JP2004033616A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高調波イメージングを行なう超音波診断装置において、2値信号を用いて位相反転法を実現する。
【解決手段】第1回目の超音波送信において、ローレベルから始まりハイレベルで終わる2値信号で振動子を駆動する。反射してきた超音波を受信して、受信信号を波形メモリに記憶する。第2回目の超音波の送信において、ハイレベルから始まりローレベルで終わる2値信号で振動子を駆動する。反射してきた超音波を受信して、受信信号と、波形メモリに記憶してある受信信号を、第1回目の超音波と第2回目の超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算する。加算した信号を画像化して表示する。このようにして、2値信号を用いても、位相反転法による高調波イメージングが実現できる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波成分を利用して画像化を行なう超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断装置は、探触子から超音波を被検体に照射し、そのエコー信号の強度を、対応する画素の輝度に変換することで、被検体の断層画像を得る装置である。図23に、従来の一般的な電子走査型の超音波診断装置の機能ブロック図を示す。図23を参照しながら、従来の超音波診断装置の構成と動作を説明する。制御部53は、超音波診断装置全体をコントロールしている。送信部50は、送信制御部52と駆動回路51からなり、制御部53の指示を受けて、電子走査探触子1を駆動する送信駆動波形を発生する。送信制御部52は、超音波が、定められた位置/方向に収束/偏向するように、個々の振動子を駆動するタイミング信号を発生する。駆動回路51は、そのタイミングに従って、振動子を駆動する送信駆動波形を発生する。送受スイッチ群9は、送受信に使用する振動子を、振動子アレイ18から選択する。
【0003】
電子走査探触子1は、振動子アレイ18を含み、超音波を送受信する。振動子アレイ18は、送信部50からの送信駆動波形を超音波に変換して照射するとともに、反射してきた超音波エコーを電気信号に変換する。受信部3は、増幅器13とビームフォーマ14からなる。増幅器13は、振動子アレイ18のそれぞれの振動子で受信した受信信号を増幅する。ビームフォーマ14は、それぞれの受信信号に対して、定められた遅延を与えた後加算して、定められた位置/方向からの超音波のみを検出する。一般的に、増幅器13は、フォーカス部の深度や受信方向に応じて増幅率を変える。
【0004】
中間信号処理部4は、バンドパスフィルタ15と対数増幅器16と検波器17からなる。バンドパスフィルタ15は、受信深度や受信方向に応じて、中心周波数と帯域幅を変えることができ、受信信号の特性に合わせたフィルタリングを行なうことで、最良の分解能とSN比が得られるようにしている。対数増幅器16は、受信信号のダイナミックレンジを圧縮する。検波器17は、受信信号を検波して、受信信号の強度を輝度に変換する。DSC部5は、探触子からの距離と方向(つまり極座標)で表される受信信号をXY座標に変換する。モニタ6に、断層画像を表示する。
【0005】
図24に、リニア走査を行なう電子走査型超音波診断装置の送受信部周辺の詳細な構成を示す。送受スイッチ群9は、振動子26−1〜26−nと同数のスイッチ27−1〜27−nで構成され、振動子アレイ18から振動子を選択して、超音波走査線の基点を決定する。例えば、スイッチ27−1〜27−4を選択すると、超音波走査線の基点は、振動子26−2と26−3の間に設定される。スイッチ27−2〜27−5を選択すると、超音波走査線の基点は、振動子26−3と26−4の間に設定される。このように、スイッチを順次切り換えていくことで、被検体内を2次元的に走査する。
【0006】
駆動回路51としては、図25〜図27に示すような駆動回路が一般的に用いられる。図25に示す駆動回路は、送信制御部12からのタイミング信号を開始トリガとして、波形メモリ30に記憶された波形を、DAC31でディジタル信号からアナログ波形に変換し、線形増幅器32で増幅して、振動子を駆動するものである。この方式では、任意の送信駆動波形で振動子を駆動することができ、特性のよい超音波を送信できるが、回路規模が大きく、かつ効率が悪いといったデメリットがあるため、高級機のみに用いられている。
【0007】
図26に示す駆動回路は、送信制御部12からのタイミング信号に従って、電源とグランドのいずれかに接続するスイッチング動作をして、2値パルス波形を発生し、振動子を駆動するものである。この方式は、駆動回路がシンプルで効率もよいため、多くの装置に用いられている。図27に示す駆動回路も同様であるが、正電源か負電源かグランドのいずれかに接続するスイッチング動作をして、3値パルス波形を発生し、振動子を駆動するものである。図26に示す駆動回路と比べて、制御線が2本必要であるが、周波数特性の良い送信駆動波形が得られる。
【0008】
ところで、近年、生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波を利用して、より高い分解能を持つ画像を得る方法が開発されている。高調波を検出する方法としては、フィルタ法、位相反転法、振幅変調法の3種類がある。フィルタ法は、高調波を抑圧した超音波を送信し、受信信号をハイパスフィルタ処理して、高調波成分を検出するものである。この方法では、送信波形にもともと含まれる高調波成分を、いかにして抑圧するかがポイントである。特開平11−347030号公報や特開2001−610065号公報に開示されている方法によれば、ガウシアン波形をパルス幅変調することで、この問題を解決している。しかし、この方法では、パルスの幅を精密に制御しなければ、十分な効果が得られないうえ、送信波形に含まれる高調波を、完全には抑圧できないという問題がある。
【0009】
位相反転法は、位相の反転した2種類の送信波形を用いて2回の送信を行ない、受信信号を加算して高調波成分を検出するものである。2回の送信波形に含まれる基本周波数成分は、すべて位相が反転しているのに対し、生体の非線形現象により発生した第2高調波は、位相がそろっているため、加算により、生体内で発生した第2高調波のみを検出できる。図28に、この方法を用いた超音波診断装置の構成を示す。図28に示す装置では、ビームフォーマ14と中間信号処理部4の間に、1音響線分の受信信号を記憶できる波形メモリ65と、加算部66を設けている。このような装置では、第1回目の送受信により得られた受信信号を波形メモリ65に記憶し、位相を反転して送信を行なった第2回目の受信信号とタイミングを合わせて加算する。したがって、駆動回路は、図25に示すような、任意の波形を発生できる回路や、図27に示すような、3値パルス波形を発生できる回路に限られ、図26に示すような、2値パルス波形を発生する回路を用いることはできなかった。
【0010】
振幅変調法は、生体内で発生する高調波の発生率が、送信振幅の2乗に比例することを利用する方法である。振幅の異なる2回の送受信で得られた受信信号を、送信振幅に応じてゲイン補正を行なった後、減算する。この方法では、2値の送信駆動波形を用いることができるが、送信パルスの振幅を、2回の送信で変える必要がある。そのために、特開2001−353155号公報に開示された装置では、2つの駆動回路を用いている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の高調波イメージング超音波診断装置では、通常モードで使用する駆動回路とは別に、3値パルス波形を発生する駆動回路を必要とするために、コストアップとなるという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波成分を利用して画像化を行なう超音波診断装置において、位相反転法を2値の送信駆動パルスを用いて実現することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、反射超音波撮像方法を、ローレベルから始まりハイレベルで終わる第1の2値信号で探触子の振動子を駆動して第1回目の超音波を送信し、反射してきた超音波を受信して第1受信信号として記憶し、第2回目の超音波の送信において、ハイレベルから始まりローレベルで終わる第2の2値信号で前記探触子の振動子を駆動して第2回目の超音波を送信し、反射してきた超音波を受信して第2受信信号とし、第1受信信号と第2受信信号とを、第1回目の超音波と第2回目の超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算し、加算後の受信信号を用いて画像を生成する方法としたので、2値の送信駆動波形を用いても、位相の反転した2種類の超音波を送信でき、それらの受信信号を加算することにより、高調波成分を検出できる。
【0014】
また、超音波診断装置を、複数の振動子から構成される電子走査型探触子と、出力をハイレベルおよびローレベルのいずれにも保持できる送信駆動回路と、1音響線分の受信信号を記憶できる波形メモリと、波形メモリに記憶された受信信号と電子走査型探触子からの受信信号とを、第1回目の超音波と第2回目の超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算する加算器と、加算した受信信号から画像を生成する手段と、送信駆動回路を制御して、第1回目の超音波の送信において、ローレベルから始まりハイレベルで終わる第1の送信駆動信号を発生させ、第2回目の超音波の送信において、ハイレベルから始まりローレベルで終わる第2の送信駆動信号を発生させる制御手段とを具備する構成としたので、2値の送信駆動波形を用いても、位相の反転した2種類の超音波を送信でき、それらの受信信号を加算することにより、高調波成分を検出できる。
【0015】
また、超音波診断装置を、振動子を機械走査機構によって回転または揺動走査する機械走査型探触子と、出力をハイレベルおよびローレベルのいずれにも保持できる送信駆動回路と、1画像フレーム分の受信信号を記憶できる波形メモリと、波形メモリに記憶された受信信号と機械走査型探触子からの受信信号とを走査線番号対応に、第1フレームの超音波と第2フレームの超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算する加算器と、加算した受信信号から画像を生成する手段と、送信駆動回路を制御して、第1フレームの奇数番号の音響走査線と第2フレームの偶数番号の音響走査線の超音波の送信において、ローレベルから始まりハイレベルで終わる第1の送信駆動信号を発生させ、第2フレームの奇数番号の音響走査線と第1フレームの偶数番号の音響走査線の超音波の送信において、ハイレベルから始まりローレベルで終わる第2の送信駆動信号を発生させる制御手段とを具備する構成としたので、機械走査型超音波診断装置において、2値の送信駆動波形を用いても、位相の反転した2種類の超音波を送信でき、それらの受信信号を加算することにより、高調波成分を検出できる。
【0016】
また、反射超音波撮像方法を、各振動子を正の2値パルスか半周期遅れた負の2値パルスかのいずれかで駆動して第1回目の超音波を送信し、反射してきた超音波を受信して第1受信信号として記憶し、第2回目の超音波の送信において、第1回目で正の2値パルスで駆動した振動子を負の2値パルスで駆動し、第1回目で半周期遅れた負の2値パルスで駆動した振動子を半周期遅れた正の2値パルスで駆動して第2回目の超音波を送信し、反射してきた超音波を受信して第2受信信号とし、第1受信信号と第2受信信号とを、第1回目の超音波と第2回目の超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算し、加算後の受信信号を用いて画像を生成する方法としたので、正負の2種類の2値パルスを組み合わせて、位相の反転した2種類の送信波形を送信でき、各受信信号を加算することにより高調波成分を検出できる。
【0017】
また、正の2値パルスで駆動する振動子の位置と、半周期遅れた負の2値パルスで駆動する振動子の位置を、開口中心に対して対称としたので、超音波の進行方向に対して対称な、特性のよい超音波を被検体に照射できる。
【0018】
また、正の2値パルスで駆動する振動子の数と、半周期遅れた負の2値パルスで駆動する振動子の数を同数としたので、駆動回路を最小限の数とし、効率よく使用できる。
【0019】
また、正の2値パルスで駆動する振動子と、半周期遅れた負の2値パルスで駆動する振動子が、開口中心の片側を単位とする振動子群の中で交互に配置されているようにしたので、サイドローブがより少ない、特性のよい超音波を被検体に照射できるとともに、振動子を駆動する駆動回路を選択するスイッチを簡略化できる。
【0020】
また、超音波診断装置を、複数の振動子から構成される電子走査型探触子と、正の2値パルスを発生する第1送信駆動回路と、負の2値パルスを発生する第2送信駆動回路と、電子走査型探触子と第1送信駆動回路の間と電子走査型探触子と第2送信駆動回路の間とに設けられた位相選択スイッチ群と、第1送信駆動回路と第2送信駆動回路と位相選択スイッチ群とを制御して第1回目の超音波の送信と第2回目の超音波の送信とを行なうように制御する制御部と、第1回目の超音波の送信後に電子走査型探触子で受信した1音響線分の反射超音波信号を第1受信信号として記憶する波形メモリと、第2回目の超音波の送信後に電子走査型探触子で受信した反射超音波信号である第2受信信号と第1受信信号とを、第1回目の超音波と第2回目の超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算して加算受信信号を出力する加算器と、加算受信信号から画像を生成する手段とを具備し、制御部に、第1回目の超音波の送信において各振動子に正の2値パルスか半周期遅れた負の2値パルスかのいずれかを選択的に印加して駆動するように制御する手段と、第2回目の超音波の送信において第1回目で正の2値パルスを印加した振動子を負の2値パルスで駆動するとともに第1回目で半周期遅れた負の2値パルスを印加した振動子を半周期遅れた正の2値パルスで駆動するように制御する手段とを備えた構成としたので、正負の2種類の2値パルスを組み合わせて、位相の反転した2種類の送信波形を送信し、それらを加算することにより高調波成分を検出でき、その高調波成分を用いて画像を作成できる。
【0021】
また、超音波診断装置を、複数の振動子から構成される電子走査型探触子と、正の2値パルスを発生する第1送信駆動回路と、負の2値パルスを発生する第2送信駆動回路と、電子走査型探触子と第1送信駆動回路の間と電子走査型探触子と第2送信駆動回路の間とに設けられたクロスポイントスイッチと、第1送信駆動回路と第2送信駆動回路とクロスポイントスイッチとを制御して第1回目の超音波の送信と第2回目の超音波の送信とを行なうように制御する制御部と、第1回目の超音波の送信後に電子走査型探触子で受信した1音響線分の反射超音波信号を第1受信信号として記憶する波形メモリと、第2回目の超音波の送信後に電子走査型探触子で受信した反射超音波信号である第2受信信号と第1受信信号とを、第1回目の超音波と第2回目の超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算して加算受信信号を出力する加算器と、加算受信信号から画像を生成する手段とを具備し、制御部に、第1回目の超音波の送信において各振動子に正の2値パルスか半周期遅れた負の2値パルスかのいずれかを選択的に印加して駆動するように制御する手段と、第2回目の超音波の送信において第1回目で正の2値パルスを印加した振動子を負の2値パルスで駆動するとともに第1回目で半周期遅れた負の2値パルスを印加した振動子を半周期遅れた正の2値パルスで駆動するように制御する手段とを備えた構成としたので、より少ない駆動回路で、正負の2種類の2値パルスを組み合わせて、位相の反転した2種類の送信波形を送信し、それらを加算することにより高調波成分を検出でき、その高調波成分を用いて画像を作成できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図22を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態は、第1回目の超音波送信において、ローレベルから始まりハイレベルで終わる2値パルスで振動子を駆動し、反射超音波を受信して記憶し、第2回目の超音波送信において、ハイレベルから始まりローレベルで終わる2値パルスで振動子を駆動し、反射超音波を受信して、記憶してある受信信号とタイミングを合わせて加算し、画像を形成して表示する超音波診断装置である。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施の形態における超音波診断装置の動作説明図である。図2は、超音波診断装置の送信駆動波形と送信波形を示す図である。図3は、電子走査型超音波診断装置の機能ブロック図である。図3において、駆動回路11は、送信制御部12からの2値パルス波形を出すための制御信号に基づき2値のパルス波形の信号を出力する回路である。低域除去フィルタ22は、感度の低下を防ぐためのもので、振動子と受信部3に対する直流バイアス電圧を取り除く手段である。図28に示した従来の超音波診断装置と同一の機能、動作をする個所には、同一の符号を付してあり、説明は省略する。
【0025】
図4は、本発明の第1の実施の形態における機械走査型超音波診断装置の機能ブロック図である。図4において、機械走査探触子8は、単一の振動子19と機械走査機構24からなる探触子である。機械走査機構24は、振動子19の方向を連続的に変える手段である。送信部2および受信部3は、1素子分のみの回路である。図3に示した超音波診断装置と同一の機能、動作をする個所には、同一の符号を付してあり、説明は省略する。図5は、機械走査型超音波診断装置の各画像フレームで送信する駆動信号の種類を説明する図である。
【0026】
上記のように構成された本発明の第1の実施の形態における超音波診断装置の動作を説明する。最初に、本実施の形態における超音波診断装置の動作原理を、図1と図2を用いて説明する。図2(A)と図2(C)は、駆動回路11の出力波形、つまり送信駆動波形を示す図である。図2(B)と図2(D)は、それらの送信駆動波形で振動子を駆動したときに送信される超音波の送信波形を示す図である。図2(A)は、ローレベルで始まり、ハイレベルで終わる波形である。図2(C)は、ハイレベルで始まり、ローレベルで終わる波形である。振動子の周波数特性は、直流を通さない一種のバンドパスフィルタとみなせるので、図2(A)の送信駆動波形を用いると、送信される超音波の波形は、図2(B)のようになる。図2(C)の送信駆動波形を用いると、送信される超音波の波形は、図2(D)のようになる。図2(B)と図2(D)は、ちょうど位相の反転した波形となる。
【0027】
このような波形を用いて、生体の非線形現象により発生する高調波を検出する方法を、図1を用いて説明する。図1に示すように、同一の方向に2回の送受信を行なう。図1(A)に示すように、第1回目の送信は、図2(A)に示した送信駆動波形を用いる。第2回目の送信は、図2(C)に示した送信駆動波形を用いる。第1回目の送信から第2回目の送信までの間は、送信駆動波形は、ハイレベルに保持されている。送信される波形は、図1(B)の送信波形#1と送信波形#2に示すように、第1回目と第2回目で位相が反転している。
【0028】
受信波形は、図1(B)の受信波形#1と受信波形#2に示すように、基本波成分は、第1回目と第2回目で位相が反転している。そこで、図1(C)に示すように、第1回目の送受信波形#1と第2回目の送受信波形#2を、第1回目の送信超音波と第2回目の送信超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算する。送信波形と受信波形のうち、基本波成分は、位相が逆であるため相殺される。したがって、生体または造影剤の非線形現象により発生する第2高調波成分のみを検出することができる。この操作を、1画像フレームを構成する音響線の数だけ行なうことにより、2値の送信駆動波形を用いても、生体の非線形現象により発生する高調波成分のみを用いた分解能のよい画像を得ることができる。
【0029】
本発明の主旨は、一方の送信駆動波形は、ローレベルで始まりハイレベルで終わる波形とし、他方の送信駆動波形は、ハイレベルで始まりローレベルで終わる波形とするところにある。このため、図2(E)と図2(F)に示す波形などは、すべて本発明に含まれるものである。
【0030】
図3を参照しながら、上記の原理を用いた超音波診断装置の動作を説明する。生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波を利用して画像化を行なう電子走査型の超音波診断装置の具体的な構成を、図3に示す。駆動回路11は、出力を、ローレベルとハイレベルのいずれにも保持できるようにした回路であり、2値のパルス波形を出力する。低域除去フィルタ22は、最も簡単な構成としては、直列に挿入したコンデンサである。振動子と受信部3に対する直流バイアス電圧を取り除き、超音波エコーを受信する際の感度低下を防ぐ。
【0031】
送受信は、同じ方向に対して2回ずつ行なう。第1回目の送信は、図2(A)に示した送信駆動波形を用いる。受信信号は、波形メモリ20に蓄える。この間、送信駆動波形は、ハイレベルに保持する。第2回目の送信は、図2(C)に示した送信駆動波形を用いる。受信信号は、加算器21において、波形メモリ20に蓄えられた第1回目の受信信号とタイミングを合わせて加算される。これにより、生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波成分のみを検出することができる。この操作を、送受信方向を変え、1画像フレームを構成する音響線の数だけ行なう。2値の送信駆動波形を用いた電子走査型超音波診断装置においても、生体の非線形現象により発生する高調波成分のみを用いた分解能のよい画像を得ることができる。
【0032】
図4と図5を参照しながら、上記の原理を用いた機械走査型の超音波診断装置の動作を説明する。生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波を利用して、画像化を行なう機械走査型の超音波診断装置の具体的な構成を、図4に示す。機械走査探触子8は、単一の振動子19と、定められた方向に振動子19を向けるモーターなどの機械走査機構24からなる。機械走査機構24で、振動子19の方向を連続的に変えながら送受信を行なう。振動子19が1回転すると、1枚の画像が得られる。送信部2および受信部3は、1素子分のみの回路である。したがって、送受スイッチ群9を有しない。また、受信部3は、ビームフォーマ14を有しない。波形メモリ23は、1画像フレーム分の受信信号を記憶できるだけの容量を持つ。
【0033】
機械走査型の超音波診断装置では、モーターなどの機械走査機構24を用いて、振動子19の向きを変化させながら送受信を行なう。そのため、同じ方向に複数回送受信し、次に方向を変えて複数回送受信するといった、電子走査型では容易な制御が困難である。そこで、本実施の形態の機械走査型の超音波診断装置では、1画像フレーム分の受信信号を記憶できる波形メモリ23を設ける。第1画像フレーム目の受信信号をすべて記憶し、第2フレーム目の同じ方向の受信信号と、タイミングを合わせて加算する。このとき、図2(A)に示した送信駆動波形と、図2(C)に示した送信駆動波形を、交互に用いて送受信を行なう。
【0034】
図5に、第1画像フレームと第2画像フレームのそれぞれの音響線で使用する送信駆動波形の種類を示す。実線で示した音響線では、図2(A)で示した送信駆動波形を用いて超音波送信を行なう。点線で示した音響線では、図2(C)で示した送信駆動波形を用いて超音波送信を行なう。つまり、第1画像フレームでは、奇数番号の音響線に、図2(A)に示した送信駆動波形を用いる。偶数番号の音響線では、図2(C)に示した送信駆動波形を用いる。また、第2画像フレームでは、奇数番号の音響線に、図2(C)に示した送信駆動波形を用いる。偶数番号の音響線では、図2(A)に示した送信駆動波形を用いる。このようにすることにより、同一方向の音響線では、第1画像フレームと第2画像フレームで、送信波形の位相を反転させることができる。受信信号を、タイミングを合わせて加算することにより、生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波成分のみを検出することができる。これにより、2値の送信駆動波形を用いた機械走査型超音波診断装置においても、生体の非線形現象により発生する高調波成分のみを用いた、分解能のよい画像を得ることができる。
【0035】
上記のように、本発明の第1の実施の形態では、超音波診断装置を、第1回目の超音波送信において、ローレベルから始まりハイレベルで終わる2値パルスで振動子を駆動し、反射超音波を受信して記憶し、第2回目の超音波送信において、ハイレベルから始まりローレベルで終わる2値パルスで振動子を駆動し、反射超音波を受信して、記憶してある受信信号とタイミングを合わせて加算し、画像を形成して表示する構成としたので、2値の送信駆動波形を用いて、位相の反転した2種類の送信波形を送信し、それらの受信信号を加算して、高調波成分を検出できる。
【0036】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、第1回目の超音波送信において、各振動子を、正の2値パルスか半周期遅れた負の2値パルスのいずれかで選択的に駆動し、反射信号を受信して記憶し、第2回目の超音波送信において、第1回目で正の2値パルスで駆動した振動子を負の2値パルスで駆動し、第1回目で半周期遅れた負の2値パルスで駆動した振動子を半周期遅れた正の2値パルスで駆動し、反射信号を受信して、記憶してある受信信号とタイミングを合わせて加算し、画像を形成して表示する超音波診断装置である。
【0037】
図6は、本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置で用いる2種類の送信駆動波形を示した図である。図7は、超音波診断装置の動作説明図である。図8は、超音波診断装置の振動子に印加する正負パルスの配置を、開口中心対称とした場合の動作説明図である。図9は、超音波診断装置の振動子に印加する正と負のパルス数を同数とした場合の動作説明図である。図10は、超音波診断装置の振動子に印加する正負パルスを、開口中心の両側それぞれの中で交互に配置した場合の動作説明図である。
【0038】
図11は、本発明の第2の実施の形態における電子走査型超音波診断装置の機能ブロック図である。図12は、電子走査型超音波診断装置の送受信部の機能ブロック図である。図11と図12において、駆動回路11は、正の2値パルスと負の2値パルスを発生する回路である。駆動回路29−1は、正の2値パルスを発生する回路である。駆動回路29−2は、負の2値パルスを発生する回路である。位相選択スイッチ群25は、クロスポイントスイッチで駆動信号の位相を選択する手段である。図25と図29に示した回路と同一の機能、動作をする個所は、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0039】
図13は、本発明の第2の実施の形態における電子走査型超音波診断装置の駆動回路図である。図14、図15、図16は、電子走査型超音波診断装置の動作説明図である。図17は、位相選択スイッチを2入力1出力スイッチとした図である。図18は、位相選択スイッチをオンオフスイッチとした図である。図19は、位相選択スイッチを2入力1出力スイッチのサイクリック構成とした図である。
【0040】
図20は、本発明の第2の実施の形態における第2の電子走査型超音波診断装置の機能ブロック図である。図21は、第2の電子走査型超音波診断装置の送受信部の機能ブロック図である。図20と図21において、駆動回路11は、正のパルスと負のパルスを発生する回路である。図11と図12に示した回路と同一の機能、動作をする個所は、同一の符号を付し、説明を省略する。図22は、第2の電子走査型超音波診断装置の動作説明図である。
【0041】
上記のように構成された本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置の動作を説明する。最初に、本実施の形態における超音波診断装置の動作原理について、図6と図7を用いて説明する。2値パルスには、図6(A)に示すような正の2値パルスと、図6(B)に示すような負の2値パルスの2種類がある。この2種類の2値パルスを使用して、第1回目の送信と第2回目の送信で、位相の反転した超音波を被検体に照射する。
【0042】
図7に、振動子26−1〜26−8からなる振動子アレイ18を駆動する送信駆動波形と、その送信駆動波形で駆動されたときの被検体内のビーム特性と、フォーカス付近の超音波の波形を示す。点線曲線で示したタイミングで、送信駆動信号を振動子に印加して駆動することで、フォーカス位置に超音波が収束するようにしている。
【0043】
第1回目の送信では、図7(A)に示すように、振動子アレイ18の一部(図中網掛けで示した振動子)を、正の2値パルスで駆動し、他の振動子を、タイミングを半周期遅らせた負の2値パルスで駆動する。負の2値パルスで振動子を駆動すると、正の2値パルスで駆動した場合と逆位相の超音波が発生する。負の2値パルスを半周期遅らせると、正の2値パルスで駆動した場合と同相の超音波が発生する。半周期とは、送信超音波の基本波の半周期である。このように駆動すると、すべての振動子から同相の超音波が発生することになる。
【0044】
第2回目の送信では、図7(B)に示すように、第1回目に正の2値パルスで駆動した振動子(図中網掛けで示した振動子)は、負の2値パルスで駆動し、第1回目に半周期遅れた負の2値パルスで駆動した振動子は、半周期遅れた正の2値パルスで駆動する。このように駆動すると、すべての振動子から発生する超音波は同相となる。このように駆動することにより、被検体に照射される超音波は、フォーカス点における超音波の波形に示したように、第1回目と第2回目で逆の位相を持ったものとなる。
【0045】
このような2回の超音波送信によって得られた受信信号を、第1回目の送信超音波と第2回目の送信超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算することにより、受信波形のうちの基本波成分が相殺され、生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波成分のみを検出することができる。この操作を、1画像フレームを構成する音響線の数だけ行なうことにより、2値の送信駆動波形を用いても、生体の非線形現象により発生する高調波成分のみを用いた分解能のよい画像を得ることができる。
【0046】
図8に、開口中心に対して対称的に駆動する例を示す。正の2値パルスで駆動する振動子と、負の2値パルスで駆動する振動子を、開口中心に対して対称的に配置すると、被検体に照射される超音波の特性を、進行方向に対して対称とすることができ、より優れた画像を得ることができる。
【0047】
上記の例では、正の2値パルスを発生する駆動回路と、負の2値パルスを発生する駆動回路は、ともに多いほうの数だけ必要である。例えば、図7に示した駆動方法における正負パルスの配置構成では、正負の駆動回路とも5回路必要である。第1回目の送信では、負の駆動回路2個が余り、第2回目の送信では、正の駆動回路2個が余ることになる。これに対し、図9に示すように、正の2値パルスと負の2値パルスを同数にして駆動すれば、正負の駆動回路とも4回路で済み、2回の送信ともすべての回路を使用することとなる。つまり、正の2値パルスと負の2値パルスを同数とすることにより、駆動回路を最小限の数とすることができ、効率よく使用できる。
【0048】
図10に示すように、正の2値パルスと負の2値パルスを印加する振動子の構成は、開口中心の片側を単位として、その中で交互に配置する。このように駆動することにより、被検体に対し、よりサイドローブの少ない超音波を照射でき、より優れた画像を得ることができる。また、このように配置することで、図10に示すように、振動子2個に対して、駆動回路2個を切り換えるように構成することができ、スイッチなどの切換器を簡略化できる。
【0049】
図11に、上記の原理を用いた、生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波を利用して画像化を行なう電子走査型の超音波診断装置の具体的な構成を示す。図12に、送受信部周辺の詳細な構成を示す。駆動回路11は、正の2値パルスを発生する駆動回路29−1と、負の2値パルスを発生する駆動回路29−2から構成され、同数が交互に設けられている。正の2値パルスを発生する駆動回路29−1は、図13(A)に示すように、正電源とグランドのいずれかに接続するスイッチング動作をして、正の2値パルス波形を発生する回路である。負の2値パルスを発生する駆動回路29−2は、図13(B)に示すように、負電源とグランドのいずれかに接続するスイッチング動作をして、負の2値パルス波形を発生する回路である。位相選択スイッチ群25は、2入力2出力のクロスポイントスイッチから構成されている。
【0050】
図14〜図16を参照しながら、図11に示した超音波診断装置の動作を説明する。図14は、被検体に送信される超音波の基点が、振動子の間となるように設定した場合である。送受信は、同じ方向に対して2回ずつ行なう。第1回目の送信は、図14(A)に示すように位相選択スイッチ群25を設定し、振動子アレイ18中の網掛けで示した振動子を正の2値パルスで駆動し、それ以外の振動子を半周期遅らせた負の2値パルスで駆動する。この送信によって得られた受信号を、波形メモリ20に記憶する。
【0051】
第2回目の送信は、図14(B)に示すように、位相選択スイッチ群25を設定し、振動子アレイ18中の網掛けで示した振動子を負の2値パルスで駆動し、それ以外の振動子を半周期遅らせた正の2値パルスで駆動する。この送信によって得られた受信信号は、加算器21において、波形メモリ20に記憶された第1回目の受信信号とタイミングを合わせて加算される。これにより、生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波成分のみを検出することができる。この操作を、1画像フレームを構成する音響線の数だけ行なう。
【0052】
図15に、リニア走査において、図14に示した設定で送受信した音響線の1つ隣の音響線で送受信する状態を示す。リニア走査では、駆動タイミングおよびパルスの正負は、開口中心対称であるので、開口中心および開口端では、1個の駆動回路で2個の振動子を駆動する。
【0053】
図16に、被検体に送信される超音波の基点が、振動子の正面となるように設定した状態を示す。この場合、使用する振動子は奇数個となるので、クロスポイントスイッチ28−4の一方のスイッチは開放としている。このようにすることにより、2値の送信駆動波形を用いた電子走査型超音波診断装置においても、生体の非線形象により発生する高調波成分のみを用いた分解能のよい画像を得ることができる。
【0054】
図17に、位相選択スイッチ群25を、2入力1出力のスイッチ33で構成した例を示す。図18に、位相選択スイッチ群25を、通常のオンオフスイッチ36で構成した例を示す。このように構成することにより、高価なクロスポイントスイッチ28の機能を、安価なスイッチで実現することができる。図19に、位相選択スイッチ群25を、2入力1出力のスイッチ33を用い、サイクリックな構成に変更した例を示す。このような構成によっても、同様の動作を実現することができる。
【0055】
図20に、上記の原理を用いた、生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波を利用して画像化を行なう電子走査型超音波診断装置の別の具体的な構成を示す。図21に、送受信部周辺の詳細な構成を示す。駆動回路11は、正のパルスを発生する駆動回路29−1と、負のパルスを発生する駆動回路29−2から構成され、同数が交互に設けられている。数量は、図12に示した回路の半数であり、クロスポイントスイッチ34を介して、振動子を駆動する。
【0056】
図22を参照しながら、図20に示した構成の超音波診断装置の動作を説明する。図14(A)に示した状態と同様の状態を、図20と図21に示した構成で実現したときのクロスポイントスイッチの接続図を、図22に示す。黒丸印(●)は、クロスポイントスイッチのうち、接続している接点を表している。リニア走査では、駆動タイミングおよびパルスの正負は、開口中心対称である。このことを利用して、クロスポイントスイッチ34で、任意の入出力を接続できるようにする。このように構成することにより、半分の規模の駆動回路11で、上記の例と同様の動作を実現できる。したがって、この構成の2値の送信駆動波形を用いたリニア電子走査型超音波診断装置においても、生体の非線形現象により発生する高調波成分のみを用いた分解能のよい画像を得ることができる。
【0057】
上記のように、本発明の第2の実施の形態では、超音波診断装置を、第1回目の超音波送信において、各振動子を、正の2値パルスか半周期遅れた負の2値パルスのいずれかで選択的に駆動し、反射信号を受信して記憶し、第2回目の超音波送信において、第1回目で正の2値パルスで駆動した振動子を負の2値パルスで駆動し、第1回目で半周期遅れた負の2値パルスで駆動した振動子を半周期遅れた正の2値パルスで駆動し、反射信号を受信して、記憶してある受信信号とタイミングを合わせて加算し、画像を形成して表示する構成としたので、正負の2種類の2値パルスを組み合わせて、位相の反転した2種類の超音波をフォーカス点に収束でき、それらの受信信号を加算することにより、生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波を利用して画像化を行なうことができ、分解能のよい超音波画像を表示できる
【0058】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、第1回目の超音波の送信において、ローレベルから始まりハイレベルで終わる2値信号で探触子を駆動し、第2回目の超音波の送信において、ハイレベルから始まりローレベルで終わる2値信号で探触子を駆動する構成としたので、2値の送信駆動波形を用いても、位相の反転した2種類の超音波をフォーカス点に収束でき、それらの受信信号を加算することにより、生体または造影剤の非線形現象により発生する高調波を利用して画像化を行なうことができ、分解能のよい超音波画像を表示できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における超音波診断装置の動作説明図、
【図2】本発明の第1の実施の形態における超音波診断装置の送信駆動波形と送信波形を示した図、
【図3】本発明の第1の実施の形態における電子走査型超音波診断装置の機能ブロック図、
【図4】本発明の第1の実施の形態における機械走査型超音波診断装置の機能ブロック図、
【図5】本発明の第1の実施の形態における機械走査型超音波診断装置の各画像フレームで送信する駆動信号の種類を説明する図、
【図6】本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置で用いる2種類の送信駆動波形を示す図、
【図7】本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置の動作説明図、
【図8】本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置で、正負パルス配置構成を開口中心対称とした場合の動作説明図、
【図9】本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置で、正負パルス数を同数とした場合の動作説明図、
【図10】本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置で、正負パルス配置構成を、開口中心の片側を単位として、その中で交互に配置した場合の動作説明図、
【図11】本発明の第2の実施の形態における電子走査型超音波診断装置の機能ブロック図、
【図12】本発明の第2の実施の形態における電子走査型超音波診断装置の送受信部の機能ブロック図、
【図13】本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置の駆動回路図、
【図14】本発明の第2の実施の形態における電子走査型超音波診断装置の動作説明図、
【図15】本発明の第2の実施の形態における電子走査型超音波診断装置の動作説明図、
【図16】本発明の第2の実施の形態における電子走査型超音波診断装置の動作説明図、
【図17】本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置で、位相選択スイッチを2入力1出力スイッチとした回路図、
【図18】本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置で、位相選択スイッチをオンオフスイッチとした回路図、
【図19】本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置で、位相選択スイッチを2入力1出力スイッチのサイクリック構成とした図、
【図20】本発明の第2の実施の形態における第2の電子走査型超音波診断装置の機能ブロック図、
【図21】本発明の第2の実施の形態における第2の電子走査型超音波診断装置の送受信部の機能ブロック図、
【図22】本発明の第2の実施の形態における第2の電子走査型超音波診断装置の動作説明図、
【図23】従来の電子走査型超音波診断装置の機能ブロック図、
【図24】従来の電子走査型超音波診断装置の送受信部の機能ブロック図、
【図25】超音波診断装置の連続波駆動回路図、
【図26】超音波診断装置の2値駆動回路図、
【図27】超音波診断装置の3値駆動回路図、
【図28】従来の位相反転法による電子走査型超音波診断装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 電子走査探触子
2 送信部
3 受信部
4 中間信号処理部
5 DSC部
6 モニタ
7 制御部
8 機械走査探触子
9 送受スイッチ群
11 駆動回路
12 送信制御部
13 増幅器
14 ビームフォーマ
15 バンドパスフィルタ
16 対数増幅器
17 検波器
18 振動子アレイ
19,26 振動子
20,23,30 波形メモリ
21 加算部
22 低域除去フィルタ
24 機械走査機構
25 位相選択スイッチ群
27 スイッチ
28 2入力2出力クロスポイントスイッチ
29−1 正のパルスを発生する2値駆動回路
29−2 負のパルスを発生する2値駆動回路
31 ディジタル‐アナログ変換器(DAC)
32 線形増幅器
33 2入力1出力スイッチ
34 n入力m出力クロスポイントスイッチ
35 切換器
36 オンオフスイッチ
50 送信部
51 駆動回路
52 送信制御部
53 制御部
60 送信部
61 駆動回路
62 送信制御部
63 制御部
65 波形メモリ
66 加算部

Claims (12)

  1. ローレベルから始まりハイレベルで終わる第1の2値信号で探触子の振動子を駆動して第1回目の超音波を送信し、反射してきた超音波を受信して第1受信信号として記憶し、第2回目の超音波の送信において、ハイレベルから始まりローレベルで終わる第2の2値信号で前記探触子の振動子を駆動して第2回目の超音波を送信し、反射してきた超音波を受信して第2受信信号とし、前記第1受信信号と前記第2受信信号とを、前記第1回目の超音波と前記第2回目の超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算し、加算後の受信信号を用いて画像を生成することを特徴とする反射超音波撮像方法。
  2. 複数の振動子から構成される電子走査型探触子と、出力をハイレベルおよびローレベルのいずれにも保持できる送信駆動回路と、1音響線分の受信信号を記憶できる波形メモリと、前記波形メモリに記憶された受信信号と前記電子走査型探触子からの受信信号とを、第1回目の超音波と第2回目の超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算する加算器と、加算した受信信号から画像を生成する手段と、前記送信駆動回路を制御して、前記第1回目の超音波の送信において、ローレベルから始まりハイレベルで終わる第1の送信駆動信号を発生させ、前記第2回目の超音波の送信において、ハイレベルから始まりローレベルで終わる第2の送信駆動信号を発生させる制御手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
  3. 振動子を機械走査機構によって回転または揺動走査する機械走査型探触子と、出力をハイレベルおよびローレベルのいずれにも保持できる送信駆動回路と、1画像フレーム分の受信信号を記憶できる波形メモリと、前記波形メモリに記憶された受信信号と前記機械走査型探触子からの受信信号とを走査線番号対応に、第1フレームの超音波と第2フレームの超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算する加算器と、加算した受信信号から画像を生成する手段と、前記送信駆動回路を制御して、第1フレームの奇数番号の音響走査線と第2フレームの偶数番号の音響走査線の超音波の送信において、ローレベルから始まりハイレベルで終わる第1の送信駆動信号を発生させ、第2フレームの奇数番号の音響走査線と第1フレームの偶数番号の音響走査線の超音波の送信において、ハイレベルから始まりローレベルで終わる第2の送信駆動信号を発生させる制御手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
  4. 各振動子を正の2値パルスか半周期遅れた負の2値パルスかのいずれかで駆動して第1回目の超音波を送信し、反射してきた超音波を受信して第1受信信号として記憶し、第2回目の超音波の送信において、第1回目で正の2値パルスで駆動した振動子を負の2値パルスで駆動し、第1回目で半周期遅れた負の2値パルスで駆動した振動子を半周期遅れた正の2値パルスで駆動して第2回目の超音波を送信し、反射してきた超音波を受信して第2受信信号とし、前記第1受信信号と前記第2受信信号とを、前記第1回目の超音波と前記第2回目の超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算し、加算後の受信信号を用いて画像を生成することを特徴とする反射超音波撮像方法。
  5. 前記正の2値パルスで駆動する振動子の位置と、前記半周期遅れた負の2値パルスで駆動する振動子の位置は、開口中心に対して対称であることを特徴とする請求項4に記載の反射超音波撮像方法。
  6. 前記正の2値パルスで駆動する振動子の数と、前記半周期遅れた負の2値パルスで駆動する振動子の数は、同数であることを特徴とする請求項4または5に記載の反射超音波撮像方法。
  7. 前記正の2値パルスで駆動する振動子と、前記半周期遅れた負の2値パルスで駆動する振動子が、開口中心の片側を単位とする振動子群の中で交互に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の反射超音波撮像方法。
  8. 複数の振動子から構成される電子走査型探触子と、正の2値パルスを発生する第1送信駆動回路と、負の2値パルスを発生する第2送信駆動回路と、前記電子走査型探触子と前記第1送信駆動回路の間と前記電子走査型探触子と前記第2送信駆動回路の間とに設けられた位相選択スイッチ群と、前記第1送信駆動回路と前記第2送信駆動回路と前記位相選択スイッチ群とを制御して第1回目の超音波の送信と第2回目の超音波の送信とを行なうように制御する制御部と、前記第1回目の超音波の送信後に前記電子走査型探触子で受信した1音響線分の反射超音波信号を第1受信信号として記憶する波形メモリと、前記第2回目の超音波の送信後に前記電子走査型探触子で受信した反射超音波信号である第2受信信号と前記第1受信信号とを、前記第1回目の超音波と前記第2回目の超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算して加算受信信号を出力する加算器と、前記加算受信信号から画像を生成する手段とを具備し、前記制御部に、前記第1回目の超音波の送信において各振動子に正の2値パルスか半周期遅れた負の2値パルスかのいずれかを選択的に印加して駆動するように制御する手段と、前記第2回目の超音波の送信において第1回目で正の2値パルスを印加した振動子を負の2値パルスで駆動するとともに第1回目で半周期遅れた負の2値パルスを印加した振動子を半周期遅れた正の2値パルスで駆動するように制御する手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  9. 複数の振動子から構成される電子走査型探触子と、正の2値パルスを発生する第1送信駆動回路と、負の2値パルスを発生する第2送信駆動回路と、前記電子走査型探触子と前記第1送信駆動回路の間と前記電子走査型探触子と前記第2送信駆動回路の間とに設けられたクロスポイントスイッチと、前記第1送信駆動回路と前記第2送信駆動回路と前記クロスポイントスイッチとを制御して第1回目の超音波の送信と第2回目の超音波の送信とを行なうように制御する制御部と、前記第1回目の超音波の送信後に前記電子走査型探触子で受信した1音響線分の反射超音波信号を第1受信信号として記憶する波形メモリと、前記第2回目の超音波の送信後に前記電子走査型探触子で受信した反射超音波信号である第2受信信号と前記第1受信信号とを、前記第1回目の超音波と前記第2回目の超音波とが互いに逆位相となる時間関係でタイミングを合わせて加算して加算受信信号を出力する加算器と、前記加算受信信号から画像を生成する手段とを具備し、前記制御部に、前記第1回目の超音波の送信において各振動子に正の2値パルスか半周期遅れた負の2値パルスかのいずれかを選択的に印加して駆動するように制御する手段と、前記第2回目の超音波の送信において第1回目で正の2値パルスを印加した振動子を負の2値パルスで駆動するとともに第1回目で半周期遅れた負の2値パルスを印加した振動子を半周期遅れた正の2値パルスで駆動するように制御する手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  10. 前記正の2値パルスで駆動する振動子の位置と、前記半周期遅れた負の2値パルスで駆動する振動子の位置は、開口中心に対して対称であることを特徴とする請求項8または9に記載の超音波診断装置。
  11. 前記正の2値パルスで駆動する振動子の数と、前記半周期遅れた負の2値パルスで駆動する振動子の数は、同数であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の超音波診断装置。
  12. 前記正の2値パルスで駆動する振動子と、前記半周期遅れた負の2値パルスで駆動する振動子が、開口中心の片側を単位とする振動子群の中で交互に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の超音波診断装置。
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