JP2004033383A - コーヒー抽出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エスプレッソコーヒーを抽出するコーヒー抽出装置において、抽出圧力を高めて飲料風味を向上させるとともに、ブリュア内での飲料温度の低下を防止する。
【解決手段】ブリュア5内に定量のコーヒー粉と湯とを供給し、この湯を加圧してコーヒー粉に通すことによりエスプレッソコーヒーを抽出するコーヒー抽出装置において、高圧蒸気を発生させる蒸気発生器11を設置し、この高圧蒸気によりブリュア5内の湯を加圧してコーヒー粉に通し、エスプレッソコーヒーを抽出する。蒸気圧は高圧が得られるやすいため抽出圧力が高く、かつ高温の蒸気から飲料への熱供給が行なえるので、エスプレッソコーヒーの風味が向上するとともに、ブリュア5での湯の滞留による飲料温度の低下が防止できる。
【選択図】 図1
【解決手段】ブリュア5内に定量のコーヒー粉と湯とを供給し、この湯を加圧してコーヒー粉に通すことによりエスプレッソコーヒーを抽出するコーヒー抽出装置において、高圧蒸気を発生させる蒸気発生器11を設置し、この高圧蒸気によりブリュア5内の湯を加圧してコーヒー粉に通し、エスプレッソコーヒーを抽出する。蒸気圧は高圧が得られるやすいため抽出圧力が高く、かつ高温の蒸気から飲料への熱供給が行なえるので、エスプレッソコーヒーの風味が向上するとともに、ブリュア5での湯の滞留による飲料温度の低下が防止できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コーヒー自動販売機などに用いられ、加圧した湯をコーヒー粉に通して、主にエスプレッソコーヒーを抽出するコーヒー抽出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のコーヒー抽出装置を備えたコーヒー自動販売機の構成を示す配管系統図である。図6において、エスプレッソコーヒーを販売する場合は、湯タンク1に貯蔵した湯を湯ポンプ2を用いて加圧し、流量センサ3により所定量だけ三方弁4を介してブリュア(コーヒー抽出器)5に注入する。ブリュア5には、コーヒー豆が図示しないミルで挽かれ、又は予め挽かれて貯蔵されたコーヒー粉が定量投入されており、このコーヒー粉に湯が通されてコーヒー飲料(エスプレッソコーヒー)が抽出される。ブリュア5内の圧力は、その後段に取り付けた閉止弁6により調整されている。抽出されたコーヒー飲料はミキシングボール7内で砂糖やミルクが添加された後、カップ8に注入される。コーヒー抽出後のカスはカスバケツ10に回収される。
【0003】
また、レギュラコーヒーを販売する場合は、湯タンク1の湯を自重を利用して三方弁4を介してブリュア5に注入し、ブリュア5内にすでに投入されたコーヒー粉と混合してコーヒー飲料(レギュラコーヒー)を抽出する。その後、エアポンプ9を駆動し、エア圧でコーヒー飲料をミキシングボールに吐出させ、砂糖、ミルクを添加してからカップ8に注入する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のコーヒー抽出装置は、次の点で改良が望まれる。
▲1▼ 湯がブリュア内に滞留する間に飲料の温度が低下する。
▲2▼ 湯温度は90℃以上と高温であるため、シール部材の耐熱性などの関係から高圧ポンプの製作が困難で抽出圧力が低く(高々0.4Mpa程度)、エスプレッソコーヒーの風味に難がある。
▲3▼ レギュラコーヒーを抽出するために、エアポンプが別途必要である。
【0005】
一方、エスプレッソコーヒーとレギュラコーヒーとを選択的に抽出できるコーヒー抽出装置として、特開平11−120434号に記載されたものがある。このコーヒー抽出装置は、コーヒー粉を投入したブリュアに湯を供給した後、エアポンプからのエアをブリュアに吹き込み、フィルタを通してコーヒー飲料を抽出するが、エスプレッソコーヒーの抽出の場合には、湯の供給の前にコーヒー粉を蒸気で蒸らすようにしたものである。しかしこれとても、エアポンプで得られる圧力は高々0.12MPaと低いことから、エスプレッソコーヒーの抽出には加圧不足であり、またブリュア内での飲料温度の低下は免れない。
【0006】
この発明は上記した状況の下でなされたもので、その課題は、高温で風味のよいエスプレッソコーヒーの抽出を可能とするとともに、併せてレギュラコーヒーも簡易に得られるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、ブリュア内に定量のコーヒー粉と湯とを供給し、この湯を加圧して前記コーヒー粉に通すことによりコーヒー飲料を抽出するコーヒー抽出装置において、所要圧力の蒸気を発生させる蒸気発生器を設置し、この蒸気発生器からの蒸気により前記ブリュア内の湯を加圧するようにするものとする(請求項1)。この発明は、蒸気圧を用いて湯をコーヒー粉に通すもので、蒸気圧は高圧が得られるため抽出圧力が高く、かつ高温の蒸気から飲料への熱供給が行なえるので、エスプレッソコーヒーの風味が向上するとともに飲料温度の低下が防止される。
【0008】
請求項1において、前記蒸気発生器に発生蒸気の圧力を可変する圧力制御機構を設け、前記ブリュア内の湯を前記コーヒー飲料の種類に応じて異なる圧力の前記蒸気で加圧するようにするとよい(請求項2)。蒸気圧を可変とすることにより、高圧によるエスプレッソコーヒーの抽出と低圧によるレギュラコーヒーの抽出とを選択できるとともに、エスプレッソコーヒーについても抽出圧力の調整により、風味に変化を与えることができる。
【0009】
また、請求項1において、前記蒸気発生器に面状ヒータを設け、この面状ヒータに微粒化した湯を吹き付けて蒸気を発生させるようにするとよい(請求項3)。請求項3によれば、噴霧した湯が瞬時に気化して蒸気になるため、ヒータを湯に浸漬して蒸気を発生させる場合に生じる過剰な湯温上昇を抑え、蒸気の生成時間の短縮と消費電力の低減とを図ることができる。
【0010】
請求項1のコーヒー抽出装置は、前記ブリュアをブリュア本体とシリンダブロックとに上下2分割構成し、前記ブリュア本体の底部に湯を通過させる網部材を設けるとともに、前記シリンダブロックにピストンを上下動させる粉圧縮機構を設け、前記シリンダブロックを前記ブリュア本体から横方向に移動させた待機状態で下降位置の前記ピストン上に定量の前記コーヒー粉を投入し、次いでシリンダブロックを逆方向に移動させて前記ブリュア本体と合体させ、次いで前記ピストンを上昇させて前記コーヒー粉を前記網部材との間で圧縮し、次いで前記ブリュア本体内に定量の湯を注入し、その後、このブリュア本体内に前記蒸気発生器から蒸気を導入して前記湯を加圧し、抽出したコーヒー飲料を前記シリンダブロックの飲料吐出口から吐出させるものとして構成するのがよい(請求項4)。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5に基づいて、この発明の実施の形態を説明する。なお、従来例と対応する部分には同一の符号を用いるものとする。まず、図1はコーヒー自動販売機の構成を示す配管系統図である。図1において、エスプレッソコーヒーを抽出する場合には、湯タンク1に取り付けられた図示しない湯弁の開放時間の制御により、湯タンク1に貯蔵した、例えば約95℃の湯を自重を利用して定量、例えば90mLをブリュア5に供給する。ブリュア5にはコーヒー粉が定量投入されており、このコーヒー粉は湯タンク1から供給された湯と接触する。その後、湯タンク1からの湯を用いて蒸気発生器11で発生した蒸気を蒸気弁12を開いてブリュア5に注入し、蒸気圧でコーヒー飲料(エスプレッソコーヒー)を加圧抽出する。ブリュア5内の圧力は、ブリュア5の後段に設けられた閉止弁6で調整される。抽出されたコーヒー飲料はミキシングボール7内で砂糖やミルクが添加された後、カップ8に注入される。コーヒー抽出後のカスはカスバケツ10に回収される。レギュラコーヒーの抽出の場合には、従来例(図6)と同様に、エアポンプ9からのエア圧力により、コーヒー飲料の抽出を行なう。
【0012】
図2は、図1における蒸気発生器11とブリュア5の構成を示す縦断面図である。図2において、蒸気発生器11は、耐圧容器13の底部にヒータ14が湯15に浸漬するように配置され、給水ノズル16から供給された湯タンク1(図1)の湯をヒータ14で加熱して蒸発させ、蒸気弁12を介して矢印で示す蒸気をブリュア5に注入する。
【0013】
ブリュア5は、ブリュア本体17とシリンダブロック18とに上下2分割構成されている。ブリュア本体17は上部に内側から圧接される蓋19を有し、底部に湯を通過させる網部材20が設けられている。蓋19は操作ロッド21を介して、図示しない駆動機構により上下駆動され、ブリュア本体17との間を開閉する。ブリュア本体17の図2の左肩部の蒸気入口22には蒸気弁12からの配管が接続され、右肩部のエア入口23にはエアポンプ9(図1)からの図示しない配管が接続されている。また、ブリュア本体17の頂部には、蓋19の上方の給湯口24に、湯タンク1からの図示しない配管が接続されている。
【0014】
一方、円筒管からなるシリンダブロック18には、網部材20との間でコーヒー粉25を圧縮する粉圧縮機構を構成するピストン26が収納されている。ピストン26は、図示しない駆動機構によりピストンロッド27を介して上下駆動される。シリンダブロック18の上部には、抽出されたコーヒー飲料を吐出する飲料吐出口28が設けられている。シリンダブロック18は図示しない旋回機構に駆動され、ブリュア本体17と合体した図示位置と、ブリュア本体17から横方向に移動した待機位置との間で水平移動する。
【0015】
図3は、エスプレッソコーヒーの抽出方法を示す工程図である。図3において、
(1) シリンダブロック18がブリュア本体17から横方向に移動した待機状態において、下降位置のピストン26上に、原料容器29から定量のコーヒー粉25を投入し、
(2) シリンダブロック18を逆方向に移動させてブリュア本体17と合体させ、
(3) ピストン26を上昇させてコーヒー粉25を網部材20との間で圧縮し、(4) ブリュア本体17内に定量の湯30を注入し、
(5) 蓋19を上昇させてブリュア5内を密閉する。
(6) その後、ブリュア本体17内に蒸気発生器11から蒸気を導入して湯30を加圧し、
(7) 湯30をコーヒー粉25に通してコーヒー飲料を抽出し、抽出したコーヒー飲料をシリンダブロック18の飲料吐出口28から、ミキシングボール7(図1)に向って吐出させる。
(8) コーヒー飲料の吐出が終了したら、シリンダブロック18を横方向に移動させ
(9) ピストン26を上昇させてカス31を突出させ、
(10) そのまま、シリンダブロック18をブリュア本体17側に移動させ、カス31を当板32に突き当ててカスバケツ10(図1)に落下させ、
(11) シリンダブロック18を待機位置に復帰させる。
【0016】
上記したエスプレッソコーヒーの抽出において、抽出速度はコーヒー粉25の圧縮比、蒸気圧力及び閉止弁6の開度で決定される。発明者らの実験によれば、エスプレッソコーヒーを90mL抽出する場合、1.4MPaの蒸気が1.5Lあれば、0.8MPaの圧力で加圧抽出が行なえ、風味のよいエスプレッソコーヒーが得られる。また、0.8MPa,1.5Lの蒸気は、コーヒー飲料90mLを約2℃上昇させる。従って、ブリュア5内での温度低下を補い、高温の飲料の提供が可能になる。
【0017】
図4は、この発明の異なる実施の形態を示すものである。この実施の形態の図2との相違は、蒸気発生器11に圧力調整器33を設け、その信号により電力調整器34を介してヒータ14への投入電力を制御することで、蒸気発生器11の発生蒸気圧を可変にした点である。圧力調整器33には温度センサを用い、検知した蒸気温度を圧力値に換算することができる。ブリュア5に、図2におけるエア入口23はない。
【0018】
レギュラコーヒーは大気圧で抽出したコーヒー飲料であるのに対し、エスプレッソコーヒーはレギュラコーヒーよりも高圧で加圧抽出し、コーヒーの旨み成分を濃縮した少量のコーヒー飲料で両者は抽出方法が異なる。そこで、例えばエスプレッソコーヒーの場合は1.4MPaに、レギュラコーヒーの場合は0.12MPaに蒸気圧を可変して、ブリュア5に異なる圧力の蒸気を供給する。これにより、同一のブリュア5で、エスプレッソコーヒーとレギュラコーヒーの両方のコーヒー飲料の抽出が可能になり、またエアポンプ9(図1)などの付帯機器も不要になるため、低コストのコーヒー抽出が実現できる。更に、エスプレッソコーヒーを抽出する場合でも圧力を調整すれば、風味を微妙に変えることも可能である。
【0019】
図5は、この発明の更に異なる実施の形態を示すものである。この実施の形態は、蒸気発生器11に湯15を供給する給水ノズル16に噴霧式ノズル35を用い、この湯15の加熱に面状ヒータ36を用いたものである。蒸気発生器11内の湯にヒータを浸漬して蒸気を発生させると、蒸気発生器11内の湯をすべて気化させることは機器構成上から難しい。そのため、過剰な湯を加熱することになり、蒸気の生成が遅くなるとともに消費電力が多くなる。そこで、図5に示すように面状ヒータ36を用い、そのヒータ面に噴霧式ノズル35により微粒化した湯15を吹き付ける構成にすれば、微粒化した湯15は表面積が大きいために熱交換が促進され、ヒータ面に接触した瞬間に気化する。その結果、過剰な湯を加熱する無駄がなくなり、蒸気の生成時間が短くなるとともに、消費電力も低減される。これにより、飲料1杯に必要な分の蒸気のみ、販売の都度生成させることも可能になる。
【0020】
【発明の効果】
以上の通り、蒸気発生器で発生させた蒸気により湯を加圧して、コーヒー飲料を抽出することにより、ポンプ性能の制約を受けることなく抽出圧力を高められるので、エスプレッソコーヒーの風味の向上が図れるとともに、蒸気からの熱供給によりブリュア内での飲料温度の低下を補い、高温のコーヒー飲料を提供することができる。また、その場合、蒸気圧を可変とすることにより、同一のコーヒー抽出装置でエスプレッソコーヒーとレギュラコーヒーの双方を抽出でき、しかもエスプレッソコーヒーの風味の微妙な調整も可能になる。更に、蒸気発生に際して面状ヒータに微粒化した湯を噴霧して瞬間的に気化させることにより、蒸気生成時間の短縮と消費電力の低減を図り、低コストのコーヒー抽出を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すコーヒー自動販売機の配管系統図である。
【図2】図1におけるコーヒー抽出装置の縦断面図である。
【図3】図1におけるコーヒー抽出装置によるエスプレッソコーヒーの抽出方法を説明する工程図である。
【図4】この発明の異なる実施の形態を示すコーヒー抽出装置の縦断面図である。
【図5】この発明の更に異なる実施の形態を示すコーヒー抽出装置の縦断面図である。
【図6】従来例を示すコーヒー自動販売機の配管系統図である。
【符号の説明】
5 ブリュア
11 蒸気発生器
14 ヒータ
15 湯
16 給水ノズル
17 ブリュア本体
18 シリンダブロック
20 網部材
22 蒸気入口
23 エア入口
24 給湯口
25 コーヒー粉
26 ピストン
28 飲料吐出口
29 原料容器
33 圧力調整器
34 電力調整器
35 噴霧式ノズル
36 面状ヒータ
【発明の属する技術分野】
この発明は、コーヒー自動販売機などに用いられ、加圧した湯をコーヒー粉に通して、主にエスプレッソコーヒーを抽出するコーヒー抽出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のコーヒー抽出装置を備えたコーヒー自動販売機の構成を示す配管系統図である。図6において、エスプレッソコーヒーを販売する場合は、湯タンク1に貯蔵した湯を湯ポンプ2を用いて加圧し、流量センサ3により所定量だけ三方弁4を介してブリュア(コーヒー抽出器)5に注入する。ブリュア5には、コーヒー豆が図示しないミルで挽かれ、又は予め挽かれて貯蔵されたコーヒー粉が定量投入されており、このコーヒー粉に湯が通されてコーヒー飲料(エスプレッソコーヒー)が抽出される。ブリュア5内の圧力は、その後段に取り付けた閉止弁6により調整されている。抽出されたコーヒー飲料はミキシングボール7内で砂糖やミルクが添加された後、カップ8に注入される。コーヒー抽出後のカスはカスバケツ10に回収される。
【0003】
また、レギュラコーヒーを販売する場合は、湯タンク1の湯を自重を利用して三方弁4を介してブリュア5に注入し、ブリュア5内にすでに投入されたコーヒー粉と混合してコーヒー飲料(レギュラコーヒー)を抽出する。その後、エアポンプ9を駆動し、エア圧でコーヒー飲料をミキシングボールに吐出させ、砂糖、ミルクを添加してからカップ8に注入する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のコーヒー抽出装置は、次の点で改良が望まれる。
▲1▼ 湯がブリュア内に滞留する間に飲料の温度が低下する。
▲2▼ 湯温度は90℃以上と高温であるため、シール部材の耐熱性などの関係から高圧ポンプの製作が困難で抽出圧力が低く(高々0.4Mpa程度)、エスプレッソコーヒーの風味に難がある。
▲3▼ レギュラコーヒーを抽出するために、エアポンプが別途必要である。
【0005】
一方、エスプレッソコーヒーとレギュラコーヒーとを選択的に抽出できるコーヒー抽出装置として、特開平11−120434号に記載されたものがある。このコーヒー抽出装置は、コーヒー粉を投入したブリュアに湯を供給した後、エアポンプからのエアをブリュアに吹き込み、フィルタを通してコーヒー飲料を抽出するが、エスプレッソコーヒーの抽出の場合には、湯の供給の前にコーヒー粉を蒸気で蒸らすようにしたものである。しかしこれとても、エアポンプで得られる圧力は高々0.12MPaと低いことから、エスプレッソコーヒーの抽出には加圧不足であり、またブリュア内での飲料温度の低下は免れない。
【0006】
この発明は上記した状況の下でなされたもので、その課題は、高温で風味のよいエスプレッソコーヒーの抽出を可能とするとともに、併せてレギュラコーヒーも簡易に得られるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、ブリュア内に定量のコーヒー粉と湯とを供給し、この湯を加圧して前記コーヒー粉に通すことによりコーヒー飲料を抽出するコーヒー抽出装置において、所要圧力の蒸気を発生させる蒸気発生器を設置し、この蒸気発生器からの蒸気により前記ブリュア内の湯を加圧するようにするものとする(請求項1)。この発明は、蒸気圧を用いて湯をコーヒー粉に通すもので、蒸気圧は高圧が得られるため抽出圧力が高く、かつ高温の蒸気から飲料への熱供給が行なえるので、エスプレッソコーヒーの風味が向上するとともに飲料温度の低下が防止される。
【0008】
請求項1において、前記蒸気発生器に発生蒸気の圧力を可変する圧力制御機構を設け、前記ブリュア内の湯を前記コーヒー飲料の種類に応じて異なる圧力の前記蒸気で加圧するようにするとよい(請求項2)。蒸気圧を可変とすることにより、高圧によるエスプレッソコーヒーの抽出と低圧によるレギュラコーヒーの抽出とを選択できるとともに、エスプレッソコーヒーについても抽出圧力の調整により、風味に変化を与えることができる。
【0009】
また、請求項1において、前記蒸気発生器に面状ヒータを設け、この面状ヒータに微粒化した湯を吹き付けて蒸気を発生させるようにするとよい(請求項3)。請求項3によれば、噴霧した湯が瞬時に気化して蒸気になるため、ヒータを湯に浸漬して蒸気を発生させる場合に生じる過剰な湯温上昇を抑え、蒸気の生成時間の短縮と消費電力の低減とを図ることができる。
【0010】
請求項1のコーヒー抽出装置は、前記ブリュアをブリュア本体とシリンダブロックとに上下2分割構成し、前記ブリュア本体の底部に湯を通過させる網部材を設けるとともに、前記シリンダブロックにピストンを上下動させる粉圧縮機構を設け、前記シリンダブロックを前記ブリュア本体から横方向に移動させた待機状態で下降位置の前記ピストン上に定量の前記コーヒー粉を投入し、次いでシリンダブロックを逆方向に移動させて前記ブリュア本体と合体させ、次いで前記ピストンを上昇させて前記コーヒー粉を前記網部材との間で圧縮し、次いで前記ブリュア本体内に定量の湯を注入し、その後、このブリュア本体内に前記蒸気発生器から蒸気を導入して前記湯を加圧し、抽出したコーヒー飲料を前記シリンダブロックの飲料吐出口から吐出させるものとして構成するのがよい(請求項4)。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5に基づいて、この発明の実施の形態を説明する。なお、従来例と対応する部分には同一の符号を用いるものとする。まず、図1はコーヒー自動販売機の構成を示す配管系統図である。図1において、エスプレッソコーヒーを抽出する場合には、湯タンク1に取り付けられた図示しない湯弁の開放時間の制御により、湯タンク1に貯蔵した、例えば約95℃の湯を自重を利用して定量、例えば90mLをブリュア5に供給する。ブリュア5にはコーヒー粉が定量投入されており、このコーヒー粉は湯タンク1から供給された湯と接触する。その後、湯タンク1からの湯を用いて蒸気発生器11で発生した蒸気を蒸気弁12を開いてブリュア5に注入し、蒸気圧でコーヒー飲料(エスプレッソコーヒー)を加圧抽出する。ブリュア5内の圧力は、ブリュア5の後段に設けられた閉止弁6で調整される。抽出されたコーヒー飲料はミキシングボール7内で砂糖やミルクが添加された後、カップ8に注入される。コーヒー抽出後のカスはカスバケツ10に回収される。レギュラコーヒーの抽出の場合には、従来例(図6)と同様に、エアポンプ9からのエア圧力により、コーヒー飲料の抽出を行なう。
【0012】
図2は、図1における蒸気発生器11とブリュア5の構成を示す縦断面図である。図2において、蒸気発生器11は、耐圧容器13の底部にヒータ14が湯15に浸漬するように配置され、給水ノズル16から供給された湯タンク1(図1)の湯をヒータ14で加熱して蒸発させ、蒸気弁12を介して矢印で示す蒸気をブリュア5に注入する。
【0013】
ブリュア5は、ブリュア本体17とシリンダブロック18とに上下2分割構成されている。ブリュア本体17は上部に内側から圧接される蓋19を有し、底部に湯を通過させる網部材20が設けられている。蓋19は操作ロッド21を介して、図示しない駆動機構により上下駆動され、ブリュア本体17との間を開閉する。ブリュア本体17の図2の左肩部の蒸気入口22には蒸気弁12からの配管が接続され、右肩部のエア入口23にはエアポンプ9(図1)からの図示しない配管が接続されている。また、ブリュア本体17の頂部には、蓋19の上方の給湯口24に、湯タンク1からの図示しない配管が接続されている。
【0014】
一方、円筒管からなるシリンダブロック18には、網部材20との間でコーヒー粉25を圧縮する粉圧縮機構を構成するピストン26が収納されている。ピストン26は、図示しない駆動機構によりピストンロッド27を介して上下駆動される。シリンダブロック18の上部には、抽出されたコーヒー飲料を吐出する飲料吐出口28が設けられている。シリンダブロック18は図示しない旋回機構に駆動され、ブリュア本体17と合体した図示位置と、ブリュア本体17から横方向に移動した待機位置との間で水平移動する。
【0015】
図3は、エスプレッソコーヒーの抽出方法を示す工程図である。図3において、
(1) シリンダブロック18がブリュア本体17から横方向に移動した待機状態において、下降位置のピストン26上に、原料容器29から定量のコーヒー粉25を投入し、
(2) シリンダブロック18を逆方向に移動させてブリュア本体17と合体させ、
(3) ピストン26を上昇させてコーヒー粉25を網部材20との間で圧縮し、(4) ブリュア本体17内に定量の湯30を注入し、
(5) 蓋19を上昇させてブリュア5内を密閉する。
(6) その後、ブリュア本体17内に蒸気発生器11から蒸気を導入して湯30を加圧し、
(7) 湯30をコーヒー粉25に通してコーヒー飲料を抽出し、抽出したコーヒー飲料をシリンダブロック18の飲料吐出口28から、ミキシングボール7(図1)に向って吐出させる。
(8) コーヒー飲料の吐出が終了したら、シリンダブロック18を横方向に移動させ
(9) ピストン26を上昇させてカス31を突出させ、
(10) そのまま、シリンダブロック18をブリュア本体17側に移動させ、カス31を当板32に突き当ててカスバケツ10(図1)に落下させ、
(11) シリンダブロック18を待機位置に復帰させる。
【0016】
上記したエスプレッソコーヒーの抽出において、抽出速度はコーヒー粉25の圧縮比、蒸気圧力及び閉止弁6の開度で決定される。発明者らの実験によれば、エスプレッソコーヒーを90mL抽出する場合、1.4MPaの蒸気が1.5Lあれば、0.8MPaの圧力で加圧抽出が行なえ、風味のよいエスプレッソコーヒーが得られる。また、0.8MPa,1.5Lの蒸気は、コーヒー飲料90mLを約2℃上昇させる。従って、ブリュア5内での温度低下を補い、高温の飲料の提供が可能になる。
【0017】
図4は、この発明の異なる実施の形態を示すものである。この実施の形態の図2との相違は、蒸気発生器11に圧力調整器33を設け、その信号により電力調整器34を介してヒータ14への投入電力を制御することで、蒸気発生器11の発生蒸気圧を可変にした点である。圧力調整器33には温度センサを用い、検知した蒸気温度を圧力値に換算することができる。ブリュア5に、図2におけるエア入口23はない。
【0018】
レギュラコーヒーは大気圧で抽出したコーヒー飲料であるのに対し、エスプレッソコーヒーはレギュラコーヒーよりも高圧で加圧抽出し、コーヒーの旨み成分を濃縮した少量のコーヒー飲料で両者は抽出方法が異なる。そこで、例えばエスプレッソコーヒーの場合は1.4MPaに、レギュラコーヒーの場合は0.12MPaに蒸気圧を可変して、ブリュア5に異なる圧力の蒸気を供給する。これにより、同一のブリュア5で、エスプレッソコーヒーとレギュラコーヒーの両方のコーヒー飲料の抽出が可能になり、またエアポンプ9(図1)などの付帯機器も不要になるため、低コストのコーヒー抽出が実現できる。更に、エスプレッソコーヒーを抽出する場合でも圧力を調整すれば、風味を微妙に変えることも可能である。
【0019】
図5は、この発明の更に異なる実施の形態を示すものである。この実施の形態は、蒸気発生器11に湯15を供給する給水ノズル16に噴霧式ノズル35を用い、この湯15の加熱に面状ヒータ36を用いたものである。蒸気発生器11内の湯にヒータを浸漬して蒸気を発生させると、蒸気発生器11内の湯をすべて気化させることは機器構成上から難しい。そのため、過剰な湯を加熱することになり、蒸気の生成が遅くなるとともに消費電力が多くなる。そこで、図5に示すように面状ヒータ36を用い、そのヒータ面に噴霧式ノズル35により微粒化した湯15を吹き付ける構成にすれば、微粒化した湯15は表面積が大きいために熱交換が促進され、ヒータ面に接触した瞬間に気化する。その結果、過剰な湯を加熱する無駄がなくなり、蒸気の生成時間が短くなるとともに、消費電力も低減される。これにより、飲料1杯に必要な分の蒸気のみ、販売の都度生成させることも可能になる。
【0020】
【発明の効果】
以上の通り、蒸気発生器で発生させた蒸気により湯を加圧して、コーヒー飲料を抽出することにより、ポンプ性能の制約を受けることなく抽出圧力を高められるので、エスプレッソコーヒーの風味の向上が図れるとともに、蒸気からの熱供給によりブリュア内での飲料温度の低下を補い、高温のコーヒー飲料を提供することができる。また、その場合、蒸気圧を可変とすることにより、同一のコーヒー抽出装置でエスプレッソコーヒーとレギュラコーヒーの双方を抽出でき、しかもエスプレッソコーヒーの風味の微妙な調整も可能になる。更に、蒸気発生に際して面状ヒータに微粒化した湯を噴霧して瞬間的に気化させることにより、蒸気生成時間の短縮と消費電力の低減を図り、低コストのコーヒー抽出を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すコーヒー自動販売機の配管系統図である。
【図2】図1におけるコーヒー抽出装置の縦断面図である。
【図3】図1におけるコーヒー抽出装置によるエスプレッソコーヒーの抽出方法を説明する工程図である。
【図4】この発明の異なる実施の形態を示すコーヒー抽出装置の縦断面図である。
【図5】この発明の更に異なる実施の形態を示すコーヒー抽出装置の縦断面図である。
【図6】従来例を示すコーヒー自動販売機の配管系統図である。
【符号の説明】
5 ブリュア
11 蒸気発生器
14 ヒータ
15 湯
16 給水ノズル
17 ブリュア本体
18 シリンダブロック
20 網部材
22 蒸気入口
23 エア入口
24 給湯口
25 コーヒー粉
26 ピストン
28 飲料吐出口
29 原料容器
33 圧力調整器
34 電力調整器
35 噴霧式ノズル
36 面状ヒータ
Claims (4)
- ブリュア内に定量のコーヒー粉と湯とを供給し、この湯を加圧して前記コーヒー粉に通すことによりコーヒー飲料を抽出するコーヒー抽出装置において、
所要圧力の蒸気を発生させる蒸気発生器を設置し、この蒸気発生器からの蒸気により前記ブリュア内の湯を加圧するようにしたことを特徴とするコーヒー抽出装置。 - 前記蒸気発生器に発生蒸気の圧力を可変する圧力制御機構を設け、前記ブリュア内の湯を前記コーヒー飲料の種類に応じて異なる圧力の前記蒸気で加圧するようにしたことを特徴とする請求項1記載のコーヒー抽出装置。
- 前記蒸気発生器に面状ヒータを設け、この面状ヒータに微粒化した湯を吹き付けて蒸気を発生させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のコーヒー抽出装置。
- 前記ブリュアをブリュア本体とシリンダブロックとに上下2分割構成し、前記ブリュア本体の底部に湯を通過させる網部材を設けるとともに、前記シリンダブロックにピストンを上下動させる粉圧縮機構を設け、前記シリンダブロックを前記ブリュア本体から横方向に移動させた待機状態で下降位置の前記ピストン上に定量の前記コーヒー粉を投入し、次いでシリンダブロックを逆方向に移動させて前記ブリュア本体と合体させ、次いで前記ピストンを上昇させて前記コーヒー粉を前記網部材との間で圧縮し、次いで前記ブリュア本体内に定量の湯を注入し、その後、このブリュア本体内に前記蒸気発生器から蒸気を導入して前記湯を加圧し、抽出したコーヒー飲料を前記シリンダブロックの飲料吐出口から吐出させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のコーヒー抽出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002192859A JP2004033383A (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | コーヒー抽出装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004033383A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008520298A (ja) * | 2004-11-19 | 2008-06-19 | チボ ゲーエムベーハー | コーヒーメーカーおよびポーションカプセルからなるシステム |
KR101407283B1 (ko) | 2013-04-05 | 2014-06-13 | 엄용회 | 에스프레소 커피 머신 |
KR101798182B1 (ko) * | 2017-04-04 | 2017-11-16 | 훼스텍 주식회사 | 커피 추출 장치 |
-
2002
- 2002-07-02 JP JP2002192859A patent/JP2004033383A/ja active Pending
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WO2018186598A1 (ko) * | 2017-04-04 | 2018-10-11 | 훼스텍 주식회사 | 커피 추출 장치 |
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