JP2004035740A - 再生加熱アスファルト混合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アスファルトコンクリート再生骨材を用いる混合物において、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる再生加熱アスファルト混合物の製造方法を提供する。
【解決手段】新規のアスファルト混合物とアスファルトコンクリート再生骨材と植物系油分を含有する廃白土とを加熱混合する再生加熱アスファルト混合物の製造方法であるから、廃白土に含まれる植物系油分によりアスファルトコンクリート再生骨材の再生が図られると共に、粉分を石粉の代替えとして使用することにより混合物の充填効果が向上し、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】新規のアスファルト混合物とアスファルトコンクリート再生骨材と植物系油分を含有する廃白土とを加熱混合する再生加熱アスファルト混合物の製造方法であるから、廃白土に含まれる植物系油分によりアスファルトコンクリート再生骨材の再生が図られると共に、粉分を石粉の代替えとして使用することにより混合物の充填効果が向上し、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、再生加熱アスファルト混合物の製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特開昭48−19617号公報には、石油系潤滑油溜分を白土により精製する際排出される油分を含んだ廃白土をその油分を分離することなくそのまま従来の石粉に代えて配合したアスファルト舗装用混合物があり、この公報には、アスファルト舗装用混合物の品質特に耐水性、常温混合物の施工時における作業性、貯蔵性等が改善できる(公報第3頁左下欄最下行〜同右下欄第2行)、と記載されている。
【0003】
また、特開昭52−81323号公報には、瀝青物に含油白土または含油白土と有機アミンとを添加混合する瀝青組成物があり、一般には瀝青材に添加混合する含油白土の量は、瀝青材100重量部に対し含油白土8ないし300重量部の割合で用いることが好ましい(公報第3頁左下欄第13〜16行)、と記載されている。
【0004】
上記特開昭48−19617号公報のアスファルト舗装用混合物は、常温混合物の施工時における作業性、貯蔵性等が改善されるとあるように、舗装用の常温混合物に係るものであり、添加するのが石油系潤滑油溜分であるから、これを現在使用されている再生加熱アスファルト混合物に適用した場合、再生効果に劣る面がある。また、特開昭52−81323号公報の瀝青組成物は、瀝青材100重量部に対し含油白土8ないし300重量部という多量の含油白土を混合するものであるから、これをそのまま舗装用の再生アスファルトに適用しようとしても、新規のアスファルト混合物に含油白土を添加すると動的安定度などが低下し、舗装用として必要な性状が損われることが予想される。
【0005】
そこで、特開昭52−10318号公報には、廃材アスファルト合材を加熱して高温の状態で再生して、再生アスファルト素材をつくり、その再生アスファルト素材を新品のアスファルト合材と混合し、かつ、高温の状態で油類を混合し、アスファルト合材を製造する製造方法があり、油類としては、軽油などの普通の油を利用してもよいが、再生効果をあげるには、油の精製過程において廃物となって多量に出る排油を利用するのが望ましい(公報第2頁右上欄第18〜同左下欄第1行)、と記載されている。
【0006】
上記公報には、油の精製過程において廃物となって出る排油を利用することが記載されているが、油の精製過程で出る排油は各種のものがあり、それら排油の種類と使用量などにより得られるアスファルト合材の性状が異なるから、ただ排油を混合するだけでは新品のアスファルトを用いた混合物に近い性状を得ることはできない。
【0007】
そこで、本発明は、アスファルトコンクリート再生骨材を用いる混合物において、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる再生加熱アスファルト混合物の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、新規のアスファルト混合物とアスファルトコンクリート再生骨材と植物系油分を含有する廃白土とを加熱混合する再生加熱アスファルト混合物の製造方法である。
【0009】
この請求項1の構成によれば、廃白土に含まれる植物系油分によりアスファルトコンクリート再生骨材の再生が図られると共に、粉分を石粉の代替えとして使用することにより混合物の充填効果が向上し、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる。
【0010】
請求項2の発明は、前記廃白土は油分を10〜40重量%含有し、再生加熱アスファルト混合物全体に対して前記廃白土を0.1〜6重量%とする再生加熱アスファルト混合物の製造方法である。
【0011】
この請求項2の構成によれば、アスファルトコンクリート再生骨材に含まれる旧アスファルトの針入度を新品のアスファルトと同程度に再生したアスファルト混合物が得られる。
【0012】
また、請求項3の発明は、前記再生加熱アスファルト混合物の0℃と60℃の圧裂強度比の値が前記新規のアスファルト混合物の前記圧裂強度比の値の0.8〜1.2倍の範囲になるように前記廃白土を混合する再生加熱アスファルト混合物の製造方法である。
【0013】
この請求項3の構成によれば、再生骨材を含むアスファルト混合物のヒビ割れ抵抗性、耐流動性を新品のアスファルト混合物に近付けることができる。
【0014】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図4は本発明の一実施形態を示し、まず、使用するアスファルトコンクリート再生骨材は、旧アスファルト含有量が3.8重量%以上、旧アスファルトの針入度(25℃)1/10mmが20以上、洗い試験で失われる量が5重量%以下で、骨材は13〜0mm、アスファルトコンクリート再生骨材の旧アスファルト含有量および75μm篩による水洗いで失われる量は、アスファルトコンクリート再生骨材の乾燥質量に対する百分率で表しており、洗い試験で失われる量は、試料のアスファルトコンクリート再生骨材の水洗い前の75μm篩に留まるものと、水洗い後の75μm篩に留まるものと気乾もしくは60℃以下の乾燥炉で乾燥し、その質量差から求めるものである。
【0015】
次に、本発明で用いる廃白土について説明すると、酸性白土を酸処理して得られる活性白土を植物系油の精製に用い、その処理廃物として排出される廃白土をアスファルトコンクリート再生骨材の再生に利用し、菜種油、大豆油、牛油、豚油、コーン油、サフラワー油、綿実油、米油などの精製に用いたものを利用する。好ましくは菜種油又は大豆油又はパーム油などの精製に用いたものを利用する。その廃白土は略10〜40重量%ほどの植物系油分を含有し、好ましくは略30重量%ほどの植物系油分を含有するものを用いる。また、その廃白土の粒度は一例として下記の表1の通りである。
【0016】
【表1】
【0017】
上記表1のように使用する廃白土のソックスレー抽出試験結果であり、粒度は舗装用アスファルト混合物に用いる石粉とほぼ同程度の粒度を有する。
【0018】
また、使用する油分の種類による再生状態を比較するため、植物油として菜種油と大豆油、鉱物油系として市販の再生用添加材A,Bを用い、旧アスファルトを目標針入に回復させるために必要なそれぞれの添加量を比較した。
【0019】
【表2】
【0020】
上記のように菜種油と大豆油(大豆サラダ油)はほぼ同程度の量で旧アスファルトの針入度を目標針入度に回復させることができ、これら植物油に対して、鉱物油系の再生添加材A,Bでは1.4〜2.1倍程度を添加する必要があることが分かった。
【0021】
次に、アスファルトコンクリート再生骨材を舗装用として再生する場合に好ましい廃白土の添加量について検討する。
【0022】
添付の図2は、旧アスファルト(アスファルトコンクリート再生骨材に含まれるアスファルト)の針入度を対数とし、横軸の菜種油の添加量との関係を示すグラフであり、実験データとして、針入度47(1/10mm)の旧アスファルトに菜種油を添加した場合の針入度の変化をグラフ▲1▼とした。このグラフ▲1▼を平行移動し、添加量0.0重量%で針入度が30(1/10mm)としたものがグラフ▲2▼であり、このグラフ▲2▼から針入度30(1/10mm)の旧アスファルトを目標針入度50(1/10mm)にするには2.73重量%の菜種油を添加する必要があり、同針入度30(1/10mm)の旧アスファルトを目標針入度70(1/10mm)にするには4.53重量%の菜種油を添加する必要があることが算出できる。また、グラフ▲1▼を平行移動し、菜種油の添加量0.0重量%で針入度が25(1/10mm)としたものがグラフ▲3▼であり、このグラフ▲3▼から針入度25(1/10mm)の旧アスファルトを目標針入度50(1/10mm)にするには3.70重量%の菜種油を添加する必要があり、同針入度25(1/10mm)の旧アスファルトを目標針入度70(1/10mm)にするには5.50重量%の菜種油を添加する必要があることが算出できる。
【0023】
上記のようにして旧アスファルトの針入度を目標針入度にするために必要な油量(菜種油・一部大豆サラダ油)を算出したのが下記の表3である。すなわち、油量としては、針入度25(1/10mm)の旧アスファルトを目標針入度50(1/10mm)にするには3.70重量%の菜種油(大豆サラダ油の場合は3.76重量%)を添加し、針入度20(1/10mm)の旧アスファルトを目標針入度70(1/10mm)にするには6.80重量%の大豆サラダ油(菜種油の場合は6.69重量%)を添加する必要がある。
【0024】
【表3】
【0025】
表3では、針入度20(1/10mm)の旧アスファルト(表3では「旧アス」と略して表示)を含むアスファルトコンクリート再生骨材を用い、そのアスファルトコンクリート再生骨材に対する旧アスファルトの量を5%とし、これを目標針入度70(1/10mm)に再生するに必要な廃白土(大豆サラダ油含有)の添加量を検討した。また、廃白土としては油分を30重量%含有するものを表示し、例1,2,3は、針入度25(1/10mm)の旧アスファルトを含むアスファルトコンクリート再生骨材を30重量%,40重量%,50重量%用い、目標針入度50(1/10mm)に再生するに必要な廃白土(菜種油含有)の添加量を表示している。例1を挙げて説明すると、混合物が100kgと仮定すると、アスファルトコンクリート再生骨材は30kg含まれ、この30kgの5重量%が旧アスファルトであるから、旧アスファルトは1.5kgである。この1.5kgの旧アスファルトを目標針入度に再生するには、3.70重量%の植物油が必要であるから、植物油は約0.056kg必要となり、廃白土は30重量%の植物油を含有するから、廃白土は混合物100kgに対して約0.19kg必要であり、合材%表示は0.19重量%となる。
【0026】
一般的に再生されるアスファルトコンクリート再生骨材は、針入度20(1/10mm)以上を満たす必要があり、廃白土に含まれている油の種類や状態によっては旧アスファルトに対して13重量%の油分を添加することにより、目標針入度70(1/10mm)を達成する場合がある。また、例1〜3では、廃白土に含まれている油量を30重量%としているが10重量%の場合もあり、旧アスファルト量を5重量%としているが、最大で6重量%の場合もあり、アスファルトコンクリート再生骨材の混入率を30〜50重量%としているが、再生効率を考慮すると、最大で75重量%程度になる場合がある。
【0027】
これらから廃白土の添加量の上限値を算出すると、750kg×0.06×0.13/0.1/1000kg×100=5.85重量%(合材%表示)となり、概ね6重量%となる。
【0028】
同様に下限添加量を、旧アスの針入度を30(1/10mm)、再生後の目標針入度を50(1/10mm)、旧アスファルトに対して油分の添加量2重量%、廃白土に含まれている油量を40重量%、旧アスファルト量を5重量%として求めると、300kg×0.05×0.02/0.4/1000kg×100=0.075重量%(合材%表示)となり、廃白土添加量の下限値は概ね0.1重量%となる。
【0029】
実施例
本発明の効果を確認するため、実験例と共に比較例▲1▼▲2▼を行った。それぞれ混合物種は密粒13とし、混合する廃白土は菜種油の精製に用いたもので、約30重量%の油分を含有する。アスファルトコンクリート再生骨材の添加率は、比較例▲1▼が0重量%、比較例▲2▼及び実験例が30重量%であり、廃白土添加率は、比較例▲1▼及び比較例▲2▼が0重量%、実験例が0.5重量%であり、それぞれ略150〜160℃に加熱混合し、同一条件により混合物を得た。これら比較例▲1▼▲2▼及び実験例の性状を下記の表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】
上記の表4から以下のことが分かる。(1)マーシャル安定度にかかわり、アスファルトコンクリート再生骨材を30重量%混合した実験例の数値が比較例▲1▼とほとんど相違しない。すなわち新材とほぼ同程度の安定度が得られる。(2)圧裂強度比(方法の詳細は後述する)にかかわり、廃白土を添加しない比較例▲2▼では、比較例▲1▼に比べて値が約2割近く低下するが、廃白土を添加した実験例では、比較例▲1▼に比べて値が約4%しか相違せず、新材とほぼ同程度の圧裂強度比を確保することが可能となる。(3)動的安定度にかかわり、実験例では比較例▲1▼に近い値が得られ、比較例▲2▼が比較例▲1▼の2.4倍の値になるのに対して、実際は、実験例の値が比較例▲1▼の値の1.16倍程度に抑えることができる。このようにアスファルトコンクリート再生骨材を添加すると動的安定度が大幅に変化するに対して、新材の動的安定度の値との差を2割程度に抑えることができれば、舗装用として新材に近い優れた性状が得られる。(4)針入度及び軟化点にかかわり、実験例は新材である比較例▲1▼と同等の性状が得られる。
【0032】
このような実験を踏まえ、再生加熱アスファルト混合物の性状、アスファルトコンクリート再生骨材に含まれている旧アスファルトの針入度とアスファルト量の範囲、廃白土に含まれている油分の範囲等から、添加する廃白土の好ましい範囲を検討する。まず、廃白土は略20〜35重量%ほどの植物系油分を含有するものが多いから、下限では、35重量%の植物系油分を含有する廃白土を用い、良好なアスファルトコンクリート再生骨材は針入度30(1/10mm)程度を有するから、この針入度30(1/10mm)のアスファルトコンクリート再生骨材を30重量%混合し、これを針入度50(1/10mm)にするには、混合物1000kgにおいて、アスファルトコンクリート再生骨材300kgで5重量%旧アスアスファル、この旧アスファルト1kgに対して必要な油分の量は2.73重量%、廃白土が35重量%の植物系油分を含有するから、300(kg)×0.05×0.0273/0.35=1.2kgとなり、全体1000kgに対する量であるから、0.12重量%が好ましい下限となる。一方、上限では、20重量%の植物系油分を含有する廃白土を用い、ムリなく再生できるアスファルトコンクリート再生骨材の下限の針入度は25(1/10mm)であるから、この針入度25(1/10mm)のアスファルトコンクリート再生骨材を60重量%混合し、これを針入度70(1/10mm)にするには、混合物1000kgにおいて、アスファルトコンクリート再生骨材600kgで6重量%旧アスアスファル、この旧アスファルト1kgに対して必要な油分の量は12.0重量%、廃白土が20重量%の植物系油分を含有するから、600(kg)×0.06×0.12/0.2=21.6kgとなり、全体1000kgに対する量であるから、2.2重量%が好ましい上限となる。尚、他の実験により廃白土を6.0重量%まで混合しても、好ましい性状が得られることが分かり、廃白土の利用量の面から、上限を6.0重量%とした。
【0033】
次に、上記圧裂強度比を算出するための圧裂試験方法につき説明すると、この圧裂試験方法は、加熱アスファルト混合物の耐流動性やひび割れ性状の把握に用いるものであり、舗装試験法便覧(編集発行所 社団法人日本道路協会 発行日
平成7年6月10日第8版)に基いて行った。
【0034】
図3及び図4に示すように、試験器具として、50mm/minの垂直変位が得られる載置装置11を用いる。マーシャル安定試験用載置装置を用いることができる。−10℃〜60℃の範囲で設定温度を±1℃以内に温度調節可能な恒温槽(図示せず)を用いる。荷重測定装置12としては、容量約5tonf(49.03kN)、精度10kgf(98.07N)のブルービングリング,もしくはロードセルを用い、ロードセルを用いる場合は、記録装置も合せて準備する。また、載荷板13,13を用い、この載荷板13は平滑な平面を有する金属製の板で、載荷中に変形を生じないものを用い、載荷中も常に上下の載荷板13,13を平行に保つことができるものである。また、測定具として、0.1mmまで測定可能なノギスを用いる。
【0035】
マーシャル安定度試験方法に従って締め固めた供試体1を準備し、マーシャル安定度供試体基準密度(厚さ6.35cm)に対する絞固め度が100±1%となるように作製する。切取り供試体1は、直径Dが10cmのコアビットにより採取したもので、平滑な平行な表面を持ったものとし、供試体1の厚さについては特に規定はないが、厚さTが63.5mmの供試体を用いた。
【0036】
試験の手順として、供試体の厚さT及び直径Dをノギスで0.1 mm単位で測定する。恒温槽に供試体をいれ、試験温度で20時間養生する。試験温度は0℃と60℃とし、ダミー用供試体の中心部に温度センサーをセットし、試験温度に達する時間を測定し、供試体1の養生時間を決定してもよい。試験温度における養生時間の経過後に恒温槽から供試体1を取り出し、載荷装置11に供試体1を置き、供試体1の中心部に上下2枚の載荷板13,13をセットする。載荷装置11を作動し、50mm/minの一定な変位速度で、供試体1に載荷する。この供試体1が破壊するまでに示す最大荷重Pをkgf単位又はN単位で記録する。
【0037】
圧裂強度σt=2P/πTD
上記数式は圧裂強度を算出する数式であり、同数式において、P:破壊時の最大荷重(N)、T:供試体の厚さ(m)、D:供試体の直径である。
【0038】
上記のようにして得られた試験温度0℃の圧裂強度を試験温度60℃の圧裂強度で割った値の百分率が圧裂強度比となる。
【0039】
この圧裂強度比と路面性状との間には相関があり、圧裂強度比が大きいものは感温性が大であり、わだち掘れが大きく、圧裂強度比が小さいものは、感温性が小であり、ひび割れが発生し易い。このように圧裂強度比は、路面性状に関連するものであり、廃白土を添加することにより、新材の圧裂強度比の値との差を2割程度に抑えることができれば、舗装用として新材に近い優れた性状が得られることを発明者らは見出した。
【0040】
このように本実施形態では、請求項1に対応して、新規のアスファルト混合物とアスファルトコンクリート再生骨材と植物系油分を含有する廃白土とを加熱混合する再生加熱アスファルト混合物の製造方法であるから、廃白土に含まれる植物系油分によりアスファルトコンクリート再生骨材の再生が図られると共に、粉分を石粉の代替えとして使用することにより混合物の充填効果が向上し、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる。
【0041】
また、このように本実施形態では、請求項2に対応して、前記廃白土は油分を10〜40重量%含有し、再生加熱アスファルト混合物全体に対して前記廃白土を0.1〜6重量%とするから、アスファルトコンクリート再生骨材に含まれる旧アスファルトの針入度を新品のアスファルトと同程度に再生したアスファルト混合物が得られる。
【0042】
さらに、このように本実施形態では、請求項3に対応して、前記再生加熱アスファルト混合物の0℃と60℃の圧裂強度比の値が前記新規のアスファルト混合物の前記圧裂強度比の値の0.8〜1.2倍の範囲になるように前記廃白土を混合するから、アスファルトコンクリート再生骨材を含むアスファルト混合物のヒビ割れ抵抗性、耐流動性を新品のアスファルト混合物に近付けることができる。
【0043】
さらにまた、実施形態上の効果として、再生加熱アスファルト混合物の動的安定度の値が新規のアスファルト混合物の動的安定度の値の0.5〜2倍の範囲になるように前記廃白土を混合すれば、新品のアスファルト混合物と同程度の性状を得ることができ、特に脆性の改善を図ることができる。
【0044】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、加熱混合における手順や加熱温度などは適宜選定可能である。
【0045】
【発明の効果】
請求項1の発明は、新規のアスファルト混合物とアスファルトコンクリート再生骨材と植物系油分を含有する廃白土とを加熱混合する製造方法であり、アスファルトコンクリート再生骨材を用いる混合物において、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる再生加熱アスファルト混合物の製造方法を提供することができる。
【0046】
請求項2の発明は、前記廃白土は油分を10〜40重量%含有し、再生加熱アスファルト混合物全体に対して前記廃白土を0.1〜6重量%とする製造方法であり、アスファルトコンクリート再生骨材を用いる混合物において、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる再生加熱アスファルト混合物の製造方法を提供することができる。
【0047】
また、請求項3の発明は、前記再生加熱アスファルト混合物の0℃と60℃の圧裂強度比の値が前記新規のアスファルト混合物の前記圧裂強度比の値の0.8〜1.2倍の範囲になるように前記廃白土を混合する製造方法であり、アスファルトコンクリート再生骨材を用いる混合物において、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる再生加熱アスファルト混合物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すフローチャート図である。
【図2】同上、旧アスファルトの針入度と菜種油の添加量との関係を示すグラフである。
【図3】同上、圧裂強度試験に用いる装置の正面図である。
【図4】同上、圧裂強度試験に用いる装置の側面図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、再生加熱アスファルト混合物の製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特開昭48−19617号公報には、石油系潤滑油溜分を白土により精製する際排出される油分を含んだ廃白土をその油分を分離することなくそのまま従来の石粉に代えて配合したアスファルト舗装用混合物があり、この公報には、アスファルト舗装用混合物の品質特に耐水性、常温混合物の施工時における作業性、貯蔵性等が改善できる(公報第3頁左下欄最下行〜同右下欄第2行)、と記載されている。
【0003】
また、特開昭52−81323号公報には、瀝青物に含油白土または含油白土と有機アミンとを添加混合する瀝青組成物があり、一般には瀝青材に添加混合する含油白土の量は、瀝青材100重量部に対し含油白土8ないし300重量部の割合で用いることが好ましい(公報第3頁左下欄第13〜16行)、と記載されている。
【0004】
上記特開昭48−19617号公報のアスファルト舗装用混合物は、常温混合物の施工時における作業性、貯蔵性等が改善されるとあるように、舗装用の常温混合物に係るものであり、添加するのが石油系潤滑油溜分であるから、これを現在使用されている再生加熱アスファルト混合物に適用した場合、再生効果に劣る面がある。また、特開昭52−81323号公報の瀝青組成物は、瀝青材100重量部に対し含油白土8ないし300重量部という多量の含油白土を混合するものであるから、これをそのまま舗装用の再生アスファルトに適用しようとしても、新規のアスファルト混合物に含油白土を添加すると動的安定度などが低下し、舗装用として必要な性状が損われることが予想される。
【0005】
そこで、特開昭52−10318号公報には、廃材アスファルト合材を加熱して高温の状態で再生して、再生アスファルト素材をつくり、その再生アスファルト素材を新品のアスファルト合材と混合し、かつ、高温の状態で油類を混合し、アスファルト合材を製造する製造方法があり、油類としては、軽油などの普通の油を利用してもよいが、再生効果をあげるには、油の精製過程において廃物となって多量に出る排油を利用するのが望ましい(公報第2頁右上欄第18〜同左下欄第1行)、と記載されている。
【0006】
上記公報には、油の精製過程において廃物となって出る排油を利用することが記載されているが、油の精製過程で出る排油は各種のものがあり、それら排油の種類と使用量などにより得られるアスファルト合材の性状が異なるから、ただ排油を混合するだけでは新品のアスファルトを用いた混合物に近い性状を得ることはできない。
【0007】
そこで、本発明は、アスファルトコンクリート再生骨材を用いる混合物において、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる再生加熱アスファルト混合物の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、新規のアスファルト混合物とアスファルトコンクリート再生骨材と植物系油分を含有する廃白土とを加熱混合する再生加熱アスファルト混合物の製造方法である。
【0009】
この請求項1の構成によれば、廃白土に含まれる植物系油分によりアスファルトコンクリート再生骨材の再生が図られると共に、粉分を石粉の代替えとして使用することにより混合物の充填効果が向上し、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる。
【0010】
請求項2の発明は、前記廃白土は油分を10〜40重量%含有し、再生加熱アスファルト混合物全体に対して前記廃白土を0.1〜6重量%とする再生加熱アスファルト混合物の製造方法である。
【0011】
この請求項2の構成によれば、アスファルトコンクリート再生骨材に含まれる旧アスファルトの針入度を新品のアスファルトと同程度に再生したアスファルト混合物が得られる。
【0012】
また、請求項3の発明は、前記再生加熱アスファルト混合物の0℃と60℃の圧裂強度比の値が前記新規のアスファルト混合物の前記圧裂強度比の値の0.8〜1.2倍の範囲になるように前記廃白土を混合する再生加熱アスファルト混合物の製造方法である。
【0013】
この請求項3の構成によれば、再生骨材を含むアスファルト混合物のヒビ割れ抵抗性、耐流動性を新品のアスファルト混合物に近付けることができる。
【0014】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図4は本発明の一実施形態を示し、まず、使用するアスファルトコンクリート再生骨材は、旧アスファルト含有量が3.8重量%以上、旧アスファルトの針入度(25℃)1/10mmが20以上、洗い試験で失われる量が5重量%以下で、骨材は13〜0mm、アスファルトコンクリート再生骨材の旧アスファルト含有量および75μm篩による水洗いで失われる量は、アスファルトコンクリート再生骨材の乾燥質量に対する百分率で表しており、洗い試験で失われる量は、試料のアスファルトコンクリート再生骨材の水洗い前の75μm篩に留まるものと、水洗い後の75μm篩に留まるものと気乾もしくは60℃以下の乾燥炉で乾燥し、その質量差から求めるものである。
【0015】
次に、本発明で用いる廃白土について説明すると、酸性白土を酸処理して得られる活性白土を植物系油の精製に用い、その処理廃物として排出される廃白土をアスファルトコンクリート再生骨材の再生に利用し、菜種油、大豆油、牛油、豚油、コーン油、サフラワー油、綿実油、米油などの精製に用いたものを利用する。好ましくは菜種油又は大豆油又はパーム油などの精製に用いたものを利用する。その廃白土は略10〜40重量%ほどの植物系油分を含有し、好ましくは略30重量%ほどの植物系油分を含有するものを用いる。また、その廃白土の粒度は一例として下記の表1の通りである。
【0016】
【表1】
【0017】
上記表1のように使用する廃白土のソックスレー抽出試験結果であり、粒度は舗装用アスファルト混合物に用いる石粉とほぼ同程度の粒度を有する。
【0018】
また、使用する油分の種類による再生状態を比較するため、植物油として菜種油と大豆油、鉱物油系として市販の再生用添加材A,Bを用い、旧アスファルトを目標針入に回復させるために必要なそれぞれの添加量を比較した。
【0019】
【表2】
【0020】
上記のように菜種油と大豆油(大豆サラダ油)はほぼ同程度の量で旧アスファルトの針入度を目標針入度に回復させることができ、これら植物油に対して、鉱物油系の再生添加材A,Bでは1.4〜2.1倍程度を添加する必要があることが分かった。
【0021】
次に、アスファルトコンクリート再生骨材を舗装用として再生する場合に好ましい廃白土の添加量について検討する。
【0022】
添付の図2は、旧アスファルト(アスファルトコンクリート再生骨材に含まれるアスファルト)の針入度を対数とし、横軸の菜種油の添加量との関係を示すグラフであり、実験データとして、針入度47(1/10mm)の旧アスファルトに菜種油を添加した場合の針入度の変化をグラフ▲1▼とした。このグラフ▲1▼を平行移動し、添加量0.0重量%で針入度が30(1/10mm)としたものがグラフ▲2▼であり、このグラフ▲2▼から針入度30(1/10mm)の旧アスファルトを目標針入度50(1/10mm)にするには2.73重量%の菜種油を添加する必要があり、同針入度30(1/10mm)の旧アスファルトを目標針入度70(1/10mm)にするには4.53重量%の菜種油を添加する必要があることが算出できる。また、グラフ▲1▼を平行移動し、菜種油の添加量0.0重量%で針入度が25(1/10mm)としたものがグラフ▲3▼であり、このグラフ▲3▼から針入度25(1/10mm)の旧アスファルトを目標針入度50(1/10mm)にするには3.70重量%の菜種油を添加する必要があり、同針入度25(1/10mm)の旧アスファルトを目標針入度70(1/10mm)にするには5.50重量%の菜種油を添加する必要があることが算出できる。
【0023】
上記のようにして旧アスファルトの針入度を目標針入度にするために必要な油量(菜種油・一部大豆サラダ油)を算出したのが下記の表3である。すなわち、油量としては、針入度25(1/10mm)の旧アスファルトを目標針入度50(1/10mm)にするには3.70重量%の菜種油(大豆サラダ油の場合は3.76重量%)を添加し、針入度20(1/10mm)の旧アスファルトを目標針入度70(1/10mm)にするには6.80重量%の大豆サラダ油(菜種油の場合は6.69重量%)を添加する必要がある。
【0024】
【表3】
【0025】
表3では、針入度20(1/10mm)の旧アスファルト(表3では「旧アス」と略して表示)を含むアスファルトコンクリート再生骨材を用い、そのアスファルトコンクリート再生骨材に対する旧アスファルトの量を5%とし、これを目標針入度70(1/10mm)に再生するに必要な廃白土(大豆サラダ油含有)の添加量を検討した。また、廃白土としては油分を30重量%含有するものを表示し、例1,2,3は、針入度25(1/10mm)の旧アスファルトを含むアスファルトコンクリート再生骨材を30重量%,40重量%,50重量%用い、目標針入度50(1/10mm)に再生するに必要な廃白土(菜種油含有)の添加量を表示している。例1を挙げて説明すると、混合物が100kgと仮定すると、アスファルトコンクリート再生骨材は30kg含まれ、この30kgの5重量%が旧アスファルトであるから、旧アスファルトは1.5kgである。この1.5kgの旧アスファルトを目標針入度に再生するには、3.70重量%の植物油が必要であるから、植物油は約0.056kg必要となり、廃白土は30重量%の植物油を含有するから、廃白土は混合物100kgに対して約0.19kg必要であり、合材%表示は0.19重量%となる。
【0026】
一般的に再生されるアスファルトコンクリート再生骨材は、針入度20(1/10mm)以上を満たす必要があり、廃白土に含まれている油の種類や状態によっては旧アスファルトに対して13重量%の油分を添加することにより、目標針入度70(1/10mm)を達成する場合がある。また、例1〜3では、廃白土に含まれている油量を30重量%としているが10重量%の場合もあり、旧アスファルト量を5重量%としているが、最大で6重量%の場合もあり、アスファルトコンクリート再生骨材の混入率を30〜50重量%としているが、再生効率を考慮すると、最大で75重量%程度になる場合がある。
【0027】
これらから廃白土の添加量の上限値を算出すると、750kg×0.06×0.13/0.1/1000kg×100=5.85重量%(合材%表示)となり、概ね6重量%となる。
【0028】
同様に下限添加量を、旧アスの針入度を30(1/10mm)、再生後の目標針入度を50(1/10mm)、旧アスファルトに対して油分の添加量2重量%、廃白土に含まれている油量を40重量%、旧アスファルト量を5重量%として求めると、300kg×0.05×0.02/0.4/1000kg×100=0.075重量%(合材%表示)となり、廃白土添加量の下限値は概ね0.1重量%となる。
【0029】
実施例
本発明の効果を確認するため、実験例と共に比較例▲1▼▲2▼を行った。それぞれ混合物種は密粒13とし、混合する廃白土は菜種油の精製に用いたもので、約30重量%の油分を含有する。アスファルトコンクリート再生骨材の添加率は、比較例▲1▼が0重量%、比較例▲2▼及び実験例が30重量%であり、廃白土添加率は、比較例▲1▼及び比較例▲2▼が0重量%、実験例が0.5重量%であり、それぞれ略150〜160℃に加熱混合し、同一条件により混合物を得た。これら比較例▲1▼▲2▼及び実験例の性状を下記の表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】
上記の表4から以下のことが分かる。(1)マーシャル安定度にかかわり、アスファルトコンクリート再生骨材を30重量%混合した実験例の数値が比較例▲1▼とほとんど相違しない。すなわち新材とほぼ同程度の安定度が得られる。(2)圧裂強度比(方法の詳細は後述する)にかかわり、廃白土を添加しない比較例▲2▼では、比較例▲1▼に比べて値が約2割近く低下するが、廃白土を添加した実験例では、比較例▲1▼に比べて値が約4%しか相違せず、新材とほぼ同程度の圧裂強度比を確保することが可能となる。(3)動的安定度にかかわり、実験例では比較例▲1▼に近い値が得られ、比較例▲2▼が比較例▲1▼の2.4倍の値になるのに対して、実際は、実験例の値が比較例▲1▼の値の1.16倍程度に抑えることができる。このようにアスファルトコンクリート再生骨材を添加すると動的安定度が大幅に変化するに対して、新材の動的安定度の値との差を2割程度に抑えることができれば、舗装用として新材に近い優れた性状が得られる。(4)針入度及び軟化点にかかわり、実験例は新材である比較例▲1▼と同等の性状が得られる。
【0032】
このような実験を踏まえ、再生加熱アスファルト混合物の性状、アスファルトコンクリート再生骨材に含まれている旧アスファルトの針入度とアスファルト量の範囲、廃白土に含まれている油分の範囲等から、添加する廃白土の好ましい範囲を検討する。まず、廃白土は略20〜35重量%ほどの植物系油分を含有するものが多いから、下限では、35重量%の植物系油分を含有する廃白土を用い、良好なアスファルトコンクリート再生骨材は針入度30(1/10mm)程度を有するから、この針入度30(1/10mm)のアスファルトコンクリート再生骨材を30重量%混合し、これを針入度50(1/10mm)にするには、混合物1000kgにおいて、アスファルトコンクリート再生骨材300kgで5重量%旧アスアスファル、この旧アスファルト1kgに対して必要な油分の量は2.73重量%、廃白土が35重量%の植物系油分を含有するから、300(kg)×0.05×0.0273/0.35=1.2kgとなり、全体1000kgに対する量であるから、0.12重量%が好ましい下限となる。一方、上限では、20重量%の植物系油分を含有する廃白土を用い、ムリなく再生できるアスファルトコンクリート再生骨材の下限の針入度は25(1/10mm)であるから、この針入度25(1/10mm)のアスファルトコンクリート再生骨材を60重量%混合し、これを針入度70(1/10mm)にするには、混合物1000kgにおいて、アスファルトコンクリート再生骨材600kgで6重量%旧アスアスファル、この旧アスファルト1kgに対して必要な油分の量は12.0重量%、廃白土が20重量%の植物系油分を含有するから、600(kg)×0.06×0.12/0.2=21.6kgとなり、全体1000kgに対する量であるから、2.2重量%が好ましい上限となる。尚、他の実験により廃白土を6.0重量%まで混合しても、好ましい性状が得られることが分かり、廃白土の利用量の面から、上限を6.0重量%とした。
【0033】
次に、上記圧裂強度比を算出するための圧裂試験方法につき説明すると、この圧裂試験方法は、加熱アスファルト混合物の耐流動性やひび割れ性状の把握に用いるものであり、舗装試験法便覧(編集発行所 社団法人日本道路協会 発行日
平成7年6月10日第8版)に基いて行った。
【0034】
図3及び図4に示すように、試験器具として、50mm/minの垂直変位が得られる載置装置11を用いる。マーシャル安定試験用載置装置を用いることができる。−10℃〜60℃の範囲で設定温度を±1℃以内に温度調節可能な恒温槽(図示せず)を用いる。荷重測定装置12としては、容量約5tonf(49.03kN)、精度10kgf(98.07N)のブルービングリング,もしくはロードセルを用い、ロードセルを用いる場合は、記録装置も合せて準備する。また、載荷板13,13を用い、この載荷板13は平滑な平面を有する金属製の板で、載荷中に変形を生じないものを用い、載荷中も常に上下の載荷板13,13を平行に保つことができるものである。また、測定具として、0.1mmまで測定可能なノギスを用いる。
【0035】
マーシャル安定度試験方法に従って締め固めた供試体1を準備し、マーシャル安定度供試体基準密度(厚さ6.35cm)に対する絞固め度が100±1%となるように作製する。切取り供試体1は、直径Dが10cmのコアビットにより採取したもので、平滑な平行な表面を持ったものとし、供試体1の厚さについては特に規定はないが、厚さTが63.5mmの供試体を用いた。
【0036】
試験の手順として、供試体の厚さT及び直径Dをノギスで0.1 mm単位で測定する。恒温槽に供試体をいれ、試験温度で20時間養生する。試験温度は0℃と60℃とし、ダミー用供試体の中心部に温度センサーをセットし、試験温度に達する時間を測定し、供試体1の養生時間を決定してもよい。試験温度における養生時間の経過後に恒温槽から供試体1を取り出し、載荷装置11に供試体1を置き、供試体1の中心部に上下2枚の載荷板13,13をセットする。載荷装置11を作動し、50mm/minの一定な変位速度で、供試体1に載荷する。この供試体1が破壊するまでに示す最大荷重Pをkgf単位又はN単位で記録する。
【0037】
圧裂強度σt=2P/πTD
上記数式は圧裂強度を算出する数式であり、同数式において、P:破壊時の最大荷重(N)、T:供試体の厚さ(m)、D:供試体の直径である。
【0038】
上記のようにして得られた試験温度0℃の圧裂強度を試験温度60℃の圧裂強度で割った値の百分率が圧裂強度比となる。
【0039】
この圧裂強度比と路面性状との間には相関があり、圧裂強度比が大きいものは感温性が大であり、わだち掘れが大きく、圧裂強度比が小さいものは、感温性が小であり、ひび割れが発生し易い。このように圧裂強度比は、路面性状に関連するものであり、廃白土を添加することにより、新材の圧裂強度比の値との差を2割程度に抑えることができれば、舗装用として新材に近い優れた性状が得られることを発明者らは見出した。
【0040】
このように本実施形態では、請求項1に対応して、新規のアスファルト混合物とアスファルトコンクリート再生骨材と植物系油分を含有する廃白土とを加熱混合する再生加熱アスファルト混合物の製造方法であるから、廃白土に含まれる植物系油分によりアスファルトコンクリート再生骨材の再生が図られると共に、粉分を石粉の代替えとして使用することにより混合物の充填効果が向上し、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる。
【0041】
また、このように本実施形態では、請求項2に対応して、前記廃白土は油分を10〜40重量%含有し、再生加熱アスファルト混合物全体に対して前記廃白土を0.1〜6重量%とするから、アスファルトコンクリート再生骨材に含まれる旧アスファルトの針入度を新品のアスファルトと同程度に再生したアスファルト混合物が得られる。
【0042】
さらに、このように本実施形態では、請求項3に対応して、前記再生加熱アスファルト混合物の0℃と60℃の圧裂強度比の値が前記新規のアスファルト混合物の前記圧裂強度比の値の0.8〜1.2倍の範囲になるように前記廃白土を混合するから、アスファルトコンクリート再生骨材を含むアスファルト混合物のヒビ割れ抵抗性、耐流動性を新品のアスファルト混合物に近付けることができる。
【0043】
さらにまた、実施形態上の効果として、再生加熱アスファルト混合物の動的安定度の値が新規のアスファルト混合物の動的安定度の値の0.5〜2倍の範囲になるように前記廃白土を混合すれば、新品のアスファルト混合物と同程度の性状を得ることができ、特に脆性の改善を図ることができる。
【0044】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、加熱混合における手順や加熱温度などは適宜選定可能である。
【0045】
【発明の効果】
請求項1の発明は、新規のアスファルト混合物とアスファルトコンクリート再生骨材と植物系油分を含有する廃白土とを加熱混合する製造方法であり、アスファルトコンクリート再生骨材を用いる混合物において、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる再生加熱アスファルト混合物の製造方法を提供することができる。
【0046】
請求項2の発明は、前記廃白土は油分を10〜40重量%含有し、再生加熱アスファルト混合物全体に対して前記廃白土を0.1〜6重量%とする製造方法であり、アスファルトコンクリート再生骨材を用いる混合物において、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる再生加熱アスファルト混合物の製造方法を提供することができる。
【0047】
また、請求項3の発明は、前記再生加熱アスファルト混合物の0℃と60℃の圧裂強度比の値が前記新規のアスファルト混合物の前記圧裂強度比の値の0.8〜1.2倍の範囲になるように前記廃白土を混合する製造方法であり、アスファルトコンクリート再生骨材を用いる混合物において、新規のアスファルト混合物に近い性状を得ることができる再生加熱アスファルト混合物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すフローチャート図である。
【図2】同上、旧アスファルトの針入度と菜種油の添加量との関係を示すグラフである。
【図3】同上、圧裂強度試験に用いる装置の正面図である。
【図4】同上、圧裂強度試験に用いる装置の側面図である。
Claims (3)
- 新規のアスファルト混合物とアスファルトコンクリート再生骨材と植物系油分を含有する廃白土とを加熱混合することを特徴とする再生加熱アスファルト混合物の製造方法。
- 前記廃白土は油分を10〜40重量%含有し、再生加熱アスファルト混合物全体に対して前記廃白土を0.1〜6重量%とすることを特徴とする請求項1記載の再生加熱アスファルト混合物の製造方法。
- 前記再生加熱アスファルト混合物の0℃と60℃の圧裂強度比の値が前記新規のアスファルト混合物の前記圧裂強度比の値の0.8〜1.2倍の範囲になるように前記廃白土を混合することを特徴とする請求項1又は2記載の再生加熱アスファルト混合物の製造方法。
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