JP2004035869A - イオン性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【目的】電池やキャパシターの固体電解質膜に用い得る,柔軟で強い自己支持性のあるイオン伝導性の樹脂組成物およびその硬化物を提供することである。
【構成】特定のアンモニウムカチオンと特定のアニオンから成る塩構造と重合性官能基を有する単量体(A),Aと共重合可能な官能基を2個以上有する単量体(B),溶剤可溶性樹脂(C),重合開始剤(D)を溶剤に溶解した溶液,およびその溶剤を乾燥させると同時に,単量体成分を重合させて得られる樹脂硬化物である。
【構成】特定のアンモニウムカチオンと特定のアニオンから成る塩構造と重合性官能基を有する単量体(A),Aと共重合可能な官能基を2個以上有する単量体(B),溶剤可溶性樹脂(C),重合開始剤(D)を溶剤に溶解した溶液,およびその溶剤を乾燥させると同時に,単量体成分を重合させて得られる樹脂硬化物である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン性樹脂組成物及びその樹脂硬化物に関し,これから得られるイオン伝導性の固体電解質膜はリチウムイオン電池,燃料電池,キャパシターなどの電解質としての応用が期待されるものである。
【0002】
【従来の技術】携帯用情報機器の発展や地球環境・エネルギー問題への対応を背景に電池やキャパシターなどが脚光を浴びている。これら電池やキャパシターに必須の構成成分としてイオン伝導性の電解質が用いられている。現在は液体の電解液にイオン性の低分子塩を溶解した電解質溶液が主に用いられているが,安全性或いは小型化への要求から,電解質の固体化の技術開発が活発に行われている。
【0003】固体化の方法としてゲル電解質があり,エーテル系,アクリル系,フッ素系の直鎖ポリマーあるいは架橋されたポリマーに電解質溶液を多量に含ませた見かけ上固体のゲル状の電解質がある。
【0004】従来の電解液を多量に含むゲル状電解質では固体膜としての力学的性質を満足しないため,補強材として不織布や孔空きフィルムを併用した,ゲル状電解質との複合膜が用いられている。これら補強材の使用が,高いイオン伝導度を実現するために有効な薄膜化や小型化の阻害要因となり,又コストアップの要因となっている。
【0005】一方電解液を用いない真性の固体電解質を創製しようとする試みもなされている。例えば,ポリマー鎖にイミダゾリウムカチオンが結合したポリ−N−ビニルイミダゾリウム塩が提案されている[Machiko Hirao et al.,Electrochimica Acta,45,1291(2000)]
しかしながら電池に応用可能なイオン伝導性があり,補強材を使用しなくても良い様な固体で,柔らかくて,しなやかな,強い自己支持性の電解質膜は得られていない。
【0006】真性の固体電解質膜を電池に組み込んだ場合,液体やゲル膜と異なり,固体の電極との界面抵抗の上昇や,充放電に伴う電極の膨張・収縮への追随性の不良などが予想されるが,未だ解決していない。これらの点についても固体でありながら柔らかくしなやかで弾性のある電解質膜は有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に電池やキャパシターに用い得る様なイオン伝導性があり,固体で,しなやかで強い自己支持性の電解質膜を得ようとするのが,本発明が解決しようとする課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために,重合性官能基及び下記I群から選ばれた少なくとも1つのアンモニウムカチオンと下記II群から選ばれた少なくとも1つのアニオンから成る塩構造を含有する単量体(A),単量体Aと共重合可能な重合性官能基を2個以上含む単量体(B)及び溶剤可溶性樹脂(C),重合開始剤(D)を溶剤に溶解した樹脂組成物であって,A/B(モル比)が99.5/0.5〜80/20の範囲にあり,(A+B)/C(重量比)が,99/1〜20/80の範囲にあることを特徴とするイオン性樹脂組成物及びその樹脂硬化物を用いる。
(I群)イミダゾリウムカチオン,ピラゾリウムカチオン,ベンズイミダゾリウムカチオン,ピリジニウムカチオン,インドリウムカチオン,カルバゾリウムカチオン,キノリニウムカチオン,ピペリジウムカチオン,ピペラジウムカチオン,アルキルアンモニウムカチオン(但し,炭素数1〜30のアルキル)
(いずれも,Nおよび/又は環が炭素数1〜10の炭化水素基で置換されているものを含む)
(II群)BF4,PF6,CnF2n+1CO2(但しnは1〜4の整数),CnF2n+1SO3(但しnは1〜4の整数),(FSO2)2N(CF3SO2)2N,(C2F5SO2)2N,(CF3SO2)3CCF3SO2−N−COCF3,RSO3(Rは脂肪族基),ArSO3(Arは芳香族基),R−SO2−N−SO2CF3(Rは脂肪族基)ArSO2−N−SO2CF3(Arは芳香族基)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明について更に詳しく説明する。
本発明においては,重合性官能基及び特定のアンモニウムカチオン(以下そのN原子または/および環が炭素数1〜10炭化水素基で置換されているものを含む)と特定のアニオンから成る塩構造を含有する単量体を用いる。
【0010】重合性官能基としてビニル基,アクリル基,メタクリル基,アリル基などの炭素−炭素不飽和基,エポキシ基,オキセタン基などの環状アルコキシド基やイソシアネート基,水酸基,カルボキシル基などを例示できる。
【0011】アンモニウムカチオンとしては,基本骨格として示せば
イミダゾリウムカチオン,ピラゾリウムカチオン,ベンズイミダゾリウムカチオン,ピリジニウムカチオン,インドリウムカチオン,カルバゾリウムカチオン,キノリニウムカチオン,ピペリジウムカチオン,ピペラジウムカチオン,アルキルアンモニウムカチオン(但し,炭素数1〜30のアルキル)で,いずれも,N原子および/又は環が炭素数1〜10の炭化水素基で置換されているものを含む。置換される炭化水素基は炭素数1〜10の炭化水素基であり,好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基である。但し,不飽和基などの重合性基を含む炭化水素基の場合は重合前の単量体における置換基の炭素数を指す。
【0012】これら特定のアンモニウムカチオンは,これら以外のアンモニウムカチオンに比し,耐熱性,耐還元性に優れ,電気化学窓が広くとれ,電池やキャパシターに用いるために好ましい。特に好ましいアンモニウムカチオン種としては,重合前の形で示せば1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウムカチオン,4−ビニル−1−アルキルピリジニウムカチオン,1−アルキル−3−アリルイミダゾリウムカチオン,1−(4−ビニルベンジル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン,1−(ビニルオキシエチル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン,1−アリルイミダゾリウムカチオン,N−アリルベンズイミダゾリウムカチオンなどを挙げることが出来る(但し,アルキルは炭素数1〜10のアルキル基である)。
【0013】本発明において,アンモニウムカチオンと塩構造を形成する特定のアニオン種は次に示す通りである。
BF4,PF6,CnF2n+1CO2(但しnは1〜4の整数),CnF2n+1SO3(但しnは1〜4の整数),(FSO2)2N(CF3SO2)2N,(C2F5SO2)2N,(CF3SO2)3CCF3SO2−N−COCF3,RSO3(Rは脂肪族基),ArSO3(Arは芳香族基),R−SO2−N−SO2CF3(Rは脂肪族基)ArSO2−N−SO2CF3(Arは芳香族基)
これら特定のアニオン種は耐熱性,耐酸化性に優れ,電池やキャパシターに用いるために好ましい。
【0014】特に好ましいアニオン種としてはビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミドアニオン,2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルフォニル)アセトアミドアニオン,ビス−{(ペンタフルオロエチル)スルフォニル}アミドアニオン,ビス−{(フルオロ)スルフォニル}アミドアニオン,テトラフルオロボレートアニオン,などを挙げることが出来る。
【0015】これら特定のカチオンと特定のアニオンから成る塩構造および重合性官能基を含む単量体(A)としてイミダゾリウムアリルスルフォネート,ベンズイミダゾリウム アリルスルフォネート,1−アルキルイミダゾリウムアリルスルフォネート(但し,アルキルはC1〜C10),1−アルキルイミダゾリウムp−スチレンスルフォネート(但し,アルキルはC1〜C10),イミダゾリウムp−スチレンスルフォネート,ベンズイミダゾリウムp−スチレンスルフォネート,1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウム p−メチルフェニルスルフォネート(但し,アルキルはC1〜C10),1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(但し,アルキルはC1〜C10),1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(但し,アルキルはC1〜C10),4−ビニル−1−アルキルピリジニウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(但し,アルキルはC1〜C10),4−ビニル−1−アルキルピリジニウムテトラフルオロボレート(但し,アルキルはC1〜C10),1−(4−ビニルベンジル)−3−アルキルイミダゾリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(但し,アルキルはC1〜C10),1−(4−ビニルベンジル)−3−アルキルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(但し,アルキルはC1〜C10),1−グリシジル−3−アルキル−イミダゾリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(但し,アルキルはC1〜C10),1−グリシジル−3−アルキル−イミダゾリウムテトラフルオロボレート(但し,アルキルはC1〜C10),N−ビニルカルバゾリウムテトラフルオロボレートなどを例示出来る。
【0016】上記単量体(A)と共重合可能な重合性官能基を2個以上含む単量体(B)としては,ジビニルベンゼン,ジアリルフタレート,エチレングリコールジメタクリレート,ジエチレングリコールジメタクリレート,トリエチレングリコールジメタクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート,ペンタエリスリトールテトラメタクリレート,トリアリルイソシアヌレート,トリアリルシアヌレート,ジアリルージメチルアンモニウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド,ジアリル−ジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート,2,2−ビス(グリシジロキシフェニル)プロパン,などを例示出来る。
【0017】本発明に用いる溶剤可溶性樹脂としては,有機溶剤に可溶な樹脂で,ポリフッ化ビニリデン,ポリ(フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素樹脂,ポリ(スチレン/イソブチレン),ポリ{スチレン/エチレン−ブチレン}などのスチレン系エラストマー樹脂,ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリエピクロロヒドリンなどのポリエーテル系樹脂,ポリアルキルメタクリレート(但し,アルキルはC1〜C10),ポリアクリロニトリルなどのアクリル系樹脂,ポリエーテルエーテルケトン,ポリエーテルケトンなどのポリエーテルケトン樹脂,ポリスフォン,ポリエーテルスルフォン,ポリアリールスルフォンなどのポリスルフォン系樹脂,ポリアミドイミド,ポリエーテルイミド,ポリイミドなどの溶剤可溶性ポリイミド系樹脂,などを挙げることが出来る。勿論,共重合樹脂も含まれ,分子量5000以上,好ましくは1万以上,100万以下,好ましくは10万以下である。
【0018】本発明に用いる重合開始剤としては,ベンゾイルパーオキサイド,ジクミルパーオキサイド,ジ−t−ブチルパーオキサイド,1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン,キュメンハイドロパーオキサイドなどのパーオキサイド類,2,2’−アゾビスイソブチロニトリル,2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾビス化合物,過硫酸アンモニウムなどの無機系開始剤などを挙げることが出来る。
重合開始剤の使用量は,通常重合性単量体の総重量(A+B)に対して0.1〜10%,好ましくは,1〜5%である。
【0019】本発明において,重合性官能基および塩構造を含有する単量体(A)と,単量体Aと共重合可能な官能基を2個以上含有する単量体(B)のモル比A/Bが99.5/0.5〜80/20の範囲にある。A/B(モル比)が99.5/0.5より大きいと硬化樹脂成分の架橋密度が上がらず,耐熱性,耐溶剤性が不充分となる。また,燃料電池の電解質膜として用いた場合,電池内で発生する水による溶出が起こる。逆に80/20より小さいと硬化物が硬く,脆くなり,電解質として用いた場合に電極との密着性の不良,電極の膨張・収縮に追随出来ないないなどの問題が起こる他,電解質膜としての取り扱い(加工性)も悪くなり不都合である。A/B(モル比)の好ましい範囲は97/3〜90/10である。
【0020】本発明において,重合性官能基および特定の塩構造を含有する単量体(A),単量体Aと共重合可能な重合性官能基を2個以上含有する単量体(B),および溶剤可溶性樹脂(C)の重量比(A+B)/Cが99/1〜20/80の範囲にある。(A+B)/Cが99/1より大きいとキャスト製膜が困難となり数μ程度のフィルムしか得られない。また,硬化物が硬く,脆くなり,電解質として用いた場合に電極との密着性の不良,電極の膨張・収縮に追随出来ないないなどの問題が起こる他,電解質膜としての取り扱い(加工性)も悪くなり不都合である。一方,(A+B)/C(重量比)が20/80より小さいと電池に必要なイオン伝導度を確保出来ない他,耐溶剤性,耐熱性が不充分となり,
これまた不都合である。好ましくは(A+B)/C=95/5〜40/60(重量比)である。
【0021】本発明で用いられる溶剤について,特に限定はないが,単量体(A),単量体(B),溶剤可溶性樹脂(C),重合開始剤(D),更に場合により低分子イオン性化合物のいずれもを溶解する有機溶剤が好ましい。また,沸点が常圧で50℃〜210℃の範囲にあることが好ましい。トルエンなどの芳香族炭化水素系,メチルエチルケトン,シクロベンタノンなどのケトン系,ジクロロエタンなどのハロゲン系,テトラハイドロフラン,エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系,ジメチルアセトアマイド,N−メチルピロリドン−2などのアミド系,γ−ブチロラクトンなどのラクトン系などとこれらの混合物を用いることが出来る。
【0022】本発明において,特定の塩構造と重合性官能基を含む単量体(A),Aと共重合可能な重合性官能基を2個以上含む単量体(B),溶剤可溶性樹脂(C),重合開始剤(D)が共に溶剤中で一旦溶解・混合される。乾燥・重合過程で,AおよびBの硬化層とCが相分離する場合,A,B,Cが一体となった均一な硬化層を形成する場合がある。通常は前者つまりイオン伝導を受け持つ(A+B)の硬化層が連続層となって力学的性質を左右する樹脂層を包み込む様な相分離構造になることが好ましい。電池の暴走時の発熱によって上昇した電解質の温度が,溶剤可溶性樹脂の融点を超えると電解質の形態が変化し,電池の作動をカットダウンさせる効果も期待出来る。
【0023】本発明においてイオン伝導性を向上させるために他の低分子量のイオン性化合物を混合させることは好ましい態様のひとつである。勿論この場合,溶液中で低分子イオン性化合物を混合しておくことが好ましい。
【0024】本発明で用いる低分子(以下,高分子に対して使用しており,通常,分子量1000以下を指す)のイオン性化合物について説明する。本発明イオン性樹脂組成物およびその樹脂硬化物をリチウムイオン2次電池の固体電解質として用いるために,リチウムイオンを生成する低分子イオン性化合物を併用する。リチウムイオンを生成する低分子イオン性化合物として,例えば,次の様な化合物を挙げることが出来る。即ち,LiPF6,LiClO4,LiBF4,LiN(SO2CF3)2LiN(SO2C2F5)2.
【0025】更に上記低分子イオン性化合物の溶解やイオン性基の解離を促進するために,次の様なカチオン成分,アニオン成分より成る低分子イオン性化合物を併用することが出来る。
カチオン:イミダゾリウムカチオン,ピラゾリウムカチオン,ベンズイミダゾリウムカチオン,ピリジニウムカチオン,インドリウムカチオン,カルバゾリウムカチオン,キノリニウムカチオン,ピペリジウムカチオン,ピペラジウムカチオン,アルキルアンモニウムカチオン(但し,炭素数1〜30のアルキル)
(いずれも,Nおよび/又は環が炭素数1〜10の炭化水素基で置換されているものを含む)
アニオン:BF4,PF6,CnF2n+1CO2(但しnは1〜4の整数),CnF2n+1SO3(但しnは1〜4の整数),(FSO2)2N(CF3SO2)2N,(C2F5SO2)2N,(CF3SO2)3C,CF3SO2−N−COCF3,RSO3(Rは脂肪族基),ArSO3(Arは芳香族基),R−SO2−N−SO2CF3(Rは脂肪族基),ArSO2−N−SO2CF3(Arは芳香族基)
【0026】本発明において,更にエチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,γ−ブチロラクトン,スルフォラン,1,2−ジメトキシエタン,テトラハイドロフラン,1,3−ジオキソラン,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,メチルエチルカーボネート,アセトニトリルなどの溶媒を可塑剤として併用することも出来る。
【0027】
【実施例】以下に本発明について,実施例,及び比較例を挙げて,具体的に説明するが,実施例によって本発明が限定されるものではない。
実施例,比較例中のイオン伝導率の測定は下記の方法によって行った。
電極面積0.95cm2の白金電極間に試料を挟み,室温,65%RHで,交流インピーダンス法(0.1V,周波数1Hz〜10MHz)により膜抵抗を測定し,イオン伝導率を算出した。
また実施例中で合成した化合物はIRスペクトル,NMRスペクトルで同定した。
【0028】(実施例1)1−エチルイミダゾール19.2gr(0.2mol)を100mlの1,1,1−トリクロロエタンに溶解し,激しく攪拌しながら,アリルブロマイド24.2gr(0.2mol)を100mlの1,1,1−トリクロロエタンに溶解した溶液を1時間かけて滴下後,更に2時間還流させながら反応させた。反応液を分液分離し,各50mlの1,1,1−トリクロロエタンで2回洗浄後,70℃,0.1mmで1時間,乾燥し,1−エチル−3−アリルイミダゾリウム ブロマイド(EAImBr)を単離した。
カリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(KTFSI)31.9gr(0.1mol)を100mlの水に70℃で溶解し,50℃で攪拌しながら,上で得たEAImBr 21.7gr(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を15分で滴下・混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間,複分解反応を行った後,水層を分離除去した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後,60℃,0.1mmHgで2時間乾燥し,1−エチル−3−アリルイミダゾリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(EAImTFSI)を得た。
上で得られたEAImTFSI 30gr(0.072mol),ジアリルフタレート0.98gr(0.004mol),フッ化ビニリデン/六フッ化プロピレン共重合体(アルフ アトケム社KYNAR2801)10gr,ベンゾイルパーオキサイド1.5grをジメチルアセトアマイド100mlに溶解し,更にリチウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(LiTFSI)4.6grを溶解させた。本溶液を厚さ3mmのガラス板上にキャストし,ガラス板をつけたまま100℃で5分,130℃で30分加熱し,乾燥と同時に硬化反応を行った。ガラス板から樹脂膜を剥がし,厚さ28μmの自己支持性でタフなフィルムを得た。このフィルムのイオン伝導率は3.9×10−3S/cmであった。
【0029】(比較例1)実施例1において,フッ化ビニリデン/六フッ化プロピレン共重合体樹脂を用いない以外,実施例1と同様の操作で作成したフィルムは厚さ4μmで,脆く,ガラス板から剥がす際に壊れてしまい,電池の電解質膜に使用するには加工性が悪いと判断された。
【0030】(実施例2)実施例1の1−エチルイミダゾールの代わりに,1−ビニルイミダゾール18.8gr(0.2mol),アリルブロマイドの代わりにエチルブロマイド 21.8gr(0.2mol)を用い,実施例1と同様にして,1−ビニル−3−エチルイミダゾリウム ブロマイド(VEImBr)を合成した。
実施例1のEAImBrの代わりに上記で得たVEImBr 20.3gr(0.1mol)を用い,実施例1と同様にして1−ビニル−3−エチルイミダゾリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(VEImTFSI)を合成した。
上で得たVEImTFSI30gr(0.074mol),トリエチレングリコールジメタクリレート1.14gr(0.004mol),ポリスルフォン(アモコ ポリマー社ユーデルP−3500)10gr,ベンゾイルパーオキサイド1.5grをジメチルアセトアマイド100mlに溶解し,更にLiTFSI4.6grを溶解させた。本溶液を厚さ3mmのガラス板上にキャストし,ガラス板をつけたまま100℃で5分,さらに130℃で30分加熱し,乾燥と同時に重合反応を行った。ガラス板から剥がし,厚さ23μmの自己支持性のタフなフィルムを得た。このフィルムのイオン伝導度は1.4×10−4S/cmであった。
【0031】(実施例3)実施例1のアリルブロマイドの代わりに4−クロロメチルスチレン 30.3gr(0.2mol)を用い,実施例1と同様にして1−エチル−3−(4−ビニルベンジル)イミダゾリウムクロライド(EVBImCl)を合成した。
実施例1のEAImBrの代わりに,上記で得たEVBImCl24.9gr(0.1mol)を用い,実施例1と同様に1−エチル−3−(4−ビニルベンジル)イミダゾリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(EVBImTFSI)を得た。
上記のEVBImTFSI30gr(0.061mol),ジアリルフタレート0.74gr(0.003mol),スチレン−エチレン/プロピレンブロックコポリマー(クレイトン ポリマージャパン社KRATON G−1701)15gr,ベンゾイルパーオキサイド1.5grを塩化メチレン100mlに溶解し,更にLiTFSI 5.2grを加えた。
この溶液を厚さ3mmのガラス板上にキャストし,ガラス板をつけたまま30℃で5分,130℃で30分加熱し,乾燥と重合を行った。ガラス板から樹脂膜を剥がし,厚さ30μmで自己支持性のタフなフィルムを得た。このフィルムのイオン伝導率は,8.6×10−4S/cmであった。
【0032】(実施例4)スチレンスルフォン酸36.8gr(0.2mol)を100mlの水に溶解した溶液に,攪拌しながら,ベンズイミダゾール23.6gr(0.2mol)を100mlの水に溶解した溶液を滴下・混合し,激しく攪拌しながら更に50℃で2時間反応させた。ロータリーエバポレーターで水を溜去させた後,60℃,0.1mmHgで2時間乾燥させ,ベンズイミダゾリウム4−ビニルフェニルスルフォネート(BzImStSf)を回収した。BzImStSf 30gr(0.1mol),ジビニルベンゼン0.65gr(0.005mol),ベンゾイルパーオキサイド1.5gr,ポリエーテルサルフォン(アモコ ポリマー社RADEL A)20grをジメチルアセトアマイド100mlに溶解した。この溶液を厚さ3mmのガラス板上にキャストし,ガラス板をつけたまま100℃,5分,130℃,30分加熱し,乾燥と同時に重合を行った。ガラス板から樹脂膜を剥がし,厚さ35μmで自己支持性のタフなフィルムを得た。このフィルムのイオン伝導率は1.1×10−5S/cmであった。
【0033】
【発明の効果】以上に記述した通り,イオン伝導性を有し,自己支持性のタフなフィルムが溶液キャスト法で得られることがわかった。補強材を使用せずに加工性も良く,リチウムイオン2次電池,燃料電池,キャパシターなどの固体電解質膜への応用が期待できる。
【発明の属する技術分野】本発明はイオン性樹脂組成物及びその樹脂硬化物に関し,これから得られるイオン伝導性の固体電解質膜はリチウムイオン電池,燃料電池,キャパシターなどの電解質としての応用が期待されるものである。
【0002】
【従来の技術】携帯用情報機器の発展や地球環境・エネルギー問題への対応を背景に電池やキャパシターなどが脚光を浴びている。これら電池やキャパシターに必須の構成成分としてイオン伝導性の電解質が用いられている。現在は液体の電解液にイオン性の低分子塩を溶解した電解質溶液が主に用いられているが,安全性或いは小型化への要求から,電解質の固体化の技術開発が活発に行われている。
【0003】固体化の方法としてゲル電解質があり,エーテル系,アクリル系,フッ素系の直鎖ポリマーあるいは架橋されたポリマーに電解質溶液を多量に含ませた見かけ上固体のゲル状の電解質がある。
【0004】従来の電解液を多量に含むゲル状電解質では固体膜としての力学的性質を満足しないため,補強材として不織布や孔空きフィルムを併用した,ゲル状電解質との複合膜が用いられている。これら補強材の使用が,高いイオン伝導度を実現するために有効な薄膜化や小型化の阻害要因となり,又コストアップの要因となっている。
【0005】一方電解液を用いない真性の固体電解質を創製しようとする試みもなされている。例えば,ポリマー鎖にイミダゾリウムカチオンが結合したポリ−N−ビニルイミダゾリウム塩が提案されている[Machiko Hirao et al.,Electrochimica Acta,45,1291(2000)]
しかしながら電池に応用可能なイオン伝導性があり,補強材を使用しなくても良い様な固体で,柔らかくて,しなやかな,強い自己支持性の電解質膜は得られていない。
【0006】真性の固体電解質膜を電池に組み込んだ場合,液体やゲル膜と異なり,固体の電極との界面抵抗の上昇や,充放電に伴う電極の膨張・収縮への追随性の不良などが予想されるが,未だ解決していない。これらの点についても固体でありながら柔らかくしなやかで弾性のある電解質膜は有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に電池やキャパシターに用い得る様なイオン伝導性があり,固体で,しなやかで強い自己支持性の電解質膜を得ようとするのが,本発明が解決しようとする課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために,重合性官能基及び下記I群から選ばれた少なくとも1つのアンモニウムカチオンと下記II群から選ばれた少なくとも1つのアニオンから成る塩構造を含有する単量体(A),単量体Aと共重合可能な重合性官能基を2個以上含む単量体(B)及び溶剤可溶性樹脂(C),重合開始剤(D)を溶剤に溶解した樹脂組成物であって,A/B(モル比)が99.5/0.5〜80/20の範囲にあり,(A+B)/C(重量比)が,99/1〜20/80の範囲にあることを特徴とするイオン性樹脂組成物及びその樹脂硬化物を用いる。
(I群)イミダゾリウムカチオン,ピラゾリウムカチオン,ベンズイミダゾリウムカチオン,ピリジニウムカチオン,インドリウムカチオン,カルバゾリウムカチオン,キノリニウムカチオン,ピペリジウムカチオン,ピペラジウムカチオン,アルキルアンモニウムカチオン(但し,炭素数1〜30のアルキル)
(いずれも,Nおよび/又は環が炭素数1〜10の炭化水素基で置換されているものを含む)
(II群)BF4,PF6,CnF2n+1CO2(但しnは1〜4の整数),CnF2n+1SO3(但しnは1〜4の整数),(FSO2)2N(CF3SO2)2N,(C2F5SO2)2N,(CF3SO2)3CCF3SO2−N−COCF3,RSO3(Rは脂肪族基),ArSO3(Arは芳香族基),R−SO2−N−SO2CF3(Rは脂肪族基)ArSO2−N−SO2CF3(Arは芳香族基)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明について更に詳しく説明する。
本発明においては,重合性官能基及び特定のアンモニウムカチオン(以下そのN原子または/および環が炭素数1〜10炭化水素基で置換されているものを含む)と特定のアニオンから成る塩構造を含有する単量体を用いる。
【0010】重合性官能基としてビニル基,アクリル基,メタクリル基,アリル基などの炭素−炭素不飽和基,エポキシ基,オキセタン基などの環状アルコキシド基やイソシアネート基,水酸基,カルボキシル基などを例示できる。
【0011】アンモニウムカチオンとしては,基本骨格として示せば
イミダゾリウムカチオン,ピラゾリウムカチオン,ベンズイミダゾリウムカチオン,ピリジニウムカチオン,インドリウムカチオン,カルバゾリウムカチオン,キノリニウムカチオン,ピペリジウムカチオン,ピペラジウムカチオン,アルキルアンモニウムカチオン(但し,炭素数1〜30のアルキル)で,いずれも,N原子および/又は環が炭素数1〜10の炭化水素基で置換されているものを含む。置換される炭化水素基は炭素数1〜10の炭化水素基であり,好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基である。但し,不飽和基などの重合性基を含む炭化水素基の場合は重合前の単量体における置換基の炭素数を指す。
【0012】これら特定のアンモニウムカチオンは,これら以外のアンモニウムカチオンに比し,耐熱性,耐還元性に優れ,電気化学窓が広くとれ,電池やキャパシターに用いるために好ましい。特に好ましいアンモニウムカチオン種としては,重合前の形で示せば1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウムカチオン,4−ビニル−1−アルキルピリジニウムカチオン,1−アルキル−3−アリルイミダゾリウムカチオン,1−(4−ビニルベンジル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン,1−(ビニルオキシエチル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン,1−アリルイミダゾリウムカチオン,N−アリルベンズイミダゾリウムカチオンなどを挙げることが出来る(但し,アルキルは炭素数1〜10のアルキル基である)。
【0013】本発明において,アンモニウムカチオンと塩構造を形成する特定のアニオン種は次に示す通りである。
BF4,PF6,CnF2n+1CO2(但しnは1〜4の整数),CnF2n+1SO3(但しnは1〜4の整数),(FSO2)2N(CF3SO2)2N,(C2F5SO2)2N,(CF3SO2)3CCF3SO2−N−COCF3,RSO3(Rは脂肪族基),ArSO3(Arは芳香族基),R−SO2−N−SO2CF3(Rは脂肪族基)ArSO2−N−SO2CF3(Arは芳香族基)
これら特定のアニオン種は耐熱性,耐酸化性に優れ,電池やキャパシターに用いるために好ましい。
【0014】特に好ましいアニオン種としてはビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミドアニオン,2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルフォニル)アセトアミドアニオン,ビス−{(ペンタフルオロエチル)スルフォニル}アミドアニオン,ビス−{(フルオロ)スルフォニル}アミドアニオン,テトラフルオロボレートアニオン,などを挙げることが出来る。
【0015】これら特定のカチオンと特定のアニオンから成る塩構造および重合性官能基を含む単量体(A)としてイミダゾリウムアリルスルフォネート,ベンズイミダゾリウム アリルスルフォネート,1−アルキルイミダゾリウムアリルスルフォネート(但し,アルキルはC1〜C10),1−アルキルイミダゾリウムp−スチレンスルフォネート(但し,アルキルはC1〜C10),イミダゾリウムp−スチレンスルフォネート,ベンズイミダゾリウムp−スチレンスルフォネート,1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウム p−メチルフェニルスルフォネート(但し,アルキルはC1〜C10),1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(但し,アルキルはC1〜C10),1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(但し,アルキルはC1〜C10),4−ビニル−1−アルキルピリジニウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(但し,アルキルはC1〜C10),4−ビニル−1−アルキルピリジニウムテトラフルオロボレート(但し,アルキルはC1〜C10),1−(4−ビニルベンジル)−3−アルキルイミダゾリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(但し,アルキルはC1〜C10),1−(4−ビニルベンジル)−3−アルキルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(但し,アルキルはC1〜C10),1−グリシジル−3−アルキル−イミダゾリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(但し,アルキルはC1〜C10),1−グリシジル−3−アルキル−イミダゾリウムテトラフルオロボレート(但し,アルキルはC1〜C10),N−ビニルカルバゾリウムテトラフルオロボレートなどを例示出来る。
【0016】上記単量体(A)と共重合可能な重合性官能基を2個以上含む単量体(B)としては,ジビニルベンゼン,ジアリルフタレート,エチレングリコールジメタクリレート,ジエチレングリコールジメタクリレート,トリエチレングリコールジメタクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート,ペンタエリスリトールテトラメタクリレート,トリアリルイソシアヌレート,トリアリルシアヌレート,ジアリルージメチルアンモニウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド,ジアリル−ジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート,2,2−ビス(グリシジロキシフェニル)プロパン,などを例示出来る。
【0017】本発明に用いる溶剤可溶性樹脂としては,有機溶剤に可溶な樹脂で,ポリフッ化ビニリデン,ポリ(フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素樹脂,ポリ(スチレン/イソブチレン),ポリ{スチレン/エチレン−ブチレン}などのスチレン系エラストマー樹脂,ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリエピクロロヒドリンなどのポリエーテル系樹脂,ポリアルキルメタクリレート(但し,アルキルはC1〜C10),ポリアクリロニトリルなどのアクリル系樹脂,ポリエーテルエーテルケトン,ポリエーテルケトンなどのポリエーテルケトン樹脂,ポリスフォン,ポリエーテルスルフォン,ポリアリールスルフォンなどのポリスルフォン系樹脂,ポリアミドイミド,ポリエーテルイミド,ポリイミドなどの溶剤可溶性ポリイミド系樹脂,などを挙げることが出来る。勿論,共重合樹脂も含まれ,分子量5000以上,好ましくは1万以上,100万以下,好ましくは10万以下である。
【0018】本発明に用いる重合開始剤としては,ベンゾイルパーオキサイド,ジクミルパーオキサイド,ジ−t−ブチルパーオキサイド,1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン,キュメンハイドロパーオキサイドなどのパーオキサイド類,2,2’−アゾビスイソブチロニトリル,2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾビス化合物,過硫酸アンモニウムなどの無機系開始剤などを挙げることが出来る。
重合開始剤の使用量は,通常重合性単量体の総重量(A+B)に対して0.1〜10%,好ましくは,1〜5%である。
【0019】本発明において,重合性官能基および塩構造を含有する単量体(A)と,単量体Aと共重合可能な官能基を2個以上含有する単量体(B)のモル比A/Bが99.5/0.5〜80/20の範囲にある。A/B(モル比)が99.5/0.5より大きいと硬化樹脂成分の架橋密度が上がらず,耐熱性,耐溶剤性が不充分となる。また,燃料電池の電解質膜として用いた場合,電池内で発生する水による溶出が起こる。逆に80/20より小さいと硬化物が硬く,脆くなり,電解質として用いた場合に電極との密着性の不良,電極の膨張・収縮に追随出来ないないなどの問題が起こる他,電解質膜としての取り扱い(加工性)も悪くなり不都合である。A/B(モル比)の好ましい範囲は97/3〜90/10である。
【0020】本発明において,重合性官能基および特定の塩構造を含有する単量体(A),単量体Aと共重合可能な重合性官能基を2個以上含有する単量体(B),および溶剤可溶性樹脂(C)の重量比(A+B)/Cが99/1〜20/80の範囲にある。(A+B)/Cが99/1より大きいとキャスト製膜が困難となり数μ程度のフィルムしか得られない。また,硬化物が硬く,脆くなり,電解質として用いた場合に電極との密着性の不良,電極の膨張・収縮に追随出来ないないなどの問題が起こる他,電解質膜としての取り扱い(加工性)も悪くなり不都合である。一方,(A+B)/C(重量比)が20/80より小さいと電池に必要なイオン伝導度を確保出来ない他,耐溶剤性,耐熱性が不充分となり,
これまた不都合である。好ましくは(A+B)/C=95/5〜40/60(重量比)である。
【0021】本発明で用いられる溶剤について,特に限定はないが,単量体(A),単量体(B),溶剤可溶性樹脂(C),重合開始剤(D),更に場合により低分子イオン性化合物のいずれもを溶解する有機溶剤が好ましい。また,沸点が常圧で50℃〜210℃の範囲にあることが好ましい。トルエンなどの芳香族炭化水素系,メチルエチルケトン,シクロベンタノンなどのケトン系,ジクロロエタンなどのハロゲン系,テトラハイドロフラン,エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系,ジメチルアセトアマイド,N−メチルピロリドン−2などのアミド系,γ−ブチロラクトンなどのラクトン系などとこれらの混合物を用いることが出来る。
【0022】本発明において,特定の塩構造と重合性官能基を含む単量体(A),Aと共重合可能な重合性官能基を2個以上含む単量体(B),溶剤可溶性樹脂(C),重合開始剤(D)が共に溶剤中で一旦溶解・混合される。乾燥・重合過程で,AおよびBの硬化層とCが相分離する場合,A,B,Cが一体となった均一な硬化層を形成する場合がある。通常は前者つまりイオン伝導を受け持つ(A+B)の硬化層が連続層となって力学的性質を左右する樹脂層を包み込む様な相分離構造になることが好ましい。電池の暴走時の発熱によって上昇した電解質の温度が,溶剤可溶性樹脂の融点を超えると電解質の形態が変化し,電池の作動をカットダウンさせる効果も期待出来る。
【0023】本発明においてイオン伝導性を向上させるために他の低分子量のイオン性化合物を混合させることは好ましい態様のひとつである。勿論この場合,溶液中で低分子イオン性化合物を混合しておくことが好ましい。
【0024】本発明で用いる低分子(以下,高分子に対して使用しており,通常,分子量1000以下を指す)のイオン性化合物について説明する。本発明イオン性樹脂組成物およびその樹脂硬化物をリチウムイオン2次電池の固体電解質として用いるために,リチウムイオンを生成する低分子イオン性化合物を併用する。リチウムイオンを生成する低分子イオン性化合物として,例えば,次の様な化合物を挙げることが出来る。即ち,LiPF6,LiClO4,LiBF4,LiN(SO2CF3)2LiN(SO2C2F5)2.
【0025】更に上記低分子イオン性化合物の溶解やイオン性基の解離を促進するために,次の様なカチオン成分,アニオン成分より成る低分子イオン性化合物を併用することが出来る。
カチオン:イミダゾリウムカチオン,ピラゾリウムカチオン,ベンズイミダゾリウムカチオン,ピリジニウムカチオン,インドリウムカチオン,カルバゾリウムカチオン,キノリニウムカチオン,ピペリジウムカチオン,ピペラジウムカチオン,アルキルアンモニウムカチオン(但し,炭素数1〜30のアルキル)
(いずれも,Nおよび/又は環が炭素数1〜10の炭化水素基で置換されているものを含む)
アニオン:BF4,PF6,CnF2n+1CO2(但しnは1〜4の整数),CnF2n+1SO3(但しnは1〜4の整数),(FSO2)2N(CF3SO2)2N,(C2F5SO2)2N,(CF3SO2)3C,CF3SO2−N−COCF3,RSO3(Rは脂肪族基),ArSO3(Arは芳香族基),R−SO2−N−SO2CF3(Rは脂肪族基),ArSO2−N−SO2CF3(Arは芳香族基)
【0026】本発明において,更にエチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,γ−ブチロラクトン,スルフォラン,1,2−ジメトキシエタン,テトラハイドロフラン,1,3−ジオキソラン,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,メチルエチルカーボネート,アセトニトリルなどの溶媒を可塑剤として併用することも出来る。
【0027】
【実施例】以下に本発明について,実施例,及び比較例を挙げて,具体的に説明するが,実施例によって本発明が限定されるものではない。
実施例,比較例中のイオン伝導率の測定は下記の方法によって行った。
電極面積0.95cm2の白金電極間に試料を挟み,室温,65%RHで,交流インピーダンス法(0.1V,周波数1Hz〜10MHz)により膜抵抗を測定し,イオン伝導率を算出した。
また実施例中で合成した化合物はIRスペクトル,NMRスペクトルで同定した。
【0028】(実施例1)1−エチルイミダゾール19.2gr(0.2mol)を100mlの1,1,1−トリクロロエタンに溶解し,激しく攪拌しながら,アリルブロマイド24.2gr(0.2mol)を100mlの1,1,1−トリクロロエタンに溶解した溶液を1時間かけて滴下後,更に2時間還流させながら反応させた。反応液を分液分離し,各50mlの1,1,1−トリクロロエタンで2回洗浄後,70℃,0.1mmで1時間,乾燥し,1−エチル−3−アリルイミダゾリウム ブロマイド(EAImBr)を単離した。
カリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(KTFSI)31.9gr(0.1mol)を100mlの水に70℃で溶解し,50℃で攪拌しながら,上で得たEAImBr 21.7gr(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を15分で滴下・混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間,複分解反応を行った後,水層を分離除去した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後,60℃,0.1mmHgで2時間乾燥し,1−エチル−3−アリルイミダゾリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(EAImTFSI)を得た。
上で得られたEAImTFSI 30gr(0.072mol),ジアリルフタレート0.98gr(0.004mol),フッ化ビニリデン/六フッ化プロピレン共重合体(アルフ アトケム社KYNAR2801)10gr,ベンゾイルパーオキサイド1.5grをジメチルアセトアマイド100mlに溶解し,更にリチウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(LiTFSI)4.6grを溶解させた。本溶液を厚さ3mmのガラス板上にキャストし,ガラス板をつけたまま100℃で5分,130℃で30分加熱し,乾燥と同時に硬化反応を行った。ガラス板から樹脂膜を剥がし,厚さ28μmの自己支持性でタフなフィルムを得た。このフィルムのイオン伝導率は3.9×10−3S/cmであった。
【0029】(比較例1)実施例1において,フッ化ビニリデン/六フッ化プロピレン共重合体樹脂を用いない以外,実施例1と同様の操作で作成したフィルムは厚さ4μmで,脆く,ガラス板から剥がす際に壊れてしまい,電池の電解質膜に使用するには加工性が悪いと判断された。
【0030】(実施例2)実施例1の1−エチルイミダゾールの代わりに,1−ビニルイミダゾール18.8gr(0.2mol),アリルブロマイドの代わりにエチルブロマイド 21.8gr(0.2mol)を用い,実施例1と同様にして,1−ビニル−3−エチルイミダゾリウム ブロマイド(VEImBr)を合成した。
実施例1のEAImBrの代わりに上記で得たVEImBr 20.3gr(0.1mol)を用い,実施例1と同様にして1−ビニル−3−エチルイミダゾリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(VEImTFSI)を合成した。
上で得たVEImTFSI30gr(0.074mol),トリエチレングリコールジメタクリレート1.14gr(0.004mol),ポリスルフォン(アモコ ポリマー社ユーデルP−3500)10gr,ベンゾイルパーオキサイド1.5grをジメチルアセトアマイド100mlに溶解し,更にLiTFSI4.6grを溶解させた。本溶液を厚さ3mmのガラス板上にキャストし,ガラス板をつけたまま100℃で5分,さらに130℃で30分加熱し,乾燥と同時に重合反応を行った。ガラス板から剥がし,厚さ23μmの自己支持性のタフなフィルムを得た。このフィルムのイオン伝導度は1.4×10−4S/cmであった。
【0031】(実施例3)実施例1のアリルブロマイドの代わりに4−クロロメチルスチレン 30.3gr(0.2mol)を用い,実施例1と同様にして1−エチル−3−(4−ビニルベンジル)イミダゾリウムクロライド(EVBImCl)を合成した。
実施例1のEAImBrの代わりに,上記で得たEVBImCl24.9gr(0.1mol)を用い,実施例1と同様に1−エチル−3−(4−ビニルベンジル)イミダゾリウム ビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(EVBImTFSI)を得た。
上記のEVBImTFSI30gr(0.061mol),ジアリルフタレート0.74gr(0.003mol),スチレン−エチレン/プロピレンブロックコポリマー(クレイトン ポリマージャパン社KRATON G−1701)15gr,ベンゾイルパーオキサイド1.5grを塩化メチレン100mlに溶解し,更にLiTFSI 5.2grを加えた。
この溶液を厚さ3mmのガラス板上にキャストし,ガラス板をつけたまま30℃で5分,130℃で30分加熱し,乾燥と重合を行った。ガラス板から樹脂膜を剥がし,厚さ30μmで自己支持性のタフなフィルムを得た。このフィルムのイオン伝導率は,8.6×10−4S/cmであった。
【0032】(実施例4)スチレンスルフォン酸36.8gr(0.2mol)を100mlの水に溶解した溶液に,攪拌しながら,ベンズイミダゾール23.6gr(0.2mol)を100mlの水に溶解した溶液を滴下・混合し,激しく攪拌しながら更に50℃で2時間反応させた。ロータリーエバポレーターで水を溜去させた後,60℃,0.1mmHgで2時間乾燥させ,ベンズイミダゾリウム4−ビニルフェニルスルフォネート(BzImStSf)を回収した。BzImStSf 30gr(0.1mol),ジビニルベンゼン0.65gr(0.005mol),ベンゾイルパーオキサイド1.5gr,ポリエーテルサルフォン(アモコ ポリマー社RADEL A)20grをジメチルアセトアマイド100mlに溶解した。この溶液を厚さ3mmのガラス板上にキャストし,ガラス板をつけたまま100℃,5分,130℃,30分加熱し,乾燥と同時に重合を行った。ガラス板から樹脂膜を剥がし,厚さ35μmで自己支持性のタフなフィルムを得た。このフィルムのイオン伝導率は1.1×10−5S/cmであった。
【0033】
【発明の効果】以上に記述した通り,イオン伝導性を有し,自己支持性のタフなフィルムが溶液キャスト法で得られることがわかった。補強材を使用せずに加工性も良く,リチウムイオン2次電池,燃料電池,キャパシターなどの固体電解質膜への応用が期待できる。
Claims (1)
- 重合性官能基及び下記I群から選ばれた少なくとも1つのアンモニウムカチオンと下記II群から選ばれた少なくとも1つのアニオンから成る塩構造を含有する単量体(A),単量体Aと共重合可能な重合性官能基を2個以上含む単量体(B)及び溶剤可溶性樹脂(C),重合開始剤(D)を溶剤に溶解した樹脂組成物であって,A/B(モル比)が99.5/0.5〜80/20の範囲にあり,(A+B)/C(重量比)が,99/1〜20/80の範囲にあることを特徴とするイオン性樹脂組成物及びその樹脂硬化物。
(I群)イミダゾリウムカチオン,ピラゾリウムカチオン,ベンズイミダゾリウムカチオン,ピリジニウムカチオン,インドリウムカチオン,カルバゾリウムカチオン,キノリニウムカチオン,ピペリジウムカチオン,ピペラジウムカチオン、アルキルアンモニウムカチオン(但し,炭素数1〜30のアルキル)
(いずれも,Nおよび/又は環が炭素数1〜10の炭化水素基で置換されているものを含む)
(II群)BF4,PF6,CnF2n+1CO2(但しnは1〜4の整数),CnF2n+1SO3(但しnは1〜4の整数),(FSO2)2N(CF3SO2)2N,(C2F5SO2)2N,(CF3SO2)3CCF3SO2−N−COCF3,RSO3(Rは脂肪族基),ArSO3(Arは芳香族基),R−SO2−N−SO2CF3(Rは脂肪族基)ArSO2−N−SO2CF3(Arは芳香族基)
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