JP2004032675A - 固体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モアレ等の偽信号の抑圧、受光効率の向上、高集積化、画像の空間サンプリングの最適化構造の固体撮像装置を提供すること。
【解決手段】互いに隣接する行同士において、一方の行の配列(11a〜d)が他方の行の配列(14a〜d)に対して行方向の該配列間隔のほぼ1/2だけ相対的にずれて配置された複数の光電変換素子と、行方向に隣接する前記光電変換素子間には2列分(16a、17a)が配置され、斜め方向に隣接する前記光電変換素子間には1列分が配置され、前記光電変換素子間を蛇行して半導体基板上に形成され、列方向に沿って配置されている前記光電変換素子からの蓄積電荷を転送する複数の列方向電荷転送装置(16a〜d、17a〜d)と、前記列方向電荷転送装置から電荷を順次読み出して転送する行方向電荷転送装置(19)と、前記行方向電荷転送装置からの電荷量に応じた電圧を順次出力する出力回路(20)とを有する固体撮像装置。
【選択図】図1
【解決手段】互いに隣接する行同士において、一方の行の配列(11a〜d)が他方の行の配列(14a〜d)に対して行方向の該配列間隔のほぼ1/2だけ相対的にずれて配置された複数の光電変換素子と、行方向に隣接する前記光電変換素子間には2列分(16a、17a)が配置され、斜め方向に隣接する前記光電変換素子間には1列分が配置され、前記光電変換素子間を蛇行して半導体基板上に形成され、列方向に沿って配置されている前記光電変換素子からの蓄積電荷を転送する複数の列方向電荷転送装置(16a〜d、17a〜d)と、前記列方向電荷転送装置から電荷を順次読み出して転送する行方向電荷転送装置(19)と、前記行方向電荷転送装置からの電荷量に応じた電圧を順次出力する出力回路(20)とを有する固体撮像装置。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子に関し、特に全画素信号同時読み出し型の高解像度化に適した固体撮像装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
電荷転送型固体撮像装置いわゆるCCD固体撮像装置は、NTSC方式等に準拠したテレビジョンやビデオテープレコーダ用のカメラに搭載する事を目的に開発されてきた。この方式では、1フレームの表示画像をインターレース走査し、2フィールドの信号に分ける。従って、1回の信号読み出しでは第1のフィールドに対応する受光素子または第2のフィールドに対応する受光素子から信号電荷を読み出せばよい。換言すれば、2個の受光素子に対して1転送段を有する構成が一般的である。
【0003】
これに対して、電子スチルカメラや新しいテレビジョン方式のカメラではノンインターレース方式の撮像を必要とする。この場合、1受光素子に対して1転送段(一般に4電極)が必要になる。これを実現する方法として、図9に示す構成の固体撮像装置が提案されている。
【0004】
図9にノンインターレース方式対応の全画素信号同時読み出し型固体撮像装置の一例のその一部の拡大平面図を示す。図9において、1はフォトダイオーような光電変換素子(以下、受光素子とも称する)であり、点線2で囲ったものは複数の受光素子1を図の上下方向(以下、列方向と称する)に配列した受光素子列であり、点線3で囲ったものは複数の受光素子1を図の左右方向(以下、行方向と称する)に配列した第1の受光素子行であり、点線4で囲ったものは複数の受光素子1を図の左右方向(以下、行方向と称する)に配列した第2の受光素子行であり、第1と第2の受光素子行は列方向に隣接して交互に配置される。
【0005】
さらに図9において、5は左側に隣接する受光素子1の信号電荷を読み出してかつ列方向に転送する第1の列方向電荷転送装置であり、6は右側に隣接する受光素子1の信号電荷を読み出してかつ列方向に転送する第2の列方向電荷転送装置であり、第1と第2の列方向電荷転送装置は一つの受光素子列2の両側に配置される。
【0006】
さらに図9において、7は第1と第2の列方向電荷転送装置5、6で転送た信号電荷のいずれか一方を選択的に行方向電荷転送装置8に転送する制御装置であり、9は行方向電荷転送装置8からの信号電荷の電荷量に応じた電圧を生成して外部に出力する出力回路である。以上の受光素子1、列方向電荷転送装置5、6、制御装置7、行方向電荷転送装置8ならびに出力回路9は、いずれも共通の半導体基板(図示せず)の上に形成される。
【0007】
説明のように、図9の固体撮像装置では、各受光素子列2の両側に2列の列方向電荷転送装置5、6を配置することで、1受光素子1に対して1転送段10を割り当てることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9の構成では、隣接する2列の受光素子列2の間に2列の列方向電荷転送装置5、6が配置されることになるため、左右方向(行方向)の受光素子間の距離すなわち受光素子列間距離が従来の約2倍に拡がり、この受光素子列間距離の領域は受光無効領域となる。これは、画像サンプリングのアパーチャを狭め、モアレ等の偽信号をもたらす。
【0009】
同時に、当該受光無効領域があるため受光素子1の面積が小さくなり、受光素子1に入射する光量が減少することで、感度の低下をもたらす。さらに高集積化をすることを困難にさせることも大きな問題である。加えて、図示の如く列方向に沿って受光素子1から信号電荷を読み出す方向が左右に交互に入れ替わる。(左右方向の矢印)このため、この固体撮像素子の製造工程において、受光素子列2と列方向転送装置5、6列の相対的位置にズレが生じた場合、同時読み出しの特性が上下に隣接する受光素子間で異なってしまう。例えば、列方向転送装置5、6に対して受光素子1が図面の右方向にずれた場合、第1の受光素子行3を構成する受光素子1と第1の列方向転送装置5の相対位置が近づき、逆に第2の受光素子行4を構成する受光素子1と第2の列方向転送装置6の相対位置が遠ざかる。これにより第1の受光素子行3で発生する信号電荷は読み出し易く、第2の受光素子行4で発生する信号電荷は読み出し難くなる。さらに、受光素子に入射した光の一部は列方向電荷転送装置に漏洩することで発生するスミアと称される偽信号の量が第1と第2の列方向転送装置5と6間で異なるために縦縞状の見苦しい表示をもたらす。
【0010】
本発明の目的は、モアレ等の偽信号の抑圧、受光効率の向上、高集積化、画像の空間サンプリングの最適化並びに製造工程における受光素子と列方向転送装置間の位置ズレに起因する受光素子間の特性不均一の改善などをもたらす新規な構造の固体撮像装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、固体撮像装置は、半導体基板と、互いに隣接する行同士において、一方の行の配列が他方の行の配列に対して行方向の該配列間隔のほぼ1/2だけ相対的にずれて配置された複数の光電変換素子と、行方向に隣接する前記光電変換素子間には2列分が配置され、斜め方向に隣接する前記光電変換素子間には1列分が配置されるように、前記光電変換素子間を蛇行するように前記半導体基板上に形成され、列方向に沿って配置されている前記光電変換素子から出力される蓄積電荷を転送する複数の列方向電荷転送装置と、前記列方向電荷転送装置から電荷を順次読み出して転送する行方向電荷転送装置と、前記行方向電荷転送装置からの電荷量に応じた電圧を順次出力する出力回路とを有し、前記光電変換素子は、前記列方向電荷転送装置の蛇行角度に整合するように配置され、前記列方向電荷転送装置は、行方向に延在し、複数の行方向の前記電荷転送装置に共有される複数の電極を含み、1個の前記光電変換素子に対し4個の前記電極で一転送段を形成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の固体撮像装置の一実施例の部分拡大平面図を示す。図1において、11a〜11dは第1行の受光素子行、14a〜14dは第2行の受光素子行、12a〜12dは第3行の受光素子行、15a〜15dは第4行の受光素子行、そして13a〜13dは第5行の受光素子行であり、各列の正方形の形状で示されるのが受光素子である。さらに、受光素子間をくねくねと蛇行する形状の16a〜16dは第1の列方向電荷転送装置、同じく17a〜17dは第2の列方向電荷転送装置を示す。この場合、18で示した1区間は列方向電荷転送装置の1転送段に相当する。
【0013】
図示のように、第1〜第5の受光素子行の内、偶数番目の行14a〜14d,15a〜15dは、奇数番目の行11a〜11d,12a〜12d,13a〜13dに対して行を構成する受光素子の中心間間隔(ピッチ)の約1/2だけシフト(ずれ)した位置に形成される。
【0014】
このように配置された受光素子間を縫うように列方向電荷転送装置16a〜16d及び17a〜17dとが図示のように蛇行しつつ列軸に対称に互いに近接と離隔とを繰り返すような形態で配置される。各受光素子は、2列の列方向転送装置が離隔して空いた領域に形成される。第1行の受光素子行11a〜11dに着目すると、図示の如く2列の隣接する列方向転送装置(例えば16a,17a)を間に挟んで対峙する二つの受光素子(例えば11a,11b)で挟まれた領域は、図9の従来技術の構成と同様に受光無効領域となる。しかし、この実施例の場合、第2行の受光素子行14a〜14dの各受光素子は第1行目の無効領域のすぐ上に形成されているために、第1行の無効領域の信号を第2行の受光素子の信号電荷で補間することができる。
【0015】
例えば、各無効領域の上下の受光素子の信号の平均値をその無効領域の信号として利用するような信号処理を施すことによって、無効領域に受光素子が存在する場合と遜色のない撮像信号を得ることが出来る。即ち、信号処理上あたかも無効領域にも実質的に受光素子が存在するかのようになり、各行方向の受光素子数が実際の数の2倍になったのと同等に近い解像度を得ることができる。
【0016】
図9の従来の構造では、受光無効領域の上下には受光素子は存在しないために、図1の実施例のような信号処理は不可能であり、本発明の実施例のように行方向の解像度を高めることはできない。ここで、図1の19と20で示すものは、図9の行方向電荷転送装置8と出力回路9とそれぞれ同じものであるので説明は省略する。
【0017】
なお、図1の実施例においては、列方向電荷転送装置の1転送段18が全受光素子に対応して同数だけ配置させることで、全受光素子の信号電荷を同時に読み出して同時に転送することができる。本発明の実施例の構造は、特別に新規な製造技術を必要とせず、従来の製造技術により作製することができる。
【0018】
次に、図1の実施例をさらに具体化した固体撮像装置の平面構造部分図を図8に示す。図8において、31a〜31dは第1行の受光素子行、34a〜34cは第2行の受光素子行、32a〜32dは第3行の受光素子行、35a〜35cは第4行の受光素子行、そして33a〜33dは第5行の受光素子行であり、各列の八角形の形状で示されるのが受光素子である。この場合、受光素子は列方向と行方向にいずれにも全て等間隔で配置している。さらに、36a〜36cは第1の列方向電荷転送装置、37a〜37cは第2の列方向電荷転送装置を示す。38は素子間分離領域であり、一般に半導体領域上に信号電荷と反対導電型の高濃度不純物層を形成してなり、各列方向電荷転送装置間及び受光素子の一部と列方向電荷転送装置との間を電気的に分離する。
【0019】
列方向電荷転送装置は、図示しない半導体基板上に絶縁膜(図示しない)を介して形成された複数の導電性電極を含み、本実施例においては行方向に一体化された39a〜42a及び39b〜42bがこれに当たり、39a〜42aの4個の電極で1転送段を形成する公知の4相駆動型転送装置が用いられている。この例では、39a,41a,39b,41bが第1層の導電層、40a,42a,40b,42bが第2層の導電層からなる公知の重ね合わせ電極構造が採用され、39aと39bには第1相、40aと40bには第2相、41aと41bには第3相、42aと42bには第4相の転送クロック電圧が供給される。各電極にまたがる細い線の領域は2層重ね合わせ電極のオーバーラップ部分を表す。本実施例で明らかな如く、本発明は公知の2層重ね合わせ電極の4相駆動方式で実現することができる。
【0020】
図2に、本発明の第2の実施例の固体撮像装置の部分拡大平面図を示す。図2において、21a〜21dは第1行の受光素子行、24a〜24dは第2行の受光素子行、22a〜22dは第3行の受光素子行、25a〜25dは第4行の受光素子行、そして23a〜23dは第5行の受光素子行であり、16a〜16dは第1の列方向電荷転送装置、17a〜17dは第2の列方向電荷転送装置を示す。各列の八角形の形状で示されるのが受光素子である。本実施例では受光素子は各列方向電荷転送装置の蛇行角度に整合するような八角形の形状を採用する。この形状により受光面積を最大限に拡大することができる。
【0021】
さらに、図2の実施例においては、受光素子の受光部上にG,B,Rと記した色フィルタが形成されている。ここで、Gは緑(グリーン)、Bは青(ブルー)そしてRは赤(レッド)を示す。この実施例では、Gフィルタのある受光素子からの信号電荷(G信号)は第1の列方向電荷転送装置16a〜16dに、BフィルタとRフィルタのある受光素子からの信号電荷(B信号とR信号)は第2の列方向電荷転送装置17a〜17dによりそれぞれ転送される。
【0022】
さらに、図2の実施例においては行方向電荷転送装置は、第1と第2の列電荷転送装置16a〜16d、17a〜17dからの信号電荷を並列に受取ってそれらを行方向に転送する主転送装置26と、主転送装置26からのG信号の信号電荷を第1の出力回路29に分岐転送する第1の分岐装置27と、主転送装置26からのB信号とR信号の信号電荷を第2の出力回路30に分岐転送する第2の分岐装置28とからなる。主転送装置26内をG,R,G,B信号の順番で転送された信号電荷の内、例えばG信号は第1の分岐装置27に転送され、R信号とB信号とは第2の分岐装置28に転送される。これにより、第1の出力回路29からはG信号の電圧が出力され、第2の出力回路30からはR信号とB信号の電圧がそれぞれ分離して出力されるので、以後の信号処理を簡単にすることができる。
【0023】
図3に、本発明の第3の実施例の固体撮像装置の部分拡大平面図を示す。図3において、51a〜51dは第1行の受光素子行、54a〜54dは第2行の受光素子行、52a〜52dは第3行の受光素子行、55a〜55dは第4行の受光素子行、そして53a〜53dは第5行の受光素子行であり、16a〜16dは第1の列方向電荷転送装置、17a〜17dは第2の列方向電荷転送装置を示す。G,B,Rと記したのは色フィルタの色を示す。
【0024】
第3の実施例においては受光素子の形状が円形または楕円形をなしている。受光素子を円形または楕円形とすることで、その上に形成されるマイクロレンズ(図示せず)の形状を最も集光性の良い円形あるいは楕円形とすることができる。さらに、第3の実施例においては、第1の列方向電荷転送装置16a〜16dからのG信号を受けて転送する第1の行方向電荷転送装置56と、第2の列方向電荷転送装置17a〜17dからのB信号とG信号とを受けて転送する第2の行方向電荷転送装置55とを個別に設け、それぞれに個別の出力回路58と57とを接続した。
【0025】
このように、行方向電荷転送装置を二つに分割して配置したことにより、2列の列方向電荷転送装置から転送されるG,B,Rの高密度信号電荷を空間的に1/2の密度に低減できるため、行方向電荷転送装置に要求される集積度を分割しない場合に比べて1/2に緩和できる。また、行方向電荷転送装置と出力回路とに要求される転送周波数を分割しない場合に比べて半分の低い周波数に低減できるので、消費電力を著しく低減できる。なお、図3の59a〜59eは、列方向電荷転送装置から行方向電荷転送装置へ信号電荷を転送するに際し、始めに第1の列方向電荷転送装置16a〜16dから行方向電荷転送装置55を介して行方向電荷転送装置56に転送し、続いて第2の列方向電荷転送装置17a〜17dから行方向電荷転送装置55に転送を行うように制御する転送制御部である。2行の行方向電荷転送装置55,56を用いて電荷を転送する方法は、例えば特開平5−91415号公報の図2、図6の説明に記載されている。
【0026】
図4に、本発明の第4の実施例の固体撮像装置の部分拡大平面図を示す。図4において、61a〜61dは第1行の受光素子行、64a〜64dは第2行の受光素子行、62a〜62dは第3行の受光素子行、65a〜65dは第4行光素子行、そして63a〜63dは第5行の受光素子行であり、66a〜66dは第1の列方向電荷転送装置、67a〜67dは第2の列方向電荷転送装置を示す。G,B,Rと記したのは色フィルタの色を示す。
【0027】
この第4実施例においては、第1の列方向電荷転送装置66a〜66dの信号電荷の転送方向と、第2の列方向電荷転送装置67a〜67dの信号電荷の転送方向とが互いに逆方向である。奇数番目の行の受光素子61a〜61d、62a〜62d、63a〜63dで発生した信号電荷は第1の列方向電荷転送装置66a〜66dで読み出されて、図面の下方の第1の行方向電荷転送装置68に転送される。一方、偶数番目の行の受光素子64a〜64d、65a〜65dで発生した信号電荷は第2の列方向電荷転送装置67a〜67dで読み出されて、図面の上方の第2の行方向電荷転送装置69に転送される。従って、G信号は下の行方向電荷転送装置68で出力回路70に転送され、R信号とB信号とは上の行方向電荷転送装置69でもう一つの出力回路71に転送される。上下別々の出力回路70と71から出力される信号は互いに上下反転するが、出力信号を一旦メモリに格納し、メモリから正転読み出しすることで実用上問題はない。正転読み出しは、メモリに書き込んだ行の順番と逆の順番でメモリから読み出す方法である。
【0028】
次に、本発明による固体撮像装置の構成で使用されるカラーフィルタあるいはカラーフィルタの上に配置されるマイクロレンズの配置の実施例について図5〜図7を参照して説明する。図5〜図7の説明ではカラーフィルタの配置例を参照して説明するが、マイクロレンズの場合も同様である。
【0029】
図5に示す場合においては、点線で示すようにGフィルタが正方格子状に配置され、格子をなす四つのGフィルタに囲まれた中心にRフィルタあるいはBフィルタが配置される。行方向の配列ピッチ81と、列方向の配列ピッチ82とは互いに等しく設定されている。この例ではフィルタ(又はマイクロレンズ)は八角形の形状に形成されている。
【0030】
図6は、図5と同一のGフィルタ配列で、各フィルタ(又はマイクロレンズ)の形状を6角形に形成した場合を示す。行方向の配列ピッチ83と、列方向の配列ピッチ84とは互いに等しく設定されている。
【0031】
図7は、各フィルタ(又はマイクロレンズ)の形状を正六角形に形成し、隣接するフィルタ間の中心距離85、86、87をすべて等しく設定した例である。この例の場合では、R,G,Bフィルタが全領域に渡り均一かつ等方的に配置されている。図6と図7の例では、フィルタ(あるいはマイクロレンズ)の配置に空間的無効領域がなく効率的な配置を実現している。
【0032】
図9に示す従来の固体撮像装置では、フィルタあるいはマイクロレンズはその形状が長方形に限定されてしまうのに対して、本発明の実施例によるフィルタあるいはマイクロレンズの配置では、配置と形状の選択肢が格段に増加し、撮像サンプリング点およびマイクロレンズの集光率を最大限に高めることができる。さらに、行方向と列方向の空間サンプリング周波数をほぼ同一にでき、再生画像全体にわたり、調和がとれた解像度を得ることができる。
【0033】
以上では、本発明の実施例に関し、全受光素子の信号を同時に読み出す、所謂全画素同時読み出し型の固体撮像装置の場合を例に説明した。しかし、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。本発明は、たとえばNTSC方式に準じたインターレース型固体撮像装置として利用することもできる。この場合、全受光素子の例えば半数を1フィールドとして読み出し、残り半数を他の1フィールドとして読み出す。1受光素子に対して1転送段が対応する前述の実施例の構造でインターレース動作を行う場合、全転送段の半数が空信号状態として散りばめられる。空信号は転送期間に発生する雑音成分(光漏洩によるスミアや熱的に発生する暗電流等)を含む。従って、空信号に隣接する撮像信号からこの空信号を引き去ることで信号のS/Nを改善することができる。
【0034】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【0035】
【発明の効果】
互いに隣接する受光素子の行同士において、一方の行の受光素子の配列が他方の行の受光素子の配列に対して該配列間隔のほぼ1/2だけ相対的にずれて配置され、さらに行方向に隣接する受光素子間には2列分の列方向電荷転送装置が配置され、斜め方向に隣接する受光素子間には1列分の列方向電荷転送装置が配置されるように列方向電荷転送装置が受光素子間を蛇行するように半導体基板上に形成されている構成を採用することにより、以下のような効果を得ることができる。
【0036】
(1) 画像の空間的サンプリング点を最適化しかつ全画素同時読み出しを可能とする。
【0037】
(2) 受光無効領域の上下の受光素子の信号を利用して無効領域の信号を生成することで等価的に受光素子数の2倍の解像度が得られるような信号処理が可能となる。
【0038】
(3) モアレ等の偽信号が抑圧され、高品質撮像信号を得られる。
【0039】
(4) 色フィルタやマイクロレンズの形状に対する選択肢が増加し、受光効率を向上できる。
【0040】
(5) 受光無効領域を極力排除し高集積化をもたらす。
【0041】
(6) 製造工程で発生する受光素子と列方向電荷転送装置との相対的位置ズレに起因する受光素子間の特性不均一をなくすことができる。
【0042】
(7) 従来の2層重ね合わせ電極構造の製造技術を利用して作成できるので製造が容易である。
【0043】
(8) 斜め方向に隣接する受光素子間には1個の列転送装置しかないので、従来の撮像装置に比べ斜め方向の受光素子間隔を格段に狭めることができる。
【0044】
(9) インターレース動作に応用した場合、雑音成分を分離出力し、それを元の信号から引き去ることでS/Nの高い信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の全画素同時読み出し固体撮像装置の部分拡大平面図である。
【図2】本発明の第2の実施例の全画素同時読み出し固体撮像装置の部分拡大平面図である。
【図3】本発明の第3の実施例の全画素同時読み出し固体撮像装置の部分拡大平面図である。
【図4】本発明の第4の実施例の全画素同時読み出し固体撮像装置の部分拡大平面図である。
【図5】本発明の実施例におけるカラーフィルタの配列構成の例を示す図である。
【図6】本発明の実施例におけるカラーフィルタの配列構成の他の例を示す図である。
【図7】本発明の実施例におけるカラーフィルタの配列構成のさらに別の例を示す図である。
【図8】本発明の実施例の固体撮像素子の構造をより具体的に示す部分拡大平面図である。
【図9】従来の技術による全画素同時読み出し固体撮像装置の部分拡大平面図である。
【符号の説明】
11a〜11d,12a〜12d,13a〜13d,14a〜14d,15a〜15d・・・・・・・・・受光素子(光電変換素子)
16a〜16d,17a〜17d・・・・・・列方向電荷転送装置
19・・・・・・・行方向電荷転送装置
20・・・・・・・出力回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子に関し、特に全画素信号同時読み出し型の高解像度化に適した固体撮像装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
電荷転送型固体撮像装置いわゆるCCD固体撮像装置は、NTSC方式等に準拠したテレビジョンやビデオテープレコーダ用のカメラに搭載する事を目的に開発されてきた。この方式では、1フレームの表示画像をインターレース走査し、2フィールドの信号に分ける。従って、1回の信号読み出しでは第1のフィールドに対応する受光素子または第2のフィールドに対応する受光素子から信号電荷を読み出せばよい。換言すれば、2個の受光素子に対して1転送段を有する構成が一般的である。
【0003】
これに対して、電子スチルカメラや新しいテレビジョン方式のカメラではノンインターレース方式の撮像を必要とする。この場合、1受光素子に対して1転送段(一般に4電極)が必要になる。これを実現する方法として、図9に示す構成の固体撮像装置が提案されている。
【0004】
図9にノンインターレース方式対応の全画素信号同時読み出し型固体撮像装置の一例のその一部の拡大平面図を示す。図9において、1はフォトダイオーような光電変換素子(以下、受光素子とも称する)であり、点線2で囲ったものは複数の受光素子1を図の上下方向(以下、列方向と称する)に配列した受光素子列であり、点線3で囲ったものは複数の受光素子1を図の左右方向(以下、行方向と称する)に配列した第1の受光素子行であり、点線4で囲ったものは複数の受光素子1を図の左右方向(以下、行方向と称する)に配列した第2の受光素子行であり、第1と第2の受光素子行は列方向に隣接して交互に配置される。
【0005】
さらに図9において、5は左側に隣接する受光素子1の信号電荷を読み出してかつ列方向に転送する第1の列方向電荷転送装置であり、6は右側に隣接する受光素子1の信号電荷を読み出してかつ列方向に転送する第2の列方向電荷転送装置であり、第1と第2の列方向電荷転送装置は一つの受光素子列2の両側に配置される。
【0006】
さらに図9において、7は第1と第2の列方向電荷転送装置5、6で転送た信号電荷のいずれか一方を選択的に行方向電荷転送装置8に転送する制御装置であり、9は行方向電荷転送装置8からの信号電荷の電荷量に応じた電圧を生成して外部に出力する出力回路である。以上の受光素子1、列方向電荷転送装置5、6、制御装置7、行方向電荷転送装置8ならびに出力回路9は、いずれも共通の半導体基板(図示せず)の上に形成される。
【0007】
説明のように、図9の固体撮像装置では、各受光素子列2の両側に2列の列方向電荷転送装置5、6を配置することで、1受光素子1に対して1転送段10を割り当てることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9の構成では、隣接する2列の受光素子列2の間に2列の列方向電荷転送装置5、6が配置されることになるため、左右方向(行方向)の受光素子間の距離すなわち受光素子列間距離が従来の約2倍に拡がり、この受光素子列間距離の領域は受光無効領域となる。これは、画像サンプリングのアパーチャを狭め、モアレ等の偽信号をもたらす。
【0009】
同時に、当該受光無効領域があるため受光素子1の面積が小さくなり、受光素子1に入射する光量が減少することで、感度の低下をもたらす。さらに高集積化をすることを困難にさせることも大きな問題である。加えて、図示の如く列方向に沿って受光素子1から信号電荷を読み出す方向が左右に交互に入れ替わる。(左右方向の矢印)このため、この固体撮像素子の製造工程において、受光素子列2と列方向転送装置5、6列の相対的位置にズレが生じた場合、同時読み出しの特性が上下に隣接する受光素子間で異なってしまう。例えば、列方向転送装置5、6に対して受光素子1が図面の右方向にずれた場合、第1の受光素子行3を構成する受光素子1と第1の列方向転送装置5の相対位置が近づき、逆に第2の受光素子行4を構成する受光素子1と第2の列方向転送装置6の相対位置が遠ざかる。これにより第1の受光素子行3で発生する信号電荷は読み出し易く、第2の受光素子行4で発生する信号電荷は読み出し難くなる。さらに、受光素子に入射した光の一部は列方向電荷転送装置に漏洩することで発生するスミアと称される偽信号の量が第1と第2の列方向転送装置5と6間で異なるために縦縞状の見苦しい表示をもたらす。
【0010】
本発明の目的は、モアレ等の偽信号の抑圧、受光効率の向上、高集積化、画像の空間サンプリングの最適化並びに製造工程における受光素子と列方向転送装置間の位置ズレに起因する受光素子間の特性不均一の改善などをもたらす新規な構造の固体撮像装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、固体撮像装置は、半導体基板と、互いに隣接する行同士において、一方の行の配列が他方の行の配列に対して行方向の該配列間隔のほぼ1/2だけ相対的にずれて配置された複数の光電変換素子と、行方向に隣接する前記光電変換素子間には2列分が配置され、斜め方向に隣接する前記光電変換素子間には1列分が配置されるように、前記光電変換素子間を蛇行するように前記半導体基板上に形成され、列方向に沿って配置されている前記光電変換素子から出力される蓄積電荷を転送する複数の列方向電荷転送装置と、前記列方向電荷転送装置から電荷を順次読み出して転送する行方向電荷転送装置と、前記行方向電荷転送装置からの電荷量に応じた電圧を順次出力する出力回路とを有し、前記光電変換素子は、前記列方向電荷転送装置の蛇行角度に整合するように配置され、前記列方向電荷転送装置は、行方向に延在し、複数の行方向の前記電荷転送装置に共有される複数の電極を含み、1個の前記光電変換素子に対し4個の前記電極で一転送段を形成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の固体撮像装置の一実施例の部分拡大平面図を示す。図1において、11a〜11dは第1行の受光素子行、14a〜14dは第2行の受光素子行、12a〜12dは第3行の受光素子行、15a〜15dは第4行の受光素子行、そして13a〜13dは第5行の受光素子行であり、各列の正方形の形状で示されるのが受光素子である。さらに、受光素子間をくねくねと蛇行する形状の16a〜16dは第1の列方向電荷転送装置、同じく17a〜17dは第2の列方向電荷転送装置を示す。この場合、18で示した1区間は列方向電荷転送装置の1転送段に相当する。
【0013】
図示のように、第1〜第5の受光素子行の内、偶数番目の行14a〜14d,15a〜15dは、奇数番目の行11a〜11d,12a〜12d,13a〜13dに対して行を構成する受光素子の中心間間隔(ピッチ)の約1/2だけシフト(ずれ)した位置に形成される。
【0014】
このように配置された受光素子間を縫うように列方向電荷転送装置16a〜16d及び17a〜17dとが図示のように蛇行しつつ列軸に対称に互いに近接と離隔とを繰り返すような形態で配置される。各受光素子は、2列の列方向転送装置が離隔して空いた領域に形成される。第1行の受光素子行11a〜11dに着目すると、図示の如く2列の隣接する列方向転送装置(例えば16a,17a)を間に挟んで対峙する二つの受光素子(例えば11a,11b)で挟まれた領域は、図9の従来技術の構成と同様に受光無効領域となる。しかし、この実施例の場合、第2行の受光素子行14a〜14dの各受光素子は第1行目の無効領域のすぐ上に形成されているために、第1行の無効領域の信号を第2行の受光素子の信号電荷で補間することができる。
【0015】
例えば、各無効領域の上下の受光素子の信号の平均値をその無効領域の信号として利用するような信号処理を施すことによって、無効領域に受光素子が存在する場合と遜色のない撮像信号を得ることが出来る。即ち、信号処理上あたかも無効領域にも実質的に受光素子が存在するかのようになり、各行方向の受光素子数が実際の数の2倍になったのと同等に近い解像度を得ることができる。
【0016】
図9の従来の構造では、受光無効領域の上下には受光素子は存在しないために、図1の実施例のような信号処理は不可能であり、本発明の実施例のように行方向の解像度を高めることはできない。ここで、図1の19と20で示すものは、図9の行方向電荷転送装置8と出力回路9とそれぞれ同じものであるので説明は省略する。
【0017】
なお、図1の実施例においては、列方向電荷転送装置の1転送段18が全受光素子に対応して同数だけ配置させることで、全受光素子の信号電荷を同時に読み出して同時に転送することができる。本発明の実施例の構造は、特別に新規な製造技術を必要とせず、従来の製造技術により作製することができる。
【0018】
次に、図1の実施例をさらに具体化した固体撮像装置の平面構造部分図を図8に示す。図8において、31a〜31dは第1行の受光素子行、34a〜34cは第2行の受光素子行、32a〜32dは第3行の受光素子行、35a〜35cは第4行の受光素子行、そして33a〜33dは第5行の受光素子行であり、各列の八角形の形状で示されるのが受光素子である。この場合、受光素子は列方向と行方向にいずれにも全て等間隔で配置している。さらに、36a〜36cは第1の列方向電荷転送装置、37a〜37cは第2の列方向電荷転送装置を示す。38は素子間分離領域であり、一般に半導体領域上に信号電荷と反対導電型の高濃度不純物層を形成してなり、各列方向電荷転送装置間及び受光素子の一部と列方向電荷転送装置との間を電気的に分離する。
【0019】
列方向電荷転送装置は、図示しない半導体基板上に絶縁膜(図示しない)を介して形成された複数の導電性電極を含み、本実施例においては行方向に一体化された39a〜42a及び39b〜42bがこれに当たり、39a〜42aの4個の電極で1転送段を形成する公知の4相駆動型転送装置が用いられている。この例では、39a,41a,39b,41bが第1層の導電層、40a,42a,40b,42bが第2層の導電層からなる公知の重ね合わせ電極構造が採用され、39aと39bには第1相、40aと40bには第2相、41aと41bには第3相、42aと42bには第4相の転送クロック電圧が供給される。各電極にまたがる細い線の領域は2層重ね合わせ電極のオーバーラップ部分を表す。本実施例で明らかな如く、本発明は公知の2層重ね合わせ電極の4相駆動方式で実現することができる。
【0020】
図2に、本発明の第2の実施例の固体撮像装置の部分拡大平面図を示す。図2において、21a〜21dは第1行の受光素子行、24a〜24dは第2行の受光素子行、22a〜22dは第3行の受光素子行、25a〜25dは第4行の受光素子行、そして23a〜23dは第5行の受光素子行であり、16a〜16dは第1の列方向電荷転送装置、17a〜17dは第2の列方向電荷転送装置を示す。各列の八角形の形状で示されるのが受光素子である。本実施例では受光素子は各列方向電荷転送装置の蛇行角度に整合するような八角形の形状を採用する。この形状により受光面積を最大限に拡大することができる。
【0021】
さらに、図2の実施例においては、受光素子の受光部上にG,B,Rと記した色フィルタが形成されている。ここで、Gは緑(グリーン)、Bは青(ブルー)そしてRは赤(レッド)を示す。この実施例では、Gフィルタのある受光素子からの信号電荷(G信号)は第1の列方向電荷転送装置16a〜16dに、BフィルタとRフィルタのある受光素子からの信号電荷(B信号とR信号)は第2の列方向電荷転送装置17a〜17dによりそれぞれ転送される。
【0022】
さらに、図2の実施例においては行方向電荷転送装置は、第1と第2の列電荷転送装置16a〜16d、17a〜17dからの信号電荷を並列に受取ってそれらを行方向に転送する主転送装置26と、主転送装置26からのG信号の信号電荷を第1の出力回路29に分岐転送する第1の分岐装置27と、主転送装置26からのB信号とR信号の信号電荷を第2の出力回路30に分岐転送する第2の分岐装置28とからなる。主転送装置26内をG,R,G,B信号の順番で転送された信号電荷の内、例えばG信号は第1の分岐装置27に転送され、R信号とB信号とは第2の分岐装置28に転送される。これにより、第1の出力回路29からはG信号の電圧が出力され、第2の出力回路30からはR信号とB信号の電圧がそれぞれ分離して出力されるので、以後の信号処理を簡単にすることができる。
【0023】
図3に、本発明の第3の実施例の固体撮像装置の部分拡大平面図を示す。図3において、51a〜51dは第1行の受光素子行、54a〜54dは第2行の受光素子行、52a〜52dは第3行の受光素子行、55a〜55dは第4行の受光素子行、そして53a〜53dは第5行の受光素子行であり、16a〜16dは第1の列方向電荷転送装置、17a〜17dは第2の列方向電荷転送装置を示す。G,B,Rと記したのは色フィルタの色を示す。
【0024】
第3の実施例においては受光素子の形状が円形または楕円形をなしている。受光素子を円形または楕円形とすることで、その上に形成されるマイクロレンズ(図示せず)の形状を最も集光性の良い円形あるいは楕円形とすることができる。さらに、第3の実施例においては、第1の列方向電荷転送装置16a〜16dからのG信号を受けて転送する第1の行方向電荷転送装置56と、第2の列方向電荷転送装置17a〜17dからのB信号とG信号とを受けて転送する第2の行方向電荷転送装置55とを個別に設け、それぞれに個別の出力回路58と57とを接続した。
【0025】
このように、行方向電荷転送装置を二つに分割して配置したことにより、2列の列方向電荷転送装置から転送されるG,B,Rの高密度信号電荷を空間的に1/2の密度に低減できるため、行方向電荷転送装置に要求される集積度を分割しない場合に比べて1/2に緩和できる。また、行方向電荷転送装置と出力回路とに要求される転送周波数を分割しない場合に比べて半分の低い周波数に低減できるので、消費電力を著しく低減できる。なお、図3の59a〜59eは、列方向電荷転送装置から行方向電荷転送装置へ信号電荷を転送するに際し、始めに第1の列方向電荷転送装置16a〜16dから行方向電荷転送装置55を介して行方向電荷転送装置56に転送し、続いて第2の列方向電荷転送装置17a〜17dから行方向電荷転送装置55に転送を行うように制御する転送制御部である。2行の行方向電荷転送装置55,56を用いて電荷を転送する方法は、例えば特開平5−91415号公報の図2、図6の説明に記載されている。
【0026】
図4に、本発明の第4の実施例の固体撮像装置の部分拡大平面図を示す。図4において、61a〜61dは第1行の受光素子行、64a〜64dは第2行の受光素子行、62a〜62dは第3行の受光素子行、65a〜65dは第4行光素子行、そして63a〜63dは第5行の受光素子行であり、66a〜66dは第1の列方向電荷転送装置、67a〜67dは第2の列方向電荷転送装置を示す。G,B,Rと記したのは色フィルタの色を示す。
【0027】
この第4実施例においては、第1の列方向電荷転送装置66a〜66dの信号電荷の転送方向と、第2の列方向電荷転送装置67a〜67dの信号電荷の転送方向とが互いに逆方向である。奇数番目の行の受光素子61a〜61d、62a〜62d、63a〜63dで発生した信号電荷は第1の列方向電荷転送装置66a〜66dで読み出されて、図面の下方の第1の行方向電荷転送装置68に転送される。一方、偶数番目の行の受光素子64a〜64d、65a〜65dで発生した信号電荷は第2の列方向電荷転送装置67a〜67dで読み出されて、図面の上方の第2の行方向電荷転送装置69に転送される。従って、G信号は下の行方向電荷転送装置68で出力回路70に転送され、R信号とB信号とは上の行方向電荷転送装置69でもう一つの出力回路71に転送される。上下別々の出力回路70と71から出力される信号は互いに上下反転するが、出力信号を一旦メモリに格納し、メモリから正転読み出しすることで実用上問題はない。正転読み出しは、メモリに書き込んだ行の順番と逆の順番でメモリから読み出す方法である。
【0028】
次に、本発明による固体撮像装置の構成で使用されるカラーフィルタあるいはカラーフィルタの上に配置されるマイクロレンズの配置の実施例について図5〜図7を参照して説明する。図5〜図7の説明ではカラーフィルタの配置例を参照して説明するが、マイクロレンズの場合も同様である。
【0029】
図5に示す場合においては、点線で示すようにGフィルタが正方格子状に配置され、格子をなす四つのGフィルタに囲まれた中心にRフィルタあるいはBフィルタが配置される。行方向の配列ピッチ81と、列方向の配列ピッチ82とは互いに等しく設定されている。この例ではフィルタ(又はマイクロレンズ)は八角形の形状に形成されている。
【0030】
図6は、図5と同一のGフィルタ配列で、各フィルタ(又はマイクロレンズ)の形状を6角形に形成した場合を示す。行方向の配列ピッチ83と、列方向の配列ピッチ84とは互いに等しく設定されている。
【0031】
図7は、各フィルタ(又はマイクロレンズ)の形状を正六角形に形成し、隣接するフィルタ間の中心距離85、86、87をすべて等しく設定した例である。この例の場合では、R,G,Bフィルタが全領域に渡り均一かつ等方的に配置されている。図6と図7の例では、フィルタ(あるいはマイクロレンズ)の配置に空間的無効領域がなく効率的な配置を実現している。
【0032】
図9に示す従来の固体撮像装置では、フィルタあるいはマイクロレンズはその形状が長方形に限定されてしまうのに対して、本発明の実施例によるフィルタあるいはマイクロレンズの配置では、配置と形状の選択肢が格段に増加し、撮像サンプリング点およびマイクロレンズの集光率を最大限に高めることができる。さらに、行方向と列方向の空間サンプリング周波数をほぼ同一にでき、再生画像全体にわたり、調和がとれた解像度を得ることができる。
【0033】
以上では、本発明の実施例に関し、全受光素子の信号を同時に読み出す、所謂全画素同時読み出し型の固体撮像装置の場合を例に説明した。しかし、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。本発明は、たとえばNTSC方式に準じたインターレース型固体撮像装置として利用することもできる。この場合、全受光素子の例えば半数を1フィールドとして読み出し、残り半数を他の1フィールドとして読み出す。1受光素子に対して1転送段が対応する前述の実施例の構造でインターレース動作を行う場合、全転送段の半数が空信号状態として散りばめられる。空信号は転送期間に発生する雑音成分(光漏洩によるスミアや熱的に発生する暗電流等)を含む。従って、空信号に隣接する撮像信号からこの空信号を引き去ることで信号のS/Nを改善することができる。
【0034】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【0035】
【発明の効果】
互いに隣接する受光素子の行同士において、一方の行の受光素子の配列が他方の行の受光素子の配列に対して該配列間隔のほぼ1/2だけ相対的にずれて配置され、さらに行方向に隣接する受光素子間には2列分の列方向電荷転送装置が配置され、斜め方向に隣接する受光素子間には1列分の列方向電荷転送装置が配置されるように列方向電荷転送装置が受光素子間を蛇行するように半導体基板上に形成されている構成を採用することにより、以下のような効果を得ることができる。
【0036】
(1) 画像の空間的サンプリング点を最適化しかつ全画素同時読み出しを可能とする。
【0037】
(2) 受光無効領域の上下の受光素子の信号を利用して無効領域の信号を生成することで等価的に受光素子数の2倍の解像度が得られるような信号処理が可能となる。
【0038】
(3) モアレ等の偽信号が抑圧され、高品質撮像信号を得られる。
【0039】
(4) 色フィルタやマイクロレンズの形状に対する選択肢が増加し、受光効率を向上できる。
【0040】
(5) 受光無効領域を極力排除し高集積化をもたらす。
【0041】
(6) 製造工程で発生する受光素子と列方向電荷転送装置との相対的位置ズレに起因する受光素子間の特性不均一をなくすことができる。
【0042】
(7) 従来の2層重ね合わせ電極構造の製造技術を利用して作成できるので製造が容易である。
【0043】
(8) 斜め方向に隣接する受光素子間には1個の列転送装置しかないので、従来の撮像装置に比べ斜め方向の受光素子間隔を格段に狭めることができる。
【0044】
(9) インターレース動作に応用した場合、雑音成分を分離出力し、それを元の信号から引き去ることでS/Nの高い信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の全画素同時読み出し固体撮像装置の部分拡大平面図である。
【図2】本発明の第2の実施例の全画素同時読み出し固体撮像装置の部分拡大平面図である。
【図3】本発明の第3の実施例の全画素同時読み出し固体撮像装置の部分拡大平面図である。
【図4】本発明の第4の実施例の全画素同時読み出し固体撮像装置の部分拡大平面図である。
【図5】本発明の実施例におけるカラーフィルタの配列構成の例を示す図である。
【図6】本発明の実施例におけるカラーフィルタの配列構成の他の例を示す図である。
【図7】本発明の実施例におけるカラーフィルタの配列構成のさらに別の例を示す図である。
【図8】本発明の実施例の固体撮像素子の構造をより具体的に示す部分拡大平面図である。
【図9】従来の技術による全画素同時読み出し固体撮像装置の部分拡大平面図である。
【符号の説明】
11a〜11d,12a〜12d,13a〜13d,14a〜14d,15a〜15d・・・・・・・・・受光素子(光電変換素子)
16a〜16d,17a〜17d・・・・・・列方向電荷転送装置
19・・・・・・・行方向電荷転送装置
20・・・・・・・出力回路
Claims (13)
- 半導体基板と、
互いに隣接する行同士において、一方の行の配列が他方の行の配列に対して行方向の該配列間隔のほぼ1/2だけ相対的にずれて配置された複数の光電変換素子と、
行方向に隣接する前記光電変換素子間には2列分が配置され、斜め方向に隣接する前記光電変換素子間には1列分が配置されるように、前記光電変換素子間を蛇行するように前記半導体基板上に形成され、列方向に沿って配置されている前記光電変換素子から出力される蓄積電荷を転送する複数の列方向電荷転送装置と、
前記列方向電荷転送装置から電荷を順次読み出して転送する行方向電荷転送装置と、
前記行方向電荷転送装置からの電荷量に応じた電圧を順次出力する出力回路とを有する固体撮像装置であって、
前記光電変換素子は、前記列方向電荷転送装置の蛇行角度に整合するように配置され、
前記列方向電荷転送装置は、行方向に延在し、複数の行方向の前記電荷転送装置に共有される複数の電極を含み、1個の前記光電変換素子に対し4個の前記電極で一転送段を形成することを特徴とする固体撮像装置。 - 前記列方向電荷転送装置の各々は、複数の電荷転送段が直列に配列してなり、前記複数の光電変換素子の各々の片側に近接して前記電荷転送段が一つずつ形成され、さらに、前記行方向電荷転送装置の数が1ないし2であり、全ての前記光電変換素子からの信号が前記列方向電荷転送装置に読み出され、前記列方向電荷転送装置から前記行方向電荷転送装置に1行ないし2行分の複数の電荷が転送され、さらに前記行方向電荷転送装置から前記出力回路に前記電荷が順次転送されることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
- 前記複数の光電変換素子の平面形状が八角形であることを特徴とする請求項1又は2記載の固体撮像装置。
- 前記複数の光電変換素子は、一つの光電変換素子を中心にして該光電変換素子を隣接して取り囲む四つの光電変換素子の中心点が互いに行方向と列方向のいずれも同一間隔となるように前記半導体基板上に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
- 前記複数の光電変換素子は、互いに隣接する三つの光電変換素子の中心点の間隔が全て同一となるように前記半導体基板上に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
- 前記光電変換素子から蓄積電荷を入力する前記列方向電荷転送装置は、該受光電変換素子に対し所定の位置に配置され、互いの相対的位置関係は平面形状的に全光電変換素子にわたり同一であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
- 一つの光電変換素子列の両側に配置された列方向電荷転送装置の転送方向が互いに逆方向であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
- 一つの光電変換素子列の両側に配置された列方向電荷転送装置の転送方向が互いに同一方向で、該両側の列方向電荷転送装置から共通の前記行方向電荷転送装置に電荷が転送され、該共通の行方向電荷転送装置に少なくとも二つの分岐転送装置が接続され、該少なくとも二つの分岐転送装置の各々に前記出力回路が接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
- 一つの光電変換素子列の両側に配置された列方向電荷転送装置の転送方向が互いに同一方向で、該両側の列方向電荷転送装置からそれぞれ異なる前記行方向電荷転送装置に電荷が転送され、該異なる行方向電荷転送装置の各々に前記出力回路が接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
- 前記緑のカラーフィルタが形成された光電変換素子から転送された電荷に対応する電圧を出力する出力回路と、前記青および赤のカラーフィルタが形成された光電変換素子から転送された電荷に対応する電圧を出力する出力回路とが互いに独立した出力回路であることを特徴とする請求項9記載の固体撮像装置。
- 互いに隣接する3個の光電変換素子の上に赤と緑と青のカラーフィルタが形成され、全ての光電変換素子について、隣接する光電変換素子の上に形成されるカラーフィルタの色が互いに異なるように配置されることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
- 互いに隣接する3個の光電変換素子の上に赤と緑と青のカラーフィルタが形成され、一つの光電変換素子列の両側に配置された列方向電荷転送装置の一方が前記緑のカラーフィルタがその上に形成された光電変換素子からの電荷を転送し、他方が前記赤と青のカラーフィルタがその上に形成された光電変換素子からの電荷を転送し、前記一方の列方向電荷転送装置からの電荷を受けて該電荷量に応じた電圧を出力する第1の出力回路と、
前記他方の列方向電荷転送装置からの電荷を受けて該電荷量に応じた電圧を出力する第2の出力回路とを有することを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。 - 前記光電変換素子から前記列方向電荷転送装置への電荷の転送方向がすべての光電変換素子に関して同じ方向であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
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JP4691438B2 (ja) * | 2005-11-28 | 2011-06-01 | 富士フイルム株式会社 | 固体撮像装置及び固体撮像装置の駆動方法 |
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