JP2004033332A - 咬合器の咬合平面設定装置及び咬合平面設定方法 - Google Patents

咬合器の咬合平面設定装置及び咬合平面設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】模型を咬合器に装着後、咬合平面を決定できる咬合器の咬合平面設定方法を提供する。
【解決手段】咬合器における台座の下顎模型取付け位置又は天板の上顎模型取付け位置に装着される昇降動作可能な支持部によって傾動可能でかつ該傾動状態において固定可能に支持される咬合平面板、及び/又は、台座の下顎模型取付け位置又は天板の上顎模型取付け位置を除く咬合器構成部材の任意の取付け部位に装着される可動支持部によって移動及び傾動可能でかつ該移動・傾動位置において固定可能に支持され、下顎模型を取付けた台座と上顎模型を取付けた天板との間に装入される咬合平面設定板、を備える咬合器の咬合平面設定装置。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、咬合器の咬合平面設定装置及び咬合平面設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
人間の顎の模擬装置である咬合器を用いて義歯を作成するプロセスにおいて、歯科医師と歯科技工士とは密接な協力関係にある。このプロセス中の、模型を咬合器の装着するための咬合採得を行う過程では、歯科医師が患者の協力下に上下顎の咬合採得された模型を歯科技工士に提供する。
【0003】
しかし、歯科医師から歯科技工士に対して咬合採得された模型が提供される際、例えば上下顎の咬合床が単に一体に形成されている場合のように、上下の歯のかみ合い平面である咬合平面が指示されておらず不明である場合も多い。このような場合には、歯科技工士が上下顎の位置関係等に鑑みて咬合平面を考察し決定する必要がある。
【0004】
従来、上顎模型と下顎模型のかみ合い平面を決定するために咬合平面板が用いられている。例えば特開2000−42005号公報には、咬合器の台座上に水平に取付けられ、その高さ位置の微調整と水平方向への微動調整可能な咬合器の咬合平面板装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特開2000−42005号公報に係る咬合平面板装置等の従来の咬合平面板は、既に咬合平面が決定されていることを前提として、人口歯を排列すると言う目的に利用できるものであり、咬合平面の決定そのものには利用できない。
【0006】
例えば上記特開2000−42005号公報に係る咬合平面板装置において、第1に、咬合平面板401が水平に取付けられ、水平状態のままで上下方向又は水平方向に移動できるに過ぎない。ところが、咬合平面は咬合器の基準平面(カンペル平面及びフランクフルト平面)に対して水平方向に設定されるとは限らないため、上記従来の咬合平面板装置は、任意の傾きを持ち得る咬合平面の決定そのものには利用できない。
【0007】
第2に、咬合平面板401は、台座である下顎模型弓3又は天板である上顎模型弓2に対して、その下顎模型取付け位置や上顎模型取付け位置に取付けるものである。従って、この咬合平面板装置を用いる場合、咬合器に取付けられた上顎模型と下顎模型との中間において咬合平面を考察すると言う理想的な考察を行うことが不可能である。
【0008】
そこで本願発明は、上記の問題点を解消できる咬合器の咬合平面設定装置及び咬合平面設定方法を提供することを、解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の発明)の構成は、咬合器における台座の下顎模型取付け位置又は天板の上顎模型取付け位置に装着される昇降動作可能な支持部によって傾動可能でかつ該傾動状態において固定可能に支持される咬合平面板を備える、咬合器の咬合平面設定装置である。
【0010】
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、台座の下顎模型取付け位置又は天板の上顎模型取付け位置を除く咬合器構成部材の任意の取付け部位に装着される可動支持部によって移動及び傾動可能でかつ該移動・傾動位置において固定可能に支持され、下顎模型を取付けた台座と上顎模型を取付けた天板との間に装入される咬合平面設定板を備える、咬合器の咬合平面設定装置である。
【0011】
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、前記第2発明に係る可動支持部を装着する咬合器の構成部材が切歯指導釘である、咬合器の咬合平面設定装置である。
【0012】
(第4発明の構成)
上記課題を解決するための本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、前記第2発明又は第3発明に係る咬合平面設定板が透明材料からなる、咬合器の咬合平面設定装置である。
【0013】
(第5発明の構成)
上記課題を解決するための本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、咬合器の台座に下顎模型を取付け天板には第1発明に係る咬合平面板を取付けた状態で、あるいは咬合器の天板に上顎模型を取付け台座には第1発明に係る咬合平面板を取付けた状態で、前記下顎模型あるいは上顎模型との位置関係を含む必要な事項の考察を通じて、咬合平面板の高さ及び傾動状態を調節することにより咬合平面を決定する、咬合平面設定方法である。
【0014】
(第6発明の構成)
上記課題を解決するための本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、咬合器の台座には下顎模型を、咬合器の天板には上顎模型をそれぞれ取付けた状態で、これらの模型の中間に第2発明〜第4発明のいずれかに係る咬合平面設定板を装入し、前記下顎模型及び上顎模型との位置関係を含む必要な事項の考察を通じて、咬合平面設定板の位置及び傾動状態を調節することにより咬合平面を決定する、咬合平面設定方法である。
【0015】
(第7発明の構成)
上記課題を解決するための本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、第6発明に係る方法により咬合平面設定板の位置及び傾動状態を調節して咬合平面を決定した後、台座の下顎模型又は天板の上顎模型のいずれかを第1発明に係る咬合平面板に取り替え、該咬合平面板を前記咬合平面設定板と平行に接する状態に高さ及び傾動状態を調節する、咬合平面設定方法である。
【0016】
【発明の作用・効果】
(第1発明の作用・効果)
第1発明の咬合平面設定装置は、昇降動作可能な支持部によって傾動可能でかつ該傾動状態において固定可能に支持される咬合平面板を備える。
【0017】
従って、前記したように咬合採得後歯科医師から歯科技工士に対して咬合平面が指示されていない場合に、第1発明の咬合平面板を台座の下顎模型取付け位置又は天板の上顎模型取付け位置に装着すれば、咬合器に取付けた上顎模型又は下顎模型との位置関係等の考察のもとに、咬合平面板の高さ及び傾動状態を調節することにより、咬合平面を決定できる。
【0018】
そして、この高さ及び傾動状態で咬合平面板を固定することにより、そのまま咬合平面板により前記のように人口歯を排列すると言う目的に利用できる。
【0019】
(第2発明の作用・効果)
第2発明の咬合平面設定装置は、咬合器構成部材の適部位に装着した可動支持部によって移動及び傾動可能でかつ該移動・傾動位置において固定可能に支持される咬合平面設定板を備える。
【0020】
従って、上記と同様に歯科医師から咬合平面が指示されていない場合に、咬合器に取付けた上顎模型と下顎模型との間に咬合平面設定板を装入して咬合平面を考察すると言う理想的な考察のもとに、咬合平面設定板を移動及び傾動調節して咬合平面を決定できる。
【0021】
そして、この移動・傾動状態で咬合平面設定板を固定することにより、そのまま咬合平面設定板により前記のように人口歯を排列すると言う目的に利用することが可能である。
【0022】
なお、第2発明に係る咬合平面設定板と第1発明に係る咬合平面板を比較すると、一般的に次のように指摘できる。即ち、第1発明に係る咬合平面板は、昇降動作が可能な支持部によって上下方向沿いに支持すれば良いので、咬合平面板に対して相対的に高い支持強度及び固定強度を持つ設計を行ない易い。この点は、人口歯を排列すると言う目的に関しては、相対的に有利である。一方、第2発明に係る咬合平面設定板は、上顎模型と下顎模型との間に側方から咬合平面設定板を装入するような形態で可動支持部により支持されるため、高い支持強度及び固定強度を持つ設計は行い難い。しかし、上記のように咬合器に上下顎模型を取り付けた理想的な状態で咬合平面を考察できる。
【0023】
(第3発明の作用・効果)
咬合器において、可動支持部を装着すべき構成部材の種類及びその装着部位は、台座の下顎模型取付け位置又は天板の上顎模型取付け位置を除いて限定されないが、特に好ましい装着の態様として、第3発明のように咬合器の切歯指導釘に装着する場合が挙げられる。
【0024】
この場合、切歯指導釘における、咬合器に取付けた上下顎模型のほぼ中間となる高さ位置に装着すると、咬合平面設定板を上下顎模型の間に装入し易いので、特に好ましい。
【0025】
(第4発明の作用・効果)
咬合平面設定板を構成する材料の種類は特段に限定されないが、透明材料を用いることが特に好ましい。なぜなら、咬合平面設定板の裏面側にある型模型等を透視しながら咬合平面を考察できると言う有利さがあり、しかも 咬合平面設定板の裏面側にある型模型を透視しつつなぞって歯槽頂を咬合平面設定板に書き込むと言う作業も容易だからである。
【0026】
(第5発明の作用・効果)
第5発明の咬合平面設定方法は、前記第1発明に係る咬合平面板を用いるので、「第1発明の作用・効果」欄に記載した作用・効果を伴って咬合平面を設定することができる。
【0027】
(第6発明の作用・効果)
第6発明の咬合平面設定方法は、前記第2発明〜第4発明に係る咬合平面設定板を用いるので、「第2発明の作用・効果」〜「第4発明の作用・効果」欄に記載した作用・効果を伴って咬合平面を設定することができる。
【0028】
(第7発明の作用・効果)
第7発明の咬合平面設定方法によれば特に優れた作用・効果が得られる。即ち、第1発明に係る咬合平面板と第2発明〜第4発明に係る咬合平面設定板とは、いずれも咬合平面の考察・決定に有効に利用でき、しかもそのまま人口歯を排列する等の作業にも用いることができる。
【0029】
しかし前記したように、相対的に第1発明の咬合平面板は強い支持強度が得られ易く、第2発明〜第4発明に係る咬合平面設定板は咬合平面の考察・決定に特に有効に用い得る。
【0030】
そこで第7発明の咬合平面設定方法では第2発明〜第4発明に係る咬合平面設定板を用いて理想的な考察状態で咬合平面を決定した後、その咬合平面の位置を支持・固定強度の高い第1発明の咬合平面板に転写させて、以後の人口歯を排列する作業等を進めるのである。
【0031】
【発明の実施形態】
次に、第1発明〜第7発明の実施形態を説明する。以下において「本発明」と言うときは、第1発明〜第7発明を一括して指している。
【0032】
〔咬合器〕
咬合器とは義歯等を口腔外で作るための模擬装置であって、シンプレックス咬合器,ハンディ咬合器等のいわゆる平均値咬合器や、調節性咬合器あるいは半調節性咬合器と呼ばれる咬合器等が提供されているが、これらのいずれに対しても本発明の咬合平面設定装置を適用することができる。
【0033】
即ち、少なくとも下顎模型取付け用の台座又はこれに相当する部材と、台座に設けた支柱又はこれに相当する部材によって支持され、適宜な機構の関節部等を介して連結された上顎模型取付け用の天板又はこれに相当する部材とを備えた咬合器である限り、本発明で言う「咬合器」に該当する。好ましくは、咬合器は、天板の先端部から台座方向へ垂下状に取付けた切歯指導釘を備える。
【0034】
〔咬合平面板及び支持部〕
第1発明に係る咬合平面板は薄くて平坦な板状体であり、その厚さや平面の形状及び面積は、使用目的に合致している限りにおいて限定されない。又、咬合平面板の構成材料も特段に限定されず、例えば金属製,ガラス製,セラミック製,プラスチック製等の咬合平面板を任意に使用できる。
【0035】
咬合平面板は支持部によって支持される。この支持部は、咬合器における台座の下顎模型取付け位置、又は天板の上顎模型取付け位置に装着されるものであって、その装着状態において垂直方向への昇降動作が可能で、かつ任意の高さ位置で固定できるように構成されている。
【0036】
このような支持部の台座又は天板への装着方法や昇降動作機構には限定がなく、公知の任意の方法や機構を採用すれば良い。支持部の装着方法としては、簡単なネジ止めを例示できる。昇降動作機構の例示として、咬合器の台座又は天板に固定的に装着できるベース部材に横ネジを備えた垂直な筒体を設け、この筒体中を昇降動作する支柱を任意の昇降位置で横ネジにより固定すると言う機構が挙げられる。ロック機構を備えたパンタグラフ式の昇降装置も例示できる。
【0037】
咬合平面板は、支持部によって、傾動(水平面あるいは基準面に対し任意の方向へ傾く動き)可能で、かつ該傾動状態において固定可能に支持される。このような傾動機構としても公知の任意の機構を採用すれば良く、限定されないが、咬合平面板が球面軸受けを介して支持部の上端に取付けられた形態を例示できる。
この場合にも、例えば球面軸受けに固定ネジを設け、この固定ネジを球面軸受け中のボール方向へ進入させてボールに圧接することにより、咬合平面板を任意の傾動状態において固定することができる。
【0038】
〔咬合平面設定板及び可動支持部〕
第2発明に係る咬合平面設定板は、上記咬合平面板と同様に薄くて平坦な板状体であり、その厚さや平面の形状及び面積は、使用目的に合致している限りにおいて限定されない。
【0039】
咬合平面設定板においては、その構成材料は、金属製,ガラス製,セラミック製,プラスチック製等、特段に限定されないが、「第4発明の作用・効果」欄において前記した理由から透明材料製のものが特に好ましく、更に加工性、軽量性、割れ難さ等を考慮すると透明プラスチック製のものがとりわけ好ましい。
【0040】
咬合平面設定板を支持する可動支持部は、上記の咬合平面板の支持部とは異なり、台座の下顎模型取付け位置又は天板の上顎模型取付け位置を除く任意の部位に装着される。換言すれば、上顎模型と下顎模型を共に取付けた状態の咬合器に対して装着可能である。
【0041】
可動支持部を装着する具体的な咬合器部材の種類や、その装着部位は限定されないが、咬合平面設定板が下顎模型を取付けた台座と上顎模型を取付けた天板との間に装入されることから、位置関係の問題で、咬合器の切歯指導釘に装着することが最も好ましい。但し、例えば台座や天板における顎模型取付け位置以外の部位に装着できるし、天板を支持する支柱に装着することもできる。可動支持部の装着方法は任意であり、簡単なネジ止め等を例示できる。
【0042】
咬合平面設定板は、可動支持部によって、移動及び傾動可能で、かつ該移動・傾動位置において固定できるように支持される。「移動」とは咬合平面設定板の任意の方向への平行移動を言い、「傾動」とは咬合平面設定板が水平面あるいは基準面に対し任意の方向へ傾く動きを言う。
【0043】
可動支持部におけるこのような支持機構の種類は限定されないが、最も簡単な例が、可塑的に変形し得るアーム(例えば、可塑的変形性の優れた金属材料で構成された針金や長細いコルゲート形状パイプ等)によって咬合平面設定板を支持することである。任意の方向への移動を許すリンク機構式アームの先端に球面軸受け等の傾動手段を介して咬合平面設定板を取付けても良い。後述の実施例のように、シャフト固定ネジを伴うパイプと、このパイプ中を進退動作及び回転動作できるシャフトとからなるパイプ−シャフト機構を組合わせて可動支持部を構成することもできる。
【0044】
〔咬合平面板を用いる咬合平面設定方法〕
第5発明に係る咬合平面設定方法においては、咬合平面板を用いて咬合平面を決定する。より具体的には以下の(1)及び(2)の方法が可能であるが、そのうち、一般的には(2)の方法がより便利である。
【0045】
(1)咬合器の台座に下顎模型を取付け、天板の上顎模型取付け位置には咬合平面板を取付けた状態で、必要な考察により咬合平面板の高さ及び傾動状態を調節して咬合平面を決定する。
【0046】
(2)咬合器の天板に上顎模型を取付け、台座の下顎模型取付け位置には咬合平面板を取付けた状態で、必要な考察により咬合平面板の高さ及び傾動状態を調節して咬合平面を決定する。
【0047】
上記(1),(2)の方法において、必要かつ最も重要な考察情報が、咬合器に取付けた下顎模型あるいは上顎模型と咬合平面板との位置関係である。その他、一般的にも知られているように、無歯顎規格模型の標準寸法等も必要な考察事項となる。
【0048】
〔咬合平面設定板を用いる咬合平面設定方法〕
第6発明に係る咬合平面設定方法においては、咬合平面設定板を用いて咬合平面を決定する。より具体的には、咬合器の台座には下顎模型を、咬合器の天板には上顎模型をそれぞれ取付けた状態で、それらの中間に咬合平面設定板を装入し、必要な考察により咬合平面設定板の位置及び傾動状態を調節して咬合平面を決定する。
【0049】
その際、必要かつ最も重要で、しかも理想的な考察情報として、咬合器に取付けた下顎模型及び上顎模型との位置関係の情報を利用できる。その他の考察事項については、上記第5発明の場合と同様である。
【0050】
〔咬合平面板及び咬合平面設定板を用いる咬合平面設定方法〕
第7発明に係る咬合平面設定方法においては、上記の咬合平面板及び咬合平面設定板の両者を用いて咬合平面を決定する。
【0051】
より具体的には、まず上記第6発明の方法により咬合平面設定板の位置及び傾動状態を調節して咬合平面を決定する。次いで台座の下顎模型又は天板の上顎模型のいずれかを咬合平面板に取り替え、該咬合平面板を咬合平面設定板と平行に接する状態に高さ及び傾動状態を調節する。
【0052】
即ち、「第7発明の作用・効果」欄で前記したように、咬合平面の決定手段として基本的に同一の機能を持ち得る咬合平面板と咬合平面設定板とを使い分け、より有効な考察が可能な咬合平面設定板により咬合平面を決定した後、その咬合平面の位置を支持・固定強度の高い咬合平面板に転写させ、以後の所定の作業をより容易かつ確実に進めるのである。
【0053】
【実施例】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図面及び以下の説明において、咬合器自体としては必要な構成であっても、本発明と直接に関係しない部分については、その説明を適宜省略しあるいは簡略化する。本発明の技術的範囲はこれらの実施例によって制約されない。
【0054】
〔咬合器〕
図1に一般的な構成を示す咬合器1は、義歯等を口腔外で作るための模擬装置であって、下顎模型取付け用のネジ孔2を設けた台座3の後方部には1対の支柱4を立設している。これらの支柱4の頂部間にわたっては、人間の顎関節の動きを模した動作を許す公知の所定の機構(図示省略)を備えた関節部5が構成されている。そして関節部5には、上顎模型取付け用のネジ孔6を設けた天板7が、前記台座3のほぼ真上に位置するように取付けられている。従って、天板7は台座3に対して、人間の上顎に対する下顎の相対運動と同様の関節運動を行うことが許される。
【0055】
天板7の前方端部には切歯指導釘8が下方に向かって取付けられている。切歯指導釘8は、天板7に設けた上下方向の孔に取付けられているので、上下方向に移動できる。そして、天板7に設けた止めネジ9によって任意の移動位置で固定される。切歯指導釘8の下端は、台座3の前方端部に設けた切歯指導板10上に接地している。
【0056】
〔咬合平面設定板及び可動支持部〕
図1において想像線(2点鎖線)により咬合平面設定板11及びこれを支持する可動支持部12の装着状態の輪郭を示し、図2においてこれらの構成を具体的に示す。咬合平面設定板11は、適宜な平面形状を有する薄くて平坦な板状体であり、透明なプラスチック製である。
【0057】
可動支持部12は、その装着筒13を切歯指導釘8に嵌装することにより切歯指導釘8に装着されている。装着筒13には止めネジ14が設けられ、この止めネジ14を緩めることにより可動支持部12の切歯指導釘8に対する上下方向の装着位置を変更し、止めネジ14を締めることにより可動支持部12をその装着位置で固定するようになっている。この機構から、可動支持部12を切歯指導釘8に対して軸回りに回転動作させることもできる。
【0058】
上記装着筒13には、その径方向に進退ロッド15が固定され、この進退ロッド15は進退筒16に嵌装されて、進退筒16に設けた止めネジ17によって固定できるようになっている。この機構から、進退筒16は進退ロッド15に対して軸方向への進退動作と進退ロッド15の軸回りの回転動作とが可能で、かつ任意の動作位置で固定され得る。
【0059】
上記進退筒16には、その径方向にクランプロッド18の基部が固定されている。クランプロッド18は所定のクランク形状に屈曲されており、その先端部には、クランプロッド18の軸方向と直角方向にクランプ筒19が固定されている。クランプ筒19は基軸ロッド20を嵌装しており、かつクランプ筒19に設けた止めネジ21によって基軸ロッド20を固定できるようになっている。そしてクランプ筒19の筒壁部の一部に連結窓22が開口され、基軸ロッド20における連結窓22に露出した部分に対して、咬合平面設定板11の基部が一体的に取付けられている。この機構から、基軸ロッド20(及び咬合平面設定板11)は、連結窓22が許容する動作範囲において、その軸回りの回転動作が可能で、かつ任意の回転動作位置で止めネジ21によって固定され得る。
【0060】
従って、図1の装入位置において、咬合平面設定板11は水平方向及び上下方向の任意の方向への動作と、任意の方向への傾動とが可能で、かつ、それらの任意の動作位置で固定され得る。
【0061】
〔咬合平面板及び支持部〕
図3及び図4には、咬合器1の台座3に装着した支持部23と、該支持部23によって支持された咬合平面板24を示す。咬合平面板24は薄くて平坦な金属製の板状体である。台座3に対する支持部23と咬合平面板24の装着構造は、以下の通りである。
【0062】
即ち、台座3に設けた前記ネジ孔2に対して底面側より螺合した装着ネジ25により、支持部23のベース26が台座3の下顎模型取付け位置に装着される。
ベース26には、径方向から止めネジ27をネジ込んだ筒状の軸受け28が固着されており、この軸受け28に上方より挿入された昇降支柱29を任意の昇降位置で固定できるようになっている。
【0063】
上記の昇降支柱29は上端部に球面軸受け30を設けており、この球面軸受け30は咬合平面板24の裏面側に形成した球体31と嵌合している。そして球面軸受け30の外側から球体固定ネジ32がネジ込まれている。
【0064】
以上の構造から、咬合平面板24は昇降支柱29の昇降動作に伴って任意の高さに昇降でき、かつその昇降位置で固定され得る。又、咬合平面板24は球面軸受け30内部での球体31の回転動作に伴い一定の角度範囲で任意の方向に傾動でき、かつその傾動位置で固定され得る。
【0065】
〔咬合平面の決定〕
以上の実施例において、最も好ましい咬合平面の決定方法は、咬合平面設定板11と咬合平面板24とを利用して、次のように行われる。
【0066】
即ち、図1において、咬合器1の台座3にはネジ孔2に螺合した装着ネジ25により下顎模型(図示省略)が取付けられ、天板7にはネジ孔6に螺合した装着ネジ(図示省略)を利用して上顎模型(図示省略)が取付けられる。
【0067】
この状態において、図1のように可動支持部12に支持された咬合平面設定板11を下顎模型と上顎模型との間に装入し、これら上下顎模型との位置関係その他の事項を考察して、最適な咬合平面に一致するように咬合平面設定板11の高さ及び傾動状態を調節する。
【0068】
咬合平面を決定した後、咬合平面設定板11をその決定位置に固定したままで、下顎模型を台座3から取り外し、代わりに図3,図4のように咬合平面板24を台座3に装着する。そして上記した昇降・傾動機構を利用して咬合平面板24を調節し、咬合平面設定板11の下面に平行に密着させる。即ち、咬合平面設定板11によって設定した咬合平面の位置を咬合平面板24に転写する。
【0069】
そして咬合平面設定板11及び可動支持部12を咬合器1から取り外し、あるいは切歯指導釘8回りに回転させて少なくとも下顎模型と上顎模型との間の装入位置から離脱させた後、咬合平面の位置に固定した咬合平面板24を利用して、以後の所定の作業を行う。
【図面の簡単な説明】
【図1】咬合平面設定板の装着状態を示す斜視図である。
【図2】可動支持部の構成を示す図である。
【図3】咬合平面板の装着状態を示す斜視図である。
【図4】咬合平面板の装着状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1        咬合器
3        台座
4        支柱
5        関節部
7        天板
8        切歯指導釘
11       咬合平面設定板
12       可動支持部
13       装着筒
15       進退ロッド
16       進退筒
18       クランプロッド
19       クランプ筒
20       基軸ロッド
22       連結窓
23       支持部
24       咬合平面板
29       昇降支柱
30       球面軸受け
31       球体

Claims (7)

  1. 咬合器における台座の下顎模型取付け位置又は天板の上顎模型取付け位置に装着される昇降動作可能な支持部によって傾動可能でかつ該傾動状態において固定可能に支持される咬合平面板を備えることを特徴とする咬合器の咬合平面設定装置。
  2. 台座の下顎模型取付け位置又は天板の上顎模型取付け位置を除く咬合器構成部材の任意の取付け部位に装着される可動支持部によって移動及び傾動可能でかつ該移動・傾動位置において固定可能に支持され、下顎模型を取付けた台座と上顎模型を取付けた天板との間に装入される咬合平面設定板を備えることを特徴とする咬合器の咬合平面設定装置。
  3. 前記可動支持部を装着する咬合器の構成部材が切歯指導釘であることを特徴とする請求項2に記載の咬合器の咬合平面設定装置。
  4. 前記咬合平面設定板が透明材料からなることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の咬合器の咬合平面設定装置。
  5. 咬合器の台座に下顎模型を取付け天板には請求項1に記載の咬合平面板を取付けた状態で、又は咬合器の天板に上顎模型を取付け台座には請求項1に記載の咬合平面板を取付けた状態で、前記下顎模型あるいは上顎模型との位置関係を含む必要な事項の考察を通じて、咬合平面板の高さ及び傾動状態を調節することにより咬合平面を決定することを特徴とする咬合平面設定方法。
  6. 咬合器の台座には下顎模型を、咬合器の天板には上顎模型をそれぞれ取付けた状態で、これらの模型の中間に請求項2〜請求項4のいずれかに記載の咬合平面設定板を装入し、前記下顎模型及び上顎模型との位置関係を含む必要な事項の考察を通じて、咬合平面設定板の位置及び傾動状態を調節することにより咬合平面を決定することを特徴とする咬合平面設定方法。
  7. 請求項6に記載の方法により咬合平面設定板の位置及び傾動状態を調節して咬合平面を決定した後、台座の下顎模型又は天板の上顎模型のいずれかを請求項1に記載の咬合平面板に取り替え、該咬合平面板を前記咬合平面設定板と平行に接する状態に高さ及び傾動状態を調節することを特徴とする咬合平面設定方法。
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