JP2004034546A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の画像形成装置では、形成しようとする画像データから、検出マトリクスにより複数の階級のコードを生成し、この複数の階級のコードに対応して各々設定されたパルス幅の光ビームで記録媒体である感光体ドラム9上を走査することにより、機械的な副走査ピッチよりも小さなピッチで感光体ドラム9上に画像を形成する過程において、LUT回路3は、前記複数の階級のコードに対応して出力する光ビームのパルス幅を定めたLUTを複数備え、主走査位置を複数の領域に分割し、各分割領域毎に異なるLUTを用いることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機、レーザプリンタ、レーザファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
帯電した感光体上の画像部にレーザ光を照射して静電潜像を形成し、該静電潜像にトナーを付着して画像を形成する、いわゆるネガ/ポジプロセス方式を用いる電子写真方式の画像形成装置において、副走査方向の画素密度を倍増する方法として、副走査ピッチよりも大きいビーム径の光ビームで記録媒体上を走査し、複数のビームが重なった位置にも画像を形成する、いわゆる重複走査方式が知られている。
例えば、米Oak Technology社製のIC、PM−2060iは、1200dpi(dots per inch)の2値の画像データ入力を、600dpiの書き込み周期の多値PWM(pulse width modulation)出力に変換する機能を持ち、600dpiプリントエンジンに光学的、機械的な変更を加えることなく1200dpi相当の印刷出力を可能としている。
【0003】
ここで、重複走査方式を用いた画像形成装置における書き込み信号処理部の動作について図17のブロック図を用いて説明する。ここでは、主/副走査方向とも600dpiの記録密度を有する画像形成装置を使用して、主/副走査方向とも1200dpiの記録密度の画像を形成する場合について説明する。
図17において、符号1はラインメモリ、2はパターン検出処理回路、3はLUT(ルックアップテーブル)回路、4はPWM(パルス幅変調)回路、5はLDドライバ、6はLD(レーザダイオード)である。
【0004】
ラインメモリ1は、3ライン分の1200dpiの画像データを保持し、記録しようとする主走査方向位置に応じた画像データを、パターン検出処理回路2へ送る。
パターン検出処理回路2は、1200dpiの画像データの内、記録しようとする主走査方向に連続した2ドットと、それらの上下の4ドット、併せて6ドットのオン/オフ情報を参照し(以下、この参照する主2×副3のマトリクスをパターン検出マトリクスと呼ぶ)、そのパターンに応じたコードをLUT回路3へ送る。
【0005】
LUT回路3は、パターン検出処理回路2より送られたコードに対応して、あらかじめ設定されたパルス幅、パルス位置信号をPWM回路4へ送る。
PWM回路4は、受け取ったパルス幅、パルス位置信号に基づいて、LDドライバ5へPWM信号を送る。PWM信号は、ビデオクロック信号(600dpiの周波数)に同期して出力される。
LDドライバ5は、「オン」信号を受けると駆動電流を、「オフ」信号を受けるとオフセット電流をLD6へ供給する。
【0006】
例えば、画像データと、パターン検出マトリクスとの関係が図18に示すようであるとする。ここで、x0,x1,・・・は主走査方向の、y0,y1,・・・は副走査方向の各600dpiでのスキャン位置を示す。PWM回路4は、2ラインにわたって主走査方向において同一の位置で、設定されたパルス幅のPWM信号を出力する。このとき、光ビームの照射領域が重なった領域に画像が形成される。こうして、600dpiの記録密度の画像形成装置を使用して、ビデオクロック周波数や副走査方向の送り速度は変えずに、1200dpiの画像形成が可能となる。
尚、上述したように、LUT回路3へは、パターン検出処理回路2より送られるコードに対応したパルス幅およびパルス位置を設定する。
【0007】
一方、回転鏡により光ビームの走査を行なう画像形成装置においては、光ビームの強度は、光源から感光体へ至る光路上に存在するミラー、レンズなどの光学素子により減衰するが、この光減衰率は感光体上の主走査位置により異なる。このため、これに対する補正手段を持たない場合、形成される画像の濃度が主走査位置により異なることになる。特に、複数のビームの重ね合せによって形成する画像では、濃度変化が生じやすい。
【0008】
そこで、形成される画像の濃度が、主走査位置によって異なることを防止するため、主走査位置に応じて光ビーム強度を変化する方法が知られている。例えば、特開昭63−18320号公報記載の従来技術においては、画像情報に応じた変調レーザビームの強度の、感光体の表面における主走査方向についての変動特性を記憶するための記憶手段と、この記憶手段に記憶された変動特性に基づいて、同一変調下における変調レーザビームの強度を主走査方向について同一設定値となるように変更する補正手段とを設けている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を鑑みなされたものであり、感光体上の主走査位置によって光減衰率の異なる光学系を有する画像形成装置において、複数のビームの重ね合せにより画像を形成する場合に、形成される画像の濃度が主走査位置により異なることを防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、請求項1に係る発明は、ビーム中心の光強度に対して、光強度が1/e2 となる値で定義されたビーム径を有する光ビームを、ビーム径よりも小さい副走査ピッチで記録媒体上を走査することにより、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、形成しようとする画像データから、検出マトリクスにより複数の階級のコードを生成し、この複数の階級のコードに対応して各々設定されたパルス幅の光ビームで記録媒体上を走査することにより、機械的な副走査ピッチよりも小さなピッチで記録媒体上に画像を形成する過程において、前記複数の階級のコードに対応して出力する光ビームのパルス幅を定めたLUT(ルックアップテーブル)を複数備え、主走査位置を複数の領域に分割し、各分割領域毎に異なるLUTを用いることを特徴としており、このように、主走査方向の画像領域を分割し、主走査位置に応じて使用するLUTを切り替える構成とし、各LUTの設定は、対応する主走査位置に出力したテストパターンの濃度比較により実施することにより、感光体上の主走査位置によって光減衰率が異なる光学系を用いても、形成される画像の濃度が主走査位置によって異なることがない。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の画像形成装置において、記録媒体面の光反射率を測定する濃度検出部を各分割領域毎に設け、検出マトリクスに対する相対位置が異なる複数のテストパターンを記録媒体面上に形成し、形成された複数のテストパターンの濃度を、濃度検出部により測定することを特徴としており、このように、分割領域に形成したテストパターンの濃度を、記録媒体面上に付着したトナーによる、記録媒体面の反射率低下量として濃度検出部により測定することにより、LUT設定手順を自動化することが可能となる。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、複数の階級のコードに対応するパルス幅の設定を、画像形成装置の電源がオフからオンとなったときに実施することを特徴としており、このように、LUT設定を、画像形成装置の電源がオンとなるたびに実施することにより、記録媒体(例えば感光体)の特性の経時変化や、光源(例えばレーザダイオード(LD))の経時劣化による光量低下に起因する、副走査位置に形成される画像と、2つの副走査の中間位置に形成される画像との濃度差が発生しない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置の構成、動作及び作用を図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
[実施例1]
図1は本発明の第一の実施例を示す図であって、画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、符号1はラインメモリ、2はパターン検出処理回路、3はLUT(ルックアップテーブル)回路、4はPWM(パルス幅変調)回路、5はLDドライバ、6はLD(レーザダイオード)であり、従来技術で説明した図17の書き込み処理部の構成と略同様の構成部分であるが、本実施例では、後述するようにLUT回路3の構成とその設定方法が異なる。また、符号7は光偏向器であるポリゴンミラー(回転多面鏡)、8は走査結像用のレンズ、9は記録媒体である感光体ドラム、10は同期検知器、11はメモリ制御回路である。
尚、画像形成装置の感光体ドラム9の周囲には、公知の画像形成プロセスを実施するための帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、除電装置等が配設されており、また、感光体ドラム9と転写装置の間の転写部に対して転写材搬送方向上流側には転写材(各種サイズの記録紙等)を収納する給紙部や転写材の給紙装置が設けられ、転写材搬送方向下流側には転写部で転写材に転写された画像を定着するための定着装置や定着後の転写材を排紙トレイ等の排紙部に排紙する排紙装置等が設けられているが、これらの図示は省略する。
【0015】
図1に示す構成の画像形成装置において、図示しない帯電装置により感光体ドラム9が帯電された後、LD6より出射されたビームは、定速回転するポリゴンミラー7により主走査方向に偏向走査され、レンズ8を介して感光体ドラム9面上に結像され、静電潜像が形成される。以後、現像装置のトナーによる静電潜像の現像、顕像化された画像の転写装置による転写材への転写、転写材に転写された画像の定着装置よる定着等、公知の画像形成プロセスを経て、画像が転写された転写材が出力される。
【0016】
同期検知器10は、光電変換素子および信号波形整形回路からなり、ビームを検出して検出信号を同期検知信号としてメモリ制御回路11へ送る。
メモリ制御回路11は、同期検知信号に基づき、ラインメモリ1からパターン検出処理回路2へ画像データを出力する。
パターン検出処理回路2は、1200dpiの画像データの内、記録しようとする主走査方向に連続した2ドットと、それらの上下の4ドット、併せて6ドットのオン/オフ情報を参照し(この参照する主2×副3のマトリクスをパターン検出マトリクスと呼ぶ)、そのパターンに応じたコードをLUT回路3へ送る。
【0017】
LUT回路3は、パターン検出処理回路2より送られたコードに対応して、あらかじめ設定されたパルス幅、パルス位置信号を、PWM回路4へ送る。
ここで、LUT回路3の内部構成を図2に示す。このLUT回路3は、16個のLUT(LUT0〜LUT15)と、その入・出力部に設けたセレクタと、主走査位置カウンタで構成され、16個のLUT(LUT0〜LUT15)を、主走査位置カウンタからの主走査位置信号(分割位置信号)に応じてセレクタで切り替える構成となっている。すなわち、本実施例では、複数の階級のコードに対応して出力する光ビームのパルス幅を定めたLUTを例えば16個(LUT0〜LUT15)備え、主走査位置を16の領域(例えば領域0〜領域15)に分割し、各分割領域毎に異なるLUTを用いることを特徴としている。尚、主走査方向の分割と、16個のLUT(LUT0〜LUT15)との対応を図3に示す。
【0018】
PWM回路4は、受け取ったパルス幅、パルス位置信号に基づき、LDドライバ5へPWM信号を送る。PWM信号は、ビデオクロック信号(600dpiの周波数)に同期して出力される。尚、用いたPWM回路4は、600dpiの書き込み周期内で、パルス幅およびパルス開始位置を、書き込み周期の1/256分解能で設定したパルス信号を出力可能である。
LDドライバ5は、「オン」信号を受けると駆動電流を、「オフ」信号を受けるとオフセット電流をLD6へ供給する。LD6は駆動電流によってオンされ、ポリゴンミラー7の回転に同期してレーザビームを発光し、ポリゴンミラー7で反射され、等角速度で走査されたレーザビームがレンズ8によって等速度偏向に変換されて感光体ドラム9上を走査する。
【0019】
まずLUT回路3の設定を開始する前に、PWM信号のデューティーを100%として黒ベタ画像を出力し、主走査方向において最も画像濃度の低い部分で、黒ベタの濃度が適正となるようにLD光量を調整した。
次にLUT回路3の設定を行なうが、各LUT(LUT0〜LUT15)の設定は、以下で述べるような方法で実施した。
【0020】
パターン検出処理回路2が、画像データのオン/オフ情報に応じて生成するコードを図4に示す。幅コードcは、パターン検出マトリクスの左列(L)、右列(R)の3ドットずつの検出結果から、下記の数式1における式▲1▼〜▲4▼により決定する。
【0021】
【数1】
【0022】
上式▲2▼,▲3▼において、li,riは、それぞれ、パターン検出マトリクスの左列および右列にあてはまる画像データのオン/オフ情報を表す(オンは1/オフは0)。添字iは、マトリクス内での縦方向の位置を示す(上から0,1,2)。幅コードcに対応するパルス幅Wは、LUTに設定する。また、書き込み周期内でのパルス開始位置Sは、下記の数式2における式▲5▼により決定する。
【0023】
【数2】
【0024】
ここで、Pは書き込み周期内の分解能の最大階級値(1/256分解能の場合には255)。kは下記の数式3における式▲6▼により決定する。
【0025】
【数3】
【0026】
いま、幅コードcに対応するパルス幅Wを、図5のように設定すると、パルス開始位置Sは、図6のようになる。
幅コードcに対応するパルス幅Wを設定するために出力するテストパターンの例を図7〜図12に示す。図7(A),(B)は2ドット幅垂直ライン、図8(A),(B)は1ドット幅水平ライン、図9(A),(B)は3ドット幅水平ライン、図10(A),(B)は横2ドット網点、図11(A),(B),(C)は3ドットL型網点、図12(A),(B)は5ドットL型網点の例である。
ここで示す各テストパターンは、オン画素密度は同じだが、パターン検出マトリクスとの相対位置が異なるために、パターン検出処理回路が生成する幅コードが異なるように選んでいる。尚、図7〜図12に示したパターンは、テストパターンの一部分であり、実際に出力したパターンのサイズは20mm×20mmである。
【0027】
パルス幅Wの設定の手順を図13,14のフローチャートに示す。図中のW[0]〜W[8]は、幅コードc=0〜8に対応するパルス幅Wを表している。W[0]は、マトリクス内の画像データが全てオフの場合に相当するが、このとき光パルスを出力すると、画像の白地に不要な画像が描かれる、いわゆる地汚れが発生することがあるため、W[0]=0固定とした。
【0028】
図13,14のフローチャートに示すように、まず黒ベタパターンを出力し、黒ベタ部の濃度が適正か否かを検出し、適正となるまでW[8]の設定を変更する(S1〜S4)。そして、黒ベタ部の濃度が適正となると、次に図7に示すような2dot幅垂直ライン(A)と(B)を出力し、2dot幅垂直ライン(A)と(B)の濃度を検出し、両者の濃度が同じになるまでW[4]の設定を変更する(S5〜S7)。そして、2dot幅垂直ライン(A)と(B)の濃度が同じになると、次に既に設定したW[8],W[4],W[0]から、補間法により、W[2]の仮値を設定する(S8)。次に図8に示すような1dot幅水平ライン(A)と(B)を出力し、1dot幅水平ライン(A)と(B)の濃度を検出し、両者の濃度が同じになるまでW[2]の設定を変更する(S9〜S11)。そして、1dot幅水平ライン(A)と(B)の濃度が同じになると、次に既に設定したW[8],W[4],W[2],W[0]から、補間法により、W[6]の仮値を設定する(S12)。次に図9に示すような3dot幅水平ライン(A)と(B)を出力し、3dot幅水平ライン(A)と(B)の濃度を検出し、両者の濃度が同じになるまでW[6]の設定を変更する(S13〜S15)。そして、3dot幅水平ライン(A)と(B)の濃度が同じになると、次に既に設定したW[8],W[6],W[4],W[2],W[0]から、補間法により、W[7],W[5],W[3],W[1]の仮値を設定する(S16)。次に図10に示すような横2dot網点(A)と(B)を出力し、横2dot網点(A)と(B)の濃度を検出し、両者の濃度が同じになるまでW[1]の設定を変更する(S17〜S19)。そして、横2dot網点(A)と(B)の濃度が同じになると、次に図11に示すような3dotL型網点(A)と(B)を出力し、3dotL型網点(A)と(B)の濃度を検出し、両者の濃度が同じになるまでW[5]の設定を変更する(S20〜S22)。そして、3dotL型網点(A)と(B)の濃度が同じになると、次に図11に示すような3dotL型網点(A)と(C)を出力し、3dotL型網点(A)と(C)の濃度を検出し、両者の濃度が同じになるまでW[3]の設定を変更する(S23〜S25)。そして、3dotL型網点(A)と(C)の濃度が同じになると、次に図12に示すような5dotL型網点(A)と(B)を出力し、5dotL型網点(A)と(B)の濃度を検出し、両者の濃度が同じになるまでW[7]の設定を変更する(S26〜S27)。
【0029】
以上の手順にしたがって幅コードcに対応するパルス幅Wを設定したLUTを使用して、図7〜図12のテストパターン全てと、連続的にオン画素密度が変化する網点パターンからなるグレースケールとを含む画像を転写材へ出力し、目視にて評価した。そして、以下のような結果を得た。
・黒ベタ部の濃度は適正。
・1dot幅水平ライン(A)と(B)の濃度は同じ。
・グレースケールの濃度変化は連続的。
・2dot幅垂直ライン(A)と(B)の濃度は同じ。
・3dot幅水平ライン(A)と(B)の濃度は同じ。
・横2dot網点(A)と(B)の濃度は同じ。
・3dotL型網点(A)と(B)と(C)の濃度は同じ。
・5dotL型網点(A)と(B)の濃度は同じ。
【0030】
以上の設定方法によれば、W[2]の濃度比較時に使用するパルス幅の初期値を、すでに定めたW[8],W[4],W[0]から補間法により定め、W[6]の濃度比較時に使用するパルス幅の初期値を、すでに定めたW[8],W[4],W[2],W[0]から補間法により定め、W[7],W[5],W[3],W[1]の濃度比較時に使用するパルス幅の初期値を、すでに定めたW[8],W[6],W[4],W[2],W[0]から補間法により定めるので、W[2],W[6],W[7],W[5],W[3],W[1]のパルス幅を決定するための濃度比較作業の繰り返し回数が少なく効率的である。
【0031】
さて、以上のような方法により各LUT(LUT0〜LUT15)の設定を実施したが、濃度比較のためのテストパターンは各LUT(LUT0〜LUT15)に対応する主走査位置(図3参照)へそれぞれ出力されるようにして各LUTを設定した。そして、ここでは図8(A),(B)に示す1ドット幅水平ラインのテストパターン画像を形成して転写材へ出力し、目視にて評価した結果、形成されたパターンの濃度は、全主走査位置に亘って均一であった。
【0032】
[比較例1]
比較例として、実施例1と同じ構成の画像形成装置で、LUT0の設定までを実施例1に記載の方法で実施し、LUT1〜LUT15には、LUT0と同一の値を設定し、図8(A),(B)に示す1ドット幅水平ラインのテストパターン画像を形成して転写材へ出力し、目視にて評価した結果、パターンの濃度は、主走査位置によって異なっていた。特に、ビームの重ね合せにより生成されるパターンでは、濃度の違いが顕著であった。これは、感光体ドラム9上の主走査位置によって光減衰率が異なるためである。
【0033】
以上のように、感光体ドラム9上の主走査位置によって光減衰率が異なるため、比較例1のように主走査位置にかかわらず同一の設定値のLUTを用いると、形成される画像の濃度が主走査位置によって異なってしまうことになるが、実施例1のように、主走査方向の画像領域を複数の領域に分割し、主走査位置に応じて使用するLUT(LUT0〜LUT15)を切り替える構成とし、各LUTの設定は、対応する主走査位置に出力したテストパターンの濃度比較により実施することにより、感光体上の主走査位置によって光減衰率が異なる光学系を用いても、形成される画像の濃度が主走査位置によって異なることがない。したがって、複数のビームの重ね合せにより画像を形成する場合に、形成される画像の濃度が主走査位置により異なることを防止することができる。
【0034】
[実施例2]
図15は本発明の第二の実施例を示す図であって、画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。図15において図1と同符号を付したものは同じ構成部材であり、機能も同じであるので説明を省略する。
本実施例では、図1の画像形成装置の構成に加えて、感光体ドラム9面の光反射率を測定する第1濃度検出部12および第2濃度検出部13と、その第1および第2濃度検出部12,13からの出力を比較する比較器14を、主走査分割領域(領域0〜領域15)毎に設けた構成としたものであり、符号12−1は領域0の第1濃度検出部、13−1は領域0の第2濃度検出部、・・・、12−16は領域15の第1濃度検出部、13−16は領域15の第2濃度検出部、14−1は領域0の比較器、14−16は領域15の比較器である。
【0035】
本実施例では、各領域0〜15の一対の濃度検出部12(−1〜16),13(−1〜16)の測定領域に、濃度が同じであるべき一対のテストパターンの静電潜像を形成してトナーを付着させ、トナー付着部の光反射率を各領域0〜15の濃度検出部12(−1〜16),13(−1〜16)により測定し、その測定結果を各領域毎の比較器14(−1〜16)で逐次比較して、比較結果を画像形成装置本体の制御部(図示せず)へ送るようにした。
このように構成することにより、前述したLUT設定手順は、画像形成装置本体の制御ソフトウェアにより自動化することができる。
【0036】
[実施例3]
図16は、本発明の第3の実施例における画像形成装置の処理フローチャートを示したものである。尚、画像形成装置の構成は、図1または図15と同様である。
本実施例では、一度定めたLUT(コードに対応するパルス幅)を使用し続けた場合、副走査位置に形成される画像と、2つの副走査の中間位置に形成される画像とは、感光体ドラム9の特性の経時変化や、LD6の経時劣化による光量低下などにより、濃度が異なってくるが、画像形成装置の電源がオンとなるたびにLUTを設定することで、濃度の差異が生じないようにしたものである。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明では、主走査方向の画像領域を分割し、主走査位置に応じて使用するLUTを切り替える構成とし、各LUTの設定は、対応する主走査位置に出力したテストパターンの濃度比較により実施するので、記録媒体(感光体ドラム)上の主走査位置によって光減衰率が異なる光学系を用いても、形成される画像の濃度が主走査位置によって異なることがない。したがって、複数のビームの重ね合せにより画像を形成する場合に、形成される画像の濃度が主走査位置により異なることを防止することができる。
【0038】
請求項2記載の発明では、請求項1の構成および効果に加え、分割領域に形成したテストパターンの濃度を、感光体ドラム面上に付着したトナーによる、感光体ドラム面の反射率低下量として濃度検出部により測定するので、LUT設定手順を自動化することができる。
また、請求項3記載の発明では、請求項1または2の構成および効果に加え、LUT設定を、画像形成装置の電源がオンとなるたびに実施するので、感光体ドラムの特性の経時変化や、LDの経時劣化による光量低下に起因する、副走査位置に形成される画像と、2つの副走査の中間位置に形成される画像との濃度差が発生しない、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す図であって、画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像形成装置のLUT回路の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例における主走査方向の分割と、16個のLUT(LUT0〜LUT15)の対応を示す図である。
【図4】本発明の実施例で使用したパターン検出処理回路生成コードの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施例で使用したLUTの設定例を示す図である。
【図6】本発明の実施例で使用したパルス開始位置Sの設定例を示す図である。
【図7】本発明の実施例で使用される2ドット幅垂直ラインの画像パターンと幅コードの例を示す図である。
【図8】本発明の実施例で使用される1ドット幅水平ラインの画像パターンと幅コードの例を示す図である。
【図9】本発明の実施例で使用される3ドット幅水平ラインの画像パターンと幅コードの例を示す図である。
【図10】本発明の実施例で使用される横2ドット網点の画像パターンと幅コードの例を示す図である。
【図11】本発明の実施例で使用される3ドットのL型網点の画像パターンと幅コードの例を示す図である。
【図12】本発明の実施例で使用される5ドットのL型網点の画像パターンと幅コードの例を示す図である。
【図13】本発明の実施例における画像形成装置の処理手順の前半部を示すフローチャートである。
【図14】図13の処理手順に続く後半部を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第二の実施例を示す図であって、画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第3の実施例における画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】従来の画像形成装置の書き込み信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図18】従来の画像データとパターン検出マトリクスの例を示す図である。
【符号の説明】
1:ラインメモリ
2:パターン検出処理回路
3:LUT回路
4:PWM回路
5:LDドライバ
6:LD
7:ポリゴンミラー
8:レンズ
9:感光体ドラム(記録媒体)
10:同期検知器
11:メモリ制御回路
12−1〜12−16:第1濃度検出部
13−1〜13−16:第2濃度検出部
14−1〜1416:比較器
Claims (3)
- ビーム中心の光強度に対して、光強度が1/e2 となる値で定義されたビーム径を有する光ビームを、ビーム径よりも小さい副走査ピッチで記録媒体上を走査することにより、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
形成しようとする画像データから、検出マトリクスにより複数の階級のコードを生成し、この複数の階級のコードに対応して各々設定されたパルス幅の光ビームで記録媒体上を走査することにより、機械的な副走査ピッチよりも小さなピッチで記録媒体上に画像を形成する過程において、前記複数の階級のコードに対応して出力する光ビームのパルス幅を定めたLUT(ルックアップテーブル)を複数備え、主走査位置を複数の領域に分割し、各分割領域毎に異なるLUTを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
記録媒体面の光反射率を測定する濃度検出部を各分割領域毎に設け、検出マトリクスに対する相対位置が異なる複数のテストパターンを記録媒体面上に形成し、形成された複数のテストパターンの濃度を、濃度検出部により測定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2記載の画像形成装置において、
複数の階級のコードに対応するパルス幅の設定を、画像形成装置の電源がオフからオンとなったときに実施することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002195937A JP2004034546A (ja) | 2002-07-04 | 2002-07-04 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002195937A JP2004034546A (ja) | 2002-07-04 | 2002-07-04 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004034546A true JP2004034546A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31704179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002195937A Pending JP2004034546A (ja) | 2002-07-04 | 2002-07-04 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004034546A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008094079A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-04-24 | Konica Minolta Systems Lab Inc | プリンタにおけるピクセルデータ処理の方法及びシステム |
JP2010030214A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、画像形成方法、プログラムおよび記録媒体 |
-
2002
- 2002-07-04 JP JP2002195937A patent/JP2004034546A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008094079A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-04-24 | Konica Minolta Systems Lab Inc | プリンタにおけるピクセルデータ処理の方法及びシステム |
JP2010030214A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、画像形成方法、プログラムおよび記録媒体 |
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