JP2004035414A - 血管幹細胞の血管壁内侵入阻害剤 - Google Patents

血管幹細胞の血管壁内侵入阻害剤 Download PDF

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内田 康美
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Abstract

【解決手段】スルホン酸系アゾ色素及び/又はフェナントリジニウム系色素を有効成分とする血管幹細胞の血管壁内侵入阻害剤。
【効果】本発明の血管幹細胞の血管壁内侵入阻害剤は、血管幹細胞の血管壁への侵入を顕著に阻害する作用を有し、内膜肥厚による血管閉塞、瘤形成とそれに伴う血管破裂、過剰な血管新生に起因する増殖性網膜症、先天性動静脈瘻の増悪化、栄養血管新生による固形腫瘍の増殖等の炎症性、代謝性、先天性等の血管増殖性疾患の予防又は治療に有用である。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流血中に存在する血管幹細胞の血管壁への侵入を阻害し、血管病変の予防又は治療に有用な薬剤及びこれを血管内に投与するための器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
血管の狭窄による血流障害は、しばしば高血圧症、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、四肢の壊死を引き起こす。例えば、日本人に多く、幼児や小児に発病する炎症性増殖性血管病である川崎病では、冠動脈瘤が高率に発生し、続いて狭窄が起こり狭心症や心筋梗塞が発症する(Kawasaki T;Kawasaki Disease, Nankodo Co, 1988, p68−70:Kato H:J. Pediatr., 1986, 108;923−928 Uchida Y:CoronaryAngioscopy, 2000, Futura Publishing Co, ALY p125−120.)。
【0003】
大動脈炎症候群もまた日本人の女性に多く発病し、予防法や根治的治療法がない炎症性増殖性血管病であるが、この場合には、外膜を主座として炎症が起こり、内膜の肥厚を伴う。そして、大動脈、冠動脈、肺動脈、頸動脈、脳動脈の狭窄を引き起こす(Ishikawa K:Circulation 1978,57:27−30)。また、同様の血管炎として、巨細胞動脈炎、拘縮性関節炎に伴う動脈炎等がある(Barkley BH: Circulation 1973,43:1014)。
【0004】
また、動脈硬化性病変(プラーク)においては、内膜の線維性肥厚と脂質の沈着により血管内腔が狭まり、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、閉塞性末梢動脈硬化症を引き起こす。
【0005】
従来、血管の内膜肥厚や狭窄は、中膜に存在している平滑筋細胞が内膜側へ遊走増殖し、膠原線維化することにより起こると考えられており、これによって引き起こされる増殖性血管病の予防又は治療薬としては、内膜平滑筋細胞の増殖を低減させる薬剤や免疫抑制剤等が使用されてきた。
【0006】
しかしながら、十分な臨床効果を示す薬剤はこれまでに見出されていないのが現状である。また最近では、血管閉塞のメカニズムの解明が進み、動脈硬化に伴う内膜肥厚や狭窄には、炎症が関与していることや(Ehara S:Circulation J 2002, 66(Suppl I):142.、Libby P:Circulation J 2002, 66(Suppl I):32−33.)、血管幹細胞の血管内腔から内膜への侵入が関与していること(Sata M:Circulation J 2002, 66(SupplI):154.)、更に流血中に存在する血管幹細胞が内腔から内膜に侵入し、血管形成術やバイパス術に伴う肥厚や動脈硬化性病変の一因となっていることが明らかにされている(Sata M:Nature Science 2002, 8(4):403−409)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、血管幹細胞の侵入を防ぐことにより血管の狭窄及び内膜肥厚を抑制し、これに伴う各種血管病変の予防又は治療に有用な新たな薬剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、既に動脈や静脈内の流血中を流れている血管幹細胞が血管平滑筋ベーターアクチン陽性であり、それが3つの経路で内膜に侵入し、血管損傷に伴う内膜肥厚を惹起せしめることを見出した(Uchida Y:Circulation J 2002, 66(Suppl I):273)。そして、この3つの経路からの血管幹細胞の侵入を阻害する薬剤を探索したところ、特定の色素化合物が血管内腔から容易に外膜へ浸透し、血管幹細胞の血管壁内への侵入を阻害することを見出した。そして更に、特定のカテーテルを用いることにより、当該色素化合物を効率的且つ選択的に患部へ投与できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、スルホン酸系アゾ色素又はフェナントリジニウム系色素を有効成分とする血管幹細胞の血管壁内侵入阻害剤を提供するもである。
【0010】
また本発明は、圧力供給手段と薬剤供給手段を有し、バルーンに複数の噴出細孔を有する薬剤投与バルーンカテーテルであって、薬剤供給手段の薬剤流出口を閉鎖する閉鎖膜を穿刺して薬剤を供給するための穿刺用針を具備した連結手段を備えてなることを特徴とする有孔バルーンカテーテルを提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
動脈や静脈内の流血中を流れている血管幹細胞は、血管平滑筋ベーターアクチン陽性であり、それが3つの経路で内膜に侵入し、血管損傷に伴う内膜肥厚の原因となっている。すなわち、1)外膜にある毛細血管から中膜を通り内膜に侵入する、2)血管内腔からじかに内膜に侵入する、3)肥厚した内膜に新たに形成された新生血管から内膜に侵入し、形質変換を行い、膠原繊維となり、内膜肥厚を惹起する。そして、1)の外膜からの侵入がその主役を演じ、また外膜から侵入した血管幹細胞が平滑筋細胞が存在する中膜を破壊することも明らかにされている(Uchida Y:Circulation J 2002, 66(Suppl I):273)。
【0012】
本発明の化合物は、斯かる血管幹細胞の冠動脈外膜、中膜及び内膜への侵入を阻害する作用を有する(実施例1〜2)。従って、本発明化合物の投与により、血管幹細胞の内側への侵入とその過程で生じる中膜破壊、平滑筋細胞から膠原線維への形質変換及び内膜の肥厚が抑制され、更に新生血管の形成が抑制されると考えられ、本発明化合物は、膠原線維による内膜肥厚やそれによる血管狭窄と閉塞、過剰な血管新生に起因する増殖性網膜症、先天性動静脈瘻の増悪化や栄養血管新生による固形腫瘍の増殖促進等の炎症性、代謝性、先天性、血管新生等による血管増殖性疾患の予防又は治療に有用である。
【0013】
本発明におけるスルホン酸系アゾ色素としては、分子内に基−SO−を有するアゾ色素をいい、例えばエバンスブルー、トリパンブルー、トリパンレッド、オレンジB等のナフタレンスルホン酸系アゾ色素、ポーラルイエロー、オレンジI又はオレンジII等が挙げられ、特にナフタレンスルホン酸系アゾ色素が好ましく、中でもエバンスブルーが好ましい。
【0014】
フェナントリジニウム系色素としては、例えばエチジウムブロマイド、エチジウムクロライド又はプロピジウムアイオダイド等が挙げられ、特にエチジウムブロマイド、エチジウムクロライドが好ましい。
【0015】
本発明の血管壁内侵入阻害剤は、斯かる色素を単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。二種以上を併用して用いる場合には、単一の製剤中に含まれるように調製されてもよく、それぞれを別個の製剤として調製し、それらを併用するものでもよい。
【0016】
また、上記色素化合物と公知の免疫抑制剤を組み合わせることにより、血管幹細胞の血管壁内への侵入阻害作用を相乗的に増強させることができる。ここで用いられる免疫抑制剤としてはシロリムス、パクリタキセル、タクロリムス、アザチオプリン、シクロスポリン、シクロホスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、グスペリムス、ミゾリビン等が挙げられ、シロリムス、パクリタキセル、タクロリムスが好ましい。
前記色素成分と免疫抑制剤との配合比は、重量比で1:0.01〜1:10、特に1:0.1〜1:1が好ましい。
【0017】
本発明の血管壁内侵入阻害剤を医薬として使用する場合には、製薬上許容し得る担体と共に注射若しくは経直腸等の非経口投与又は固形若しくは液体形態での経口投与のための製薬組成物として処方することができる。
【0018】
注射剤は、液剤(無菌水又は非水溶液)、乳剤及び懸濁剤の形態とすることができ、これらに用いられる非水担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルとしては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、オレイン酸エチル等の注射可能な有機酸エステルが挙げられる。また、該組成物には防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤等の補助剤を適宜配合することができる。
【0019】
また、経口投与製剤としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形製剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性若しくは水性懸濁剤等の液剤を例示できる。
【0020】
斯かる医薬は、これらの投与形態のうち、注射剤として用いるのが好ましく、静脈内投与、動脈内投与、グラフト内局所投与、有孔バルーンカテーテルによる加圧局所投与等が更に好ましく、特に下記の有孔バルーンカテーテルを用いて投与するのが好ましい。
【0021】
本発明の色素化合物は、組織親和性が極めて強く、眼、皮膚、衣類、医療器具などに付着するとそれを取り除くことが困難であり、臨床投与の際に色素が外部に漏れないように、閉鎖回路で投与できる装置を使用するのが好ましく、斯かる観点から、本発明者らは、外部に触れることのない状態で経皮的に血管内の局所に薬剤を選択的に投与可能な有孔バルーンカテーテルを考案した。図1に当該有孔バルーンカテーテルの模式図、図2に有孔バルーンカテーテルの薬剤供給手段と連結手段との結合部分の側面図を示す。
【0022】
1は圧力供給手段であり、例えばインデフレーター等の加圧装置である。これによりバルーンが膨らみ、且つ内圧により噴射細孔6から薬剤が噴射されて血管壁内に注入される。2は薬剤供給手段であり、例えばプラスチック製注射筒等の薬剤貯蔵容器である。これによりカテ−テル内腔に薬剤が供給される。薬剤供給手段2の薬剤流出口は、合成樹脂製薄膜(例えばポリエチレンフィルム)のような閉鎖膜8で密閉閉鎖され、薬剤の流出を防いでいる。圧力供給手段1と薬剤供給手段2は連結手段4でカテーテル軸と結合している。連結手段4としては例えば三方活栓、Yコネクター、デュオスタットのようなジョイント器具が挙げられる。また、連結手段4と薬剤供給手段2との結合部分には、薬剤供給手段2を前進移動させるためのネジ9が設けられており、連結手段4の内部には、薬剤供給手段の流出口を閉鎖している膜に孔を開けるための穿刺用針3(例えば27ゲージの針)が設けられている。5はバルーンで、膨張可能な耐圧性合成樹脂等の素材からなり、バルーンの内圧により薬剤を外へ噴出させるための噴射細孔6を有している。
そして、薬剤注入時にネジ9を回すことにより、薬剤供給手段2が前進移動して閉鎖膜8が穿刺用針3で穿刺され、薬剤がカテ−テル内腔に流入し、圧力供給手段1により加圧すると、膨張したバルーンの噴出細孔6から薬剤が血管壁内に注入される。
【0023】
尚、上記有孔バルーンカテーテルは、本発明の血管壁内侵入阻害剤の投与に特に適するが、使用できる薬剤はこれに限定されるものではなく、例えば血栓溶解剤、平滑筋細胞増殖抑制剤、抗炎症剤、血管拡張剤、抗癌剤、放射性医薬品等の血管内局所投与にも用いることができる。
【0024】
本発明の医薬の投与量は、投与される成分の性状、投与経路、所望の処置期間及びその他の要因によって左右されるが、一般に色素成分として一日当り約0.1〜100mg/kg、特に約0.2〜10mg/kgが好ましい。また、所望によりこの一日量を2〜4回に分割して投与することもできる。
【0025】
【実施例】
実施例1 薬物局所投与による冠動脈壁内ベーターアクチン陽性血管幹細胞密度の変化
(1)薬剤内臓注射筒付有孔バルーンカテーテルの作成:
市販の冠動脈形成術用のバルーンカテーテル(外径3mm、長さ20mm)、1mL容量のプラスチック製注射筒、三方活栓を用い以下のように有孔バルーンカテーテルを作製した(図1、図2参照)。
すなわち、バルーンに27ゲージの針の先端で12個の微小孔を作成し有孔バルーン5を作成した。注射筒(薬剤供給手段2)先端にネジ9を取り付け、内部に薬剤溶液を入れ、出口をポリエチレン被膜(閉鎖膜8)で閉鎖した。三方活栓(連結手段4)内に27ゲージの短い針(穿刺用針3)を取り付け、それを有孔バルーンカテーテルの近位部と加圧装置(圧力供給手段1)の間に取り付けた。次いで、三方活栓に注射筒を取り付けた。使用時に、ネジ9を回すと、ポリエチレン被膜が針で穿刺され薬剤がカテ−テル内腔に流入する。そこで、加圧装置により加圧すると薬剤が膨張したバルーンの孔から血管壁内に注入されることになる。このカテーテルをエチレノキサイドガスで滅菌し保存した。
【0026】
(2)実験方法
ネンブタール麻酔ビーグル犬を用いた。気管挿管をおこない、空気により人工呼吸を行った。ついで、右総頚動脈に8フレンチのシースを挿入した。それを介し8フレンチの誘導カテーテルを挿入し、冠動脈造影を行った。ついで、臨床で用いられている外径3mm、長さ20mmの冠動脈形成術用バルーンカテーテルを挿入し、バルーンを9気圧で膨らませ冠動脈前下行枝の遠位部から中間部を拡張せしめた。これにより、血管壁が損傷される。ついで、前述の5%エバンスブルー水溶液0.5mLを入れた注射筒を取り付けた(1)で作製の有孔バルーンカテーテルをガイドワイヤー先導で拡張部位に挿入し、3気圧でエバンスブルーを血管壁内に注入した。注入終了後、カテーテルを抜去し、頚部挿入部を縫合し、抗生物質を投与した。覚醒後1ヶ月間飼育し、再度冠動脈造影を行い、心臓を摘出しホルマリン固定を行い、拡張部位の顕微鏡標本を作製した。ついで、アザン染色や各種の免疫染色を行った。
同様にして、10%エチジウムクロライド溶液0.2mLを加圧注入して検討した。
同様にして、1%シロリムスと5%エバンスブルーを含有する溶液0.5mLを加圧注入して検討した。
【0027】
血管幹細胞の内膜、中膜、外膜において、最も分布密度の高い部位における単位面積(250×250μm)当たりの数をかぞえ、薬剤投与群とバルーンにより拡張せしめ生理食塩水0.5mL注入のみを行った薬剤非投与群(対照群)とで比較し、Student t test P<0.05をもって有意差ありとした。
【0028】
(3)成績
図3に対照群の冠動脈の変化を示す。
左はアザン染色であり、高度の線維性増殖をきたし肥厚した内膜で内腔が高度の狭窄をきたしている。また、内膜に新生血管も多数見られる。右は同部位のベーターアクチン染色を示す。ベーターアクチン陽性細胞が外膜に多数存在しており、一部がアメーバ状に中膜内に侵入し、内弾性板(矢頭)を通過し内膜へと侵入している(矢印)。
【0029】
図4に対照群における中膜の変化を示す。
左はベーターアクチン染色であり、外膜から中膜と内膜にベーターアクチン陽性細胞の侵入が見られる(矢印)。右は同一部位のアルファアクチン陽性細胞を示す。中膜ではアルファアクチン陽性細胞の脱落がみられ(矢印)、このことは、収縮機能を有する平滑筋細胞の脱落を意味し、中膜の障害が起こっていることを示す。
【0030】
図5左に対照群、右にエバンスブルー投与群の冠動脈の変化を示す。
対照群では、ベーターアクチン陽性細胞が外膜、中膜、内膜に多数みられ、内膜の肥厚も高度であるが、エバンスブルー投与群では、ベーターアクチン陽性細胞は外膜に少数見られるのみであり、中膜より内側にはほとんど見られない。
【0031】
図6に血管幹細胞の血管内腔から内膜への侵入の有無を示す。
対照群では血管幹細胞の血管内腔から内膜への侵入が見られるが(矢印)、エバンスブルー投与群では血管幹細胞の侵入は見られない。
【0032】
表1に冠動脈内膜、中膜、外膜における血管幹細胞密度を示す。
対照群では、外膜における分布密度が最も大であった。このことは、外膜における侵入が重要であることを示す。エバンスブルー群及びエチジウムクロライド群ではいずれの層においても血管幹細胞密度は対照群より有意に少なかった。このことは、これら薬剤に侵入阻害作用が有ることを示す。
シロリムスでは外膜のみで若干阻害されたが、内膜と中膜では、無効であった。これに対し、エバンスブルーとシロリムスの併用では、エバンスブルー単独投与に比べ、侵入阻害作用が相乗的に増強した。
【0033】
【表1】
Figure 2004035414
【0034】
実施例2 異物の冠動脈外膜投与による血管炎実験
(1)実験方法
麻酔ビーグル犬を用い、空気による人工呼吸下で、左第5肋間を切開し、心臓を露出せしめた。ついで、左冠動脈前下行枝中間部の外膜周辺にタルク粉末を投与した。これにより炎症が発生する。ついで、開胸部を閉塞し、実施例1(1)で作製した薬剤内臓注射筒を具備する有孔バルーンカテーテルを用い、実施例1と同じ条件でエバンスブルーを注入した。麻酔から覚醒後、飼育し、1ヵ月後冠動脈造影を行い、心臓を摘出しホルマリン固定した。タルク投与部の顕微鏡標本を作製し、ベーターアクチン染色を行い、ベーターアクチン陽性細胞、すなわち血管幹細胞密度を調べた。
【0035】
(2)成績
表2にベーターアクチン陽性細胞密度を示す。エバンスブルー投与群では、対照群と比べ、陽性細胞密度は有意に少なかった。
【0036】
【表2】
Figure 2004035414
【0037】
【発明の効果】
本発明の血管幹細胞の血管壁内侵入阻害剤は、血管幹細胞の血管壁への侵入を顕著に阻害する作用を有し、内膜肥厚による血管閉塞、血管壁破壊による瘤形成とそれに伴う血管破裂、過剰な血管新生に起因する増殖性網膜症、先天性動静脈瘻の増悪化、栄養血管新生による固形腫瘍の増殖等の炎症性、代謝性、先天性等の血管増殖性疾患の予防又は治療に有用である。また、本発明の有孔バルーンカテーテルを用いれば、薬剤を外部に触れることのない状態で経皮的に血管内の局所に選択的に投与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は有孔バルーンカテーテルの模式図である。
【図2】図2は有孔バルーンカテーテルの薬剤供給手段と連結手段との結合部分の側面図である。
【図3】図3は対照群の冠動脈の変化を示した顕微鏡写真である(40倍)。左:アザン染色、A:外膜、M:中膜、I:著明に肥厚した内膜、矢印:破壊された内弾性板、L:残存内腔。右:ベーターアクチン染色、矢印:ベーターアクチン陽性細胞、矢頭:内弾性板。
【図4】図4は対照群のベーターアクチン陽性細胞、アルファアクチン陽性細胞及び中膜破を示した顕微鏡写真である(1000倍)。左:ベーターアクチン染色、矢印:陽性細胞。右:アルファアクチン染色、矢印:中膜アルファアクチン陽性細胞の脱落。
【図5】図5は対照群と薬剤投与群の冠動脈の変化を示した顕微鏡写真である(ベータアクチン染色、1000倍)。左:対照群、右:エバンスブルー投与群、矢印:ベータアクチン陽性細胞。
【図6】図6は血管幹細胞の血管内腔から内膜への侵入の有無を示した顕微鏡写真である(ベーターアクチン染色、1000倍)。
左:対照群、右:エバンスブルー投与例、矢印:血管幹細胞の内膜への侵入。
【符号の説明】
1 圧力供給手段
2 薬剤供給手段
3 穿刺用針
4 連結手段
5 バルーン
6 噴出細孔
7 ガイドワイヤー
8 閉鎖膜
9 ネジ
10 薬剤

Claims (5)

  1. スルホン酸系アゾ色素及び/又はフェナントリジニウム系色素を有効成分とする血管幹細胞の血管壁内侵入阻害剤。
  2. スルホン酸系アゾ色素が、エバンスブルーである請求項1記載の血管壁内侵入阻害剤。
  3. フェナントリジニウム系色素が、エチジウムブロマイド又はエチジウムクロライドである請求項1記載の血管壁内侵入阻害剤。
  4. 更に免疫抑制剤を組み合わせてなる請求項1〜3のいずれか1項記載の血管壁内侵入阻害剤。
  5. 圧力供給手段と薬剤供給手段を有し、バルーンに複数の噴出細孔を有する薬剤投与バルーンカテーテルであって、薬剤供給手段の薬剤流出口を閉鎖する閉鎖膜を穿刺して薬剤を供給するための穿刺用針を具備した連結手段を備えてなることを特徴とする有孔バルーンカテーテル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009084982A1 (fr) * 2007-12-28 2009-07-09 Mikhail Vladimirovich Kutushov Utilisation de colorants organiques en tant que moyen de traitement de maladies oncologiques
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