JP2004036632A - エアサスペンション装置 - Google Patents

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air
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stroke
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Fujio Tanigawa
谷川 富士夫
Satoshi Osawa
大澤 聡
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

【課題】エアサスペンション装置において、伸び側のストロークに対して、ばね力を大きくして、車体の姿勢変化を抑制する。
【解決手段】空気ばね2を構成するアッパピストン4およびダイヤフラム5に油圧緩衝器3を挿入し、ピストンロッド8をアッパピストン4に結合する。空気室7内にリバウンドスプリング9を配置し、その上端部をアッパピストン4に固定し、下端部にアウタスリーブ11を取付ける。油圧緩衝器3のシリンダ部6にスリーブ12を取付け、アウタスリーブ11に係合させる。エアサスペンション装置1の伸び側のストロークが間隔Lに達すると、アウタスリーブ11の内側フランジ部13とスリーブ12の外側フランジ部14とが当接して、リバウンドスプリング9が伸長する。これにより、伸び側のストロークに対して、ばね力を大きくすることができ、車体の姿勢変化を抑制して走行安定性を向上させる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両等に用いられ、ガスの反発力を利用したエアサスペンション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等のサスペンション装置において、懸架ばねとして空気ばねを使用し、空気ばねの空気室内に、ポンプおよび給排制御バルブによって圧縮空気を給排することにより、車高を調整できるようにしたエアサスペンション装置が知られている。エアサスペンション装置によれば、積載荷重に応じて空気ばねの空気室内の圧縮空気を給排して、ばね力を調整することにより、積載荷重の増減にかかわらず、常に一定の車高を維持することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のエアサスペンション装置では、次のような問題がある。空気ばねは、その特性上、通常状態から伸び側へストロークする際、金属ばねに比してばね力が小さくなる。このため、車両の旋回時、加減速時等において、車体のローリング、ピッチング等の姿勢変化が起こりやすくなり、走行安定性および乗り心地の面で問題を生じる。特に、RV(レクリエーショナルビークル)等の車高が高い車両においては、重心位置が高いため、車体の姿勢変化が大きくなる傾向があるので、走行安定性の見地から車体の姿勢変化を抑制することが重要である。
【0004】
そこで、空気ばねと組合わされる油圧緩衝器として、リバウンドスプリングを内蔵して伸び側へのストロークに対してばね力を作用させるようにしたものを使用することが考えられるが、油圧緩衝器内部のスペース上の制約から、充分なばね力を得ることは困難である。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、所定のストロークに対して、ばね力を大きくすることができ、車体の姿勢変化を抑制することができるエアサスペンション装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係るエアサスペンション装置は、空気ばねの空気室内に、前記空気ばねの伸び側のストロークに対してばね力を付与するばね部材を配置したことを特徴とする。
このように構成したことにより、空気ばねの伸び側のストロークに対して、ばね部材のばね力が作用して、大きなばね力が発生する。
また、請求項2の発明に係るエアサスペンション装置は、上記請求項1の構成において、前記ばね部材は、前記空気ばねの所定以上のストロークに対して、ばね力を付与することを特徴とする。
このように構成したことにより、空気ばねが伸び側に所定以上ストロークしたとき、ばね部材のばね力が付与されて大きなばね力が発生する。
なお、本明細書中の「エア」および「空気」という用語は、空気のみを意味するものではなく、空気以外の気体を含む広く気体一般を示す意味で用いている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態について、図1を参照して説明する。第1実施形態に係るエアサスペンション装置1は、空気ばね2および油圧緩衝器3とから概略構成されている。
【0008】
空気ばね2は、略有底円筒状のアッパピストン4の開口端に、略円筒状のダイヤフラム5の一端部を結合し、内側に折り返されたダイヤフラム5の他端部に、油圧緩衝器3のシリンダ部6を挿入、結合して、内部に空気室7を形成している。空気室7内には、圧縮空気が封入されている。
【0009】
油圧緩衝器3は、筒型油圧緩衝器であって、油液が封入されたシリンダ内にピストンロッド8を連結したピストン(図示せず)を摺動可能に嵌装し、ピストンロッド8の伸縮に対して、シリンダ内のピストンの摺動によって生じる油液の流動をオリフィス、ディスクバルブ等からなる減衰力発生機構によって制御して減衰力を発生させるものである。ピストンロッド8の先端部は、アッパピストン4の底部に結合されている。
【0010】
空気ばね2の空気室7内には、ピストンロッド8の周囲に、ばね部材としてリバウンドスプリング9(コイルばね)が配置されており、リバウンドスプリング9の上端部は、アッパピストン4内の底部に設けられたばね受け10に固定されている。リバウンドスプリング9の下端部には、円筒状のアウタスリーブ11の一端が結合されており、アウタスリーブ11の他端側は、油圧緩衝器3のシリンダ部6の上端部付近まで延ばされている。
【0011】
油圧緩衝器3のシリンダ部6の上端部には、円筒状のスリーブ12が嵌合、固定されており、スリーブ12の上端部は、アウタスリーブ11内に挿入されている。アウタスリーブ11の下端部には、スリーブ12の外周面上を摺動する内側フランジ部13が形成されており、また、スリーブ12の上端部には、アウタスリーブ11の内周面上を摺動する外側フランジ部14が形成されている。そして、図1に示す通常状態において、アウタスリーブ11の内側フランジ部13とスリーブ12の外側フランジ部14との間には、所定の間隔Lが設けられている。
【0012】
エアサスペンション装置1は、油圧緩衝器3のシリンダ部6の下端部に設けられた取付部15がサスペンション装置のばね下(車輪)側に連結され、アッパピストン4の底部およびピストンロッド8の先端部16がばね上(車体)側に連結されて車両に装着される。また、空気ばね2には、空気室7内の圧縮空気を給排制御するための給排制御弁、アキュムレータ、ポンプ、車高センサおよびコントローラ等からなる給排手段(図示せず)が接続されている。
【0013】
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
エアサスペンション装置1は、空気ばね2の空気室7内に封入された圧縮空気の反発力によって車体を支持し、また、ばね上、ばね下間の振動を油圧緩衝器3によって減衰する。そして、給排手段によって、空気室7内に圧縮空気を給排することにより、車高を調整することができ、また、積載荷重に応じてばね力を調整して、常に一定の車高を維持することができる。
【0014】
通常、車両の直進時には、エアサスペンション装置1の振幅が小さく、空気ばね2および油圧緩衝器3は、アウタスリーブ11の内側フランジ部13とスリーブ12の外側フランジ部14との間隔Lの範囲内でストロークするので、リバウンドスプリング9のばね力が作用せず、空気室7内の圧縮空気の反発力によって、路面の凹凸による振動を充分に吸収することができ、良好な乗り心地を得ることができる。また、ピストンロッド6の縮み側のストロークに対しては、リバウンドスプリング9のばね力は作用しないので、路面の突起を乗越える際には、空気室7内の圧縮空気の反発力によって衝撃を充分に吸収することができる。
【0015】
一方、車両の旋回時、加減速時には、旋回内側、加速時の前輪側および減速時の後輪側に装着されたエアサスペンション装置1の伸び側へのストロークが間隔Lよりも大きくなり(すなわち、空気ばね2が所定以上ストロークする)、スリーブ12の外側フランジ部14がアウタスリーブ11の内側フランジ部13に当接して、リバウンドスプリング9が伸長され、そのばね力が付与されて空気ばね2のばね力が増大する。これにより、エアサスペンション装置1が伸びにくくなり、ばね下重量(車軸、車輪等の重量)が車体の更なる上方への変位を抑えるので、車体の姿勢変化を抑制することができ、車両の走行安定性を高めることができる。なお、内側フランジ部13と外側フランジ部14との当接部には、緩衝材を設けて、これらの当接時の衝撃および打音を緩衝するとよい。
【0016】
空気ばね2の空気室7内の大きなデッドスペースを利用してリバウンドスプリング9を配置したことにより、リバウンドスプリング9の設計の自由度が高まり、コイル直径および線材直径を大きくすることができ、ばね力を大きくして、車体の姿勢変化を効果的に抑制することができる。そして、リバウンドスプリング9の選択の自由度が高まることから、非線形スプリング等を使用することによって、容易にばね特性を調整して車体への荷重を制御することができ、車体のストレスを低減することが可能となる。
【0017】
次に、本発明の第2実施形態について図2を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0018】
図2に示すように、第2実施形態に係るエアサスペンション装置17では、上記第1実施形態に対して、リバウンドスプリング18(ばね部材)は、テーパ状のコイルばねであり、その大径側の下端部がアッパピストン4の開口部に設けられたばね受け19に固定されている。リバウンドスプリング18の小径側の上端部は、油圧緩衝器3のシリンダ部6に取付けられたスリーブ12の外周上に沿って案内されている。図2に示す通常状態において、スリーブ12の外側フランジ部14とリバウンドスプリング18の上端部との間には、所定の間隔Lが設けられている。
【0019】
このように構成したことにより、エアサスペンション装置1の伸び側へのストロークが間隔Lよりも大きくなると(すなわち、空気ばね2が所定以上ストロークすると)、スリーブ12の外側フランジ部14がリバウンドスプリング18の上端部に当接して、リバウンドスプリング18が圧縮され、そのばね力が付与されて空気ばね2のばね力が増大する。これにより、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。なお、外側フランジ部14とリバウンドスプリング18との当接部には、緩衝材を設けて、これらの当接時の衝撃および打音を緩衝するとよい。
【0020】
なお、上記第1および第2実施形態では、一例として空気ばねと油圧緩衝器とを一体に組合わせたものについて説明しているが、本発明は、これに限らず、空気ばねと油圧緩衝器を別体としたものについても、空気ばねのストロークに対してばね力を付与するばね部材を空気室に内に配置することによって、同様に適用することができる。
【0021】
また、上記第1および第2実施形態では、ばね部材としてコイルスプリングを示したが、本発明は、これに限らず、ばね部材として、例えば、軸方向に可撓性(弾性特性)を有する円筒状の弾性ゴムを用いることもでき、このようにした場合、複数種類の弾性ゴムを組合わせて積層したものを用いることにより、これらの組合わせによって、簡単に弾性特性のチューニングを行うことが可能になる。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明に係るエアサスペンション装置によれば、空気ばねの伸び側のストロークに対して、ばね部材のばね力が作用して、大きなばね力が発生するので、車両の旋回時、加減速時等において、車体の姿勢変化を抑制して走行安定性を向上させることができる。また、空気ばねの空気室内のデッドスペースを利用したことにより、大きなばね部材を使用することができ、車体の姿勢変化を効果的に抑制することができる。
請求項2の発明に係るエアサスペンション装置によれば、さらに、空気ばねが伸び側に所定以上ストロークしたとき、ばね部材のばね力が付与されて大きなばね力が発生するので、振動の吸収および車体の姿勢変化の抑制を効果的に行うことができ、乗り心地および走行安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエアサスペンション装置の縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るエアサスペンション装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1,17 エアサスペンション装置
2  空気ばね
7  空気室
9,18 リバウンドスプリング(ばね部材)

Claims (2)

  1. 空気ばねの空気室内に、前記空気ばねの伸び側のストロークに対してばね力を付与するばね部材を配置したことを特徴とするエアサスペンション装置。
  2. 前記ばね部材は、前記空気ばねの所定以上のストロークに対して、ばね力を付与することを特徴とする請求項1に記載のエアサスペンション装置。
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