JP2004038633A - 在宅医療指導支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】慢性呼吸疾患患者への呼吸リハビリテーションの指導を、病診連携の下で効果的に実行可能な在宅医療指導支援システムを提供する。
【解決手段】(a)「(1)在宅医療に係る疾患の説明、(2)在宅医療の説明、及び(3)疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の説明」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を患者端末装置へ配信する配信手段と、(b)質問に応じて入力操作された患者の回答を患者端末装置から受信して、医師端末装置、及び連携医師端末装置からネットワーク経由で読み出しが可能なように記録保持する記録保持手段とを有する構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】(a)「(1)在宅医療に係る疾患の説明、(2)在宅医療の説明、及び(3)疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の説明」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を患者端末装置へ配信する配信手段と、(b)質問に応じて入力操作された患者の回答を患者端末装置から受信して、医師端末装置、及び連携医師端末装置からネットワーク経由で読み出しが可能なように記録保持する記録保持手段とを有する構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、在宅医療指導支援システムに関し、特に呼吸器疾患を患う患者が在宅で酸素富化気体を吸引する在宅酸素療法を受けるとともに呼吸器の機能回復を目的とした呼吸リハビリテーションを受ける際に、この患者に対する適切な指導を実行支援するのに最適な構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、呼吸器疾患の患者に対して酸素ボンベから供給する酸素療法が行われており、最近では空気中の酸素を分離濃縮して酸素富化気体を得るための呼吸用気体供給装置(以下、酸素濃縮器ともいう)が開発され、それを用いた酸素療法が次第に普及するようになってきた。
【0003】
かかる酸素療法は患者が医療機関に入院しつつ実施される場合もあるが、患者の呼吸器疾患が慢性症状を呈し、長期に渡ってこの酸素療法を実行して症状の平静化、安定化を図る必要がある場合には、患者の自宅に上記の酸素濃縮器を設置し、この酸素濃縮器が供給する酸素富化された気体をカニューラと呼ぶ管部材を用いて患者の鼻腔付近まで導いて、患者が吸引を行う治療方法も行われている。この種の在宅酸素療法をHOT(Home Oxygen Therapy)とも称する。
【0004】
上記の在宅酸素療法は1985年に保険が適用されて以降、主に慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核後遺症を対象として処方が行なわれており、その患者数の概要はわが国においては人口10万人に対して60〜65人で凡そ8万人に上る(2000年時点)。
【0005】
またこの在宅酸素療法が患者の生命予後を改善する点も、旧厚生省呼吸不全班などから報告がなされている。このように在宅酸素療法が効果を奏する理由は、低酸素血症の改善に伴う肺循環動態の改善によるものと推察される。
【0006】
ところで、上記の如く呼吸器疾患を患う患者に対して在宅酸素療法は大きな効果を奏するものの、在宅酸素療法のみを実行したのでは患者の体力が低下し、寝たきり状態となるなど、患者の日常生活の質(Quality Of Life、以下QOLともいう)が低下する恐れがある。
【0007】
そこで、患者に残された肺の機能や呼吸筋を最大限に使い、上肢の筋力を訓練するなど、呼吸困難を改善するための呼吸機能回復訓練である呼吸機能回復療法(以下、呼吸リハビリテーションともいう)の実行が必要となる。具体的には、慢性の呼吸障害を有する患者は、長い経過の中で、息切れ、これに伴う活動性の低下、これに伴う筋力の低下が起こってくる。この結果じっとしているため食欲が低下し、体重減少と筋萎縮とが促進されるの、労作時の呼吸困難に拍車がかかり悪循環に陥る。この悪循環を断ち切るのに呼吸リハビリテーションが必要となるのである。
【0008】
呼吸リハビリテーションの具体的な内容としては、(1)呼吸訓練(口すぼめ呼吸、腹式呼吸)、(2)リラクゼーション、(3)胸郭ストレッチ・モビライゼーション、(4)呼吸介助、(5)排痰促進(体位ドレナージ、軽打法、振動法、ゆすり法、スクィージング、ハッフィング)、(6)四肢筋力増強訓練(上肢・下肢の鉄アレイ、砂嚢を用いた訓練)、(7)歩行訓練(平地、坂道、階段、トレッドミルによる訓練)、(8)自転車エルゴメータによる訓練、などが挙げられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、呼吸疾患患者にとってきわめて高い必要性を有する呼吸リハビリテーションではあるものの、現状では本質的に解決が困難な下記する如くの問題があった。
【0010】
即ち現状の問題点は、(1)導入に際し患者、及び患者家族に対する導入教育を行なう必用があり、医師、看護師、等の様々な専門職の長期、長時間に亘る介入が必要である点、(2)呼吸リハビリテーションを中断無く継続させるために、上記の専門職による長期の不断の介入が必要である点、(3)患者が入院して呼吸リハビリテーションを行なうと医療経済上の負担が極めて大であり、且つ、患者が自宅での通常の日常生活を送れなくなる点、(4)そこで外来で呼吸リハビリテーションを行なおうとすると、指導時間が限られるため十分な指導が行なえない点、などである。
【0011】
これらの問題を解決せんとする提案もいくつかなされてはいるが下記の理由により本質的な解決とはなっていない。
すなわち、(5)在宅で呼吸リハビリテーションを実行するために、在宅の患者の容態を遠方から医療従事者が観察するための構成である遠隔医療システム(テレメディスン Tele Medicine)は、例えば患者の血中飽和酸素濃度を患者宅で専用の測定機を用いて測定し、電話回線等を経由して医療従事者側に送信せんとするものであるが、測定作業が患者には容易に実行できず専用の測定、配信設備を用意する必要があるなどの点で殆ど普及していない。
【0012】
また近年社会に急速に普及しつつあるIT技術を利用しようとして、(6)www(World Wide Web)上に設置したホームページ上に呼吸リハビリテーションの啓蒙情報を記載して指導を行なう構成、例えば、http://www.d9.dion.ne.jp/ ̄nprc/rihaex.htm 等では、単に呼吸リハビリテーションの説明が漫然と記載されているのみであって、従来の紙媒体に記載された情報が単にWWW上に移行したものと言わざるを得ず、患者が本当にこれらの記載を読んだのか、読んでどの程度理解したのか、患者の容態や日常生活に問題は無いのか、等の情報を担当の医療従事者は知る術が無い。
【0013】
更にこれらのホームページの記載事項を患者が継続的、自発的に読みつづけるための動機付けが欠けているので、患者は自ら進んで読もうとする意思を継続的に持つことが出来ず、ホームページへのアクセス頻度が減り、結果的に呼吸リハビリテーションの指導が継続できない恐れがある。
【0014】
更に、(7)近年、在宅医療の実行においては、高度の専門性を有する中核病院等の医療機関と、診療所のように地域に密着した医療機関との連携による治療の実行、所謂病診連携の効果と実行の必要性が叫ばれているものの、この病診連携の下で呼吸リハビリテーションの実行を実現する手段も存在しない。
【0015】
尚、上記の説明では、呼吸疾患に関わる在宅医療に関連するリハビリテーションについて述べたが、呼吸器に限らず他の疾患についても状況は同様である。
【0016】
そこで本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであって、特に在宅医療を受ける患者側に配置された患者端末装置へネットワークを介して接続し、在宅医療に関わる患者への指導を支援するための在宅医療指導支援システムであって、(a)「(1)在宅医療に係る疾患の説明、(2)在宅医療の説明、及び(3)疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の説明」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を患者端末装置へ配信する配信手段と、(b)質問に応じて患者端末装置へ入力操作された患者の回答を受信して、当該患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある医師端末装置と、当該在宅医療の実行について医療従事者と連携を行なう連携医療従事者側にある連携医師端末装置と、を含んだネットワークに接続する複数の端末装置から読み出しが可能なように記録保持する記録保持手段とを有することを特徴とする在宅医療指導支援システムとすることにより、在宅で医療経済上の負担が軽減されつつ十分且つ継続的なリハビリテーションの指導を患者に対して実行することが出来、在宅の患者の容態や生活状況やリハビリテーションに対する理解度を医療従事者が容易に把握することが出来、且つ、病診連携の下でより効果的なリハビリテーションが実行可能となる在宅医療指導支援システムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、下記する1)〜6)に記載の構成を有する在宅医療指導支援システムを提供する。
【0018】
1) 在宅医療を受ける患者側に配置された患者端末装置へネットワークを介して接続し、前記在宅医療に関わる前記患者への指導を支援するための在宅医療指導支援システムであって、
(a)「(1)前記在宅医療に係る疾患の説明、(2)前記在宅医療の説明、及び(3)前記疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の説明」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を前記患者端末装置へ配信する配信手段と、
(b)前記質問に応じて前記患者端末装置へ入力操作された前記患者の回答を受信して、当該患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある医師端末装置と、当該在宅医療の実行について前記医療従事者と連携を行なう連携医療従事者側にある連携医師端末装置と、を含んだ前記ネットワークに接続する複数の端末装置から読み出しが可能なように記録保持する記録保持手段とを有することを特徴とする在宅医療指導支援システム。
【0019】
2) 前記質問に対する回答に基き、この患者の理解度に応じた点数を生成して前記複数の端末装置の内の少なくとも1の端末装置へ配信する点数配信手段を備えたことを特徴とする前記1)に記載の在宅医療指導支援システム。
【0020】
3) 当該患者の容態及び/又は生活の状況を問う問診を、前記患者端末装置へ配信する問診配信手段と、
前記問診に応じて前記患者端末へ入力操作された前記患者の回答を受信して、前記複数の端末装置から読み出しが可能なように記録保持する問診記録保持手段とを有することを特徴とする前記1)又は2)に記載の在宅医療指導支援システム。
【0021】
4) 在宅医療を受ける患者側に配置された患者端末装置へネットワークを介して接続し、前記在宅医療に関わる前記患者への指導を支援するための在宅医療指導支援システムであって、
(a)「(1)前記在宅医療に係る疾患の説明、(2)前記在宅医療の説明、及び(3)前記疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の説明」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を前記患者端末装置へ配信する配信手段と、
(b)前記質問に応じて前記患者端末装置に入力操作された前記患者の回答を受信して、当該患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある医師端末装置と、当該在宅医療の実行について前記医療従事者と連携を行なう連携医療従事者側にある連携医師端末装置と、を含んだ前記ネットワークに接続する複数の端末装置へ転送する転送手段とを有することを特徴とする在宅医療指導支援システム。
【0022】
5) 前記質問に対する回答に基き、この患者の理解度に応じた点数を生成して前記複数の端末装置の内の少なくとも1の端末装置へ配信する点数配信手段を備えたことを特徴とする前記4)に記載の在宅医療指導支援システム。
【0023】
6) 当該患者の容態及び/又は生活の状況を問う問診を、前記患者端末装置へ配信する問診配信手段と、
前記問診に応じて前記患者端末装置へ入力操作された前記患者の回答を受信して、前記複数の端末装置へ転送する問診転送手段とを有することを特徴とする前記4)又は5)に記載の在宅医療指導支援システム。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図12に従い、本発明の実施形態に係る好ましい実施例である包括的呼吸リハビリテーション指導システム(以下、単に「呼吸リハ指導システム」、あるいは「呼吸リハ支援システム」ともいう)の説明を行なう。
【0025】
図1は本発明の実施の形態に係る好ましい実施例である包括的呼吸リハビリテーション指導システムにおける表示画面の流れの説明図、図2は図1のシステムの構成図、図3は図1のシステムが有するサーバ装置の構成図、図4乃至図12は図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【0026】
〔呼吸リハ指導システムの構成〕
図2に示すように、本実施例の呼吸リハ指導システム1は、インターネット通信網2を介して相互に接続する各構成として、管理センタ3に配置されたサーバ装置3a、基幹病院4に配置された基幹病院端末4b、この基幹病院と病診連携関係(後記する)にある診療所5に配置された診療所端末5b、在宅酸素療法を受けている呼吸器患者6aの患者宅6に配置された患者端末6b、同じく患者宅7に配置された患者端末7bとを含んでいる。
【0027】
尚、図2に示された本実施例の呼吸リハ指導システム1が包含する、上記した基幹病院端末4b、診療所端末5b、患者端末6b、7bはいずれも、既に各医療機関や患者宅に配置されているインターネット接続可能なパーソナルコンピュータを用いることが望ましく、その場合本実施例のシステム1の構成としての専用部分はサーバ装置3aとなる。従ってサーバ装置3aのみを本実施例システム1に係る構成と捉えることも可能では有るが、説明の都合上、以下では基幹病院端末4b、診療所端末5b、患者端末6b、7b及びサーバ装置3aを包含して情報通信の送受が完結する範囲を本実施例の呼吸リハ指導システムとして説明を行なうものとする。
【0028】
更に、図2には2つの患者宅6、7を図示するものの、それよりも多い数の患者宅を含んでいても、あるいは患者宅は単数であってもよい。また患者端末7bの動作はもうひとつの患者端末6bと同様であるので、以下の説明は6bについてのみ行なうものとする。また図2において、4aは基幹病院医師、5aは診療所医師、6c及び7cは酸素濃縮器である。
【0029】
ここで、システム構成を説明するに先立ち、在宅患者6aに対して診療所5と基幹病院4とが連携して在宅医療の推進にあたる「病診連携」について説明する。
【0030】
〔病診連携の概要〕
病診連携を説明するために最初に、患者に対して上記の在宅酸素療法を導入して治療を継続するまでの過程を順に説明する。
【0031】
まず、患者が自覚症状を有するなどして医療機関に来診し、医師の診察を受ける。医療機関には、患者の居住地域に密着した診療所等(所謂かかりつけ医院)や、広域エリアのセンター的機能を担う基幹病院等様々な形態あるが、ここではまず、上記の診療所5に患者6aが来診した場合について説明する。
【0032】
上記の診療所5に患者6aが来診して医師5aの診察を受けた結果、この患者6aは上記の在宅酸素療法が必要であり、且つ、この在宅酸素療法のこの患者への導入と初期の医学的指導の実行は、設備面などを考慮して上記の基幹病院4にて行うべきであることをこの医師5aが判断すると、医師5aは患者6aを基幹病院4に紹介するための書面である紹介状を作成する。医師5aは患者6aを紹介する基幹病院4を選定するに際して、地域性や、この患者の症状に関する過去の経験、及び医療機関同士のコネクション等を考慮して選定を行う。
【0033】
次に患者は、上記の紹介状を携えて、紹介先の基幹病院4を来診する。基幹病院4の医師4aは、紹介状の記載内容と自己の診察の結果等に基いて、この患者6aに対し在宅酸素療法を実施するかどうかを判断する。在宅酸素療法の実施を決定すると、多くの場合、この基幹病院4に短期間、患者が入院し、在宅酸素療法の導入と初期の医学的指導を受ける。
【0034】
上記の導入と初期の医学的指導を行った結果、経過が良好である場合、基幹病院4の医師4aは患者6aを紹介元の診療所5に逆紹介し(このために基幹病院4の医師4aは診療所5に患者を逆紹介するための書面である逆紹介状を作成する)、以後の在宅酸素療法に関わる医学的指導は上記した診療所5に定期的に(例えば月に一度)患者6aが通院して、この診療所5の医師5aから受ける場合が多い。
【0035】
上記のように地域医療機関である診療所5に患者6aを逆紹介するのは、基幹病院4に過度に患者が集中して医療の効率が下がるのを避け、基幹病院と地域医療機関との機能の分担を明確化しようとする厚生労働省の方針に沿う処置である。
【0036】
例えば、公知の資料である厚生労働省発保第0220001号「諮問書」に答えた「答申書」(中央社会保険医療協議会、平成14年2月20日付け)の第2頁中の第3節には、「医療機関の機能分担と連携に配慮しつつ、診療所と病院の診療実態に即した診療報酬上の評価の在り方について考察すること。」との記載がある。この答申に応じた診療報酬の改定では、平均在院日数の低減(外来診療、在宅医療の促進)と紹介率の向上(地域医療機関への患者の誘導)とが推奨されているのである。
【0037】
更に又、入院による酸素療法ではなく、患者の自宅にて在宅酸素療法を受けることが出来れば、患者の通院時間短縮や通院に伴う経済負担の低減、あるいは地域医療機関なので曜日に拘らずに通院が出来、医師の往診もより容易となるなど、患者のQOL(Quality of Life)を大きく向上させる効果も期待できる。
【0038】
このように基幹病院4に紹介されて在宅酸素療法の導入を患者が受けた後、診療所5へ逆紹介されて在宅酸素療法を開始した患者6aのその後の経過情報を基幹病院医師4aが知得できたり、基幹病院医師4aと診療所医師5aとがこの患者の在宅医療について意見を交換できれば、より充実した在宅医療が実行できるものと期待できるのであるし、診療所医師5aの立場からは基幹病院医師4aにバックアップされつつ在宅医療を遂行できる安心感が得られるとともに、基幹病院医師4aの立場からは、自己が逆紹介した患者6aのその後の経過を知ることが出来るので、より責任をもって患者の逆紹介が行えるメリットも生ずる。
【0039】
すなわち診療所の医師5aと基幹病院医師4aとが相互に連携しつつ在宅医療の遂行、呼吸リハビリテーションの指導等を行なう病診連携がなされれば、これらの効果を向上させる事が出来、本実施例の呼吸リハ指導システム1は、以下に説明するとおり、この病診連携を実現させることが出来る。
【0040】
〔サーバ装置の構成〕
次に、図3に従い、本実施例システム1が有するサーバ装置3aの構成を説明する。
【0041】
サーバ装置3aは、以下の各構成を有する。
すなわち、インターネット通信網2とのインターフェイス手段である入出力部3a1を有する。また、インターネット通信網2に接続する各種の端末手段にWebページを用いて情報提供を行なうとともに、これらの端末手段から送信された情報を処理するWebサーバ部3a2を有する。
【0042】
このWebサーバ部3a2は、「(1)前記在宅医療に係る疾患の説明、(2)前記在宅医療の実行内容、(3)前記疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の実行内容、(4)前記疾患の薬物療法の実行内容、及び(5)当該患者の日常生活の注意点」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問に応じて入力操作された患者の回答を患者端末6bから受信して、当該患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある診療所端末5bへ、電子メールを利用してネットワーク経由で転送するように構成しても良い。
【0043】
あるいはまた、このWebサーバ部3a2は、診療所端末5bと、当該在宅医療の実行について前記医療従事者と連携を行なう連携医療従事者側にある基幹病院端末4bと、を含んだネットワークに接続する複数の端末装置へ、上記の質問に対する回答を転送するようにしてもよい。
【0044】
あるいはまた、このWebサーバ部3a2は、質問に対する回答に基き、この患者の理解度に応じた点数を生成して上記した複数の端末装置の内の少なくとも1の端末装置へ配信するよう構成しても良い。
【0045】
あるいはまた、このWebサーバ部3a2は、当該患者の容態及び/又は生活の状況を問う問診に応じて入力操作された前記患者の回答を患者端末6bから受信して、診療所端末5bへ転送するよう構成しても良い。
【0046】
あるいはまた、このWebサーバ部3a2は、診療所端末5bと、上記の基幹病院端末4bと、を含んだネットワークに接続する複数の端末装置へ上記の問診の回答を転送するように構成しても良い。
【0047】
また、基幹病院4、診療所5等の医療機関に関するデータである、医療機関名称、医師端末のIPアドレス、接続パスワード等をリスト情報として保持する医療機関DB(3a6)を有する。
【0048】
また、各患者に関わるデータである、患者の氏名、患者端末6b、6cのIPアドレス、接続用パスワード等をリスト情報として保持する患者DB(3a7)を有する。
【0049】
また、呼吸リハビリテーションの内容説明や、在宅酸素療法の説明、酸素濃縮器の取り扱い方法説明など、患者端末6bにWebページを用いて表示することにより患者の指導に供すべき各種のデータを記録保持する患者指導データ保持部3a3を有する。
【0050】
また、「(1)在宅医療に係る疾患の説明、(2)在宅医療の実行内容、(3)疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の実行内容、(4)疾患の薬物療法の実行内容、及び(5)当該患者の日常生活の注意点」、の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を記録保持しておき、インターネットに接続する端末からの要求に応じてこの端末に配信し、且つ、当該患者の容態及び/又は生活の状況を問う問診を、インターネットに接続する端末へ配信する質問/問診データ保持部3a4を有している。この質問/問診データデータ保持部3a4は、上記の質問及び/又は問診を、先に説明した患者端末6b、7bへ配信することができる。
【0051】
また、上記の質問に応じて入力操作された患者の回答を患者端末6b、7b等のインターネットに接続する端末から受信して、この患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある医師端末5b等からネットワーク経由で読み出しが可能なように記録保持し、且つ、上記の問診に応じて入力操作された患者の回答を患者端末6b等のインターネット接続端末から受信して、医師端末5b等から読み出しが可能なように記録保持する患者回答記録・保持部3a9を有する。
【0052】
なおこの患者回答記録・保持部3a9は、医師端末(診療所端末)5bと、在宅医療の実行についてこの医師5aと連携を行なう連携医療従事者である基幹病院医師4a側にある基幹病院端末4bと、を含んだネットワークに接続する複数の端末装置から、質問に対する回答を読み出しが可能なように構成しても良いし、又、医師端末(診療所端末)5bと、上記の基幹病院端末4bと、を含んだネットワークに接続する複数の端末装置から、質問に対する回答を読み出しが可能なように構成しても良い。
【0053】
また、上記の質問に対する回答に基き、この患者の理解度に応じた点数を生成して患者端末6bへ配信する点数計算部3a5を有する。
【0054】
〔呼吸リハ支援システムの動作〕
次に本実施例の呼吸リハ支援システム1の動作を各図面に従って説明する。尚、本実施例システムはWeb上のホームページを介して、情報の送受を行なうことにより所定の動作を行い、効果を発揮するものであって、インターネット上に接続する端末にWebの情報を配信して表示させる動作、表示された情報(Web画面)に応じて操作者が操作を行ない所望の情報を生成してこのWeb情報の配信元へ送信する動作、送信された情報を受け取った配信元がこの情報を記録保持する動作、記録保持した情報をインターネットに接続する所定の端末から読み出す動作などは、公知のWebに関する技術、インターネット情報送受信に関する技術、サーバ装置に関する技術を用いて構成が可能である。
【0055】
従って、記載が煩雑となることを避けるため、以下の説明では、端末装置側の表示画面に表示がなされる情報の内容、端末装置を用いて患者等が入力操作を行なって情報を送信する動作等を主に説明し、これらの動作に伴って実行される詳細な点は省略することもある。
【0056】
例えば、「患者端末6bからの要求に応じて、本システム1は、この患者端末6bに呼吸リハ指導画面を表示する。」なる記載があれば、これは、「(1)患者6aが患者端末6bに付属するキイボード等の操作手段を操作して呼吸リハ指導画面の表示を要求する信号を生成する、(2)生成された信号がインターネット通信網2を経由してサーバ装置3aに送信される、(3)送信された信号はサーバ装置3a内で入出力部3a1を経由してWebサーバ部3a2へ送られる、(4)Webサーバ部では送られた信号を解析して、呼吸リハ指導画面をこの患者端末6bで表示すべきことを知得し、患者指導データ保持部3a3から該当するデータを読み出して、この患者端末6bが有するIPアドレス宛てに送信する、(5)送信されたデータはWebサーバ部3a2から入出力部3a1、インターネット通信網2を経て、患者端末6bに達する、(6)患者端末6b側では受け取ったデータに基き、表示画面に呼吸リハ指導画面を表示する」という一連の動作を含んでいる点は言うまでもない。
【0057】
〔患者端末の表示画面の流れ〕
はじめに、患者6aが患者端末6bを用いてサーバ装置3aにアクセスし、その後操作に応じて患者端末6bに表示される一連の画面の流れについて、図1を用いて説明する。
【0058】
10は本システム1のポータル画面であって、システム1にアクセスした後、最初に表示される。
【0059】
患者6aはこのポータル画面10上に配置されたクリッカブルワードを選択的にクリックすることにより、在宅医療を担当する医療機関の紹介ページ11、呼吸リハビリテーションの指導画面12、リンク集表示ページ13、及び本システム1に予め登録された会員専用ページの入り口であるID入力ページ14のいずれか、或いは図示されていない他のページへ移動することが出来る。
【0060】
更に、上記のID入力ページ14で認証が済んだ操作者は、会員向けメニュー画面15へ移動し、この会員向けメニュー画面15からは、操作に応じて、患者端末6bに付属する撮像手段を用いて医療機関の医師とテレビ電話による通話を行なうためのTV電話画面16、患者6aに対する問診を行なうための質問項目表示ページ17、クイズ形式で患者6aに(1)在宅医療に係る疾患の説明、(2)在宅医療の実行内容、(3)疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の実行内容、(4)疾患の薬物療法の実行内容、(5)当該患者の日常生活の注意点、(6)その他の項目」、の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を行なうための一連のページであって、まずクイズ種別(カテゴリ)の選択を行なうためのクイズ種別(カテゴリ)選択ページ18、或いは図示しない他のページへ移動が可能である。
【0061】
上記のクイズ種別(カテゴリ)選択ページ18から更に移動可能なページについては後記する。
【0062】
〔医療機関の紹介ページ〕
上記した医療機関の紹介ページ11には、この患者6aの在宅医療を担う診療所5の住所、診療科目、担当医師、診療時間等が記載されている。また上記の診療所5と病診連携を行なう基間病院4の、住所、診療科目、担当医師、診療時間等を記載しても良い。
【0063】
〔呼吸リハビリテーションの指導画面〕
上記した呼吸リハビリテーションの指導画面12には、呼吸リハを受ける患者6aに対する啓蒙、指導を行なうための事項が記されている。これらの記載事項に目を通すことにより、患者6aに対し外来通院だけでは充分ではなかった呼吸リハの指導を補い、確実な呼吸リハの実行が可能となる。
【0064】
〔リンク集表示ページ〕
上記したリンク集表示ページ13には、在宅酸素療法、呼吸リハを行なう際に患者6aにとって有益となる情報を記載したページへリンクするクリッカブルワードが配置されている。
【0065】
リンクするページの内容は様々であるが、例えば図4乃至図7に示すような、酸素濃縮器の供給業者が製作した、在宅酸素療法機器(酸素濃縮器等)の取り扱い注意点、便利メモ等を記載したページは有効である。
【0066】
あるいはまた、図8及び図9に示すような、患者の食事に関する情報(カロリー等)を記載したページは有効である。なぜなら食事のカロリーを向上させて患者の体力を向上される点は呼吸リハにおける重要な比率を占めるからである。
【0067】
〔ID入力ページ(登録された患者の認証)〕
上記したID入力ページ14は図10に図示する如くの構成を備え、画面中に配置された入力ボックス10aにカーソルをオンした状態で患者端末6bに付属するキイボード等を用いて予め決められたこの患者6aのIDを入力し、この患者が予め登録されていることの認証を行なう。患者のIDとして、専用に決められた文字列ではなく、例えば患者6aの電話番号を用いると、IDの忘却防止に有効である。入力されたIDは、予めサーバ装置3aに記録保持された患者DBのIDと照合されて認証が行なわれる。
【0068】
〔質問項目表示ページ(患者に対する問診の実行)〕
上記した質問項目表示ページ17は、例えば図11に示す如くの構成を有し、その内容は、患者への質問項目11aと、この質問に対する回答を選択するボタン11b、11cと、血圧のような、患者6aが患者宅6にある機器で予め測定した測定値を入力するためのボックス11dと、画面上に入力した回答を確定してサーバ装置3aへ送信を実行するための送信ボタン等を含んでいる。
【0069】
また、問診を行なうためのその他の構成として、以下のように一連の質問を配置し、各質問に対する回答に応じて次の質問が選択され、選択を続けることにより、より疑わしい疾患へ近づいていくフローチャートに基いて順次問診を行なうように構成しても良い。
【0070】
例えば、「息切れがする(Yes/No)」がまず質問される。
「息切れがする」を選択すると、「慢性的な呼吸困難/突然の呼吸困難」が次に質問される。ここで突然の呼吸困難を選択すると、「数分間/数時間」が次に質問される。ここで「数分間」を選択すると、「胸痛あり/なし」が次に質問される。ここで「胸痛なし」を選択すると、「夜明けに多く、昼間におさまる/食べ得た直後から起こる/頭がボーっとする、手足のしびれが有る」が次に質問される。ここで、「夜明けに多く、昼間におさまる」を選択することにより、あらかじめ決められたフローチャート(図示しない)に従って「気管支喘息」が最も疑わしい疾患として選択されるのである。
【0071】
患者6aが入力した問診の回答は、サーバ装置3aへ送信されて保持記録されることにより、診療所端末5b、及び病診連携を行なう基幹病院4の基幹病院端末4bから読み出しが可能となる。
【0072】
あるいはまた、患者6aが入力した問診の回答は、サーバ装置3aへ送信されて、さらにこのサーバ装置3aから診療所5b、基幹病院端末4bを含む複数のインターネット接続端末の内の任意の端末へ、電子メールを利用して転送するよう構成しても良い。
【0073】
上記に例示した如く本システム1では、患者6aは、患者宅6に置かれた汎用パーソナルコンピュータである患者端末6bを操作して表示された質問に対する回答を入力操作するだけで面倒な操作を必要とせず、問診への回答が得られるので、患者宅6に専用の生体情報測定装置を配置したり、この装置による測定結果を送信するための送信装置を配置する必要も無く、きわめて低廉、簡潔な構成で患者の容態、生活状況を医師が把握することが可能となる。
【0074】
〔クイズへの回答と採点(患者の理解度の把握)〕
次に、本システム1が提供する、クイズ形式の患者への質問を実施して患者の在宅医療に関わる諸事項への理解度を把握する構成を説明する。
【0075】
先に説明したクイズ種別(カテゴリ)選択ページ18の画面には複数のクイズのカテゴリからひとつを選択する欄、在宅医療の実施度を測る質問の複数のカテゴリからひとつを選択する欄、選択したカテゴリのクイズを表示させるためのボタンを有する。
【0076】
カテゴリが選択されてクイズを表示するためのクイズ表示ページ19の画面中には、クイズの質問事項を記載した欄と、この質問に対する回答を患者が選択するためのチェック欄と、全ての回答が入力終了した段階で、回答のサーバ装置3aへの送信と採点依頼を行なうボタンとを有している。
【0077】
採点を依頼することによって表示される採点ページ20の画面中にはサーバ装置3aで計算されて返送された採点結果の表示欄、患者の回答に誤りがあった質問に対する正解を表示し、合わせて、登録済みの解説ページへのリンクを表示する表示欄、会員向のメニューページ15へ戻るとともにクイズの回答と患者IDとを診療所端末5b等へメールで送信するボタンとを有している。
【0078】
本システム1では上記のように構成したので、Web上の記載を患者が唯漫然と読むのではなく、双方向で情報送信がなされるので患者の興味、関心を向上させてアクセス率を向上させ、患者への指導がより確実に実行できる。
【0079】
また患者の理解度に応じて採点がなされるので、患者の向上心を更に刺激してより良い指導が実行できるとともに、医師側でも患者の理解度を定量的に把握できるの、効率の高い指導が行なえる。
【0080】
〔医師による回答情報へのアクセス〕
上記のように本システム1では、問診やクイズに対する患者の回答はサーバ装置3aから所定の医療機関の端末へ電子メールで転送されるのであるが、一方、医師の端末側からサーバ装置3aへアクセスして、所望の患者の回答内容や点数を見ることも出来る。
【0081】
すなわち、医師側からアクセルする際の画面の流れ図である図12に示す如く、認証画面15aにパスワード等を入力して医師の認証が行なわれると、アクセス可能な患者の回答データのリストが表示された医師向けホームページ15bが表示される。
【0082】
そこで所望の患者の問診回答(バイタルチェック)を表示させると、15cに見る如く、回答の日付、時刻とともに、各問診への回答結果、血圧等患者が入力したバイタルデータの数値等が表示される。またこれらの結果をダウンロードすることも可能である。
【0083】
あるいはまた、所望の患者のクイズ回答を表示させると、15dに見る如く、回答の日付、時刻とともに、各クイズへの回答結果、点数等が表示される。またこれらの結果をダウンロードすることも可能である。
【0084】
患者の回答結果を診療所医師5aのみばかりではなく、この医師5aと病診連携している基幹病院の医師4aも見ることが出来るので、この患者の在宅医療に係るデータが共有化されて病診連携が促進できる効果がある。双方の医師は、アクセスした患者回答の内容に基いて他方の医師へ電話連絡や電子メールによる連絡を行なって意見交換をすることも出来るのは言うまでも無い。
【0085】
〔テレビ電話機能〕
本システム1では、上記のほかに、医師と患者とが互いに相手の姿を見ながら通話が出来るテレビ電話機能も有している。すなわち各端末に付属するか、接続された撮像手段により画像信号を生成し、音声信号とともに他方の端末に送ることによって、医師は患者の顔色や表情を見ながら問診が出来るので問診の精度が向上するとともに、患者は医師と面と向かって話すのに似た安心感を得られる。
【0086】
〔システムの機能のまとめ〕
上記した、あるいはまだ説明をしていない機能を含めて、本実施例の呼吸リハ支援システム1は下記するような各機能を有している。
(1)バイタルチェック結果保存及びメール送信−患者が入力した「今日の体調は?(バイタルチェック)」への回答をファイルに保存する。また回答が予め決められた医師(メールアドレス)へメールで送信される。
(2)呼吸リハクイズ結果保存および採点ページ表示―患者が入力した「呼吸リハクイズ」への回答をファイル保存する。また予め登録してあるクイズの正解ファイルを用いて採点し、採点結果を表示する。
(3)呼吸リハクイズ結果メール送信―患者が入力した「呼吸リハクイズ」の回答を定められたメールアドレス(医師)へメールで送信する。
(4)バイタルチェック結果履歴表示―「今日の体調は?」に対する患者ごとの回答を履歴として表示する。このとき、患者ごとに決められた閾値に達した回答は、バックを赤くする等の方法で強調表示する。
(5)バイタルチェック結果ダウンロード―「今日の体調は?」の回答を患者毎にダウンロードする。
(6)呼吸リハクイズ結果履歴表示―「呼吸リハクイズ」の回答を、患者ごとに履歴として表示する。
(7)呼吸リハクイズ結果ダウンロード―「呼吸リハクイズ」の回答を、患者ごとにダウンロードする。
(8)問診内容(質問文)登録機能―「バイタルチェック」や「呼吸リハクイズ」の質問文/正解/解説ページのアドレス、バイタルチェックの閾値をブラウザから、登録/編集する機能。
(9)患者登録機能―患者のIDの発行を行なう機能。
(10)医師登録機能―医師のID/パスワードを設定する機能。また、医師ごとに担当する患者を関連付ける機能。
(11)回答結果ファイルメンテナンス機能―過去の回答結果を削除したり、回答を修正する機能。
(12)セキュリティ機能―各ページの情報や回答結果の暗号化を行なって、患者のプライバシーを保護する機能。
【0087】
【発明の効果】
上記に詳述した如く、本発明は、在宅医療を受ける患者側に配置された患者端末装置へネットワークを介して接続し、在宅医療に関わる患者への指導を支援するための在宅医療指導支援システムであって、(a)「(1)在宅医療に係る疾患の説明、(2)在宅医療の説明、及び(3)疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の説明」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を患者端末装置へ配信する配信手段と、(b)質問に応じて患者端末装置へ入力操作された患者の回答を受信して、当該患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある医師端末装置と、当該在宅医療の実行について医療従事者と連携を行なう連携医療従事者側にある連携医師端末装置と、を含んだネットワークに接続する複数の端末装置から読み出しが可能なように記録保持する記録保持手段とを有することを特徴とする在宅医療指導支援システムとすることにより、在宅で医療経済上の負担が軽減されつつ十分且つ継続的なリハビリテーションの指導を患者に対して実行することが出来、在宅の患者の容態や生活状況やリハビリテーションに対する理解度を医療従事者が容易に把握することが出来、且つ、病診連携の下でより効果的なリハビリテーションが実行可能となる在宅指導支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る好ましい実施例である包括的呼吸リハビリテーション指導システムにおける表示画面の流れの説明図である。
【図2】図1のシステムの構成図である。
【図3】図1のシステムが有するサーバ装置の構成図である。
【図4】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図5】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図6】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図7】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図8】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図9】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図10】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図11】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図12】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【符号の説明】
1 包括的呼吸リハビリテーション指導システム
2 インターネット通信網
3a サーバ装置(在宅医療指導支援システム)
3a2 Webサーバ部(転送手段)
3a4 質問/問診データ保持部(配信手段)
3a9 患者回答記録・保持部(記録保持手段)
6b 患者端末(患者端末装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、在宅医療指導支援システムに関し、特に呼吸器疾患を患う患者が在宅で酸素富化気体を吸引する在宅酸素療法を受けるとともに呼吸器の機能回復を目的とした呼吸リハビリテーションを受ける際に、この患者に対する適切な指導を実行支援するのに最適な構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、呼吸器疾患の患者に対して酸素ボンベから供給する酸素療法が行われており、最近では空気中の酸素を分離濃縮して酸素富化気体を得るための呼吸用気体供給装置(以下、酸素濃縮器ともいう)が開発され、それを用いた酸素療法が次第に普及するようになってきた。
【0003】
かかる酸素療法は患者が医療機関に入院しつつ実施される場合もあるが、患者の呼吸器疾患が慢性症状を呈し、長期に渡ってこの酸素療法を実行して症状の平静化、安定化を図る必要がある場合には、患者の自宅に上記の酸素濃縮器を設置し、この酸素濃縮器が供給する酸素富化された気体をカニューラと呼ぶ管部材を用いて患者の鼻腔付近まで導いて、患者が吸引を行う治療方法も行われている。この種の在宅酸素療法をHOT(Home Oxygen Therapy)とも称する。
【0004】
上記の在宅酸素療法は1985年に保険が適用されて以降、主に慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核後遺症を対象として処方が行なわれており、その患者数の概要はわが国においては人口10万人に対して60〜65人で凡そ8万人に上る(2000年時点)。
【0005】
またこの在宅酸素療法が患者の生命予後を改善する点も、旧厚生省呼吸不全班などから報告がなされている。このように在宅酸素療法が効果を奏する理由は、低酸素血症の改善に伴う肺循環動態の改善によるものと推察される。
【0006】
ところで、上記の如く呼吸器疾患を患う患者に対して在宅酸素療法は大きな効果を奏するものの、在宅酸素療法のみを実行したのでは患者の体力が低下し、寝たきり状態となるなど、患者の日常生活の質(Quality Of Life、以下QOLともいう)が低下する恐れがある。
【0007】
そこで、患者に残された肺の機能や呼吸筋を最大限に使い、上肢の筋力を訓練するなど、呼吸困難を改善するための呼吸機能回復訓練である呼吸機能回復療法(以下、呼吸リハビリテーションともいう)の実行が必要となる。具体的には、慢性の呼吸障害を有する患者は、長い経過の中で、息切れ、これに伴う活動性の低下、これに伴う筋力の低下が起こってくる。この結果じっとしているため食欲が低下し、体重減少と筋萎縮とが促進されるの、労作時の呼吸困難に拍車がかかり悪循環に陥る。この悪循環を断ち切るのに呼吸リハビリテーションが必要となるのである。
【0008】
呼吸リハビリテーションの具体的な内容としては、(1)呼吸訓練(口すぼめ呼吸、腹式呼吸)、(2)リラクゼーション、(3)胸郭ストレッチ・モビライゼーション、(4)呼吸介助、(5)排痰促進(体位ドレナージ、軽打法、振動法、ゆすり法、スクィージング、ハッフィング)、(6)四肢筋力増強訓練(上肢・下肢の鉄アレイ、砂嚢を用いた訓練)、(7)歩行訓練(平地、坂道、階段、トレッドミルによる訓練)、(8)自転車エルゴメータによる訓練、などが挙げられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、呼吸疾患患者にとってきわめて高い必要性を有する呼吸リハビリテーションではあるものの、現状では本質的に解決が困難な下記する如くの問題があった。
【0010】
即ち現状の問題点は、(1)導入に際し患者、及び患者家族に対する導入教育を行なう必用があり、医師、看護師、等の様々な専門職の長期、長時間に亘る介入が必要である点、(2)呼吸リハビリテーションを中断無く継続させるために、上記の専門職による長期の不断の介入が必要である点、(3)患者が入院して呼吸リハビリテーションを行なうと医療経済上の負担が極めて大であり、且つ、患者が自宅での通常の日常生活を送れなくなる点、(4)そこで外来で呼吸リハビリテーションを行なおうとすると、指導時間が限られるため十分な指導が行なえない点、などである。
【0011】
これらの問題を解決せんとする提案もいくつかなされてはいるが下記の理由により本質的な解決とはなっていない。
すなわち、(5)在宅で呼吸リハビリテーションを実行するために、在宅の患者の容態を遠方から医療従事者が観察するための構成である遠隔医療システム(テレメディスン Tele Medicine)は、例えば患者の血中飽和酸素濃度を患者宅で専用の測定機を用いて測定し、電話回線等を経由して医療従事者側に送信せんとするものであるが、測定作業が患者には容易に実行できず専用の測定、配信設備を用意する必要があるなどの点で殆ど普及していない。
【0012】
また近年社会に急速に普及しつつあるIT技術を利用しようとして、(6)www(World Wide Web)上に設置したホームページ上に呼吸リハビリテーションの啓蒙情報を記載して指導を行なう構成、例えば、http://www.d9.dion.ne.jp/ ̄nprc/rihaex.htm 等では、単に呼吸リハビリテーションの説明が漫然と記載されているのみであって、従来の紙媒体に記載された情報が単にWWW上に移行したものと言わざるを得ず、患者が本当にこれらの記載を読んだのか、読んでどの程度理解したのか、患者の容態や日常生活に問題は無いのか、等の情報を担当の医療従事者は知る術が無い。
【0013】
更にこれらのホームページの記載事項を患者が継続的、自発的に読みつづけるための動機付けが欠けているので、患者は自ら進んで読もうとする意思を継続的に持つことが出来ず、ホームページへのアクセス頻度が減り、結果的に呼吸リハビリテーションの指導が継続できない恐れがある。
【0014】
更に、(7)近年、在宅医療の実行においては、高度の専門性を有する中核病院等の医療機関と、診療所のように地域に密着した医療機関との連携による治療の実行、所謂病診連携の効果と実行の必要性が叫ばれているものの、この病診連携の下で呼吸リハビリテーションの実行を実現する手段も存在しない。
【0015】
尚、上記の説明では、呼吸疾患に関わる在宅医療に関連するリハビリテーションについて述べたが、呼吸器に限らず他の疾患についても状況は同様である。
【0016】
そこで本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであって、特に在宅医療を受ける患者側に配置された患者端末装置へネットワークを介して接続し、在宅医療に関わる患者への指導を支援するための在宅医療指導支援システムであって、(a)「(1)在宅医療に係る疾患の説明、(2)在宅医療の説明、及び(3)疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の説明」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を患者端末装置へ配信する配信手段と、(b)質問に応じて患者端末装置へ入力操作された患者の回答を受信して、当該患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある医師端末装置と、当該在宅医療の実行について医療従事者と連携を行なう連携医療従事者側にある連携医師端末装置と、を含んだネットワークに接続する複数の端末装置から読み出しが可能なように記録保持する記録保持手段とを有することを特徴とする在宅医療指導支援システムとすることにより、在宅で医療経済上の負担が軽減されつつ十分且つ継続的なリハビリテーションの指導を患者に対して実行することが出来、在宅の患者の容態や生活状況やリハビリテーションに対する理解度を医療従事者が容易に把握することが出来、且つ、病診連携の下でより効果的なリハビリテーションが実行可能となる在宅医療指導支援システムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、下記する1)〜6)に記載の構成を有する在宅医療指導支援システムを提供する。
【0018】
1) 在宅医療を受ける患者側に配置された患者端末装置へネットワークを介して接続し、前記在宅医療に関わる前記患者への指導を支援するための在宅医療指導支援システムであって、
(a)「(1)前記在宅医療に係る疾患の説明、(2)前記在宅医療の説明、及び(3)前記疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の説明」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を前記患者端末装置へ配信する配信手段と、
(b)前記質問に応じて前記患者端末装置へ入力操作された前記患者の回答を受信して、当該患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある医師端末装置と、当該在宅医療の実行について前記医療従事者と連携を行なう連携医療従事者側にある連携医師端末装置と、を含んだ前記ネットワークに接続する複数の端末装置から読み出しが可能なように記録保持する記録保持手段とを有することを特徴とする在宅医療指導支援システム。
【0019】
2) 前記質問に対する回答に基き、この患者の理解度に応じた点数を生成して前記複数の端末装置の内の少なくとも1の端末装置へ配信する点数配信手段を備えたことを特徴とする前記1)に記載の在宅医療指導支援システム。
【0020】
3) 当該患者の容態及び/又は生活の状況を問う問診を、前記患者端末装置へ配信する問診配信手段と、
前記問診に応じて前記患者端末へ入力操作された前記患者の回答を受信して、前記複数の端末装置から読み出しが可能なように記録保持する問診記録保持手段とを有することを特徴とする前記1)又は2)に記載の在宅医療指導支援システム。
【0021】
4) 在宅医療を受ける患者側に配置された患者端末装置へネットワークを介して接続し、前記在宅医療に関わる前記患者への指導を支援するための在宅医療指導支援システムであって、
(a)「(1)前記在宅医療に係る疾患の説明、(2)前記在宅医療の説明、及び(3)前記疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の説明」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を前記患者端末装置へ配信する配信手段と、
(b)前記質問に応じて前記患者端末装置に入力操作された前記患者の回答を受信して、当該患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある医師端末装置と、当該在宅医療の実行について前記医療従事者と連携を行なう連携医療従事者側にある連携医師端末装置と、を含んだ前記ネットワークに接続する複数の端末装置へ転送する転送手段とを有することを特徴とする在宅医療指導支援システム。
【0022】
5) 前記質問に対する回答に基き、この患者の理解度に応じた点数を生成して前記複数の端末装置の内の少なくとも1の端末装置へ配信する点数配信手段を備えたことを特徴とする前記4)に記載の在宅医療指導支援システム。
【0023】
6) 当該患者の容態及び/又は生活の状況を問う問診を、前記患者端末装置へ配信する問診配信手段と、
前記問診に応じて前記患者端末装置へ入力操作された前記患者の回答を受信して、前記複数の端末装置へ転送する問診転送手段とを有することを特徴とする前記4)又は5)に記載の在宅医療指導支援システム。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図12に従い、本発明の実施形態に係る好ましい実施例である包括的呼吸リハビリテーション指導システム(以下、単に「呼吸リハ指導システム」、あるいは「呼吸リハ支援システム」ともいう)の説明を行なう。
【0025】
図1は本発明の実施の形態に係る好ましい実施例である包括的呼吸リハビリテーション指導システムにおける表示画面の流れの説明図、図2は図1のシステムの構成図、図3は図1のシステムが有するサーバ装置の構成図、図4乃至図12は図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【0026】
〔呼吸リハ指導システムの構成〕
図2に示すように、本実施例の呼吸リハ指導システム1は、インターネット通信網2を介して相互に接続する各構成として、管理センタ3に配置されたサーバ装置3a、基幹病院4に配置された基幹病院端末4b、この基幹病院と病診連携関係(後記する)にある診療所5に配置された診療所端末5b、在宅酸素療法を受けている呼吸器患者6aの患者宅6に配置された患者端末6b、同じく患者宅7に配置された患者端末7bとを含んでいる。
【0027】
尚、図2に示された本実施例の呼吸リハ指導システム1が包含する、上記した基幹病院端末4b、診療所端末5b、患者端末6b、7bはいずれも、既に各医療機関や患者宅に配置されているインターネット接続可能なパーソナルコンピュータを用いることが望ましく、その場合本実施例のシステム1の構成としての専用部分はサーバ装置3aとなる。従ってサーバ装置3aのみを本実施例システム1に係る構成と捉えることも可能では有るが、説明の都合上、以下では基幹病院端末4b、診療所端末5b、患者端末6b、7b及びサーバ装置3aを包含して情報通信の送受が完結する範囲を本実施例の呼吸リハ指導システムとして説明を行なうものとする。
【0028】
更に、図2には2つの患者宅6、7を図示するものの、それよりも多い数の患者宅を含んでいても、あるいは患者宅は単数であってもよい。また患者端末7bの動作はもうひとつの患者端末6bと同様であるので、以下の説明は6bについてのみ行なうものとする。また図2において、4aは基幹病院医師、5aは診療所医師、6c及び7cは酸素濃縮器である。
【0029】
ここで、システム構成を説明するに先立ち、在宅患者6aに対して診療所5と基幹病院4とが連携して在宅医療の推進にあたる「病診連携」について説明する。
【0030】
〔病診連携の概要〕
病診連携を説明するために最初に、患者に対して上記の在宅酸素療法を導入して治療を継続するまでの過程を順に説明する。
【0031】
まず、患者が自覚症状を有するなどして医療機関に来診し、医師の診察を受ける。医療機関には、患者の居住地域に密着した診療所等(所謂かかりつけ医院)や、広域エリアのセンター的機能を担う基幹病院等様々な形態あるが、ここではまず、上記の診療所5に患者6aが来診した場合について説明する。
【0032】
上記の診療所5に患者6aが来診して医師5aの診察を受けた結果、この患者6aは上記の在宅酸素療法が必要であり、且つ、この在宅酸素療法のこの患者への導入と初期の医学的指導の実行は、設備面などを考慮して上記の基幹病院4にて行うべきであることをこの医師5aが判断すると、医師5aは患者6aを基幹病院4に紹介するための書面である紹介状を作成する。医師5aは患者6aを紹介する基幹病院4を選定するに際して、地域性や、この患者の症状に関する過去の経験、及び医療機関同士のコネクション等を考慮して選定を行う。
【0033】
次に患者は、上記の紹介状を携えて、紹介先の基幹病院4を来診する。基幹病院4の医師4aは、紹介状の記載内容と自己の診察の結果等に基いて、この患者6aに対し在宅酸素療法を実施するかどうかを判断する。在宅酸素療法の実施を決定すると、多くの場合、この基幹病院4に短期間、患者が入院し、在宅酸素療法の導入と初期の医学的指導を受ける。
【0034】
上記の導入と初期の医学的指導を行った結果、経過が良好である場合、基幹病院4の医師4aは患者6aを紹介元の診療所5に逆紹介し(このために基幹病院4の医師4aは診療所5に患者を逆紹介するための書面である逆紹介状を作成する)、以後の在宅酸素療法に関わる医学的指導は上記した診療所5に定期的に(例えば月に一度)患者6aが通院して、この診療所5の医師5aから受ける場合が多い。
【0035】
上記のように地域医療機関である診療所5に患者6aを逆紹介するのは、基幹病院4に過度に患者が集中して医療の効率が下がるのを避け、基幹病院と地域医療機関との機能の分担を明確化しようとする厚生労働省の方針に沿う処置である。
【0036】
例えば、公知の資料である厚生労働省発保第0220001号「諮問書」に答えた「答申書」(中央社会保険医療協議会、平成14年2月20日付け)の第2頁中の第3節には、「医療機関の機能分担と連携に配慮しつつ、診療所と病院の診療実態に即した診療報酬上の評価の在り方について考察すること。」との記載がある。この答申に応じた診療報酬の改定では、平均在院日数の低減(外来診療、在宅医療の促進)と紹介率の向上(地域医療機関への患者の誘導)とが推奨されているのである。
【0037】
更に又、入院による酸素療法ではなく、患者の自宅にて在宅酸素療法を受けることが出来れば、患者の通院時間短縮や通院に伴う経済負担の低減、あるいは地域医療機関なので曜日に拘らずに通院が出来、医師の往診もより容易となるなど、患者のQOL(Quality of Life)を大きく向上させる効果も期待できる。
【0038】
このように基幹病院4に紹介されて在宅酸素療法の導入を患者が受けた後、診療所5へ逆紹介されて在宅酸素療法を開始した患者6aのその後の経過情報を基幹病院医師4aが知得できたり、基幹病院医師4aと診療所医師5aとがこの患者の在宅医療について意見を交換できれば、より充実した在宅医療が実行できるものと期待できるのであるし、診療所医師5aの立場からは基幹病院医師4aにバックアップされつつ在宅医療を遂行できる安心感が得られるとともに、基幹病院医師4aの立場からは、自己が逆紹介した患者6aのその後の経過を知ることが出来るので、より責任をもって患者の逆紹介が行えるメリットも生ずる。
【0039】
すなわち診療所の医師5aと基幹病院医師4aとが相互に連携しつつ在宅医療の遂行、呼吸リハビリテーションの指導等を行なう病診連携がなされれば、これらの効果を向上させる事が出来、本実施例の呼吸リハ指導システム1は、以下に説明するとおり、この病診連携を実現させることが出来る。
【0040】
〔サーバ装置の構成〕
次に、図3に従い、本実施例システム1が有するサーバ装置3aの構成を説明する。
【0041】
サーバ装置3aは、以下の各構成を有する。
すなわち、インターネット通信網2とのインターフェイス手段である入出力部3a1を有する。また、インターネット通信網2に接続する各種の端末手段にWebページを用いて情報提供を行なうとともに、これらの端末手段から送信された情報を処理するWebサーバ部3a2を有する。
【0042】
このWebサーバ部3a2は、「(1)前記在宅医療に係る疾患の説明、(2)前記在宅医療の実行内容、(3)前記疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の実行内容、(4)前記疾患の薬物療法の実行内容、及び(5)当該患者の日常生活の注意点」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問に応じて入力操作された患者の回答を患者端末6bから受信して、当該患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある診療所端末5bへ、電子メールを利用してネットワーク経由で転送するように構成しても良い。
【0043】
あるいはまた、このWebサーバ部3a2は、診療所端末5bと、当該在宅医療の実行について前記医療従事者と連携を行なう連携医療従事者側にある基幹病院端末4bと、を含んだネットワークに接続する複数の端末装置へ、上記の質問に対する回答を転送するようにしてもよい。
【0044】
あるいはまた、このWebサーバ部3a2は、質問に対する回答に基き、この患者の理解度に応じた点数を生成して上記した複数の端末装置の内の少なくとも1の端末装置へ配信するよう構成しても良い。
【0045】
あるいはまた、このWebサーバ部3a2は、当該患者の容態及び/又は生活の状況を問う問診に応じて入力操作された前記患者の回答を患者端末6bから受信して、診療所端末5bへ転送するよう構成しても良い。
【0046】
あるいはまた、このWebサーバ部3a2は、診療所端末5bと、上記の基幹病院端末4bと、を含んだネットワークに接続する複数の端末装置へ上記の問診の回答を転送するように構成しても良い。
【0047】
また、基幹病院4、診療所5等の医療機関に関するデータである、医療機関名称、医師端末のIPアドレス、接続パスワード等をリスト情報として保持する医療機関DB(3a6)を有する。
【0048】
また、各患者に関わるデータである、患者の氏名、患者端末6b、6cのIPアドレス、接続用パスワード等をリスト情報として保持する患者DB(3a7)を有する。
【0049】
また、呼吸リハビリテーションの内容説明や、在宅酸素療法の説明、酸素濃縮器の取り扱い方法説明など、患者端末6bにWebページを用いて表示することにより患者の指導に供すべき各種のデータを記録保持する患者指導データ保持部3a3を有する。
【0050】
また、「(1)在宅医療に係る疾患の説明、(2)在宅医療の実行内容、(3)疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の実行内容、(4)疾患の薬物療法の実行内容、及び(5)当該患者の日常生活の注意点」、の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を記録保持しておき、インターネットに接続する端末からの要求に応じてこの端末に配信し、且つ、当該患者の容態及び/又は生活の状況を問う問診を、インターネットに接続する端末へ配信する質問/問診データ保持部3a4を有している。この質問/問診データデータ保持部3a4は、上記の質問及び/又は問診を、先に説明した患者端末6b、7bへ配信することができる。
【0051】
また、上記の質問に応じて入力操作された患者の回答を患者端末6b、7b等のインターネットに接続する端末から受信して、この患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある医師端末5b等からネットワーク経由で読み出しが可能なように記録保持し、且つ、上記の問診に応じて入力操作された患者の回答を患者端末6b等のインターネット接続端末から受信して、医師端末5b等から読み出しが可能なように記録保持する患者回答記録・保持部3a9を有する。
【0052】
なおこの患者回答記録・保持部3a9は、医師端末(診療所端末)5bと、在宅医療の実行についてこの医師5aと連携を行なう連携医療従事者である基幹病院医師4a側にある基幹病院端末4bと、を含んだネットワークに接続する複数の端末装置から、質問に対する回答を読み出しが可能なように構成しても良いし、又、医師端末(診療所端末)5bと、上記の基幹病院端末4bと、を含んだネットワークに接続する複数の端末装置から、質問に対する回答を読み出しが可能なように構成しても良い。
【0053】
また、上記の質問に対する回答に基き、この患者の理解度に応じた点数を生成して患者端末6bへ配信する点数計算部3a5を有する。
【0054】
〔呼吸リハ支援システムの動作〕
次に本実施例の呼吸リハ支援システム1の動作を各図面に従って説明する。尚、本実施例システムはWeb上のホームページを介して、情報の送受を行なうことにより所定の動作を行い、効果を発揮するものであって、インターネット上に接続する端末にWebの情報を配信して表示させる動作、表示された情報(Web画面)に応じて操作者が操作を行ない所望の情報を生成してこのWeb情報の配信元へ送信する動作、送信された情報を受け取った配信元がこの情報を記録保持する動作、記録保持した情報をインターネットに接続する所定の端末から読み出す動作などは、公知のWebに関する技術、インターネット情報送受信に関する技術、サーバ装置に関する技術を用いて構成が可能である。
【0055】
従って、記載が煩雑となることを避けるため、以下の説明では、端末装置側の表示画面に表示がなされる情報の内容、端末装置を用いて患者等が入力操作を行なって情報を送信する動作等を主に説明し、これらの動作に伴って実行される詳細な点は省略することもある。
【0056】
例えば、「患者端末6bからの要求に応じて、本システム1は、この患者端末6bに呼吸リハ指導画面を表示する。」なる記載があれば、これは、「(1)患者6aが患者端末6bに付属するキイボード等の操作手段を操作して呼吸リハ指導画面の表示を要求する信号を生成する、(2)生成された信号がインターネット通信網2を経由してサーバ装置3aに送信される、(3)送信された信号はサーバ装置3a内で入出力部3a1を経由してWebサーバ部3a2へ送られる、(4)Webサーバ部では送られた信号を解析して、呼吸リハ指導画面をこの患者端末6bで表示すべきことを知得し、患者指導データ保持部3a3から該当するデータを読み出して、この患者端末6bが有するIPアドレス宛てに送信する、(5)送信されたデータはWebサーバ部3a2から入出力部3a1、インターネット通信網2を経て、患者端末6bに達する、(6)患者端末6b側では受け取ったデータに基き、表示画面に呼吸リハ指導画面を表示する」という一連の動作を含んでいる点は言うまでもない。
【0057】
〔患者端末の表示画面の流れ〕
はじめに、患者6aが患者端末6bを用いてサーバ装置3aにアクセスし、その後操作に応じて患者端末6bに表示される一連の画面の流れについて、図1を用いて説明する。
【0058】
10は本システム1のポータル画面であって、システム1にアクセスした後、最初に表示される。
【0059】
患者6aはこのポータル画面10上に配置されたクリッカブルワードを選択的にクリックすることにより、在宅医療を担当する医療機関の紹介ページ11、呼吸リハビリテーションの指導画面12、リンク集表示ページ13、及び本システム1に予め登録された会員専用ページの入り口であるID入力ページ14のいずれか、或いは図示されていない他のページへ移動することが出来る。
【0060】
更に、上記のID入力ページ14で認証が済んだ操作者は、会員向けメニュー画面15へ移動し、この会員向けメニュー画面15からは、操作に応じて、患者端末6bに付属する撮像手段を用いて医療機関の医師とテレビ電話による通話を行なうためのTV電話画面16、患者6aに対する問診を行なうための質問項目表示ページ17、クイズ形式で患者6aに(1)在宅医療に係る疾患の説明、(2)在宅医療の実行内容、(3)疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の実行内容、(4)疾患の薬物療法の実行内容、(5)当該患者の日常生活の注意点、(6)その他の項目」、の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を行なうための一連のページであって、まずクイズ種別(カテゴリ)の選択を行なうためのクイズ種別(カテゴリ)選択ページ18、或いは図示しない他のページへ移動が可能である。
【0061】
上記のクイズ種別(カテゴリ)選択ページ18から更に移動可能なページについては後記する。
【0062】
〔医療機関の紹介ページ〕
上記した医療機関の紹介ページ11には、この患者6aの在宅医療を担う診療所5の住所、診療科目、担当医師、診療時間等が記載されている。また上記の診療所5と病診連携を行なう基間病院4の、住所、診療科目、担当医師、診療時間等を記載しても良い。
【0063】
〔呼吸リハビリテーションの指導画面〕
上記した呼吸リハビリテーションの指導画面12には、呼吸リハを受ける患者6aに対する啓蒙、指導を行なうための事項が記されている。これらの記載事項に目を通すことにより、患者6aに対し外来通院だけでは充分ではなかった呼吸リハの指導を補い、確実な呼吸リハの実行が可能となる。
【0064】
〔リンク集表示ページ〕
上記したリンク集表示ページ13には、在宅酸素療法、呼吸リハを行なう際に患者6aにとって有益となる情報を記載したページへリンクするクリッカブルワードが配置されている。
【0065】
リンクするページの内容は様々であるが、例えば図4乃至図7に示すような、酸素濃縮器の供給業者が製作した、在宅酸素療法機器(酸素濃縮器等)の取り扱い注意点、便利メモ等を記載したページは有効である。
【0066】
あるいはまた、図8及び図9に示すような、患者の食事に関する情報(カロリー等)を記載したページは有効である。なぜなら食事のカロリーを向上させて患者の体力を向上される点は呼吸リハにおける重要な比率を占めるからである。
【0067】
〔ID入力ページ(登録された患者の認証)〕
上記したID入力ページ14は図10に図示する如くの構成を備え、画面中に配置された入力ボックス10aにカーソルをオンした状態で患者端末6bに付属するキイボード等を用いて予め決められたこの患者6aのIDを入力し、この患者が予め登録されていることの認証を行なう。患者のIDとして、専用に決められた文字列ではなく、例えば患者6aの電話番号を用いると、IDの忘却防止に有効である。入力されたIDは、予めサーバ装置3aに記録保持された患者DBのIDと照合されて認証が行なわれる。
【0068】
〔質問項目表示ページ(患者に対する問診の実行)〕
上記した質問項目表示ページ17は、例えば図11に示す如くの構成を有し、その内容は、患者への質問項目11aと、この質問に対する回答を選択するボタン11b、11cと、血圧のような、患者6aが患者宅6にある機器で予め測定した測定値を入力するためのボックス11dと、画面上に入力した回答を確定してサーバ装置3aへ送信を実行するための送信ボタン等を含んでいる。
【0069】
また、問診を行なうためのその他の構成として、以下のように一連の質問を配置し、各質問に対する回答に応じて次の質問が選択され、選択を続けることにより、より疑わしい疾患へ近づいていくフローチャートに基いて順次問診を行なうように構成しても良い。
【0070】
例えば、「息切れがする(Yes/No)」がまず質問される。
「息切れがする」を選択すると、「慢性的な呼吸困難/突然の呼吸困難」が次に質問される。ここで突然の呼吸困難を選択すると、「数分間/数時間」が次に質問される。ここで「数分間」を選択すると、「胸痛あり/なし」が次に質問される。ここで「胸痛なし」を選択すると、「夜明けに多く、昼間におさまる/食べ得た直後から起こる/頭がボーっとする、手足のしびれが有る」が次に質問される。ここで、「夜明けに多く、昼間におさまる」を選択することにより、あらかじめ決められたフローチャート(図示しない)に従って「気管支喘息」が最も疑わしい疾患として選択されるのである。
【0071】
患者6aが入力した問診の回答は、サーバ装置3aへ送信されて保持記録されることにより、診療所端末5b、及び病診連携を行なう基幹病院4の基幹病院端末4bから読み出しが可能となる。
【0072】
あるいはまた、患者6aが入力した問診の回答は、サーバ装置3aへ送信されて、さらにこのサーバ装置3aから診療所5b、基幹病院端末4bを含む複数のインターネット接続端末の内の任意の端末へ、電子メールを利用して転送するよう構成しても良い。
【0073】
上記に例示した如く本システム1では、患者6aは、患者宅6に置かれた汎用パーソナルコンピュータである患者端末6bを操作して表示された質問に対する回答を入力操作するだけで面倒な操作を必要とせず、問診への回答が得られるので、患者宅6に専用の生体情報測定装置を配置したり、この装置による測定結果を送信するための送信装置を配置する必要も無く、きわめて低廉、簡潔な構成で患者の容態、生活状況を医師が把握することが可能となる。
【0074】
〔クイズへの回答と採点(患者の理解度の把握)〕
次に、本システム1が提供する、クイズ形式の患者への質問を実施して患者の在宅医療に関わる諸事項への理解度を把握する構成を説明する。
【0075】
先に説明したクイズ種別(カテゴリ)選択ページ18の画面には複数のクイズのカテゴリからひとつを選択する欄、在宅医療の実施度を測る質問の複数のカテゴリからひとつを選択する欄、選択したカテゴリのクイズを表示させるためのボタンを有する。
【0076】
カテゴリが選択されてクイズを表示するためのクイズ表示ページ19の画面中には、クイズの質問事項を記載した欄と、この質問に対する回答を患者が選択するためのチェック欄と、全ての回答が入力終了した段階で、回答のサーバ装置3aへの送信と採点依頼を行なうボタンとを有している。
【0077】
採点を依頼することによって表示される採点ページ20の画面中にはサーバ装置3aで計算されて返送された採点結果の表示欄、患者の回答に誤りがあった質問に対する正解を表示し、合わせて、登録済みの解説ページへのリンクを表示する表示欄、会員向のメニューページ15へ戻るとともにクイズの回答と患者IDとを診療所端末5b等へメールで送信するボタンとを有している。
【0078】
本システム1では上記のように構成したので、Web上の記載を患者が唯漫然と読むのではなく、双方向で情報送信がなされるので患者の興味、関心を向上させてアクセス率を向上させ、患者への指導がより確実に実行できる。
【0079】
また患者の理解度に応じて採点がなされるので、患者の向上心を更に刺激してより良い指導が実行できるとともに、医師側でも患者の理解度を定量的に把握できるの、効率の高い指導が行なえる。
【0080】
〔医師による回答情報へのアクセス〕
上記のように本システム1では、問診やクイズに対する患者の回答はサーバ装置3aから所定の医療機関の端末へ電子メールで転送されるのであるが、一方、医師の端末側からサーバ装置3aへアクセスして、所望の患者の回答内容や点数を見ることも出来る。
【0081】
すなわち、医師側からアクセルする際の画面の流れ図である図12に示す如く、認証画面15aにパスワード等を入力して医師の認証が行なわれると、アクセス可能な患者の回答データのリストが表示された医師向けホームページ15bが表示される。
【0082】
そこで所望の患者の問診回答(バイタルチェック)を表示させると、15cに見る如く、回答の日付、時刻とともに、各問診への回答結果、血圧等患者が入力したバイタルデータの数値等が表示される。またこれらの結果をダウンロードすることも可能である。
【0083】
あるいはまた、所望の患者のクイズ回答を表示させると、15dに見る如く、回答の日付、時刻とともに、各クイズへの回答結果、点数等が表示される。またこれらの結果をダウンロードすることも可能である。
【0084】
患者の回答結果を診療所医師5aのみばかりではなく、この医師5aと病診連携している基幹病院の医師4aも見ることが出来るので、この患者の在宅医療に係るデータが共有化されて病診連携が促進できる効果がある。双方の医師は、アクセスした患者回答の内容に基いて他方の医師へ電話連絡や電子メールによる連絡を行なって意見交換をすることも出来るのは言うまでも無い。
【0085】
〔テレビ電話機能〕
本システム1では、上記のほかに、医師と患者とが互いに相手の姿を見ながら通話が出来るテレビ電話機能も有している。すなわち各端末に付属するか、接続された撮像手段により画像信号を生成し、音声信号とともに他方の端末に送ることによって、医師は患者の顔色や表情を見ながら問診が出来るので問診の精度が向上するとともに、患者は医師と面と向かって話すのに似た安心感を得られる。
【0086】
〔システムの機能のまとめ〕
上記した、あるいはまだ説明をしていない機能を含めて、本実施例の呼吸リハ支援システム1は下記するような各機能を有している。
(1)バイタルチェック結果保存及びメール送信−患者が入力した「今日の体調は?(バイタルチェック)」への回答をファイルに保存する。また回答が予め決められた医師(メールアドレス)へメールで送信される。
(2)呼吸リハクイズ結果保存および採点ページ表示―患者が入力した「呼吸リハクイズ」への回答をファイル保存する。また予め登録してあるクイズの正解ファイルを用いて採点し、採点結果を表示する。
(3)呼吸リハクイズ結果メール送信―患者が入力した「呼吸リハクイズ」の回答を定められたメールアドレス(医師)へメールで送信する。
(4)バイタルチェック結果履歴表示―「今日の体調は?」に対する患者ごとの回答を履歴として表示する。このとき、患者ごとに決められた閾値に達した回答は、バックを赤くする等の方法で強調表示する。
(5)バイタルチェック結果ダウンロード―「今日の体調は?」の回答を患者毎にダウンロードする。
(6)呼吸リハクイズ結果履歴表示―「呼吸リハクイズ」の回答を、患者ごとに履歴として表示する。
(7)呼吸リハクイズ結果ダウンロード―「呼吸リハクイズ」の回答を、患者ごとにダウンロードする。
(8)問診内容(質問文)登録機能―「バイタルチェック」や「呼吸リハクイズ」の質問文/正解/解説ページのアドレス、バイタルチェックの閾値をブラウザから、登録/編集する機能。
(9)患者登録機能―患者のIDの発行を行なう機能。
(10)医師登録機能―医師のID/パスワードを設定する機能。また、医師ごとに担当する患者を関連付ける機能。
(11)回答結果ファイルメンテナンス機能―過去の回答結果を削除したり、回答を修正する機能。
(12)セキュリティ機能―各ページの情報や回答結果の暗号化を行なって、患者のプライバシーを保護する機能。
【0087】
【発明の効果】
上記に詳述した如く、本発明は、在宅医療を受ける患者側に配置された患者端末装置へネットワークを介して接続し、在宅医療に関わる患者への指導を支援するための在宅医療指導支援システムであって、(a)「(1)在宅医療に係る疾患の説明、(2)在宅医療の説明、及び(3)疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の説明」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を患者端末装置へ配信する配信手段と、(b)質問に応じて患者端末装置へ入力操作された患者の回答を受信して、当該患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある医師端末装置と、当該在宅医療の実行について医療従事者と連携を行なう連携医療従事者側にある連携医師端末装置と、を含んだネットワークに接続する複数の端末装置から読み出しが可能なように記録保持する記録保持手段とを有することを特徴とする在宅医療指導支援システムとすることにより、在宅で医療経済上の負担が軽減されつつ十分且つ継続的なリハビリテーションの指導を患者に対して実行することが出来、在宅の患者の容態や生活状況やリハビリテーションに対する理解度を医療従事者が容易に把握することが出来、且つ、病診連携の下でより効果的なリハビリテーションが実行可能となる在宅指導支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る好ましい実施例である包括的呼吸リハビリテーション指導システムにおける表示画面の流れの説明図である。
【図2】図1のシステムの構成図である。
【図3】図1のシステムが有するサーバ装置の構成図である。
【図4】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図5】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図6】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図7】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図8】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図9】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図10】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図11】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【図12】図1のシステムが提供する表示画面の例である。
【符号の説明】
1 包括的呼吸リハビリテーション指導システム
2 インターネット通信網
3a サーバ装置(在宅医療指導支援システム)
3a2 Webサーバ部(転送手段)
3a4 質問/問診データ保持部(配信手段)
3a9 患者回答記録・保持部(記録保持手段)
6b 患者端末(患者端末装置)
Claims (6)
- 在宅医療を受ける患者側に配置された患者端末装置へネットワークを介して接続し、前記在宅医療に関わる前記患者への指導を支援するための在宅医療指導支援システムであって、
(a)「(1)前記在宅医療に係る疾患の説明、(2)前記在宅医療の説明、及び(3)前記疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の説明」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を前記患者端末装置へ配信する配信手段と、
(b)前記質問に応じて前記患者端末装置へ入力操作された前記患者の回答を受信して、当該患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある医師端末装置と、当該在宅医療の実行について前記医療従事者と連携を行なう連携医療従事者側にある連携医師端末装置と、を含んだ前記ネットワークに接続する複数の端末装置から読み出しが可能なように記録保持する記録保持手段とを有することを特徴とする在宅医療指導支援システム。 - 前記質問に対する回答に基き、この患者の理解度に応じた点数を生成して前記複数の端末装置の内の少なくとも1の端末装置へ配信する点数配信手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の在宅医療指導支援システム。
- 当該患者の容態及び/又は生活の状況を問う問診を、前記患者端末装置へ配信する問診配信手段と、
前記問診に応じて前記患者端末へ入力操作された前記患者の回答を受信して、前記複数の端末装置から読み出しが可能なように記録保持する問診記録保持手段とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の在宅医療指導支援システム。 - 在宅医療を受ける患者側に配置された患者端末装置へネットワークを介して接続し、前記在宅医療に関わる前記患者への指導を支援するための在宅医療指導支援システムであって、
(a)「(1)前記在宅医療に係る疾患の説明、(2)前記在宅医療の説明、及び(3)前記疾患に関わる機能回復療法(リハビリテーション)の説明」の内の少なくとも1の事項について、この事項に関する当該患者の理解度に応じて正解が導かれる質問を前記患者端末装置へ配信する配信手段と、
(b)前記質問に応じて前記患者端末装置に入力操作された前記患者の回答を受信して、当該患者の在宅医療に関わる医療従事者側にある医師端末装置と、当該在宅医療の実行について前記医療従事者と連携を行なう連携医療従事者側にある連携医師端末装置と、を含んだ前記ネットワークに接続する複数の端末装置へ転送する転送手段とを有することを特徴とする在宅医療指導支援システム。 - 前記質問に対する回答に基き、この患者の理解度に応じた点数を生成して前記複数の端末装置の内の少なくとも1の端末装置へ配信する点数配信手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の在宅医療指導支援システム。
- 当該患者の容態及び/又は生活の状況を問う問診を、前記患者端末装置へ配信する問診配信手段と、
前記問診に応じて前記患者端末装置へ入力操作された前記患者の回答を受信して、前記複数の端末装置へ転送する問診転送手段とを有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の在宅医療指導支援システム。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017519303A (ja) * | 2014-06-25 | 2017-07-13 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. | 患者及び臨床医を支援するために、共有される、患者中心の意思決定サポートツールを用いるシステム及び方法 |
JP2019215723A (ja) * | 2018-06-13 | 2019-12-19 | 帝人ファーマ株式会社 | 医療機器に関する情報を提供する医療用サーバ、医療用システム、端末及び方法 |
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