JP2004033916A - 攪拌機における水面旋回流の発生防止機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水面上に配設された電動機5により回転する中空軸1の水中部の下端に攪拌用羽根2を取り付け、この中空軸1の外周を筒状のカバー4にて覆うように構成した攪拌機において、攪拌用羽根2の近傍に、旋回流発生防止用羽根10を取り付けるようにする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、攪拌機における水面旋回流の発生防止機構、特に下水や汚水処理場にて使用する攪拌機、或いは曝気攪拌機(以下、本明細書において、「攪拌機」という。)において、攪拌機の駆動により水面に汚水の渦や旋回流れが生じるのを未然に防止するようにした攪拌機における水面旋回流の発生防止機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、下水や汚水の処理場において、処理槽P内に設置して使用する攪拌機Sは、図4に示すように、水面上に配設した電動機5により回転する中空軸1の下端に、水面下となる位置に攪拌用羽根2を取り付け、該中空軸1の外周部を筒状のカバー4にて覆うように構成している。
この攪拌機Sにおいては、電動機5により中空軸1、攪拌用羽根2を回転させることにより、汚水は水面近くから吸い込まれて攪拌されつつ、攪拌用羽根2の下端より水槽底部に向かって押し出される水流cが発生し、処理槽P内の汚水の攪拌、又は必要に応じて曝気をも行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の攪拌機Sは、水面近くの汚水が攪拌用羽根2により吸い込まれるときに、水面近くから渦eや旋回流れtが発生しやすく、このような渦eや旋回流れtが生じると、攪拌用羽根2に流入する流れが変わり、攪拌機Sの負荷が変化したり、或いは攪拌用羽根2に渦を吸い込むときに騒音が生じるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来の攪拌機の有する問題点に鑑み、攪拌運転時に水面近くから渦や旋回流れを生じるのを未然に防ぐことができる攪拌機における水面旋回流の発生防止機構を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の攪拌機における水面旋回流の発生防止機構は、水面上に配設された電動機により回転する中空軸の水中部の下端に攪拌用羽根を取り付け、該中空軸の外周を筒状のカバーにて覆うように構成した攪拌機において、攪拌用羽根の近傍に、旋回流発生防止用羽根を取り付けたことを特徴とする。
【0006】
上記の構成からなる本発明の攪拌機における水面旋回流の発生防止機構は、攪拌用羽根の近傍に、旋回流発生防止用羽根を取り付けているので、攪拌用羽根の回転により水面位置の汚水を吸い込むときの水面での渦や旋回流の発生を抑えることができるため、攪拌機の負荷を一定にし、効率的な処理を行えるようにできるとともに、攪拌用羽根にて渦や旋回流を吸い込むこともなく、騒音の発生を抑制することができる。
【0007】
この場合、旋回流発生防止用羽根を、攪拌用羽根の上部外周部位置にあたる筒状のカバーの外周に、中空軸と平行で、かつ該中空軸を中心に放射状に取り付けた複数枚の垂直平板と、この放射状の垂直平板の上面で中空軸と直角となるように取り付けた円盤とより構成することができる。
【0008】
これにより、攪拌用羽根上部の水面近くに放射状の垂直平板と円盤とを組み合わせて旋回流発生防止用羽根を構成しているから、水面位置の汚水を吸い込むときの水面での渦や旋回流の発生を簡易に抑えることができるとともに、垂直平板と円盤とを組み合わせて構成することにより、旋回流発生防止用羽根の強度が増し、薄い板でも製作することができる。
【0009】
また、この場合、旋回流発生防止用羽根を構成する放射状の垂直平板を、中空軸に平行な方向の長さを攪拌用羽根外径の1〜8倍、中空軸に直角な方向の長さを先端部が攪拌用羽根外径の3〜8倍の円の範囲内に設定することができる。
【0010】
これにより、放射状に配列配置する複数枚の垂直平板の長さを、攪拌用羽根外径の1〜8倍に、また放射状の直径を、同3〜8倍とすることにより、水面位置の汚水を攪拌用羽根の回転により吸い込むとき、水面での渦や旋回流の発生をより効果的に抑えることができる。
【0011】
また、この場合、旋回流発生防止用羽根を構成する円盤を、中空軸に対し直角で、攪拌用羽根外径の3〜8倍の範囲内で、放射状の垂直平板の外径と一致するように設定することができる。
【0012】
これにより、旋回流発生防止用羽根の円盤径を、攪拌用羽根外径の3〜8倍の範囲内で、放射状の垂直平板の外径と一致させているので、放射状の垂直平板と円盤とを一体とすることができ、外形をコンパクトに成形することができる。
【0013】
また、この場合、攪拌用羽根を、1つを水面上に、1つを水中になるよう分断して配設することができる。
【0014】
これにより、1台の攪拌機により、汚水の攪拌と曝気とを切り換えて使用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の攪拌機における水面旋回流の発生防止機構の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図においてPは、下水や汚水の処理場に配設される処理槽で、この処理槽P内に攪拌機Sを設置して処理槽P内に流入する汚水などを攪拌、又は曝気して処理するものである。
この攪拌機Sは、図1に示すように、水面上に配設した電動機5により回転する中空軸1の下端に、水面下となる位置に攪拌用羽根2を取り付け、該中空軸1の外周部を筒状のカバー4にて覆うように構成している。
この攪拌用羽根2は、特に限定されるものではなく、スクリュー式、その他の形状を採用することができる。
【0017】
また、本発明では、この攪拌機Sに旋回流発生防止用羽根10を取り付ける。この旋回流発生防止用羽根10は、図2に示すように、放射状に配設する垂直平板11と、この放射状の垂直平板11の上面に載置するように配設する円盤12とより構成する。
この垂直平板11は、攪拌用羽根上部の水面近くの筒状のカバー4の外周部に、中空軸1の中心Cと一致するようにして、放射状に特に限定されるものではないが、例えば4枚をほぼ等角度に配設し、筒状のカバー4と固定し、さらにこの放射状の垂直平板11,11の上に円盤12を載せるようにする。そして垂直平板11と同様に筒状のカバー4に固定するが、この場合、垂直平板11と円盤12との間も、互いに溶接やボルト締めで固定し、これにより一体とする。
これにより、垂直平板11、円盤12の単独の場合と比べて大幅に強度が増加するので、それぞれの板を薄い板で構成することができる。
【0018】
また、放射状に配列する垂直平板11の大きさは、図1、図2に示すように、中空軸1に平行な方向の長さLは、攪拌用羽根2の外径dの1〜8倍の範囲内にて設定し、また中空軸1に直角な方向の長さDは、先端部が攪拌用羽根2の外径dに対し、3〜8倍の直径Dの円の範囲内で設定する。このように垂直平板11の垂直方向及び円周方向の大きさを設定することにより、攪拌用羽根2の回転により汚水の水面位置に発生する渦e、旋回流tの発生を抑制する効果が大きい。さらに、垂直平板11の配設数は、3枚以上が効果が大きい。
【0019】
また、円盤12の外径Dは、攪拌用羽根2の外径dの3〜8倍の範囲に設定するのが効果が大きい。
なお、この場合、円盤12の外径Dと、放射状に配列する垂直平板11の中空軸1に直角な方向の長さ(大きさ)とを等しくすることが望ましい。
【0020】
このように構成する攪拌機Sにおいて、電動機5により中空軸1、攪拌用羽根2を回転させることにより、汚水は水面近くから吸い込まれて攪拌されつつ、攪拌用羽根2の下端より水槽底部に向かって押し出される水流cが発生し、処理槽P内の汚水の攪拌、又は必要に応じて曝気をも行う。
このとき、攪拌用羽根2の近傍、例えば攪拌用羽根2の上部外周位置の筒状のカバー4に、旋回流発生防止用羽根10を配設しているため、攪拌用羽根2の回転により、汚水が水面近くから吸い込まれても、水面位置に渦e、旋回流tの発生が抑制され、このため攪拌機Sの負荷が変化することなく、さらには騒音の発生も抑制して効率的な攪拌を行うものとなる。
【0021】
また、図3に示すものは、中空軸1に曝気用羽根3と攪拌用羽根2の2つの羽根を、水面上と水中とに分断して設け、曝気と攪拌が可能な曝気攪拌機に応用した例である。この場合も、攪拌時において、攪拌専用機と同じように渦eや旋回流tの発生を抑える効果を期待することができる。
【0022】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、攪拌用羽根の近傍に、旋回流発生防止用羽根を取り付けているので、攪拌用羽根の回転により水面位置の汚水を吸い込むときの水面での渦や旋回流の発生を抑えることができるため、攪拌機の負荷を一定にし、効率的な処理を行えるようにできるとともに、攪拌用羽根にて渦や旋回流を吸い込むこともなく、騒音の発生を抑制することができる。
【0023】
また、請求項2記載の発明によれば、攪拌用羽根上部の水面近くに放射状の垂直平板と円盤とを組み合わせて旋回流発生防止用羽根を構成しているから、水面位置の汚水を吸い込むときの水面での渦や旋回流の発生を簡易に抑えることができるとともに、垂直平板と円盤とを組み合わせて構成することにより、旋回流発生防止用羽根の強度が増し、薄い板でも製作することができる。
【0024】
また、請求項3記載の発明によれば、放射状に配列配置する複数枚の垂直平板の長さを、攪拌用羽根外径の1〜8倍に、また放射状の直径を、同3〜8倍とすることにより、水面位置の汚水を攪拌用羽根の回転により吸い込むとき、水面での渦や旋回流の発生をより効果的に抑えることができる。
【0025】
また、請求項4記載の発明によれば、旋回流発生防止用羽根の円盤径を、攪拌用羽根外径の3〜8倍の範囲内で、放射状の垂直平板の外径と一致させているので、放射状の垂直平板と円盤とを一体とすることができ、外形をコンパクトに成形することができる。
【0026】
また、請求項5記載の発明によれば、攪拌用羽根を、1つを水面上に、1つを水中になるよう分断して配設しているので、1台の攪拌機により、汚水の攪拌と曝気とを切り換えて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の攪拌機における水面旋回流の発生防止機構の第1実施例を示す縦断正面図である。
【図2】旋回流発生防止用羽根を示し、(A)は図1に示すX−X線による平面図、(B)は正面図である。
【図3】本発明の攪拌機における水面旋回流の発生防止機構の第2実施例を示す縦断正面図である。
【図4】従来の攪拌機を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 中空軸
2 攪拌用羽根
3 曝気用羽根
4 筒状のカバー
5 電動機
10 旋回流発生防止用羽根
11 垂直平板
12 円盤
Claims (5)
- 水面上に配設された電動機により回転する中空軸の水中部の下端に攪拌用羽根を取り付け、該中空軸の外周を筒状のカバーにて覆うように構成した攪拌機において、攪拌用羽根の近傍に、旋回流発生防止用羽根を取り付けたことを特徴とする攪拌機における水面旋回流の発生防止機構。
- 旋回流発生防止用羽根を、攪拌用羽根の上部外周部位置にあたる筒状のカバーの外周に、中空軸と平行で、かつ該中空軸を中心に放射状に取り付けた複数枚の垂直平板と、この放射状の垂直平板の上面で中空軸と直角となるように取り付けた円盤とより構成したことを特徴とする請求項1記載の攪拌機における水面旋回流の発生防止機構。
- 旋回流発生防止用羽根を構成する放射状の垂直平板を、中空軸に平行な方向の長さを攪拌用羽根外径の1〜8倍、中空軸に直角な方向の長さを先端部が攪拌用羽根外径の3〜8倍の円の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の攪拌機における水面旋回流の発生防止機構。
- 旋回流発生防止用羽根を構成する円盤を、中空軸に対し直角で、攪拌用羽根外径の3〜8倍の範囲内で、放射状の垂直平板の外径と一致するように設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の攪拌機における水面旋回流の発生防止機構。
- 攪拌用羽根を、1つを水面上に、1つを水中になるよう分断して配設したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の攪拌機における水面旋回流の発生防止機構。
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JP2002194532A JP4040373B2 (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 攪拌機における水面旋回流の発生防止機構 |
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KR101625633B1 (ko) * | 2014-09-29 | 2016-05-31 | 삼성중공업 주식회사 | 혼합액 교반 장치 |
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2002
- 2002-07-03 JP JP2002194532A patent/JP4040373B2/ja not_active Expired - Fee Related
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