JP2004034920A - ワイパー装置及びワイパーの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビビリ音を防止できるワイパー装置を提供すること。
【解決手段】ワイパー駆動用のモータ21をPWM駆動制御する。キャリア周波数fに応じた振動がモータ21に生じる。モータ21の振動は、クランク部材23及びワイパーリンク部材24を介して、ワイパーゴム15に伝達される。ワイパーゴム15がガラス面上を移動する際に、ワイパーゴム15を振動させて、該ワイパーゴム15とガラス面とで生じるスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】ワイパー駆動用のモータ21をPWM駆動制御する。キャリア周波数fに応じた振動がモータ21に生じる。モータ21の振動は、クランク部材23及びワイパーリンク部材24を介して、ワイパーゴム15に伝達される。ワイパーゴム15がガラス面上を移動する際に、ワイパーゴム15を振動させて、該ワイパーゴム15とガラス面とで生じるスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のフロントガラスやリアガラス等に装備されるワイパー装置及びワイパーの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のワイパー装置では、直流モータに直流電圧を印加してワイパーを駆動するのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ワイパー装置では、ワイパーブレードがガラス面上を移動する際、ワイパーゴムとガラス表面との摩擦係数やワイパーゴムの弾性的性質等の条件によっては、不快なビビリ音が発生することがあった。
【0004】
そこで、この発明の課題は、ビビリ音を防止できるワイパー装置及びワイパーの駆動方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1記載のワイパー装置は、被払拭面を有する払拭対象部材と、ワイパーゴムを有するワイパーブレードと、前記ワイパーゴムが前記被払拭面に押圧されながら当該被払拭面上を移動するように、前記ワイパーブレードを動作させるワイパー駆動部と、を備え、前記ワイパーゴムが前記被払拭面上を移動する際に、前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に振動が付与されるものである。
【0006】
なお、請求項2記載のように、前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に付与される振動の周波数を、前記ワイパーゴムが移動する際に生じるビビリ周波数よりも高くしてもよい。
【0007】
また、請求項3記載のように、前記ワイパー駆動部は、モータと、前記モータに複数のパルス波により構成される電圧を印加して該モータをパルス駆動するための駆動制御回路部と、前記モータの動力を前記ワイパーブレードに伝達する伝達機構部とを備えた構成であってもよい。
【0008】
また、請求項4記載のように、前記駆動制御回路部が前記モータをパルス駆動する際のキャリア周波数を、前記ワイパーゴムが移動する際に生じるビビリ周波数よりも高くするようにしてもよい。
【0009】
請求項5記載のワイパー駆動方法は、ワイパーゴムを払拭対象部材の被払拭面に押圧させながら当該被払拭面上を移動させるワイパーの駆動方法であって、前記ワイパーゴムが前記被払拭面上を移動する際に、前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に振動を付与するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態に係るワイパー装置について説明する。
【0011】
なお、本実施の形態では、ワイパー装置を自動車のフロントガラスに適用した例について説明するが、その他、自動車のリアガラスや電車のフロントガラスにも適用できる。
【0012】
このワイパー装置は、図1に示すように、払拭対象部材としてのフロントガラス10と、ワイパーゴム15を有するワイパーブレード16と、該ワイパーブレード16を動作させるためのワイパー駆動部20とを備えている。
【0013】
フロントガラス10は、自動車の運転席前方に設けられている。このフロントガラス10の外面(図1では表側の面)が被払拭面11である。
【0014】
ワイパーブレード16は、長尺棒形状を有しており、その一側部に長尺形状のワイパーゴム15が取付けられている。また、ワイパーブレード16の基端部は、フロントガラス10の下方の車体部分に回動自在に支持されており、その支持軸部を中心にしてワイパーブレード16がフロントガラス10の被払拭面11上を円弧状に往復移動自在とされている。ワイパーゴム15は、ゴム等の弾性材料により形成されている。そして、前記ワイパーブレード16によりワイパーゴム15の長手方向全体が被払拭面11に押圧される構成となっている。本実施の形態では、フロントガラス10の右半部及び左半部を別個に払拭すべく、2つのワイパーブレード16が設けられている。
【0015】
ワイパー駆動部20は、ワイパーゴム15が被払拭面11上に押圧されながら当該被払拭面11上を移動するように、ワイパーブレード16を動作させる機能を有しており、モータ21と、このモータ21の動力をワイパーブレード16に伝達するための伝達機構部22と、モータ21をパルス駆動するための駆動制御部28とを備えている。
【0016】
モータ21としては、本実施の形態では例えば誘導電動機等の交流モータが用いられている。そして、駆動制御部28を介して交流波の電力供給を受けることにより回転駆動される。
【0017】
伝達機構部22は、前記モータ21の回転運動を所定の往復運動に変換してワイパーブレード16に伝達する。具体的には、伝達機構部22は、モータ21の回転運動を直線的な往復運動に変換するクランク部材23と、一端部がクランク部材23に連結されると共に、長手方向中間部及び他端部がそれぞれ各ワイパーブレード16の基端部に連結されたワイパーリンク部材24とを備えている。
【0018】
そして、モータ21の回転運動がクランク部材23によって往復運動に変換され、この往復運動がワイパーリンク部材24を介して各ワイパーブレード16の基端部に伝達される。各ワイパーブレード16の基端部が往復運動することで、各ワイパーブレード16はその支軸部を中心にして、被払拭面11上を円弧状に往復運動する構成となっている。
【0019】
駆動制御部28は、モータ21への電流の通流開始点又は通流終了点を変えて該モータ21のオンオフ制御や回転速度の制御を行うパルス制御によって、該モータ21の駆動制御を行う。
【0020】
本実施の形態では、駆動制御部28は、交流のモータ21をPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)駆動するものであり、制御部28aとインバータ回路部28bとを備えている。また、この駆動制御部28には、運転席のステアリングホイール周りに設けられたワイパースイッチ部30が接続されている。
【0021】
ワイパースイッチ部30は、運転者等により、ワイパーのオンオフ又は所望のワイパー速度を入力可能に構成されている。そして、運転者等が該ワイパースイッチを通じてワイパーのオンオフ又は所望のワイパー速度を入力すると、その入力に応じた操作信号がワイパースイッチ部30から駆動制御部28に入力される。
【0022】
制御部28aは、ワイパースイッチ部30からの操作信号の入力を受けて、オンオフや出力周波数等を制御する信号をインバータ回路部28bに与える。
【0023】
インバータ回路部28bは、半導体リレー等を備えており、直流電源31(自動車のバッテリ等)の出力を適宜オンオフ及び極性反転させて、図2に示すように、複数のパルスPにより構成される交流出力をモータ21に与える。すなわち、各パルスPは、予め設定された所定の間隔Δt毎に出力されるものであり、各パルスPのパルス幅は、制御部28aより与えられる周波数に対応する交流波Wに応じた幅を有している。換言すれば、複数のパルスPの出力平均電圧が前述の周波数の交流電圧となるように、直流電源31の出力のオンオフ期間及び極性反転タイミング等が制御される(正弦波近似PWM制御)。そして、各パルスPの集合により構成される、前記周波数に対応する交流波がモータ21に与えられ、モータ21は、当該周波数に対応する回転数で回転する。
【0024】
ここで、パルスPの間隔Δtに応じたキャリア周波数f(f=1/Δt、この周波数fはスイッチング周波数、PWM周波数とも呼ばれる)は、ビビリ周波数(ワイパーゴム15の振動周期に対応する周波数)よりも大きくしておくのが好ましい。
【0025】
ちなみに、ビビリ周波数については、ワイパーゴム15の弾性的な性質や柔らかさ、フロントガラス10の表面摩擦特性等に応じておおよその値が定る。このため、ワイパーゴム15やフロントガラス10の種類等の条件に応じて、圧電素子等を用いた振動センサによって、該ビビリ周波数を実験的に求めておくとよい。
【0026】
なお、ワイパー装置動作中に、ビビリ周波数を検出し、検出されたビビリ周波数よりも大きくなるようにキャリア周波数fを変更するようにしてもよい。
【0027】
このワイパー装置では、ワイパースイッチ部30を通じてワイパー動作のオン指令を与えると、直流電源31から駆動制御部28を介して、所定のワイパー速度に応じた周波数の交流電圧がモータ21に印加される。これにより、モータ21が前記周波数に応じた回転速度で回転し、ワイパーブレード16が被払拭面11上を往復移動する。
【0028】
そして、ワイパースイッチ部30を通じてワイパー速度の変更指令を与えると、インバータ回路部28bからの出力周波数が変更され、これによってモータ21の回転数が変ってワイパー速度が変更される。
【0029】
このワイパー装置では、ワイパー装置の動作中、モータ21に印加される交流電圧は、所定の間隔Δt毎に出力される複数のパルスPにより構成されるものであるため、当該間隔Δtに対応するキャリア周波数fの振動がモータ21に生じる。そして、モータ21に生じた振動は、伝達機構部22を通じてワイパーゴム15に伝達され、これによりワイパーゴム15も振動する。
【0030】
従って、ワイパーゴム15が被払拭面11上を移動する際に、ワイパーゴム15が振動することになる。ここで、ワイパーゴム15と被払拭面11間で生じるビビリ音は、それらの間に生じるスティックスリップ現象に起因する。このスティックスリップ現象は、ワイパーゴム15が被払拭面11に密着した後、弾性伸び変形し、その後、被払拭面11から剥離するというサイクルを繰返すことで生じる。そして、本ワイパー装置では、ワイパーゴム15に振動(特にワイパーゴム15の延在方向の振動)を付与しているため、ワイパーゴム15と被払拭面11との密着を抑制し或は剥離し易くしている。換言すれば、ワイパーゴム15と被払拭面11との間で最大静止摩擦係数を超える状態を恒常的に作っている。このため、ワイパーゴム15の移動時に生じるスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【0031】
特に、キャリア周波数fをビビリ周波数よりも高くしておくと、上記スティックスリップ現象が生じるサイクルの初期段階で、ワイパーゴム15と被払拭面11との密着を抑制し或は剥離し易くすることができ、より効果的にワイパーゴム15の移動時に生じるスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【0032】
さらに、このワイパー装置では、モータ21をPWM駆動しているため、ワイパー速度の無段階速度調整が可能となる。
【0033】
なお、本実施の形態では、モータ21をPWM駆動することによって該モータ21に生じる振動を、ワイパーゴム15に伝達する構成を採用しているが、例えば、周知の電気振動子等を用いてワイパーゴム15に振動を付与してもよい。この場合、フロントガラス10に振動を付与してもよい。
【0034】
また、本実施の形態では交流のモータ21をPWMインバータ制御しているが、必ずしもその必要はない。モータ21として直流モータを用い、該直流モータに所定周期でパルス波を出力して該モータ21をPWM駆動してもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1記載のワイパー装置によると、前記ワイパーゴムが前記被払拭面上を移動する際に、前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に振動が付与されるため、ワイパーゴムの移動時に生じるスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【0036】
また、請求項2記載の発明によれば、払拭対象部材とワイパーゴムのうち少なくとも一方にビビリ周波数よりも高い周波数の振動が付与されるため、より効果的にスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【0037】
さらに、請求項3記載の発明によれば、モータをパルス駆動することによって、モータに該パルスに応じた振動が生じ、この振動がワイパーブレードに伝達されることとなり、ワイパーゴムの移動時に生じるスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【0038】
また、請求項4記載の発明によれば、ワイパーゴムに対してキャリア周波数に応じた振動が加わるところ、該振動の周波数は、ビビリ周波数よりも高いので、より効果的にスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【0039】
さらに、請求項5記載の発明によれば、前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に振動が付与されるため、ワイパーゴムの移動時に生じるスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の実施の形態に係るワイパー装置を示す概略図である。
【図2】
モータへの印加電圧を示す説明図である。
【符号の説明】
10 フロントガラス
11 被払拭面
15 ワイパーゴム
16 ワイパーブレード
20 ワイパー駆動部
21 モータ
21 ワイパーゴム
22 伝達機構部
28 駆動制御部
28a 制御部
28b インバータ回路部
f キャリア周波数
P パルス
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のフロントガラスやリアガラス等に装備されるワイパー装置及びワイパーの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のワイパー装置では、直流モータに直流電圧を印加してワイパーを駆動するのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ワイパー装置では、ワイパーブレードがガラス面上を移動する際、ワイパーゴムとガラス表面との摩擦係数やワイパーゴムの弾性的性質等の条件によっては、不快なビビリ音が発生することがあった。
【0004】
そこで、この発明の課題は、ビビリ音を防止できるワイパー装置及びワイパーの駆動方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1記載のワイパー装置は、被払拭面を有する払拭対象部材と、ワイパーゴムを有するワイパーブレードと、前記ワイパーゴムが前記被払拭面に押圧されながら当該被払拭面上を移動するように、前記ワイパーブレードを動作させるワイパー駆動部と、を備え、前記ワイパーゴムが前記被払拭面上を移動する際に、前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に振動が付与されるものである。
【0006】
なお、請求項2記載のように、前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に付与される振動の周波数を、前記ワイパーゴムが移動する際に生じるビビリ周波数よりも高くしてもよい。
【0007】
また、請求項3記載のように、前記ワイパー駆動部は、モータと、前記モータに複数のパルス波により構成される電圧を印加して該モータをパルス駆動するための駆動制御回路部と、前記モータの動力を前記ワイパーブレードに伝達する伝達機構部とを備えた構成であってもよい。
【0008】
また、請求項4記載のように、前記駆動制御回路部が前記モータをパルス駆動する際のキャリア周波数を、前記ワイパーゴムが移動する際に生じるビビリ周波数よりも高くするようにしてもよい。
【0009】
請求項5記載のワイパー駆動方法は、ワイパーゴムを払拭対象部材の被払拭面に押圧させながら当該被払拭面上を移動させるワイパーの駆動方法であって、前記ワイパーゴムが前記被払拭面上を移動する際に、前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に振動を付与するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態に係るワイパー装置について説明する。
【0011】
なお、本実施の形態では、ワイパー装置を自動車のフロントガラスに適用した例について説明するが、その他、自動車のリアガラスや電車のフロントガラスにも適用できる。
【0012】
このワイパー装置は、図1に示すように、払拭対象部材としてのフロントガラス10と、ワイパーゴム15を有するワイパーブレード16と、該ワイパーブレード16を動作させるためのワイパー駆動部20とを備えている。
【0013】
フロントガラス10は、自動車の運転席前方に設けられている。このフロントガラス10の外面(図1では表側の面)が被払拭面11である。
【0014】
ワイパーブレード16は、長尺棒形状を有しており、その一側部に長尺形状のワイパーゴム15が取付けられている。また、ワイパーブレード16の基端部は、フロントガラス10の下方の車体部分に回動自在に支持されており、その支持軸部を中心にしてワイパーブレード16がフロントガラス10の被払拭面11上を円弧状に往復移動自在とされている。ワイパーゴム15は、ゴム等の弾性材料により形成されている。そして、前記ワイパーブレード16によりワイパーゴム15の長手方向全体が被払拭面11に押圧される構成となっている。本実施の形態では、フロントガラス10の右半部及び左半部を別個に払拭すべく、2つのワイパーブレード16が設けられている。
【0015】
ワイパー駆動部20は、ワイパーゴム15が被払拭面11上に押圧されながら当該被払拭面11上を移動するように、ワイパーブレード16を動作させる機能を有しており、モータ21と、このモータ21の動力をワイパーブレード16に伝達するための伝達機構部22と、モータ21をパルス駆動するための駆動制御部28とを備えている。
【0016】
モータ21としては、本実施の形態では例えば誘導電動機等の交流モータが用いられている。そして、駆動制御部28を介して交流波の電力供給を受けることにより回転駆動される。
【0017】
伝達機構部22は、前記モータ21の回転運動を所定の往復運動に変換してワイパーブレード16に伝達する。具体的には、伝達機構部22は、モータ21の回転運動を直線的な往復運動に変換するクランク部材23と、一端部がクランク部材23に連結されると共に、長手方向中間部及び他端部がそれぞれ各ワイパーブレード16の基端部に連結されたワイパーリンク部材24とを備えている。
【0018】
そして、モータ21の回転運動がクランク部材23によって往復運動に変換され、この往復運動がワイパーリンク部材24を介して各ワイパーブレード16の基端部に伝達される。各ワイパーブレード16の基端部が往復運動することで、各ワイパーブレード16はその支軸部を中心にして、被払拭面11上を円弧状に往復運動する構成となっている。
【0019】
駆動制御部28は、モータ21への電流の通流開始点又は通流終了点を変えて該モータ21のオンオフ制御や回転速度の制御を行うパルス制御によって、該モータ21の駆動制御を行う。
【0020】
本実施の形態では、駆動制御部28は、交流のモータ21をPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)駆動するものであり、制御部28aとインバータ回路部28bとを備えている。また、この駆動制御部28には、運転席のステアリングホイール周りに設けられたワイパースイッチ部30が接続されている。
【0021】
ワイパースイッチ部30は、運転者等により、ワイパーのオンオフ又は所望のワイパー速度を入力可能に構成されている。そして、運転者等が該ワイパースイッチを通じてワイパーのオンオフ又は所望のワイパー速度を入力すると、その入力に応じた操作信号がワイパースイッチ部30から駆動制御部28に入力される。
【0022】
制御部28aは、ワイパースイッチ部30からの操作信号の入力を受けて、オンオフや出力周波数等を制御する信号をインバータ回路部28bに与える。
【0023】
インバータ回路部28bは、半導体リレー等を備えており、直流電源31(自動車のバッテリ等)の出力を適宜オンオフ及び極性反転させて、図2に示すように、複数のパルスPにより構成される交流出力をモータ21に与える。すなわち、各パルスPは、予め設定された所定の間隔Δt毎に出力されるものであり、各パルスPのパルス幅は、制御部28aより与えられる周波数に対応する交流波Wに応じた幅を有している。換言すれば、複数のパルスPの出力平均電圧が前述の周波数の交流電圧となるように、直流電源31の出力のオンオフ期間及び極性反転タイミング等が制御される(正弦波近似PWM制御)。そして、各パルスPの集合により構成される、前記周波数に対応する交流波がモータ21に与えられ、モータ21は、当該周波数に対応する回転数で回転する。
【0024】
ここで、パルスPの間隔Δtに応じたキャリア周波数f(f=1/Δt、この周波数fはスイッチング周波数、PWM周波数とも呼ばれる)は、ビビリ周波数(ワイパーゴム15の振動周期に対応する周波数)よりも大きくしておくのが好ましい。
【0025】
ちなみに、ビビリ周波数については、ワイパーゴム15の弾性的な性質や柔らかさ、フロントガラス10の表面摩擦特性等に応じておおよその値が定る。このため、ワイパーゴム15やフロントガラス10の種類等の条件に応じて、圧電素子等を用いた振動センサによって、該ビビリ周波数を実験的に求めておくとよい。
【0026】
なお、ワイパー装置動作中に、ビビリ周波数を検出し、検出されたビビリ周波数よりも大きくなるようにキャリア周波数fを変更するようにしてもよい。
【0027】
このワイパー装置では、ワイパースイッチ部30を通じてワイパー動作のオン指令を与えると、直流電源31から駆動制御部28を介して、所定のワイパー速度に応じた周波数の交流電圧がモータ21に印加される。これにより、モータ21が前記周波数に応じた回転速度で回転し、ワイパーブレード16が被払拭面11上を往復移動する。
【0028】
そして、ワイパースイッチ部30を通じてワイパー速度の変更指令を与えると、インバータ回路部28bからの出力周波数が変更され、これによってモータ21の回転数が変ってワイパー速度が変更される。
【0029】
このワイパー装置では、ワイパー装置の動作中、モータ21に印加される交流電圧は、所定の間隔Δt毎に出力される複数のパルスPにより構成されるものであるため、当該間隔Δtに対応するキャリア周波数fの振動がモータ21に生じる。そして、モータ21に生じた振動は、伝達機構部22を通じてワイパーゴム15に伝達され、これによりワイパーゴム15も振動する。
【0030】
従って、ワイパーゴム15が被払拭面11上を移動する際に、ワイパーゴム15が振動することになる。ここで、ワイパーゴム15と被払拭面11間で生じるビビリ音は、それらの間に生じるスティックスリップ現象に起因する。このスティックスリップ現象は、ワイパーゴム15が被払拭面11に密着した後、弾性伸び変形し、その後、被払拭面11から剥離するというサイクルを繰返すことで生じる。そして、本ワイパー装置では、ワイパーゴム15に振動(特にワイパーゴム15の延在方向の振動)を付与しているため、ワイパーゴム15と被払拭面11との密着を抑制し或は剥離し易くしている。換言すれば、ワイパーゴム15と被払拭面11との間で最大静止摩擦係数を超える状態を恒常的に作っている。このため、ワイパーゴム15の移動時に生じるスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【0031】
特に、キャリア周波数fをビビリ周波数よりも高くしておくと、上記スティックスリップ現象が生じるサイクルの初期段階で、ワイパーゴム15と被払拭面11との密着を抑制し或は剥離し易くすることができ、より効果的にワイパーゴム15の移動時に生じるスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【0032】
さらに、このワイパー装置では、モータ21をPWM駆動しているため、ワイパー速度の無段階速度調整が可能となる。
【0033】
なお、本実施の形態では、モータ21をPWM駆動することによって該モータ21に生じる振動を、ワイパーゴム15に伝達する構成を採用しているが、例えば、周知の電気振動子等を用いてワイパーゴム15に振動を付与してもよい。この場合、フロントガラス10に振動を付与してもよい。
【0034】
また、本実施の形態では交流のモータ21をPWMインバータ制御しているが、必ずしもその必要はない。モータ21として直流モータを用い、該直流モータに所定周期でパルス波を出力して該モータ21をPWM駆動してもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1記載のワイパー装置によると、前記ワイパーゴムが前記被払拭面上を移動する際に、前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に振動が付与されるため、ワイパーゴムの移動時に生じるスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【0036】
また、請求項2記載の発明によれば、払拭対象部材とワイパーゴムのうち少なくとも一方にビビリ周波数よりも高い周波数の振動が付与されるため、より効果的にスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【0037】
さらに、請求項3記載の発明によれば、モータをパルス駆動することによって、モータに該パルスに応じた振動が生じ、この振動がワイパーブレードに伝達されることとなり、ワイパーゴムの移動時に生じるスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【0038】
また、請求項4記載の発明によれば、ワイパーゴムに対してキャリア周波数に応じた振動が加わるところ、該振動の周波数は、ビビリ周波数よりも高いので、より効果的にスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【0039】
さらに、請求項5記載の発明によれば、前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に振動が付与されるため、ワイパーゴムの移動時に生じるスティックスリップ現象を抑制して、ビビリ音を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の実施の形態に係るワイパー装置を示す概略図である。
【図2】
モータへの印加電圧を示す説明図である。
【符号の説明】
10 フロントガラス
11 被払拭面
15 ワイパーゴム
16 ワイパーブレード
20 ワイパー駆動部
21 モータ
21 ワイパーゴム
22 伝達機構部
28 駆動制御部
28a 制御部
28b インバータ回路部
f キャリア周波数
P パルス
Claims (5)
- 被払拭面を有する払拭対象部材と、
ワイパーゴムを有するワイパーブレードと、
前記ワイパーゴムが前記被払拭面に押圧されながら当該被払拭面上を移動するように、前記ワイパーブレードを動作させるワイパー駆動部と、
を備え、
前記ワイパーゴムが前記被払拭面上を移動する際に、前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に振動が付与される、ワイパー装置。 - 請求項1記載のワイパー装置であって、
前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に付与される振動の周波数を、前記ワイパーゴムが移動する際に生じるビビリ周波数よりも高くする、ワイパー装置。 - 請求項1又は請求項2記載のワイパー装置であって、
前記ワイパー駆動部は、
モータと、
前記モータに複数のパルス波により構成される電圧を印加して該モータをパルス駆動するための駆動制御回路部と、
前記モータの動力を前記ワイパーブレードに伝達する伝達機構部と、
を備えるワイパー装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のワイパー装置であって、
前記駆動制御回路部が前記モータをパルス駆動する際のキャリア周波数を、前記ワイパーゴムが移動する際に生じるビビリ周波数よりも高くする、ワイパー装置。 - ワイパーゴムを払拭対象部材の被払拭面に押圧させながら当該被払拭面上を移動させるワイパーの駆動方法であって、
前記ワイパーゴムが前記被払拭面上を移動する際に、前記払拭対象部材と前記ワイパーゴムのうち少なくとも一方に振動を付与する、ワイパーの駆動方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002198202A JP2004034920A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | ワイパー装置及びワイパーの駆動方法 |
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Publications (1)
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ID=31705722
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017081533A (ja) * | 2015-09-15 | 2017-05-18 | ヴァレオ システム デシュヤージュValeo Systemes D’Essuyage | 車両の窓の除氷方法及び装置 |
JP2017140871A (ja) * | 2016-02-08 | 2017-08-17 | アスモ株式会社 | 車両用ワイパ制御装置及び車両用ワイパ制御プログラム |
-
2002
- 2002-07-08 JP JP2002198202A patent/JP2004034920A/ja active Pending
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