JP2004035116A - 作業機械のブーム構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のクレーンのブーム構造においては、ラチスジブ又はラチスタワーだけでそれらの継ぎ足しセクションを入れ子構造にすることが出来なかった。
【解決手段】継ぎ足しセクション14b〜14hは、中空状の角錐台形状に形成されており、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dどうし、及び、先端側継ぎ足しセクション14e〜14hどうしの間で、大きい継ぎ足しセクションの拡がった側の開口部に、隣接している小さな継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。このため、収納状態はコンパクトになる。また、継ぎ足しセクション14b〜14hが、角錐台形状のしぼんだ側の底面にダイヤゴーナル16を備えているため、継ぎ足しセクション14b〜14hのねじれは防止される。
【選択図】 図5
【解決手段】継ぎ足しセクション14b〜14hは、中空状の角錐台形状に形成されており、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dどうし、及び、先端側継ぎ足しセクション14e〜14hどうしの間で、大きい継ぎ足しセクションの拡がった側の開口部に、隣接している小さな継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。このため、収納状態はコンパクトになる。また、継ぎ足しセクション14b〜14hが、角錐台形状のしぼんだ側の底面にダイヤゴーナル16を備えているため、継ぎ足しセクション14b〜14hのねじれは防止される。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はボトムブームに継ぎ足しセクションが接続されて構成される作業機械のブーム構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のブーム構造は、タワークレーンに鉛直方向に設けられているラチスタワーや、その先端に起伏自在に設けられているラチスジブに採用されている。これらラチスタワーやラチスジブのボトムブームには、複数の継ぎ足しセクションがラグにピン接続されて構成されている。各継ぎ足しセクションは断面が矩形状に形成されており、その四隅には4本の基礎パイプが設けられている。また、ねじれ防止のため、継ぎ足しセクションの一端から他端にかけて、基礎パイプ間を対角線状に短い補強パイプがダイヤゴーナルとして複数本組まれて構成されている。ラチスタワーの継ぎ足しセクションはラチスジブのものよりも寸法が大きく、矩形状断面の口径も大きい。
【0003】
これらラチスタワーやラチスジブは、多段伸縮式の箱ブームに比べて重量が軽いが、嵩張る。特に、各セクションにばらして使用しない継ぎ足しセクションを工場や狭い現場に保管するのに、場所を広くとる。そのため、従来、例えば、図1(a),(b)に示すように、枕木1を敷いてその上に1段目の継ぎ足しセクション2を載せ、この継ぎ足しセクション2の上に同様に枕木1を敷いて2段目,3段目の継ぎ足しセクション2を段重ねして保管している。各継ぎ足しセクション2には上記のダイヤゴーナル2aが設けられている。
【0004】
しかしながら、このように狭い現場を有効に使っても、継ぎ足しセクション2の段重ねは安全面からその高さに制限があり、継ぎ足しセクション2の量が多いとこれを保管しきれなくなる。
【0005】
また、ラチスブームを工場と現場との間などで搬送するときは、各継ぎ足しセクションに分解してトラックの荷台に積み重ねることになるが、継ぎ足しセクションが軽くて重量では空荷に近い状態であっても、その体積が嵩張るために多くのトラックが必要になり、搬送費用が高くつく。また、長尺ものの継ぎ足しセクションの搬送にはトレーラが必要になる場合もあり、多大な費用と時間がかかる。
【0006】
このような保管時や搬送時における問題を解消するため、従来、ダイヤゴーナルを継ぎ足しセクションの一端にのみ設け、継ぎ足しセクションの内部を中空に形成して、小口径のラチスジブのセクションを大口径のラチスタワーのセクションに挿入して格納するものがある。また、図2に示す、ラチスジブの継ぎ足しセクション3とラチスタワーの継ぎ足しセクション4とが接続用セクション5を介して組み合わされて構成されるタワークレーンの特殊なブーム構造もある。同図に示す継ぎ足しセクション3,4も、ダイヤゴーナル3a,4aが各セクションの一端にのみ設けられている場合には、小口径の継ぎ足しセクション3は大口径の継ぎ足しセクション4の他端4bから収納される構造になっている。このような入れ子構造によって小口径の継ぎ足しセクションが大口径の継ぎ足しセクション内部に収納されることで、継ぎ足しセクションの保管に必要なスペースは小さくて済み、搬送時においては費用と時間を節約することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように改良されたいずれの従来のクレーンのブーム構造でも、口径の異なる継ぎ足しセクションどうししか収納出来ないため、例えばラチスジブ又はラチスタワーだけでそれらの継ぎ足しセクションを入れ子構造にすることは出来なかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、ボトムブームに継ぎ足しセクションが接続されて構成される作業機械のブーム構造において、継ぎ足しセクションは中空状の角錐台形状に形成されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、中空状で角錐台形状の1つの継ぎ足しセクションの拡がった開口部に、同様な形状をした他の継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。
【0010】
また、本発明は、継ぎ足しセクションが、ボトムブームから連続的に拡がる角錐台形状をした複数のボトムブーム側継ぎ足しセクションと、この継ぎ足しセクションの最も拡がった角錐台形状をした継ぎ足しセクションから先端に向かって連続的にしぼむ角錐台形状をした複数の先端側継ぎ足しセクションとから構成されることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、ボトムブーム側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、先端側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、それら両者の継ぎ足しセクションどうしの間で、大きな角錐台形状の継ぎ足しセクションの拡がった開口部に、小さな角錐台形状の継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。
【0012】
また、本発明は、ボトムブーム側継ぎ足しセクションまたは先端側継ぎ足しセクションが、隣接して接続されている継ぎ足しセクションの一方が他方に収納される寸法の角錐台形状になっていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、ボトムブーム側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、先端側継ぎ足しセクションどうしの間で、大きい継ぎ足しセクション内部へ、隣接している小さなセクションが次々に収納されていき、収納状態はコンパクトになる。
【0014】
また、本発明は、ボトムブーム側継ぎ足しセクションまたは先端側継ぎ足しセクションが、継ぎ足しセクションとこれと所定個間を隔てて接続されている継ぎ足しセクションとの間で、一方が他方に収納される寸法の角錐台形状になっていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、大きい継ぎ足しセクション内部へ、所定個おきに間を隔てたセクションが次々に収納されていき、継ぎ足しセクションの角錐の絞り率は、隣接するセクションを収納する場合に比べて小さくなる。
【0016】
また、本発明は、継ぎ足しセクションが、角錐台形状のしぼんだ側の底面にダイヤゴーナルまたは塞ぎ板を備えていることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、ダイヤゴーナルまたは塞ぎ板によって継ぎ足しセクションのねじれが防止される。
【0018】
また、本発明は、ボトムブームが、間口寸法の合わない継ぎ足しセクションまたはトップブームを接続するラグが備えられていることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、ボトムブームに、種々の継ぎ足しセクションやトップブームをラグを介して接続することが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による作業機械のブーム構造をタワークレーンに適用した第1の実施形態について説明する。
【0021】
図3は、本実施形態によるクローラ式のタワークレーン11を示す側面図である。タワークレーン11の上部旋回体12の前方中央には、ラチスタワー13が鉛直に設けられており、ラチスタワー13の先端にはラチスジブ14が起伏自在に設けられている。ラチスジブ14は、ボトムブーム14aと、各継ぎ足しセクション14b〜14hと、トップブーム14iとがラグにピン接続されて構成されている。各継ぎ足しセクション14b〜14hは、4本の基礎パイプ15が中空状の角錐台形状に組まれて形成されている。つまり、四角錐の頭部がその底面に水平な面で切り取られた形状をしており、側面は台形状、断面は矩形状になっている。
【0022】
図4(a)は、上記のラチスジブ14の概要を示す側面図である。継ぎ足しセクション14b〜14hは、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dと先端側継ぎ足しセクション14e〜14hとから構成されている。ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dは、ボトムブーム14aから連続的に拡がる角錐台形状をしており、先端側継ぎ足しセクション14e〜14hは、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dの最も拡がった角錐台形状をした継ぎ足しセクション14dから先端のトップブーム14iに向かって連続的にしぼむ角錐台形状をしている。各継ぎ足しセクション14b〜14hの角錐台形状のしぼんだ側の底面には、基礎パイプ15間を対角線状に組むダイヤゴーナル16が設けられており、角錐台形状の拡がった側の間口は開放されている。
【0023】
同図(b)は、従来のラチスジブの概要を示す側面図であり、ボトムブーム17aとトップブーム17cとの間には、本実施形態とは異なり、同じ直方体形状の複数の継ぎ足しセクション17bが接続されている。
【0024】
本実施形態では、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14d及び先端側継ぎ足しセクション14e〜14hは、隣接して接続されている2つの継ぎ足しセクションのうち一方の小さい継ぎ足しセクションが他方の大きい継ぎ足しセクション内部に収納される寸法の角錐台形状になっている。この構造を以下、隣入れ子構造と称する。
【0025】
また、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14d及び先端側継ぎ足しセクション14e〜14hは角錐の絞り率がそれぞれ等しく形成されており、継ぎ足しセクション14bと14g、14cと14f及び14dと14eとは、同じものがそれぞれ逆向きに接続されている。
【0026】
また、ボトムブーム14aの拡がった側の端部の四隅には、間口寸法の合う継ぎ足しセクション14bを接続するための図示しないラグに加え、間口寸法の合わない継ぎ足しセクション14gの大径側またはトップブーム14iを接続するための図示しないラグが備えられている。
【0027】
上記の構成において、ラチスジブ14は図5に示すように分解されて保管される。図5の実線は、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14d及び先端側継ぎ足しセクション14e〜14hがそれぞれ隣入れ子構造で収納された状態の側面図を示しており、二点鎖線は、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14d及び先端側継ぎ足しセクション14e〜14hが接続された状態の側面図を示している。
【0028】
保管するには、まず、ラチスジブ14の全ての継ぎ足しセクション14b〜14hのラグからピンを抜き取る。その後、先端側継ぎ足しセクション14e〜14hで隣接して接続されている一方の継ぎ足しセクション14fを補助クレーンで吊り上げ、隣接して接続されている他方の継ぎ足しセクション14eの拡がった開口部に吊り上げた継ぎ足しセクション14fのしぼんだ側の底部を挿入し、継ぎ足しセクション14eの内部に継ぎ足しセクション14fをスライドさせて収納する。次に、継ぎ足しセクション14fに隣接する継ぎ足しセクション14gを補助クレーンで吊り上げ、そのしぼんだ側の底部を継ぎ足しセクション14fの拡がった開口部に挿入し、継ぎ足しセクション14fの内部に継ぎ足しセクション14gを同様に収納する。さらに、継ぎ足しセクション14gに隣接する継ぎ足しセクション14hを補助クレーンで吊り上げ、そのしぼんだ側の底部を継ぎ足しセクション14gの拡がった開口部に挿入し、継ぎ足しセクション14gの内部に継ぎ足しセクション14hを同様に収納する。ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dについても、上記と同様の手順で、継ぎ足しセクション14dの内部に隣接する継ぎ足しセクション14c,14bをこの順番で収納する。
【0029】
また、保管されている継ぎ足しセクション14b〜14hを使用する場合、まず、継ぎ足しセクション14dの一番内側に収納されている継ぎ足しセクション14bを補助クレーンで取り出してから吊り上げ、ボトムブーム14aにピンで接続する。同様に、継ぎ足しセクション14c,14dをこの順番で補助クレーンで取り出してから吊り上げ、それぞれピンで接続する。こうして、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dを前方広がり状に接続し終えたら、次に、継ぎ足しセクション14e内部に収納されている継ぎ足しセクション14f〜14hを、いったん補助クレーンによって吊り上げて全て取り出す。この後、継ぎ足しセクション14eを補助クレーンで吊り上げ、ボトムブーム側の継ぎ足しセクション14dにピンで前方絞り状に接続する。同様にして、継ぎ足しセクション14f〜14hをこの順番で前方絞り状にピンで接続し、最後にトップブーム14iを補助クレーンで吊り上げ、ピンで接続する。
【0030】
このような本発明の第1の実施形態によるタワークレーン11のラチスジブ14のブーム構造によれば、中空状で角錐台形状の1つの継ぎ足しセクション14b〜14hの開口部に、同様な形状をした他の継ぎ足しセクション14b〜14hのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。本実施形態では、ラチスジブ14が、ボトムブーム14aから連続的に拡がる角錐台形状をしたボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dと、先端に向かって連続的にしぼむ角錐台形状をした先端側継ぎ足しセクション14e〜14hとから構成されるため、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dどうしの間で、及び、先端側継ぎ足しセクション14e〜14hどうしの間で、大きい継ぎ足しセクションの拡がった開口部に、小さな継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。このため、本実施形態によれば、継ぎ足しセクション14b〜14hの保管スペースは格段に小さくなる。また、内部に他のセクションが全て収納された継ぎ足しセクション14d,14eがトラックに積み込まれて搬送されるため、その搬送費用及び搬送時間は格段に節約される。
【0031】
また、本実施形態のラチスジブ14のブーム構造では、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14d及び先端側継ぎ足しセクション14e〜14hは、隣接して接続されている継ぎ足しセクションの一方が他方に収納される寸法の角錐台形状になっている。このため、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dどうしの間で、及び、先端側継ぎ足しセクション14e〜14hどうしの間で、大きい継ぎ足しセクション14d,14eの内部へ、隣接している小さな継ぎ足しセクション14b〜14c,14f〜14hが次々に収納されていき、収納状態はコンパクトになる。このため、このような構造をした本実施形態では、継ぎ足しセクション14b〜14hの収納スペースはさらに小さくなり、また、その搬送費用及び搬送時間はさらに節約される。
【0032】
また、本実施形態では、継ぎ足しセクション14b〜14hが、角錐台形状のしぼんだ側の底面にダイヤゴーナル16を備えているため、継ぎ足しセクション14b〜14hのねじれは防止される。このため、継ぎ足しセクション14b〜14hは、保管性能及び搬送性能が向上するのに加えて、その強度が高まる。なお、ここでは、継ぎ足しセクション14b〜14hのしぼんだ側の底面にダイヤゴーナル16を設けたが、ダイヤゴーナル16の代わりにしぼんだ側の底面を塞ぐ塞ぎ板を用いても同様の作用効果が得られる。
【0033】
また、本実施形態では、ボトムブーム14aは、間口寸法の合わない継ぎ足しセクション14gまたはトップブーム14iを接続するラグが備えられているため、図6(a)〜(c)に示す構造の他、同図(d),(e)に示す構造にラチスジブ14をつなぐことが出来る。同図(a)は、ボトムブーム14aに継ぎ足しセクション14hが接続され、さらにトップブーム14iが接続されて構成されたラチスジブ14の構造を示している。同図(b)は、ボトムブーム14aに継ぎ足しセクション14bが接続され、さらに継ぎ足しセクション14g,14h及びトップブーム14iが接続されて構成されたラチスジブ14の構造を示している。同図(c)は、ボトムブーム14aに継ぎ足しセクション14bが接続され、さらに継ぎ足しセクション14c,14f,14g,14h及びトップブーム14iが接続されて構成されたラチスジブ14の構造を示している。同図(d)は、ボトムブーム14aに新たに設けたラグを用いてトップブーム14iが接続されたラチスジブの構造を示している。同図(e)は、ボトムブーム14aに新たに設けたラグを用いて継ぎ足しセクション14gの大径側が接続され、さらに継ぎ足しセクション14h及びトップブーム14iが接続されて構成されたラチスジブ14を示している。
【0034】
このように本実施形態によれば、ボトムブーム14aに、種々の継ぎ足しセクション14b,14g,14hやトップブーム14iをラグを介して接続することが出来るため、より多くの接続形態をしたラチスジブ14が得られ、工事現場及び工事計画に従ってラチスジブ14の長さを所望に設定できる。
【0035】
次に、本発明による作業機械のブーム構造をタワークレーンに適用した第2の実施形態について説明する。図7(a)は、鉛直に立つラチスタワーの先端に起伏自在に設けられたラチスジブ20の構造の概要を示す側面図である。
【0036】
ラチスジブ20は、ボトムブーム20aと、各継ぎ足しセクション20b〜20hと、トップブーム20iとがラグにピン接続されて構成されている。本実施形態によるラチスジブ20の構造は、継ぎ足しセクション20b〜20hの角錐台形状の寸法が上述した第1の実施形態におけるラチスジブ14と異なり、これ以外の構造は上述した第1の実施形態のラチスジブ14と同じ構造をしている。
【0037】
つまり、上述したラチスジブ14は、隣接して接続されている継ぎ足しセクション14b〜14hの一方が他方に収納される角錐台形状の寸法になっていた。しかし、本実施形態のボトムブーム側継ぎ足しセクション20b〜20d及び先端側継ぎ足しセクション20e〜20hは、1つの継ぎ足しセクションとこれと1個間を隔てて接続されている継ぎ足しセクションとの間で、一方の継ぎ足しセクションが他方の継ぎ足しセクションに収納される寸法の角錐台形状になっている。この構造を以下、1個おき入れ子構造と称する。
【0038】
隣入れ子構造の場合と同様に、1個おき入れ子構造による継ぎ足しセクション20b〜20hも角錐の絞り率が全て等しく形成されており、継ぎ足しセクション20bと20g、20cと20f及び20dと20eとは、同じものがそれぞれ逆向きに接続されている。
【0039】
上記の構成において、ラチスジブ20は図7(b),(c)に示すように分解されて保管される。同図(b),(c)は、ラチスジブ20の先端側継ぎ足しセクション20e〜20hの収納状態及び接続状態を示す側面図であり、実線は先端側継ぎ足しセクション20e〜20hの収納状態、二点鎖線はその接続状態を示している。保管するには、まず、ラチスジブ20の全てのセクション20b〜20hのラグからピンを抜き取る。その後、先端側の継ぎ足しセクション20gを補助クレーンで吊り上げ、これと1個間を隔てて接続されている継ぎ足しセクション20eの拡がった開口部に吊り上げた継ぎ足しセクション20gのしぼんだ側の底部を挿入し、図7(b)に示すように継ぎ足しセクション20eの内部に継ぎ足しセクション20gをスライドさせながら収納する。次に、継ぎ足しセクション20hを補助クレーンで吊り上げ、これと1個間を隔てて接続されている継ぎ足しセクション20fの拡がった開口部に吊り上げた継ぎ足しセクション20hのしぼんだ側の底部を挿入し、図7(c)に示すように継ぎ足しセクション20fの内部に継ぎ足しセクション20hを収納する。ボトム側についても同様に、継ぎ足しセクション20dの内部にこれに1個間を隔てて接続されている継ぎ足しセクション20bを収納する。
【0040】
また、保管されている継ぎ足しセクション20b〜20hを使用する場合、まず、継ぎ足しセクション20d内部に収納されている継ぎ足しセクション20bを補助クレーンで吊り上げ、ボトムブーム20aにピンで接続する。同様に、継ぎ足しセクション20c,20dを順番にピンで接続していく。こうして、順番に継ぎ足しセクション20dまで前方広がり状に接続が終わったら、次に、継ぎ足しセクション20e,20f内部に収納されている全ての継ぎ足しセクション20g,20hを、いったん補助クレーンによって抜き取る。この後、継ぎ足しセクション20eを補助クレーンで吊り上げ、継ぎ足しセクション20dにピンで前方絞り状に接続する。同様にして、継ぎ足しセクション20f〜20hをこの順番で前方絞り状に接続し、最後にトップブーム20iを補助クレーンで吊り上げ、ピンで接続する。
【0041】
このような本発明の第2の実施形態によるラチスジブ20の構造によれば、大きい継ぎ足しセクション内部へ、1個おきに間を隔てた継ぎ足しセクションをしぼんだ側の底部から挿入して入れ子構造にすることが出来るため、継ぎ足しセクション20b〜20hの角錐の絞り率は、前述した第1の実施形態による隣入れ子構造の場合に比べて小さくなる。
【0042】
図8は、前述した第1の実施形態による隣入れ子構造の継ぎ足しセクション14e〜14gを示す側面図であり、図9(a),(b)は、この第2の実施形態による1個おき入れ子構造の継ぎ足しセクション20e〜20hを示す側面図である。図8、図9ともに、実線は各継ぎ足しセクションを入れ子構造で収納した状態を示し、二点鎖線は、各継ぎ足しセクションをピン22で接続した状態を示している。
【0043】
図8に示すように、継ぎ足しセクション14eの開口部の基礎パイプ15の中心間の距離は2200[mm]であり、継ぎ足しセクション14f,14gの開口部の同距離は1920[mm],1640[mm]である。また、継ぎ足しセクション14eのしぼんだ側の底部の基礎パイプ15の中心間の距離は1920[mm]であり、継ぎ足しセクション14f,14gの底部の同距離は1640[mm],1360[mm]である。また、各継ぎ足しセクション14e〜14gの軸方向の長さはそれぞれ6096[mm]である。従って、最大距離2200[mm]及び最小距離1360[mm]から、隣入れ子構造の角錐の絞り率をA0、角錐のしぼりの角度をθ0とすると、A0,θ0は以下のように表される。
【0044】
A0=(2200−1360)/(6096×3)
=0.04593
θ0=tan−1A0
=2.630°
また、図9に示すように、継ぎ足しセクション20e,20g,20f,20hの開口部の距離は2200[mm],1920[mm],2060[mm],1780[mm]であり、継ぎ足しセクション20e,20g,20f,20hのしぼんだ側の底部の距離は2060[mm],1780[mm],1920[mm],1640[mm]である。また、各継ぎ足しセクション20e〜20hの軸方向の長さはそれぞれ6096[mm]である。従って、最大距離2200[mm]及び最小距離1640[mm]から、1個おき入れ子構造の角錐の絞り率をA1、角錐のしぼりの角度をθ1とすると、A1,θ1は以下のように表される。
【0045】
A1=(2200−1640)/(6096×4)
=0.02297
θ1=tan−1A1
=1.316°
即ち、第1の実施形態による隣入れ子構造では角錐のしぼり角度θ0が2.630°になり、この第2の実施形態による1個おき入れ子構造では角錐のしぼり角度θ1が1.316°となる。このため、第1の実施形態によればラチスジブ14の寸法は絞られて細くて短くなるという制限を受けるが、第2の実施形態によれば、ラチスジブ20の絞り率は小さく緩やかになる。この結果、各継ぎ足しセクション20b〜20hが接続されて構成される1個おき入れ子構造のラチスジブ20の長さは、隣入れ子構造のラチスジブ14に比べて長くすることが出来る。
【0046】
従って、継ぎ足しセクションを2個おき以上の入れ子構造にし、角錐の絞り率を小さくし、緩やかなしぼりにしていくことで、さらに長いラチスジブを構成することが出来る。
【0047】
なお、上述した各実施形態においては本発明をラチスジブに適用した場合について説明したが、ラチスタワーなどにも同様に本発明を適用することが出来、この場合においても上述した各実施形態と同様な作用効果が奏される。また、上述した各実施形態においては、ボトムブーム側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、先端側継ぎ足しセクションどうしの間での入れ子構造について説明したが、本発明のブーム構造においては、これら両者の継ぎ足しセクションどうしの間であっても、大きな角錐台形状の継ぎ足しセクションの拡がった開口部に、小さな角錐台形状の継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による作業機械のブーム構造によれば、中空状で角錐台形状の1つの継ぎ足しセクションの拡がった開口部に、同様な形状をした他の継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。このため、ラチスジブやラチスタワーだけでそれらの継ぎ足しセクションを入れ子構造にすることが可能になる。この結果、継ぎ足しセクションの保管スペースは格段に小さくなり、また、その搬送費用及び搬送時間を格段に節約することが出来る。
【0049】
また、継ぎ足しセクションが、ボトムブームから連続的に拡がる角錐台形状をした複数のボトムブーム側継ぎ足しセクションと、この継ぎ足しセクションの最も拡がった角錐台形状をした継ぎ足しセクションから先端に向かって連続的にしぼむ角錐台形状をした複数の先端側継ぎ足しセクションとから構成される場合、ボトムブーム側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、先端側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、それら両者の継ぎ足しセクションどうしの間で、大きな角錐台形状の継ぎ足しセクションの拡がった開口部に、小さな角錐台形状の継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。
【0050】
また、ボトムブーム側継ぎ足しセクションまたは先端側継ぎ足しセクションが、隣接して接続されている継ぎ足しセクションの一方が他方に収納される寸法の角錐台形状になっている場合、ボトムブーム側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、先端側継ぎ足しセクションどうしの間で、大きい継ぎ足しセクション内部へ、隣接している小さなセクションが次々に収納されていき、収納状態はコンパクトになる。このため、継ぎ足しセクションの保管スペースはさらに小さくなり、また、その搬送費用及び搬送時間はさらに節約される。
【0051】
また、ボトムブーム側継ぎ足しセクションまたは先端側継ぎ足しセクションが、継ぎ足しセクションとこれと所定個間を隔てて接続されている継ぎ足しセクションとの間で、一方が他方に収納される寸法の角錐台形状になっている場合、大きい継ぎ足しセクション内部へ、所定個おきに間を隔てたセクションが次々に収納されていき、継ぎ足しセクションの角錐の絞り率は、隣接するセクションを収納する場合に比べて小さくなる。このため、各継ぎ足しセクションが接続されて構成されるブームの長さは、隣接するセクションを収納する場合に比べて長くすることが出来る。
【0052】
また、継ぎ足しセクションが、角錐台形状のしぼんだ側の底面にダイヤゴーナルまたは塞ぎ板を備えている場合、ダイヤゴーナルまたは塞ぎ板によって継ぎ足しセクションのねじれが防止される。このため、継ぎ足しセクションは、保管性能及び搬送性能が向上するのに加えて、その強度が高まる。
【0053】
また、ボトムブームが、間口寸法の合わない継ぎ足しセクションまたはトップブームを接続するラグが備えられている場合、ボトムブームに、種々の継ぎ足しセクションやトップブームをラグを介して接続することが出来る。このため、より多くの接続形態をしたブームが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は従来のブーム構造における継ぎ足しセクションの保管状態を示す正面図、(b)はその側面図である。
【図2】従来の特殊なブーム構造を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるブーム構造を備えたタワークレーンの側面図である。
【図4】(a)は、本発明の第1の実施形態による隣入れ子構造のブーム構造の概要を示す側面図、(b)は、従来のブーム構造の概要を示す側面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態によるブーム構造における継ぎ足しセクションの収納状態及び接続状態を示す側面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるラチスジブの構成例を示しており、(a),(b),(c)はそれぞれ継ぎ足しセクションが1本,3本,5本のラチスジブの側面図、(d),(e)は新たに設けたラグを用いて接続したラチスジブの側面図である。
【図7】(a)は、本発明の第2の実施形態による1個おき入れ子構造のブーム構造の概要を示す側面図、(b),(c)はその収納状態及び接続状態を示す側面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態によるブーム構造の寸法を示す側面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態によるブーム構造の寸法を示す側面図である。
【符号の説明】
11…タワークレーン
14、20…ラチスブーム
14a、20a…ボトムブーム
14b〜14h、20b〜20h…継ぎ足しセクション
14i、20i…トップブーム
15…基礎パイプ
16…ダイヤゴーナル
22…ピン
【発明の属する技術分野】
本発明はボトムブームに継ぎ足しセクションが接続されて構成される作業機械のブーム構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のブーム構造は、タワークレーンに鉛直方向に設けられているラチスタワーや、その先端に起伏自在に設けられているラチスジブに採用されている。これらラチスタワーやラチスジブのボトムブームには、複数の継ぎ足しセクションがラグにピン接続されて構成されている。各継ぎ足しセクションは断面が矩形状に形成されており、その四隅には4本の基礎パイプが設けられている。また、ねじれ防止のため、継ぎ足しセクションの一端から他端にかけて、基礎パイプ間を対角線状に短い補強パイプがダイヤゴーナルとして複数本組まれて構成されている。ラチスタワーの継ぎ足しセクションはラチスジブのものよりも寸法が大きく、矩形状断面の口径も大きい。
【0003】
これらラチスタワーやラチスジブは、多段伸縮式の箱ブームに比べて重量が軽いが、嵩張る。特に、各セクションにばらして使用しない継ぎ足しセクションを工場や狭い現場に保管するのに、場所を広くとる。そのため、従来、例えば、図1(a),(b)に示すように、枕木1を敷いてその上に1段目の継ぎ足しセクション2を載せ、この継ぎ足しセクション2の上に同様に枕木1を敷いて2段目,3段目の継ぎ足しセクション2を段重ねして保管している。各継ぎ足しセクション2には上記のダイヤゴーナル2aが設けられている。
【0004】
しかしながら、このように狭い現場を有効に使っても、継ぎ足しセクション2の段重ねは安全面からその高さに制限があり、継ぎ足しセクション2の量が多いとこれを保管しきれなくなる。
【0005】
また、ラチスブームを工場と現場との間などで搬送するときは、各継ぎ足しセクションに分解してトラックの荷台に積み重ねることになるが、継ぎ足しセクションが軽くて重量では空荷に近い状態であっても、その体積が嵩張るために多くのトラックが必要になり、搬送費用が高くつく。また、長尺ものの継ぎ足しセクションの搬送にはトレーラが必要になる場合もあり、多大な費用と時間がかかる。
【0006】
このような保管時や搬送時における問題を解消するため、従来、ダイヤゴーナルを継ぎ足しセクションの一端にのみ設け、継ぎ足しセクションの内部を中空に形成して、小口径のラチスジブのセクションを大口径のラチスタワーのセクションに挿入して格納するものがある。また、図2に示す、ラチスジブの継ぎ足しセクション3とラチスタワーの継ぎ足しセクション4とが接続用セクション5を介して組み合わされて構成されるタワークレーンの特殊なブーム構造もある。同図に示す継ぎ足しセクション3,4も、ダイヤゴーナル3a,4aが各セクションの一端にのみ設けられている場合には、小口径の継ぎ足しセクション3は大口径の継ぎ足しセクション4の他端4bから収納される構造になっている。このような入れ子構造によって小口径の継ぎ足しセクションが大口径の継ぎ足しセクション内部に収納されることで、継ぎ足しセクションの保管に必要なスペースは小さくて済み、搬送時においては費用と時間を節約することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように改良されたいずれの従来のクレーンのブーム構造でも、口径の異なる継ぎ足しセクションどうししか収納出来ないため、例えばラチスジブ又はラチスタワーだけでそれらの継ぎ足しセクションを入れ子構造にすることは出来なかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、ボトムブームに継ぎ足しセクションが接続されて構成される作業機械のブーム構造において、継ぎ足しセクションは中空状の角錐台形状に形成されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、中空状で角錐台形状の1つの継ぎ足しセクションの拡がった開口部に、同様な形状をした他の継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。
【0010】
また、本発明は、継ぎ足しセクションが、ボトムブームから連続的に拡がる角錐台形状をした複数のボトムブーム側継ぎ足しセクションと、この継ぎ足しセクションの最も拡がった角錐台形状をした継ぎ足しセクションから先端に向かって連続的にしぼむ角錐台形状をした複数の先端側継ぎ足しセクションとから構成されることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、ボトムブーム側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、先端側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、それら両者の継ぎ足しセクションどうしの間で、大きな角錐台形状の継ぎ足しセクションの拡がった開口部に、小さな角錐台形状の継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。
【0012】
また、本発明は、ボトムブーム側継ぎ足しセクションまたは先端側継ぎ足しセクションが、隣接して接続されている継ぎ足しセクションの一方が他方に収納される寸法の角錐台形状になっていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、ボトムブーム側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、先端側継ぎ足しセクションどうしの間で、大きい継ぎ足しセクション内部へ、隣接している小さなセクションが次々に収納されていき、収納状態はコンパクトになる。
【0014】
また、本発明は、ボトムブーム側継ぎ足しセクションまたは先端側継ぎ足しセクションが、継ぎ足しセクションとこれと所定個間を隔てて接続されている継ぎ足しセクションとの間で、一方が他方に収納される寸法の角錐台形状になっていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、大きい継ぎ足しセクション内部へ、所定個おきに間を隔てたセクションが次々に収納されていき、継ぎ足しセクションの角錐の絞り率は、隣接するセクションを収納する場合に比べて小さくなる。
【0016】
また、本発明は、継ぎ足しセクションが、角錐台形状のしぼんだ側の底面にダイヤゴーナルまたは塞ぎ板を備えていることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、ダイヤゴーナルまたは塞ぎ板によって継ぎ足しセクションのねじれが防止される。
【0018】
また、本発明は、ボトムブームが、間口寸法の合わない継ぎ足しセクションまたはトップブームを接続するラグが備えられていることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、ボトムブームに、種々の継ぎ足しセクションやトップブームをラグを介して接続することが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による作業機械のブーム構造をタワークレーンに適用した第1の実施形態について説明する。
【0021】
図3は、本実施形態によるクローラ式のタワークレーン11を示す側面図である。タワークレーン11の上部旋回体12の前方中央には、ラチスタワー13が鉛直に設けられており、ラチスタワー13の先端にはラチスジブ14が起伏自在に設けられている。ラチスジブ14は、ボトムブーム14aと、各継ぎ足しセクション14b〜14hと、トップブーム14iとがラグにピン接続されて構成されている。各継ぎ足しセクション14b〜14hは、4本の基礎パイプ15が中空状の角錐台形状に組まれて形成されている。つまり、四角錐の頭部がその底面に水平な面で切り取られた形状をしており、側面は台形状、断面は矩形状になっている。
【0022】
図4(a)は、上記のラチスジブ14の概要を示す側面図である。継ぎ足しセクション14b〜14hは、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dと先端側継ぎ足しセクション14e〜14hとから構成されている。ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dは、ボトムブーム14aから連続的に拡がる角錐台形状をしており、先端側継ぎ足しセクション14e〜14hは、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dの最も拡がった角錐台形状をした継ぎ足しセクション14dから先端のトップブーム14iに向かって連続的にしぼむ角錐台形状をしている。各継ぎ足しセクション14b〜14hの角錐台形状のしぼんだ側の底面には、基礎パイプ15間を対角線状に組むダイヤゴーナル16が設けられており、角錐台形状の拡がった側の間口は開放されている。
【0023】
同図(b)は、従来のラチスジブの概要を示す側面図であり、ボトムブーム17aとトップブーム17cとの間には、本実施形態とは異なり、同じ直方体形状の複数の継ぎ足しセクション17bが接続されている。
【0024】
本実施形態では、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14d及び先端側継ぎ足しセクション14e〜14hは、隣接して接続されている2つの継ぎ足しセクションのうち一方の小さい継ぎ足しセクションが他方の大きい継ぎ足しセクション内部に収納される寸法の角錐台形状になっている。この構造を以下、隣入れ子構造と称する。
【0025】
また、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14d及び先端側継ぎ足しセクション14e〜14hは角錐の絞り率がそれぞれ等しく形成されており、継ぎ足しセクション14bと14g、14cと14f及び14dと14eとは、同じものがそれぞれ逆向きに接続されている。
【0026】
また、ボトムブーム14aの拡がった側の端部の四隅には、間口寸法の合う継ぎ足しセクション14bを接続するための図示しないラグに加え、間口寸法の合わない継ぎ足しセクション14gの大径側またはトップブーム14iを接続するための図示しないラグが備えられている。
【0027】
上記の構成において、ラチスジブ14は図5に示すように分解されて保管される。図5の実線は、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14d及び先端側継ぎ足しセクション14e〜14hがそれぞれ隣入れ子構造で収納された状態の側面図を示しており、二点鎖線は、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14d及び先端側継ぎ足しセクション14e〜14hが接続された状態の側面図を示している。
【0028】
保管するには、まず、ラチスジブ14の全ての継ぎ足しセクション14b〜14hのラグからピンを抜き取る。その後、先端側継ぎ足しセクション14e〜14hで隣接して接続されている一方の継ぎ足しセクション14fを補助クレーンで吊り上げ、隣接して接続されている他方の継ぎ足しセクション14eの拡がった開口部に吊り上げた継ぎ足しセクション14fのしぼんだ側の底部を挿入し、継ぎ足しセクション14eの内部に継ぎ足しセクション14fをスライドさせて収納する。次に、継ぎ足しセクション14fに隣接する継ぎ足しセクション14gを補助クレーンで吊り上げ、そのしぼんだ側の底部を継ぎ足しセクション14fの拡がった開口部に挿入し、継ぎ足しセクション14fの内部に継ぎ足しセクション14gを同様に収納する。さらに、継ぎ足しセクション14gに隣接する継ぎ足しセクション14hを補助クレーンで吊り上げ、そのしぼんだ側の底部を継ぎ足しセクション14gの拡がった開口部に挿入し、継ぎ足しセクション14gの内部に継ぎ足しセクション14hを同様に収納する。ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dについても、上記と同様の手順で、継ぎ足しセクション14dの内部に隣接する継ぎ足しセクション14c,14bをこの順番で収納する。
【0029】
また、保管されている継ぎ足しセクション14b〜14hを使用する場合、まず、継ぎ足しセクション14dの一番内側に収納されている継ぎ足しセクション14bを補助クレーンで取り出してから吊り上げ、ボトムブーム14aにピンで接続する。同様に、継ぎ足しセクション14c,14dをこの順番で補助クレーンで取り出してから吊り上げ、それぞれピンで接続する。こうして、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dを前方広がり状に接続し終えたら、次に、継ぎ足しセクション14e内部に収納されている継ぎ足しセクション14f〜14hを、いったん補助クレーンによって吊り上げて全て取り出す。この後、継ぎ足しセクション14eを補助クレーンで吊り上げ、ボトムブーム側の継ぎ足しセクション14dにピンで前方絞り状に接続する。同様にして、継ぎ足しセクション14f〜14hをこの順番で前方絞り状にピンで接続し、最後にトップブーム14iを補助クレーンで吊り上げ、ピンで接続する。
【0030】
このような本発明の第1の実施形態によるタワークレーン11のラチスジブ14のブーム構造によれば、中空状で角錐台形状の1つの継ぎ足しセクション14b〜14hの開口部に、同様な形状をした他の継ぎ足しセクション14b〜14hのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。本実施形態では、ラチスジブ14が、ボトムブーム14aから連続的に拡がる角錐台形状をしたボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dと、先端に向かって連続的にしぼむ角錐台形状をした先端側継ぎ足しセクション14e〜14hとから構成されるため、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dどうしの間で、及び、先端側継ぎ足しセクション14e〜14hどうしの間で、大きい継ぎ足しセクションの拡がった開口部に、小さな継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。このため、本実施形態によれば、継ぎ足しセクション14b〜14hの保管スペースは格段に小さくなる。また、内部に他のセクションが全て収納された継ぎ足しセクション14d,14eがトラックに積み込まれて搬送されるため、その搬送費用及び搬送時間は格段に節約される。
【0031】
また、本実施形態のラチスジブ14のブーム構造では、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14d及び先端側継ぎ足しセクション14e〜14hは、隣接して接続されている継ぎ足しセクションの一方が他方に収納される寸法の角錐台形状になっている。このため、ボトムブーム側継ぎ足しセクション14b〜14dどうしの間で、及び、先端側継ぎ足しセクション14e〜14hどうしの間で、大きい継ぎ足しセクション14d,14eの内部へ、隣接している小さな継ぎ足しセクション14b〜14c,14f〜14hが次々に収納されていき、収納状態はコンパクトになる。このため、このような構造をした本実施形態では、継ぎ足しセクション14b〜14hの収納スペースはさらに小さくなり、また、その搬送費用及び搬送時間はさらに節約される。
【0032】
また、本実施形態では、継ぎ足しセクション14b〜14hが、角錐台形状のしぼんだ側の底面にダイヤゴーナル16を備えているため、継ぎ足しセクション14b〜14hのねじれは防止される。このため、継ぎ足しセクション14b〜14hは、保管性能及び搬送性能が向上するのに加えて、その強度が高まる。なお、ここでは、継ぎ足しセクション14b〜14hのしぼんだ側の底面にダイヤゴーナル16を設けたが、ダイヤゴーナル16の代わりにしぼんだ側の底面を塞ぐ塞ぎ板を用いても同様の作用効果が得られる。
【0033】
また、本実施形態では、ボトムブーム14aは、間口寸法の合わない継ぎ足しセクション14gまたはトップブーム14iを接続するラグが備えられているため、図6(a)〜(c)に示す構造の他、同図(d),(e)に示す構造にラチスジブ14をつなぐことが出来る。同図(a)は、ボトムブーム14aに継ぎ足しセクション14hが接続され、さらにトップブーム14iが接続されて構成されたラチスジブ14の構造を示している。同図(b)は、ボトムブーム14aに継ぎ足しセクション14bが接続され、さらに継ぎ足しセクション14g,14h及びトップブーム14iが接続されて構成されたラチスジブ14の構造を示している。同図(c)は、ボトムブーム14aに継ぎ足しセクション14bが接続され、さらに継ぎ足しセクション14c,14f,14g,14h及びトップブーム14iが接続されて構成されたラチスジブ14の構造を示している。同図(d)は、ボトムブーム14aに新たに設けたラグを用いてトップブーム14iが接続されたラチスジブの構造を示している。同図(e)は、ボトムブーム14aに新たに設けたラグを用いて継ぎ足しセクション14gの大径側が接続され、さらに継ぎ足しセクション14h及びトップブーム14iが接続されて構成されたラチスジブ14を示している。
【0034】
このように本実施形態によれば、ボトムブーム14aに、種々の継ぎ足しセクション14b,14g,14hやトップブーム14iをラグを介して接続することが出来るため、より多くの接続形態をしたラチスジブ14が得られ、工事現場及び工事計画に従ってラチスジブ14の長さを所望に設定できる。
【0035】
次に、本発明による作業機械のブーム構造をタワークレーンに適用した第2の実施形態について説明する。図7(a)は、鉛直に立つラチスタワーの先端に起伏自在に設けられたラチスジブ20の構造の概要を示す側面図である。
【0036】
ラチスジブ20は、ボトムブーム20aと、各継ぎ足しセクション20b〜20hと、トップブーム20iとがラグにピン接続されて構成されている。本実施形態によるラチスジブ20の構造は、継ぎ足しセクション20b〜20hの角錐台形状の寸法が上述した第1の実施形態におけるラチスジブ14と異なり、これ以外の構造は上述した第1の実施形態のラチスジブ14と同じ構造をしている。
【0037】
つまり、上述したラチスジブ14は、隣接して接続されている継ぎ足しセクション14b〜14hの一方が他方に収納される角錐台形状の寸法になっていた。しかし、本実施形態のボトムブーム側継ぎ足しセクション20b〜20d及び先端側継ぎ足しセクション20e〜20hは、1つの継ぎ足しセクションとこれと1個間を隔てて接続されている継ぎ足しセクションとの間で、一方の継ぎ足しセクションが他方の継ぎ足しセクションに収納される寸法の角錐台形状になっている。この構造を以下、1個おき入れ子構造と称する。
【0038】
隣入れ子構造の場合と同様に、1個おき入れ子構造による継ぎ足しセクション20b〜20hも角錐の絞り率が全て等しく形成されており、継ぎ足しセクション20bと20g、20cと20f及び20dと20eとは、同じものがそれぞれ逆向きに接続されている。
【0039】
上記の構成において、ラチスジブ20は図7(b),(c)に示すように分解されて保管される。同図(b),(c)は、ラチスジブ20の先端側継ぎ足しセクション20e〜20hの収納状態及び接続状態を示す側面図であり、実線は先端側継ぎ足しセクション20e〜20hの収納状態、二点鎖線はその接続状態を示している。保管するには、まず、ラチスジブ20の全てのセクション20b〜20hのラグからピンを抜き取る。その後、先端側の継ぎ足しセクション20gを補助クレーンで吊り上げ、これと1個間を隔てて接続されている継ぎ足しセクション20eの拡がった開口部に吊り上げた継ぎ足しセクション20gのしぼんだ側の底部を挿入し、図7(b)に示すように継ぎ足しセクション20eの内部に継ぎ足しセクション20gをスライドさせながら収納する。次に、継ぎ足しセクション20hを補助クレーンで吊り上げ、これと1個間を隔てて接続されている継ぎ足しセクション20fの拡がった開口部に吊り上げた継ぎ足しセクション20hのしぼんだ側の底部を挿入し、図7(c)に示すように継ぎ足しセクション20fの内部に継ぎ足しセクション20hを収納する。ボトム側についても同様に、継ぎ足しセクション20dの内部にこれに1個間を隔てて接続されている継ぎ足しセクション20bを収納する。
【0040】
また、保管されている継ぎ足しセクション20b〜20hを使用する場合、まず、継ぎ足しセクション20d内部に収納されている継ぎ足しセクション20bを補助クレーンで吊り上げ、ボトムブーム20aにピンで接続する。同様に、継ぎ足しセクション20c,20dを順番にピンで接続していく。こうして、順番に継ぎ足しセクション20dまで前方広がり状に接続が終わったら、次に、継ぎ足しセクション20e,20f内部に収納されている全ての継ぎ足しセクション20g,20hを、いったん補助クレーンによって抜き取る。この後、継ぎ足しセクション20eを補助クレーンで吊り上げ、継ぎ足しセクション20dにピンで前方絞り状に接続する。同様にして、継ぎ足しセクション20f〜20hをこの順番で前方絞り状に接続し、最後にトップブーム20iを補助クレーンで吊り上げ、ピンで接続する。
【0041】
このような本発明の第2の実施形態によるラチスジブ20の構造によれば、大きい継ぎ足しセクション内部へ、1個おきに間を隔てた継ぎ足しセクションをしぼんだ側の底部から挿入して入れ子構造にすることが出来るため、継ぎ足しセクション20b〜20hの角錐の絞り率は、前述した第1の実施形態による隣入れ子構造の場合に比べて小さくなる。
【0042】
図8は、前述した第1の実施形態による隣入れ子構造の継ぎ足しセクション14e〜14gを示す側面図であり、図9(a),(b)は、この第2の実施形態による1個おき入れ子構造の継ぎ足しセクション20e〜20hを示す側面図である。図8、図9ともに、実線は各継ぎ足しセクションを入れ子構造で収納した状態を示し、二点鎖線は、各継ぎ足しセクションをピン22で接続した状態を示している。
【0043】
図8に示すように、継ぎ足しセクション14eの開口部の基礎パイプ15の中心間の距離は2200[mm]であり、継ぎ足しセクション14f,14gの開口部の同距離は1920[mm],1640[mm]である。また、継ぎ足しセクション14eのしぼんだ側の底部の基礎パイプ15の中心間の距離は1920[mm]であり、継ぎ足しセクション14f,14gの底部の同距離は1640[mm],1360[mm]である。また、各継ぎ足しセクション14e〜14gの軸方向の長さはそれぞれ6096[mm]である。従って、最大距離2200[mm]及び最小距離1360[mm]から、隣入れ子構造の角錐の絞り率をA0、角錐のしぼりの角度をθ0とすると、A0,θ0は以下のように表される。
【0044】
A0=(2200−1360)/(6096×3)
=0.04593
θ0=tan−1A0
=2.630°
また、図9に示すように、継ぎ足しセクション20e,20g,20f,20hの開口部の距離は2200[mm],1920[mm],2060[mm],1780[mm]であり、継ぎ足しセクション20e,20g,20f,20hのしぼんだ側の底部の距離は2060[mm],1780[mm],1920[mm],1640[mm]である。また、各継ぎ足しセクション20e〜20hの軸方向の長さはそれぞれ6096[mm]である。従って、最大距離2200[mm]及び最小距離1640[mm]から、1個おき入れ子構造の角錐の絞り率をA1、角錐のしぼりの角度をθ1とすると、A1,θ1は以下のように表される。
【0045】
A1=(2200−1640)/(6096×4)
=0.02297
θ1=tan−1A1
=1.316°
即ち、第1の実施形態による隣入れ子構造では角錐のしぼり角度θ0が2.630°になり、この第2の実施形態による1個おき入れ子構造では角錐のしぼり角度θ1が1.316°となる。このため、第1の実施形態によればラチスジブ14の寸法は絞られて細くて短くなるという制限を受けるが、第2の実施形態によれば、ラチスジブ20の絞り率は小さく緩やかになる。この結果、各継ぎ足しセクション20b〜20hが接続されて構成される1個おき入れ子構造のラチスジブ20の長さは、隣入れ子構造のラチスジブ14に比べて長くすることが出来る。
【0046】
従って、継ぎ足しセクションを2個おき以上の入れ子構造にし、角錐の絞り率を小さくし、緩やかなしぼりにしていくことで、さらに長いラチスジブを構成することが出来る。
【0047】
なお、上述した各実施形態においては本発明をラチスジブに適用した場合について説明したが、ラチスタワーなどにも同様に本発明を適用することが出来、この場合においても上述した各実施形態と同様な作用効果が奏される。また、上述した各実施形態においては、ボトムブーム側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、先端側継ぎ足しセクションどうしの間での入れ子構造について説明したが、本発明のブーム構造においては、これら両者の継ぎ足しセクションどうしの間であっても、大きな角錐台形状の継ぎ足しセクションの拡がった開口部に、小さな角錐台形状の継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による作業機械のブーム構造によれば、中空状で角錐台形状の1つの継ぎ足しセクションの拡がった開口部に、同様な形状をした他の継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。このため、ラチスジブやラチスタワーだけでそれらの継ぎ足しセクションを入れ子構造にすることが可能になる。この結果、継ぎ足しセクションの保管スペースは格段に小さくなり、また、その搬送費用及び搬送時間を格段に節約することが出来る。
【0049】
また、継ぎ足しセクションが、ボトムブームから連続的に拡がる角錐台形状をした複数のボトムブーム側継ぎ足しセクションと、この継ぎ足しセクションの最も拡がった角錐台形状をした継ぎ足しセクションから先端に向かって連続的にしぼむ角錐台形状をした複数の先端側継ぎ足しセクションとから構成される場合、ボトムブーム側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、先端側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、それら両者の継ぎ足しセクションどうしの間で、大きな角錐台形状の継ぎ足しセクションの拡がった開口部に、小さな角錐台形状の継ぎ足しセクションのしぼんだ側の底部を挿入して入れ子構造にすることが出来る。
【0050】
また、ボトムブーム側継ぎ足しセクションまたは先端側継ぎ足しセクションが、隣接して接続されている継ぎ足しセクションの一方が他方に収納される寸法の角錐台形状になっている場合、ボトムブーム側継ぎ足しセクションどうしの間で、または、先端側継ぎ足しセクションどうしの間で、大きい継ぎ足しセクション内部へ、隣接している小さなセクションが次々に収納されていき、収納状態はコンパクトになる。このため、継ぎ足しセクションの保管スペースはさらに小さくなり、また、その搬送費用及び搬送時間はさらに節約される。
【0051】
また、ボトムブーム側継ぎ足しセクションまたは先端側継ぎ足しセクションが、継ぎ足しセクションとこれと所定個間を隔てて接続されている継ぎ足しセクションとの間で、一方が他方に収納される寸法の角錐台形状になっている場合、大きい継ぎ足しセクション内部へ、所定個おきに間を隔てたセクションが次々に収納されていき、継ぎ足しセクションの角錐の絞り率は、隣接するセクションを収納する場合に比べて小さくなる。このため、各継ぎ足しセクションが接続されて構成されるブームの長さは、隣接するセクションを収納する場合に比べて長くすることが出来る。
【0052】
また、継ぎ足しセクションが、角錐台形状のしぼんだ側の底面にダイヤゴーナルまたは塞ぎ板を備えている場合、ダイヤゴーナルまたは塞ぎ板によって継ぎ足しセクションのねじれが防止される。このため、継ぎ足しセクションは、保管性能及び搬送性能が向上するのに加えて、その強度が高まる。
【0053】
また、ボトムブームが、間口寸法の合わない継ぎ足しセクションまたはトップブームを接続するラグが備えられている場合、ボトムブームに、種々の継ぎ足しセクションやトップブームをラグを介して接続することが出来る。このため、より多くの接続形態をしたブームが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は従来のブーム構造における継ぎ足しセクションの保管状態を示す正面図、(b)はその側面図である。
【図2】従来の特殊なブーム構造を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるブーム構造を備えたタワークレーンの側面図である。
【図4】(a)は、本発明の第1の実施形態による隣入れ子構造のブーム構造の概要を示す側面図、(b)は、従来のブーム構造の概要を示す側面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態によるブーム構造における継ぎ足しセクションの収納状態及び接続状態を示す側面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるラチスジブの構成例を示しており、(a),(b),(c)はそれぞれ継ぎ足しセクションが1本,3本,5本のラチスジブの側面図、(d),(e)は新たに設けたラグを用いて接続したラチスジブの側面図である。
【図7】(a)は、本発明の第2の実施形態による1個おき入れ子構造のブーム構造の概要を示す側面図、(b),(c)はその収納状態及び接続状態を示す側面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態によるブーム構造の寸法を示す側面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態によるブーム構造の寸法を示す側面図である。
【符号の説明】
11…タワークレーン
14、20…ラチスブーム
14a、20a…ボトムブーム
14b〜14h、20b〜20h…継ぎ足しセクション
14i、20i…トップブーム
15…基礎パイプ
16…ダイヤゴーナル
22…ピン
Claims (6)
- ボトムブームに継ぎ足しセクションが接続されて構成される作業機械のブーム構造において、前記継ぎ足しセクションは中空状の角錐台形状に形成されていることを特徴とする作業機械のブーム構造。
- 前記継ぎ足しセクションは、前記ボトムブームから連続的に拡がる角錐台形状をした複数のボトムブーム側継ぎ足しセクションと、この継ぎ足しセクションの最も拡がった角錐台形状をした継ぎ足しセクションから先端に向かって連続的にしぼむ角錐台形状をした複数の先端側継ぎ足しセクションとから構成されることを特徴とする請求項1に記載の作業機械のブーム構造。
- 前記ボトムブーム側継ぎ足しセクションまたは前記先端側継ぎ足しセクションは、隣接して接続されている前記継ぎ足しセクションの一方が他方に収納される寸法の角錐台形状になっていることを特徴とする請求項2に記載の作業機械のブーム構造。
- 前記ボトムブーム側継ぎ足しセクションまたは前記先端側継ぎ足しセクションは、前記継ぎ足しセクションとこれと所定個間を隔てて接続されている前記継ぎ足しセクションとの間で、一方が他方に収納される寸法の角錐台形状になっていることを特徴とする請求項2に記載の作業機械のブーム構造。
- 前記継ぎ足しセクションは、角錐台形状のしぼんだ側の底面にダイヤゴーナルまたは塞ぎ板を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の作業機械のブーム構造。
- 前記ボトムブームは、間口寸法の合わない前記継ぎ足しセクションまたはトップブームを接続するラグが備えられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の作業機械のブーム構造。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 2002-06-28 JP JP2002190799A patent/JP2004035116A/ja active Pending
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