JP2004039457A - 電子ビーム生成装置、電子ビーム露光装置、及び電子ビーム制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の電子源が発生する電子ビームを精度よく制御する電子ビーム生成装置を提供する。
【解決手段】電子ビームを生成する電子ビーム生成装置であって、熱電子を発生するカソードと、カソードに電流を供給する電流供給部と、カソードの温度を測定する温度測定部と、温度測定部が測定したカソードの温度に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御する電流制御部と、温度測定部が測定したカソードの温度を示す情報を表示する表示部とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】電子ビームを生成する電子ビーム生成装置であって、熱電子を発生するカソードと、カソードに電流を供給する電流供給部と、カソードの温度を測定する温度測定部と、温度測定部が測定したカソードの温度に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御する電流制御部と、温度測定部が測定したカソードの温度を示す情報を表示する表示部とを備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビーム生成装置、電子ビーム露光装置、及び電子ビーム制御方法に関する。特に本発明は、複数の電子ビームを精度よく放出し、複数の電子ビームにより精度よくウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの微細化が急速に進んでおり、半導体デバイスに含まれる配線等を形成するためのパターンを露光する露光装置は、高い露光精度かつ高いスループットが要求されている。このようなパターンを露光する露光装置として、複数の電子ビームを用いて露光処理を行う電子ビーム露光装置の量産デバイスへの実用化が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数の電子ビームを用いて露光処理を行う電子ビーム露光装置において、複数の電子ビームをそれぞれ発生する複数の電子銃の固体ばらつきにより、複数の電子銃が複数の電子ビームを均一に発生することが困難である。そのため、ウェハに所望のパターンを露光できないという問題が生じている。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる電子ビーム生成装置、電子ビーム露光装置、及び電子ビーム制御方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、電子ビームを生成する電子ビーム生成装置であって、熱電子を発生するカソードと、カソードに電流を供給する電流供給部と、カソードの温度を測定する温度測定部と、温度測定部が測定したカソードの温度に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御する電流制御部とを備える。温度測定部は、熱電対によりカソードの温度を測定してもよい。
【0006】
カソードは、当該カソードの一端から熱電子を発生し、熱電対は、カソードの他端に先端が接触するように設けられてもよい。電流供給部がカソードに供給した電流を示す情報を格納する電流情報格納部をさらに備えてもよい。
【0007】
複数のカソードと、複数のカソードに電流をそれぞれ供給する複数の電流供給部と、複数のカソードの温度をそれぞれ測定する複数の温度測定部とを備え、電流制御部は、複数の温度測定部がそれぞれ測定した複数のカソードの温度に基づいて、複数の電流供給部が複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御してもよい。
【0008】
電流制御部は、複数のカソードの温度が略等しくなるように、複数の電流供給部が複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御してもよい。
【0009】
複数のカソードと、複数のカソードを保持する保持部と、複数のカソードに電流をそれぞれ供給する複数の電流供給部とを備え、電流制御部は、保持部におけるカソードの位置に基づいて、複数の電流供給部が複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御してもよい。
【0010】
電流制御部は、保持部において複数のカソードが設けられる領域の中心からの距離に基づいて、複数の電流供給部が複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御してもよい。
【0011】
電流制御部は、複数のカソードが設けられる領域の中央付近に設けられたカソードより、周辺付近に設けられたカソードに対して大きい電流が供給されるように、複数の電流供給部が複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御してもよい。
【0012】
温度測定部が測定したカソードの温度を示す情報を表示する表示部をさらに備えてもよい。複数のカソードと、複数のカソードの温度をそれぞれ測定する複数の温度測定部とを備え、表示部は、複数の温度測定部がそれぞれ測定した複数のカソードの温度を示す情報を表示してもよい。
【0013】
本発明の第2の形態によると、電子ビームを生成する電子ビーム生成装置であって、熱電子を発生させるカソードと、カソードに電流を供給する電流供給部と、カソードにおける電圧降下を測定する電圧測定部と、電圧測定部が測定したカソードの電圧降下に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御する電流制御部とを備える。
【0014】
電圧測定部が測定したカソードの電圧降下と、電流供給部がカソードに供給する電流とに基づいて、カソードの抵抗を算出する抵抗算出部をさらに備え、電流制御部は、抵抗算出部が算出したカソードの抵抗に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御してもよい。
【0015】
カソードの温度を示す情報と、温度におけるカソードの抵抗を示す情報とを対応づけて格納する温度情報格納部をさらに備え、電流制御部は、抵抗算出部が算出したカソードの抵抗に対応づけて温度情報格納部に格納されるカソードの温度に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御してもよい。
【0016】
本発明の第3の形態によると、電子ビームによりウェハを露光する電子ビーム露光装置であって、熱電子を発生するカソードと、カソードに電流を供給する電流供給部と、カソードの温度を測定する温度測定部と、温度測定部が測定したカソードの温度に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御する電流制御部とを備える。
【0017】
本発明の第4の形態によると、電子ビームによりウェハを露光する電子ビーム露光装置であって、熱電子を発生させるカソードと、カソードに電流を供給する電流供給部と、カソードにおける電圧降下を測定する電圧測定部と、電圧測定部が測定したカソードの電圧降下に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御する電流制御部とを備える。
【0018】
本発明の第5の形態によると、電子ビームを生成する電子ビーム生成装置において電子ビームを制御する電子ビーム制御方法であって、熱電子を発生するカソードの温度を測定する段階と、測定したカソードの温度に基づいて、カソードに供給する電流を制御する段階とを備える。
【0019】
本発明の第6の形態によると、電子ビームを生成する電子ビーム生成装置において電子ビームを制御する電子ビーム制御方法であって、熱電子を発生するカソードの電圧降下を測定する段階と、測定したカソードの電圧降下に基づいて、カソードに供給する電流を制御する段階とを備える。
【0020】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子ビーム露光装置10の構成の一例を示す。電子ビーム露光装置10は、電子ビームにより、ウェハ146に所定の露光処理を施すための露光系100と、露光系100の各構成の動作を制御する制御系200と、ユーザインタフェース部500とを備える。なお、図中の一点鎖線は、電子ビームの光軸Aを示す。
【0023】
露光系100は、筐体102内部に、電子ビームを発生する複数の電子銃110と、複数の電子ビームのクロスオーバをそれぞれ縮小して集束する照射電子光学系116と、複数の電子ビームをそれぞれ分割する複数の補正電子光学系118と、複数の電子ビームの断面をそれぞれ縮小して集束する複数の第1電磁レンズ系124と、複数の電子ビームの断面をそれぞれ縮小して集束する第2電磁レンズ系130と、ウェハ146における電子ビームを照射すべき位置に複数の電子ビームをそれぞれ偏向する複数の偏向系142と、ウェハ146の表面においてマークに照射された電子ビームの反射電子を検出する反射電子検出部144と、ウェハ146が載置されるウェハステージ148とを備える。
【0024】
電子銃110は、後述するカソード、グリッド、及びアノードを有する。カソードから放出された電子ビームは、グリッドとアノードとの間でクロスオーバ像を形成する。グリッドに印加する電圧を変化させることによりクロスオーバ像の大きさを変化させる。
【0025】
照射電子光学系116は、第1多軸電磁レンズ112及び第2多軸電磁レンズ114を有する。第1多軸電磁レンズ112及び第2多軸電磁レンズ114は、複数の電子ビームのそれぞれが通過する複数のレンズ開口部を有する。複数の電子ビームのそれぞれが通過する複数のレンズ開口部を有する。そして、照射電子光学系116は、第1多軸電磁レンズ112及び第2多軸電磁レンズ114により、複数の電子銃110がそれぞれ発生した複数の電子ビームをそれぞれ縮小して集束する。即ち、照射電子光学系116は、複数の補正電子光学系118のそれぞれにおける所望の領域に複数の電子ビームをそれぞれ入射する。
【0026】
補正電子光学系118は、アパーチャアレイ、静電レンズアレイ、マルチ偏向電極、ブランカアレイ、ストッパアレイを有する。アパーチャアレイは、基板に電子ビームの断面形状を規定する複数の開口部が形成されており、補正電子光学系118に入射された電子ビームを複数に分割する。マルチ偏向電極は、複数の偏向電極を有し、アパーチャで分割された複数の電子ビームのそれぞれを偏向する。マルチ偏向電極は、複数の電子ビームのそれぞれを偏向することにより、複数の電子ビームのピッチ等を補正する。静電レンズアレイは、複数の静電レンズを有し、ブランカアレイを通過した複数の電子ビームのそれぞれを集束する。静電レンズアレイは、複数の電子ビームのそれぞれを独立に集束し、複数の電子ビームのそれぞれの焦点位置を調整することにより、第1電磁レンズ系124及び/又は第2電磁レンズ系130による歪曲収差を補正する。ブランカアレイは、複数の個別偏向器を有し、アパーチャアレイで分割された複数の電子ビームをそれぞれ偏向する。ストッパアレイは、基板に複数の開口部が形成されており、ブランカアレイによって偏向された電子ビームを遮断する。即ち、ブランカアレイによって偏向された電子ビームは、ストッパアレイ308を通過せず、ウェハ146への入射が遮断される。また、ブランカアレイによって偏向されなかった電子ビームは、ストッパアレイを通過し、ウェハ146へ入射される。
【0027】
第1電磁レンズ系124は、第3多軸電磁レンズ120及び第4多軸電磁レンズ122を有する。第3多軸電磁レンズ120及び第4多軸電磁レンズ122は、複数の電子ビームがそれぞれ通過する複数のレンズ開口部を有する。第1電磁レンズ系124は、第3多軸電磁レンズ120と第4多軸電磁レンズ122とが光軸Aの方向に並んで設けられたダブレットである。言い換えると、第1電磁レンズ系124は、第3多軸電磁レンズ120の複数のレンズ開口部と、第4多軸電磁レンズ122の複数のレンズ開口部とによって構成された複数のダブレットを有する。
【0028】
第2電磁レンズ系130は、第5多軸電磁レンズ126及び第6多軸電磁レンズ128を有する。第5多軸電磁レンズ126及び第6多軸電磁レンズ128は、複数の電子ビームがそれぞれ通過する複数のレンズ開口部を有する。第2電磁レンズ系130は、第5多軸電磁レンズ126と第6多軸電磁レンズ128とが光軸Aの方向に並んで設けられたダブレットである。言い換えると、第2電磁レンズ系130は、第5多軸電磁レンズ126の複数のレンズ開口部と、第6多軸電磁レンズ128の複数のレンズ開口部とによって構成された複数のダブレットを有する。
【0029】
偏向系142は、補正偏向器136と、主偏向器138と、副偏向器140とを有する。主偏向器138は、1ショットの電子ビームで照射可能な領域(ショット領域)を複数含むサブフィールド間で電子ビームを偏向するために用いられる。また、副偏向器140は、主偏向器138よりも偏向量が小さく、サブフィールドにおけるショット領域間の偏向のために用いられる。補正偏向器136は、電子ビームの非点補正及び焦点補正を行う。
【0030】
制御系200は、統括制御部202及び個別制御部204を備える。統括制御部202は、例えばワークステーションであって、個別制御部204が有する各制御部を統括的に管理する。個別制御部204は、電子ビーム制御部205と、照射電子光学系制御部206と、補正電子光学系制御部208と、電磁レンズ系制御部212、偏向系制御部216と、反射電子処理部218と、ウェハステージ制御部220とを有する。
【0031】
電子ビーム制御部205は、複数の電子銃110を制御する。具体的には、電子ビーム制御部205は、電子銃110のカソードを加熱するためにカソードに供給する電流、カソードに印加する電圧、及びグリッドに印加する電圧を調整し、電子銃110が発生する電子ビームを制御する。電子ビーム制御部205は、複数の電子銃110を個別に調整することにより、複数の電子銃110が発生する複数の電子ビームを均一に制御する。
【0032】
照射電子光学系制御部206は、照射電子光学系116が有する第1多軸電磁レンズ112及び第2多軸電磁レンズ114に供給する電力を制御する。照射電子光学系制御部206は、第1多軸電磁レンズ112及び第2多軸電磁レンズ114のそれぞれに供給する電力を個別に調整することにより、補正電子光学系118において結像される複数の電子ビームの断面をそれぞれ拡大し、さらに複数の電子ビームを複数の補正電子光学系118に対してそれぞれ入射させる。
【0033】
補正電子光学系制御部208は、アパーチャアレイ、マルチ偏向器、静電レンズアレイ、ブランカアレイ、及びストッパアレイを有する複数の補正電子光学系118を制御する。具体的には、補正電子光学系制御部208は、マルチ偏向器が有する複数の偏向電極のそれぞれに印加する電圧を制御する。また、補正電子光学系制御部208は、ブランカアレイが有する複数のブランキング電極のそれぞれに印加する電圧を制御する。また、補正電子光学系制御部208は、静電レンズアレイの複数の電磁レンズのそれぞれに供給する電力を制御する。
【0034】
電磁レンズ系制御部212は、第1多軸電磁レンズ112、第2多軸電磁レンズ114、第3多軸電磁レンズ120、第4多軸電磁レンズ122、第5多軸電磁レンズ126、及び第6多軸電磁レンズ128に供給する電力を制御する。具体的には、電磁レンズ系制御部212は、第3多軸電磁レンズ120と第4多軸電磁レンズ122とがダブレットを構成するように、第3多軸電磁レンズ120のコイル及び第4多軸電磁レンズ122のコイルに供給する電流量を調整する。また、電磁レンズ系制御部212は、第5多軸電磁レンズ126と第6多軸電磁レンズ128とがダブレットを構成するように、第5多軸電磁レンズ126のコイル及び第6多軸電磁レンズ128のコイルに供給する電流量を調整する。
【0035】
偏向系制御部216は、複数の主偏向器138、及び複数の副偏向器140のそれぞれによる複数の電子ビームの偏向量をそれぞれ制御する。また、偏向系制御部216は、補正偏向器136が電子ビームの非点補正を行うように、補正偏向器136に印可する電圧を制御してもよい。また、偏向系制御部216は、補正偏向器136が電子ビームの焦点補正を行うように、補正主偏向器136に印可する電圧を制御してもよい。
【0036】
反射電子処理部218は、反射電子検出部144により検出された電気信号に信号処理を施し、統括制御部202に通知する。ウェハステージ制御部220は、ウェハステージ148を所望の位置に移動させる。
【0037】
以下、図1を参照して、本実施形態に係る電子ビーム露光装置10の動作について説明する。まず、電子ビーム制御部205は、複数の電子銃110が発生する電子ビームが均一になるように、複数の電子銃110をそれぞれ制御する。
【0038】
ウェハステージ148には、露光処理が施されるウェハ146が載置される。ウェハステージ制御部220は、ウェハステージ148を移動させて、ウェハ146の露光されるべき領域が光軸A近傍に位置するようにする。また、電子銃110は、露光処理中において常に電子ビームを照射するので、露光開始前において、電子ビームがウェハ146に照射されないように、補正電子光学系118のブランカアレイが電子ビームを偏向する。
【0039】
照射電子光学系制御部206は、複数の電子ビームが補正電子光学系118の所望の領域にそれぞれ略垂直に入射されるように、第1多軸電磁レンズ112及び第2多軸電磁レンズ114を調整する。補正電子光学系制御部208は、分割された複数の電子ビームのそれぞれが所望の結像条件になるように、複数の補正電子光学系118がそれぞれ有する静電レンズアレイ306の複数の静電レンズを調整する。電磁レンズ系制御部212は、複数の電子ビームのそれぞれがウェハ146において所望の向きかつ所望の大きさの断面形状を持つように、第1多軸電磁レンズ120、第2多軸電磁レンズ122、第3多軸電磁レンズ126、及び第4多軸電磁レンズ128を調整する。偏向系制御部216は、ウェハ146の所望の領域に複数の電子ビームが照射されるように、複数の補正偏向器136、複数の主偏向器138、及び複数の副偏向器140をそれぞれ調整する。
【0040】
照射電子光学系116、補正電子光学系118、第1電磁レンズ系124、第2電磁レンズ系130、及び複数の偏向系142が調整された後、複数の補正電子光学系118のブランカアレイによる電子ビームの偏向をそれぞれ停止する。これにより、以下に示すように、複数の電子ビームはウェハ146に照射される。
【0041】
まず、照射電子光学系116は、複数の電子銃110がそれぞれ発生した複数の電子ビームの断面をそれぞれ縮小し、焦点位置を複数の補正電子光学系118にそれぞれ調整して、複数の補正電子光学系118の所定の領域にそれぞれ略垂直に照射させる。そして、複数の補正電子光学系118において、アパーチャアレイは、電子ビームを複数に分割する。そして、マルチ偏向電極は、複数の偏向電極のそれぞれに電圧が印加されることにより、複数の電子ビームを偏向する。ブランカアレイは、複数のブランキング電極のそれぞれに電圧が印加されることにより、複数の電子ビームのそれぞれをウェハ146に照射させるか否かを切り替える。ブランカアレイによって偏向されない電子ビームは、静電レンズアレイによって焦点が調整され、ストッパアレイの開口部を通過する。ブランカアレイによって偏向された電子ビームは、静電レンズアレイによって焦点が調整された後、ストッパアレイの開口部を通過できず、ストップアレイに遮断される。
【0042】
次に、第1電磁レンズ系124は、複数の補正電子光学系118をそれぞれ通過した、複数の電子ビームをそれぞれ縮小する。そして、第2電磁レンズ系130は、第1電磁レンズ系124が縮小した複数の電子ビームをそれぞれ縮小し、ウェハ146に焦点が合うように調整する。また、偏向系142は、補正偏向器136、主偏向器138、及び副偏向器140により電子ビームがウェハ146上の所定のショット領域に照射されるように偏向する。そして、複数の電子ビームは、ウェハ146にそれぞれ照射され、ウェハ146上の所定のショット領域にアパーチャアレイの開口部のパターン像が転写される。以上のプロセスにより、ウェハ146上の所定のショット領域に、電子銃110のクロスオーバ像の縮小像のパターンが露光される。
【0043】
なお、本実施形態に係る電子ビーム露光装置10は、可変矩形を用いた電子ビーム露光装置であってもよい。本実施形態に係る電子ビーム露光装置10は、本発明に係る電子ビーム生成装置の一例である。また、本発明に係る電子ビーム生成装置は、電子ビーム露光装置の他、電子顕微鏡、電子ビームテスタ等であってもよい。本発明の電子ビーム生成装置は、本実施形態に係る電子銃110及び電子ビーム制御部205で構成されてもよい。
【0044】
図2は、本実施形態に係る電子銃110、電子ビーム制御部205、及びユーザインタフェース部500の構成の一例を示す。電子銃110は、熱電子を発生するカソード308と、カソード308から電子を引き出すグリッド310と、カソード308をジュール熱により加熱するグラッシカーボン312と、カソード308及びグラッシカーボン312に電流を伝達する加熱用電極304と、カソード308を支持する支持部306と、カソード308温度を測定するための熱電対302と、カソード308及びグリッド310が設けられた碍子300とを有する。熱電対302は、カソード308が熱電子を発生する一端の他端に、先端が接触するように設けられることが好ましく、加熱用電極304は、カソード308の一端と他端の間の側面に設けられることが好ましい。なお、本実施形態に係る碍子300は、本発明の保持部の一例である。
【0045】
電子ビーム制御部205は、カソード308に電流を供給する電流供給部400と、カソード308の温度を測定する温度測定部402と、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する電流制御部404と、電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納する電流情報格納部406とを有する。
【0046】
温度測定部402は、カソード308と一体的に設けられた熱電対302によりカソード308の温度を測定する。電流制御部404は、温度測定部402が測定したカソード308の温度に基づいて、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する。温度測定部402がカソード308の温度を測定し、電流制御部404がカソード308に供給される電流を制御する工程を複数回繰り返すことにより、電流制御部404は、カソード308が所定の温度に保たれる電流を決定する。そして、電流供給部400は、露光処理中、電流制御部404が決定した電流をカソード308に供給する。また、露光処理中に、温度測定部402がカソード308の温度を測定し、電流制御部404がカソード308に供給される電流を制御する工程を複数回繰り返し行ってもよい。
【0047】
電流情報格納部406は、電流制御部404が決定して電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納する。そして、電子銃110の電源をオフにした後、再度電源をオンにする場合に、電流制御部404は、電流情報格納部406が格納する電流を示す情報に基づいて、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する。カソード308に供給すべき電流を示す情報を格納することにより、電子銃110の調整に要する時間を軽減することができる。また、電流情報格納部406は、電子銃100の調整を行う度に電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納し、時系列で管理してもよい。カソード308に供給する電流を示す情報を時系列で管理することにより、電子銃110の交換時期を把握するための管理情報として活用することができる。
【0048】
ユーザインタフェース部500は、温度測定部402が測定したカソード308の温度を示す情報を表示する表示する表示部510と、カソード308の温度と所定温度との差分が大きい場合にその旨をユーザに通知する通知部520とを有する。例えば、通知部520は、カソード308の温度が所定温度よりも高いこと、又はカソード308の温度が所定温度よりも低いことを音によりユーザに通知してもよい。
【0049】
図3は、本実施形態に係る複数の電子銃110、電子ビーム制御部205、及びユーザインタフェース部500の構成の一例を示す。電子ビーム露光装置10は、図2に示した電子銃110を複数備え、電子ビーム制御部205は、複数の電子銃110を制御する。電子ビーム制御部205は、複数の電子銃110がそれぞれ有する複数のカソード308にそれぞれ電流を供給する複数の電流供給部400と、複数のカソードの温度をそれぞれ測定する複数の温度測定部402とを有する。
【0050】
電流制御部404は、複数の温度測定部402がそれぞれ測定した複数のカソード308の温度に基づいて、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御する。電流制御部404は、複数のカソード308の温度が略等しくなるように、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御する。
【0051】
また、電流制御部404は、碍子300におけるカソード308の位置(電子銃110の位置)に基づいて、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御してもよい。例えば、電流制御部404は、碍子300において複数のカソードが設けられる領域(複数の電子銃110が設けられる領域)の中心からの距離に基づいて、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御する。具体的には、電流制御部404は、碍子300において複数のカソード308が設けられる領域(複数の電子銃110が設けられる領域)の中央付近に設けられたカソード308より、周辺付近に設けられたカソード308に対して大きい電流が供給されるように、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御する。
【0052】
電流情報格納部406は、電流制御部404が決定して、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を示す情報を格納する。そして、複数の電子銃110の電源をオフにした後、再度電源をオンにする場合に、電流制御部404は、電流情報格納部406が格納する電流を示す情報に基づいて、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御する。複数のカソード308に供給すべき電流を示す情報を格納することにより、複数の電子銃110の調整に要する時間を軽減することができる。
【0053】
また、表示部510は、複数の温度測定部402がそれぞれ測定した複数のカソード308の温度を示す情報を表示する表示する。また、表示部510は、複数のカソード308の温度分布を表示してもよい。また、通知部520は、複数のカソード308の温度分布が均一でないことをユーザに通知してもよい。即ち、通知部520は、所定のカソード308と他のカソード308との温度差が所定値よりも大きいことをユーザに通知してもよい。
【0054】
図4は、本実施形態に係る表示部510の表示例を示す。図4は、8個のカソード308の温度について表示する場合の表示例を示す。図4(a)に示すように、表示部510は、複数のカソード308のそれぞれの温度を表示する。表示部510が複数のカソード308のそれぞれの温度を表示することにより、ユーザは、視覚的に複数のカソード308の温度及び温度分布を判断することができる。
【0055】
また、図4(b)に示すように、表示部510は、所定期間経過前後におけるカソード308の温度の差分を表示してもよい。さらに、表示部510は、所定期間経過前後におけるカソード308の温度の差分が所定値より大きい場合、図4(b)においてハッチングで示すように、当該カソード308の温度の差分を色換え表示してもよい。
【0056】
本実施形態の電子ビーム露光装置10によれば、複数のカソード308の温度を直接測定し、複数のカソード308の温度ばらつきを低減させることにより、複数の電子銃110から放出される電子の量を均一にすることができる。したがって、本実施形態の電子ビーム露光装置10によれば、複数の電子銃110が複数の電子ビームを均一に発生するので、複数の電子ビームにより精度よくウェハにパターンを露光することができる。
【0057】
図5は、本実施形態に係る電子ビーム制御方法のフローの一例を示す。まず、電流供給部400は、電流制御部404の制御に基づいて、カソード308にそれぞれ電流を供給する(S100)。そして、温度測定部402は、カソード308の温度を測定する(S102)。そして、電流制御部404は、カソード308が所望の温度に維持されているか否かを判断する(S104)。
【0058】
S104においてカソード308が所望の温度に維持されていないと判断した場合、電流制御部404は、温度測定部402が測定したカソード308の温度に基づいて、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する(S106)。そして、温度測定部402は、カソード308の温度を再度測定する(S102)。そして、電流制御部404は、カソード308が所望の温度に維持されているか否かを再度判断する(S104)。
【0059】
S104においてカソード308が所望の温度に維持されていると判断した場合、電流情報格納部406は、カソード308が所望の温度に維持されているときに電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納する(S108)。そして、以上の電子ビームの制御が終了した後、露光処理が開始される(S110)。そして、所定の露光処理が完了し、露光処理が停止される(S112)。
【0060】
次に、再度電子ビームの調整処理を行う場合、電流制御部404は、電流情報格納部406に格納された電流を示す情報に基づいて、電流供給部400を制御する。そして、電流供給部400は、電流制御部400の制御に基づいて、カソード308に電流を供給する(S114)。そして、上述したようにS102からS112を行う。以上で本実施形態に係る電子ビーム制御方法のフローを終了する。
【0061】
本実施形態に係る電子ビーム制御方法によれば、電流情報格納部406が格納する電流を示す情報に基づいて、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御ことにより、電子銃110の調整に要する時間を軽減することができる。
【0062】
図6は、本実施形態に係る電子銃110及び電子ビーム制御部205の構成の他の例を示す。電子銃110は、熱電子を発生するカソード308と、カソード308から電子を引き出すグリッド310と、カソード308をジュール熱により加熱するグラッシカーボン312と、カソード308及びグラッシカーボン312に電流を伝達する加熱用電極304と、カソード308を支持する支持部306と、カソード308及びグリッド310が設けられた碍子300とを有する。
【0063】
電子ビーム制御部205は、カソード308に電流を供給する電流供給部400と、電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納する電流情報格納部406と、カソード308における電圧降下を測定する電圧測定部408と、カソード308の抵抗を算出する抵抗算出部410と、カソード308の温度を示す情報と抵抗を示す情報とを対応づけて格納する温度情報格納部412と、電圧測定部408が測定したカソード308の電圧降下に基づいて、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する電流制御部404とを有する。
【0064】
電圧測定部408は、カソード308の電圧降下を測定する。そして、抵抗算出部410は、電圧測定部408が測定したカソード308の電圧降下と、電流供給部400がカソード308に供給する電流とに基づいて、カソード308の抵抗を算出する。そして、電流制御部404は、抵抗算出部410が算出したカソード308の抵抗に対応づけて温度情報格納部412に格納されるカソード308の温度に基づいて、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する。
【0065】
電圧測定部408がカソード308の電圧降下を測定し、電流制御部404がカソード308に供給される電流を制御する工程を複数回繰り返すことにより、電流制御部404は、カソード308が所定の温度に保たれる電流を決定する。そして、電流供給部400は、露光処理中、電流制御部404が決定した電流をカソード308に供給する。また、露光処理中に、電圧測定部408がカソード308の電圧降下を測定し、電流制御部404がカソード308に供給される電流を制御する工程を複数回繰り返し行ってもよい。
【0066】
電流情報格納部406は、電流制御部404が決定して電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納する。そして、電子銃110の電源をオフにした後、再度電源をオンにする場合に、電流制御部404は、電流情報格納部406が格納する電流を示す情報に基づいて、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する。カソード308に供給すべき電流を示す情報を格納することにより、電子銃110の調整に要する時間を軽減することができる。また、電流情報格納部406は、電子銃100の調整を行う度に電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納し、時系列で管理してもよい。カソード308に供給する電流を示す情報を時系列で管理することにより、電子銃110の交換時期を把握するための管理情報として活用することができる。
【0067】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0068】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、複数の電子ビームを精度よく放出し、複数の電子ビームにより精度よくウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子ビーム露光装置10の構成図である。
【図2】本実施形態に係る電子銃110、電子ビーム制御部205、及びユーザインタフェース部500の構成図である。
【図3】本実施形態に係る複数の電子銃110、電子ビーム制御部205、及びユーザインタフェース部500の構成図である。
【図4】(a)は、本実施形態に係る表示部510の表示例を示す図である。(b)は、本実施形態に係る表示部510の表示例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る電子ビーム制御方法のフローである。
【図6】本実施形態に係る電子銃110及び電子ビーム制御部205の構成図である。
【符号の説明】
10・・・電子ビーム露光装置、100・・・露光系、102・・・筐体、110・・・電子銃、112・・・第1多軸電磁レンズ、114・・・第2多軸電磁レンズ、116・・・照射電子光学系、118・・・補正電子光学系、120・・・第3多軸電磁レンズ、122・・・第4多軸電磁レンズ、124・・・第1電磁レンズ系、126・・・第5多軸電磁レンズ、128・・・第6多軸電磁レンズ、130・・・第2電磁レンズ系、136・・・補正偏向器、138・・・主偏向器、140・・・副主偏向器、142・・・偏向系、144・・・反射電子検出部、146・・・ウェハ、148・・・ウェハステージ、200・・・制御系、202・・・統括制御部、204・・・個別制御部、205・・・電子ビーム制御部、206・・・照射電子光学系制御部、208・・・補正電子光学系制御部、212・・・電磁レンズ系制御部、216・・・偏向系制御部、218・・・反射電子処理部、220・・・ウェハステージ制御部、300・・・碍子、302・・・熱電対、304・・・加熱用電極、306・・・支持部、308・・・カソード、310・・・グリッド、312・・・グラッシカーボン、400・・・電流供給部、402・・・温度測定部、404・・・電流制御部、406・・・電流情報格納部、408・・・電圧測定部、410・・・抵抗算出部、412・・・温度情報格納部、500・・・ユーザインタフェース部、510・・・表示部、520・・・通知部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビーム生成装置、電子ビーム露光装置、及び電子ビーム制御方法に関する。特に本発明は、複数の電子ビームを精度よく放出し、複数の電子ビームにより精度よくウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの微細化が急速に進んでおり、半導体デバイスに含まれる配線等を形成するためのパターンを露光する露光装置は、高い露光精度かつ高いスループットが要求されている。このようなパターンを露光する露光装置として、複数の電子ビームを用いて露光処理を行う電子ビーム露光装置の量産デバイスへの実用化が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数の電子ビームを用いて露光処理を行う電子ビーム露光装置において、複数の電子ビームをそれぞれ発生する複数の電子銃の固体ばらつきにより、複数の電子銃が複数の電子ビームを均一に発生することが困難である。そのため、ウェハに所望のパターンを露光できないという問題が生じている。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる電子ビーム生成装置、電子ビーム露光装置、及び電子ビーム制御方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、電子ビームを生成する電子ビーム生成装置であって、熱電子を発生するカソードと、カソードに電流を供給する電流供給部と、カソードの温度を測定する温度測定部と、温度測定部が測定したカソードの温度に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御する電流制御部とを備える。温度測定部は、熱電対によりカソードの温度を測定してもよい。
【0006】
カソードは、当該カソードの一端から熱電子を発生し、熱電対は、カソードの他端に先端が接触するように設けられてもよい。電流供給部がカソードに供給した電流を示す情報を格納する電流情報格納部をさらに備えてもよい。
【0007】
複数のカソードと、複数のカソードに電流をそれぞれ供給する複数の電流供給部と、複数のカソードの温度をそれぞれ測定する複数の温度測定部とを備え、電流制御部は、複数の温度測定部がそれぞれ測定した複数のカソードの温度に基づいて、複数の電流供給部が複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御してもよい。
【0008】
電流制御部は、複数のカソードの温度が略等しくなるように、複数の電流供給部が複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御してもよい。
【0009】
複数のカソードと、複数のカソードを保持する保持部と、複数のカソードに電流をそれぞれ供給する複数の電流供給部とを備え、電流制御部は、保持部におけるカソードの位置に基づいて、複数の電流供給部が複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御してもよい。
【0010】
電流制御部は、保持部において複数のカソードが設けられる領域の中心からの距離に基づいて、複数の電流供給部が複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御してもよい。
【0011】
電流制御部は、複数のカソードが設けられる領域の中央付近に設けられたカソードより、周辺付近に設けられたカソードに対して大きい電流が供給されるように、複数の電流供給部が複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御してもよい。
【0012】
温度測定部が測定したカソードの温度を示す情報を表示する表示部をさらに備えてもよい。複数のカソードと、複数のカソードの温度をそれぞれ測定する複数の温度測定部とを備え、表示部は、複数の温度測定部がそれぞれ測定した複数のカソードの温度を示す情報を表示してもよい。
【0013】
本発明の第2の形態によると、電子ビームを生成する電子ビーム生成装置であって、熱電子を発生させるカソードと、カソードに電流を供給する電流供給部と、カソードにおける電圧降下を測定する電圧測定部と、電圧測定部が測定したカソードの電圧降下に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御する電流制御部とを備える。
【0014】
電圧測定部が測定したカソードの電圧降下と、電流供給部がカソードに供給する電流とに基づいて、カソードの抵抗を算出する抵抗算出部をさらに備え、電流制御部は、抵抗算出部が算出したカソードの抵抗に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御してもよい。
【0015】
カソードの温度を示す情報と、温度におけるカソードの抵抗を示す情報とを対応づけて格納する温度情報格納部をさらに備え、電流制御部は、抵抗算出部が算出したカソードの抵抗に対応づけて温度情報格納部に格納されるカソードの温度に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御してもよい。
【0016】
本発明の第3の形態によると、電子ビームによりウェハを露光する電子ビーム露光装置であって、熱電子を発生するカソードと、カソードに電流を供給する電流供給部と、カソードの温度を測定する温度測定部と、温度測定部が測定したカソードの温度に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御する電流制御部とを備える。
【0017】
本発明の第4の形態によると、電子ビームによりウェハを露光する電子ビーム露光装置であって、熱電子を発生させるカソードと、カソードに電流を供給する電流供給部と、カソードにおける電圧降下を測定する電圧測定部と、電圧測定部が測定したカソードの電圧降下に基づいて、電流供給部がカソードに供給する電流を制御する電流制御部とを備える。
【0018】
本発明の第5の形態によると、電子ビームを生成する電子ビーム生成装置において電子ビームを制御する電子ビーム制御方法であって、熱電子を発生するカソードの温度を測定する段階と、測定したカソードの温度に基づいて、カソードに供給する電流を制御する段階とを備える。
【0019】
本発明の第6の形態によると、電子ビームを生成する電子ビーム生成装置において電子ビームを制御する電子ビーム制御方法であって、熱電子を発生するカソードの電圧降下を測定する段階と、測定したカソードの電圧降下に基づいて、カソードに供給する電流を制御する段階とを備える。
【0020】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子ビーム露光装置10の構成の一例を示す。電子ビーム露光装置10は、電子ビームにより、ウェハ146に所定の露光処理を施すための露光系100と、露光系100の各構成の動作を制御する制御系200と、ユーザインタフェース部500とを備える。なお、図中の一点鎖線は、電子ビームの光軸Aを示す。
【0023】
露光系100は、筐体102内部に、電子ビームを発生する複数の電子銃110と、複数の電子ビームのクロスオーバをそれぞれ縮小して集束する照射電子光学系116と、複数の電子ビームをそれぞれ分割する複数の補正電子光学系118と、複数の電子ビームの断面をそれぞれ縮小して集束する複数の第1電磁レンズ系124と、複数の電子ビームの断面をそれぞれ縮小して集束する第2電磁レンズ系130と、ウェハ146における電子ビームを照射すべき位置に複数の電子ビームをそれぞれ偏向する複数の偏向系142と、ウェハ146の表面においてマークに照射された電子ビームの反射電子を検出する反射電子検出部144と、ウェハ146が載置されるウェハステージ148とを備える。
【0024】
電子銃110は、後述するカソード、グリッド、及びアノードを有する。カソードから放出された電子ビームは、グリッドとアノードとの間でクロスオーバ像を形成する。グリッドに印加する電圧を変化させることによりクロスオーバ像の大きさを変化させる。
【0025】
照射電子光学系116は、第1多軸電磁レンズ112及び第2多軸電磁レンズ114を有する。第1多軸電磁レンズ112及び第2多軸電磁レンズ114は、複数の電子ビームのそれぞれが通過する複数のレンズ開口部を有する。複数の電子ビームのそれぞれが通過する複数のレンズ開口部を有する。そして、照射電子光学系116は、第1多軸電磁レンズ112及び第2多軸電磁レンズ114により、複数の電子銃110がそれぞれ発生した複数の電子ビームをそれぞれ縮小して集束する。即ち、照射電子光学系116は、複数の補正電子光学系118のそれぞれにおける所望の領域に複数の電子ビームをそれぞれ入射する。
【0026】
補正電子光学系118は、アパーチャアレイ、静電レンズアレイ、マルチ偏向電極、ブランカアレイ、ストッパアレイを有する。アパーチャアレイは、基板に電子ビームの断面形状を規定する複数の開口部が形成されており、補正電子光学系118に入射された電子ビームを複数に分割する。マルチ偏向電極は、複数の偏向電極を有し、アパーチャで分割された複数の電子ビームのそれぞれを偏向する。マルチ偏向電極は、複数の電子ビームのそれぞれを偏向することにより、複数の電子ビームのピッチ等を補正する。静電レンズアレイは、複数の静電レンズを有し、ブランカアレイを通過した複数の電子ビームのそれぞれを集束する。静電レンズアレイは、複数の電子ビームのそれぞれを独立に集束し、複数の電子ビームのそれぞれの焦点位置を調整することにより、第1電磁レンズ系124及び/又は第2電磁レンズ系130による歪曲収差を補正する。ブランカアレイは、複数の個別偏向器を有し、アパーチャアレイで分割された複数の電子ビームをそれぞれ偏向する。ストッパアレイは、基板に複数の開口部が形成されており、ブランカアレイによって偏向された電子ビームを遮断する。即ち、ブランカアレイによって偏向された電子ビームは、ストッパアレイ308を通過せず、ウェハ146への入射が遮断される。また、ブランカアレイによって偏向されなかった電子ビームは、ストッパアレイを通過し、ウェハ146へ入射される。
【0027】
第1電磁レンズ系124は、第3多軸電磁レンズ120及び第4多軸電磁レンズ122を有する。第3多軸電磁レンズ120及び第4多軸電磁レンズ122は、複数の電子ビームがそれぞれ通過する複数のレンズ開口部を有する。第1電磁レンズ系124は、第3多軸電磁レンズ120と第4多軸電磁レンズ122とが光軸Aの方向に並んで設けられたダブレットである。言い換えると、第1電磁レンズ系124は、第3多軸電磁レンズ120の複数のレンズ開口部と、第4多軸電磁レンズ122の複数のレンズ開口部とによって構成された複数のダブレットを有する。
【0028】
第2電磁レンズ系130は、第5多軸電磁レンズ126及び第6多軸電磁レンズ128を有する。第5多軸電磁レンズ126及び第6多軸電磁レンズ128は、複数の電子ビームがそれぞれ通過する複数のレンズ開口部を有する。第2電磁レンズ系130は、第5多軸電磁レンズ126と第6多軸電磁レンズ128とが光軸Aの方向に並んで設けられたダブレットである。言い換えると、第2電磁レンズ系130は、第5多軸電磁レンズ126の複数のレンズ開口部と、第6多軸電磁レンズ128の複数のレンズ開口部とによって構成された複数のダブレットを有する。
【0029】
偏向系142は、補正偏向器136と、主偏向器138と、副偏向器140とを有する。主偏向器138は、1ショットの電子ビームで照射可能な領域(ショット領域)を複数含むサブフィールド間で電子ビームを偏向するために用いられる。また、副偏向器140は、主偏向器138よりも偏向量が小さく、サブフィールドにおけるショット領域間の偏向のために用いられる。補正偏向器136は、電子ビームの非点補正及び焦点補正を行う。
【0030】
制御系200は、統括制御部202及び個別制御部204を備える。統括制御部202は、例えばワークステーションであって、個別制御部204が有する各制御部を統括的に管理する。個別制御部204は、電子ビーム制御部205と、照射電子光学系制御部206と、補正電子光学系制御部208と、電磁レンズ系制御部212、偏向系制御部216と、反射電子処理部218と、ウェハステージ制御部220とを有する。
【0031】
電子ビーム制御部205は、複数の電子銃110を制御する。具体的には、電子ビーム制御部205は、電子銃110のカソードを加熱するためにカソードに供給する電流、カソードに印加する電圧、及びグリッドに印加する電圧を調整し、電子銃110が発生する電子ビームを制御する。電子ビーム制御部205は、複数の電子銃110を個別に調整することにより、複数の電子銃110が発生する複数の電子ビームを均一に制御する。
【0032】
照射電子光学系制御部206は、照射電子光学系116が有する第1多軸電磁レンズ112及び第2多軸電磁レンズ114に供給する電力を制御する。照射電子光学系制御部206は、第1多軸電磁レンズ112及び第2多軸電磁レンズ114のそれぞれに供給する電力を個別に調整することにより、補正電子光学系118において結像される複数の電子ビームの断面をそれぞれ拡大し、さらに複数の電子ビームを複数の補正電子光学系118に対してそれぞれ入射させる。
【0033】
補正電子光学系制御部208は、アパーチャアレイ、マルチ偏向器、静電レンズアレイ、ブランカアレイ、及びストッパアレイを有する複数の補正電子光学系118を制御する。具体的には、補正電子光学系制御部208は、マルチ偏向器が有する複数の偏向電極のそれぞれに印加する電圧を制御する。また、補正電子光学系制御部208は、ブランカアレイが有する複数のブランキング電極のそれぞれに印加する電圧を制御する。また、補正電子光学系制御部208は、静電レンズアレイの複数の電磁レンズのそれぞれに供給する電力を制御する。
【0034】
電磁レンズ系制御部212は、第1多軸電磁レンズ112、第2多軸電磁レンズ114、第3多軸電磁レンズ120、第4多軸電磁レンズ122、第5多軸電磁レンズ126、及び第6多軸電磁レンズ128に供給する電力を制御する。具体的には、電磁レンズ系制御部212は、第3多軸電磁レンズ120と第4多軸電磁レンズ122とがダブレットを構成するように、第3多軸電磁レンズ120のコイル及び第4多軸電磁レンズ122のコイルに供給する電流量を調整する。また、電磁レンズ系制御部212は、第5多軸電磁レンズ126と第6多軸電磁レンズ128とがダブレットを構成するように、第5多軸電磁レンズ126のコイル及び第6多軸電磁レンズ128のコイルに供給する電流量を調整する。
【0035】
偏向系制御部216は、複数の主偏向器138、及び複数の副偏向器140のそれぞれによる複数の電子ビームの偏向量をそれぞれ制御する。また、偏向系制御部216は、補正偏向器136が電子ビームの非点補正を行うように、補正偏向器136に印可する電圧を制御してもよい。また、偏向系制御部216は、補正偏向器136が電子ビームの焦点補正を行うように、補正主偏向器136に印可する電圧を制御してもよい。
【0036】
反射電子処理部218は、反射電子検出部144により検出された電気信号に信号処理を施し、統括制御部202に通知する。ウェハステージ制御部220は、ウェハステージ148を所望の位置に移動させる。
【0037】
以下、図1を参照して、本実施形態に係る電子ビーム露光装置10の動作について説明する。まず、電子ビーム制御部205は、複数の電子銃110が発生する電子ビームが均一になるように、複数の電子銃110をそれぞれ制御する。
【0038】
ウェハステージ148には、露光処理が施されるウェハ146が載置される。ウェハステージ制御部220は、ウェハステージ148を移動させて、ウェハ146の露光されるべき領域が光軸A近傍に位置するようにする。また、電子銃110は、露光処理中において常に電子ビームを照射するので、露光開始前において、電子ビームがウェハ146に照射されないように、補正電子光学系118のブランカアレイが電子ビームを偏向する。
【0039】
照射電子光学系制御部206は、複数の電子ビームが補正電子光学系118の所望の領域にそれぞれ略垂直に入射されるように、第1多軸電磁レンズ112及び第2多軸電磁レンズ114を調整する。補正電子光学系制御部208は、分割された複数の電子ビームのそれぞれが所望の結像条件になるように、複数の補正電子光学系118がそれぞれ有する静電レンズアレイ306の複数の静電レンズを調整する。電磁レンズ系制御部212は、複数の電子ビームのそれぞれがウェハ146において所望の向きかつ所望の大きさの断面形状を持つように、第1多軸電磁レンズ120、第2多軸電磁レンズ122、第3多軸電磁レンズ126、及び第4多軸電磁レンズ128を調整する。偏向系制御部216は、ウェハ146の所望の領域に複数の電子ビームが照射されるように、複数の補正偏向器136、複数の主偏向器138、及び複数の副偏向器140をそれぞれ調整する。
【0040】
照射電子光学系116、補正電子光学系118、第1電磁レンズ系124、第2電磁レンズ系130、及び複数の偏向系142が調整された後、複数の補正電子光学系118のブランカアレイによる電子ビームの偏向をそれぞれ停止する。これにより、以下に示すように、複数の電子ビームはウェハ146に照射される。
【0041】
まず、照射電子光学系116は、複数の電子銃110がそれぞれ発生した複数の電子ビームの断面をそれぞれ縮小し、焦点位置を複数の補正電子光学系118にそれぞれ調整して、複数の補正電子光学系118の所定の領域にそれぞれ略垂直に照射させる。そして、複数の補正電子光学系118において、アパーチャアレイは、電子ビームを複数に分割する。そして、マルチ偏向電極は、複数の偏向電極のそれぞれに電圧が印加されることにより、複数の電子ビームを偏向する。ブランカアレイは、複数のブランキング電極のそれぞれに電圧が印加されることにより、複数の電子ビームのそれぞれをウェハ146に照射させるか否かを切り替える。ブランカアレイによって偏向されない電子ビームは、静電レンズアレイによって焦点が調整され、ストッパアレイの開口部を通過する。ブランカアレイによって偏向された電子ビームは、静電レンズアレイによって焦点が調整された後、ストッパアレイの開口部を通過できず、ストップアレイに遮断される。
【0042】
次に、第1電磁レンズ系124は、複数の補正電子光学系118をそれぞれ通過した、複数の電子ビームをそれぞれ縮小する。そして、第2電磁レンズ系130は、第1電磁レンズ系124が縮小した複数の電子ビームをそれぞれ縮小し、ウェハ146に焦点が合うように調整する。また、偏向系142は、補正偏向器136、主偏向器138、及び副偏向器140により電子ビームがウェハ146上の所定のショット領域に照射されるように偏向する。そして、複数の電子ビームは、ウェハ146にそれぞれ照射され、ウェハ146上の所定のショット領域にアパーチャアレイの開口部のパターン像が転写される。以上のプロセスにより、ウェハ146上の所定のショット領域に、電子銃110のクロスオーバ像の縮小像のパターンが露光される。
【0043】
なお、本実施形態に係る電子ビーム露光装置10は、可変矩形を用いた電子ビーム露光装置であってもよい。本実施形態に係る電子ビーム露光装置10は、本発明に係る電子ビーム生成装置の一例である。また、本発明に係る電子ビーム生成装置は、電子ビーム露光装置の他、電子顕微鏡、電子ビームテスタ等であってもよい。本発明の電子ビーム生成装置は、本実施形態に係る電子銃110及び電子ビーム制御部205で構成されてもよい。
【0044】
図2は、本実施形態に係る電子銃110、電子ビーム制御部205、及びユーザインタフェース部500の構成の一例を示す。電子銃110は、熱電子を発生するカソード308と、カソード308から電子を引き出すグリッド310と、カソード308をジュール熱により加熱するグラッシカーボン312と、カソード308及びグラッシカーボン312に電流を伝達する加熱用電極304と、カソード308を支持する支持部306と、カソード308温度を測定するための熱電対302と、カソード308及びグリッド310が設けられた碍子300とを有する。熱電対302は、カソード308が熱電子を発生する一端の他端に、先端が接触するように設けられることが好ましく、加熱用電極304は、カソード308の一端と他端の間の側面に設けられることが好ましい。なお、本実施形態に係る碍子300は、本発明の保持部の一例である。
【0045】
電子ビーム制御部205は、カソード308に電流を供給する電流供給部400と、カソード308の温度を測定する温度測定部402と、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する電流制御部404と、電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納する電流情報格納部406とを有する。
【0046】
温度測定部402は、カソード308と一体的に設けられた熱電対302によりカソード308の温度を測定する。電流制御部404は、温度測定部402が測定したカソード308の温度に基づいて、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する。温度測定部402がカソード308の温度を測定し、電流制御部404がカソード308に供給される電流を制御する工程を複数回繰り返すことにより、電流制御部404は、カソード308が所定の温度に保たれる電流を決定する。そして、電流供給部400は、露光処理中、電流制御部404が決定した電流をカソード308に供給する。また、露光処理中に、温度測定部402がカソード308の温度を測定し、電流制御部404がカソード308に供給される電流を制御する工程を複数回繰り返し行ってもよい。
【0047】
電流情報格納部406は、電流制御部404が決定して電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納する。そして、電子銃110の電源をオフにした後、再度電源をオンにする場合に、電流制御部404は、電流情報格納部406が格納する電流を示す情報に基づいて、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する。カソード308に供給すべき電流を示す情報を格納することにより、電子銃110の調整に要する時間を軽減することができる。また、電流情報格納部406は、電子銃100の調整を行う度に電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納し、時系列で管理してもよい。カソード308に供給する電流を示す情報を時系列で管理することにより、電子銃110の交換時期を把握するための管理情報として活用することができる。
【0048】
ユーザインタフェース部500は、温度測定部402が測定したカソード308の温度を示す情報を表示する表示する表示部510と、カソード308の温度と所定温度との差分が大きい場合にその旨をユーザに通知する通知部520とを有する。例えば、通知部520は、カソード308の温度が所定温度よりも高いこと、又はカソード308の温度が所定温度よりも低いことを音によりユーザに通知してもよい。
【0049】
図3は、本実施形態に係る複数の電子銃110、電子ビーム制御部205、及びユーザインタフェース部500の構成の一例を示す。電子ビーム露光装置10は、図2に示した電子銃110を複数備え、電子ビーム制御部205は、複数の電子銃110を制御する。電子ビーム制御部205は、複数の電子銃110がそれぞれ有する複数のカソード308にそれぞれ電流を供給する複数の電流供給部400と、複数のカソードの温度をそれぞれ測定する複数の温度測定部402とを有する。
【0050】
電流制御部404は、複数の温度測定部402がそれぞれ測定した複数のカソード308の温度に基づいて、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御する。電流制御部404は、複数のカソード308の温度が略等しくなるように、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御する。
【0051】
また、電流制御部404は、碍子300におけるカソード308の位置(電子銃110の位置)に基づいて、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御してもよい。例えば、電流制御部404は、碍子300において複数のカソードが設けられる領域(複数の電子銃110が設けられる領域)の中心からの距離に基づいて、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御する。具体的には、電流制御部404は、碍子300において複数のカソード308が設けられる領域(複数の電子銃110が設けられる領域)の中央付近に設けられたカソード308より、周辺付近に設けられたカソード308に対して大きい電流が供給されるように、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御する。
【0052】
電流情報格納部406は、電流制御部404が決定して、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を示す情報を格納する。そして、複数の電子銃110の電源をオフにした後、再度電源をオンにする場合に、電流制御部404は、電流情報格納部406が格納する電流を示す情報に基づいて、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御する。複数のカソード308に供給すべき電流を示す情報を格納することにより、複数の電子銃110の調整に要する時間を軽減することができる。
【0053】
また、表示部510は、複数の温度測定部402がそれぞれ測定した複数のカソード308の温度を示す情報を表示する表示する。また、表示部510は、複数のカソード308の温度分布を表示してもよい。また、通知部520は、複数のカソード308の温度分布が均一でないことをユーザに通知してもよい。即ち、通知部520は、所定のカソード308と他のカソード308との温度差が所定値よりも大きいことをユーザに通知してもよい。
【0054】
図4は、本実施形態に係る表示部510の表示例を示す。図4は、8個のカソード308の温度について表示する場合の表示例を示す。図4(a)に示すように、表示部510は、複数のカソード308のそれぞれの温度を表示する。表示部510が複数のカソード308のそれぞれの温度を表示することにより、ユーザは、視覚的に複数のカソード308の温度及び温度分布を判断することができる。
【0055】
また、図4(b)に示すように、表示部510は、所定期間経過前後におけるカソード308の温度の差分を表示してもよい。さらに、表示部510は、所定期間経過前後におけるカソード308の温度の差分が所定値より大きい場合、図4(b)においてハッチングで示すように、当該カソード308の温度の差分を色換え表示してもよい。
【0056】
本実施形態の電子ビーム露光装置10によれば、複数のカソード308の温度を直接測定し、複数のカソード308の温度ばらつきを低減させることにより、複数の電子銃110から放出される電子の量を均一にすることができる。したがって、本実施形態の電子ビーム露光装置10によれば、複数の電子銃110が複数の電子ビームを均一に発生するので、複数の電子ビームにより精度よくウェハにパターンを露光することができる。
【0057】
図5は、本実施形態に係る電子ビーム制御方法のフローの一例を示す。まず、電流供給部400は、電流制御部404の制御に基づいて、カソード308にそれぞれ電流を供給する(S100)。そして、温度測定部402は、カソード308の温度を測定する(S102)。そして、電流制御部404は、カソード308が所望の温度に維持されているか否かを判断する(S104)。
【0058】
S104においてカソード308が所望の温度に維持されていないと判断した場合、電流制御部404は、温度測定部402が測定したカソード308の温度に基づいて、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する(S106)。そして、温度測定部402は、カソード308の温度を再度測定する(S102)。そして、電流制御部404は、カソード308が所望の温度に維持されているか否かを再度判断する(S104)。
【0059】
S104においてカソード308が所望の温度に維持されていると判断した場合、電流情報格納部406は、カソード308が所望の温度に維持されているときに電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納する(S108)。そして、以上の電子ビームの制御が終了した後、露光処理が開始される(S110)。そして、所定の露光処理が完了し、露光処理が停止される(S112)。
【0060】
次に、再度電子ビームの調整処理を行う場合、電流制御部404は、電流情報格納部406に格納された電流を示す情報に基づいて、電流供給部400を制御する。そして、電流供給部400は、電流制御部400の制御に基づいて、カソード308に電流を供給する(S114)。そして、上述したようにS102からS112を行う。以上で本実施形態に係る電子ビーム制御方法のフローを終了する。
【0061】
本実施形態に係る電子ビーム制御方法によれば、電流情報格納部406が格納する電流を示す情報に基づいて、複数の電流供給部400が複数のカソード308にそれぞれ供給する電流を制御ことにより、電子銃110の調整に要する時間を軽減することができる。
【0062】
図6は、本実施形態に係る電子銃110及び電子ビーム制御部205の構成の他の例を示す。電子銃110は、熱電子を発生するカソード308と、カソード308から電子を引き出すグリッド310と、カソード308をジュール熱により加熱するグラッシカーボン312と、カソード308及びグラッシカーボン312に電流を伝達する加熱用電極304と、カソード308を支持する支持部306と、カソード308及びグリッド310が設けられた碍子300とを有する。
【0063】
電子ビーム制御部205は、カソード308に電流を供給する電流供給部400と、電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納する電流情報格納部406と、カソード308における電圧降下を測定する電圧測定部408と、カソード308の抵抗を算出する抵抗算出部410と、カソード308の温度を示す情報と抵抗を示す情報とを対応づけて格納する温度情報格納部412と、電圧測定部408が測定したカソード308の電圧降下に基づいて、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する電流制御部404とを有する。
【0064】
電圧測定部408は、カソード308の電圧降下を測定する。そして、抵抗算出部410は、電圧測定部408が測定したカソード308の電圧降下と、電流供給部400がカソード308に供給する電流とに基づいて、カソード308の抵抗を算出する。そして、電流制御部404は、抵抗算出部410が算出したカソード308の抵抗に対応づけて温度情報格納部412に格納されるカソード308の温度に基づいて、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する。
【0065】
電圧測定部408がカソード308の電圧降下を測定し、電流制御部404がカソード308に供給される電流を制御する工程を複数回繰り返すことにより、電流制御部404は、カソード308が所定の温度に保たれる電流を決定する。そして、電流供給部400は、露光処理中、電流制御部404が決定した電流をカソード308に供給する。また、露光処理中に、電圧測定部408がカソード308の電圧降下を測定し、電流制御部404がカソード308に供給される電流を制御する工程を複数回繰り返し行ってもよい。
【0066】
電流情報格納部406は、電流制御部404が決定して電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納する。そして、電子銃110の電源をオフにした後、再度電源をオンにする場合に、電流制御部404は、電流情報格納部406が格納する電流を示す情報に基づいて、電流供給部400がカソード308に供給する電流を制御する。カソード308に供給すべき電流を示す情報を格納することにより、電子銃110の調整に要する時間を軽減することができる。また、電流情報格納部406は、電子銃100の調整を行う度に電流供給部400がカソード308に供給する電流を示す情報を格納し、時系列で管理してもよい。カソード308に供給する電流を示す情報を時系列で管理することにより、電子銃110の交換時期を把握するための管理情報として活用することができる。
【0067】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0068】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、複数の電子ビームを精度よく放出し、複数の電子ビームにより精度よくウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子ビーム露光装置10の構成図である。
【図2】本実施形態に係る電子銃110、電子ビーム制御部205、及びユーザインタフェース部500の構成図である。
【図3】本実施形態に係る複数の電子銃110、電子ビーム制御部205、及びユーザインタフェース部500の構成図である。
【図4】(a)は、本実施形態に係る表示部510の表示例を示す図である。(b)は、本実施形態に係る表示部510の表示例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る電子ビーム制御方法のフローである。
【図6】本実施形態に係る電子銃110及び電子ビーム制御部205の構成図である。
【符号の説明】
10・・・電子ビーム露光装置、100・・・露光系、102・・・筐体、110・・・電子銃、112・・・第1多軸電磁レンズ、114・・・第2多軸電磁レンズ、116・・・照射電子光学系、118・・・補正電子光学系、120・・・第3多軸電磁レンズ、122・・・第4多軸電磁レンズ、124・・・第1電磁レンズ系、126・・・第5多軸電磁レンズ、128・・・第6多軸電磁レンズ、130・・・第2電磁レンズ系、136・・・補正偏向器、138・・・主偏向器、140・・・副主偏向器、142・・・偏向系、144・・・反射電子検出部、146・・・ウェハ、148・・・ウェハステージ、200・・・制御系、202・・・統括制御部、204・・・個別制御部、205・・・電子ビーム制御部、206・・・照射電子光学系制御部、208・・・補正電子光学系制御部、212・・・電磁レンズ系制御部、216・・・偏向系制御部、218・・・反射電子処理部、220・・・ウェハステージ制御部、300・・・碍子、302・・・熱電対、304・・・加熱用電極、306・・・支持部、308・・・カソード、310・・・グリッド、312・・・グラッシカーボン、400・・・電流供給部、402・・・温度測定部、404・・・電流制御部、406・・・電流情報格納部、408・・・電圧測定部、410・・・抵抗算出部、412・・・温度情報格納部、500・・・ユーザインタフェース部、510・・・表示部、520・・・通知部
Claims (18)
- 電子ビームを生成する電子ビーム生成装置であって、
熱電子を発生するカソードと、
前記カソードに電流を供給する電流供給部と、
前記カソードの温度を測定する温度測定部と、
前記温度測定部が測定した前記カソードの温度に基づいて、前記電流供給部が前記カソードに供給する電流を制御する電流制御部と
を備えることを特徴とする電子ビーム生成装置。 - 前記温度測定部は、熱電対により前記カソードの温度を測定することを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム生成装置。
- 前記カソードは、当該カソードの一端から前記熱電子を発生し、
前記熱電対は、前記カソードの他端に先端が接触するように設けられることを特徴とする請求項2に記載の電子ビーム生成装置。 - 前記電流供給部が前記カソードに供給した電流を示す情報を格納する電流情報格納部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム生成装置。
- 複数の前記カソードと、
前記複数のカソードに電流をそれぞれ供給する複数の前記電流供給部と、
前記複数のカソードの温度をそれぞれ測定する複数の前記温度測定部と
を備え、
前記電流制御部は、前記複数の温度測定部がそれぞれ測定した前記複数のカソードの温度に基づいて、前記複数の電流供給部が前記複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御することを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム生成装置。 - 前記電流制御部は、前記複数のカソードの温度が略等しくなるように、前記複数の電流供給部が前記複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御することを特徴とする請求項5に記載の電子ビーム生成装置。
- 複数の前記カソードと、
前記複数のカソードを保持する保持部と、
前記複数のカソードに電流をそれぞれ供給する複数の前記電流供給部と
を備え、
前記電流制御部は、前記保持部における前記カソードの位置に基づいて、前記複数の電流供給部が前記複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御することを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム生成装置。 - 前記電流制御部は、前記保持部において前記複数のカソードが設けられる領域の中心からの距離に基づいて、前記複数の電流供給部が前記複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御することを特徴とする請求項7に記載の電子ビーム生成装置。
- 前記電流制御部は、前記複数のカソードが設けられる領域の中央付近に設けられた前記カソードより、周辺付近に設けられた前記カソードに対して大きい電流が供給されるように、前記複数の電流供給部が前記複数のカソードにそれぞれ供給する電流を制御することを特徴とする請求項8に記載の電子ビーム生成装置。
- 前記温度測定部が測定した前記カソードの温度を示す情報を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載電子ビーム生成装置。
- 複数の前記カソードと、
前記複数のカソードの温度をそれぞれ測定する複数の前記温度測定部と
を備え、
前記表示部は、前記複数の温度測定部がそれぞれ測定した前記複数のカソードの温度を示す情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム生成装置。 - 電子ビームを生成する電子ビーム生成装置であって、
熱電子を発生させるカソードと、
前記カソードに電流を供給する電流供給部と、
前記カソードにおける電圧降下を測定する電圧測定部と、
前記電圧測定部が測定した前記カソードの電圧降下に基づいて、前記電流供給部が前記カソードに供給する電流を制御する電流制御部と
を備えることを特徴とする電子ビーム生成装置。 - 前記電圧測定部が測定した前記カソードの電圧降下と、前記電流供給部が前記カソードに供給する電流とに基づいて、前記カソードの抵抗を算出する抵抗算出部をさらに備え、
前記電流制御部は、前記抵抗算出部が算出した前記カソードの抵抗に基づいて、前記電流供給部が前記カソードに供給する電流を制御することを特徴とする請求項12に記載の電子ビーム生成装置。 - 前記カソードの温度を示す情報と、前記温度における前記カソードの抵抗を示す情報とを対応づけて格納する温度情報格納部をさらに備え、
前記電流制御部は、前記抵抗算出部が算出した前記カソードの抵抗に対応づけて前記温度情報格納部に格納される前記カソードの温度に基づいて、前記電流供給部が前記カソードに供給する電流を制御することを特徴とする請求項13に記載の電子ビーム生成装置。 - 電子ビームによりウェハを露光する電子ビーム露光装置であって、
熱電子を発生するカソードと、
前記カソードに電流を供給する電流供給部と、
前記カソードの温度を測定する温度測定部と、
前記温度測定部が測定した前記カソードの温度に基づいて、前記電流供給部が前記カソードに供給する電流を制御する電流制御部と
を備えることを特徴とする電子ビーム露光装置。 - 電子ビームによりウェハを露光する電子ビーム露光装置であって、
熱電子を発生させるカソードと、
前記カソードに電流を供給する電流供給部と、
前記カソードにおける電圧降下を測定する電圧測定部と、
前記電圧測定部が測定した前記カソードの電圧降下に基づいて、前記電流供給部が前記カソードに供給する電流を制御する電流制御部と
を備えることを特徴とする電子ビーム露光装置。 - 電子ビームを生成する電子ビーム生成装置において前記電子ビームを制御する電子ビーム制御方法であって、
熱電子を発生するカソードの温度を測定する段階と、
測定した前記カソードの温度に基づいて、前記カソードに供給する電流を制御する段階と
を備えることを特徴とする電子ビーム制御方法。 - 電子ビームを生成する電子ビーム生成装置において前記電子ビームを制御する電子ビーム制御方法であって、
熱電子を発生するカソードの電圧降下を測定する段階と、
測定した前記カソードの電圧降下に基づいて、前記カソードに供給する電流を制御する段階と
を備えることを特徴とする電子ビーム制御方法。
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