部材により、ロータコアと希土類磁石の熱膨張の差による熱応力を軽減することができるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような技術においては、銅を主体とする接合部材と銀ろうの磁気的特性が良くないため磁気的損失が発生する。また、接合部材を半溶融状態にして拡散するのでその接合面積に限界があり、たとえば10mm角程度の大きさの希土類磁石しか接合できない。さらに、接合面積のより大きな希土類磁石に対しては、希土類磁石とロータコアとの線膨張率の差による応力を緩和することができず、熱応力によって希土類磁石が破損する恐れがある。
【0005】
したがって、本発明は、磁気的損失が少なく、希土類磁石とロータコアとの間に生じる熱応力を緩和することができるのは勿論のこと、接合面積の大きな希土類磁石に対しても同等の効果が得られるロータ装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、バックヨーク材として種々の材料を検討した結果、コバール合金(商品名)に着目した。コバール合金は、ガラスと金属の封着用合金として知られており、その熱膨張係数はガラスのそれに近く、また、他の金属材料と比較すると希土類磁石の熱膨張係数にも近い。本発明者等は、このコバール合金からなる粉末を焼結することにより、熱膨張係数およびヤング率の小さいバックヨークを得て本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明のロータ装置は、上記知見に基づいてなされたもので、鉄系の磁性材料からなるロータコアの外周に、バックヨークを固定し、このバックヨークの外周に焼結磁石をろう付けしたロータ装置において、バックヨークのヤング率を500〜3300kgf/mm2とし、かつ、その線膨張係数を6.0×10−6/℃以下にしたことを特徴としている。
【0008】
上記構成のロータ装置にあっては、その線膨張係数を6.0×10−6/℃以下にしているから、焼結磁石とロータコアとの間の熱応力が小さい。しかも、バックヨークのヤング率を小さく設定しているから、焼結磁石とロータコアの熱膨張の差をバックヨークが変形することで吸収して、両者に生じる熱応力を大幅に軽減することができ、焼結磁石の破損を未然に防止することができる。さらに、焼結磁石とバックヨークとをろう付けするから、それらの接合面積に制約を受けることがない。
【0009】
ここで、バックヨークのヤング率を500〜3300kgf/mm2としたのは、ヤング率が3300kgf/mm2を超えると、焼結磁石とロータコアの熱膨張の差を充分に吸収し得なくなり、ヤング率が500kgf/mm2未満では、強度が不充分となるからである。バックヨークのヤング率を上記のように設定するためには、バックヨークを焼結合金で構成してその気孔率を調整したり、焼結温度または時間を調整すること等で可能であり、気孔率は10〜30%とし、焼結温度は700〜900℃(より好ましくは710〜850℃)で焼結することが望ましい。
【0010】
本発明では、バックヨークはFe−Ni−Co系焼結合金で構成することが好ましく、その組成は、Ni:28.0〜30.0質量%、Co:16.0〜18.0質量%、残部:Feおよび不可避不純物であることが望ましい。このような組成とすることにより、上記のような低い熱膨張係数を得ることができる。
【0011】
ここで、希土類金属は、高温下に曝されると金属組織が変化して磁石特性が影響を受けるといった性質を有している。このため、希土類金属で焼結磁石を構成する場合には、液相発生温度が比較的低いろう材を用いることが望ましい。そのようなろう材としては、希土類元素REの含有量がRE≧50原子%、Cuの含有量が18原子%≦Cu<40原子%および他の合金元素AEの含有量がAE≦20原子%であり、合金元素AEがFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Ag、Au、Zn、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、Pb、P、SbおよびBiから選択される一種または二種以上とした希土類合金ろう材が好適である。
【0012】
希土類元素RE、Cuおよび合金元素AEの含有量を前記のように特定すると、加熱下において希土類元素REと、Cuおよび合金元素AEとが共晶反応を行うため、希土類合金ろう材の液相発生温度が比較的低くなる。そして、希土類合金ろう材より生じた液相は高活性であることから、液相状態または固液共存状態の希土類合金ろう材は焼結磁石に対し良好な濡れ性を発揮して拡散現象を現出する。また希土類合金ろう材は、加熱下において固相状態でも種々の材質の被接合部材に対して良好な拡散性を発揮する。このような希土類合金ろう材を用いることによって、比較的低温下で焼結磁石とバックヨークとを強固にろう付けすることが可能である。また、Cuを含有する希土類合金は、例えば液体急冷法の適用下で非晶質化し、薄板への成形性とプレス打抜き加工性が向上するので、希土類アモルファス合金ろう材を用いるのがより好適である。
【0013】
本発明では、焼結磁石とバックヨークどうしの接合部がろう付けであれば良く、バックヨークとロータコアとの接合手段は任意である。たとえば、バックヨークとロータコアの圧粉体どうしを嵌合し焼結することで、接合面における粉末を溶融して接合することができる。また、バックヨークおよびロータコアどうしをろう付けしたりボルト固定することも可能である。その他、焼き嵌めや冷し嵌め、溶接なども適用可能である。
【0014】
ロータコアは、望ましくは炭素含有量が0.2〜0.5質量%の低炭素鋼からなる中心部と、この中心部の外周に固定された純鉄材からなる外周部とを備えることが望ましい。このように構成することにより、外周部により磁気特性が向上し、中央部によって強度が向上する。中央部と外周部との接合は、上記したロータコアとバックヨークとの接合方法を適用することができる。たとえば、中央部および外周部の圧粉体を嵌合し焼結することにより、互いに接合することができる。
【0015】
焼結磁石とバックヨークとのろう付けは、1または複数箇所において部分的に行うことができる。このようなろう付けを行うことにより、バックヨークの熱膨張が焼結磁石にあまり影響しなくなり、それらに作用する熱応力をさらに軽減することができる。バックヨークとロータコアの接合と、焼結磁石とバックヨークのろう付けは、いずれを先にしてもよく、焼結磁石に予めバックヨークをろう付けした後、これをロータコアにろう付けしてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態であるロータ装置を軸方向から見た図である。図1において符号1は中心部、2は外周部であり、これら中心部1および外周部2によりロータコアが形成されている。中心部1は、例えばS45Cなどの低炭素鋼からなる焼結金属であり、外周部は純鉄からなる焼結金属である。外周部2の外周には、バックヨーク3が固定されている。バックヨーク3は、Ni:29質量%、Co:17質量%、残部Feからなる焼結金属であり、そのヤング率は500〜3300kgf/mm2、線膨張係数は6.0×10−6/℃以下である。バックヨーク3の外周には、円周方向へ互いに等間隔離間した複数の凹部3aが形成され、凹部3aには、ろう材4によって希土類磁石5がろう付けされている。このようなロータ装置は、一般にSPM(Surface Permanent Magnet)と呼ばれている。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、この実施例では、バックヨークを模したプレートに焼結磁石をろう付けして両者における熱応力の影響を調査した。
【0018】
Ni:29質量%、Co:17質量%%、残部:Feの組成を有するコバール合金粉末を500MPaの圧力で成形し、成形した圧粉体を710℃で60分間焼結することにより、縦33.2mm、横33.2mm、厚さ1mmの寸法を有するプレートを作製した。このプレートの線膨張係数は6.0×10−6/℃、ヤング率は1000kgf/mm2、曲げ強度は2.3〜3.58kgf/mm2であった。このプレートに、縦15mm、31mm、厚さ0.1mmのアモルファス合金ろう材(Nd70−Al25−Cu5、線膨張係数:6.24×10−6/℃を2枚重ね合わせ、その上に、縦41mm、横35mm、厚さ6mmに加工しエッチング処理した希土類アモルファス磁石を重ね合わせた(図3(A)参照)。
【0019】
次に、上記積層体を真空炉に装入し、内部を10−4torrになるまで真空排気した。なお、真空排気の前に真空炉内を1000℃で5時間保持し、内壁に付着している不純物を遊離させてろう材の酸化を防止した。次いで、真空炉の加熱速度を設定して、図2に示すように、炉内温度を520℃まで60分間で昇温させ、かつ、その温度で50分間保持したのち、真空炉の降温速度を適宜設定して徐冷することにより、図2に示す降温曲線で炉内温度を降温した。
【0020】
図3(B)は、以上のようにしてプレート3と希土類アモルファス磁石5をろう材4で互いに接合した実施例の断面の顕微鏡写真である。真空炉内の降温の過程で、プレート3と希土類アモルファス磁石5との線膨張係数の差による熱応力が生じるが、プレート3の線膨張係数が希土類アモルファス磁石5の線膨張係数に近いために熱応力が小さく、しかも、プレート3のヤング率が小さいため熱応力が大幅に緩和され、その結果、希土類アモルファス磁石5の界面付近にクラックは一切認められなかった。
【0021】
次に、上記組成のコバール合金粉末を用い、成形圧力を300,500,750MPaで上記の形状に圧粉成形し気孔率を30,20,10%とした試料にっついて焼結温度を変えて焼結を行って、線膨張係数を一定にしてヤング率を変化させた試料を作成した。これらの試料を用いて上記と同じ条件でろう付けした後、接合面の観察を行った結果を表1、および図5に示す。なお、接合面の状態について、クラックが一切認められなかった試料については○、クラックが発生した試料については×と記録した。
【0022】
表1および図5から判るように、ヤング率が3300kgf/mm2以下の試料では接合面でクラックが一切認められなかったが、ヤング率が3300kgf/mm2を超える試料は、図4(A)に示されているように、プレートのヤング率が大きいため、真空炉内の降温の過程で生じた熱応力により希土類アモルファス磁石5の界面付近にクラックが生じた。また、試料の他の断面を観察したところ、図4(B)に示すように、ろう材4にクラックが生じていた。以上により、プレートのヤング率が3300kgf/mm2以下では、熱応力緩和の効果があることが確認された。
【0023】
【表1】
【0024】
さらに、コバール粉末の組成を変えて成形圧力を500MPaで上記の形状に圧粉成形し気孔率を20%とした試料について焼結温度720℃で焼結を行い、ヤング率を2150kgf/mm2程度に調整するとともに線膨張係数を変化させた試料を作成した。これらの試料を用いて上記と同じ条件でろう付けした後、接合面の観察を行った結果を表2に示す。
【0025】
表2から判るように、線膨張係数が6.0×10−6/℃以下の試料では接合面でクラック一切認められなかったが、線膨張係数が6.0×10−6/℃を越える試料は、プレートの線膨張係数が大きいため、真空炉内の降温の過程で生じた熱応力により希土類アモルファス磁石5の界面付近およびろう材にクラックが生じた。以上により、プレートの線膨張係数が6.0以下では、熱応力緩和の効果があることが確認された。
【0026】
【表2】
【0027】
図6は、モータのロータの回転数とそれに要求される引張強度を示すグラフである。電気自動車や内燃機関とモータを組み合わせたハイブリッド自動車に用いるモータのロータに要求される回転数は6000rpmであり、その回転数でマグネットの固定を保証するにはロータには0.14kgf/mm2の引張強度が必要である。この点、本実施例のプレートの曲げ強度が2.3〜3.58kgf/mm2であり、この値の1/3が引張強度であるから、計算上は13750rpm以上の回転数を達成できることになる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、磁気的損失が少なく、焼結磁石とロータコアとの間に生じる熱応力を緩和することができるのは勿論のこと、接合面積の大きな焼結磁石に対しても同等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のロータ装置を軸方向から見た図である。
【図2】本発明の実施例の実施例における希土類磁石装置をろう付けする際の温度曲線を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例のロータ装置の断面を示す顕微鏡写真である。
【図4】比較例のロータ装置の断面を示す顕微鏡写真である。
【図5】実施例における各試料の焼結温度とヤング率との関係を示す線図である。
【図6】ロータの回転数とそれに必要な引張強度を示すグラフである。
【符号の説明】
1 中心部(ロータコア)
2 外周部(ロータコア)
3 バックヨーク
4 ろう材
5 焼結磁石[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a rotor device used for, for example, a rotor or a stator of a motor, and more particularly to a technique for reducing thermal stress and magnetic loss generated between a sintered magnet and a rotor core that supports the sintered magnet.
[0002]
[Prior art]
For example, sintered magnets made of rare earth metals (hereinafter, referred to as “rare earth magnets”) have excellent magnetic properties, and have recently become important as permanent magnets for motors. On the other hand, since the rare earth magnet is hard and brittle, it is difficult to fix it to a rotor core made of a soft magnetic material by bolting or the like that requires machining. In addition, there are technologies to cover the outer periphery of the rare earth magnet with a resin or metal ring to fix the rare earth magnet to the rotor core, and to wrap Kevlar fiber around the outer periphery of the rare earth magnet. As a result, the magnetic flux is reduced, and the manufacturing cost is relatively high. In addition, the rare earth magnet and the rotor core are joined by an adhesive, but the adhesive has a limit in the adhesive strength at a high temperature.
[0003]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-78231 discloses that a rare earth magnet and a joining member mainly composed of copper are brought into contact with each other and heated so that the joining member is in a semi-molten state and diffusion-bonded. A brazing technique is disclosed. According to this technique, the rare earth magnet and the joining member can be joined, and the joining member mainly composed of copper can reduce the thermal stress due to the difference in thermal expansion between the rotor core and the rare earth magnet. .
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the technique described above, a magnetic loss occurs because the magnetic properties of the joining member mainly composed of copper and the silver solder are not good. Further, since the bonding member is diffused in a semi-molten state, the bonding area is limited, and for example, only a rare earth magnet having a size of about 10 mm square can be bonded. Furthermore, for a rare-earth magnet having a larger bonding area, stress due to a difference in linear expansion coefficient between the rare-earth magnet and the rotor core cannot be reduced, and the rare-earth magnet may be damaged by thermal stress.
[0005]
Therefore, according to the present invention, not only the magnetic loss is small and the thermal stress generated between the rare earth magnet and the rotor core can be relaxed, but also the same effect can be obtained for the rare earth magnet having a large joint area. It is an object to provide a rotor device that can be used.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have studied various materials as a back yoke material, and as a result, have paid attention to Kovar alloy (trade name). Kovar alloy is known as an alloy for sealing glass and metal, and its thermal expansion coefficient is close to that of glass, and also close to that of rare earth magnets when compared with other metal materials. The present inventors have completed the present invention by sintering the powder made of the Kovar alloy to obtain a back yoke having a small coefficient of thermal expansion and a small Young's modulus.
[0007]
The rotor device of the present invention has been made based on the above findings, and has a back yoke fixed to the outer periphery of a rotor core made of an iron-based magnetic material, and a sintered magnet brazed to the outer periphery of the back yoke. Wherein the back yoke has a Young's modulus of 500 to 3300 kgf / mm 2 and a linear expansion coefficient of 6.0 × 10 −6 / ° C. or less.
[0008]
In the rotor device having the above configuration, the coefficient of linear expansion is set to 6.0 × 10 −6 / ° C. or less, so that the thermal stress between the sintered magnet and the rotor core is small. In addition, since the Young's modulus of the back yoke is set small, the difference in thermal expansion between the sintered magnet and the rotor core is absorbed by the deformation of the back yoke, and the thermal stress generated in both can be greatly reduced. In addition, the sintered magnet can be prevented from being damaged. Furthermore, since the sintered magnet and the back yoke are brazed, there is no restriction on the joint area therebetween.
[0009]
Here, the reason why the Young's modulus of the back yoke is set to 500 to 3300 kgf / mm 2 is that if the Young's modulus exceeds 3300 kgf / mm 2 , the difference in thermal expansion between the sintered magnet and the rotor core cannot be sufficiently absorbed. If the rate is less than 500 kgf / mm 2 , the strength becomes insufficient. In order to set the Young's modulus of the back yoke as described above, the back yoke is made of a sintered alloy and its porosity can be adjusted, or the sintering temperature or time can be adjusted. The sintering rate is preferably 10 to 30%, and the sintering temperature is preferably 700 to 900 ° C (more preferably 710 to 850 ° C).
[0010]
In the present invention, the back yoke is preferably made of a Fe—Ni—Co-based sintered alloy, and its composition is Ni: 28.0 to 30.0% by mass and Co: 16.0 to 18.0% by mass. The balance is desirably Fe and unavoidable impurities. With such a composition, a low coefficient of thermal expansion as described above can be obtained.
[0011]
Here, the rare earth metal has such a property that when exposed to a high temperature, the metal structure changes and the magnet characteristics are affected. Therefore, when a sintered magnet is made of a rare earth metal, it is desirable to use a brazing material having a relatively low liquid phase generation temperature. As such a brazing material, the content of the rare earth element RE is RE ≧ 50 atomic%, the content of Cu is 18 atomic% ≦ Cu <40 atomic%, and the content of the other alloying element AE is AE ≦ 20 atomic%. And the alloy element AE is Fe, Co, Ni, Ru, Rh, Pd, Os, Ir, Pt, Ag, Au, Zn, B, Al, Ga, In, C, Si, Ge, Sn, Pb, P , Sb, and Bi are preferable.
[0012]
When the contents of the rare earth elements RE, Cu, and the alloying element AE are specified as described above, the eutectic reaction between the rare earth element RE, Cu, and the alloying element AE under heating causes the liquid phase generation of the rare earth alloy brazing material. The temperature is relatively low. Since the liquid phase generated from the rare-earth alloy brazing material is highly active, the rare-earth alloy brazing material in the liquid phase or in the solid-liquid coexistence state exhibits good wettability to the sintered magnet and exhibits a diffusion phenomenon. Put out. In addition, the rare earth alloy brazing material exhibits good diffusibility to members to be joined of various materials even in a solid state under heating. By using such a rare earth alloy brazing material, the sintered magnet and the back yoke can be firmly brazed at a relatively low temperature. Further, the rare earth alloy containing Cu becomes amorphous, for example, by applying a liquid quenching method, and the formability into a thin plate and the press punching workability are improved. Therefore, it is more preferable to use a rare earth amorphous alloy brazing material. is there.
[0013]
In the present invention, the joint between the sintered magnet and the back yoke only needs to be brazed, and the joining means between the back yoke and the rotor core is arbitrary. For example, by fitting and sintering the compacts of the back yoke and the rotor core, the powder on the joining surface can be melted and joined. Further, the back yoke and the rotor core can be brazed or bolted together. In addition, shrink fitting, cold fitting, welding, and the like are also applicable.
[0014]
The rotor core desirably includes a central portion made of low-carbon steel having a carbon content of 0.2 to 0.5% by mass, and an outer peripheral portion made of a pure iron material fixed to the outer periphery of the central portion. With this configuration, the magnetic properties are improved by the outer peripheral portion, and the strength is improved by the central portion. The above-described method of joining the rotor core and the back yoke can be applied for joining the central portion and the outer peripheral portion. For example, the green compacts at the central portion and the outer peripheral portion can be joined to each other by fitting and sintering.
[0015]
The brazing of the sintered magnet and the back yoke can be partially performed at one or more locations. By performing such brazing, the thermal expansion of the back yoke does not significantly affect the sintered magnets, and the thermal stress acting on them can be further reduced. Either the joining of the back yoke and the rotor core or the brazing of the sintered magnet and the back yoke may be performed first, and the back yoke may be previously brazed to the sintered magnet and then brazed to the rotor core. .
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 is a view of a rotor device according to an embodiment of the present invention as viewed from an axial direction. In FIG. 1, reference numeral 1 denotes a central portion, 2 denotes an outer peripheral portion, and the central portion 1 and the outer peripheral portion 2 form a rotor core. The central portion 1 is a sintered metal made of low carbon steel such as S45C, for example, and the outer peripheral portion is a sintered metal made of pure iron. A back yoke 3 is fixed to the outer periphery of the outer peripheral portion 2. The back yoke 3 is a sintered metal composed of 29% by mass of Ni, 17% by mass of Co, and the balance of Fe, and has a Young's modulus of 500 to 3300 kgf / mm 2 and a linear expansion coefficient of 6.0 × 10 −6 /. It is below ° C. On the outer periphery of the back yoke 3, a plurality of recesses 3a are formed at regular intervals in the circumferential direction, and the rare-earth magnet 5 is brazed to the recess 3a by a brazing material 4. Such a rotor device is generally called SPM (Surface Permanent Magnet).
[0017]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. In this example, a sintered magnet was brazed to a plate imitating a back yoke, and the influence of thermal stress on both was investigated.
[0018]
A Kovar alloy powder having a composition of Ni: 29% by mass, Co: 17% by mass, and the balance: Fe is formed at a pressure of 500 MPa, and the formed green compact is sintered at 710 ° C. for 60 minutes to obtain a vertical length of 33%. A plate having dimensions of 0.2 mm, 33.2 mm in width, and 1 mm in thickness was prepared. The linear expansion coefficient of this plate was 6.0 × 10 −6 / ° C., the Young's modulus was 1000 kgf / mm 2 , and the bending strength was 2.3 to 3.58 kgf / mm 2 . An amorphous alloy brazing material (Nd 70 -Al 25 -Cu 5 , linear expansion coefficient: 6.24 × 10 −6 / ° C.) having a length of 15 mm, a length of 31 mm, and a thickness of 0.1 mm is superimposed on this plate. Then, a rare earth amorphous magnet processed and etched to a length of 41 mm, a width of 35 mm and a thickness of 6 mm was superposed (see FIG. 3A).
[0019]
Next, the above-mentioned laminate was charged into a vacuum furnace, and the inside of the laminate was evacuated to 10 −4 torr. Before the evacuation, the inside of the vacuum furnace was kept at 1000 ° C. for 5 hours to release impurities adhering to the inner wall to prevent oxidation of the brazing material. Next, the heating rate of the vacuum furnace was set, and as shown in FIG. 2, the temperature in the furnace was raised to 520 ° C. in 60 minutes, and was maintained at that temperature for 50 minutes. By appropriately setting and gradually cooling, the temperature in the furnace was lowered according to the temperature reduction curve shown in FIG.
[0020]
FIG. 3B is a photomicrograph of a cross section of the embodiment in which the plate 3 and the rare-earth amorphous magnet 5 are joined to each other with the brazing material 4 as described above. In the process of lowering the temperature in the vacuum furnace, thermal stress occurs due to the difference in linear expansion coefficient between the plate 3 and the rare-earth amorphous magnet 5. However, since the linear expansion coefficient of the plate 3 is close to the linear expansion coefficient of the rare-earth amorphous magnet 5, Since the stress was small and the Young's modulus of the plate 3 was small, the thermal stress was greatly relaxed. As a result, no crack was observed near the interface of the rare earth amorphous magnet 5.
[0021]
Next, using a Kovar alloy powder having the above composition, compacting into the above-mentioned shape at a compacting pressure of 300, 500, and 750 MPa, and changing the sintering temperature for a sample having a porosity of 30, 20, and 10%. Sintering was performed to prepare a sample in which the coefficient of linear expansion was kept constant and the Young's modulus was changed. After brazing using these samples under the same conditions as described above, the results of observation of the bonding surface are shown in Table 1 and FIG. Regarding the state of the joint surface, the sample was recorded as "O" for no cracks, and "X" for the sample with cracks.
[0022]
As can be seen from Table 1 and FIG. 5, cracks were not observed at all at the joint surface in samples having a Young's modulus of 3300 kgf / mm 2 or less, but in samples having a Young's modulus exceeding 3300 kgf / mm 2 , FIG. As shown in (1), since the Young's modulus of the plate was large, cracks occurred near the interface of the rare-earth amorphous magnet 5 due to the thermal stress generated in the process of lowering the temperature in the vacuum furnace. When the other cross section of the sample was observed, cracks were found in the brazing material 4 as shown in FIG. 4 (B). From the above, it was confirmed that when the Young's modulus of the plate was 3300 kgf / mm 2 or less, there was an effect of relaxing thermal stress.
[0023]
[Table 1]
[0024]
Further, a sample having a porosity of 20% by compacting into the above shape at a molding pressure of 500 MPa while changing the composition of Kovar powder was sintered at a sintering temperature of 720 ° C., and a Young's modulus was about 2150 kgf / mm 2. , And a sample in which the coefficient of linear expansion was changed was prepared. Table 2 shows the results of observation of the joint surface after brazing using these samples under the same conditions as described above.
[0025]
As can be seen from Table 2, no crack was observed at the joint surface in the sample having a linear expansion coefficient of 6.0 × 10 −6 / ° C. or less, but the linear expansion coefficient exceeded 6.0 × 10 −6 / ° C. Since the sample had a large coefficient of linear expansion of the plate, cracks occurred near the interface of the rare-earth amorphous magnet 5 and in the brazing material due to thermal stress generated during the process of lowering the temperature in the vacuum furnace. From the above, it was confirmed that when the linear expansion coefficient of the plate was 6.0 or less, there was an effect of relaxing thermal stress.
[0026]
[Table 2]
[0027]
FIG. 6 is a graph showing the number of rotations of the rotor of the motor and the required tensile strength. Rpm required for the rotor of the motor used in the hybrid vehicle which combines an electric vehicle or an internal combustion engine motor is 6000 rpm, the rotor is to ensure the fixation of the magnet in the rotational speed of 0.14kgf / mm 2 Tensile strength is required. In this regard, since the bending strength of the plate of this embodiment is 2.3 to 3.58 kgf / mm 2 , and one third of this value is the tensile strength, it is possible to achieve a rotation speed of 13750 rpm or more in calculation. Become.
[0028]
【The invention's effect】
As described above, in the present invention, not only the magnetic loss is small and the thermal stress generated between the sintered magnet and the rotor core can be reduced, but also the sintered magnet having a large joint area can be reduced. Can achieve the same effect.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view of a rotor device according to an embodiment of the present invention as viewed from an axial direction.
FIG. 2 is a graph showing a temperature curve when brazing a rare-earth magnet device in an example of an example of the present invention.
FIG. 3 is a micrograph showing a cross section of a rotor device according to an example of the present invention.
FIG. 4 is a micrograph showing a cross section of a rotor device of a comparative example.
FIG. 5 is a diagram showing a relationship between a sintering temperature and a Young's modulus of each sample in an example.
FIG. 6 is a graph showing the number of rotations of the rotor and the required tensile strength.
[Explanation of symbols]
1 center part (rotor core)
2 Outer part (rotor core)
3 Back yoke 4 Brazing material 5 Sintered magnet