JP2004034679A - 樹脂フィルムの表面粗化方法および装置、ならびにこの方法により表面が粗化されたフィルム - Google Patents

樹脂フィルムの表面粗化方法および装置、ならびにこの方法により表面が粗化されたフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】コスト的に有利に、かつフィルム表面を一様に粗化することができ、かつ装置の取り扱いも簡便となるあらたなフィルムの粗化方法を提供する。
【解決手段】この樹脂脂フィルムの表面粗化方法は、表面に砥粒42を固定することによって形成したローラ40を樹脂フィルムFの表面および/または裏面に、1または複数回転動させることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、樹脂フィルムの表面粗化方法および装置、ならびにこの方法により表面が粗化されたフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、フレキシブル・フラット・ケーブルは、基材としてのポリイミドフィルムの表面に所定のパターンに形成された金属膜を積層した構成を有している。金属膜を積層する手法としては、接着剤による接着や、蒸着、スパッタリング、メッキなどが適宜選択される。このようなフレキシブル・フラット・ケーブルの基材としてポリイミドフィルムが用いられる理由は、絶縁性、耐熱性、耐薬品性、撓曲されることを前提とした耐久性、あるいは機械的強度等の観点から総合的に優れていることによる。
【0003】
ところで、ポリイミドフィルムは、その表面の撥水性が高いため、上記のように金属膜を積層する場合において、とりわけ接着剤による接着性に劣るという欠点がある。また、メッキやスパッタリングを採用するにしても、フィルムの表面が滑らかであるほど、金属膜の付着力が弱い。したがって、このポリイミドフィルムの表面に金属膜を積層するにあたって、金属箔の付着力を高めるための種々の方策が採られている。
【0004】
たとえば、特許第3256379号公報には、ポリイミドフィルムの表面を有機溶剤処理をした上でプラズマ処理をする方策が提案されている。有機溶剤処理により、ポリイミドフィルムの表面脆弱層が除去されるとともに、プラズマ処理により、表面に水酸基、ガルボン酸基、カルボニル基等の親水性の官能基が新たに形成されるため、ポリイミドフィルムの表面の親水性が高まる。
【0005】
また、その他の方策として、フィルム表面を意図的に粗化するという方策もある。そして、この方策の一形態として、フィルムの表面をブラスト処理により粗化するという方法も試行されてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許第3256379号公報に示された方策は、有機溶剤を使用するため、洗浄工程や廃液処理が必要となるし、プラズマ装置そのものがきわめて高価であるため、コスト的に有利な方策であるとはいえない。
【0007】
また、ブラスト処理による方策は、第1に、微小な研掃材を用いるため、その取り扱いが厄介である、第2に、所定幅のフィルムを複数のブラストノズルを用いて処理せざるをえないため、フィルムをその幅方向全域にわたって一様な表面性状に揃えることがきわめて困難である、第3に、研掃材がフィルム表面に突き刺さった状態で残ってしまうといった不具合が発生しやすい、等の種々の問題点が指摘されている。
【0008】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、コスト的に有利に、かつフィルム表面を一様に粗化することができ、かつ装置の取り扱いも簡便となるあらたなフィルムの粗化方法を提供することをその主たる課題とする。
【0009】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の各技術的手段を採用した。
【0010】
本願発明の第1の側面によって提供される樹脂フィルムの表面粗化方法は、表面に砥粒を固定することによって形成したローラを樹脂フィルムの表面および/または裏面に、1または複数回転動させることを特徴とする。なお、ここでいう砥粒とは、硬質の材質でできた粒という意味であって、かならずしも、砥石の構成材料に限定されるものではない。
【0011】
好ましい実施の形態において、上記砥粒は、ダイヤモンド、サファイヤ、ガーネット、アルミナ、ガラスから選ばれた1または複数を、所定の平均粒径をもつように粉砕したものとすることができる。
【0012】
この場合において、上記砥粒の平均粒径は、好ましくは500〜1000メッシュ、さらに好ましくは800〜1000メッシュに相当する粒径とする。
【0013】
好ましい実施の形態において、上記砥粒は、ローラ基材の表面に形成された金属メッキ層に一部が埋まるようにして上記ローラの表面に固定されている。
【0014】
好ましい実施の形態においてはまた、上記砥粒は、ダイヤモンド砥粒であり、このダイヤモンド砥粒が鉄またはステンレスで少なくとも表面層が形成されたローラ基材の表面にニッケルメッキ層を形成することにより固定されている。
【0015】
本願発明の第2の側面によって提供される樹脂フィルムは、上記第1の側面による方法によって、表面および/または裏面が粗化されたことを特徴とする。
【0016】
本願発明の第3の側面によって提供される樹脂フィルムの表面粗化装置は、樹脂フィルムを搬送する搬送機構と、この樹脂フィルムの一面側に配置されたバックアップ部材と、このバックアップ部材に対して上記樹脂フィルムを挟んで対向するようにして配置されたローラとを備え、
上記ローラは、表面に砥粒を固定することによって形成されていることを特徴とする。
【0017】
好ましい実施の形態においては、上記砥粒は、ダイヤモンド、サファイヤ、ガーネット、アルミナ、ガラスから選ばれた1または複数を、所定の平均粒径をもつように粉砕したものとすることができる。この場合において、上記砥粒の平均粒径は、好ましくは500〜1000メッシュ、さらに好ましくは800〜1000メッシュに相当する粒径とするのが適当である。
【0018】
好ましい実施の形態において、上記砥粒は、ローラ基材の表面に形成された金属メッキ層に一部が埋まるようにして上記ローラの表面に固定されている。
【0019】
好ましい実施の形態においてはまた、上記砥粒は、ダイヤモンド砥粒であり、このダイヤモンド砥粒が鉄またはステンレスで少なくとも表面層が形成されたローラ基材の表面にニッケルメッキ層を形成することにより固定されている。
【0020】
好ましい実施の形態において、上記バックアップ部材は、その表面に弾性部材を備えている。
【0021】
好ましい実施の形態においてはまた、上記ローラと上記バックアップ部材の対は、1または複数設けられている。
【0022】
この場合において、好ましい実施の形態においては、上記樹脂フィルムの表面側と裏面側の双方を粗化するために、上記ローラと上記バックアップ部材の対が配置されている。
【0023】
他の好ましい実施の形態においては、上記樹脂フィルムの片面が複数回粗化されるように、上記ローラと上記バックアップ部材が配置されている。
【0024】
好ましい実施の形態においてはさらに、上記ローラの表面にドライアイス粒を空気流にのせて噴射するローラクリーナが付設されている。
【0025】
本願発明は、要するに、砥粒が固定されることによって表面に凹凸が形成されたローラを樹脂フィルムに押しつけることにより、この樹脂フィルムの表面を粗化するというものである。したがって、このような砥粒がローラの表面に固定されている限りにおいて、ブラスト処理をするような粉塵の問題や、樹脂フィルム表面に研掃材が突き刺さって残ってしまうといった問題はなくなる。また、砥粒をローラの表面に平均して固定することも容易であるので、樹脂フィルムの表面を幅方向について一様に粗化することも容易にできる。さらに、第3の側面に係る樹脂フィルムの粗化装置にみられるように、基本的には、樹脂フィルムの搬送機構と、樹脂フィルムの一面側に配置された上記のローラと、樹脂フィルムを挟んでローラと反対側に配置されたバックアップ部材とを有することにより、この樹脂フィルム粗化方法を実施するための装置を構成することができるので、コスト面で非常に有利である。また、樹脂フィルムの表裏両面を粗化するための構成も、比較的簡単かつ低コストで実現可能である。
【0026】
本願発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0028】
図1は、本願発明に係る樹脂フィルムの表面粗化装置10の一実施形態の模式的構成図である。供給ロールAから繰り出された所定幅帯状の樹脂フィルムFは、このフィルムFを挟持するいくつかの送りローラ11からなる搬送機構によって前方に送られ、巻き取りロールBに巻き取られるようになっている。この実施形態では、こうして搬送される樹脂フィルムFに対して粗化処理を行う粗化処理部20,20が、フィルム搬送方向に隔てて2箇所設けられている。樹脂フィルムFは、たとえば、厚み20〜100μm程度のポリイミドフィルムである。
【0029】
上記の粗化処理部20は、フィルムFの一面側に接触して転動するパックアップローラ30と、このバックアップローラ30に対してフィルムFを挟んで反対側において、フィルムFの他面側に接触して転動する粗化ローラ40とを備えて構成されている。バックアップローラ30と粗化ローラ40は、いずれも、搬送される樹脂フィルムFより十分に長い軸方向寸法を有している。また、このバックアップローラ30と粗化ローラ40のいずれか一方または双方は、それらの軸心が相互に近接および離間して、搬送される樹脂フィルムFの厚みに対応して、これらのローラ30,40による樹脂フィルムFの挟圧力が所定の値となるように微調整することができるようにしておくのが望ましい。さらに、上記バックアップローラ30と粗化ローラ40の一方または双方は、図3に模式的に示すように、軸方向中央部の外径が軸方向両端部の外径よりもやや大となる形態としておくことにより、バックアップローラ30あるいは粗化ローラ40の軸の撓みを吸収して、これらバックアップローラ30と粗化ローラ40によって樹脂フィルムFに与えられる挟圧力を、フィルムの幅方向に一定化させることができる。
【0030】
図2に示すように、上記粗化ローラ40は、ローラ基材41の外周面に、砥粒42を固定して形成されている。この砥粒42としては、ダイヤモンド、サファイヤ、ガーネット、アルミナ、あるいはガラスを粉砕したものが用いられる。ダイヤモンド、サファイヤ、ガーネットについては、天然であると人造であるとを問わない。しかし、粗化ローラ40の耐久性およびコストを考慮すれば、人造ダイヤモンドを粉砕して得られる砥粒を用いることが、最も望ましい。そして、これらの砥粒42は、平均粒径がたとえば、500〜1000メッシュ、さらに好ましくは800〜1000メッシュ相当する粒径のものが好適に用いられる。平均粒径がこれより小さいと、次に説明するようにこの砥粒42を固定するためのメッキ層43を薄くせざるをえず、十分な固定力を得られない。また、平均粒径がこれより大きいと、粗化された樹脂フィルム表面が粗過ぎてしまうし、また、このような大きな粒径の砥粒を固定するためのメッキ層が厚過ぎることになり、このメッキ層厚みを平均化することが困難となる。
【0031】
ローラ基材41に対する上記砥粒42の固定は、たとえば、次のようにして行われる。図4に示すように、メッキ液50aを貯留したメッキ槽50に上記の砥粒42を大量に投入するとともに、このメッキ槽50に滞留する砥粒中にローラ基材41を陰極51に接続しつつ浸漬し、陽極52と陰極51間に通電して上記ローラ基材41に対するメッキ処理を行う。メッキ材料としては、たとえばニッケルが採用される。そして、ローラ基材41として、ニッケルメッキをするに好適な鉄またはステンレス層が少なくとも表面層を構成するものが用いられる。
【0032】
そうすると、図5に模式的に示すように、ローラ基材41を取り巻くように接触する砥粒42が、ローラ基材41の表面に成長するメッキ層43に一部が埋められるようにして、ローラ基材41に対して固定される。メッキ層43の厚みは、平均して、砥粒42のローラ基材41の表面からの高さの55〜65パーセント程度が埋まる程度の厚みとすることが望ましい。メッキ層43の厚みがこれより薄いと、砥粒42の固定力が不足する。また、メッキ層43の厚みがこれより厚いと、ローラ基材41に接触していない砥粒まで固定してしまう程度にメッキ層が及ぶ場合があり、適当でなくなる。
【0033】
このように砥粒42が固定された粗化ローラ40の表面は、図6に参考的に示す顕微鏡拡大写真に示されるようになる。この粗化ローラ40の表面に固定されている砥粒42は、素材を粉砕してえられたものであるから、形状は、鋭利な角を有する不定形なものである。また、砥粒42が固定される位置に、規則性はない。
【0034】
一方、バックアップローラ30は、図2に表れているように、鉄やステンレスの心材31の外周に、所定厚みのゴム等の弾性部材32で覆った構成を備えている。ゴムは、たとえば50〜60度程度のゴム硬度を有するものが好適に用いられる。また、このゴムの厚みは、バックアップローラ30と粗化ローラ40との間に付与されるフィルム挟持力、あるいは、バックアップローラ30あるいは粗化ローラ40の外径に応じて、適当な厚みとされる。
【0035】
以上の構成において、樹脂フィルムFを搬送しつつ、この樹脂フィルムFを上記バックアップローラ30と粗化ローラ40とで挟圧するようにすると、粗化ローラ40は、樹脂フィルムFの一面を所定の押圧力で転動することになり、これにより、上記のように粗化ローラ40の表面に固定された砥粒42が樹脂フィルムFの一面に凹凸を付けてゆき、このフィルムFは、幅方向に平均して粗化されてゆく。砥粒42によって樹脂フィルムFに形成される凹凸の程度は、砥粒42の粒径によっても左右されるが、フィルムFに対するバックアップローラ30と粗化ローラ40とによる挟持圧力、あるいは、バックアップローラ30の表面のゴム32の硬度あるいはその厚みによっても左右される。したがって、目標の表面粗さを得るために、上記の砥粒42の粒径、バックアップローラ30および粗化ローラ40による挟持力、バックアップローラ30のゴムの硬度あるいは厚みを選択することができる。
【0036】
また、この実施形態では、上記構成の粗化処理部20が2段構成となっている。このように粗化処理部20の数を選択することにより、粗化ローラ40によって樹脂フィルムFの表面に形成される凹凸の密度を選択することができる。すなわち、粗化処理部20の段数を増やすほど、上記凹凸の密度は高くなる。前述したように、各粗化ローラ40の表面に固定される砥粒42の形、あるいは位置に規則性がないからである。
【0037】
図1に表れているように、この実施形態では、適時、静電付着等によって汚れた粗化ローラ40および/またはバックアップローラ30を清掃するためのローラクリーナ60が設けられている。このローラクリーナ60は、粗化ローラ40に向けて配置され、かつポンプあるいはブロアなどの空気発生源61に配管62を介して接続された複数のノズル63と、上記配管62の途中からドライアイス粒を混入するためのドライアイス混入手段64とを備えて構成されている。このローラクリーナ60を作動させると、上記のノズル63から、ドライアイス粒が混入された高速空気が粗化ローラ40の表面に対して吹きつけられる。ドライアイス粒は、たとえば秒速100〜200mで粗化ローラ40の表面に衝突し、表面に付着している汚れ等を一瞬にして除去する。こうして汚れ除去作用を終えたドライアイス粒は、やがてガス化して消失する。このクリーナは、ブラスト処理を応用したものであるが、研掃材に相当するドライアイス粒は、作業後消失するので、一般のブラスト装置のように研掃材回収回路や、この研掃材を浄化するための機構等の複雑な装置群を不要とすることができる。そして、各ローラ30,40を外して清掃するといった面倒さはなくなり、この樹脂フィルム粗化装置10のメインテナンス性が、著しく向上する。
【0038】
このように、上記構成の樹脂フィルムの粗化装置10によれば、簡単な構成の装置により、樹脂フィルムFの表面に対し、適正な凹凸を形成し、粗化することができる。粗化ローラ40に砥粒42が固定されている限りにおいて、粗化された樹脂フィルム表面に粉塵が残るといったこともなく、この粗化されたフィルムの洗浄を不要とすることすら可能であり、また、洗浄が必要であるとしても、軽度な洗浄処理をするだけでよくなる。
【0039】
図7は、粗化処理部20の他の形態を模式的に示している。この形態では、粗化ローラ40に対向するバックアップローラ30a,30bを2つ設け、この2つのバックアップローラ30a,30bの間にフィルム迂回ローラ33を配置している。樹脂フィルムFは、粗化ローラ40と第1バックアップローラ30aに挟持されて粗化処理を受けた後、いったんフィルム迂回ローラ33によって粗化ローラ40から離脱させられた後、同じ粗化ローラ40と第2バックアップローラ30bに挟持されて再度の粗化処理を受ける。樹脂フィルムFは、同じ粗化ローラの表面の別の部分による粗化処理を2回にわたって受けるので、図1に示した実施形態と同様、樹脂フィルムの凹凸の密度を上げた粗化処理を受けることができる。図7に示す構成の粗化処理部20をフィルムの搬送方向に沿って2段に設ければ、樹脂フィルムFは、粗化ローラ41による粗化処理を4回にわたって受けることができるようになり、樹脂フィルムFが粗化されることによって表面に生じる凹凸の密度をさらに上げることができる。
【0040】
図8は、本願発明に係る樹脂フィルムの表面粗化装置10のさらに他の実施形態を示す。この実施形態では、上記した構成の複数の粗化処理部20を、粗化ローラ40が樹脂フィルムFの一面側に配置されるものと、樹脂フィルムFの他面側に配置されるものとを有するように構成し、樹脂フィルムFの表裏両面を粗化することができるようにしている。その余の構成は、図1に示した実施形態と同様とすることができる。
【0041】
この実施形態においても、第1の実施形態について上述したのと同様の利点を享受することができる。また、本願発明に係る樹脂フィルムの表面粗化装置10は、その粗化処理部20の構成が簡単であるが故に、この実施形態のように、樹脂フィルムFの表裏両面を粗化するように構成することも容易である。
【0042】
もちろん、この発明の範囲は上記した各実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した事項の範囲内でのあらゆる変更は、すべて本願発明の範囲に包摂される。
【0043】
たとえば、粗化ローラ40の表面には、砥粒42が上記したように固定されるが、さらにこのような砥粒を含む粗化ローラの表面全体を、硬質の保護コートで覆った場合も、もちろん本願発明の範囲内である。
【0044】
また、上記の各実施形態では、粗化処理部において、粗化ローラと対向して配置するようにバックアップローラ30を設けているが、このように粗化ローラ40の押圧力を支えるバックアップ部材としては、ローラ状の部材には限定されず、表面を滑らかにして樹脂フィルムFに対する滑り性能を与えた板状の部材であってもよい。
【0045】
さらには、樹脂フィルムの表裏面を粗化するにあたり、樹脂フィルムを挟んで対向するようにして2つの粗化ローラを配置する構成とすると、樹脂フィルムの表裏面が同時に粗化される。
【0046】
本願発明の樹脂フィルムの粗化装置について、図1および図8は、模式化して示しているが、たとえば、粗化処理部20は、閉じた部屋で覆い、この部屋内の空気を常時吸い出すようにしておくと、たとえ、粗化ローラの転動作用によって塵が発生しても、これを即座に吸い出すことができるので、粗化された樹脂フィルムの表面や、粗化ローラの表面に細かい樹脂のホコリが付着するといったことを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る樹脂フィルムの表面粗化装置の一実施形態の全体構成図である。
【図2】図1の装置における粗化処理部の拡大断面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】ローラ基材の外面に砥粒を固定する方法の説明図である。
【図5】ローラ基材の外面に砥粒が固定されている状態を示す拡大断面図である。
【図6】砥粒が固定されたローラの表面状態を参考的に示す電子顕微鏡写真である。
【図7】粗化処理部の他の形態を示す断面図である。
【図8】本願発明に係る樹脂フィルムの表面粗化装置の他の実施形態の全体構成図である。
【符号の説明】
10  樹脂フィルムの表面粗化装置
11  送りローラ
20  粗化処理部
30  バックアップローラ
31  心材
32  弾性部材(ゴム)
33  迂回ローラ
40  粗化ローラ(ローラ)
41  ローラ基材
42  砥粒
43  メッキ層
50  メッキ槽
50a メッキ液
51  陰極
52  陽極
60  ローラクリーナ
61  空気発生源
62  配管
63  ノズル
64  ドライアイス混入手段
A   供給ロール
B   巻き取りロール
F   樹脂フィルム

Claims (16)

  1. 表面に砥粒を固定することによって形成したローラを樹脂フィルムの表面および/または裏面に、1または複数回転動させることを特徴とする、樹脂フィルムの表面粗化方法。
  2. 上記砥粒は、ダイヤモンド、サファイヤ、ガーネット、アルミナ、ガラスから選ばれた1または複数を、所定の平均粒径をもつように粉砕したものである、請求項1に記載の樹脂フィルムの表面粗化方法。
  3. 上記砥粒の平均粒径は、500〜1000メッシュに相当するものである、請求項3に記載の樹脂フィルムの表面粗化方法。
  4. 上記砥粒は、ローラ基材の表面に形成された金属メッキ層に一部が埋まるようにして上記ローラの表面に固定されている、請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂フィルムの表面粗化方法。
  5. 上記砥粒は、ダイヤモンド砥粒であり、このダイヤモンド砥粒が鉄またはステンレスで少なくとも表面層が形成されたローラ基材の表面にニッケルメッキ層を形成することにより固定されている、請求項4に記載の樹脂フィルムの表面粗化方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかの方法によって表面が粗化されたフィルム。
  7. 樹脂フィルムを搬送する搬送機構と、この樹脂フィルムの一面側に配置されたバックアップ部材と、このバックアップ部材に対して上記樹脂フィルムを挟んで対向するようにして配置されたローラとを備え、
    上記ローラは、表面に砥粒を固定することによって形成されていることを特徴とする、樹脂フィルムの表面粗化装置。
  8. 上記砥粒は、ダイヤモンド、サファイヤ、ガーネット、アルミナ、ガラスから選ばれた1または複数を、所定の平均粒径をもつように粉砕したものである、請求項9に記載の樹脂フィルムの表面粗化装置。
  9. 上記砥粒の平均粒径は、500〜1000メッシュに相当するものである、請求項8に記載の樹脂フィルムの表面粗化装置
  10. 上記砥粒は、ローラ基材の表面に形成された金属メッキ層に一部が埋まるようにして上記ローラの表面に固定されている、請求項8ないし9のいずれかに記載の樹脂フィルムの表面粗化装置。
  11. 上記砥粒は、ダイヤモンド砥粒であり、このダイヤモンド砥粒が鉄またはステンレスで少なくとも表面層が形成されたローラ基材の表面にニッケルメッキ層を形成することにより固定されている、請求項10に記載の樹脂フィルムの表面粗化装置。
  12. 上記バックアップ部材は、その表面に弾性部材を備えている、請求項8に記載の樹脂フィルムの表面粗化装置。
  13. 上記ローラと上記バックアップ部材の対は、1または複数設けられている、請求項8ないし12のいずれかに記載の樹脂フィルムの表面粗化装置。
  14. 上記樹脂フィルムの表面側と裏面側の双方を粗化するために、上記ローラと上記バックアップ部材の対が配置されている、請求項13に記載の樹脂フィルムの表面粗化装置。
  15. 上記樹脂フィルムの片面が複数回粗化されるように、上記ローラと上記バックアップ部材が配置されている、請求項13に記載の表面粗化装置。
  16. 上記ローラの表面にドライアイス粒を空気流にのせて噴射するローラクリーナが付設されている、請求項8ないし15のいずれかに記載の樹脂フィルムの表面粗化装置。
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