JP2004037187A - 超音波振動供与装置とその供与方法 - Google Patents

超音波振動供与装置とその供与方法 Download PDF

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Shigetaka Sugimoto
杉本 繁孝
Kunimitsu Matsuzaki
松崎 邦光
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M35/00Means for application of stress for stimulating the growth of microorganisms or the generation of fermentation or metabolic products; Means for electroporation or cell fusion
    • C12M35/04Mechanical means, e.g. sonic waves, stretching forces, pressure or shear stimuli

Abstract

【課題】異質の素材を封入した容器に直接超音波振動を付与して素材を変化させる超音波振動供与装置と方法の提供。
【解決手段】プラスチックその他の耐振、耐熱特性を持つ材料で形成された容器内に封入された流体状もしくは固体状の異質の素材に超音波振動エネルギーを供与する装置であって、超音波振動付与手段を直接前記容器に接触させて超音波振動エネルギーを前記異質の素材に供与する超音波振動供与装置。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、超音波振動エネルギーを利用して異質の流体もしくは固体等を混合、乳化、分散処理する技術であって、特に動植物の細胞や組織を破砕して高精度に検診もしくは検査を寄与しうる技術の分野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の超音波振動エネルギーを応用して動植物の細胞、DNA等を分散、加工する技術は各種提案され、採用されている。
【0003】
その一例として、生体における狂牛病(BSE)、その他の病因を診断するための検査技術を挙げれば次の如くである。
【0004】
この場合、一般的には次の方法が利用されている。
【0005】
予め、生体の一部を切除して試料(テストピース)を用意した後、次の各種の方法を実行する。
【0006】
イ.テストピースTPとガラスビーズGBを挿入した試験管(図4(Y))を動力手段で2000回/分程度にふるい動かす。
ロ.テストピースを挿入した試験管内に動力回転式の撹拌体を直接挿入して振動・撹拌する。
ハ.テストピースを耐圧容器に入れ1000kg/cm以上の圧力をかけて処理する。
ニ.テストピースを挿入した試験管内に振動ホーンを挿入して振動・撹拌する(図6参照)。
ホ.カップ型の超音波ホーンに水を入れ、その中にテストピースTPを挿入した試験管2000’を入れ(図4(X))、水を介して間接的に超音波で処理する(図7参照)。
【0007】
前記イ〜ホの方法の後に例えば、タンパク質消化酵素等の所要の試薬を注加し、人間の体温程度(約37℃)に1時間加温する。
【0008】
その後、テストピースの混入した水溶液に蛍光試薬を入れ、発光状態を検出してタンパク質の消化状況から病因を診断する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来技術ではテストピースの破砕と撹拌、均質化が十分でなく、診断精度に改善の余地があった。
【0010】
即ち、前記のイの方法では、十分な均質化が期待できず、固形状のテストピースの残留が見られた。
【0011】
又、ロ〜ニの方法では、汚染(contamination)を回避しなければならないテストピースの場合や、取り扱い上、作業者に危険性が懸念されるようなテストピースの処理は不可能であった。
【0012】
更に、ホの方法では、前記した不具合は解消されるが、水を媒体として超音波振動によって振動・撹拌処理するものであるために超音波エネルギーが十分にテストピースに伝達され難く、処理に時間がかかるという不具合点も指摘されるところであった。
【0013】
この発明が解決しようとする第1の課題点は、異質の流体もしくは固体状の処理材を超音波振動エネルギーを利用して混合、乳化もしくは分散する(処理する)ものを提供することである。
【0014】
この発明が解決しようとする第2の課題点は、前記処理材を装填したプラスチック製の容器(テストチューブ)に直接超音波振動エネルギーを供与しうるものを提供することである。
【0015】
この発明が解決しようとする第3の課題点は、前記処理材を前記テストチューブに封止して汚染を未然防止しうる状態で処理しうるようにしたものを提供することである。
【0016】
この発明が解決しようとする第4の課題点は、前記テストチューブに超音波振動ホーンを圧接させてエネルギー伝達損失を防止して効率的に処理しうるものを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記したこの発明の課題点を解決する手段を挙げれば特許請求の範囲の請求各項と同様に次の如くである。
【0018】
(1) プラスチックその他の耐振、耐熱特性を持つ材料で形成された容器内に封入された流体状もしくは固体状の異質の素材に超音波振動エネルギーを供与する装置であって、超音波振動付与手段を直接前記容器に接触させて超音波振動エネルギーを前記異質の素材に供与する超音波振動供与装置。
【0019】
(2) 前記超音波振動付与手段におけるホーンに前記容器に係合する凹入状の振動部を形成した前記(1)記載の超音波振動供与装置。
【0020】
(3) 前記振動部が縦振動状の超音波振動を前記容器内の素材に付与するように構成した前記(1)又は(2)記載の超音波振動供与装置。
【0021】
(4) プラスチックその他の耐振、耐熱特性を持つ材料で形成された容器内に封入された流体状もしくは固体状の異質の素材に超音波振動エネルギーを供与する装置であって、前記容器内に前記異質の素材を封入した後、超音波振動付与手段を直接前記容器に接触させて超音波振動エネルギーを前記異質の素材に供与する超音波振動供与方法。
【0022】
(5) 前記異質の素材が流体で構成されており、超音波振動エネルギーを付与して、混合、乳化、脱気もしくは分散処理させる前記(4)記載の超音波振動供与方法。
【0023】
(6) 前記異質の素材が流体と固体とで構成されており、超音波振動エネルギーを付与して前記固体状の素材を破砕し、混合、乳化もしくは均質化させる前記(4)記載の超音波振動供与方法。
【0024】
(7) 前記異質の素材の少なくとも一つが動植物の細胞や組織である前記(4)又は(6)記載の超音波振動供与方法。
【0025】
即ち、前記(1)乃至(3)に係る超音波振動供与装置及び前記(4)乃至(7)に係る供与方法によれば、異質の素材に超音波振動エネルギーを伝達損失を軽減させて効果的に付与して、例えば動植物の細胞や組織等の素材を混合、乳化、脱気、分散、均質化もしくは破砕処理することができ、例えば病因の精密な診断等に貢献できるものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
この発明の内容を具体化した実施の形態を挙げると次の通りである。
【0027】
図面に示す実施の形態は、狂牛病の疑いのある牛の病因を診断するために、牛の脳等の固形状の試料(テストピース)を水、その他の水溶液と共にプラスチック製の容器内に封入した試験容器(テストチューブ)に超音波振動を与えて混合溶液状に均質化(homogenize)させる超音波振動供与装置1000である。
【0028】
次に、その内容を項目毎に詳細に説明する。
【0029】
1.全体構成
図1に示すように超音波振動供与装置(装置)1000は、後述するテストチューブ2000に超音波振動を付与する超音波振動付与手段1100と、その昇降支持手段1200と、前記テストチューブ2000を安定的に保持する担持手段1300並びに各動作制御のための制御手段1400とで構成されている。
【0030】
2.個別的構成
(1) 超音波振動付与手段1100
後述する発振器1111によって超音波振動を誘起されるコンバータ1110の下端に、ホーン1120を垂設した構成であり、このホーン1120の下端にはテストチューブ2000に縦方向振動を与えるための接触部1121が形成されているが、その形状については、担持手段1300に対向する対状の形状を呈するものであるので担持手段1300と共に後述する。
【0031】
(2) 昇降支持手段1200
後述する担持手段1300を搭載可能なベース1210に竪設したポール1220上に昇降移動可能に架設した昇降枠1230に連結したホルダ1240により、前記のコンバータ1110を把持している。
【0032】
又、昇降枠1230には、電動モータもしくはソレノイド等の動力手段にて駆動されるエアシリンダ1231が内蔵されており、後述する制御手段1400によって昇降枠1230の昇降移動量が制御されるように構成されている。
【0033】
(3) 担持手段1300
図2及び図3にも示すように、前記の昇降支持手段1200のベース1210上に固設した支持台1310上にテストチューブ2000を担持しうる上向き凹入状の安置部1322を備えた受け部1321を形成した下受容枠1320を所要の位置に固定可能に設けている。
【0034】
(4) テストチューブ2000の支持構成
図2及び図3に示すように、前記下受容枠1320の上面には2個の半円弧状で、上向き凹入状の安置部1322でテストチューブ2000を安定的に担持させる前記受け部1321が形成されている。
【0035】
他方、ホーン1120の下面には、前記受け部1321と同様に2個の半円弧形で凹入状の負荷部1122を備えた接触部1121が下向き状に形成されており、テストチューブ2000との接触面積を広くとることで超音波振動エネルギーの伝搬効率を上げる役目をしている。
【0036】
尚、その機能については使用方法の項で後述する。
【0037】
(5) 制御手段1400
制御手段1400は、マイコンを含んだ構成であって、操作部1410、タイマ1420、記憶部1430並びに表示部1440を設けており、超音波振動の付与内容を総括的に制御しうるものであるが、その機能については使用手順の項において後述する。
【0038】
(6) テストチューブ2000
図4(X)に示すように、プラスチック材料製の内径10mm程度の円筒状のコンテナ2010内には、水を注入し、その中にテストピースTPを投入し、キャップ2021をネジ部2030によって封止した状態のものを利用した。
【0039】
尚、この中空で未使用のテストチューブ2000自体は市販されており、水とテストピースとが封入されていればガラスビーズが欠如していても足りるもので、その寸法、内容積は本発明に限定を与えるものではない。
【0040】
3.使用手順
次に、この装置1000によるテストピースの均質化処理手順について説明する。
【0041】
この手順においては、狂牛病の検査における陽性もしくは擬陽性の診断のために牛の脳の一部をテストピースとして均質化処理について実行することが望ましいが、入手が困難であり、又、検査の危険性を未然防止するために各種の準備が不可欠であるので、生体的に組成上、又、硬さの点の共通点が多い牛の肝臓(レバー)を代替品として採用して作業を進めた。
【0042】
(1) テストチューブ2000の準備
前述したテストチューブ2000のコンテナ2010内に水約3ccを注入した上に、牛のレバーからなるテストピースTPを約350mgの小片状として挿入し、キャップ2020により封止する(図5参照)。
【0043】
(2) 均質化行程
▲1▼ テストチューブ2000の配置行程
図2及び図3に示すように、下受容枠1320の2個の並列状に形成した受け部1321の安置部1322内にテストチューブ2000を横向き状に挿入する。
【0044】
▲2▼ 超音波振動付与行程
次に、図1に示すように、制御手段1400における表示部1440を視認しつつ操作部1410をマニュアル操作して加圧力を設定し、タイマ1420によって振動付与時間を設定した後、始動指令を与えると、タイマ1420によって振動付与時間が制御されて発振器1111が始動されて約20KHzの超音波振動がホーン1120に誘起されると共に、昇降枠1230がエアシリンダ1231によって始動されてポール1220に沿って下降されて、図3の仮想線で示すように、その下縁に形成された接触部1121の円弧状の負荷部1122が安置部1322に整列されると共に、負荷部1122がテストチューブ2000に圧接され、テストチューブ2000には、その半径方向に沿って超音波振動が付与される。
【0045】
その負荷時間はタイマ1420で制御されており、約5秒程度であれば図5のCで見られるように、均質化が十分に行われて望ましい。
【0046】
同様に、同図のAに見るように、負荷時間が1.0秒程度では、均質化が不十分で、テストピースTPが一部固形状に残留しているのが見られた。
【0047】
又、同図のBに見るように、負荷時間が長すぎて、例えば10秒を超えると、テストチューブ2000内の温度が高温化して凝固現象が発生し、凝固物Sが見られるという不具合が見られた。
【0048】
▲3▼ 復帰行程
次に、タイマ1420がOFFにされると発振器1111がOFFにされると共に、昇降枠1230が上昇され、テストチューブ2000が負荷部1122から解放され、この結果は表示部1440に表示されると共に、記憶部1430に記録される。
【0049】
(3) 検査行程
前記のように、均質化処理されたテストチューブ2000内に、前述の如き蛍光試薬を注入して発光状況等からその病因を専門的に検知するものである。
【0050】
尚、図2、図3に示すように、テストチューブ2000を担持し、超音波振動を付与する接触部1121と受け部1321は2個並列状に形成したが、その相対的な位置関係並びに個数は格別に限定されるものではない。
【0051】
この結果、この装置1000によれば、次のような良好な結果が見られた。
【0052】
[1] プラスチック製のテストチューブ2000に直接超音波振動を付与するので、テストピースTPには効率的に超音波振動が伝達され、テストピースTPの破砕並びに均質化が急速に達成できた。
【0053】
即ち、このテストピースTPの破砕状況を検認するため、図5(C)における処理液を0.5mmメッシュの金属製網に注いだところ、テストピースTPに含まれていた少量の繊維質のみが金属製網上に残留し、他に凝固物等は見られず、破砕が効果的に達成されたことが確認できた。
【0054】
又、図7に示す従来技術においては、約45秒の処理を2回必要としたが、この実施の形態では約5秒と大巾に処理時間が短縮される。
【0055】
[2] 前記の処理時間の短縮のため、テストチューブ2000の昇温が未然防止され、テストピースTPが固形化するのが回避でき、均質化が達成できる。
【0056】
[3] テストピースTPはテストチューブ2000内に封止された状態で均質化処理されるため、テストピースTPの汚染を未然防止できる。
【0057】
[4] 例えば、狂牛病のおそれがあるような危険性を伴うテストピースTPでも安全に処理できる。
【0058】
尚、この実施の形態おいては、モータ1234等の動力手段によりホーン1120を昇降動作させたが、例えば図1において仮想線で示すような手動ハンドルHAにより図示しないパンダグラフ等の平行移動手段を介して昇降枠1230を昇降させてホーン1120によりテストチューブ2000を加圧して把持させる手段を採用するこ可能であり、構造が簡素化してコストの低減を図ることもできるものである。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したこの発明によってもたらされる特有の効果は次の如くである。
【0060】
▲1▼ 異質の流体もしくは固体状の素材に効果的に超音波振動を付与して破砕、混合、乳化、分散、脱気、均質化等の処理を高精度に達成できる。
【0061】
▲2▼ 超音波振動エネルギーを伝達損失を軽減して有効に素材に付与できる。
【0062】
▲3▼ 動植物の組織、細胞等の素材に超音波振動を付与して変化させ、その病因等の解明に有効である。
【0063】
▲4▼ 汚染を防止した状態で素材に超音波振動を付与させることができる。
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、超音波振動エネルギーを利用して異質の流体もしくは固体等を混合、乳化、分散処理する技術であって、特に動植物の細胞や組織を破砕して高精度に検診もしくは検査を寄与しうる技術の分野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の超音波振動エネルギーを応用して動植物の細胞、DNA等を分散、加工する技術は各種提案され、採用されている。
【0003】
その一例として、生体における狂牛病(BSE)、その他の病因を診断するための検査技術を挙げれば次の如くである。
【0004】
この場合、一般的には次の方法が利用されている。
【0005】
予め、生体の一部を切除して試料(テストピース)を用意した後、次の各種の方法を実行する。
【0006】
イ.テストピースTPとガラスビーズGBを挿入した試験管(図4(Y))を動力手段で2000回/分程度にふるい動かす。
ロ.テストピースを挿入した試験管内に動力回転式の撹拌体を直接挿入して振動・撹拌する。
ハ.テストピースを耐圧容器に入れ1000kg/cm以上の圧力をかけて処理する。
ニ.テストピースを挿入した試験管内に振動ホーンを挿入して振動・撹拌する(図6参照)。
ホ.カップ型の超音波ホーンに水を入れ、その中にテストピースTPを挿入した試験管2000’を入れ(図4(X))、水を介して間接的に超音波で処理する(図7参照)。
【0007】
前記イ〜ホの方法の後に例えば、タンパク質消化酵素等の所要の試薬を注加し、人間の体温程度(約37℃)に1時間加温する。
【0008】
その後、テストピースの混入した水溶液に蛍光試薬を入れ、発光状態を検出してタンパク質の消化状況から病因を診断する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来技術ではテストピースの破砕と撹拌、均質化が十分でなく、診断精度に改善の余地があった。
【0010】
即ち、前記のイの方法では、十分な均質化が期待できず、固形状のテストピースの残留が見られた。
【0011】
又、ロ〜ニの方法では、汚染(contamination)を回避しなければならないテストピースの場合や、取り扱い上、作業者に危険性が懸念されるようなテストピースの処理は不可能であった。
【0012】
更に、ホの方法では、前記した不具合は解消されるが、水を媒体として超音波振動によって振動・撹拌処理するものであるために超音波エネルギーが十分にテストピースに伝達され難く、処理に時間がかかるという不具合点も指摘されるところであった。
【0013】
この発明が解決しようとする第1の課題点は、異質の流体もしくは固体状の処理材を超音波振動エネルギーを利用して混合、乳化もしくは分散する(処理する)ものを提供することである。
【0014】
この発明が解決しようとする第2の課題点は、前記処理材を装填したプラスチック製の容器(テストチューブ)に直接超音波振動エネルギーを供与しうるものを提供することである。
【0015】
この発明が解決しようとする第3の課題点は、前記処理材を前記テストチューブに封止して汚染を未然防止しうる状態で処理しうるようにしたものを提供することである。
【0016】
この発明が解決しようとする第4の課題点は、前記テストチューブに超音波振動ホーンを圧接させてエネルギー伝達損失を防止して効率的に処理しうるものを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記したこの発明の課題点を解決する手段を挙げれば特許請求の範囲の請求各項と同様に次の如くである。
【0018】
(1) プラスチックその他の耐振、耐熱特性を持つ材料で形成された容器内に封入された流体状もしくは固体状の異質の素材に超音波振動エネルギーを供与する装置であって、超音波振動付与手段を直接前記容器に接触させて超音波振動エネルギーを前記異質の素材に供与する超音波振動供与装置。
【0019】
(2) 前記超音波振動付与手段におけるホーンに前記容器に係合する凹入状の振動部を形成した前記(1)記載の超音波振動供与装置。
【0020】
(3) 前記振動部が縦振動状の超音波振動を前記容器内の素材に付与するように構成した前記(1)又は(2)記載の超音波振動供与装置。
【0021】
(4) プラスチックその他の耐振、耐熱特性を持つ材料で形成された容器内に封入された流体状もしくは固体状の異質の素材に超音波振動エネルギーを供与する装置であって、前記容器内に前記異質の素材を封入した後、超音波振動付与手段を直接前記容器に接触させて超音波振動エネルギーを前記異質の素材に供与する超音波振動供与方法。
【0022】
(5) 前記異質の素材が流体で構成されており、超音波振動エネルギーを付与して、混合、乳化、脱気もしくは分散処理させる前記(4)記載の超音波振動供与方法。
【0023】
(6) 前記異質の素材が流体と固体とで構成されており、超音波振動エネルギーを付与して前記固体状の素材を破砕し、混合、乳化もしくは均質化させる前記(4)記載の超音波振動供与方法。
【0024】
(7) 前記異質の素材の少なくとも一つが動植物の細胞や組織である前記(4)又は(6)記載の超音波振動供与方法。
【0025】
即ち、前記(1)乃至(3)に係る超音波振動供与装置及び前記(4)乃至(7)に係る供与方法によれば、異質の素材に超音波振動エネルギーを伝達損失を軽減させて効果的に付与して、例えば動植物の細胞や組織等の素材を混合、乳化、脱気、分散、均質化もしくは破砕処理することができ、例えば病因の精密な診断等に貢献できるものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
この発明の内容を具体化した実施の形態を挙げると次の通りである。
【0027】
図面に示す実施の形態は、狂牛病の疑いのある牛の病因を診断するために、牛の脳等の固形状の試料(テストピース)を水、その他の水溶液と共にプラスチック製の容器内に封入した試験容器(テストチューブ)に超音波振動を与えて混合溶液状に均質化(homogenize)させる超音波振動供与装置1000である。
【0028】
次に、その内容を項目毎に詳細に説明する。
【0029】
1.全体構成
図1に示すように超音波振動供与装置(装置)1000は、後述するテストチューブ2000に超音波振動を付与する超音波振動付与手段1100と、その昇降支持手段1200と、前記テストチューブ2000を安定的に保持する担持手段1300並びに各動作制御のための制御手段1400とで構成されている。
【0030】
2.個別的構成
(1) 超音波振動付与手段1100
後述する発振器1111によって超音波振動を誘起されるコンバータ1110の下端に、ホーン1120を垂設した構成であり、このホーン1120の下端にはテストチューブ2000に縦方向振動を与えるための接触部1121が形成されているが、その形状については、担持手段1300に対向する対状の形状を呈するものであるので担持手段1300と共に後述する。
【0031】
(2) 昇降支持手段1200
後述する担持手段1300を搭載可能なベース1210に竪設したポール1220上に昇降移動可能に架設した昇降枠1230に連結したホルダ1240により、前記のコンバータ1110を把持している。
【0032】
又、昇降枠1230には、電動モータもしくはソレノイド等の動力手段にて駆動されるエアシリンダ1231が内蔵されており、後述する制御手段1400によって昇降枠1230の昇降移動量が制御されるように構成されている。
【0033】
(3) 担持手段1300
図2及び図3にも示すように、前記の昇降支持手段1200のベース1210上に固設した支持台1310上にテストチューブ2000を担持しうる上向き凹入状の安置部1322を備えた受け部1321を形成した下受容枠1320を所要の位置に固定可能に設けている。
【0034】
(4) テストチューブ2000の支持構成
図2及び図3に示すように、前記下受容枠1320の上面には2個の半円弧状で、上向き凹入状の安置部1322でテストチューブ2000を安定的に担持させる前記受け部1321が形成されている。
【0035】
他方、ホーン1120の下面には、前記受け部1321と同様に2個の半円弧形で凹入状の負荷部1122を備えた接触部1121が下向き状に形成されており、テストチューブ2000との接触面積を広くとることで超音波振動エネルギーの伝搬効率を上げる役目をしている。
【0036】
尚、その機能については使用方法の項で後述する。
【0037】
(5) 制御手段1400
制御手段1400は、マイコンを含んだ構成であって、操作部1410、タイマ1420、記憶部1430並びに表示部1440を設けており、超音波振動の付与内容を総括的に制御しうるものであるが、その機能については使用手順の項において後述する。
【0038】
(6) テストチューブ2000
図4(X)に示すように、プラスチック材料製の内径10mm程度の円筒状のコンテナ2010内には、水を注入し、その中にテストピースTPを投入し、キャップ2021をネジ部2030によって封止した状態のものを利用した。
【0039】
尚、この中空で未使用のテストチューブ2000自体は市販されており、水とテストピースとが封入されていればガラスビーズが欠如していても足りるもので、その寸法、内容積は本発明に限定を与えるものではない。
【0040】
3.使用手順
次に、この装置1000によるテストピースの均質化処理手順について説明する。
【0041】
この手順においては、狂牛病の検査における陽性もしくは擬陽性の診断のために牛の脳の一部をテストピースとして均質化処理について実行することが望ましいが、入手が困難であり、又、検査の危険性を未然防止するために各種の準備が不可欠であるので、生体的に組成上、又、硬さの点の共通点が多い牛の肝臓(レバー)を代替品として採用して作業を進めた。
【0042】
(1) テストチューブ2000の準備
前述したテストチューブ2000のコンテナ2010内に水約3ccを注入した上に、牛のレバーからなるテストピースTPを約350mgの小片状として挿入し、キャップ2020により封止する(図5参照)。
【0043】
(2) 均質化行程
▲1▼ テストチューブ2000の配置行程
図2及び図3に示すように、下受容枠1320の2個の並列状に形成した受け部1321の安置部1322内にテストチューブ2000を横向き状に挿入する。
【0044】
▲2▼ 超音波振動付与行程
次に、図1に示すように、制御手段1400における表示部1440を視認しつつ操作部1410をマニュアル操作して加圧力を設定し、タイマ1420によって振動付与時間を設定した後、始動指令を与えると、タイマ1420によって振動付与時間が制御されて発振器1111が始動されて約20KHzの超音波振動がホーン1120に誘起されると共に、昇降枠1230がエアシリンダ1231によって始動されてポール1220に沿って下降されて、図3の仮想線で示すように、その下縁に形成された接触部1121の円弧状の負荷部1122が安置部1322に整列されると共に、負荷部1122がテストチューブ2000に圧接され、テストチューブ2000には、その半径方向に沿って超音波振動が付与される。
【0045】
その負荷時間はタイマ1420で制御されており、約5秒程度であれば図5のCで見られるように、均質化が十分に行われて望ましい。
【0046】
同様に、同図のAに見るように、負荷時間が1.0秒程度では、均質化が不十分で、テストピースTPが一部固形状に残留しているのが見られた。
【0047】
又、同図のBに見るように、負荷時間が長すぎて、例えば10秒を超えると、テストチューブ2000内の温度が高温化して凝固現象が発生し、凝固物Sが見られるという不具合が見られた。
【0048】
▲3▼ 復帰行程
次に、タイマ1420がOFFにされると発振器1111がOFFにされると共に、昇降枠1230が上昇され、テストチューブ2000が負荷部1122から解放され、この結果は表示部1440に表示されると共に、記憶部1430に記録される。
【0049】
(3) 検査行程
前記のように、均質化処理されたテストチューブ2000内に、前述の如き蛍光試薬を注入して発光状況等からその病因を専門的に検知するものである。
【0050】
尚、図2、図3に示すように、テストチューブ2000を担持し、超音波振動を付与する接触部1121と受け部1321は2個並列状に形成したが、その相対的な位置関係並びに個数は格別に限定されるものではない。
【0051】
この結果、この装置1000によれば、次のような良好な結果が見られた。
【0052】
[1] プラスチック製のテストチューブ2000に直接超音波振動を付与するので、テストピースTPには効率的に超音波振動が伝達され、テストピースTPの破砕並びに均質化が急速に達成できた。
【0053】
即ち、このテストピースTPの破砕状況を検認するため、図5(C)における処理液を0.5mmメッシュの金属製網に注いだところ、テストピースTPに含まれていた少量の繊維質のみが金属製網上に残留し、他に凝固物等は見られず、破砕が効果的に達成されたことが確認できた。
【0054】
又、図7に示す従来技術においては、約45秒の処理を2回必要としたが、この実施の形態では約5秒と大巾に処理時間が短縮される。
【0055】
[2] 前記の処理時間の短縮のため、テストチューブ2000の昇温が未然防止され、テストピースTPが固形化するのが回避でき、均質化が達成できる。
【0056】
[3] テストピースTPはテストチューブ2000内に封止された状態で均質化処理されるため、テストピースTPの汚染を未然防止できる。
【0057】
[4] 例えば、狂牛病のおそれがあるような危険性を伴うテストピースTPでも安全に処理できる。
【0058】
尚、この実施の形態おいては、モータ1234等の動力手段によりホーン1120を昇降動作させたが、例えば図1において仮想線で示すような手動ハンドルHAにより図示しないパンダグラフ等の平行移動手段を介して昇降枠1230を昇降させてホーン1120によりテストチューブ2000を加圧して把持させる手段を採用するこ可能であり、構造が簡素化してコストの低減を図ることもできるものである。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したこの発明によってもたらされる特有の効果は次の如くである。
【0060】
▲1▼ 異質の流体もしくは固体状の素材に効果的に超音波振動を付与して破砕、混合、乳化、分散、脱気、均質化等の処理を高精度に達成できる。
【0061】
▲2▼ 超音波振動エネルギーを伝達損失を軽減して有効に素材に付与できる。
【0062】
▲3▼ 動植物の組織、細胞等の素材に超音波振動を付与して変化させ、その病因等の解明に有効である。
【0063】
▲4▼ 汚染を防止した状態で素材に超音波振動を付与させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の超音波振動供与装置の側面図。
【図2】図1の振動付与手段の一部拡大正面図。
【図3】図2の側面図。
【図4】テストチューブ(ガラスビーズ無し(X)、ガラスビーズ入り(Y))の側面図。
【図5】素材の変化を説明するためのテストチューブの側面図。
【図6】従来技術の超音波振動供与装置の説明図。
【図7】図6の他の例を示す説明図。
【符号の説明】
1000   超音波振動供与装置
1100   超音波振動付与手段
1121   接触部
2000   試験容器(テストチューブ)
TP     素材(テストピース)

Claims (7)

  1. プラスチックその他の耐振、耐熱特性を持つ材料で形成された容器内に封入された流体状もしくは固体状の異質の素材に超音波振動エネルギーを供与する装置であって、超音波振動付与手段を直接前記容器に接触させて超音波振動エネルギーを前記異質の素材に供与する超音波振動供与装置。
  2. 前記超音波振動付与手段におけるホーンに前記容器に係合する凹入状の振動部を形成した請求項1記載の超音波振動供与装置。
  3. 前記振動部が縦振動状の超音波振動を前記容器内の素材に付与するように構成した請求項1又は2記載の超音波振動供与装置。
  4. プラスチックその他の耐振、耐熱特性を持つ材料で形成された容器内に封入された流体状もしくは固体状の異質の素材に超音波振動エネルギーを供与する装置であって、前記容器内に前記異質の素材を封入した後、超音波振動付与手段を直接前記容器に接触させて超音波振動エネルギーを前記異質の素材に供与する超音波振動供与方法。
  5. 前記異質の素材が流体で構成されており、超音波振動エネルギーを付与して、混合、乳化、脱気もしくは分散処理させる請求項4記載の超音波振動供与方法。
  6. 前記異質の素材が流体と固体とで構成されており、超音波振動エネルギーを付与して前記固体状の素材を破砕し、混合、乳化もしくは均質化させる請求項4記載の超音波振動供与方法。
  7. 前記異質の素材の少なくとも一つが動植物の細胞や組織である請求項4又は6記載の超音波振動供与方法。
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